JP7167878B2 - 電池監視システム - Google Patents
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Description
本発明は、直列に接続された複数の単位電池を備える組電池に適用される電池監視システムに関する。
この種の電池監視システムとしては、特許文献1に見られるように、均等化回路と電圧検出部とを有する電池監視装置を備えるものが知られている。電圧検出部は、各セルの電圧を検出する。均等化回路は、各セルに対応して設けられており、対応するセルの正極端子と負極端子との間に設けられたスイッチング素子を備える。均等化回路は、電圧検出部により検出された各セルの電圧に基づいてスイッチング素子を開閉することで、各セルの充電量を均等化する。
例えば、電気自動車やハイブリッド車に用いられる組電池では、車両の仕様毎に組電池を構成するセルの数が異なることがある。この場合、電池監視装置に必要とされる均等化回路の数が異なることから、その均等化回路の数に対応するように電池監視装置を含む電池監視システムを再設計する必要があり、電池監視システムの製造コストが増大する問題が生じる。例えばセルなど、組電池を構成する単位電池の数が異なる場合でも電池監視システムを共通化できる技術が要求されている。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、組電池を構成する単位電池の数が異なる場合でも共通化できる電池監視システムを提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、直列に接続された複数の単位電池を備える組電池に適用され、前記組電池を監視する監視装置と、前記監視装置を制御する制御装置と、を備える電池監視システムであって、前記組電池は、最も低電位側の前記単位電池の負極端子側、最も高電位側の前記単位電池の正極端子側、及び隣り合う前記単位電池の間にそれぞれ設けられたn個(n≧3)の接続点を有し、前記監視装置は、m個(m≧4)の検出端子を有し、そのm個の前記検出端子のうちi番目の前記検出端子に接続される接続線とi+1番目の前記検出端子に接続される接続線との間に、これらの接続線の間を開閉するスイッチング素子とこれらの接続線の間の電圧を検出する電圧検出部とが並列に接続されており、mはnよりも大きく、m個の前記検出端子には前記接続点に接続されていない未接続検出端子が含まれており、前記組電池では、複数の前記単位電池のうち特定単位電池において、正極端子側の前記接続点に接続される第1検出端子と負極端子側の前記接続点に接続される第2検出端子との間に前記未接続検出端子が介在するように前記監視装置に接続されており、前記制御装置は、前記各単位電池の均等化処理を実施するか否かを判定する均等化判定部と、前記均等化判定部により前記均等化処理を実施すると判定された場合に、前記第1検出端子に接続される接続線と前記第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数の前記スイッチング素子のうちいずれか1つの特定スイッチング素子をオフ、その特定スイッチング素子以外の前記スイッチング素子をオンにした状態で、前記特定スイッチング素子に並列接続された前記電圧検出部を用いて前記特定単位電池の電圧を検出する検出処理部と、を備える。
電池監視システムでは、組電池を構成する単位電池の数に応じて監視装置における検出端子の数(m)が組電池における接続点の数(n)よりも多くなることがある。検出端子の数が接続点の数よりも多いと、複数の単位電池のうち少なくとも1つの単位電池において、正極端子側の接続点に接続される第1検出端子と負極端子側の接続点に接続される第2検出端子との間に、接続点に接続されていない未接続検出端子が介在することがある。
監視装置では、各検出端子に接続される接続線間にスイッチング素子と電圧検出部とが並列に接続されているため、未接続検出端子が介在する場合、特定単位電池の電圧を検出できない。そのため、未接続検出端子が介在する場合には、特定単位電池の電圧を検出するために、未接続検出端子を第1検出端子又は第2検出端子に接続する必要がある。未接続検出端子を第1検出端子又は第2検出端子に接続するために、例えば抵抵抗部材をこれらの端子間に接続しようとすると、抵抵抗部材を配置するスペースを設けるために、監視装置を含む電池監視システムを再設計する必要があり、また抵抵抗部材の追加により電池監視システムの製造コストが増大する。
この手段では、監視装置に設けられたスイッチング素子を用いて未接続検出端子を第1検出端子又は第2検出端子に接続する。そのため、組電池を構成する単位電池の数に応じて特定単位電池が設けられる場合でも、電池監視システムを再設計することなく、特定単位電池の電圧を検出することができる。そのため、組電池を構成する単位電池の数が異なる場合でも電池監視システムを共通化することができる。
第2の手段では、前記制御装置は、前記検出処理部により検出された前記特定単位電池の電圧に基づいて、前記特定単位電池を均等化放電するか否かを判定する放電判定部と、前記特定単位電池を均等化放電すると判定された場合に、前記第1検出端子に接続される接続線と前記第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数の前記スイッチング素子を全てオンにした状態で均等化放電を実施する均等化部と、を備える。
この手段では、均等化処理において、第1検出端子に接続される接続線と第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数のスイッチング素子のうち、いずれか1つの特定スイッチング素子をオフ、その特定スイッチング素子以外のスイッチング素子をオンにした状態で、特定単位電池の電圧を検出する。そして、特定単位電池を均等化放電する場合、これら複数のスイッチング素子を全てオンにした状態に切り替えて、均等化放電を実施する。そのため、組電池を構成する単位電池の数に応じて特定単位電池が設けられる場合でも、第1検出端子に接続される接続線と第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数のスイッチング素子の状態を切り替えることで、電池監視システムを再設計することなく、特定単位電池を均等化放電することができる。
第3の手段では、1番目の前記検出端子が最も低電位側の前記単位電池の負極端子側の接続点に接続されており、n番目の前記検出端子が最も高電位側の前記単位電池の正極端子側の接続点に接続されており、前記監視装置は、1番目の前記検出端子に接続される接続線とn番目の前記検出端子に接続される接続線とから電力が供給される。
検出端子の数が接続点の数よりも多い構成において、監視装置に電力を供給するために、1番目の検出端子が最も低電位側の単位電池の負極端子側の接続点に接続され、n番目の検出端子が最も高電位側の単位電池の正極端子側の接続点に接続される。そのため、複数の単位電池のうち少なくとも1つの単位電池が、第1検出端子と第2検出端子との間に未接続検出端子が介在する特定単位電池となる。この手段では、特定単位電池が設けられる場合でも、電池監視システムを再設計することなく、特定単位電池の電圧を検出することができ、電池監視システムを共通化することができる。
第4の手段では、前記監視装置では、i番目の前記検出端子に接続される接続線とi+1番目の前記検出端子に接続される接続線との間に、所定容量のコンデンサが前記スイッチング素子と前記電圧検出部とに並列に接続されており、前記均等化判定部は、前記電池監視システムの起動スイッチがオフ状態である場合に、前記均等化処理を実施するか否かを判定し、前記制御装置は、前記起動スイッチがオン状態である場合に、前記第1検出端子に接続される接続線と前記第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数の前記スイッチング素子のうち前記特定スイッチング素子以外の前記スイッチング素子を常時オンとする状態制御部を備える。
電池監視システムの起動スイッチがオン状態である場合、未接続検出端子でノイズが発生することがある。監視装置では、各接続端子に接続される接続線間にコンデンサが接続されており、このコンデンサにより未接続検出端子で発生したノイズが、第1検出端子や第2検出端子に混入することが抑制される。しかし、第1検出端子と第2検出端子との間には、複数のコンデンサが直列で接続されるために、第1検出端子と第2検出端子との間のコンデンサの合成容量は、所定容量よりも低下する。そのため、第1検出端子と第2検出端子との間に直列に接続された複数のコンデンサを用いて、特定単位電池の正極端子と負極端子との間に発生するノイズを除去できない。
この手段では、起動スイッチがオン状態である場合に、第1検出端子に接続される接続線と、第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数のスイッチング素子のうち、特定スイッチング素子以外のスイッチング素子を常時オン状態とする。これにより、第1検出端子と第2検出端子との間のコンデンサの容量を所定容量(すなわち、単一のコンデンサ容量)とすることができ、特定単位電池の正極端子と負極端子との間に発生するノイズを好適に除去することができる。
第5の手段では、前記制御装置は、前記各単位電池の充電量を表現する物理量を取得する取得部と、前記物理量に基づいて、前記未接続検出端子を特定する特定部と、を備える。
単位電池の充放電により単位電池の電圧が変動し、温度が上昇する。そのため、単位電池の電圧や温度は、単位電池の充電量を表現する物理量ということができる。例えば、この物理量として、電圧検出部を用いて検出端子間の端子間電圧を取得する場合において、単位電池の電圧が取得できなければ、その電圧検出部に接続される一対の検出端子のうち、少なくとも一方が未接続検出端子であると特定できる。また、この物理量として、温度センサを用いて組電池における温度分布を取得すれば、各単位電池の位置を特定でき、これにより未接続検出端子を特定できる。未接続検出端子を特定できれば、特定単位電池を特定でき、これにより特定単位電池の電圧を検出することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る電池監視システムを具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の電池監視システム100は、車両に搭載される。
以下、本発明に係る電池監視システムを具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の電池監視システム100は、車両に搭載される。
図1に示すように、電池監視システム100は、回転電機10と、インバータ20と、を備えている。本実施形態において、回転電機10は、星形結線された3相の巻線11を備えている。回転電機10のロータは、車両の駆動輪と動力伝達が可能なように接続されている。回転電機10は、例えば同期機である。
回転電機10は、インバータ20を介して、直流電源21に接続されている。本実施形態において、直流電源21は蓄電池である。なお、直流電源21及びインバータ20の間には、平滑コンデンサ22が設けられている。
インバータ20は、U,V,W相それぞれについて、上アームスイッチSWHと下アームスイッチSWLとの直列接続体を備えている。本実施形態では、各スイッチSWH,SWLとして、IGBTが用いられている。上アームスイッチSWHは、逆並列接続された上アームダイオードDHを有し、下アームスイッチSWLは、逆並列接続された下アームダイオードDLを有している。
各相において、上アームスイッチSWHのソースと下アームスイッチSWLのドレインとの接続点には、回転電機10の巻線11の第1端が接続されている。各相の巻線11の第2端は、中性点で接続されている。
また、電池監視システム100は、相電流検出部23と、電源電圧検出部24と、制御装置30と、電池監視装置40と、を備えている。相電流検出部23は、回転電機10に流れる各相電流のうち、少なくとも2相分の電流を検出する。電源電圧検出部24は、平滑コンデンサ22の端子電圧を電源電圧VHrとして検出する。各検出部23,24の検出値は、制御装置30に入力される。
制御装置30は、回転電機10の制御量をその指令値に制御すべく、インバータ20を制御する。制御量は、例えばトルクである。制御装置30は、デッドタイムを挟みつつ上,下アームスイッチSWH,SWLを交互にオン状態とすべく、上,下アームスイッチSWH,SWLに対応する上,下アーム駆動信号SGH,SGLを、上,下アームスイッチSWH,SWLに対して個別に設けられた上,下アーム駆動回路DrH,DrLに出力する。電池監視装置40は、制御装置30の制御により直流電源21を監視する。
また、制御装置30には、車両の起動スイッチであるIGスイッチ31が接続されており、制御装置30は、このIGスイッチ31のオンオフ状態を監視する。なお、本実施形態において、IGスイッチ31が「起動スイッチ」に相当する。
図2に、本実施形態における直流電源21及び電池監視装置40の構成図を示す。直流電源21は、複数のセルCを直列接続して構成される組電池である。なお、本実施形態の各セルCは、リチウムイオン二次電池により構成されている。本実施形態において、セルCが「単位電池」に相当する。
本実施形態では、直流電源21が9個のセルC1~C9を備えている。また、直流電源21には、10個の接続点X1~X10が設けられている。接続点X1~X10は、最も低電位側のセルC1の負極端子側、最も高電位側のセルC9の正極端子側、及び隣り合うセルC1~C9の間にそれぞれ設けられている。そのため、接続点X1~X10の数は、セルC1~C9の数よりも1だけ多い。nを1~9までの整数とする場合、第nセルCnの負極端子には、第n接続点Xnが接続され、第nセルCnの正極端子には、第n+1接続点Xn+1が接続されている。
電池監視装置40は、直流電源21に対応して設けられた監視IC41と、監視IC41の入力側に設けられた保護回路42とを備えている。監視IC41は、種々の監視情報(電圧、温度等)を検出し、各セルC1~C9の状態を監視するものであり、13個の検出端子Y1~Y13を備えている。
検出端子Y1~Y13には、それぞれ電池監視用の接続線L1~L13が接続されており、その接続線L1~L13に監視IC41が接続されている。監視IC41は、各接続線L1~L13を介して入力された電流に基づき各セルC1~C9の電圧を検出する。
保護回路42は、接続線L1~L13に設けられており、ヒューズ50と、チップビーズ51と、ツェナーダイオード52と、コンデンサ53と、を含む。ヒューズ50及びチップビーズ51は、各接続線L1~L13に設けられている。ヒューズ50及びチップビーズ51は、各接続線L1~L13において、検出端子Y1~Y13と監視IC41との間にこの順に設けられている。チップビーズ51は、高周波側のインダクタンスが高くなるように構成されているインダクタ素子である。そのため、チップビーズ51によって、接続線L1~L13を介して入力される電流からノイズが除去される。
ツェナーダイオード52は、隣接する接続線L1~L13の間に接続されている。具体的には、ツェナーダイオード52は、各接続線L1~L13において、チップビーズ51と監視IC41との間に接続されている。ツェナーダイオード52は、iを1~12までの整数とする場合、第i接続線Liと第i+1接続線Li+1との間に接続されており、第i接続線Liから第i+1接続線Li+1に電流を流す向きが順方向となるように設けられている。例えば、第i接続線LiがあるセルCの負極端子側の接続点Xに接続され、第i+1接続線Li+1がこのセルCの正極端子側の接続点Xに接続された場合において、過充電等によりこのセルCに基準電圧よりも大きな電圧が発生した場合を想定する。この場合、セルCに蓄えられた電荷が、ツェナーダイオード52を介して高圧側の第i+1接続線Li+1から低圧側の第i接続線Liに向かって流れ、セルCの電圧が所定の大きさに制限される。
コンデンサ53は、隣接する接続線L1~L13の間に接続されている。具体的には、コンデンサ53は、各接続線L1~L13において、ツェナーダイオード52と監視IC41との間に接続されている。コンデンサ53の容量は所定容量に設定されており、コンデンサ53が設けられることにより、隣接する接続線L1~L13の間に発生するノイズ(高周波成分)が除去される。
監視IC41は、スイッチング素子43と、電圧検出部45と、を備えている。スイッチング素子43は、隣接する接続線L1~L13の間に接続されており、これらの接続線L1~L13の間を開閉する。スイッチング素子43は、高電圧低電流に対応したスイッチであり、例えばNチャンネルMOSFETが用いられている。スイッチング素子43には、寄生ダイオード44が並列接続されている。
電圧検出部45は、隣接する接続線L1~L13の間に接続されている。つまり、ツェナーダイオード52と、コンデンサ53と、スイッチング素子43と、電圧検出部45とは、第i接続線Liと第i+1接続線Li+1との間に並列に接続されている。電圧検出部45は、隣接する接続線L1~L13の間の電圧を検出する。そのため、隣接する接続線L1~L13が、あるセルCの負極端子側及び正極端子側の接続点Xにそれぞれ接続されている場合、そのセルCの電圧が検出される。
監視IC41は、直流電源21から電力の供給を受けて作動する。具体的には、第1検出端子Y1は、直流電源21のうち最も低圧側の第1セルC1の負極端子側における第1接続点X1に接続されている。また、第13検出端子Y13は、直流電源21のうち最も高圧側の第9セルC9の正極端子側における第10接続点X10に接続されている。監視IC41は、低圧側電圧線LDを介して第1検出端子Y1に接続される第1接続線L1に接続されるとともに、高圧側電圧線LUを介して第13検出端子Y13に接続される第13接続線L13に接続されており、第1,第13接続線L1,L13から電力が供給される。なお、図3以降では、高圧側電圧線LU及び低圧側電圧線LDの記載が省略されている。
直流電源21のその他の接続点X2~X9も、それぞれ1個の検出端子Y2~Y12に接続されている。具体的には、nを2~8までの整数とし、mを2~12までの整数とする場合、低圧側の第n接続点Xnが高圧側の第n+1接続点Xn+1よりも順番が先の、つまりmが小さい検出端子Ymに接続されている。
本実施形態では、接続点X2~X9が検出端子Y2~Y9に接続されている。一方、検出端子Y10~Y12は、接続点X1~X10に接続されていない。直流電源21では、セルC1~C9のうち第9セルC9において、正極端子側の第10接続点X10に接続される第13検出端子Y13と、負極端子側の第9接続点X9に接続される第9検出端子Y9との間に、接続点X1~X10に接続されていない未接続検出端子Y10~Y12が介在するように電池監視装置40に接続されている。なお、本実施形態において、第9セルC9が「特定単位電池」に相当し、第13検出端子Y13が「第1検出端子」に相当し、第9検出端子Y9が「第2検出端子」に相当する。
ところで、直流電源21では、車両の仕様毎に直流電源21を構成するC1~C9の数が異なることがあり、監視IC41に必要とされるスイッチング素子43等の数が異なる。この場合に、直流電源21を構成するC1~C9の数によらず、共通の監視IC41を用いて電池監視装置40を構成しようとすると、電池監視装置40における検出端子Y1~Y13の数が、直流電源21における接続点X1~X10の数よりも多くなることがある。検出端子Y1~Y13の数が接続点X1~X10の数よりも多いと、未接続検出端子Y10~Y12が介在する。
監視IC41では、電圧検出部45が隣接する接続線L1~L13の間の電圧を検出するため、未接続検出端子Y10~Y12が介在する場合、第9セルC9の電圧を検出できない。第9セルC9の電圧を検出するためには、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続する必要がある。
保護回路42を用いて、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続する場合、保護回路42を再設計する必要がある。具体的には、図3に示すように、接続線L9~L12の間に接続されたコンデンサ53を取り外すとともに、このコンデンサ53を取り外した部分に、抵抗値がゼロΩの抵抗器54を接続する。また、接続線L9~L13の間に接続されたツェナーダイオード52を取り外すとともに、接続線L10~L12に接続しないように、第9接続線L9と第13接続線L13との間にツェナーダイオード52を接続する。これにより、第12接続線L12と第13接続線L13との間に接続された電圧検出部45を用いて、第9セルC9の電圧を検出することができる。しかし、保護回路42を含む電池監視システム100の再設計や、抵抗器54の追加により電池監視システム100の製造コストが増大する。
本実施形態の制御装置30は、監視IC41に設けられたスイッチング素子43を用いて、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続する制御処理を実施する。そのため、未接続検出端子Y10~Y12が介在する場合でも、保護回路42を含む電池監視システム100を再設計することなく、第9セルC9の電圧を検出することができる。そのため、直流電源21を構成するC1~C9の数によらず、共通の監視IC41を用いて電池監視装置40を構成することができ、直流電源21を構成するセルC1~C9の数が変更された場合でも、電池監視システム100を共通化することができる。
図4,5に、本実施形態の制御処理のフローチャートを示す。図4は、IGスイッチ31がオフ状態である場合に、制御装置30により実施されるオフ制御処理である。具体的には、制御装置30は、IGスイッチ31がオフ状態に切り替えられると、所定期間毎にオフ制御処理を繰り返し実施する。
オフ制御処理を開始すると、まずステップS10において、均等化処理を実施するか否かを判断する。均等化処理とは、各セルC1~C9の電圧を揃えるように、他のセルCに比較して充電量が多い一部のセルCを均等化放電させる処理である。これにより、各セルCの電圧を揃え、セルC1~C9のうち一部が過充電となることを抑制することができる。均等化処理は、所定の均等化条件が成立した場合に実施され、均等化条件は例えば各セルCの電圧差が閾値以上となったことである。なお、本実施形態において、ステップS10の処理が「均等化判定部」に相当する。
ステップS10で否定判定すると、オフ制御処理を終了する。一方、ステップS10で肯定判定すると、ステップS12において、未接続検出端子Y10~Y12に接続される複数のスイッチング素子43、つまり第9接続点X9と第13検出端子Y13との間に接続される複数のスイッチング素子43のうち、1つの特定スイッチング素子(特定SW)43Aをオフ、その特定スイッチング素子以外のスイッチング素子(以下、非特定スイッチング素子(非特定SW))43Bをオンとする。続くステップS14において、各セルC1~C9の電圧を検出する。なお、本実施形態において、ステップS14の処理が「検出処理部」に相当する。
図6(A),(B)に、第9接続点X9と第13検出端子Y13との間に接続される複数のスイッチング素子43及び複数の電圧検出部45を示す。このうち、図6(A)には、これら複数のスイッチング素子43のうち、特定スイッチング素子43Aをオフ、非特定スイッチング素子43Bをオンとした状態を示す。本実施形態では、特定スイッチング素子43Aは、第12接続点X12と第13検出端子Y13との間に接続されるスイッチング素子43であり、非特定スイッチング素子43Bは、第9接続点X9と第12検出端子Y12との間に接続されるスイッチング素子43である。なお、図6(A),(B)では、説明のために、特定スイッチング素子43A及び非特定スイッチング素子43Bが簡略化して示されている。
図6(A)に示すように、特定スイッチング素子43Aをオフ、非特定スイッチング素子43Bをオンとした状態では、特定スイッチング素子43Aに並列接続された電圧検出部45を介して、第9セルC9の正極端子と負極端子とが接続される。そのため、ステップS14では、この電圧検出部45を用いて第9セルC9の電圧を検出することができる。
続くステップS16において、ダイアグ(故障診断)処理を実施する。ダイアグ処理では、接続線L1~L13の断線等が診断される。そのため、未接続検出端子Y10~Y12に接続される接続線L10~L12では、これらの接続線L10~L12に断線が生じていなくても断線が生じていると誤診断される。本実施形態では、ステップS12で非特定スイッチング素子43Bがオンとされた状態でダイアグ処理が実施される。そのため、接続線L10~L12に断線が生じていると誤診断されることが抑制される。ダイアグ処理が終了すると、ステップS18において、非特定スイッチング素子43Bをオフとする。
続くステップS20において、ステップS14で検出された電圧に基づいて、第9セルC9を均等化放電するか否かを判定する。ステップS20で否定判定すると、オフ制御処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS20の処理が「放電判定部」に相当する。
一方、ステップS20で肯定判定すると、ステップS22において、第9接続点X9と第13検出端子Y13との間に接続される複数のスイッチング素子43の全て、つまり特定スイッチング素子43Aと非特定スイッチング素子43Bとの両方をオンとする。これにより、第9接続点X9と第13検出端子Y13との間に接続される複数のスイッチング素子43を全てオンとする。なお、本実施形態において、ステップS22の処理が「均等化部」に相当する。
図6(B)には、特定スイッチング素子43Aと非特定スイッチング素子43Bとの両方をオンとした状態を示す。図6(B)に示すように、特定スイッチング素子43Aと非特定スイッチング素子43Bとの両方をオンとした状態では、これらのスイッチング素子43を介して第9セルC9の正極端子と負極端子とが接続される。そのため、第9セルC9が均等化放電される。
続くステップS24において、均等化放電が完了したかを判定する。ステップS24で否定判定すると、ステップS24の処理を繰り返す。一方、ステップS24で肯定判定すると、ステップS26において、特定スイッチング素子43Aと非特定スイッチング素子43Bとをオフとし、オフ制御処理を終了する。
また、図5は、IGスイッチ31がオン状態である場合に、制御装置30により実施されるオン制御処理である。具体的には、制御装置30は、IGスイッチ31がオン状態に切り替えられると、所定期間毎にオン制御処理を繰り返し実施する。
オフ制御処理を開始すると、まずステップS30において、非特定スイッチング素子43Bをオンとする(図8(A)参照)。なお、以前に実施されたオフ制御処理において、既に非特定スイッチング素子43Bがオンされている場合には、その状態を維持する。そのため、IGスイッチ31がオン状態である場合に、非特定スイッチング素子43Bは常時オンとされる。なお、本実施形態において、ステップS30の処理が「状態制御部」に相当する。
ステップS32において、IGスイッチ31がオフ状態に切り替えられたかを判定する。ステップS32で否定判定すると、オフ制御処理を終了する。一方、ステップS32で肯定判定すると、ステップS34において、ダイアグ処理を実施する。続くステップS36において、非特定スイッチング素子43Bをオフとし、オフ制御処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・電池監視システム100では、直流電源21を構成するセルC1~C9の数に応じて電池監視装置40における検出端子Y1~Y13の数が、直流電源21における接続点X1~X10の数よりも多くなることがある。検出端子Y1~Y13の数が接続点X1~X10の数よりも多いと、複数のセルC1~C9のうち少なくとも1つのセルCである第9セルC9において、未接続検出端子Y10~Y12が介在することがある。具体的には、第9セルC9正極端子側の第10接続点X10に接続される第13検出端子Y13と、負極端子側の第9接続点X9に接続される第9検出端子Y9との間に、接続点X1~X10に接続されていない未接続検出端子Y10~Y12が介在することがある。
電池監視装置40では、各検出端子Y1~Y13に接続される接続線L1~L13の間に電圧検出部45が接続されているため、未接続検出端子Y10~Y12が介在する場合、第9セルC9の電圧を検出できない。そのため、未接続検出端子Y10~Y12が介在する場合には、第9セルC9の電圧を検出するために、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続する必要がある。未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続するために、例えば保護回路42において抵抗器54をこれらの端子間に接続することが考えられる。この場合、抵抗器54を配置するスペースを設けるために、コンデンサ53を取り外すなど電池監視装置40を含む電池監視システム100を再設計する必要があり、また抵抗器54の追加により電池監視システム100の製造コストが増大する。
本実施形態では、電池監視装置40に設けられたスイッチング素子43を用いて、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続する。そのため、直流電源21を構成するセルC1~C9の数に応じて未接続検出端子Y10~Y12が介在するセルCが設けられる場合でも、電池監視システム100を再設計することなく、このセルCの電圧を検出することができる。そのため、直流電源21を構成するセルC1~C9の数が異なる場合でも、電池監視システム100を共通化することができる。
・特に本実施形態では、電池監視装置40に電力を供給するために、検出端子Y1~Y13のうち、第1検出端子Y1が最も低電位側の第1接続点X1に接続され、第13検出端子Y13が最も高電位側の第10接続点X10に接続される。そのため、複数のセルC1~C9のうち少なくとも1つのセルC(本実施形態では第9セルC9)において、正極端子側に接続される第13検出端子Y13と負極端子側に接続される第9検出端子Y9との間に、接続点X1~X10に接続されていない未接続検出端子Y10~Y12が介在する。本実施形態では、未接続検出端子Y10~Y12が介在する場合でも、電池監視装置40に設けられたスイッチング素子43を用いて、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続する。このため、電池監視システム100を再設計することなく、この第9セルC9の電圧を検出することができ、電池監視システム100を共通化することができる。
・本実施形態では、均等化処理において、第9検出端子Y9に接続される第9接続線L9と、第13検出端子Y13に接続される第13接続線L13との間に接続される複数のスイッチング素子43のうち、特定スイッチング素子43Aをオフ、非特定スイッチング素子43Bをオンにした状態で、第9セルC9の電圧を検出する。そして、この第9セルC9を均等化放電する場合、これら複数のスイッチング素子、つまり特定スイッチング素子43Aと非特定スイッチング素子43Bとの両方をオンにした状態に切り替えて、均等化放電を実施する。そのため、直流電源21を構成するセルC1~C9の数に応じて未接続検出端子Y10~Y12が介在するセルCが設けられる場合でも、特定スイッチング素子43Aと非特定スイッチング素子43Bとの状態を切り替えることで、電池監視システム100を再設計することなく、均等化放電することができる。
・電池監視システム100のIGスイッチ31がオン状態である場合、未接続検出端子Y10~Y12でノイズが発生することがある。電池監視装置40では、各検出端子Y1~Y13に接続される接続線L1~L13の間にコンデンサ53が接続されており、このコンデンサ53により未接続検出端子Y10~Y12で発生したノイズが、第9検出端子Y9や第13検出端子Y13に混入することが抑制される。しかし、第9検出端子Y9と第13検出端子Y13との間には、複数のコンデンサ53が直列で接続されるために、第9検出端子Y9と第13検出端子Y13との間のコンデンサ53の合成容量は、所定容量よりも低下する。そのため、第9検出端子Y9と第13検出端子Y13との間に直列に接続された複数のコンデンサ53を用いて、第9セルC9の正極端子と負極端子との間に発生するノイズを除去できない。
本実施形態では、IGスイッチ31がオン状態である場合に、第9検出端子Y9に接続される第9接続線L9と、第13検出端子Y13に接続される第13接続線L13との間に接続される複数のスイッチング素子43のうち、非特定スイッチング素子43Bを常時オン状態とする。これにより、第9検出端子Y9と第13検出端子Y13との間のコンデンサ53の容量を所定容量(すなわち、単一のコンデンサ53の容量)とすることができ、第9セルC9の正極端子と負極端子との間に発生するノイズを好適に除去することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図7を参照しつつ説明する。図7において、先の図3に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図7を参照しつつ説明する。図7において、先の図3に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、保護回路42の構成が第1実施形態と異なる。本実施形態の保護回路42は、さらに抵抗器55と、フィルタ回路56と、を備える。抵抗器55は、各接続線L1~L13に設けられている。具体的には、抵抗器55は、各接続線L1~L13において、コンデンサ53と監視IC41との間に接続されている。各接続線L1~L13に抵抗器55が設けられることで、監視IC41に突入電流が流れることが抑制される。
本実施形態では、電圧検出部45は検出線46を介して低圧側に隣接する接続線L1~L13に接続されている。具体的には、検出線46の一端は、電圧検出部45に接続され、検出線46の他端は、低圧側に隣接する接続線L1~L13におけるコンデンサ53と抵抗器55との間に接続されている。
各検出線46には、フィルタ回路56が設けられている。フィルタ回路56は、各検出線46において、高圧側の接続線L1~L13との間に設けられている。フィルタ回路56は、フィルタ用抵抗器57と、フィルタ用コンデンサ58とにより構成されるローパスフィルタである。フィルタ用抵抗器57は、各検出線46に設けられている。フィルタ用コンデンサ58の一端は、各検出線46において、フィルタ用抵抗器57と低圧側に隣接する接続線L1~L13との間に接続されている。フィルタ用コンデンサ58の他端は、高圧側の接続線L1~L13において、抵抗器55と監視IC41との間に接続されている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・本実施形態では、各接続線L1~L13に抵抗器55が設けられていることで、監視IC41に突入電流が流れることが抑制される。一方、抵抗器55が設けられることで、電圧検出部45の電圧測定経路に抵抗器55が設けられる。この場合に、保護回路42に検出線46が設けられず、電圧検出部45の電圧測定経路がスイッチング素子43の放電経路と同じであると、この電圧測定経路に2つの抵抗器55が配置され、電圧検出部45の電圧検出精度が低下する。
本実施形態では、保護回路42に検出線46を設け、電圧検出部45の電圧測定経路とスイッチング素子43の放電経路とを異ならせ、電圧検出部45の電圧測定経路に抵抗器55が1つのみ配置されるようにする。そのため、監視IC41に突入電流が流れることを抑制しつつ、電圧検出部45の電圧検出精度低下を抑制できる。さらに、フィルタ回路56が設けられることで、電圧検出部45の電圧検出精度を向上させることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図8を参照しつつ説明する。図8において、先の図3に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、第3実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図8を参照しつつ説明する。図8において、先の図3に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、電池監視装置40が温度センサ47を備える点で第1実施形態と異なる。電池監視装置40は複数の温度センサ47を備えている。これらの温度センサ47は、直流電源21に所定間隔で配置されており、直流電源21における温度分布を検出する。
直流電源21の各セルC1~C9の温度は、充放電により上昇するため、温度センサ47を用いて温度分布を検出することで各セルC1~C9の位置が特定される。そして、この各セルC1~C9の位置を用いて、未接続検出端子Y10~Y12が特定される。例えばセルC1~C9のうちセルC1~C8が、電池監視装置40における検出端子Y1~Y9に対応する位置に設けられている場合、未接続検出端子Y10~Y12は、検出端子Y1~Y9以外の検出端子Y10~Y13に含まれることが特定される。そして、電池監視装置40に電力を供給するために、第13検出端子Y13は第10接続点X10に接続されているため、未接続検出端子Y10~Y12が特定される。
また、未接続検出端子Y10~Y12は、電圧検出部45を用いても特定できる。具体的には、対応するスイッチング素子43がオフされている場合に、電圧検出部45を用いて、隣接する検出端子Y1~Y13の間の電圧である端子間電圧を検出する。検出された端子間電圧が、各セルC1~C9の使用範囲の電圧である場合には、その電圧検出部45に接続される接続線L1~L13が未接続検出端子Y10~Y12でないことが特定される。一方、検出された電圧が、各セルC1~C9の使用範囲の電圧を超えている場合には、その電圧検出部45に接続される一対の検出端子Y1~Y13の少なくとも一方が、未接続検出端子Y10~Y12であることが特定される。
なお、各セルC1~C9の温度や電圧などの物理量は、充放電により変動する。そのため、これらの物理量は、各セルC1~C9の充電量を表現する物理量であるということができる。制御装置30は、これら充電量を表現する物理量を取得し、未接続検出端子Y10~Y12を特定する処理を含むオフ制御処理を実施する。
図9に本実施形態のオフ制御処理のフローチャートを示す。図9において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
オフ制御処理を開始すると、まずステップS40において、未接続検出端子(未接続T)Y10~Y12が特定されているかを判定する。ステップS40で肯定判定すると、ステップS10に進む。
一方、ステップS40で否定判定すると、ステップS42において、温度センサ47を用いて直流電源21における温度分布を取得する。続くステップS44において、電圧検出部45を用いて端子間電圧を取得する。なお、本実施形態において、ステップS42,S44の処理が「取得部」に相当する。
続くステップS46において、ステップS42で取得された温度分布及びステップS44で取得された端子間電圧に基づいて、未接続検出端子Y10~Y12を特定する。具体的には、制御装置30は、温度分布に基づいて未接続検出端子Y10~Y12を仮特定するとともに、端子間電圧に基づいて未接続検出端子Y10~Y12を仮特定する。制御装置30は、温度分布に基づいて仮特定された未接続検出端子Y10~Y12と、端子間電圧に基づいて仮特定された未接続検出端子Y10~Y12とが等しい場合に、未接続検出端子Y10~Y12を特定する。なお、本実施形態において、ステップS46の処理が「特定部」に相当する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・各セルC1~C9の充放電により各セルC1~C9の電圧が変動し、温度が上昇する。そのため、各セルC1~C9の電圧や温度は、各セルC1~C9の充電量を表現する物理量ということができる。例えば、この物理量として、電圧検出部45を用いて検出端子間の端子間電圧を取得する場合において、セルC1~C9の電圧が取得できなければ、その電圧検出部45に接続される一対の検出端子Y1~Y13のうち、少なくとも一方が未接続検出端子Y10~Y12であると特定できる。また、この物理量として、温度センサ47を用いて直流電源21における温度分布を取得すれば、各セルC1~C9の位置を特定でき、これにより未接続検出端子Y10~Y12を特定できる。
未接続検出端子Y10~Y12を特定できれば、正極端子に接続される第13検出端子Y13と、負極端子に接続される第9検出端子Y9との間に、未接続検出端子Y10~Y12が介在する第9セルC9を特定できる。そして、特定スイッチング素子43A及び非特定スイッチング素子43Bを個別に制御することで、第9セルC9の電圧を検出し、均等化放電することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、直流電源21が9個のセルC1~C9を備える例を示したが、これに限られず、2個以上9個未満のセルCを備えていてもよければ、10個以上のセルCを備えていてもよい。
・上記実施形態では、各セルCがリチウムイオン二次電池である例を示したが、これに限られず、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池であってもよい。
・上記実施形態では、単位電池が1つのセルCにより構成される例を示したが、これに限られず、複数のセルCにより構成されてもよい。
・上記実施形態では、直流電源21がセルC1~C9で構成される1つの電池モジュールのみを含む例を示したが、これに限られず、直流電源21が複数の電池モジュールを含んでいてもよい。この場合、各電池モジュールに対して電池監視装置40が設けられ、制御装置30は、これら複数の電池監視装置40を制御する。
各電池監視装置40は、同一の構成となっている。つまり、各電池監視装置40は、共通化されている。一方、各電池監視装置40に対応する電池モジュールに含まれるセルCの数は、車両の仕様により変化する。そのため、少なくとも1つの電池モジュールにおいて、セルCの数が12個未満となり、対応する電池監視装置40において、未接続検出端子が介在することがある。制御装置30には、各電池監視装置40における未接続検出端子の情報が記憶されており、均等化処理において、この情報に基づいて特定スイッチング素子43A及び非特定スイッチング素子43Bを設定し、オンオフを切り替えることができる。
・上記実施形態では、未接続検出端子Y10~Y12に対して、特定スイッチング素子43Aが、第12接続点X12と第13検出端子Y13との間に接続されるスイッチング素子43に設定される例を示したが、これに限られない。特定スイッチング素子43Aは、第9接続点X9と第13検出端子Y13との間に接続されるいずれのスイッチング素子43に設定されてもよい。
・上記実施形態では、接続線L1~L13に保護回路42が設けられる例を示したが、保護回路42は必ずしも設けられる必要はない。また、保護回路42の構成も、上記構成に限られない。
・保護回路42が設けられない場合、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続しようとすると、ジャンパ線等により未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続しなければならない。そのため、電池監視システム100を再設計する必要があり、ジャンパ線の追加により電池監視システム100の製造コストが増大する。
本実施形態の制御装置30は、監視IC41に設けられたスイッチング素子43を用いて、未接続検出端子Y10~Y12を第9検出端子Y9又は第13検出端子Y13に接続するため、保護回路42が設けられない場合でも、電池監視システム100を共通化することができる。
・上記実施形態では、ダイアグ処理が実施される例を示したが、ダイアグ処理は必ずしも実施される必要はない。
・上記実施形態では、スイッチング素子43と電圧検出部45とが監視IC41内に設けられる例を示したが、これに限られず、回路基板にスイッチング素子43や電圧検出部45の機能を有する素子を配置する構成でもよい。
21…直流電源、30…制御装置、40…電池監視装置、43…スイッチング素子、43A…特定スイッチング素子、43B…非特定スイッチング素子、45…電圧検出部、100…電池監視システム、C1~C9…セル、L1~L13…接続線、X1~X10…接続点、Y10~Y12…未接続検出端子。
Claims (5)
- 直列に接続された複数の単位電池(C1~C9)を備える組電池(21)に適用され、前記組電池を監視する監視装置(40)と、前記監視装置を制御する制御装置(30)と、を備える電池監視システム(100)であって、
前記組電池は、最も低電位側の前記単位電池の負極端子側、最も高電位側の前記単位電池の正極端子側、及び隣り合う前記単位電池の間にそれぞれ設けられたn個(n≧3)の接続点(X1~X10)を有し、
前記監視装置は、m個(m≧4)の検出端子(Y1~Y13)を有し、そのm個の前記検出端子のうちi番目の前記検出端子に接続される接続線(L1~L13)とi+1番目の前記検出端子に接続される接続線との間に、これらの接続線の間を開閉するスイッチング素子(43)とこれらの接続線の間の電圧を検出する電圧検出部(45)とが並列に接続されており、
mはnよりも大きく、m個の前記検出端子には前記接続点に接続されていない未接続検出端子(Y10~Y12)が含まれており、前記組電池では、複数の前記単位電池のうち特定単位電池(C9)において、正極端子側の前記接続点に接続される第1検出端子(Y13)と負極端子側の前記接続点に接続される第2検出端子(Y9)との間に前記未接続検出端子が介在するように前記監視装置に接続されており、
前記制御装置は、
前記各単位電池の均等化処理を実施するか否かを判定する均等化判定部と、
前記均等化判定部により前記均等化処理を実施すると判定された場合に、前記第1検出端子に接続される接続線と前記第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数の前記スイッチング素子のうちいずれか1つの特定スイッチング素子(43A)をオフ、その特定スイッチング素子以外の前記スイッチング素子(43B)をオンにした状態で、前記特定スイッチング素子に並列接続された前記電圧検出部を用いて前記特定単位電池の電圧を検出する検出処理部と、を備える電池監視システム。 - 前記制御装置は、
前記検出処理部により検出された前記特定単位電池の電圧に基づいて、前記特定単位電池を均等化放電するか否かを判定する放電判定部と、
前記特定単位電池を均等化放電すると判定された場合に、前記第1検出端子に接続される接続線と前記第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数の前記スイッチング素子を全てオンにした状態で均等化放電を実施する均等化部と、を備える請求項1に記載の電池監視システム。 - 1番目の前記検出端子が最も低電位側の前記単位電池の負極端子側の接続点に接続されており、n番目の前記検出端子が最も高電位側の前記単位電池の正極端子側の接続点に接続されており、
前記監視装置は、1番目の前記検出端子に接続される接続線とn番目の前記検出端子に接続される接続線とから電力が供給される請求項1又は2に記載の電池監視システム。 - 前記監視装置では、i番目の前記検出端子に接続される接続線とi+1番目の前記検出端子に接続される接続線との間に、所定容量のコンデンサ(53)が前記スイッチング素子と前記電圧検出部とに並列に接続されており、
前記均等化判定部は、前記電池監視システムの起動スイッチ(31)がオフ状態である場合に、前記均等化処理を実施するか否かを判定し、
前記制御装置は、前記起動スイッチがオン状態である場合に、前記第1検出端子に接続される接続線と前記第2検出端子に接続される接続線との間に接続される複数の前記スイッチング素子のうち前記特定スイッチング素子以外の前記スイッチング素子を常時オンとする状態制御部を備える請求項1から3までのいずれか一項に記載の電池監視システム。 - 前記制御装置は、
前記各単位電池の充電量を表現する物理量を取得する取得部と、
前記物理量に基づいて、前記未接続検出端子を特定する特定部と、を備える請求項1から4までのいずれか一項に記載の電池監視システム。
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