JP7156400B2 - 車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体構造[vehicle body structure]に関する。
金属と繊維強化プラスチック(FRP)とで構成された種々の車体構造が開発されている。金属で構成された部分(例えば、車体前部)と炭素繊維強化樹脂(CFRP)で構成された部分(例えば、車室部分)とを接合して構成された車体構造を持つ市販車もある。また、下記特許文献1は、金属と熱可塑性樹脂との複合部材(Bピラーやサイドシル)によって構成された車体構造を開示している。特許文献1に開示された車体構造では、金属板上に一体成形された[molded on]樹脂リブによって当該金属板が補強された複合部品を用いて車体が作られる。
米国特許第8,383,242号明細書
ただし、特許文献1によって開示された複合部品では、複合部品に用いられる補強用樹脂は単なる熱可塑性樹脂であり、繊維強化熱可塑性樹脂ではない。繊維強化熱可塑性樹脂によって金属を補強した複合部材を用いた車体構造に関しては、特許文献1は何らの技術的検討を開示していない。
本発明の目的は、金属と繊維強化熱可塑性樹脂との複合部品を車体の各部に適切に用いることで、好適な強度及び剛性を実現することのできる車体構造を提供することである。
本発明の特徴は、第1複合部材で構成された車体側部と第2複合部材で構成された車体下部とを備えた車体構造を提供する。第1及び第2複合部材は、それぞれ、金属板と不連続繊維を含む繊維強化熱可塑性樹脂部とからなる。第1複合部材の繊維強化熱可塑性樹脂部は、金属板上に形成された複数の補強部を備えている。第2複合部材の繊維強化熱可塑性樹脂部は、金属板に周縁部が一体化された板状部を備えている。第2複合部材の不連続繊維が、第1複合部材の不連続繊維よりも長い。なお、「で構成された[configured of]」の表現は、その他の構成要素を排除するものではない。
上記特徴によれば、金属と繊維強化熱可塑性樹脂との複合部材を車体の各部(車体側部及び車体下部)に適切に用いることで、車体構造に好適な強度及び剛性を付与することができる。
図1は、実施形態に係る車体構造によって構成された車体の分解斜視図である。 図2は、上記車体構造における車体側部の斜視図である。 図3は、上記車体構造におけるサイドシルの拡大分解斜視図である。 図4は、上記サイドシルの概略的な拡大分解断面図である。 図5は、上記車体構造の車体下部の部分斜視図である。 図6は、上記車体下部の拡大断面図である。 図7は、上記車体下部の後部バンパ補強部材の拡大断面図である。
図面を参照しつつ、実施形態に係る車体構造を説明する。図1に示されるように、本実施形態における車体構造は、乗用車の車体構造であり、車体側部[body side sections]1、車体下部[body lower section]2、車体上部[body upper section]3、及び、車体前部[body front section]4によって構成されている。
車体側部1、車体下部2及び車体上部3は、それぞれ、金属板と不連続繊維[discontinuous fibers]を含む繊維強化熱可塑性樹脂部(以下、FRTP部[FRTP portion]とも言う)とからなる複合部材[composite component(s)]とで構成されている。なお、車体前部4は、従来の車体構造と同様に金属で構成されている。本実施形態では、上述したFRTP部の強化繊維としてカーボン繊維が用いられている(CFRTP)。ただし、カーボン以外の繊維がFRTP部の強化繊維として用いられてもよい(例えば、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維など)。
上述したように、CFRTPに用いられているカーボン繊維は、不連続繊維として用いられている。即ち、本実施形態では、カーボン繊維は、オートクレーブ法やRTM法で用いられるような連続繊維[continuous fiber]としては用いられず、ある程度の長さに切断されて熱可塑性樹脂と混練されて用いられる。不連続繊維としてのカーボン繊維が混練された熱可塑性樹脂は、金属板と一体成形されて[integrally molded with]複合部材を形成する。この複合部材の形成方法は、車体構造の部位によって異なる(追って詳しく説明する)。
まず、車体側部1について説明する。図2は、車体側部1を構成する複合部材の一つであるアウターサイドパネル(第1複合部材)10を示している。車体側部1は、アウターサイドパネル10の他に、アウターサイドパネル10の車室側に接合されるインナーサイドパネル10a(図4に一部のみ表示)も備えている。インナーサイドパネル10aも第1複合部材である。アウターサイドパネル10は、金属板11と、不連続繊維を含むFRTP部12とで構成されている。インナーサイドパネル10aも、金属板11aと不連続繊維を含むFRTP部12aとで構成されている。上述したように、FRTP部12(12a)は金属板11(11a)と一体成形されている。
具体的には、第1複合部材では、FRTP部12は、いわゆるアウトサート成形によって金属板11と一体化されている。アウトサート成形では、インサート成形と同様に、射出成形機[injection molding machine]の金型内に予め金属板11がセットされ、その後、金型内にカーボン繊維が混練された熱可塑性樹脂が射出されてアウターサイドパネル10が成形される。インサート成形は、樹脂成形品の一部に金属部品(金属挿入物[metal insert(s)])を埋め込む場合に用いられるのが一般的である。本実施形態のように金属部品の一部を樹脂で覆うような場合に、アウトサート成形の語が用いられる。このように、金属板11とFRTP部12とは、接着剤を用いることなくアウトサート成形によって直接一体化されているので、第1複合部材(即ち、それを用いている車体側部1)の強度及び剛性が損なわれるようなことはない。
カーボン繊維が混練された熱可塑性樹脂を射出成形するには、カーボン繊維の繊維長がある程度短くなければならない。カーボン繊維の繊維長が長すぎると、射出成形機内で詰まってしまう。本実施形態では、アウトサート成形に用いるカーボン繊維長は0.1~3.0mmとされている。0.1mm未満であるとFRTP部12(CFRTP)に所望の強度及び剛性を付加することができないし、3.0mmを超えると上述したように射出成形が難しくなる(あるいは特別な射出成形機が必要になる)。
射出成形機に投入されたカーボン繊維は、熱可塑性樹脂を射出口に送る射出成形機内部のスクリューによって上述した長さとなるように切断される。切断されたカーボン繊維は射出口より上流で熱可塑性樹脂と混練される。アウトサート成形は金型を用いた射出成形であるので、成形された樹脂部の形状自由度(成形自由度)が高く、強度及び(又は)剛性が必要な部分にリブ(補強リブ)121を容易に設けることができる。FRTP部12はリブ121を設けるために金属板11上にライナー層[lining layer]120も備えており、リブ121はこのライナー層120から立設されている(一体形成されている)。
従来は、金属板11として高張力鋼板や超高張力鋼板を用いたり、多くの金属製の補強部材(補強パッチ)を付加したりすることで、所望部分に強度及び(又は)剛性を付与していた。しかし、本実施形態では、リブ121を設けたりライナー層120の厚さを調整したりすることで、所望部分に強度及び(又は)剛性を効果的に付与することができる。近年、車体構造の開発にはCAEを用いた構造解析(FEM解析など)が一般的に用いられるが、解析結果に基づいてリブ121を設けたりライナー層120の厚さを調整したりすることで、FRTP部12によって車体側部1に強度及び(又は)剛性を効果的に付与することができる。
なお、アウターサイドパネル10には、補強部材として金属部材(金属板)110も用いられている。金属部材110は、FRTP部12を介して金属板11と一体化されており、車体側部1に強度及び(又は)剛性を付与している。金属部材110は、FRTP部12の射出成形時に金型内にインサートされる。また、本実施形態の車体側部1では、車体の下方側に設けられたリブ121に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量が、車体の上方側に設けられたリブ121に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量よりも多い。
ここで、車体搭載状態での車体側部1の高さの中央を境に上方側が「車体側部1(車体)の上方側」であり、中央を境に下方側が「車体側部1(車体)の下方側」である。車体側部1には、いわゆる側突(他車両の側方からの衝突)に対して強固であることが求められる。いわゆる前突(車体前部4から他車両や障害物への衝突)では、車体前部4を圧潰させることで、車体前部4によって衝突エネルギーを吸収できる。しかし、側突では、衝突エネルギーを吸収するスペースはなく、他車両の車室(生存空間)内への侵入を抑えるために、強固な構造が求められる。
このため、図2及び図3に示されるように、特に、Aピラー、Bピラー及びCピラーの下部を集中的に補強することで、車体側部1に側突に対して強固な構造を与えている。この時、ピラーの下部を集中的に補強するために、リブ121を数多く設けると共に、リブ121は厚くされる。この結果、側突時の車体側部1の局所変形が抑止され、かつ、側突の荷重を車体下部2に効果的に伝達するマルチロードパスが構築される。
従って、本実施形態では、車体側部1の下方側に設けられたリブ121に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量が、上方側に設けられたリブ121に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量よりも多くされている。また、Aピラーの下部の補強は、いわゆるスモールオフセット衝突に対しても有効であることも知られている。なお、図に示されるように、ピラーの上部もリブ121によって補強されるが、側突に対してはピラーの上部を補強することが有効であることもよく知られている。
なお、ここでの「繊維強化熱可塑性樹脂の量」とは、リブ121に用いられているCFRTPの量であるが、上方側でも下方側でも同一のCFRTPであるので、重量でもよいし体積でもよい。ただし、異なるCFRTP(後述する車体下部2のCFRTPなど)が部分的に用いられることも考えられるため、「繊維強化熱可塑性樹脂の量」とは、重量であるとする。
また、上述したように、側突に対してはピラーの下部を集中的に補強することが有効であるが、特に、サイドシルの補強が効果的であることも知られている。図3及び図4を参照しつつ、本実施形態におけるサイドシルの補強構造について説明する。
本実施形態のサイドシルは、図3に示されるように車体側部1の一部であるアウターサイドパネル10及びインナーサイドパネル10aの下部だけでなく、後述する車体下部2の一部であるサイドシルインナーパネル(サイドシル内側部材)20aも含んで構築された閉断面構造を有している。サイドシルインナーパネル20aは、金属板21aと、不連続繊維(カーボン繊維)を含むFRTP部22aとで構成されている第2複合部材である。第2複合部材の形成方法については、後述する車体下部2と共に詳しく説明する。
ここで、アウターサイドパネル10の下部がサイドシルアウターパネルであり、インナーサイドパネル10aの下部がサイドシルインナーレインフォースであると解釈することができる。また、組み上げられた車体を考慮すると、サイドシルインナーパネル20aを車体側部1の一部と解釈することも不可能ではないが、後述する第2複合部材(サイドシルインナーパネル20a)の形成方法を考慮して、本実施形態では、サイドシルインナーパネル20aは車体下部2の一部とする。なお、インナーサイドパネル10a(サイドシルインナーレインフォース)は、サイドシルの全長にわたって設けられなくてもよく、部分的に設けられてもよい。
サイドシルにおいて、アウターサイドパネル10及びインナーサイドパネル10a(第1複合部材)、並びに、サイドシルインナーパネル20a(第2複合部材)は、それらの金属板11、11a及び21aに形成されたフランジ111、111a及び211がスポット溶接されることで互いに接合されている。即ち、フランジ111、111a及び211で、車体側部1と車体下部2とが溶接接合されている。なお、第1複合部材及び第2複合部材(第1複合部材同士、及び、第2複合部材同士も含む)は、サイドシル以外の部分でも、互いの金属板11、11a、21aに形成されたフランジで溶接接合されている。従って、FRTP部12、12a及び22aが形成されていても、第1複合部材及び第2複合部材は、それらの金属板11,11a,21aで、従来からの接合方法である溶接によって安定かつ確実に接合されている。
そして、サイドシルは、金属板11、11a及び21aによる閉断面構造、インナーサイドパネル10a(サイドシルインナーレインフォース)による補強、アウターサイドパネル10及びインナーサイドパネル10aのリブ121による補強、並びに、サイドシルインナーパネル20aのFRTP部22aによる補強によって、強固な構造を構築している。また、アウターサイドパネル10及びインナーサイドパネル10aのライナー層120並びにサイドシルインナーパネル20aのライナー層220も、サイドシルの強固な構造に寄与している(追って詳しく説明する)。
次に、車体下部2について説明する。車体下部2は、より具体的には、車体床部[body floor section]である。図1に示されるように、車体下部2は、第2複合部材として、フロアパネル20、上述したサイドシルインナーパネル20a及びリアバンパレインフォース20bを備えている。ここで、車室とモータ(エンジン)コンパートメントとの間のダッシュパネルは、フロアパネル20の一部である。図4に示されるように、サイドシルインナーパネル20aは、フロアパネル20の両側縁にそれぞれスポット溶接によって接合されている。
フロアパネル20(第2複合部材)は、金属板21と、不連続繊維を含むFRTP部22とで構成されている。サイドシルインナーパネル20a(第2複合部材)も、金属板21aと、不連続繊維を含むFRTP部22aとで構成されている(図4参照)。後述するが、リアバンパレインフォース20bも、金属板21bと、不連続繊維を含むFRTP部22bとで構成されている(図7参照)。第2複合部材のFRTP部22(22a、22b:以下省略)は、上述した第1複合部材のFRTP部12(12a:以下省略)とは異なる形成方法によって形成される。
第2複合部材のFRTP部22に含まれるカーボン繊維は、上述した第1複合部材のFRTP部12に含まれるカーボン繊維よりも長い。従って、FRTP部22は射出成形での形成が難しく、LFT-D成形(Long Fiber-reinforced Thermoplastic Direct inline compound molding)によって形成される(D-LFT成形と呼ばれることもある)。具体的には、溶融された熱可塑性樹脂と長い強化繊維とが混練された後に押し出された[extruded]複合物[compound]がまず形成され、この複合物が成形ライン上で金属板21と共に金型内にセットされて圧縮成形[compression molding]によりFRTP部22が形成される。この結果、金属板21とFRTP部22とが一体成形される。なお、圧縮成形に際して、金属板21の形状は既にプレス形成によって形成されている。また、複合物の金型内へのセットには、ロボットアームなどが用いられる。
ここで、本実施形態では、金属板21のFRTP部22が形成される位置には予め開口部23が形成されており、この開口部23が圧縮成形されたFRTP部22によって塞がれる。具体的には、図4に示されるように、開口部23の内縁部分が、FRTP部22とオーバーラップしており、FRTP部22は金属板21によって縁取られた構造となっている。このオーバーラップした部分では、上述した圧縮成形によって金属板21とFRTP部22とが強固に一体化されている。オーバーラップした部分の内側の、開口部23に充填されて開口部23を塞いでいる部分が板状部24(FRTP部22の一部)である。
従って、開口部23を形成することで金属板21の体積を減らして車体を軽量化することができる。また、軽量化しつつも、金属板21と一体成形されたFRTP部22(板状部24)によって、フロアパネル20として必要な強度及び剛性を確保することもできる。フロアパネル20として必要な強度及び剛性を確保するために、FRTP部22のカーボン繊維が長くされている。本実施形態では、LFT-D成形に用いるカーボン繊維長は3.0~30mmとされている。カーボン繊維長が3.0mm未満であると、所望の強度及び剛性を得ることができない。一方、カーボン繊維長が30mmを超えると、カーボン繊維を熱可塑性樹脂に混練させ難くなるので圧縮成形(複合物の形成)が難しくなる。
なお、長い繊維が混練された繊維強化熱可塑性樹脂はLFT(Long Fiber reinforced Thermoplastics)と呼ばれる(LFRTと呼ばれることもある)。これに対して、短い繊維が混練された繊維強化熱可塑性樹脂はSFT(Short Fiber reinforced Thermoplastics)と呼ばれる(SFRTと呼ばれることもある)。LFTとSFTとの境となる繊維長は明確に規定されてはいない。繊維の種類が変わるとその境も変わり得る。本実施形態では、上述したように繊維長3.0mmを境としてLFTとSFTとを区別する。また、上述した繊維長は、成形後のFRTP部に含まれる繊維の平均長である。従って、第1複合部材のFRTP部12はSFTで形成されており、第2複合部材のFRTP部22はLFTで形成されている。LFT及びSFTは不連続繊維として用いられている。なお、オートクレーブ法やRTM法で用いられるような連続繊維の長さは、部品の最大長にほぼ等しく、数メートルであることもある。
フロアパネル20は、最低地上高を確保するために下方への突出部や、車室容積を確保するために上方への突出部を設けられない場合が多い。本実施形態の車体下部2によれば、(リブなどを設けることなく)FRTP部22を板状に形成しつつも必要な強度及び剛性を確保できる。また、上述した車体下部2の構成は、前突や側突などの衝突時に、衝突荷重をフロアパネル20で十分に受け止めることができる。また、LFT-D成形であれば、フロアパネル20のような大型部品を金属とCFRTPとの複合部品として容易に形成することができる。
なお、図4では、上述した金属板21とFRTP部22とのオーバーラップ部分は金属板21の上面及び下面の両方に形成されているが、十分な接合強度が確保されていれば、上面及び下面の一方のみに形成されてもよい。また、図4では、分かりやすくオーバーラップ部分を厚く示してあるが、オーバーラップ部分は、段差を形成せずに金属板21からFRTP部22へと面一に形成されている(ただし、段差が形成されてもよい)。
また、本実施形態では、フロアパネル20の両側縁からサイドシルインナーパネル20aにかけては、上述した開口部23が形成されない別の複合構造が構築されている。まず、サイドシルインナーパネル20aのライナー層220(図4参照)について説明する。なお、サイドシルインナーパネル20aのライナー層220は、図6では図示が省略されている。ライナー層220は、LFT-D成形によって金属板21aと上述したLFT複合物とが圧縮成形されて、サイドシルインナーパネル20aの内面上に形成される。従って、ライナー層220(即ち、FRTP部22a)は、金属板21aと一体化され、サイドシルインナーパネル20aに強度及び剛性を付与している。
ここで、サイドシルインナーパネル20aのライナー層220のカーボン繊維は車体構造の長手方向[longitudinal direction](前後方向[back-forth direction])に配向されている[oriented]。カーボン繊維の配向は、LFT複合物を押し出す際に制御できる。LFT複合物が押出機[extruder]の押出口から押し出されると、(押出口の形状にも依存するが)カーボン繊維は押出口の中心軸に対してほぼ直角となるように配向される。カーボン繊維の配向は、圧縮成形によってはほぼ変化しない。
また、サイドシルインナーパネル20aのライナー層220のカーボン繊維は、フロアパネル20のFRTP部22のカーボン繊維よりもさらに長くされている。サイドシルインナーパネル20aのライナー層220のカーボン繊維を車体構造の長手方向に配向させることで、サイドシルに作用する軸力(例えば前突時)に対して効果的に対抗できると共に、サイドシルを撓ませるように作用する横力(例えば側突時)に対しても効果的に対抗できる。ライナー層220のカーボン繊維がFRTP部22のカーボン繊維よりもさらに長くされているので上記の軸力及び横力により効果的に対抗でき、上述したサイドシルの強固な構造をより向上させることができる。
また、サイドシルインナーパネル20aには、サイドシルの内部に位置する上述したライナー層220(図4参照)だけでなく、フロアパネル20の両側縁からサイドシルインナーパネル20aにかけてもライナー層220(図5及び図6参照)が形成されている。ライナー層220は、フロアパネル20の上面上及び底面上に形成されている。これらの図5及び図6に示されるライナー層220は、サイドシルの強固な構造をより向上させると共に、フロアパネル20の強度及び剛性も向上させている。
なお、図5は、車体下部2の左半分のみを示している。また、フロアパネル20は、フロントパネル(即ち、上述したダッシュパネル)、センターパネル及びリアパネルに区分され得るが、図5には、センターパネルの後部(リアシートに対応する部分)及びリアパネル(後部荷物室に対応する部分)は図示されていない。FRTP部22は変形され[modified]得る。
また、図5及び図6に示されるライナー層220からは、三角リブ(補強リブ)221が立設されている。三角リブ221も、フロアパネル20の上面上及び底面上に形成されている。金属板21の三角リブ221が形成される部分には、成形時に上下の三角リブ221に樹脂を充填しやすくするために貫通孔230が形成されている。図5には、三角リブ221は二つしか示されていないが、サイドシルに沿って所望位置に適宜設けられる。三角リブ221も、サイドシルの強固な構造をより向上させると共に、フロアパネル20の強度及び剛性も向上させている。なお、図6には、フロアパネル20の下面に厚い金属部材が溶接されて形成されたサイドメンバ201も図示されている。サイドメンバ201を形成する金属部材は、フロアパネル20の金属板21に溶接されている(溶接部にはFRTP部22は形成されていない)。
図5及び図6に示されるライナー層220及び三角リブ221も、LFT-D成形によって形成されている。また、ライナー層220のカーボン繊維は車体構造の長手方向に配向されている。さらに、ライナー層220のカーボン繊維は、FRTP部22(板状部24)のカーボン繊維よりもさらに長くされている。従って、図5及び図6に示されるライナー層220及び三角リブ221は、サイドシルの強固な構造をより一層向上させると共に、フロアパネル20の強度及び剛性もより一層向上させている。
言い換えれば、車体下部2では、その周縁部に設けられた補強リブ(三角リブ)221に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量が、その中央部に設けられた補強リブに用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量よりも多い。ここでの「中央部」とは、周縁部の内側のことを指す。ただし、図には、中央部に設けられた補強リブは図示されていない(中央部に補強リブが設けられない場合は、「補強リブに用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量」はゼロとみなせる)。このようにすることで、車体下部2の周縁部の強度及び剛性を向上でき、実質的に板状の車体下部2全体の強度及び剛性を向上させることができる。
さらに、図1に示されるように、車体下部2は、リアバンパレインフォース(後部バンパ補強部材)20bを備えている。リアバンパレインフォース20bも、フロアパネル20及びサイドシルインナーパネル20aと同様に、第2複合部材である。即ち、図7に示されるように、リアバンパレインフォース20bは、金属板21bと、不連続繊維(カーボン繊維)を含むFRTP部22bとで構成されている。また、リアバンパレインフォース20bは、上述したLFT-D法で形成されている。リアバンパレインフォース20bは、ブラケット又はクラッシュボックスを介して、上述したサイドメンバ201の後端に取り付けられる。
リアバンパレインフォース20bのFRTP部22bは、金属板21bの内面上に設けられたライナー層220と、ライナー層220から立設されたリブ(補強リブ)221及び三角リブ(補強リブ)221とを備えている。ライナー層220は、金属板21bの垂直板の内面上に形成されている。ライナー層220によってリアバンパレインフォース20bの強度及び剛性が向上されるが、リブ221及び三角リブ221によって強度及び剛性がさらに向上されている。リブ221は、リアバンパレインフォース20bの長手方向に延在している。三角リブ221は、垂直板のライナー層220から金属板21bの水平上板の内面にかけて設けられている。三角リブ221は、垂直板のライナー層220から金属板21bの水平下板の内面にかけても設けられている。複数の三角リブ221が、リアバンパレインフォース20bの長手方向に沿って設けられている。なお、ライナー層220は、垂直板の内面上だけでなく、水平上板及び水平下板の内面上にも形成されてもよい。
FRTP部22b(ライナー層220及びリブ221)のカーボン繊維は車体構造の横方向[lateral direction](左右方向[left-right direction])に配向されている。カーボン繊維の配向の制御は、サイドシルインナーパネル20aのライナー層220と同様である。FRTP部22bのカーボン繊維を車体構造の横方向に配向させることで、リアバンパレインフォース20bを撓ませるように作用する力(例えば後突時)に対しても効果的に対抗できる。なお、リアバンパレインフォース20bのライナー層220のカーボン繊維は、フロアパネル20のFRTP部22のカーボン繊維よりもさらに長くされている。リアバンパレインフォース20bのリブ221及び三角リブ221は、上述した「車体下部2の周縁部に設けられた補強リブ221」に含まれる。
次に、車体上部3について説明する。車体上部3は、より具体的には、車体屋根部[body roof section]である。図1に示されるように、車体上部3は、ルーフパネル30a、ルーフレイル30b及びルーフボウ30を備えている。ルーフサイドレル(図示せず)は、車体構造によるが、車体上部3又は車体側部1に含まれる。ルーフレイル30b及びルーフボウ30は、その両端がルーフサイドレイルにボルト締結又は溶接されており、両端の中間部は接着剤によってルーフパネル30aの内面と接合されている。中間部とルーフパネル30aとを溶接すると、ルーフパネル30aの表面に溶接痕が形成されてしまうため接着剤が用いられる。
本実施形態では、ルーフレイル30b及びルーフボウ30が第1複合部材であり、図1に示されるように、金属板31と不連続繊維(カーボン繊維)を含むFRTP部32とで構成されている。ルーフレイル30b及びルーフボウ30(第1複合部材)は、車体側部1の第1複合部材と同様にアウトサート成形により形成されている。ここで、ルーフボウ30だけを第1複合部材として形成して、ルーフレイル30bは金属のみで形成してもよい。また、FRTP部32のカーボン繊維は車体構造の横方向に配向されている。
ここで、ルーフレイル30b及びルーフボウ30(第1複合部材)は、上述したように射出成形によって形成される。射出成形では、金型内面(及び、本実施形態では金属板31の表面)に接する部分(スキン層)と、接しない部分(コア層)とで強化繊維の配向方向が変わり得る。FRTP部32のカーボン繊維の配向は、FRTP部32のコア層でのカーボン繊維の配向である。コア層でのカーボン繊維の配向は、カーボン繊維が混練された熱可塑性樹脂を射出する際に制御できる。
SFTが射出機の射出口から射出されると、(射出口の形状にも依存するが)コア層のカーボン繊維は射出口の中心軸に対してほぼ直角となるように配向される。即ち、射出口が単一のゲートであれば、射出口を中心とする同心円状にカーボン繊維が配向される。射出口がファンゲートであれば、長い射出口に平行にカーボン繊維が配向される。なお、スキン層のカーボン繊維は、射出口が単一のゲートであれば、射出口から放射状に配向される。射出口がファンゲートであれば、長い射出口に垂直にカーボン繊維が配向される。
車体上部3をルーフレイル30b及びルーフボウ30(第1複合部材)で構成することで、車体上部3に強度及び剛性を効果的に付与することができる。特に、本実施形態では、第1複合部材のカーボン繊維を車体構造の横方向に配向させているので、車体上部3に側方から作用する横力(例えば側突時や横転時)に対しても効果的に対抗できる。
車体上部3の変形例について説明する。ルーフパネル30aを、アウトサート成形によって、金属板とFRTP部とからなる第1複合部材として形成してもよい。この場合、ルーフボウを、ハニカム構造を持つ梁(補強リブの一種)としてFRTP部に射出形成することができる。また、FRTP部の成形時に、金属のルーフレイルを金型内にインサートして一体成形することもできる。
ここで、ルーフボウを射出成形による補強リブとして形成するのではなく、予め成形しておいたCFRTPのルーフボウを第1複合部材(ルーフパネル30a)の射出成形時に金型内にインサートして一体成形してもよい。この場合、予め成形しておくルーフボウのカーボン繊維を車体構造の横方向に配向させることも容易である。なお、この場合、ルーフボウは、SFTで成形されてもよいし、LFTで成形されてもよい。
次に、車体前部4について説明する。車体前部4は、上述したダッシュパネルより前側の部分である。車体前部4には、一般的には、エンジンやモータなどが収容される。車体前部4は、前突時には圧潰(延性的に座屈)して衝突エネルギーを吸収するクラッシャブルゾーンとして機能する。車体骨格構造における車体前部4は、金属によって構成されている。金属は、上述した延性破壊によって衝突エネルギーを吸収するのに適した特性を有している。具体的には、車体前部4は、金属製のサイドメンバ40及びクラッシュボックス41を備えている。
サイドメンバ40は、車体構造の長手方向に延在しており、上述した車体下部2のサイドメンバ201へと続いている。クラッシュボックス41は、サイドメンバ40の前端に取り付けられており、さらにその前端にはフロントバンパレインフォース(図示せず)が取り付けられる。クラッシュボックス41は、衝突時に潰れて衝突エネルギーを吸収する。
本実施形態の車体構造は、第1複合部材(アウターサイドパネル10)で構成された車体側部1と、第2複合部材(フロアパネル20)で構成された車体下部2とを備えている。第1及び第2複合部材(10,20)は、それぞれ、金属板(11,21)と不連続繊維を含むFRTP部(12,22)とで構成されている。
従って、従来、金属製のパッチなどを用いて部分的に補強していた構造を、金属板とFRTP部との複合構造を持つ複合部材によって構築でき、部品数を大幅に削減することができる。また、部品数削減に加えて、金属をFRTPに置き換える(金属パッチをライナー層120及び補強リブ121/開口部23内の板状部24)ことで、軽量化を実現できる。また、金属板と(単なる樹脂ではなく)繊維強化熱可塑性樹脂とからなる複合部材を用いて車体側部1及び車体下部2が形成されるので、車体構造の強度及び剛性を(重量を増加させることなく)向上させることができる。
さらに、第1複合部材のFRTP部は、金属板上に形成されたライナー層120と、当該ライナー層120から立設された補強リブ121とを備えて構成されている。従って、車体側部1では、FRTP部の形状自由度が高いので、補強リブ121を所望の位置に配置することができ、車体側部1の強度及び剛性を的確に向上させることができる。
一方、第2複合部材のFRTP部は、開口部23に充填されて当該開口部23を塞ぐ板状部24を備えて構成されている。従って、第2複合部材は、板形状を維持したまま、車体下部2の強度及び剛性を向上させることができる。
ここで、第2複合部材のFRTP部に含まれる不連続繊維が、第1複合部材のFRTP部に含まれる不連続繊維よりも長くされている。言い換えれば、第1複合部材のFRTP部に含まれる不連続繊維は、第2複合部材のFRTP部に含まれる不連続繊維よりも短いので、第1複合部材のFRTP部は形状自由度が高く、上述したように補強リブ121を所望の位置に配置することができ、車体側部1の強度及び剛性を的確に向上させることができる。
一方、第2複合部材のFRTP部に含まれる不連続繊維は長いので、補強リブなどを形成するスペースがなくても、第2複合部材によって車体下部2の強度及び剛性(特に面剛性)を、板形状を維持したまま(第1複合部材よりも)より一層向上することができる。そして、このように特性の異なる第1複合部材(短繊維による高い形状自由度)及び第2複合部材(長繊維による高強度及び高剛性)を、車体側部1及び車体下部2に選択的に用いることで、車体構造の強度及び剛性を(部品数削減及び軽量化を実現した上で)的確に向上させることができる。
また、車体側部1と車体下部2とは、第1複合部材の金属板と第2複合部材の金属板との溶接によって直接接合されている。即ち、FRTP部は車体側部1と車体下部2との接合を阻害することはなく、従来と同様の工法によって車体側部1と車体下部2とを確実に接合することができる。
本実施形態の車体構造では、車体側部1において、車体の下方側に設けられた補強リブ121に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量が、車体の上方側に設けられた補強リブ121に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量よりも多い。従って、補強リブ121よって車体構造の下方側(特に、Bピラー下部やAピラーの下部)の強度及び剛性がより重点的に向上されている。この結果、側突時の車体側部1の局所変形が抑止され、かつ、側突の荷重を車体下部2に効果的に分散させるマルチロードパスが構築される。また、車両重心位置を下げられるので、車両の運動性能も向上する。
本実施形態の車体構造では、車体下部2が、(フロアパネル20に加えて)第2複合部材としてサイドシルインナーパネル(サイドシル内側部材)20aも備えている。サイドシルインナーパネル20aに沿って形成されるFRTP部22aは、金属板(21,21a)上に形成されたライナー層220と、当該ライナー層220から立設された補強リブ(三角リブ)221とを備えている。車体下部2の周縁部に設けられた補強リブ221に用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量が、車体下部2の中央部に設けられた補強リブに用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量よりも多い。従って、車体フレーム構造の一部となる車体下部2の周縁部の強度及び剛性がより重点的に向上されている。この結果、車体への様々な静的及び動的入力に対する車体変形を効果的に抑止できる。また、周縁部に重点的に設けられる補強リブ221によって衝突荷重を効果的に分散させるマルチロードパスが構築され、衝突荷重を車体下部2全体で十分に受け止めることができる。
ここで、本実施形態の車体構造では、サイドシルインナーパネル20aの金属板21a上に、繊維強化熱可塑性樹脂によるライナー層220が形成されており、ライナー層220の不連続繊維が車体構造の長手方向に配向されている。従って、サイドシルに作用する軸力(例えば前突時)に対して効果的に対抗できると共に、サイドシルを撓ませるように作用する横力(例えば側突時)に対しても効果的に対抗できる。
さらに、サイドシルインナーパネル20aのライナー層220の不連続繊維が板状部24の不連続繊維よりも長くされている。従って、サイドシルインナーパネル20aのライナー層220の強度及び剛性はより効果的に向上されており、衝突荷重を効果的に分散させるマルチロードパスを構築して衝突荷重を車体下部2全体で十分に受け止めることができる。
また、本実施形態の車体構造では、車体下部2が、第2複合部材として(フロアパネル20及びサイドシルインナーパネル20aに加えて)リアバンパレインフォース(後部バンパ補強部材)20bをさらに備えている。リアバンパレインフォース20bの金属板21b上に形成されたFRTP部22bはライナー層220を備えており、ライナー層220の不連続繊維は車体構造の横方向に配向されている。従って、リアバンパレインフォース20bを撓ませるように作用する力(例えば後突時)に対しても効果的に対抗できる。その結果、リアバンパレインフォース20bの局所変形が抑止され、衝突荷重を車体骨格構造(サイドメンバ201)に効果的に伝達することができる。
また、本実施形態の車体構造は、金属で構成された車体前部4をさらに備えており、車体前部4は、車体下部2の金属板21(及び車体側部1の金属板11)と直接接合されている。従って、従来と同様の工法によって車体下部2(車体側部1)とを確実に接合することができる。特別な接合構造や接合方法を必要としないため、車体構造の製造コストの上昇を抑止できる。また、車体前部4は、金属で構成されているので、衝突時には延性的に座屈して衝突エネルギーを効率よく吸収できる。更に、車体前部4には内燃機関(モータ及びインバータ)等の発熱源が収容されるが、熱に対して安定している金属で車体前部4が構成されているので、車体構造は上述した発熱源による熱の影響を受けにくい。
本実施形態の車体構造では、車体上部3も第1複合部材(ルーフボウ30及びルーフレイル30b/ルーフパネル30a[変形例])で構成されており、車体側部1と車体上部3とが、第1複合部材の金属板(11,31)同士の溶接によって直接接合されている。従って、車体上部3、即ち、車体の屋根に強度及び剛性を効果的に付与することができる。もちろん、用いる金属の量を削減できるので軽量化を実現できる。また、車体上部3の軽量化によって車両重心位置を下げられるので、車両の運動性能も向上する。
ここで、第1複合部材(ルーフボウ30及びルーフレイル30b)のFRTP部の不連続繊維が車体構造の横方向に配向されている。従って、車体上部3に側方から作用する横力(例えば側突時や横転時)に対しても効果的に対抗できる。
実施形態を参照することで上述のように本発明が説明されたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、請求の範囲に照らして決定される。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態でのLFT-D成形では、予め押し出した複合物を金型内にセットしてから圧縮成形を行った。しかし、LFT-D成形では、複合物を金型内に押し出してから、圧縮成形を行う場合もある。いずれにしても、LFT-D成形では、圧縮成形の直前にLFT複合物を形成し、その後金型内で金属部品と共にLFT複合物が圧縮成形される。
1 車体側部
2 車体下部
3 車体上部
4 車体前部
10 アウターサイドパネル(第1複合部材)
10a インナーサイドパネル(第1複合部材)
20 フロアパネル(第2複合部材)
20a サイドシルインナーパネル(サイドシル内側部材:第2複合部材)
20b リアバンパレインフォース(後部バンパ補強部材:第2複合部材)
30 ルーフボウ(第1複合部材)
30a ルーフパネル(第1複合部材:変形例)
30b ルーフレイル(第1複合部材)
11,11a,21,21a,21b,31 金属板
12,12a,22,22a,22b,32 繊維強化熱可塑性樹脂部(FRTP部)
23 開口部
24 板状部
120,220 ライナー層
121,221 補強リブ(リブ,三角リブ)

Claims (13)

  1. 車体構造であって、
    金属板と不連続繊維を含む繊維強化熱可塑性樹脂部とからなる第1複合部材で構成された車体側部と、
    金属板と不連続繊維を含む繊維強化熱可塑性樹脂部とからなる第2複合部材で構成された車体下部と、を備えており、
    前記第1複合部材の前記繊維強化熱可塑性樹脂部は、前記金属板上に形成された複数の補強部を備えて構成され、
    前記第2複合部材の前記繊維強化熱可塑性樹脂部は、前記金属板に周縁部が一体化された板状部を備えて構成され、
    前記車体側部と前記車体下部とが、前記第1複合部材の前記金属板と前記第2複合部材の前記金属板との接合によって接合されており、
    記第2複合部材の前記不連続繊維が、前記第1複合部材の前記不連続繊維よりも長い、車体構造。
  2. 請求項1に記載の車体構造であって、
    前記板状部が、前記金属板に形成された開口部に充填されて当該開口部を塞いでいる、車体構造。
  3. 請求項1又は2に記載の車体構造であって、
    前記車体側部と前記車体下部とが、前記第1複合部材の前記金属板と前記第2複合部材の前記金属板との溶接によって直接接合されている、車体構造。
  4. 請求項1~3の何れか一項に記載の車体構造であって、
    前記補強部が補強リブである、車体構造。
  5. 請求項2に記載の車体構造であって、
    前記第1複合部材の前記繊維強化熱可塑性樹脂部が、前記金属板上に形成されたライナー層と、当該ライナー層から立設された複数の前記補強リブとを備えて構成されている、車体構造。
  6. 請求項4又は5に記載の車体構造であって、
    前記車体側部において、車体の下方側に設けられた前記補強リブに用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量が、前記車体の上方側に設けられた前記補強リブに用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量よりも多い、車体構造。
  7. 請求項1~6の何れか一項に記載の車体構造であって、
    前記車体下部が、前記第2複合部材としてサイドシル内側部材を備えており、
    前記サイドシル内側部材の前記繊維強化熱可塑性樹脂部が、前記金属板上に形成されたライナー層と、当該ライナー層から立設された補強リブとを備えて構成され、
    前記サイドシル内側部材を含む前記車体下部の周縁部に設けられた前記補強リブに用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量が、前記車体下部の中央部に設けられた前記補強リブに用いられている繊維強化熱可塑性樹脂の量よりも多い、車体構造。
  8. 請求項に記載の車体構造であって、
    前記サイドシル内側部材の前記ライナー層の前記不連続繊維が前記車体構造の長手方向に配向されている、車体構造。
  9. 請求項に記載の車体構造であって、
    前記サイドシル内側部材の前記ライナー層の前記不連続繊維が、前記板状部を形成する前記繊維強化熱可塑性樹脂の前記不連続繊維よりも長い、車体構造。
  10. 請求項に記載の車体構造であって、
    前記車体下部が、前記第2複合部材として後部バンパ補強部材をさらに備えており、
    前記後部バンパ補強部材を構成する前記金属板の補強部材内面上に、前記第2複合部材の前記繊維強化熱可塑性樹脂によるライナー層が形成されており、
    前記後部バンパ補強部材の前記ライナー層を形成する前記繊維強化熱可塑性樹脂の前記不連続繊維が前記車体構造の横方向に配向されている、車体構造。
  11. 請求項1~10の何れか一項に記載の車体構造であって、
    前記車体構造が、金属で構成された車体前部をさらに備えており、
    前記車体前部が、前記車体下部の前記金属板又は前記車体側部の前記金属板と直接接合されている、車体構造。
  12. 請求項1~11の何れか一項に記載の車体構造であって、
    前記車体構造が、車体の屋根を構成する車体上部をさらに備えており、
    前記車体上部が、前記第1複合部材で構成され、
    前記車体側部と前記車体上部とが、前記第1複合部材の前記金属板同士の溶接によって直接接合されている、車体構造。
  13. 請求項12に記載の車体構造であって、
    前記車体上部の前記第1複合部材の前記繊維強化熱可塑性樹脂部の前記不連続繊維が前記車体構造の横方向に配向されている、車体構造。
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