JP7167546B2 - 架橋構造可視化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、架橋構造可視化方法に関する。
ゴム材料は、硫黄を用いてポリマー同士を橋掛けした架橋構造を形成させることで、強度、機械疲労、繰り返し変形によるエネルギーロスや周波数応答性など、特異な物理特性を発現するため、タイヤや制震材料などに応用され、欠かすことのできない材料となっている。
ゴムの強度や機械疲労特性を向上させるポイントの1つとして架橋構造の制御が挙げられる。特許文献1には、高輝度X線を用いて高分子複合材料中の硫黄及び加硫促進剤の分散状態を分析する方法、特許文献2には、架橋ゴムの架橋粗密を評価する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、各薬品の薬品分散状態の分析は可能であるが、これらの薬品を用いて作製される架橋体の架橋構造は分析できない、特許文献2の方法は、数nm~数十nmサイズの不均一構造の評価である一方、実際に問題になるのはもっと大きなスケールの不均一構造で別の評価方法が必要である、という問題がある。
特開2017-201252号公報 特開2016-223806号公報
本発明は、前記課題を解決し、高分子複合材料の架橋構造を可視化し、実際の製品で問題となるマイクロオーダーの架橋不均一構造を可視化できる架橋構造可視化方法を提供することを目的とする。
本発明は、加硫剤及び加硫に関する硫黄化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する高分子複合材料に、高輝度X線を照射しX線のエネルギーを変えながら微小領域のX線吸収量を測定し、特異値分解を用いて硫黄及び加硫に関する硫黄化合物の分散状態を可視化することにより、架橋構造を可視化する架橋構造可視化方法に関する。
前記高分子複合材料は、加硫済の複合材料であることが好ましい。
エネルギー範囲130~280eVの硫黄L殼吸収端における硫黄のX線吸収量、エネルギー範囲2300~3200eVの硫黄K吸収端における硫黄のX線吸収量、エネルギー範囲370~500eVの窒素K殼吸収端における窒素のX線吸収量、エネルギー範囲500~600eVの酸素K吸収端における酸素のX線吸収量の少なくとも1つを測定することが好ましい。
前記高輝度X線は、輝度が1010(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)以上であることが好ましい。
本発明によれば、加硫剤及び加硫に関する硫黄化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する高分子複合材料に、高輝度X線を照射しX線のエネルギーを変えながら微小領域のX線吸収量を測定し、特異値分解を用いて硫黄及び加硫に関する硫黄化合物の分散状態を可視化することにより、架橋構造を可視化する架橋構造可視化方法であるので、高分子複合材料の架橋構造を可視化し、実際の製品で問題となるマイクロオーダーの架橋不均一構造も可視化できる。
加硫ゴム試料の硫黄L殼吸収端付近のマッピング画像の一例。 硫黄L殼吸収端付近の各材料のX線吸収スペクトル(標準スペクトル)の一例。 特異値分解を用いて解析した各材料の分散状態を可視化した画像の一例。
本発明は、加硫剤及び加硫に関する硫黄化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する高分子複合材料に、高輝度X線を照射しX線のエネルギーを変えながら微小領域のX線吸収量を測定し、特異値分解を用いて硫黄及び加硫に関する硫黄化合物の分散状態を可視化することにより、架橋構造を可視化する架橋構造可視化方法である。
従来のTEM-EDXを用いる方法では、硫黄のマッピングは可能であるものの、試料中に含まれる各材料(各化合物)を分離し、それぞれの分散状態を分析することはできない。一方、本発明では、例えば、マイクロXAFS法を用いて硫黄L殻吸収端(S L-edge)におけるNEXAFSの2次元マッピング測定を行い、stack画像を取得した後、予め測定しておいた硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、加硫により生成が想定される化合物の標準スペクトルを用いて、特異値分解法で解析し、加硫剤(硫黄等)、加硫に関する硫黄化合物(加硫促進剤、加硫により生成するZnS等の化合物、等)の分散状態を求めることにより、高分子複合材料における架橋の不均一構造を詳細に可視化できる。そして、この方法では、実際の製品で問題になるマイクロオーダーの架橋不均一構造の可視化も可能である。
本発明の方法に供される高分子複合材料は、加硫剤及び加硫に関する硫黄化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む材料である。
加硫剤としては、タイヤ工業で一般的なものを使用でき、硫黄加硫剤(粉末硫黄等の硫黄からなる加硫剤);1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンなどの硫黄を含む加硫剤:等が挙げられる。
加硫に関する硫黄化合物としては、加硫に関与する硫黄含有化合物、加硫により生成する硫黄含有化合物、等が挙げられる。加硫に関与する硫黄含有化合物としては、加硫促進剤等が挙げられる。ここで、加硫促進剤は、一般にゴム組成物の混練工程で添加(配合)、混練される加硫促進作用を持つ化合物である。
加硫促進剤としては、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類等、タイヤ工業で公知の各種加硫促進剤が挙げられる。特に、本発明の方法は、スルフェンアミド類等の硫黄含有加硫促進剤や、更に窒素も含む硫黄・窒素含有加硫促進剤等にも好適に適用できる。
加硫に関与する硫黄含有化合物としては、加硫促進剤に準ずる添加剤も挙げられる。加硫促進剤に準ずる添加剤としては、4,4’-ジチオジモルホリン、2-(4’-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
高分子複合材料は、ジエン系ポリマーや、ブレンドゴム材料と1種類以上の樹脂とが複合された複合材料を含むものが好ましい。ジエン系ポリマーとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)などの二重結合を有するポリマーが挙げられる。
上記樹脂としては特に限定されず、例えば、ゴム工業分野で汎用されているものが挙げられ、例えば、C5系脂肪族石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂などの石油樹脂が挙げられる。
なお、高分子複合材料は、未加硫の複合材料、加硫済の複合材料のいずれでもよい。本発明の方法は、加硫済の複合材料(加硫ゴム等)にも好適に適用可能であり、この場合、架橋構造を詳細に分析できる。
本発明でX線吸収量を測定する方法としては、高輝度X線を用いて試料の微小領域におけるX線吸収スペクトルを測定する手法であるマイクロXAFS(X-ray Absorption Fine Structure)等を採用できる。通常のXAFSは、空間分解能を有しないため、試料全体の吸収量を検出するのに対し、マイクロXAFSは、試料の微小領域におけるX線吸収スペクトルを測定する測定方法であり、通常、100nm以下程度の空間分解能を有している。そのため、マイクロXAFSを採用することにより、試料中に含まれている硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等の加硫に関する硫黄化合物の各成分について、吸収量の違いを検出できる。
空間分解能に優れるという点から、マイクロXAFSは軟X線領域で測定する方法(マイクロNEXAFS)が好ましく、走査型透過X線顕微鏡(STXM:Scanning Transmission X-ray Microscopy)法やX線光電子顕微鏡(XPEEM:X-ray Photo emission electron microscopy)法、等が挙げられる。
本発明では、ポリマー中の硫黄、加硫促進剤等がX線損傷しやすいため、X線損傷が起きにくい方法での測定が望ましく、この点から、X線損傷が生じにくいSTXM法の方が好適である。また、測定の際、試料を冷却することでX線損傷を防ぐことが更に好ましい。
STXM法は、フレネルゾーンプレートで集光した高輝度X線を試料の微小領域に照射し、試料を抜けた光(透過光)と入射光を測定することで微小領域のX線吸収量を測定できる。なお、フレネルゾーンプレートの代わりに、X線反射ミラーを用いたKirkpatrick-Baez(K-B)集光系で高輝度X線を集光してもよい。
X線エネルギーで走査するため光源には連続X線発生装置が必要であり、詳細な化学状態を解析するには高いS/N比及びS/B比のX線吸収スペクトルを測定する必要がある。そのため、シンクロトロンから放射されるX線は、少なくとも1010(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)以上の輝度を有し、且つ連続X線源であるため、測定には最適である。尚、bwはシンクロトロンから放射されるX線のband widthを示す。
高輝度X線の輝度(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)は、好ましくは1010以上、より好ましくは1011以上、更に好ましくは1012以上である。上限は特に限定されないが、放射線ダメージがない程度以下のX線強度を用いることが好ましい。
また、高輝度X線の光子数(photons/s)は、好ましくは10以上、より好ましくは10以上である。上限は特に限定されないが、放射線ダメージがない程度以下のX線強度を用いることが好ましい。
高輝度X線を用いて走査するエネルギー範囲は、好ましくは4000eV以下、より好ましくは1500eV以下、更に好ましくは1000eV以下である。4000eVを超えると、目的とする高分子複合材料を分析できないおそれがある。下限は特に限定されない。
なかでも、高輝度X線を用いて、130~280eVのエネルギー範囲を走査して硫黄L殼吸収端における硫黄のX線吸収量を測定すること、2300~3200eVのエネルギー範囲を走査して硫黄K吸収端における硫黄のX線吸収量を測定すること、370~500eVのエネルギー範囲を走査して窒素K殼吸収端における窒素のX線吸収量を測定すること、500~600eVのエネルギー範囲を走査して酸素K吸収端における酸素のX線吸収量を測定すること、が好ましい。前記硫黄L殼吸収端、窒素K殼吸収端、酸素K吸収端を併用した場合、エネルギー範囲が近く、同じ視野の測定が可能になる。
なお、硫黄L殼吸収端のエネルギー範囲は、140~200eVがより好ましく、150~180eVが更に好ましい。硫黄K殼吸収端のエネルギー範囲は、2300~3000eVがより好ましく、2400~2600eVが更に好ましい。窒素K殼吸収端のエネルギー範囲は、375~450eVがより好ましく、380~430eVが更に好ましい。酸素K吸収端のエネルギー範囲は、500~600eVがより好ましく、520~570eVが更に好ましい。
そして、微小領域のX線吸収量を測定して得られた当該領域におけるX線吸収スペクトルや、該X線吸収スペクトルに2次元マッピングを行って得られたマッピング画像(stack画像)、更には試料に含まれる各材料(硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、ZnS等の加硫により生成する化合物等)について測定した標準スペクトル、を用い、特異値分解を用いることにより、当該微小領域における加硫剤、加硫に関する硫黄化合物(加硫促進剤、加硫により生成する化合物、加硫促進剤に準ずる添加剤等)の各材料の分散状態を可視化できる。
前述のとおり、本発明は、上記のマイクロXAFS法等を用いて、硫黄等の加硫剤や、加硫促進剤、加硫により生成する化合物等の加硫に関する硫黄化合物を含む高分子複合材料の微小領域についてX線吸収量を測定することで、指定した領域の2次元マッピング像を取得し、更に特異値分解を用いることにより、試料中に含まれる加硫剤、加硫に関する硫黄化合物の分散状態を可視化し、該試料の架橋構造を可視化できる方法であるが、以下、このような方法の具体例について図を用いて説明する。
本発明に供されている加硫ゴム試料は、天然ゴム、ブタジエンゴム、硫黄(硫黄加硫剤)、加硫促進剤CBS等を混練、加硫し、作製した高分子複合材料である。
加硫ゴム試料のX線吸収量の測定の他に、別途、硫黄(加硫剤)、硫化亜鉛、加硫促進剤MBT、加硫促進剤CBSの各材料について、走査型透過X線顕微鏡(STXM)法を用いて、硫黄L殼吸収端付近のエネルギー範囲(161~170eV)を走査することで、図2に示されている各材料のX線吸収スペクトル(標準スペクトル)を得る。
加硫ゴム試料(硫黄、加硫促進剤CBS、MBT、硫化亜鉛を含む高分子複合材料)の微小領域については、走査型透過X線顕微鏡(STXM)法を用いて、図2のスペクトルと同じ硫黄L殼吸収端付近のエネルギー範囲(161~170eV)を、例えば0.2eVずつずらして、各エネルギーのX線吸収量を測定(同一の微小領域を測定)することで、指定した領域の2次元マッピング像を取得し、stack画像(各エネルギーで取得したマッピング画像のセット)を得る。図1は、stack画像の1つ、すなわち、硫黄L殼吸収端付近の161~170eVの範囲のあるエネルギーにおけるマッピング画像を示している。
次いで、得られたstack画像に対して、図2の標準スペクトルを使用し、特異値分解を用いて解析すると、図3のような各材料に分解した画像が得られる。図3に示されているとおり、特異値分解により、加硫ゴム試料の微小領域における、加硫促進剤CBS、加硫促進剤MBT、硫黄(架橋状態の硫黄、未架橋状態の硫黄)、加硫により生成した硫化亜鉛(ZnS)、の各材料の分散状態が可視化される。
加硫ゴム試料を測定しているので、図3の硫黄の画像は、加硫ゴムの架橋不均一構造に対応する硫黄の分散状態(硫黄の架橋構造)を示し、硫黄の濃淡は、架橋密度が高い所(=黒っぽい所)と低い所(白っぽい所)を可視化できている。
なお、ZnSは、ZnOと硫黄が反応して生成した化合物であるため、酸素K殻吸収端でZnOの分散状態も合わせて可視化することで、架橋不均一構造が発生するメカニズムや実際の製品において改善すべき点がはっきりするため、酸素K殻吸収端で酸化亜鉛(ZnO)の測定も行うことが望ましい。
図1では、硫黄L殻吸収端を測定した例を記載しているが、硫黄K殻吸収端でも可能である。また、加硫に関する硫黄化合物のうち、加硫促進剤の分散状態を可視化する際、硫黄L殻吸収端だけでなく、窒素K殻吸収端で可視化することも可能である。
更に、各化合物(各材料)の分離は、線形フィットでも解析は可能であるが、特異値分解の方が精度良く解析できるため、本発明では、特異値分解を採用している。
以上のような方法により、高分子複合材料(試料)中に含まれる加硫剤(硫黄等)、加硫に関する硫黄化合物(加硫促進剤、加硫により生成する硫黄化合物等)の分散状態の可視化が可能であることが分かる。従って、高分子複合材料における架橋の不均一構造が可視化され、実際の製品で問題になるマイクロオーダーの架橋不均一構造の可視化も可能になる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<試料作成方法>
下記配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を充填率が58%になるように(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーに充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練した(工程1)。工程1で得られた混練物に、硫黄及び加硫促進剤を下記配合内容にて添加し、160℃で20分間加硫することで加硫ゴム試料を得た(工程2)。
(配合)
天然ゴム50質量部、ブタジエンゴム50質量部、カーボンブラック60質量部、オイル5質量部、老化防止剤2質量部、ワックス2.5質量部、酸化亜鉛3質量部、ステアリン酸2質量部、粉末硫黄1.2質量部、及び加硫促進剤CBS1質量部
なお、使用材料は、以下のとおりである。
天然ゴム:TSR20
ブタジエンゴム:宇部興産(株)製BR150B
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN351
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX-140
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸:日油(株)製の椿
粉末硫黄(5%オイル含有):鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5質量%含む可溶性硫黄)
加硫促進剤CBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド
(サンプリング方法)
特開2014-238287号公報に記載の方法を用いて、試料中のフリーサルファを除去した後、ミクロトームで、TEM用及びTEM-EDX用試料は厚み100nm、STXM用試料は厚み250nmにカットした後、TEM用のCu製のグリッドにマウントした。
〔比較例1〕
作製した試料をTEM測定(市販の装置を使用)に供した。
〔比較例2〕
作製した試料をTEM-EDX測定(市販の装置を使用)に供した。
〔実施例〕
以下の条件下で、作製した試料をSTXM測定に供した。
(測定場所)
自然科学研究機構 分子科学研究所 極端紫外光研究施設 BL4U
(測定条件)
輝度:1×1016(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)
分光器:グレーティング
(測定エネルギー)
硫黄L殼吸収端:162~168eV
〔評価〕
実施例(STXM)、比較例1(TEM)、比較例2(TEM-EDX)のそれぞれについて、架橋不均一構造(加硫ゴム試料)、硫黄(未加硫ゴム試料)、加硫促進剤CBS、硫化亜鉛の分散状態の可視化の可否を評価した。なお、実施例は、図1~3の方法に沿い、aXis2000(フリーソフト)、特異値分解を用いて解析し、前記可視化の可否を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007167546000001
表1から、TEMによる比較例1の方法、TEM-EDXによる比較例2の方法は、架橋不均一構造(加硫ゴム)、硫黄(未加硫ゴム)、加硫促進剤CBS、硫化亜鉛の分散状態を可視化できない(×)、又は可視化が不十分(△)であるのに対し、STXM及び特異値分解による実施例の方法は、加硫促進剤CBS、硫化亜鉛、硫黄(未加硫ゴム)に加え、架橋不均一構造(加硫ゴム)の分散状態も充分に可視化できる方法であることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. 加硫剤を含有する高分子複合材料に、高輝度X線を照射しX線のエネルギーを変えながら微小領域のX線吸収量を測定し、特異値分解を用いて前記加硫剤の分散状態を可視化することにより、架橋構造を可視化する架橋構造可視化方法であって、
    前記架橋構造の可視化は、架橋密度の高低に関する架橋不均一構造を可視化するものであり、
    前記高分子複合材料は、加硫済の複合材料である架橋構造可視化方法
  2. 加硫に関する硫黄化合物を含有する高分子複合材料に、高輝度X線を照射しX線のエネルギーを変えながら微小領域のX線吸収量を測定し、特異値分解を用いて前記加硫に関する硫黄化合物の分散状態を可視化することにより、架橋構造を可視化する架橋構造可視化方法であって、
    前記架橋構造の可視化は、架橋密度の高低に関する架橋不均一構造を可視化するものであり、
    前記高分子複合材料は、加硫済の複合材料である架橋構造可視化方法。
  3. エネルギー範囲130~280eVの硫黄L殼吸収端における硫黄のX線吸収量、エネルギー範囲2300~3200eVの硫黄K吸収端における硫黄のX線吸収量、エネルギー範囲370~500eVの窒素K殼吸収端における窒素のX線吸収量、エネルギー範囲500~600eVの酸素K吸収端における酸素のX線吸収量の少なくとも1つを測定する請求項1又は2記載の架橋構造可視化方法。
  4. 高輝度X線は、輝度が1010(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)以上である請求項1~3のいずれかに記載の架橋構造可視化方法。
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