JP7166798B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、粘着テープに関する。より詳しくは、本発明は、手切れ性、直線カットに優れ、平滑なテープ表面を有し、層間剥離がなく、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性、並びに耐水性に優れ、さらに施工後に剥がす際にテープ破断が少なく、養生用テープ等の粘着テープに関するものである。
粘着テープの基材としては、和紙やクレープ紙などの紙基材、主としてレーヨンスフや綿からなる紡績糸による織物基材、熱可塑性樹脂からなる不織布とポリオレフィン系樹脂からなるフィルムなどが知られている。これら基材を使用した粘着テープは、車両・建築用の塗装マスキングテープ、養生用テープや段ボール梱包、医療、電気絶縁用などに好ましく使用されている。
最近では、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性、並びに耐水性に優れ、施工後に剥がす際にテープ破断が少なく、かつ、手切れ性の良好な、マスキングテープ、養生用テープ等の粘着テープの基材に、エンボス加工による手切れ性を付与したスパンボンド熱可塑性長繊維不織布を用いた粘着テープが提案されている(以下の特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された粘着テープは、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性、施工後に剥がす際にテープ破断が少なく、手切れ性はあるものの、カットした時、テープの幅方向に直線的なカットされずに斜めに切れ、また、テープ表面の不織布の平滑性が悪く重ね貼り性が劣るなどの問題がある。
他方、以下の特許文献2には、手切れ性と直線カット性が良好な粘着テープとしては、ポリエチレン系フィルムを基材とした粘着テープが提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載された粘着テープは、手切れ性と直線カット性には優れるものの、粘着テープが薄く、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性が悪い、施工後に剥がす際にテープ破断が発生するなどの問題がある。
また、以下の特許文献3には、不織布とオレフィン系フィルムを接合し、不織布に粘着剤を含侵させてなる粘着テープが提案されている。
しかしながら、特許文献3に記載された粘着テープは、不織布が薄く、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性が劣る、さらに不織布の手切れ性が劣り、手切れ性のバラツキも大きいなどの問題がある。
特許第6104170号公報 特開2007-70561号公報 特開平11-71555号公報
以上の従来技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、手切れ性と直線カット性に優れ、平滑なテープ表面を有し、層間剥離がなく、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性、並びに耐水性に優れ、さらに施工後に剥がす際にテープ破断も少ない、養生用テープ等の粘着テープを提供することである。
本願発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施された熱可塑性不織布と横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが、該不織布の幅方向と該フィルムの横方向を合わせて、接合されたテープ基材とすることにより、前記課題が解決することができることを予想外に見出し。本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布に、横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが、該不織布の幅方向と該フィルムの横方向を合わせて、接合されたテープ基材からなる粘着テープ。
[2]前記熱可塑性長繊維スパンボンド不織布の目付けが15~60g/mであり、前記横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが横一軸延伸ポリエチレン系フィルムであり、かつ、前記不織布に、ガラス転移温度25℃以下の合成樹脂が、乾燥後の合成樹脂量として該不織布の目付けに対して5~150wt%で含浸されている、前記[1]に記載の粘着テープ。
[3]前記テープ基材の不織布面に粘着剤を、そしてフィルム面に剥離剤が塗布されている、前記[1]又は[2]に記載の粘着テープ。
[4]前記横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが、高密度ポリエチレン単体又は高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合物の横一軸延伸フィルムである、前記[1]~[3]のいずれかに記載の粘着テープ。
本発明の粘着テープは、手切れ性と直線カット性に優れ、平滑なテープ表面を有することから重ね貼り性が良好で、層間剥離もなく、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性、並びに耐水性に優れ、施工後に剥がす際にテープ破断が少ないため、マスキングテープ、特に、粗面に貼り付けて使用される、粗面塗装用マスキングテープ、養生用テープなどに好適に利用可能である。
手切れ性、直進カット性の測定方法を説明する、手切れ性評価前の図である。 手切れ性、直進カット性の測定方法を説明する、手切れ性評価後の図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の粘着テープは、幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布に、横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが、該不織布の幅方向と該フィルムの横方向を合わせて、接合されたテープ基材からなることを特徴とする。前記熱可塑性長繊維スパンボンド不織布の目付けは15~60g/mであり、前記横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムは横一軸延伸ポリエチレン系フィルムであり、かつ、前記不織布に、ガラス転移温度25℃以下の合成樹脂が、乾燥後の合成樹脂量として前記テープ基材の目付けに対して5~150wt%で含浸されていることが好ましい。
本実施形態の粘着テープの第一の特徴は、テープ基材に幅方向のエンボス加工を施した熱可塑性長繊維スパンボンド不織布(以下、スパンボンド不織布、単に不織布ともいう。)と横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルム(以下、単にフィルムともいう。)を、該不織布の幅方向と該フィルムの横方向を合わせて、接合したテープ基材を用いることで、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性、手切れ性、直線カット性に優れたものとしていることである。
すなわち、熱可塑性長繊維スパンボンド不織布を基材に用いることで、柔軟性に富み、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性に優れ、施工後に剥がす際にテープ破断が少なくなる。さらに、熱可塑性長繊維スパンボンド不織布は、流れ方向(縦方向、機械方向)に繊維フィラメントが配列されているため、縦方向には引き裂かれ易いが、繊維フィラメントを切断する横方向は引き裂かれ難く手切れ性が悪い。この為、本実施形態では、幅方向に線状又は破線状にエンボス加工を施し、不織布を構成する繊維フィラメントを加圧圧着、熱圧着によって部分的に樹脂化して脆くすることにより、横方向の手切れ性を付与したスパンボンド不織布をテープ基材とし、さらにテープの幅方向に引き裂いく時、幅方向に直線的にエンボス部分の切断が伝播されずにテープが縦方向に引き裂かれる現象を防ぐために、横引き裂きが容易な横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムで不織布を補強(接合)することより、エンボス部分の横引き裂きの伝播ができるようにして、優れた手切れ性、かつ、直線カット性を持たせている。
本実施形態の粘着テープの第二の特徴は、テープ基材が不織布とフィルムのハイブリット構造であること、不織布にガラス転移温度の低い柔軟性な合成樹脂を含侵したことにより、粗面追従性が得られ、再剥離性を高レベルに維持することができることである。
すなわち、本実施形態の粘着テープでは、テープ基材の不織布の柔軟性に加え、粘着剤層の厚みを大きくすることができ、凹凸な粗面に対しての追従性がよくなり、粘着力も高くでき、また、不織布にガラス転移温度の低い柔軟性な樹脂を合成含侵することで、不織布の空隙を樹脂量で目止める効果が得られるとともに、柔軟性を損なわないので粗面追従性も低下せず、さらに、背面側がフィルムの粘着テープ、例えば、塗装用のマスキングテープでは、塗装する際の重ね貼り性が良好であり、テープ同士の密着性が良いため、テープを剥がした後の塗料とテープの界面を綺麗に仕上げることができる。すなわち、塗装見切り性が良い。
[テープ基材]
本実施形態の粘着テープに用いられるテープ基材、幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布と横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが、該不織布の幅方向と該フィルムの横方向を合わせて、接合されている。
[幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施されたスパンボンド不織布]
幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施されたスパンボンド不織布は、熱可塑性樹脂を用いてスパンボンド法により製造された長繊維不織布であり、スパンボンド法により製造される際の機械的強度を向上させる部分熱圧着部と、この部分的熱圧着部とは異なる手切れ性の付与するエンボス加工による部分熱圧着部とを有し、必要に応じてカレンダー加工が施され、テープ形状にした時に長さ方向に高い強度を有し、且つ、幅方向に切れ易く手切れ性に優れている。
スパンボンド不織布の構成繊維としては、特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル、ポリ乳酸、及び脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれるポリエステル系繊維、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレン-プロピレン共重合体からなる群から選ばれるポリオレフィン系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、及びナイロン612からなる群から選ばれるポリアミド系繊維が挙げられる。また、芯鞘構造、サイドバイサイドなどの2成分からなる複合繊維、例えば、芯が高融点で、鞘が低融点の複合繊維、具体的には、芯がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などの高融点樹脂からなり、鞘が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレン、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどの低融点樹脂からなる繊維であってもよい。さらに、耐熱性の繊維として、例えば、ポリベンズアゾール繊維(PBO)、ポリフエニレンサルフアイド繊維(PPS)、ポリイミド繊維(PI)、ふっ素繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維(PEEK)などを用いることもできる。
スパンボンド不織布を構成する繊維は、繊維径が0.1~30μmであることが好ましく、より好しくは0.1~25μm、さらに好ましくは1~20μm、特に好ましくは1.5~20μm、最も好ましくは2~20μmである。長繊維不織布の繊維構成としては、同一の繊維径の繊維、又は、極細繊維と太い繊維などの異なる繊維径の繊維の混繊、又は、積層などから選択することができる。積層の場合は、繊維径が0.1~7μmの極細繊維(M)と繊維径が10~30μmの合成繊維(S)との積層であってSM、SMS、SMMS、SSMMSSなどの2~8層の多層とする繊維構成が選択できる。特に多層構成にすると、繊維同士の接合が強固にできること、繊維構成が均等化され繊維の分散性が向上すること、隠蔽性が向上することなどの特徴を付与することができる。
本実施形態のスパンボンド不織布の目付は、15~60g/mが好ましく、より好しくは20~60g/m、さらに好ましくは20~50g/mである。
本実施形態のスパンボンド不織布の厚みは30~500μmが好ましく、より好ましくは40~400μm、さらに好ましくは45~350μmである。
不織布を構成する繊維の繊維径が0.1μm未満、目付けが15g/m未満、厚みが30μm未満であると、テープとしての強力が低下し、破断し易くなる。他方、繊維径が30μm、目付けが60g/m、厚みが500μmを超えると、高い強力は得られるが、柔軟性が低下し、凹凸のある粗面への追従性が低下する。
マスキングテープ、養生テープなどに用いる場合は、取扱い性、含浸樹脂量の低減、手切れ性などの観点から、カレンダー加工して、厚みを薄くすることが好ましく、その場合の不織布の厚みは30~150μmが好ましく、より好ましくは45~130μm、さらに好ましくは30~120μm、最も好ましくは30~100μmである。
スパンボンド不織布のテープの幅方向の線状又は破線状のエンボス加工は、テープ状にした時の手切れ性の付与を目的に行なわれる。
線状又は破線状のエンボスは、ロール回転軸に対して斜めの角度で施されることで、上下ロール間での断続的な接触から連続的な接触となり、接触音の発生を少なくでき、彫刻の摩耗が改善できる。斜め角度としては0.2度以上が好ましく、さらに好ましくは0.5~5.0度、特に好ましくは0.7~3度である。斜めエンボスにすると、凹部の窪み深さ率、手切れ性、騒音などの作業性、彫刻柄の耐久性などが改善できる。エンボス形状としては、線状又は破線状の比較的細い突起した凸部からなる。線状のエンボス形状は、凸部の幅及びエンボス間隔が手切れ性、強度などから特定範囲に限定される。凸部の幅は0.1~2.0mmが好ましく、より好ましくは0.12~1.5mm、さらに好ましくは0.15~1.0mmであり、エンボスの間隔は1~10mmが好ましく、より好ましくは2~10mm、さらに好ましくは2.5~7mm、特に好ましくは2~6mm、最も好ましくは2~5mmである。破線状のエンボス形状としては、凸部の幅、エンボスエ間隔は線状と同様の範囲から選定されるが、エンボス部Aと非エンボス部Bの長さの比率(A/B)は1.0~3.0が好ましく、より好ましくは1.1~2.5、さらに好ましくは1.2~2.0である。
エンボス加工条件としては、エンボスロールと平滑ロールの一対のロール間で行なわれる。エンボスロールの表面温度は常温(20℃)~(不織布の融点以下の温度)が好ましく、より好ましくは50℃~(不織布の融点より30℃低い温度)、さらに好ましくは70℃~(不織布の融点より50℃低い温度)の範囲から選定される。圧力は10~1000N/cmが好ましく、より好ましくは20~700N/cm、さらに好ましくは30~500N/cmである。エンボスロールの表面温度が常温(20℃)未満、圧力が10N/cm未満であると、エンボス加工度が低下して、目的とする手切れ性が得られない。他方、温度が不織布の融点を超えたり、圧力が1000N/cmを超えると、熱ロールに融着するなど、加工性が極端に低下する。
エンボス加工により形成された不織布の凹部の窪み深さ率は、手切れ性に影響を及ぼす重要な事項である。従って、非エンボス部の厚みに対する線状又は破線状のエンボス部の窪み深さの割合であるところ窪み深さ率は、65~90%が好ましく、より好ましくは70~90%、さらに好ましくは75~90%である。窪み深さ率が65%未満であると、凹部の樹脂化が不十分となり、手切れ性が悪化し、他方、90%超えると、凹部の樹脂化が過ぎて、孔の発生が生じ易くなる。
[横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルム]
横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムは、特に限定されないが、高密度ポリエチレン(以下、HDPEともいう。)単体、又はHDPEと低密度ポリエチレン(以下、LDPEともいう。)とを混合したポリエチレン系樹脂組成物を横一軸延伸したフィルムであることが好ましい。
横一軸延伸倍率は、6~16倍が好ましく、より好ましくは9~15倍の範囲である。延伸倍率が6倍未満であると、延伸方向に直線的に引裂けなくなり、他方、16倍を超えると延伸が困難になる。
フィルムの厚さは、5~100μmが好ましく、より好ましくは10~60μmである。厚みが5μm未満であると、フィルムとして必要な強度が不足し、他方、100μmを超えると、引裂くことが困難となる場合がある。
フィルム製造条件は、手切れ性、直進カット性に影響がない範囲であればよく、特に限定されない。
[スパンボンド不織布とフィルムとの接合]
スパンボンド不織布とフィルムとの間の接合方法は、特に限定されないが、例えば、スパンボンド不織布とフィルムとで、溶融押出しされた熱可塑性樹脂を挟んで貼り合わせる方法(押し出し若しくはサンドラミネート)、接着剤を塗布乾燥して貼り合わせる手法(ドライラミネート)、スパンボンド不織布とフィルムとを、加熱ロール間で熱圧着して貼り合わせる方法(熱圧着ラミネート)などが挙げられる。スパンボンド不織布とフィルムとの間の接合方法としては、押し出しラミネートが好ましく、この際、不織布の接着面にコロナ処理を施してもよい。
本実施形態の粘着テープでは、幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布と横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムとが、該不織布の幅方向と該フィルムの横方向を合わせて、接合されていることが必要である。
[合成樹脂による含侵加工]
本実施形態の粘着テープのテープ基材を構成する構成する不織布には、ガラス転移温度25℃以下の合成樹脂が、乾燥後の合成樹脂量として該テープ基材の目付けに対して5~150wt%で含浸されていることが好ましい。
テープ基布、特に不織布に施す合成樹脂の含浸加工は、テープ基布を構成する不織布の繊維の空隙を減少させてテープの手切れ性を向上させること(繊維の接着、空隙の減少)、得られるテープ基材シートの表面に剥離剤又は粘着剤を塗布する場合に加工剤の不織布中への浸透を防止させること(加工剤の裏抜け防止)、基布強度を向上させることなどを目的に行なう。合成樹脂としては、好ましくは、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下である柔らかい合成樹脂から選択され、例えば、天然ゴム、合成ゴム、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、及びポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも1種若しくは2種以上である。ガラス転移温度は、より好ましくは10℃~-70℃、さらに好ましくは-10℃~-60℃である。尚、本明細書中、用語「合成樹脂」には、天然ゴムが包含されるものとする。また、ガラス転移温度が25℃よりも高い水性分散体とガラス転移温度が25℃より低い水性分散体を混合して、ガラス転移温度の平均値が25℃以下になるように調整した水性分散体、有機溶媒、揮発油などに合成樹脂を分散して用いてもよい。合成樹脂のガラス転移温度が低い程、より柔軟な樹脂となる。
合成樹脂に、充填剤、顔料、紫外線吸収剤、老化防止剤を配合すると、紫外線や熱が遮断され、テープ基材シート及び粘着剤層の劣化が防止されるため、好ましい。
また、合成樹脂が官能基を有するものについては、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用して架橋させてもよい。架橋剤は、それぞれの官能基に応じて1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。架橋を行うと不織布とフィルムの間の層間強度が増しテープの再剥離性(糊残り、テープ基材破れがないこと)が向上する。
含浸処理としては、ロールコータ法、コンマコータ法などにより、不織布に合成樹脂を含浸させる方法が挙げられる。樹脂含浸後、温度50~200℃で有機溶媒などの溶媒を乾燥させる。乾燥後の合成樹脂含浸量は不織布の目付けに対して5~150wt%が好ましく、より好ましくは10~150wt%、さらに好ましくは15~130wt%、特に好ましくは20~100wt%である。合成樹脂含浸量が5wt%未満であると、不織布を構成する繊維の空隙の減少が少なく粘着剤との密着力が不足傾向となる。合成樹脂含浸量が150wt%を超えると、特に25℃を超える高いガラス転移温度の合成樹脂を用いる場合に柔軟性が損なわれテープとしての凹凸粗面追従性が低下する。
合成樹脂に配合することができる充填剤、顔料は、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機系のものや、フタロシアニンブルー、染色レーキなどの有機系のものなどが挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、テープ基材の風合いを損なわない範囲で含浸合成樹脂に適宜配合することができる。
合成樹脂に配合することができる紫外線吸収剤、老化防止剤も、特に限定されないが、紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系のもの、ベンゾトリアゾール系のものなどが挙げられ、老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系のもの、P-フェニレンジアミン系のもの、アミン混合物、その他アミン系のもの、キノリン系のもの、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系のもの、ビス,トリス,ポリフェノール系のもの、チオビスフェノール系のもの、ヒンダードフェノール系のもの、亜リン酸エステル系のものなどが挙げられる。これら紫外線吸収剤、老化防止剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。その配合量は、含浸樹脂100重量部に対して、通常0.05~5重量部の範囲で選択される。
[粘着剤]
本実施形態のテープ基材の片面に塗布することができる粘着剤は、特に限定されず、従来技術の粘着剤を用いることができ、溶剤(水を含む)に溶解又は分散させて用いられる。加熱により塗工できる状態まで粘度を下げて用いることもでき、その使用形態も特に限定されない。粘着剤としては、具体的には、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びウレタン系粘着剤からなる群から選ばれる1種以上とすることができる。粘着剤の塗布量としては5~100g/mが好ましく、より好ましくは15~80g/m、さらに好ましくは20~60g/mである。
ゴム系粘着剤としては、従来から知られているゴム系粘着剤なら、どの様なものでもよく、天然ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合ゴム、スチレン-イソプレン共重合ゴム、スチレン-イソプレン-スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン-イソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン-アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン-アクリトニトリル共重合ゴム、ブタジエン-(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン-ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどを挙げることができる。
アクリル系粘着剤としては、(A)アルキル基の炭素数が4~12のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が4~18のメタクリル酸アルキルエステル85~98.9wt%と、(B)α,β-不飽和カルボン酸0.1~5wt%から成るモノマー混合物か、あるいは該モノマー混合物100重量部に対し40重量部を超えない量のこれら成分と共重合可能なモノマーを配合して成るモノマー混合物15~1.1wt%とを、重合して得られるポリマー等が挙げられる。
シリコーン系粘着剤としては、例えば、一分子中に平均して1個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有する生ゴム状のジオルガノポリシロキサンであるシリコーン系の粘着剤等が挙げられる。
本実施形態の粘着テープを製造するに際して、テープ基材に適用できるゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びウレタン系粘着剤には、所望の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上記含浸合成樹脂に使用される充填剤、顔料、紫外線防止剤、老化防止剤、公知の粘着性付与樹脂、可塑剤、架橋剤などの各種添加剤を含有させることができる。
尚、寒冷地で使用できる粘着テープとしては、寒冷地で粘着力を有する樹脂の選定、添加物の調整など、粘着剤、添加物に関しての好ましい選択がなされる。
また、粘着剤として粘着性付与樹脂を用いることができ、粘着性付与樹脂としては特に限定されないが、例えば、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、脂肪族合成石油系樹脂、芳香族合成石油系樹脂、脂環族合成石油系樹脂、クマロン-インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂が挙げられ、また、これらの中で、水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものは、その水素添加品などが挙げられる。これら粘着性付与樹脂は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の粘着テープを製造するに際して、テープ基材に適用できる粘着剤のテープ基材への塗工方法としては、通常用いられる方法、例えば、グラビアコータ法、ロールコータ法、リバースコータ法、ドクターブレード法、バーコータ法、コンマコータ法、ダイコータ法、リップコータ法、ナイフコータ法などが挙げられる。これらのうち好ましいものはダイコータ法、コンマコータ法である。塗工後は、熱風、(近)赤外線、高周波などのエネルギーにより加熱して溶媒や分散媒を取り除くための乾燥を行う。
本実施形態の粘着テープでは、テープ基材における粘着剤塗布面は、粘着テープの種類に依存して決まるため、不織布面、フィルム面のどちらの面でも構わない。
[離型剤]
本実施形態の粘着テープのテープ基材に用いられる剥離剤は、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、ワックス系剥離剤、フッ素系剥離剤などが挙げられる。
剥離剤の塗布加工は、粘着剤塗布面に、粘着剤の逆面(背面)が接するようにロール状に巻いたテープを使用する際に、粘着剤塗布面と逆面との間の剥離(展開)を容易に行うこと目的として行われる。つまり、使用しない時(保存時)には、粘着力をしっかりキープしつつ、テープを使用する展開時には、粘着力を低下させて、速やかに作業ができるようにすることができる剥離剤が選択される。フィルム面に剥離剤を塗布する場合、濡れ性、密着力を確保するために予めコロナ放電処理することが好ましい。フィルムがPE素材であれば、コロナ放電処理しなくても剥離性を有するため、剥離剤は不要である。
剥離剤は、上記剥離剤の内の1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、剥離剤が官能基を有する場合には、該官能基と反応する架橋剤を用いることができ、架橋剤としては、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などが挙げられる。尚、架橋剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。架橋を行うことにより、主に、耐溶剤性、耐久性、基材密着性などが向上する。剥離剤の塗布量は乾燥重量で0.01~10g/mが好ましく、より好ましくは0.05~8g/m、さらに好ましくは0.1~6g/mである。
尚、本実施形態の粘着テープの剥離性としては、低速での剥離力は強く、作業現場での使用する高速での剥離力は低く、作業性に優れていることが特徴である。
本実施形態の粘着テープの粘着力は、建築用部材、工事用部材、インテリア用部材などに用いた場合、対象物にしっかり接着でき、且つ、剥離する時、剥離した面に粘着剤が残らず、速やかに展開できることが必要である。従って、SUS板への粘着力は0.5N/10mm以上が好ましく、さらに好ましくは0.7~10N/10mm、特に好ましくは1.0~7N/10mmである。SUS粘着力が0.5N/10mm以下では、粘着力が弱く、剥離し易く、作業性などが低下する。
本実施形態の粘着テープは、凹凸のある粗面への追従性、柔軟性に優れている必要がある。粘着テープの柔軟性を示す特性として、伸長時の中間応力の低いことが挙げられる。従って、本実施形態の粘着テープ5%伸長時の応力は、30N/10mm以下が好ましく、より好ましくは2N~25N/10mm、さらに好ましくは20N/10mm以下、例えば、4N~20N/10mm、最も好ましくは4N~16N/10mmである。5%伸長時の応力が30N/10mmを超えると、硬い風合いとなり、柔軟性および粗面への追従性が低下する。
また、本実施形態の粘着テープは、粘着テープを剥す時に、破れずに剥離できる強さを有することが必要であり、例えば、粘着テープの引張強さは5N/10mm以上が好ましく、より好ましくは7~100N/10mm、さらに好ましくは10N~80N/10mmである。
さらに、本実施形態の粘着テープの破断伸度は10%以上が好ましく、より好ましくは12~60%、さらに好ましくは15~50%である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。尚、実施例、比較例中の性能測定結果は以下の方法で測定して得たものである。
(1)目付け量(g/m):JIS-L-1913に準じて測定する。
(2)厚み(mm):JIS-L-1913A法に準じて測定する。
(3)繊維径(μm):顕微鏡で500倍に拡大写真を撮り、任意の10本を測定し平均値で示す。
(4)粗面追従性1(貼り付け時)
試験片には、幅15mm、長さ300mmのものを用い、また、被着体には主体粒度2~3mmサイズの骨材が適宜処方されたリシン吹き付け塗装面を使用し、温度23℃、湿度50%RHの条件下で被着体に完全に追従させるように貼り付けた時の貼り付け易さ(追従し易さ)を測定者が判断し、次の評価基準で評価する:
A:非常に良い
B:良い
C:普通
D:悪い。
(5)粗面追従性2(貼り付け後、経時)
貼り付けた後1時間経過後の試験片の被着体に対する追従状態を観察し、次の評価基準で評価する。
A:非常に良い、貼り付け直後から全く変化がなく、被着体に追従している
B:貼り付け直後から殆ど変化がなく、被着体に追従している
C:部分的に凹部から試験片が浮き上がっている
D:全面的に凹部から試験片が浮き上がっている。
(6)再剥離性
SUS板にテープを貼り付け45℃90%環境で3日間貼置き後、テープを剥がした時の被着体汚染(SUS板にテープ由来の付着物が残存すること)の状況を次の評価基準で評価する。
A:糊残りか基材破れが全くない
B:糊残りか基材破れが僅かにある
C:糊残りか基材破れが少しある
D:糊残りか基材破れが全くない。
(7)塗装見切り
主体粒度0.5~1.0mmサイズの骨材が適宜処方されたリシン吹き付け塗装面を被着体とし、温度23℃、湿度50%RHの条件下で被着体に完全に追従させるように貼り付けた後、貼り付けたテープ背面にさらに同じテープを重ねて貼り、上記条件下で1日放置後、その上からローラーを用いて塗料を塗り1層目のテープを剥がした時の見切りの仕上がりを次の評価基準で評価する。
A:見切りが直線的で非常に綺麗
B:塗料の染み出しが僅かにある
C:塗料の染み出しが少しある。
D:塗料の染み出しが著しく、見切りが直線的でない。
(8)手切れ性・直線カット性
被験者10名で、内径3インチ、厚さ2mm、幅50mmの紙管に幅50mm、長さ10mの粘着テープを巻いた粘着テープロールを作成し、図1に示すロールの(a)点を左手の親指で押さえ、(a)点から50mmの(b)点を右手の親指と人差し指で持って(a)点が支点になるように(c)の方向に引き裂く。5か所(5回)引裂いた時の破断状態(図2の(d))を下記の評価基準で判定する。回答については、3段階評定とし、その平均値を示す。尚、以下の表1中の値は、手切れ性と直線カット性の評価の合計である。
[手切れ性]
3:弱い力で引裂くことができた
2:強い力で引裂くことができた
1:引裂くことができない。
[直線カット性]
3:幅方向に長さ45mm以上、直線的に引裂かれた
2:幅方向に45mm未満、直線的に引裂かれた
1:引裂くことができない。
[実施例1]
[テープ基材の作製]
スパンボンド法により得られる繊維径が14μmからなるポリエステル長繊維ウエブをネットコンベア上に堆積させ、一対のエンボスロールで熱圧着し、部分熱圧着率20%の目付け量が30g/m、厚みが170μmのポリエステル長繊維不織布を得た。次いで、温度160℃、線圧300N/cmの条件で、テープの幅方向に線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm、線状エンボスの角度はロール回転軸に対して0.2度)を施したポリエステル長繊維不織布を得た。得られたポリエステル長繊維不織布(接着面にコロナ処理あり)と、延伸倍率7倍、厚さ18μm、樹脂組成が高密度ポリエチレン(100部)/低密度ポリエチレン(10部)の横一軸延伸高密度ポリオレフィンフィルムとを、不織布の幅方向とフィルムの横方向を合わせて、厚さ15μmのポリエチレン樹脂で押出しラミネートして接着し、次いで、合成樹脂の含浸処理を行った。用いた合成樹脂は、ガラス転移温度-31℃の日本ゼオン(株)社製水系アクリル樹脂「Nipol LX874」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の樹脂量が20g/mになるように含浸処理することによりテープ基材を得た。
[粘着剤の調整]
「三洋化成工業(株)製ポリシック430SA」100gに「三菱ガス化学(株)製テトラッドC」を0.1g添加し十分攪拌させ、固形分50%、23℃の粘度が25000mPa・sの溶剤型アクリル粘着剤を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
粘着剤を乾燥後の塗布量が40g/m2になるように上記テープ基材の不織布面に塗布し、フィルム面に剥離剤として、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製ピーロイル1010を乾燥後の塗布量が0.1g/mになるように塗布し、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、テープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様の幅方向にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布(コロナ処理あり)と横一軸延伸高密度ポリオレフィンフィルムとを、不織布の幅方向とフィルムの横方向を合わせて、ポリエチレン樹脂で押出しラミネートして接着し、次いで、樹脂の含浸処理を行った。用いた合成成樹脂は、ガラス転移温度-17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA-2555A」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の合成樹脂量が30g/mになるように含浸処理することによりテープ基材を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
実施例1と同様の粘着剤を不織布面に塗布して、実施例1と同様の剥離剤をフィルム面に塗布し、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様の幅方向にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布と、延伸倍率10倍、厚さ18μm、樹脂組成が高密度ポリエチレン(100部)/低密度ポリエチレン(10部)の横一軸延伸高密度ポリオレフィンフィルムとを、不織布の幅方向とフィルムの横方向を合わせて、厚さ15μmのポリエチレン樹脂で押出しラミネートして接着し、次いで、樹脂の含浸処理を行った。用いた合成樹脂は、ガラス転移温度25℃の日本ゼオン(株)社製の水系アクリル樹脂「Nipol LX814」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の合成樹脂量が30g/mになるように含浸処理することによりテープ基材を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
実施例1と同様の粘着剤を乾燥後の塗布量が40g/mになるように上記のテープ基材のフィルム面に塗布し、不織布面に実施例1と同様の剥離剤「ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製ピーロイル1010」を0.3g/mで塗布し粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様の幅方向にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布と、延伸倍率10倍、厚さ18μmの横一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとを、不織布の幅方向とフィルムの横方向を合わせて、三洋化成工業社製ポリウレタン樹脂「主剤:ポリボンドAY-651A、硬化剤:ポリボンドAY-651C、希釈剤:酢酸エチル、配合比率(主剤:硬化剤:希釈剤)=100:15:190)」を樹脂付着量5g/mで塗布し貼り合わせて70℃で乾燥して接着し、次いで、合成樹脂の含浸処理を行った。用いた合成樹脂は、ガラス転移温度-17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA-2555A」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の合成樹脂量が40g/mになるように含浸処理することによりテープ基材を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
実施例1と同様の粘着剤を不織布面に塗布し、実施例1と同様の剥離剤をにフィルム面に塗布して、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[実施例5]
スパンボンド法により得られる繊維径が14μmからなるポリエステル長繊維ウエブをネットコンベア上に堆積させ、一対のエンボスロールで熱圧着し、部分熱圧着率20%の目付け量が30g/m、厚みが170μmのポリエステル長繊維不織布を得た。次いで、温度150℃、圧力300N/cmの条件でカレンダー加工を行い、さらに、温度160℃、線圧300N/cmの条件で、テープの幅方向に線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm、線状エンボスの角度はロール回転軸に対して0.2度)を施したポリエステル長繊維不織布を得た。得られたポリエステル長繊維不織布(接着面にコロナ処理あり)と、実施例4と同様の横一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとを、不織布の幅方向とフィルムの横方向を合わせて、厚さ15μmのポリエチレン樹脂で押出しラミネートして接着し、次いで、合成樹脂の含浸処理を行った。用いた合成樹脂は、ガラス転移温度-17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA-2555A」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の合成樹脂量が30g/mになるように含浸処理することによりテープ基材を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
実施例1と同様の粘着剤を不織布面に塗布し、実施例1と同様の剥離剤をフィルム面に塗布して粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[実施例6]
上下層にスパンボンド法により得られる繊維径が18μm、目付け量が11g/mのポリプロピレン繊維不織布(S)と、中間層の2層にメルトブロン法により得られる繊維径が4μm、目付け量が1.5g/mのポリプロピレン極細繊維不織布(M)との4層積層ウエブ(SMMS)を熱圧着し、部分熱圧着率が14%、目付け量が25g/m、厚みが240μmの多層積層された長繊維不織布を得た。次いで、温度80℃、線圧300N/cmの条件で、テープの幅方向に線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm、線状エンボスの角度はロール回転軸に対して0.2度)を施した長繊維不織布を得た。得られたポリプロピレン長繊維不織布(接着面にコロナ処理あり)と、実施例4と同様の横一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとを、不織布の幅方向とフィルムの横方向を合わせて、厚さ15μmのポリエチレン樹脂で押出しラミネートして接着し、次いで、合成樹脂の含浸処理を行った。用いた合成樹脂は、ガラス転移温度-17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA-2555A」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の合成樹脂量が20g/mになるように含浸処理することによりテープ基材を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
実施例1と同様の粘着剤を不織布面に塗布し、実施例1と同様の剥離剤をフィルム面に塗布して、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[実施例7]
延伸倍率10倍、厚さ20μmの横一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムを用いたこと以外は、実施例5と同様に、テープ基材を得た。
[粘着剤の調整]
トルエン830gに素練りによりムーニー粘度を60に調整した天然ゴム100gを溶解した後、YSレジンPX1000(ヤスハラケミカル社製)を50g、ダイマロン(ヤスハラケミカル社製)を20g、老化防止剤アンテージW-400(川口化学工業社製)を1g添加し、十分溶解させ固形分17%、23℃の粘度が9800mPa・sの粘着剤を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
実施例1と同様の粘着剤を不織布面に塗布し、実施例1と同様の剥離剤をフィルム面に塗布して、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[実施例8]
実施例5と同様の幅方向にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布と実施例5と同様の横一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとを、実施例5と同様のポリエチレン樹脂で押出しラミネートして接着し、次いで、合成樹脂の含浸処理を行った。用いた合成樹脂は、ガラス転移温度-17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA-2555A」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の合成樹脂量が20g/mになるように含浸処理することによりテープ基材を得た。
[粘着剤、剥離剤の塗布]
実施例1と同様の粘着剤を不織布面に塗布して、実施例1と同様の剥離剤をフィルム面に塗布して、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[比較例1]
スパンボンド法により得られる繊維径が14μmからなるポリエステル長繊維ウエブをネットコンベア上に堆積させ、一対のエンボスロールで熱圧着し、部分熱圧着率20%の目付け量が30g/m、厚みが170μmのポリエステル長繊維不織布を得た。次いで、温度160℃、線圧300N/cmの条件で、テープの幅方向に線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm、線状エンボスの角度はロール回転軸に対して0.2度)を施したポリエステル長繊維不織布を得た。次いで、合成樹脂の含浸処理を行った。用いた合成樹脂は、ガラス転移温度-17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA-2555A」であり、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の合成樹脂量が30g/mになるように含浸処理し、ガラス転移温度12℃の日本ゼオン(株)製「NIPOL LX430」を乾燥後の塗布量が5g/mになるように片面に塗工することによりテープ基材を得た。
次いで、実施例1と同様の粘着剤を不織布面に塗布し、反対面(上記片面)に剥離剤として、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製ピーロイル1010を乾燥後の塗布量が0.3g/mになるように塗布し、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、及びテープ用基布の特性と共に以下の表1に示す。
[比較例2]
延伸倍率10倍、厚さ18μmの横一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムの片面に比較例1と同様の粘着剤を乾燥後の塗布量が40g/mになるように塗布し、反対面に剥離剤として、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製ピーロイル1010を乾燥後の塗布量が0.1g/mになるように塗布し、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
[比較例3]
スパンボンド法により得られる繊維径が14μmからなるポリエステル長繊維ウエブをネットコンベア上に堆積させ、一対のエンボスロールで熱圧着し、部分熱圧着率12%の目付け量が12g/m、厚みが90μmのポリエステル長繊維不織布を得た。尚、得られた不織布には幅方向に線状又は破線状のエンボス加工は施されていない。得られた不織布と、延伸倍率10倍、厚さ18μmの横一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとを、不織布の幅方向とフィルムの横方向を合わせて、厚さ15μmのポリエチレン樹脂で押出しラミネートして接着し、テープ基材を得た。次いで、比較例1と同様の粘着剤を乾燥後の塗布量が40g/mになるように不織布面に塗布し、剥離剤として、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製ピーロイル1010を乾燥後の塗布量が0.1g/mになるようにフィルム面に塗布して、粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を、不織布、フィルム、及びテープ基材の特性と共に以下の表1に示す。
Figure 0007166798000001
本発明の粘着テープは、手切れ性と直線カット性に優れ、平滑なテープ表面を有することから重ね貼り性が良好で、層間剥離もなく、曲面、粗面、及び凹凸面への追従性、並びに耐水性に優れ、施工後に剥がす際にテープ破断が少ないため、マスキングテープ、特に、粗面に貼り付けて使用される、粗面塗装用マスキングテープ、養生用テープなどに好適に利用可能である。
(a) 親指で押させる箇所
(b) 親指と人差し指で持つ箇所
(c) 引裂かれる方向
(d) 引裂いた時の破断状態

Claims (4)

  1. 幅方向に線状又は破線状にエンボス加工が施された熱可塑性長繊維スパンボンド不織布に、横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルム、該不織布の幅方向と該フィルムの横方向を合わせて、接合し、ガラス転移温度25℃以下の合成樹脂に含浸してテープ基材を形成する工程;及び該テープ基材の片面に粘着剤を塗布する工程;を含む粘着テープの製造方法
  2. 前記熱可塑性長繊維スパンボンド不織布の目付けが15~60g/mであり、前記横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが横一軸延伸ポリエチレン系フィルムであり、かつ、不織布に、前記合成樹脂、乾燥後の合成樹脂量として該不織布の目付けに対して5~150wt%で含浸る、請求項1に記載の粘着テープの製造方法
  3. 前記テープ基材の不織布面に粘着剤を、そしてフィルム面に剥離剤塗布る、請求項1又は2に記載の粘着テープの製造方法
  4. 前記横一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが、高密度ポリエチレン単体又は高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合物の横一軸延伸フィルムである、請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着テープの製造方法
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