JP7146100B2 - ステータと回転電機、およびそれらの製造方法 - Google Patents

ステータと回転電機、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本願は、ステータと回転電機、およびそれらの製造方法に関するものである。
回転電機の固定子(ステータ)において、ティース単位で分割した(分割コアと称されることあり)コア片同士を、軸に垂直な方向に折り曲げ自在に連結する構成のものが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。ステータ内の隣り合うティース同士は、径方向の内側で近接しあうが、上記構成によれば、ティースが外径側に位置するように連結部分の角度を変えることで、隣り合うコア片に干渉せず巻回でき、コイルの占積率を向上させることができる。
特開2000-201458号公報(段落0032~0036、図1~図5) 特開2006-254569号公報(段落0045~0051、図5~図8)
しかしながら、特許文献1においては、連結部分で、隣接するコア片の積層鋼板同士を噛み合わせるため、2種類の積層鋼板を用意する必要があり、連結のための抜きカシメを要するなど、部材の種類の増加と工程の複雑化を招く問題があった。また、特許文献2においては、連結と回転のために、軸方向に抜き差しする機構を設けているが、ティースを外側に向けた際に、連結後に軸方向での位置ずれを防止するため、保持機構等を用意する必要があり、製造工程が煩雑となる問題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、部品点数と製造工程を増加させることなく、高性能なステータおよび回転電機を得ることを目的としている。
本願に開示されるステータは、円弧状に延びるヨークとヨークから軸に向かって突出するティースとを形成する磁性体部、および前記ティースに巻回されたコイルを備えた複数のコア片が、前記軸を中心にして円環状に配置されたステータであって、前記円環状の配置における隣り合うコア片の間には、一方のコア片のヨーク側に設けられた前記軸に平行な方向に延びる柱状部と、他方のコア片のヨーク側に設けられた開環部とのスナップフィット結合によって、前記柱状部を中心とする回転を可能とし、軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部が形成され、前記開環部は前記軸方向において前記磁性体部との間に隙間を有して設けられ、前記柱状部は前記柱状部よりも径が大きな基部から延伸して設けられ、前記スナップフィット結合がなされた際、前記一方のコア片の前記基部が、前記他方のコア片の前記隙間に挟み込まれることを特徴とする。
本願に開示されるステータの製造方法は、円弧状に延びるヨークとヨークから軸に向かって突出するティースとを形成する磁性体部に、インシュレータを被せたコア片材を作成する工程、複数の前記コア片材を、前記ティースを同じ側に向け、前記ヨークの周方向における端面同士を対向させて並べ、隣り合うコア片材の間それぞれに、一方のコア片材のヨーク部分に設けられた前記軸に平行な方向に延びる柱状部を、他方のコア片材のヨーク部分に軸方向において前記磁性体部との間に隙間を有して設けられた開環部に嵌めこむスナップフィット結合によって、前記柱状部を中心とする回転を可能とし、前記軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部を形成する工程、前記連結部によって連結された前記複数のコア片材それぞれのティースに対して、隣り合うコア片材のティースとの角度を拡げ、線材を巻回してコイルを形成する工程、および前記コイルが形成されたコア片材を、前記ティースを内側にして円環状に連結する工程を含み、前記柱状部は前記柱状部よりも径が大きな基部から延伸して設けられ、前記スナップフィット結合がなされた際、前記一方のコア片材の前記基部が、前記他方のコア片材の前記隙間に挟み込まれることを特徴とする。
本願に開示されるもうひとつのステータの製造方法は、円弧状に延びるヨークと前記ヨークから軸に向かって突出するティースとを形成する磁性体部に、インシュレータを被せたコア片材を作成する工程、複数の前記コア片材それぞれのティースに対して、線材を巻回してコイルを形成する工程、および前記コイルが形成された複数のコア片材を、前記ティースを同じ側に向け、前記ヨークの周方向における端面同士を対向させて並べ、隣り合うコア片材の間それぞれに、一方のコア片材のヨーク部分に設けられた前記軸に平行な方向に延伸する柱状部を、他方のコア片材のヨーク部分に軸方向において前記磁性体部との間に隙間を有して設けられた開環部に嵌めこむスナップフィット結合によって、前記柱状部を中心とする回転を可能とし、前記軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部を形成し、前記ティースを内側にして円環状に連結する工程を含み、前記柱状部は前記柱状部よりも径が大きな基部から延伸して設けられ、前記スナップフィット結合がなされた際、前記一方のコア片材の前記基部が、前記他方のコア片材の前記隙間に挟み込まれることを特徴とする。
本願に開示されるステータ、あるいはステータの製造方法によれば、スナップフィット結合によって回転可能で軸方向の変位を規制する連結部を形成するように構成したので、部品点数と製造工程を増加させることなく、高性能なステータおよび回転電機を得ることができる。
実施の形態1にかかるステータのモールド前の外観を示す平面図である。 実施の形態1にかかるステータを構成するコア片の外観を示す斜視図である。 実施の形態1にかかるステータのコア片を構成する磁性体部の外観を示す斜視図である。 実施の形態1にかかるステータのコア片を構成するインシュレータの外観を示す斜視図である。 実施の形態1にかかるステータの磁性体部にインシュレータを装着したコア片材の外観を示す外周面側から見た側面図である。 実施の形態1にかかるステータのコア片を構成するコア片材の軸方向および径方向に平行な断面図である。 実施の形態1にかかるステータのコア片の外観を示す平面図である。 実施の形態1にかかるステータのコア片材同士を連結させた状態を示す平面図である。 実施の形態1にかかるステータの製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかるステータを構成するコア片材を巻線加工のために連結した状態を示す平面図である。 図11A、図11Bおよび図11Cは、実施の形態1にかかるステータを製造する際の、連結したコア片材のそれぞれに線材を巻回する前と後の状態をそれぞれ示す平面模式図、および連結していないコア片材に線材を巻回した後の状態を示す平面模式図である。 実施の形態1で例示した圧粉成型による磁性体部を用いたステータ、および鋼板積層による磁性体部を用いたステータ、それぞれを用いて回転電機を形成した場合の形状の違いを示すための軸を含む面による断面模式図である。 実施の形態2にかかるステータのモールド前の外観を示す平面図である。 図14Aと図14Bそれぞれは、実施の形態2にかかるステータのコア片を構成するインシュレータを異なる角度から見たときの斜視図である。 実施の形態2にかかるステータのコア片を構成するインシュレータの外観を示す平面図である。 図16Aと図16Bそれぞれは、実施の形態2にかかるステータを製造する際の、コア片材を1段階目のスナップフィット結合で連結した状態、最終的なスナップフィット結合により連結した状態、を示す平面模式図である。 実施の形態2にかかるステータの製造方法を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1~図12は、実施の形態1にかかるステータ、当該ステータを用いた回転電機の構成、あるいはステータの製造方法について説明するためのものであり、図1はステータのモールド前の外観を示す軸に垂直な面の形状を示す平面図、図2はステータを構成するコア片の外観を示す内周面側から見た斜視図、図3はコア片を構成する圧粉成型による磁性体部の外観を示す内周面側から見た斜視図、図4はコア片を構成するインシュレータの外観を示すコア片を構成した際に露出する側のうち、内周面側から見た斜視図である。
また、図5は磁性体部にインシュレータを装着したコア片材の外観を示す外周面側から見た側面図、図6は図5のA-A線による切断面を示すコア片材の軸方向および径方向に平行な断面図、図7はコア片の外観を示す平面図、図8はコア片材同士を軸に垂直な方向でのスナップフィット結合により連結させた状態を示す平面図である。
そして、図9はステータの製造方法を示すフローチャート、図10はステータの製造工程における、コア片材を巻線加工のためにスナップフィット結合により連結した状態を示す平面図、図11はステータの製造工程における、図10のように連結したコア片材のそれぞれに線材を巻回するために、巻線機にセッティングした状態(図11A)と、巻回を完了した状態(図11B)を示す平面模式図である。なお、図1、図7、図11において、コイルのうち、周方向での巻回部分の描画を省略している。
さらに、図12は、例示した圧粉成型による磁性体部を用いたステータ、および鋼板積層による磁性体部を用いたステータの構成を比較するため、回転軸を境にして右半分に圧粉成型による磁性体部を用いたステータを使用した回転電機、左半分に鋼板積層による磁性体部を用いたステータを使用した回転電機、があると仮定したときの軸を含む面による断面を示す模式図である。
以下、本願の実施の形態1にかかるステータ、ステータを備えた回転電機、およびステータの製造方法について図面を参照しつつ説明する。ステータ1は図1に示すように、12個のコア片10が軸(回転軸X)に垂直な方向での挿入によるスナップフィット結合による連結部10jを介して連結され、環状をなしている。コア片10は、図2に示すように、円弧状の外周面10foを有するヨーク部10yと、ヨーク部10yの周方向(φ方向)の中央部から軸に向かって突出するティース部10tと、ティース部10tに巻回されたコイル3とを有している。また、磁性体部4とコイル3との間には、絶縁性のインシュレータ2を介在させている。
コア片10を構成する部材について説明する。
コイル3を構成する線材3Fの材料としては、銅、アルミ等の導体を絶縁材で被覆した導線が用いられ、断面形状が円形の丸線でも、断面形状が矩形の平角線のいずれでもよい。
<磁性体部>
磁性体部4は、例えば、軟磁性材料である鉄、Fe-Si、アモルファス金属等の粉末を成型することで形成されている。もちろん、必要に応じて樹脂材料が追加されていてもよい。そして、図3に示すように、外周面4foが円弧状のヨーク4yに、軸に垂直な断面がT字状のティース4tを一体化させた形状をなしている。
ヨーク4yの外周面4foは円弧状をなし、その周方向(φ方向)の中央には、底面4fbyから天面4ftyにかけて軸方向に延びる溝部4gが形成されている。溝部4gは、後述するインシュレータ2の溝部2gと連続し、線材3Fの巻回時に、コア片10の保持および位置決め機構となる。
また、磁性体部4におけるティース4tの内周面4fi側も円弧状となっており、図1のように、コア片10を連結した際に真円になり、ロータ5(図12)との間に、一定間隔のギャップを有するように形成されている。上述した外周面4foも、内周面4fiと同様に、真円になるように形成されている。その際、外周面4fo、内周面4fiともに、回転軸Xを中心とする同軸上に位置するように設計されている。
さらに、磁性体部4のヨーク4yの天面4ftyと底面4fbyは、軸方向において、ティース4tの巻線部4twから突出するよう設計され、ティース先端部4teの天面4fteおよび底面4fbeも巻線部4twから突出するよう設計されている。これにより、詳細(図12)は後述するが、ヨーク部10yとティース先端部10teでのインシュレータ2の厚みを薄くすることができ、かつ、巻線部の高さを低くすることができるため、ステータ1の小型化および線材3Fの使用量の削減が可能となる。
<インシュレータ>
インシュレータ2は、例えば、絶縁性の熱可塑性樹脂の成型により、磁性体部4の巻線部4twを囲む領域の軸方向(z方向)における一方側を覆う形状に形成されている。具体的には、図4に示すように、巻線部4twを覆うU状部2uと、U状部2uに径方向(ρ方向)の内側に連なり、ティース先端部4teの巻線部4tw側の面を覆う内面部2i、外側に連なり、ヨーク4yの巻線部4tw側の面を覆うヨーク部2yを有している。
これにより、図5、図6に示すように、2つのインシュレータ2-U、2-Lを磁性体部4の天面4fty側と底面4fby側それぞれに装着することで、磁性体部4の巻線部4twと巻線部4twを囲む領域が、絶縁材で覆われたコア片材10Pが形成される。なお、本願では、製造工程におけるコイル巻回前と後の状態を説明するため、コイル3の巻回前の状態をコア片材10P、コイル3を形成した後をコア片10と区別しているが、双方をまとめてコア片と称してもよい。また、説明を容易にするため、天面4ftyと底面4fbyを区別して記載しているが、天面4fty側と底面4fby側は、軸に垂直な面に対して対称であってよく、インシュレータ2-Uとインシュレータ2-Lを、物品として区別する必要はない。
また、円弧状の外周面2foの周方向(φ方向)における中央には、上述した溝部4gと連なる溝部2gが形成されている。また、ヨーク部2yの軸方向におけるU状部2uから離れる側の端面である天面2ftyの一方(図中右)の端部には、周方向および径方向に突出して、軸に垂直な断面形状がC字状をなす基部2jfbが設けられている。C字状の基部2jfbには、軸に垂直な方向に開口する開口部2jfaによって開環状となる開環部2jfcが形成され、軸に垂直な方向に抜き差しするスナップフィット凹部2jfとして機能する。
さらに、天面2ftyの他方(図中左)の端部には、周方向および径方向に突出する基部2jmbと、基部2jmbから軸方向に延びる柱状部2jmpとを有するスナップフィット凸部2jmが設けられている。なお、基部2jmbは、スナップフィット凹部2jfの基部2jfbの厚みに対応する分、天面2ftyから底面2fbyに向けて下がった位置(基部2jfbの下面2sjfの位置に対応)から突出させている。また、柱状部2jmpの外径は、スナップフィット凹部2jfの開環部2jfcがフリーの際の内径以上に設計されている。これは、後述する柱状部2jmpを開環部2jfcに嵌め込み、連結部10jを形成させたときに、柱状部2jmpが開環部2jfcから外れるのを防ぐためである。
また、スナップフィット凹部2jfの開口部2jfaは、フリーの際の幅が、柱状部2jmpの径以下になるように設計されている。これも、スナップフィット結合による連結部10jを形成した後に、容易に外れるのを防ぐためである。これにより、柱状部2jmpは、後述する隣接するコア片10の開口部2jfaに対して軸に垂直な方向から挿入することで、強固なスナップフィット結合による連結部10jを形成し、かつ、後述するように、開環部2jfc内で回転可能に保持される。
なお、スナップフィット凹部2jfには、必要に応じて、開口部2jfaに対向する側に、切欠き部2jfnを設けてもよい。切欠き部2jfnを設けることで、開口部2jfaを拡げる力を低減して、柱状部2jmpの開環部2jfcへの嵌め込みがスムーズになるとともに、開環部2jfcの内周面側から外周面側に向かう力が加わったときに、基部2jfbの破断を防止する効果がある。
ここで、スナップフィット凹部2jfの開口部2jfaの開口方向(開環部2jfcの中心から、開口部2jfaの中央に向かって延びる直線の方向)は、図7に示す角度αの範囲に設定した。具体的には、外周面2fo(図中、外周面10fo)が形成する円弧上における開環部2jfcの中心で引いた周方向内側に向かう接線Ltを始点とし、開環部2jfcの中心から、円弧の中心(回転軸X)に向かう線を終点とする時計回りの範囲である。なお、円弧の精度によっては、円弧の中心に代えて、側面2fsiに沿った線を終点としてもよい。
また、柱状部2jmpの中心は、インシュレータ2を磁性体部4に組み付けたときの、磁性体部4の外周面4fo側の端部4cy(図3)と、軸に垂直な方向で一致するように設計されている。同様に、開環部2jfcの中心も、インシュレータ2を磁性体部4に組み付けたときの、もう一方の端部4cyと一致するように設計されている。
つぎに、インシュレータ2を磁性体部4の天面4fty側と底面4fby側それぞれに組み付けて構成したコア片材10Pをスナップフィット結合により連結させて、連結部10jを形成した際の連結部10jを中心とする回転自在構造について説明する。
複数のコア片材10Pを内周面10fiどうし、あるいは外周面10foどうしを、同じ側に向け、ヨーク4yの側端面4sy同士が対向するように並べる。すると、隣り合うコア片材10P間では、天面10ft側、符号を付さない底面側ともに、スナップフィット凹部2jfに対してスナップフィット凸部2jmが隣接することになる。そのとき、他方の柱状部2jmpに対する開口部2jfaの向きも天面10ft側、底面側で同様(上下同様)の関係になる。
そこで、上下の開口部2jfaが、隣り合う柱状部2jmpの中心と開環部2jfcの中心を結ぶ線上に位置するように、コア片材10P間の角度を調整し、柱状部2jmpを開環部2jfcの中心に向かって押し込む。つまり、軸に垂直な方向の挿入により、天面側と底面側で同時にスナップフィット結合による連結部10jが形成される。その際、手作業で組み付けることができるが、治具等を用いて嵌め込んでもよい。
ここで、スナップフィット凹部2jfとスナップフィット凸部2jmとは、挿入とは逆方向になる解除方向に垂直な面よりも緩い角度で係合しており、解除方向への引っ張りにより、開口部2jfaが開く方向の力が生じる。これにより、連結させたコア片材10Pの取り外し、つまり、スナップフィット結合の解除が可能となる。
ただし、一般的なスナップフィット結合では、解除方向に垂直な方向に力を加え、スナップフィット凸部を凹部から移動させることで係合が外れるようにしている。これに対して、解除方向への引っ張りによる解除を可能とする場合、連結後に不用意に結合が解除されないようにするためには、嵌める際の押圧力を大きく設定する必要がある。そのため、上下同時に嵌め込みを行うには、強い力が必要となるが、例えば、天面10ft側のみスナップフィット結合を行い、その後に底面側のスナップフィット結合を行うようにすれば、少ない力でスナップフィット結合が可能になる。あるいは、天面10ft側ではスナップフィットではなく、単純に軸方向での挿入を行い、その後に底面側のスナップフィット結合を行うようにしてもよい。
その場合、天面10ft側では柱状部2jmpを開口部2jfaに対して軸を傾けた状態で近づけることで、軸を揃えた場合よりも少ない力で嵌め込みが可能となる。さらに、底面側を嵌め込むときも、天面10ft側の連結部10jを支点にして嵌め込むことで、コア片材10P間の角度がぶれず、容易に嵌め込むことが可能となる。
さらに、本願特有の、柱状部2jmpを開環部2jfcに嵌め込む構造であるため、図8に示すように、コア片材10P間それぞれで、柱状部2jmpを中心とする回転(矢印)を自在に行うことができる。一方、基部2jmbが、基部2jfbと天面4ftyとの隙間10jc(図5)内に嵌め込まれる。そのため、コア片材10Pが天面10ft方向に動こうとした場合、コア片材10Pの基部2jmbの軸方向における外側の面2sjmxと隣り合うコア片材10Pの基部2jfbの下面2sjfとが当たることで、動きが制限される。また、コア片材10Pが底面(天面10ftの裏側)方向に動こうとした場合、コア片材10Pの基部2jmbの軸方向における内側の面2sjmiと隣り合うコア片材10Pの磁性体部4の天面4ftyとが当たることで、動きが制限される。
すなわち、コア片材10P間の軸方向での動きが制限され、コア片材10P間で軸方向の変位が生じることによる脱落を防止できる。そのため、複数のコア片材10P、あるいはコア片10が連なった状態(図10、図11参照)を容易に維持することができ、図1に示すように環状への連結も容易に行うことができる。
なお、開環部2jfcの内周面は、柱状部2jmpが回転できるのであれば、円弧である必要はない。また、柱状部2jmpについても、必要な回転範囲を確保できるのであれば、円柱である必要はなく、例えば、ある角度で保持したいような場合、断面形状が楕円形、一部を切り欠いた形状等、適宜変更可能である。
つぎに、図9のフローチャートを参照しつつ、実施の形態1にかかるステータ1の製造方法について説明する。はじめに、軟磁性材料として圧粉鉄心材料を用い、圧縮成形により磁性体部4を作成する(ステップS110)。また、図示しないが、熱可塑性樹脂等の絶縁性の樹脂を成型することにより、インシュレータ2を作成する。
そして、磁性体部4の天面4fte、4fty側と、底面4fbe、4fby側それぞれに、インシュレータ2を装着し、コア片材10Pが形成される。一定量のコア片材10Pが準備できれば、上述したように、必要数のコア片材10Pの向きを揃え、隣り合うインシュレータ2のスナップフィット凹部2jfとスナップフィット凸部2jmとをスナップフィット結合させる。そして、例えば、ステータ1として、N(=12)個のコア片10を必要とする場合、図10に示すように、N個のコア片材10Pを環状ではなく、端の位置のコア片材10P(10P-1、10P-N)が解放された開環状の連結体を形成する(ステップS130)。
その後、連結体のコア片材10Pの外周面10fo側に向けた溝部2g、4gを位置決め機構として機能させるため、図11Aに示すように、巻線機の回転ローラ90に外周面10foが向くように、開環状の連結体をセットする。すなわち、回転ローラ90にはコア片材10Pの位置決め固定用に突起90pが設けられており、突起90pがコア片材10Pの外周面10fo側の溝部4gおよび溝部2gに接触することで、コア片材10Pの位置が固定される。巻線機にセットされたコア片材10Pの連結体は、コア片材10Pがひとつずつ、巻線機のフライヤ80の直前に位置するように、回転ローラ90により、自動で回転搬送(図では時計回り)される。
巻線機の回転ローラ90にセットされた連結体は、左右の隣り合うコア片材10Pのティース4t間の角度が拡がるように、内周面10fi側を外側に向けて連結部10jで屈曲されている。そのため、両隣のコア片材10Pに干渉することなく、対象となるコア片材10Pに対して、フライヤ80を介して線材3Fが高密度に巻線され、コイル3が形成される(ステップS140)。巻線後に、次のコア片材10Pに巻線するため、巻線機の回転ローラ90が回転し、対象のコア片材10Pがフライヤ80の直前になるまで、自動で回転搬送される。そして、再びフライヤ80によって対象のコア片材10Pに線材3Fが巻回され、コイル3が形成される。
このように、巻線機の回転ローラ90による回転搬送と、フライヤ80を介しての線材3Fの巻回を繰り返すことによって、図11Bに示すように、全てのコア片材10Pに線材3Fが巻回させられ、コイル3を有するコア片10が形成される。また、必要に応じてコア片10間で線材3Fを切断させてもよい。
なお、今回の例では、ステータ1の構成に必要な数(N=12個)のコア片材10Pを連結し、線材3Fを巻回して、必要数分のコア片10を一度に形成する例を示したがこれに限ることはない。例えば、必要数を2分割した、6個のコア片材10Pの連結体を1セットとして線材3Fの巻回を行った後、2セット分のコア片10の連結体を連結させて、12個のコア片10の連結体を形成させるようにしてもよい。
あるいは、ステップS130を省略して、コア片10を単独で巻回させた後に、それぞれ単独で巻回させたコア片10を後から必要数(12個)分個連結させてもよい。すなわち、1個以上のコア片材10Pの連結体を複数組作成し、連結体ごとに巻線した後に、連結体同士を複数個連結させても良い。なお、コア片10を単独で巻回させる場合は、図11Cに示すように、フライヤでなくコア片10を回転駆動装置91に取り付け、コア片10自身を回転させて巻回させるスピンドル方式を用いてもよい。
上記のように、ステータ1の構成に必要な数のコア片10が揃ったら、コア片10の内周面10fi側(ティース部側)が内側になるように、コア片10を回転および連結させることで環状にさせる(ステップS150)。その後、必要な絶縁処理と結線処理等をした(ステップS160)後に、環状のコア片10を金型にセットし、樹脂でモールドする(ステップS170)ことで、ステータ1が完成する。
さらに、軸受けを有する図示しない筐体を用い、筐体の内壁に完成したステータ1を保持し、上述した軸受によって、ステータ1の内周面側にロータ5(図12)を回転自在に支持するように組み合わせることで回転電機が完成する。
上述したように、実施の形態1にかかる、ステータ1によれば、各コア片10のインシュレータ2部にスナップフィットによる連結部10jを形成するためのスナップフィット凸部2jmとスナップフィット凹部2jfが隣り合うように設けている。そして、スナップフィット凸部2jmとスナップフィット凹部2jfは、柱状部2jmpと開環部2jfcが軸方向に垂直な方向な挿入により嵌り合うことで、回転可能、かつ軸方向の変位を規制する連結部10jが形成される。
さらに、連結部10jの回転軸を、コア片材10Pあるいは磁性体部4としての外周面10foの円弧に沿った端部4cyと一致させている。そのため、インシュレータ2にのみ、連結および回転機構を設けることで、各コア片10を容易に連結し、連結後の回転が可能となり、回転および連結機構を形成するための複雑な形状を磁性体部4に設ける必要がない。また、コア片10をティース4tが内側になるように連結部10jでの回転角度を調整するだけで、隣接するコア片10のヨーク4yの側端面4sy同士を密着させることができる。
これに対し、例えば、特許文献1に開示された、隣接するコア片を構成する積層鉄心同士を噛み合わせる構成では、複数種類の積層鉄心を用い、抜きカシメをする必要がある。そのため、積層鉄心を作成するための順送型の金型が複雑化し、かしめの装置も必要となって、導入費用が高価になり、また部品点数が増加する問題があった。その一方、本願のステータ1によれば、インシュレータ2にコア片10を連結および回転できる機構を設けるようにしたため、鋼板を加工するための上記のような複雑な装置を用いる必要がなく、設備費用の削減に効果がある。さらにコア片10の連結においても、特別な設備、あるいは治具を用いなくとも連結作業が行えるため、マテハンの改善につながる。
また、本願のように、樹脂部材であるインシュレータ2部分に、連結および回転機構を形成するようにしたので、磁性体部4には、連結と回転機構を形成する必要がなくなり、鋼板に対して機械的強度が劣る圧粉成型により、磁性体部4を形成することができる。圧粉成型では、順送型のような複雑で構造で高価な金型を用いる必要がなく、単発型の金型でよいため、装置費用の削減効果がある。また、積層鋼板を用いる場合は、鋼板をプレスで打つ抜くため、不要となる部材が多くなり、歩留まりが悪くなるが、圧分成型では、必要量の粉体で成型できるため、歩留まりを高く保つことが可能となる。
また、例えば、特許文献2に開示された、インシュレータに連結と回転の機構を設ける構成では、部材の種類が多くなるとともに、異なる種類を交互に並べる必要があり、製造工程が煩雑となる問題があった。さらには、挿入孔に凸部を軸方向に挿入する構造であるため、ティースを外側に向けて、隣接する鋼板同士の噛み合いがなくなった際には、コア片間の軸方向での位置が定まらず、場合によっては抜け落ちてしまい、製造が困難になるという問題もあった。
その一方、本願のステータ1によれば、軸方向に垂直な方向で抜き差しするスナップフィット構造が互い違いに形成できるようになっており、同じ種類のコア片材10P同士を軸方向に垂直な方向の挿入により、連結可能となる。さらに、軸方向に垂直な抜き差しであるため、連結と同時に軸方向の動きを規制する噛み合い構造が容易に形成できるので、連結後はコア片材10P間の軸方向の位置ずれがなく、作業性もよい。
なお、本願のステータ1を構成するコア片10の磁性体部4は、圧粉成型によらず、積層鋼板で形成することも可能である。しかし、とくに、圧粉成型で形成した際の利点について、図12を用いて説明する。図12は、積層鋼板で形成した磁性体部4Sと、圧粉成型で形成した磁性体部4Mを用いて、それぞれステータ1S、1Mを作成したとする。そのとき、磁石51を外周面側に有するロータ5をステータ1の同軸上に回転可能に配置した際に、それぞれ同じ量の磁束を受けられるステータ1S、1Mを形成したと仮定したときに構成される回転電機を、回転軸を境に切り替えて示す断面模式図である。ここでは、鋼板積層により磁性体を形成した場合(図中左側)は「S」を、圧粉成型で磁性体を形成した場合(同右側)は「M」を、符号の末尾にそれぞれ記載して区別することとする。
積層鋼板を用いて磁性体部4Sを形成した場合、ヨーク4ySとティースの先端部4teSの高さを巻線部4twSと異なるように構成することは困難である。そのため、インシュレータ2Sのヨーク4ySとティースの先端部4teSを覆う厚みを、巻線部4twSを覆う厚みより高くすることで、コイル3Sの巻き崩れを防止するための壁をつくる構造にしている。その分、インシュレータ2Sを形成するのに必要な樹脂の使用量が多くなる傾向になる。
一方で、圧粉成型で磁性体部4Mを形成した場合、鉄粉などの粉体を圧縮して成形するため、構造の自由度が高い。そのため、磁性体部4M自体で、ヨーク4yMとティースの先端部4teMの高さを巻線部4twMよりも高くすることができるため、コイル3Mの巻き崩れを防止するための構造を形成できる。そのため、インシュレータ2Mの厚さは、絶縁機能を損なわない厚みがあれば良いため、積層鋼板による磁性体部4Sを用いたときと比較して、被覆厚みを薄くすることができ、インシュレータ2M形成に必要な樹脂の使用量の削減が可能である。
また、圧粉成型による磁性体部4Mでは、ティース先端部4teMを、軸方向におけるコイル3Mが形成された領域まで網羅させることができる。その結果、その領域の磁束を受けることで、巻線部4twMに鎖交する磁束の密度を高めることができるため、積層鋼板による磁性体部4Sと比較して、巻線部4twMの高さを低くしても問題がない。巻線部4twMの高さを低くできると、線材3Fの巻回部の高さを低く抑えることができるので、ステータ1Sに比べ、線材3Fの使用量の削減、およびステータ1の小型化が可能である。
もちろん、本願のステータ1では、磁性体部4として圧粉による磁性体部4Mが必須ではない。しかし、コア片10(コア片材10P)同士の回転可能な連結構造をインシュレータ2で形成できるので、圧粉による磁性体部4を使用することができ、インシュレータ2に用いる樹脂の使用量の削減、磁性体材料の歩留まり改善が可能となる。さらには、線材3Fの使用量の削減、およびステータ1の小型化が可能となる。
また、圧粉成型で磁性体部4を作成した際の利点として、ヨーク側とティース先端部の軸方向の高さをティース巻線部より高くする構造で説明したが、これに限ることはない。積層鋼板で磁性体部4を形成してもよいのと同様、ヨーク側またはティース先端部の高さをティース巻線部と同じ高さにしてもよい。
また、コア片材10Pへのコイル3形成において、巻回用のフライヤ80の数は1つだけであったが、サイクルタイム削減のために、フライヤ80を複数台用いて、複数個のコア片材10Pを同時に巻線しても良い。また、実施の形態2で例示するように、連結部10jにおけるスナップフィット凸部2jmの柱状部2jmpについては、先端に、スナップフィット凹部2jfの開環部2jfcの内径よりも充分に大きな部分(後述する拡大部2jmpw)を形成するようにしてもよい。その場合、基部2jfbと天面4ftyとの隙間10jcを設けない場合でも、大きい径の箇所が鉤の役割を果たし、隣接するコア片材10P間での軸方向の位置ずれを防止できる。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、連結部がヨークの外周面が形成する円弧から突出する例について説明した。本実施の形態2においては、連結部をヨークの外周面が形成する円弧の内側に収める例について説明する。図13~図17は、実施の形態2にかかるステータ、あるいはステータの製造方法について説明するためのものであり、図13は実施の形態1における図1に対応するステータのモールド前の外観を示す平面図、図14Aと図14Bそれぞれは、インシュレータを磁性体部に被せたときに露出する側のうち、内周面側の異なる角度から見たときの斜視図、図15はインシュレータを磁性体部に被せたときに露出する側の平面図である。
また、図16は2つのコア片材を1段階目のスナップフィット結合で連結した状態(図16A)、最終的なスナップフィット結合により連結した状態(図16B)をそれぞれ示す平面模式図、図17はステータの製造方法を示すフローチャートである。なお、実施の形態1と同様の構成については実施の形態1で用いた図と説明を援用するとともに、同様部分には同様の符号を付し、実施の形態1と異なる部分を中心に説明を行う。なお、図13、図16A、図16Bについては、説明を容易にするため、一部(コイル3、拡大部2jmpw)の描画を省略している。
実施の形態1では、図1で説明したように、円環状に連結したコア片10間のスナップフィット結合による連結部10jが、外周面10fo(磁性体部4の外周面4foと同じ)を形成する円弧から外側に突出する例について説明した。すなわち、環状にコア片10を連結させたときに、最外周にインシュレータ2の樹脂材料による連結部10jが、外周面10foから突起状に出ているため、環状のコア片10を固定させるために、焼き嵌めをすることができなかった。また、モールド成型する際にも、管状の連結体の外周面10foが、連結部10jによって、金型から浮いた構造となるため、容易に回転してしまい、固定が不十分となって、成型が困難になる場合があった。
それに対し、実施の形態2におけるステータ1では、焼き嵌めできない課題と固定が不十分である課題を解決するため、図13に示すように、連結部10jが、コア片10を環状にしたときの外周面10foから突出しない構造とした。さらに、図14、図15に示すようにスナップフィット凹部2jfを第一開環部2jfc1と第二開環部2jfc2を有し、軸に垂直な形状が瓢箪状となる2段構造とし、回転可能に連結できる状態から、回転できない固定連結状態に移行できる構成とした。
具体的には、実施の形態1と同様、磁性体部4の天面4fty側、底面4fby側(図3)のそれぞれから被せるように構成しているが、連結部10jを形成するための構造が異なる。スナップフィット凸部2jmとしては、柱状部2jmpがヨーク部2yの天面2ftyから軸方向に突出しており、外周面2foよりも径方向の外側には出ていない。そして、柱状部2jmpの中心は、側面部2fsy(側端面4sy)上に位置し、半円部分が側面部2fsyから突出している。
一方、スナップフィット凹部2jfとしては、基部2jfbは、ヨーク部2yの天面2ftyから軸方向における上方に位置しているが、外周面2foよりも径方向の外側には出ていない。そして、第一開環部2jfc1は、ヨーク部2yの側面部2fsyよりも周方向の外側に位置する。一方、第一開環部2jfc1の奥側に第二開口部2jfa2を介して連なる第二開環部2jfc2の中心は、側面部2fsy(側端面4sy)上に位置し、天面2ftyより下方の領域では、軸方向に垂直な断面形状が半円状の溝になっている。
なお、本実施の形態2においても、フリー状態の第一開環部2jfc1、第二開環部2jfc2(まとめて開環部2jfc)の内径は、それぞれ柱状部2jmpの径以下に設計されている。これは、スナップフィット凹部2jfに嵌めたスナップフィット凸部2jm(柱状部2jmp)が容易に外れないようにするためである。また、フリー状態での第一開口部2jfa1、第二開口部2jfa2の開口幅も、柱状部2jmpの径以下に設計されている。これも、スナップフィット凹部2jfに取り付けたスナップフィット凸部2jmが容易に外れないようにするためである。
さらに、本実施の形態2においては、柱状部2jmpの先端には、円柱部分の径よりも径を大きくした拡大部2jmpwが形成されている。拡大部2jmpwは、スナップフィット凹部2jfの基部2jfbの上面側に位置し、スナップフィット凸部2jmをスナップフィット凹部2jfに挿入した際、基部2jfbの上方に突出する位置に形成されている。そして、円柱部分が、第一開口部2jfa1、または第二開口部2jfa2を通過する際に、第一開環部2jfc1、または第二開環部2jfc2が拡がった際の径よりも大きくなるように設定している。
このようなインシュレータ2を、実施の形態1と同様に磁性体部4の上下に被せてコア片材10Pを作成する。こうして作成したコア片材10Pは、本実施の形態2においても、ティースの向きを揃えて並べると、一方のコア片材10Pのスナップフィット凸部2jmが他方のコア片材10Pのスナップフィット凹部2jfと隣り合うように構成している。しかし、スナップフィット凹部2jf、スナップフィット凸部2jmともに、外周面10foからはみ出すことなく、各天面2ftyに対し軸方向の外側で、周方向に突出させている。
このような構成で、スナップフィット凸部2jmの柱状部2jmpを、軸方向に垂直な方向での挿入により、隣接するスナップフィット凹部2jfに対して嵌めこみを行う。ここで、第一段階として、柱状部2jmpは、図16Aに示すように、第一開口部2jfa1を抜けて第一開環部2jfc1にはまり込み、第一開環部2jfc1内で安定保持され、2つのコア片材10Pは、スナップフィット結合により連結される。
この連結を一次連結状態Sj1とすると、柱状部2jmpの外周、第一開環部2jfc1の内周はともに円形であり、一次連結状態Sj1における連結部10jでは、柱状部2jmpは第一開環部2jfc1を中心として回転可能な状態で保持されることになる。さらに、上述したように、第一開環部2jfc1の中心は側面部2fsyから周方向に離れた位置にあるので、一次連結状態では、隣接するコア片材10Pのヨーク側の側面部2fsy同士は離れることになる。つまり、図16Aに示す一次連結状態Sj1においては、隣接するコア片材10P同士が、同軸上にある柱状部2jmpと第一開環部2jfc1を除き、軸に垂直な方向での接触がない状態となる。
その結果、ティースを外側に向ける際には、隣接するコア片材10Pの外周面10fo同士が接触するまで回転させることが可能である。一方、ティースを内側に向ける際には、隣接するコア片材10Pのティース側の側面2fsi(図14、図15)同士が接触するまで回転させることができる。
一次連結状態Sj1から、ティースが内側になるように回転させ、図16Bに示すように、第二開口部2jfa2を介して、第二開環部2jfc2に柱状部2jmpを嵌め込むと、第二開環部2jfc2内で安定保持される。このときも、2つのコア片10は、スナップフィット結合により連結される。なお、この場合、後述するようにコイル3を巻回した後となるので、図16Bでは、コイル3の描画は省略するが、コア片10として符号を付している。
この連結を二次連結状態Sj2とすると、柱状部2jmpの外周、第二開環部2jfc2の内周はともに円形であり、二次連結状態Sj2における連結部10jでは、柱状部2jmpは第二開環部2jfc2を中心として回転可能な状態で保持されるはずである。しかし、上述したように、第二開環部2jfc2の中心は側面部2fsy上に位置するので、二次連結状態Sj2では、隣接するコア片材10Pのヨーク側の側面部2fsy(側端面4sy)同士が接触し、ティース側の側面2fsi同士も近接する。
つまり、図16Bに示す二次連結状態Sj2においては、隣接するコア片材10P同士が、外周面2fo側では、柱状部2jmpが第二開環部2jfc2にはまり込み、側面部2fsy同士が密着することで位置決めされ、回転不能となる。そのため、連結部10jが一次連結状態Sj1にあるときには、隣接するコア片材10P間の角度として、ある程度の範囲が許容される。しかし、二次連結状態Sj2に移行する際には、側面2fsi同士が近接する状態になる角度範囲のみが許容される。
なお、図16において、隣接するコア片材10Pまたはコア片10の間に位置するスナップフィット凸部2jmについては、柱状部2jmpの第一開環部2jfc1、第二開環部2jfc2に対する位置を示すために、拡大部2jmpwの記載を省略している。しかし、図16A、図16Bそれぞれで示す各連結状態において、拡大部2jmpwは第一開環部2jfc1の上方で、基部2jfbの上面に対して軸方向で対向し、隣接するコア片10またはコア片材10P間での軸方向の変位(位置ずれ)を規制している。
また、上述した拡大部2jmpwを設ける代わりに、スナップフィット凹部2jf側の例えば、側面部2fsy部分の半円状の溝を下面側に抜けさせず、「止め」を設けるようにしてもよい。この場合でも、スナップフィット凸部2jmの側面部2fsyから突出する半円状の突起により、コア片材10P同士の軸方向での位置ずれを防止することができる。
あるいは、インシュレータを2種類設ける必要があるが、両端にスナップフィット凹部2jfを設けた第一インシュレータと、両端にスナップフィット凸部2jmを設けた第二インシュレータを作成する。そして、第一インシュレータのみを用いたコア片材と、第二インシュレータのみを用いたコア片材を作成し、交互に並べるようにする。この場合は、拡大部2jmpwあるいは、「止め」を設けなくても、スナップフィット結合と同時に軸方向のずれ防止が可能となる。
このように、円柱を開環内に保持する構造であっても、軸に垂直な方向での抜き差しによりスナップフィットによる連結の成立、解除を切り替えられる構成を採用することで、連結後の軸方向での位置ずれを防止する機構を形成することが可能となる。それに対して、例えば、特許文献2で開示された軸方向での抜き差しにより連結の成立と解除を切り替える構造では、連結しただけでは、軸方向の位置ずれを防止することができず、保持のための治具等が必要となってしまう。
つぎに、図17のフローチャートを参照しつつ、実施の形態2にかかるステータ1の製造方法について、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、磁性体部4にインシュレータ2を組み付けてコア片材10Pを作成する(ステップS110~S120)。そして、向きを揃えてコア片材10Pを並べた際の隣接するスナップフィット凸部2jmとスナップフィット凹部2jfとを嵌め合わせることでスナップフィット結合による連結部10jを形成する。
ただし、この段階における連結部10jは、柱状部2jmpが第一開環部2jfc1内に保持される一次連結状態Sj1にとどめ、開環状の連結体を形成する(ステップS135)。このとき、上述したように、連結体を分割することも可能であり、連結された状態で第一開環部2jfc1を中心にコア片材10P間の回転が可能である。
そして、実施の形態1の図11で説明したように、回転ローラ90に各コア片材10Pの外周面10foが向くように巻線機に連結体をセットし、コア片材10Pごとに線材3Fの巻線処理を行い、コイル3を有するコア片10を作成する(ステップS140)。
上記のように、ステータ1に必要な数のコア片10が揃ったら、コア片10の内周面10fi側が内側になるように、コア片10を回転させ、端のコア片10同士を連結して環状にする。そして、各柱状部2jmpを第一開環部2jfc1部分から第二開環部2jfc2部分に移動させ、二次連結状態Sj2に移行する(ステップS155)。すると、隣接するコア片10の側面部2fsy(側端面4sy)同士が密着し、側面2fsi同士が一定間隔で近接し、連結部10jを中心とする回転ができない固定状態となる。
その後、必要に応じた絶縁処理または結線工程(ステップS160)を経た後に、焼き嵌めにて、コア片10が完全に固定されステータ1が製造される。本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、コア片10の外周面10foからスナップフィット構造がはみ出ていないため、位置決めのための治具等を用いなくとも、周方向の回転が抑えられるので、容易に焼き嵌めができる。また、本実施の形態2では、二次連結状態Sj2になれば、コア片10間での角度が変化することがなく、固定できているので、適切な環状形状を保つことができる。
そのため、焼き嵌めにこだわることなく、モールド成型においても、精度の良い成型が可能になる。したがって、ステップS175においては、焼き嵌めおよびモールドの少なくとも一方を行えばよい。
なお、本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、極数、位置決め用の溝部4g、2g等、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
とくに、回転電機に関しては、ロータ5の構造は特徴的な部分ではないので、磁石51の配置、あるいは使用についても図12に限ることはなく、どのようなものでもよい。ただし、上述したステータ1の高性能化に対応した仕様が望ましい。つまり、回転軸Xと平行に延びる柱状部2jmpと、開環部2jfcによる、回転軸Xに垂直な方向のスナップフィット結合で、柱状部2jmpを中心とする回転可能で、軸方向の位置関係を固定する連結部10jを形成する構成であればよい。
さらに言えば、例えば、柱状部2jmpの先端に、開環部2jfcの径よりも大きく、開環部2jfcが開いた際の径よりも小さな爪部を設けてスナップフィット結合する連結部を設けることも可能である。この場合、軸方向の抜き差しでスナップフィット結合がなされるが、爪部により柱状部2jmpの開環部2jfcからの軸方向の抜けを防止できるので、回転可能で、隣接するコア片材10P間の軸方向の位置ずれを防止する連結が可能になる。
以上のように、各実施の形態にかかるステータ1によれば、円弧状に延びるヨーク4yとヨーク4yから軸(回転軸X)に向かって突出するティース4tとを形成する磁性体部4、およびティース4tに巻回されたコイル3を備えた複数のコア片10が、軸(回転軸X)を中心にして円環状に配置されたステータ1であって、円環状の配置における隣り合うコア片10の間には、一方のコア片のヨーク側(ヨーク部10y、あるいはヨーク部2yの周方向における端部近傍)に設けられた軸に平行な方向に延びる柱状部2jmpと、他方のコア片のヨーク側(同上)に設けられた開環部2jfcとの(嵌めこみによる)スナップフィット結合によって、柱状部2jmpを中心とする回転を可能とし、軸方向での変位を規制する嵌め合い構造(例えば、基部2jmbに対する隙間10jc、あるいは拡大部2jmpwと天面2ftyに対する基部2jfb)を有する連結部10jが形成されているようにしたので、部品点数、および固定のための治具等を用いずとも、巻線密度の高いコイル3を形成することができる。そのため、部品点数と製造工程を増加させることなく、高性能なステータ1および回転電機を得ることができる。
開環部2jfcは軸方向において磁性体部4との間に隙間10jcを有して設けられ、柱状部2jmpは柱状部2jmpよりも径が大きな基部2jmbから延伸して設けられ、上述したスナップフィット結合がなされた際、一方のコア片の基部2jmbが、他方のコア片の隙間10jcに挟み込まれるように構成したので、軸方向への移動を確実に規制することができる。
柱状部2jmpが開環部2jfcに嵌めこまれた方向は、柱状部2jmpの延伸方向に垂直であるように構成すれば、軸方向における変位をスナップフィットの挿入または引き抜きに要する力と関係なく、強固に規制できる。また、軸方向での変位を規制する嵌め合い構造(例えば、基部2jmbに対する隙間10jc、あるいは拡大部2jmpwと天面2ftyに対する基部2jfb)も、その構造形成のみに部材の変形等を必要とすることなく、容易に形成できる。
柱状部2jmpおよび開環部2jfcは、磁性体部4とコイル3との間に介在する樹脂製のインシュレータ2との一体成型品として設けられているので、変形性と機械的強度の両立が求められるスナップフィット構造を容易に実現できる。
磁性体部4として、粉体を用いた圧縮成形品を用いれば、磁性体として最適な形状を容易に作成できる。
開環部2jfcの中心は、ヨーク4yの外周面4fo上の周方向における端部4cyに位置するので、各コア片10を容易に連結し、連結後の回転が可能となる。さらに、コア片10をティース4tが内側になるように連結部10jでの回転角度を調整するだけで、隣接するコア片10のヨーク4yの側端面4sy同士を密着させることができる。
一方、開環部2jfcと柱状部2jmpは、ヨーク4yの外周面4foより径方向の内側に形成されているように構成すれば、環状に連結したときに、ヨーク4yの外周面4foから突き出る部分がなくなるので、焼き嵌めが可能になる。あるいはモールド成型する際にも金型に対する回転を防止し、適切な成型が可能になる。
その際、開環部2jfcは、周方向において、中心がヨーク4yの端面(側端面4sy)より外側に位置する第一開環部2jfc1と、第一開環部2jfc1に連なり、中心が端面(側端面4sy)に重なる第二開環部2jfc2とで構成し、(隣接するコア片10またはコア片材10Pの)柱状部2jmpの中心は、周方向において、ヨーク4yの端面(側端面4sy)に重なるように構成すれば、コイル3を巻回する際は第一開環部2jfc1に嵌めこんで自由に回転させ、環状にする際は、第二開環部2jfc2に嵌めこんで環状の形状を固定し、かつ、隣接するコア片10のヨーク4yの側端面4sy同士を密着させることができる。
また、各実施の形態にかかる回転電機によれば、上述したステータ1、ステータ1の内周面側に同軸配置されたロータ5、およびステータ1を保持し、ロータ5を回転自在に支持する図示しない軸受けを有する筐体、を備えるように構成したので、安価に高性能な回転電機、あるいは安価に小型な回転電機を得ることができる。
以上のように、各実施の形態にかかるステータ1の製造方法によれば、円弧状に延びるヨーク4yとヨーク4yから軸(回転軸X)に向かって突出するティース4tとを形成する磁性体部4に、インシュレータ2を被せたコア片材10Pを作成する工程(ステップS110~S120)、複数のコア片材10Pを、ティース4tを同じ側に向け、ヨーク4yの周方向における端面(側端面4sy)同士を対向させて並べ、隣り合うコア片材10Pの間それぞれに、一方のコア片材のヨーク部分(ヨーク部10y、あるいはヨーク部2yの周方向における端部近傍)に設けられた軸(回転軸X)に平行な方向に延伸する柱状部2jmpを、他方のコア片材のヨーク部分(同上)に設けられた開環部2jfcに嵌めこむスナップフィット結合によって、柱状部2jmpを中心とする回転を可能とし、軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部10jを形成する工程(ステップS130、またはステップS135)、連結部10jによって連結された複数のコア片材10Pそれぞれのティース4tに対して、隣り合うコア片材10Pのティース4tとの角度を拡げ、線材3Fを巻回してコイル3を形成する工程(ステップS140)、およびコイル3が形成されたコア片材10Pを、ティース4tを内側にして円環状に連結する工程(ステップS150、またはステップS155)、を含むようにしたので、部品点数、および固定のための治具等を用いずとも、巻線密度の高いコイル3を形成することができる。そのため、部品点数と製造工程を増加させることなく、高性能なステータ1および回転電機を得ることができる。
以上のように、各実施の形態にかかるステータ1のもうひとつの製造方法によれば、円弧状に延びるヨーク4yとヨーク4yから軸(回転軸X)に向かって突出するティース4tとを形成する磁性体部4に、インシュレータ2を被せたコア片材10Pを作成する工程(ステップS110~S120)、複数のコア片材10Pそれぞれのティース4tに対して、線材を巻回してコイル3を形成する工程(ステップS140)、およびコイル3が形成された複数のコア片材10Pを、ティース4tを同じ側に向け、ヨーク4yの周方向における端面(側端面4sy)同士を対向させて並べ、隣り合うコア片材10Pの間それぞれに、一方のコア片材のヨーク4y部分に設けられた軸に平行な方向に延伸する柱状部2jmpを、他方のコア片材のヨーク4y部分に設けられた開環部2jfcに嵌めこむスナップフィット結合によって、柱状部2jmpを中心とする回転を可能とし、軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部10jを形成し、ティース4tを内側にして円環状に連結する工程(ステップS130/ステップS135、およびステップS150/ステップS155)を含むようにしても、部品点数、および固定のための治具等を用いずとも、巻線密度の高いコイル3を形成することができる。そのため、部品点数と製造工程を増加させることなく、高性能なステータ1および回転電機を得ることができる。
また、上述したステータの製造方法によってステータ1を形成する工程(ステップS110~ステップS170)、および形成したステータ1の内周面側にロータ5を回転自在に同軸配置する工程、を含むようにすれば、上述した安価に高性能な回転電機、あるいは安価に小型な回転電機を得ることができる。
1:ステータ、 2:インシュレータ、 2jf:スナップフィット凹部、 2jfb:基部、 2jfc:開環部、 2jfc1:第一開環部、 2jfc2:第二開環部、 2jm:スナップフィット凸部、 2jmb:基部、 2jmp:柱状部、 3:コイル、 4:磁性体部、 4cy:端部、 4fo:外周面、 4sy:側端面(端面)、 4t:ティース、 4y:ヨーク、 5:ロータ、 10:コア片、 10fo:外周面、 10jc:隙間、 10P:コア片材、 10t:ティース部、 10y:ヨーク部、 X:回転軸(軸)。

Claims (11)

  1. 円弧状に延びるヨークとヨークから軸に向かって突出するティースとを形成する磁性体部、および前記ティースに巻回されたコイルを備えた複数のコア片が、前記軸を中心にして円環状に配置されたステータであって、
    前記円環状の配置における隣り合うコア片の間には、一方のコア片のヨーク側に設けられた前記軸に平行な方向に延伸する柱状部と、他方のコア片のヨーク側に設けられた開環部とのスナップフィット結合によって、前記柱状部を中心とする回転を可能とし、軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部が形成され
    前記開環部は前記軸方向において前記磁性体部との間に隙間を有して設けられ、
    前記柱状部は前記柱状部よりも径が大きな基部から延伸して設けられ、
    前記スナップフィット結合がなされた際、前記一方のコア片の前記基部が、前記他方のコア片の前記隙間に挟み込まれることを特徴とするステータ。
  2. 前記柱状部が前記開環部に嵌めこまれた方向は、前記柱状部の延伸方向に垂直であることを特徴とする請求項に記載のステータ。
  3. 前記柱状部および前記開環部は、前記磁性体部と前記コイルとの間に介在する樹脂製のインシュレータとの一体成型品として設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のステータ。
  4. 前記磁性体部は、粉体を用いた圧縮成形品であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のステータ。
  5. 前記開環部の中心は、前記ヨークの外周面上の周方向における端部に位置することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のステータ。
  6. 前記開環部と前記柱状部は、前記ヨークの外周面より径方向の内側に形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のステータ。
  7. 前記開環部は、周方向において、中心が前記ヨークの端面より外側に位置する第一開環部と、前記第一開環部に連なり、中心が前記端面に重なる第二開環部とで構成し、
    前記柱状部の中心は、周方向において、前記ヨークの端面に重なることを特徴とする請求項に記載のステータ。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載のステータ、
    前記ステータの内周面側に同軸配置されたロータ、および
    前記ステータを保持し、前記ロータを回転自在に支持する軸受けを有する筐体、
    を備えたことを特徴とする回転電機。
  9. 円弧状に延びるヨークと前記ヨークから軸に向かって突出するティースとを形成する磁性体部に、インシュレータを被せたコア片材を作成する工程、
    複数の前記コア片材を、前記ティースを同じ側に向け、前記ヨークの周方向における端面同士を対向させて並べ、隣り合うコア片材の間それぞれに、一方のコア片材のヨーク部分に設けられた前記軸に平行な方向に延伸する柱状部を、他方のコア片材のヨーク部分に軸方向において前記磁性体部との間に隙間を有して設けられた開環部に嵌めこむスナップフィット結合によって、前記柱状部を中心とする回転を可能とし、前記軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部を形成する工程、
    前記連結部によって連結された前記複数のコア片材それぞれのティースに対して、隣り合うコア片材のティースとの角度を拡げ、線材を巻回してコイルを形成する工程、および
    前記コイルが形成されたコア片材を、前記ティースを内側にして円環状に連結する工程を含み、
    前記柱状部は前記柱状部よりも径が大きな基部から延伸して設けられ、
    前記スナップフィット結合がなされた際、前記一方のコア片材の前記基部が、前記他方のコア片材の前記隙間に挟み込まれることを特徴とするステータの製造方法。
  10. 円弧状に延びるヨークと前記ヨークから軸に向かって突出するティースとを形成する磁性体部に、インシュレータを被せたコア片材を作成する工程、
    複数の前記コア片材それぞれのティースに対して、線材を巻回してコイルを形成する工程、および
    前記コイルが形成された複数のコア片材を、前記ティースを同じ側に向け、前記ヨークの周方向における端面同士を対向させて並べ、隣り合うコア片材の間それぞれに、一方のコア片材のヨーク部分に設けられた前記軸に平行な方向に延伸する柱状部を、他方のコア片材のヨーク部分に軸方向において前記磁性体部との間に隙間を有して設けられた開環部に嵌めこむスナップフィット結合によって、前記柱状部を中心とする回転を可能とし、前記軸方向での変位を規制する嵌め合い構造を有する連結部を形成し、前記ティースを内側にして円環状に連結する工程を含み、
    前記柱状部は前記柱状部よりも径が大きな基部から延伸して設けられ、
    前記スナップフィット結合がなされた際、前記一方のコア片材の前記基部が、前記他方のコア片材の前記隙間に挟み込まれることを特徴とするステータの製造方法。
  11. 請求項9または10に記載のステータの製造方法によって前記ステータを形成する工程、および
    前記形成したステータの内周面側にロータを回転自在に同軸配置する工程、
    を含むことを特徴とする回転電機の製造方法。
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