JP7152974B2 - 全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法 - Google Patents
全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7152974B2 JP7152974B2 JP2019049987A JP2019049987A JP7152974B2 JP 7152974 B2 JP7152974 B2 JP 7152974B2 JP 2019049987 A JP2019049987 A JP 2019049987A JP 2019049987 A JP2019049987 A JP 2019049987A JP 7152974 B2 JP7152974 B2 JP 7152974B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- lithium
- positive electrode
- active material
- electrode active
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
LiaMnbFecM1 xPO4 ・・・(1)
(式(1)中、M1はCo、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0.3≦b≦1、0≦c≦0.7、及び0≦x≦0.3を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(M1の価数)×x=3を満たす数を示す。)
LidMneFefM2 ySiO4 ・・・(2)
(式(2)中、M2はCo、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd、Al、Zn、V又はGdを示す。d、e、f、及びyは、0<d≦2.4、0≦e≦1.2、0≦f≦1.2、0≦y≦1.2、及びe+f≠0を満たし、かつd+(Mnの価数)×e+(Feの価数)×f+(M2の価数)×y=4を満たす数を示す。)
で表され、かつ表面に炭素(C)が担持してなる1種以上のリチウム系ポリアニオン粒子(A)と、
Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3及びLi3PO4-Li4SiO4のいずれか1種以上の固体電解質粒子(B)とが複合してなる全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法であって、
次の工程(I)~(IV):
(I)リチウム化合物、少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属化合物、リン酸化合物又はケイ酸化合物、並びに炭素源(C')を水熱反応に付して、平均粒径が10nm~100nmである、リチウム系ポリアニオン粒子(A)と炭素源(C')との複合体粒子(a)を得る工程、
(II)少なくともリチウム化合物、及びリン酸化合物又はケイ酸化合物を湿式反応又は焼成に付して、平均粒径が10nm~100nmである、固体電解質粒子(B)を得る工程、
(III)工程(I)で得られた複合体粒子(a)と、工程(II)で得られた固体電解質粒子(B)とを湿式混合して、複合体粒子(a)の含有量が水100質量部に対して10質量部~400質量部であるスラリーを調製する工程、
(IV)得られたスラリーを噴霧乾燥した後に焼成して、リチウム系ポリアニオン粒子(A)の表面に0.1質量%~20質量%の炭素(C)を担持させつつ、表面に炭素(C)を担持したリチウム系ポリアニオン粒子(A)と固体電解質粒子(B)とを適度に焼結させる工程
を備える全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法を提供するものである。
したがって、正極活物質と固体電解質の混合状態の均一性に乏しい複合型の正極活物質粒子を用いる場合に比べ、構成する全固体リチウムイオン二次電池の電池特性を極めて有効に高めることができる。
本発明の製造方法により得られる全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子は、下記式(1)、又は(2):
LiaMnbFecM1 xPO4 ・・・(1)
(式(1)中、M1はCo、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0.3≦b≦1、0≦c≦0.7、及び0≦x≦0.3を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(M1の価数)×x=3を満たす数を示す。)
LidMneFefM2 ySiO4 ・・・(2)
(式(2)中、M2はCo、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd、Al、Zn、V又はGdを示す。d、e、f、及びyは、0<d≦2.4、0≦e≦1.2、0≦f≦1.2、0≦y≦1.2、及びe+f≠0を満たし、かつd+(Mnの価数)×e+(Feの価数)×f+(M2の価数)×y=4を満たす数を示す。)
で表され、かつ表面に炭素(C)が担持してなる1種以上のリチウム系ポリアニオン粒子(A)と、
Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3及びLi3PO4-Li4SiO4のいずれか1種以上の固体電解質粒子(B)とが複合してなる粒子である。
なお、平均粒径とは、SEM又はTEMの電子顕微鏡観察において、ランダムに選択した20個の粒子の粒径(長軸の長さ)の測定値の平均値を意味し、以後の説明においても同義である。
なお、平均アスペクト比とは、SEM又はTEMの電子顕微鏡観察において特定される一粒子について、(最大長径(結晶軸の伸長方向の径)/最大長径に直交する短径)で定義される粒子の形状を表す比であり、ランダムに選択した20個の粒子の計測値の平均値を意味し、以後の説明においても同義である。
さらに、シェル部は、コア部の外側に形成されてなるものであればよく、コア部同様に1相であってもよいし、組成の異なる2相以上で構成していてもよい。
(I)リチウム化合物、少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属化合物、リン酸化合物又はケイ酸化合物、並びに炭素源(C')を水熱反応に付して、平均粒径が10nm~100nmである、リチウム系ポリアニオン粒子(A)と炭素源(C')との複合体粒子(a)を得る工程、
(II)少なくともリチウム化合物、及びリン酸化合物又はケイ酸化合物を湿式反応又は焼成に付して、平均粒径が10nm~100nmである、固体電解質粒子(B)を得る工程、
(III)工程(I)で得られた複合体粒子(a)と、工程(II)で得られた固体電解質粒子(B)とを湿式混合して、複合体粒子(a)の含有量が水100質量部に対して10質量部~400質量部であるスラリーを調製する工程、
(IV)得られたスラリーを噴霧乾燥した後に焼成して、リチウム系ポリアニオン粒子(A)の表面に0.1質量%~20質量%の炭素(C)を担持させつつ、表面に炭素(C)を担持したリチウム系ポリアニオン粒子(A)と固体電解質粒子(B)とを適度に焼結させる工程
を備える。
ここで、上記リチウム系ポリアニオン粒子とは、上記式(1)及び式(2)のリチウム系ポリアニオン粒子(A)において、粒子表面に炭素(C)を担持する前の粒子を意味し、後述する工程(IV)を経ることにより、リチウム系ポリアニオン粒子表面に炭素(C)が担持されることとなる。
(i)リチウム化合物及び炭素源(C')を含む混合物(a-1)に、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体粒子(a-2)を得る工程、
(ii)得られた複合体粒子(a-2)と、少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属化合物を含有するスラリー(a-3)を水熱反応に付してリチウム系ポリアニオン粒子と炭素源(C')からなる平均粒径が10nm~100nmの複合体粒子(a)を得る工程
を備えるのが好ましい。
用い得るリチウム化合物としては、水酸化リチウム(例えばLiOH、LiOH・H2O)、炭酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウムが挙げられる。なかでも、水酸化リチウムが好ましい。
混合物(a-1)におけるリチウム化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5質量部~50質量部であり、より好ましくは7質量部~45質量部である。より具体的には、工程(i)においてリン酸化合物を用いる場合、混合物(a-1)におけるリチウム化合物の含有量は、混合物(a-1)中の水100質量部に対し、好ましくは5質量部~50質量部であり、より好ましくは10質量部~45質量部である。また、ケイ酸化合物を用いる場合、混合物(a-1)におけるリチウム化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5質量部~40質量部であり、より好ましくは7質量部~35質量部である。
なお、混合物(a-1)を撹拌する際、さらに混合物(a-1)の沸点温度以下に冷却するのが好ましい。具体的には、80℃以下に冷却するのが好ましく、20℃~60℃に冷却するのがより好ましい。
また、窒素をパージする際、反応を良好に進行させる観点から、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合した後の混合物(a-1)を撹拌するのが好ましい。このときの撹拌速度は、好ましくは200rpm~700rpmであり、より好ましくは250rpm~600rpmである。
これら金属(M1又はM2)化合物を用いる場合、鉄化合物、マンガン化合物、及び金属(M1又はM2)塩の合計添加量は、上記工程(i)において得られた複合体粒子(a-2)中のリン酸又はケイ酸1モルに対し、好ましくは0.99モル~1.01モルであり、より好ましくは0.995モル~1.005モルである。
得られた複合体粒子(a)中のリチウム系ポリアニオン粒子は、上記式(1)~(2)で表される化学組成を有しており、ろ過して得られた複合体粒子(a)を含むろ過ケーキを水で洗浄し、乾燥することにより炭素源(C')との複合体粒子として単離できる。なお、乾燥手段は、凍結乾燥、真空乾燥が用いられる。
また、得られる複合体粒子(a)のBET比表面積は、5m2/g~40m2/gであり、好ましくは5m2/g~20m2/gである。複合体粒子(a)のBET比表面積が5m2/g未満であると、リチウム系ポリアニオン粒子(A)の平均粒径が、100nmよりも大きくなるおそれがある。また、BET比表面積が40m2/gを超えると、リチウム系ポリアニオン粒子(A)の平均粒径が、10nmよりも小さくなるおそれがある。
より具体的には、まずリチウム化合物、リン酸化合物、及びケイ酸化合物を所望するLi3PO4-Li4SiO4の組成となるように乾式混合して混合粉体を得ればよい。用い得るリチウム化合物としては、水酸化リチウム(例えばLiOH、LiOH・H2O)、炭酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウムが挙げられ、なかでも水酸化リチウム又は炭酸リチウムが好ましい。また、リン酸化合物としては、リン酸リチウム(Li3PO4)が好ましく、ケイ酸化合物としては、二酸化ケイ素(SiO2)や非晶質シリカが好ましい。
乾式混合には、ボールミルやVブレンダー等の、通常の乾式混合機又は混合造粒装置等を用いることができ、自公転可能な遊星ボールミルを用いるのがより好ましい。
得られた仮焼物を湿式粉砕で平均粒径0.5μm以下に微粉砕した後、100℃で恒量まで乾燥した粉砕物を400℃及び800℃でそれぞれ2時間焼成して、粉砕物中の残存している水酸化物や炭酸塩を加熱分解する。次いで、1100℃で2時間以上焼成することにより、Li3PO4-Li4SiO4である焼成物が得られ、かかる焼成物を平均粒径100nm以下に粉砕すればよい。
焼成には、酸素雰囲気や、除湿及び除炭酸処理を施した乾燥空気雰囲気等の、ガス雰囲気中の酸素濃度が20質量%以上の雰囲気に調整された電気炉等を用いることができる。
また、上記仮焼物やLi3PO4-Li4SiO4の粉砕には、直径0.03mm~2mmの粉砕媒体ビーズによる湿式粉砕が可能な粉砕装置、例えば、遊星ミルを好適に用いることができる。
スラリー(c-1)における固体電解質粒子(B)の含有量は、スラリー(c-1)中の水100質量部に対し、好ましくは0.1質量部~170質量部であり、より好ましくは2.5質量部~50質量部である。
すなわち、工程(III)では、このような量となるよう調整したスラリー(c-1)を用いて、複合体粒子(a)と固体電解質粒子(B)とを湿式混合すればよい。
(iii)工程(III)で得られたスラリー(c-1)を、噴霧乾燥して造粒体(d-1)を得る工程、
(iv)得られた造粒体(d-1)を還元雰囲気中又は不活性雰囲気中で焼成して、リチウム系ポリアニオン粒子(A)の表面に0.1質量%~20質量%の炭素(C)を担持させつつ、表面に炭素(C)を担持したリチウム系ポリアニオン粒子(A)と固体電解質粒子(B)とを適度に焼結させる工程
を備えるのが好ましい。
ここで、粒度分布測定におけるD50値とは、レーザー回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布により得られる値であり、D50値は累積50%での粒径(メジアン径)を意味する。
LiOH・H2O 1272g、及び水4Lを混合してスラリーA1を得た。次いで、得られたスラリーA1を、25℃の温度に保持しながら3分間撹拌しつつ85%のリン酸水溶液1153gを35mL/分で滴下した。続いて、セルロースナノファイバー(セリッシュKY-100G、ダイセルファインケム製、繊維径4~100nm)1020g(リチウム系ポリアニオン粒子(A)中における炭素原子換算量で3.0質量%に相当)を添加し、速度400rpmで12時間撹拌して、Li3PO4を含むスラリーA2を得た。かかるスラリーA2は、リン1モルに対し、2.97モルのリチウムを含有していた。
得られたスラリーA2に窒素パージして、スラリーA2の溶存酸素濃度を0.5mg/Lとした後、スラリーA2全量に対してMnSO4・5H2O 1688g、FeSO4・7H2O 834gを添加し、スラリーA3を得た。添加したMnSO4とFeSO4のモル比(マンガン化合物:鉄化合物)は、70:30であった。
次いで、得られたスラリーA3をオートクレーブに投入し、140℃で1時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は0.37MPaであった。水熱反応後、生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し12質量部の水により洗浄した。洗浄した結晶を-50℃で12時間凍結乾燥して、リチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-1)(LiMn0.7Fe0.3PO4、炭素源の担持量(炭素原子換算量):3.0質量%、平均粒径:50nm)を得た。得られたリチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-1)の平均アスペクト比は、1.2であった。
製造例1で得られたリチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-1)1000g、及び水1Lを混合後、超音波攪拌機(T25、IKA社製)で1分間分散処理して、全体が均一に呈色したスラリーA4を得た。
スラリーA4を、スプレードライ装置(MDL-050M、藤崎電機株式会社製)を用いてスプレードライに付して、リチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-1)からなる造粒体A5を得た。造粒体A5のレーザー回折・散乱法に基づく粒度分布(粒度分布測定装置:MicrotracX100、日機装株式会社製)におけるD50値は、5μmであった。
得られた造粒体A5をアルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、600℃で1時間焼成して、3.0質量%のセルロースナノファイバー由来の炭素が担持されたLiMn0.7Fe0.3PO4二次粒子(A-2)を得た。
LiOH・H2O 428g、Na4SiO4・nH2O 1397g、セルロースナノファイバー(同上)1680g(リチウム系ポリアニオン粒子(A)中における炭素原子換算量で4.5質量%に相当)、及び水3.75Lを混合してスラリーA6を得た。次いで、得られたスラリーA6に、MnSO4・5H2O 793g、FeSO4・7H2O 392g、及びZr(SO4)2・4H2O 53gを添加し、混合してスラリーA7を得た。このとき、添加したFeSO4、MnSO4及びZr(SO4)2のモル比(鉄化合物:マンガン化合物:ジルコニウム化合物)は、28:66:3であった。
次いで、得られたスラリーA7をオートクレーブに投入し、150℃で12時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は0.4MPaであった。水熱反応後、生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し12質量部の水により洗浄した。洗浄した結晶を-50℃で12時間凍結乾燥して、リチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-3)(Li2Mn0.66Fe0.28Zr0.03SiO4、炭素源の担持量(炭素原子換算量):4.5質量%、平均粒径:50nm)を得た。得られたリチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-3)の平均アスペクト比は、1.1であった。
製造例3で得られたリチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-3)1000g、及び水1Lを混合後、超音波攪拌機(同上)で1分間分散処理して、全体が均一に呈色したスラリーA8を得た。
スプレードライ装置(同上)を用い、得られたスラリーA8をスプレードライに付して、リチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-3)からなる造粒体A9を得た。造粒体A9のレーザー回折・散乱法に基づく粒度分布(粒度分布測定装置:同上)におけるD50値は、5μmであった。
得られた造粒体A9をアルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、600℃で1時間焼成して、4.5質量%のセルロースナノファイバー由来の炭素が担持されたLi2Mn0.66Fe0.28Zr0.03SiO4二次粒子(A-4)を得た。
水40mLにLi2SO4・H2Oを0.84g、Al2(SO4)3・16H2Oを0.95g及びTiOSO4・1.5H2Oを3.18g混合して、混合液B1を得た。また、水40mLにLiOH・H2Oを3.3g及び85質量%のH3PO4 を3.46g混合して、混合液B2を得た。25℃における混合液B2のpHは7.0であった。
次いで、得られた混合液B1を25℃の温度に保持しながら、撹拌速度200rpmで60分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液B1に、撹拌速度200rpmで5分間撹拌した混合液B2を50mL/分で全量滴下して混合した後、さらに撹拌速度200rpmで30分間撹拌して、混合液B3を得た。かかる混合液B3の25℃におけるpHは4.5であり、生成したリチウムリン酸塩、アルミニウムリン酸塩及び酸化チタン水和物の合計含有量は、3質量%であった。
次に、得られた混合液B3をオートクレーブに投入し、180℃、1.3MPaでの水熱反応を10時間行った。生成した水熱反応生成物を吸引ろ過し、次いで得られた水熱反応生成物を水熱反応生成物1質量部に対して12質量部の水で洗浄した後、80℃で12時間恒温乾燥して、Li3PO4:AlPO4:Ti(OH)1.36(HPO4)1.32・2.3H2O=1:0.7:8からなる前駆体混合物B4を得た。
得られた前駆体混合物B4を、空気雰囲気下600℃で10時間焼成して、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3結晶粒子B5(平均粒径:1μm)を得た。
遊星ミル(P-5、フリッチュ社製)を用い、得られたLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3結晶粒子B5に対して、直径1mmの粉砕媒体ビーズによる湿式粉砕(水量は大径のLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3結晶粒子B5と同量)を1時間行い、固体電解質粒子(B)(Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3、平均粒径:100nm)を得た。得られた固体電解質粒子(B)の平均アスペクト比は、1.4であった。
製造例1で得られたリチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-1)600g、製造例5で得られた固体電解質粒子(B)150g、及び水750mLを混合後、超音波攪拌機(T25、IKA社製)で1分間分散処理して、全体が均一に呈色したスラリーC1を得た。
スラリーC1を、スプレードライ装置(同上)を用いてスプレードライに付して、リチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-1)と固体電解質粒子(B)が均一に混合した造粒体C2を得た。造粒体C2のレーザー回折・散乱法に基づく粒度分布(粒度分布測定装置:同上)におけるD50値は、5μmであった。
得られた全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子(M-1)について、粒子の断面のTEM写真(回折コントラスト)を図1に示すとともに、TEM-EDXの元素分布の写真であって、固体電解質粒子由来のTi元素の分布を図2に示し、ポリアニオン型正極活物質粒子(A)由来のMn元素の分布を図3に示す。
製造例2で得られたリチウム系ポリアニオン二次粒子(A-2)8gと、製造例5で得られた固体電解質粒子(B)2gを、アブソルートミル(ABS-W、大阪ケミカル株式会社製)を用い1000rpmで10分間混合して、3.0質量%のセルロースナノファイバー由来の炭素が担持されたLiMn0.7Fe0.3PO4粒子(A)と、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3(B)とが複合することなく、質量比((A):(B))80:20で単に混在してなる全固体リチウムイオン二次電池用混合正極活物質(M-2)を得た。得られた全固体リチウムイオン二次電池用混合正極活物質(M-2)のタップ密度は、1.3g/cm3であった。
製造例3で得られたリチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-3)600g、製造例5で得られた固体電解質粒子(B)150g、及び水750mLを混合後、超音波攪拌機(同上)で1分間分散処理して、全体が均一に呈色したスラリーC3を得た。
スラリーC3を、スプレードライ装置(同上)を用いてスプレードライに付して、リチウム系ポリアニオン粒子と炭素源の複合体(a-3)と固体電解質粒子(B)が均一に混合した造粒体C4を得た。造粒体C4のレーザー回折・散乱法に基づく粒度分布(粒度分布測定装置:同上)におけるD50値は、5μmであった。
得られた造粒体C4をアルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、600℃で1時間焼成して、4.5質量%のセルロースナノファイバー由来の炭素が担持されたLi2Mn0.66Fe0.28Zr0.03SiO4粒子(A)とLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3(B)が、質量比((A):(B))80:20で混合された全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質(M-3)を得た。得られた全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質(M-3)のタップ密度は、1.7g/cm3であった。
製造例4で得られたリチウム系ポリアニオン二次粒子(A-4)8gと、製造例5で得られた固体電解質粒子(B)2gを、アブソルートミル(同上)を用い1000rpmで10分間混合して、4.5質量%のセルロースナノファイバー由来の炭素が担持されたLi2Mn0.66Fe0.28Zr0.03SiO4粒子と、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3(B)とが複合することなく、質量比((A):(B))80:20で単に混在してなる全固体リチウムイオン二次電池用混合正極活物質(M-4)を得た。得られた全固体リチウムイオン二次電池用混合正極活物質(M-4)のタップ密度は、1.4g/cm3であった。
実施例及び比較例で正極活物質粒子を各々正極材料として用い、全固体リチウムイオン二次電池の正極を作製した。具体的には、上記実施例又は比較例で得られた各正極活物質粒子(M-1)~(M-4)(A)と製造例5の固体電解質(B)とを、質量比(A):(B)75:25で混合した後、プレス用冶具に投入して正極活物質層を形成し、その上に製造例5の固体電解質(B)のみをさらに投入して固体電解質層として積層させた後、ハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、φ14mmの円盤状の正極を得た。次いで、負極としてリチウム箔を固体電解質層側に取り付けることにより、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
得られた全固体リチウムイオン二次電池を用いて、放電容量を評価した。具体的には、式(1)のリチウム系ポリアニオン粒子(A1)からなる正極活物質(M-1)又は(M-2)による全固体リチウムイオン二次電池では、電流17mA/g、電圧4.5Vの定電流充電後に、電流17mA/g、終止電圧2.0Vの定電流放電を行った場合の、又式(2)のリチウム系ポリアニオン粒子(A2)からなる正極活物質(M-3)又は(M-4)による全固体リチウムイオン二次電池では、電流33mA/g、電圧4.5Vの定電流充電後に、電流33mA/g、終止電圧1.5Vの定電流放電を行った場合の放電容量を求めた。なお、充放電試験は全て45℃で行った。
測定結果を、正極活物質層の密度の測定結果とともに表1に示す。
上記の全固体リチウムイオン二次電池の正極の作製において、正極活物質層のみを16MPaで2分間プレスした後の密度を、ルシャテリエ比重瓶法、具体的にはJIS R 5201「セメントの物理試験方法」に記載の方法で測定した。
測定結果を、放電容量の測定結果と共に表1に示す。
Claims (7)
- 下記式(1)、又は(2):
LiaMnbFecM1 xPO4 ・・・(1)
(式(1)中、M1はCo、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0.3≦b≦1、0≦c≦0.7、及び0≦x≦0.3を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(M1の価数)×x=3を満たす数を示す。)
LidMneFefM2 ySiO4 ・・・(2)
(式(2)中、M2はCo、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd、Al、Zn、V又はGdを示す。d、e、f、及びyは、0<d≦2.4、0≦e≦1.2、0≦f≦1.2、0≦y≦1.2、及びe+f≠0を満たし、かつd+(Mnの価数)×e+(Feの価数)×f+(M2の価数)×y=4を満たす数を示す。)
で表され、かつ表面に炭素(C)が担持してなる1種以上のリチウム系ポリアニオン粒子(A)と、
Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3及びLi3PO4-Li4SiO4のいずれか1種以上の固体電解質粒子(B)とが複合してなる全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法であって、
次の工程(I)~(IV):
(I)リチウム化合物、少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属化合物、リン酸化合物又はケイ酸化合物、並びに炭素源(C')を水熱反応に付して、平均粒径が10nm~100nmである、リチウム系ポリアニオン粒子(A)と炭素源(C')との複合体粒子(a)を得る工程、
(II)少なくともリチウム化合物、及びリン酸化合物又はケイ酸化合物を湿式反応又は焼成に付して、平均粒径が10nm~100nmである、固体電解質粒子(B)を得る工程、
(III)工程(I)で得られた複合体粒子(a)と、工程(II)で得られた固体電解質粒子(B)とを湿式混合して、複合体粒子(a)の含有量が水100質量部に対して10質量部~400質量部であるスラリーを調製する工程、
(IV)得られたスラリーを噴霧乾燥した後に焼成して、リチウム系ポリアニオン粒子(A)の表面に0.1質量%~20質量%の炭素(C)を担持させつつ、表面に炭素(C)を担持したリチウム系ポリアニオン粒子(A)と固体電解質粒子(B)とを適度に焼結させる工程
を備える全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法。 - 工程(III)において、リチウム系ポリアニオン粒子(A)と固体電解質粒子(B)とを、質量比((A):(B))が99:1~70:30となる量で湿式混合する請求項1に記載の全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法。
- 炭素源(C')が、セルロースナノファイバー(C'-1)、リグノセルロースナノファイバー(C'-2)、及び水溶性炭素材料(C'-3)から選択される1種以上である請求項1又は2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法。
- 工程(IV)における焼成が、還元雰囲気中又は不活性雰囲気中で行われる請求項1~3のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法。
- 工程(I)で得られる複合体粒子(a)の平均アスペクト比が、1.0~3.0である請求項1~4のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法。
- 固体電解質粒子(B)の平均アスペクト比が、1.0~3.0である請求項1~5のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法。
- 工程(IV)において、噴霧乾燥後に得られる造粒体の粒径(D50値)が、5μm~35μmである請求項1~6のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019049987A JP7152974B2 (ja) | 2019-03-18 | 2019-03-18 | 全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019049987A JP7152974B2 (ja) | 2019-03-18 | 2019-03-18 | 全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020155225A JP2020155225A (ja) | 2020-09-24 |
JP7152974B2 true JP7152974B2 (ja) | 2022-10-13 |
Family
ID=72559491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019049987A Active JP7152974B2 (ja) | 2019-03-18 | 2019-03-18 | 全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7152974B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113130872B (zh) * | 2021-04-14 | 2022-12-13 | 贝特瑞新材料集团股份有限公司 | 一种复合材料及其制备方法、负极材料、负极片和锂离子电池 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016047491A1 (ja) | 2014-09-26 | 2016-03-31 | 太平洋セメント株式会社 | 二次電池用正極活物質及びその製造方法 |
JP2016146301A (ja) | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 三井造船株式会社 | リチウム二次電池用正極材料およびその製造方法 |
WO2017033480A1 (ja) | 2015-08-26 | 2017-03-02 | 株式会社日立製作所 | 全固体リチウム二次電池および該二次電池を備えた二次電池システム |
-
2019
- 2019-03-18 JP JP2019049987A patent/JP7152974B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016047491A1 (ja) | 2014-09-26 | 2016-03-31 | 太平洋セメント株式会社 | 二次電池用正極活物質及びその製造方法 |
JP2016146301A (ja) | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 三井造船株式会社 | リチウム二次電池用正極材料およびその製造方法 |
WO2017033480A1 (ja) | 2015-08-26 | 2017-03-02 | 株式会社日立製作所 | 全固体リチウム二次電池および該二次電池を備えた二次電池システム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020155225A (ja) | 2020-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6410384B1 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質複合体又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質複合体、これらを用いた二次電池、並びにこれらの製造方法 | |
JP6527201B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質複合体の製造方法 | |
JP7158269B2 (ja) | 二次電池用正極活物質及びその製造方法 | |
JP2007230784A (ja) | リチウム鉄複合酸化物の製造方法 | |
JP2019033016A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質、並びにこれらの製造方法 | |
JP7409922B2 (ja) | 多層型リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 | |
JP7366662B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質複合体及びその製造方法 | |
JP7108504B2 (ja) | 混合正極活物質用オリビン型リチウム系酸化物一次粒子及びその製造方法 | |
JP7152974B2 (ja) | 全固体リチウムイオン二次電池用複合正極活物質粒子の製造方法 | |
JP2011216233A (ja) | 電極材料及び膜 | |
JP6535063B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質複合体の製造方法 | |
JP7165608B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質複合体及びその製造方法 | |
JP7421372B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質複合体の製造方法 | |
JP7409923B2 (ja) | 多層型リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 | |
JP6590973B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質複合物及びその製造方法 | |
JP6527972B1 (ja) | 二次電池用正極活物質の製造方法 | |
JP7299119B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用混合型正極活物質及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法 | |
JP6197202B2 (ja) | 電極材料及び膜 | |
JP2022143506A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子混合物 | |
JP7366663B2 (ja) | 全固体二次電池用正極活物質複合体及びその製造方法 | |
WO2014188996A1 (ja) | ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法およびポリアニオン系正極活物質前駆体-酸化グラファイト複合造粒体 | |
JP7320418B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用混合型正極活物質及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法 | |
JP7478587B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子及びその製造方法 | |
JP2022138053A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 | |
JP2022156472A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220921 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220927 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220930 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7152974 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |