JP7144050B2 - 5’-ホスホロチオラート mRNA 5’-末端(キャップ)類似体、それを含むmRNA、それらを得る方法およびそれらの使用方法 - Google Patents

5’-ホスホロチオラート mRNA 5’-末端(キャップ)類似体、それを含むmRNA、それらを得る方法およびそれらの使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7144050B2
JP7144050B2 JP2018537845A JP2018537845A JP7144050B2 JP 7144050 B2 JP7144050 B2 JP 7144050B2 JP 2018537845 A JP2018537845 A JP 2018537845A JP 2018537845 A JP2018537845 A JP 2018537845A JP 7144050 B2 JP7144050 B2 JP 7144050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mrna
cap
phosphorothiolate
independently selected
gspp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018537845A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019504837A (ja
JP2019504837A5 (ja
Inventor
ジェミエリティ,ヤセク
ファク-ドンブロスカ,カジャ
ボイチャック,ブラジェイ
バラノフスキー,マレク
ノヴィツカ,アンナ
コヴァルスカ,ヨアンナ
シコルスキ,パヴェル
ヴァルミンスキ,マルチン
Original Assignee
ユニヴェルシテット ワルシャウスキ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴェルシテット ワルシャウスキ filed Critical ユニヴェルシテット ワルシャウスキ
Publication of JP2019504837A publication Critical patent/JP2019504837A/ja
Publication of JP2019504837A5 publication Critical patent/JP2019504837A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7144050B2 publication Critical patent/JP7144050B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • A61P21/02Muscle relaxants, e.g. for tetanus or cramps
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H1/00Processes for the preparation of sugar derivatives
    • C07H1/02Phosphorylation
    • C07H1/04Introducing polyphosphoric acid radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • C07H21/02Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids with ribosyl as saccharide radical

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、5’-ホスホロチオラート部分を含むmRNA 5’-末端(キャップ)の類似体、その調製方法、その中間体とその使用に関する。5’-ホスホロチオラートキャップ類似体は、特に脊髄筋萎縮症(SMA)処置のための薬剤としての適用を可能にするDcpS酵素抑制因子として使用される。本発明はさらに、本発明に係る5’-ホスホロチオラート部分を含むmRNA 5’-末端(キャップ)類似体によって、5’末端において修飾されたmRNAに関し、当該修飾は、細胞状態下において安定性と翻訳活性が増加したmRNA転写物を得ることを目的とする。そのような特性を有する転写物は、mRNAに基づいた新規性のある遺伝子治療に適用可能である。
化学的に抽出されたmRNA 5’-末端類似体には様々な用途があり、また、その構造内で実施された修飾は、これらの化合物の生物学的特性を著しく修飾しうる(Ziemniak,Strenkowska et al.,2013)。キャップ類似体の様々な用途の中でも、最も頻繁なものには、治療目的でのキャップ依存プロセスの低分子の阻害剤としての使用が含まれる(例えばDcpS酵素抑制-脊髄筋萎縮症治療)。他方で、適切に修飾されたジヌクレオチドキャップ類似体は、細胞状態下において安定性と翻訳活性の改善された転写物を得るために、インビトロでの共転写によってメッセンジャーmRNAを修飾するために使用される。そのような特性を備えた転写物は、mRNAに基づいた新規性のある遺伝子治療の文脈においてますます研究されている。後者の場合では、別のデキャッピング酵素であるDcp2に対するキャップ構造の耐性が主要問題である。
DcpS酵素(デキャッピングスカベンジャー)は真正核細胞中のmRNA分解プロセスに関与する酵素である。真核細胞には、mRNA分解の主要な2つの経路、5’→3’分解および3’→5’分解がある(Rydzik,Lukaszewicz et al.,2009)。両分解経路は脱アデニル化によって開始される。5’→3’方向の分解に続いて、αリン酸塩とβリン酸塩との間の結合の切断の結果としてのmRNAデキャッピング、および5’-エキソヌクレアーゼによる分解が起こる。3’→5’の分解は、3’-末端から始まるエキソソームによるmRNA分解を含む。そのような分解は結果として、ジヌクレオチドキャップ残基またはキャップ末端の短いオリゴヌクレオチドの放出をもたらし、その後、それはDcpS酵素によって分解される。DcpSはHITファミリーピロホスファターゼに属し、7-メチルグアノシン 5’-リン酸塩(mGMP)および第二の生成物、従ってヌクレオシド5’-二リン酸塩または短いオリゴヌクレオチドを放出する、γリン酸塩とβリン酸塩との間のキャップを加水分解する。より長いキャップ末端のmRNAは、DcpSの基質ではない。さらに、5’→3’mRNA分解の生成物である7-メチルグアノシン 5’-二リン酸塩(mGDP)は、DcpSの基質ではない。3’→5’分解中にmRNAから放出された不要なキャップ残基が他のキャップ依存細胞プロセスに影響し得るため、DcpS酵素の活性は細胞恒常性にとって重要であると考えられる。DcpSは細胞質と核の両方に位置し、そこでスプライシングの調整に関与しうる(Shen,Liu et al.,2008)。したがって、細胞におけるDcpSの役割は、3’→5’mRNA分解におけるその十分に特徴づけられた機能を越えることが示唆された(Bail and Kiledjian 2008)。
2008年には、DcpS抑制は脊髄筋萎縮症における治療効果を提供し得ると報告された。SMAは、平均で出生6000人に対して1人に現われる一般的な神経変性疾患である(Akagi and Campbell 1962)。それは、SMN(運動神経細胞生存)遺伝子によってコードされた低レベルのSMNタンパク質によって引き起こされる。ヒトには2つのSMN遺伝子、すなわちSMN1とSMN2が存在する。それらの主な違いは、エクソン7の配列の変化であり、それはmRNA前躯体のスプライシングに影響する。その結果、SMN1遺伝子の発現は、安定した機能タンパク質をもたらし、一方でSMN2から発現したタンパク質は短縮されている。両方のSMN1遺伝子コピーにおける、欠失、SMN2などの遺伝子への転換、および点突然変異を含む突然変異は、結果としてSMA疾患をもたらす。不完全なSMN1コピーを1つだけ有する人々はSMA保有者であるが、疾病のいかなる症状も示さない。
同種のSMN2遺伝子は十分な量の機能性SMNタンパク質を提供することができないが、SMN2遺伝子コピーの数が多いほど、疾病の経過はより良性であることが認められた。したがって、細胞のSMN2遺伝子によってコードされるタンパク質の量を増加させる化合物は、SMAに対する治療となり得ると信じられている。いくつかの5-置換されたキナゾリンはSMN2遺伝子発現を2倍にも増加させ得ることが発見された(Akagi and Campbell,1962)。放射活性標識を使用した別の研究では、この活性化の基礎となる分子構造を解明すべく、著者は、タンパク質結合5-置換されたキナゾリンとしてDcpSを特定した。
これらの実験は、SMA処置における治療の標的としてDcpSを特定することを可能にした。
さらなる研究により、様々なC5-置換されたキナゾリンがDcpS酵素(既にナノモル濃度の)の有力な阻害剤であり、その阻害剤候補はSMN2遺伝子プロモーター活性化のレベルと関連していることが示された。その後、これらの化合物の治療上の潜在力は、マウスモデルのインビボで実証された(Butchbach, Singh et al.,2010)。最近では、DcpS阻害剤の1つであるRG3039化合物は、SMAを有するマウスの運動機能を改善することが報告された。
進行中の前臨床試験と臨床試験にもかかわらず、SMAの有効な処置は依然としてなく、したがって、治療上の潜在力を有する新しい化合物が引き続き求められている。
三リン酸架橋および7-メチルグアノシンリボースにおける修飾を伴うジヌクレオチドキャップ類似体は、インビトロでのキャップRNA分子の合成に使用され得る。該方法は、改善された生物特性、とりわけ増加した翻訳活性と細胞内での延長された半減期を伴うRNA分子を得ることを可能にするため、有用である(Grudzien,Kalek et al.,2006)。これらの両特徴によって、同量のmRNAを使用しながらも有意により多いタンパク質量が得られる。これには、研究および、例えば癌免疫療法などの治療用途を含むペプチドとタンパク質の商業生産の両方における、幅広い用途を見出すことができる(Sahin,Kariko et al.,2014)。
インビトロでキャップmRNAを得るために使用される最も一般的な方法は、(mGpppG)などの4つの全てのリボヌクレオシド三リン酸塩および1つのキャップジヌクレオチドの存在下において、バクテリアまたはバクテリオファージRNAポリメラーゼを使用した、DNA鋳型によるmRNAの合成である。ポリメラーゼは、次に転写されるヌクレオシド三リン酸塩のαリン酸塩の、mGpppG内のGuo部分の3’-OHの求核攻撃によって、転写を開始させ、結果として初期生成物としてのmGpppGpNをもたらす(Contreras and Fiers 1981,Konarska,Padgett et al.,1984)。
哺乳動物細胞の培養に導入された合成mRNAによって生成されるタンパク質の量は、細胞状態のmRNA分解によって制限される。インビボでのmRNA分解は主として、αリン酸塩とβリン酸塩間の結合を切断する特定のピロホスファターゼDcp1/Dcp2によって、mRNAの5’末端から取り除かれたキャップによって開始される(Mildvan,Xia et al.,2005)。調節タンパク質Dcp1を有する複合体を形成するDcp2酵素は、完全長の転写物またはその少なくとも20のヌクレオチド断片からの、キャップ構造の切断の原因である(Lykke-Andersen 2002)。Dcp1/Dcp2複合体は遺伝子発現の調整において重要な役割を果たす。この酵素活性に抵抗力のあるキャップ内のmRNA転写物を作ることで、そのような修飾されたmRNAによってコードされたタンパク質発現の増加がもたらされる。修飾が同時に、翻訳開始因子との相互作用を損なわない場合、これはその後mRNAの翻訳活性の増加をもたらす。そのような特性を有するmRNAは、癌免疫療法(Kuhn,Diken et al.,2010)、幹細胞リプログラミング(Warren,Manos et al.,2010)、または細胞で形成された欠損のある形態の、または不十分な量のタンパク質の補充を含む治療用途に望まれる。キャップ構造の三リン酸架橋での修飾は、文献において知られており、Dcp2酵素に対する抵抗を増大させる。これらはとりわけ、α-β架橋位置の酸素原子がメチレン基と置き換えられる類似体、β位置の非架橋酸素が硫黄原子またはボラノリン酸塩基と置き換えられる類似体を含む。メチレン類似体の場合、mRNAの安定性の増加は、細胞内のタンパク質合成の効率を増加させることはなく、それは恐らくeIF4Eタンパク質への親和性の低下によるものであった(Grudzien,Kalek et al.,2006)。β位置の非架橋修飾の場合、Dcp2に対する耐性の増加と、eIF4Eに対する親和性の増加は、結果として、細胞内のそのような修飾されたmRNAの翻訳活性の増加をもたらした(Grudzien-Nogalska,Jemielity et al.,2007)(Kowalska,Wypijewska del Nogal et al.,2014)。mRNAへの取り込みに際して、Dcp2による分解に対する感受性の減少を示した全てのキャップ類似体の一般的特徴は、酵素によるキャップ切断部位の近く、すなわち三リン酸架橋のαベータ位置における修飾の局在であった。
技術の記載された情勢を考慮し、本発明の目的は、指摘された不都合を克服し、およびDcpS活性に影響を与える新しい種類のヌクレオチドmRNA 5’-末端類似体、SMA処置における使用を含むその使用、さらにその合成方法を提供することである。
本発明の別の目的は、5’末端において、5’-ホスホロチオラート部分を含むmRNA 5’-末端(キャップ)類似体で修飾されたmRNAを提供することであり、それによってmRNAの安定性、および細胞内におけるそのmRNAによってコードされたタンパク質の生合成効率を増加させることである。本発明の別の目的は、5’末端において、5’-ホスホロチオラート部分を含むmRNA 5’-末端(キャップ)類似体で修飾されたmRNAを提供することであり、転写物は、mRNAに基づいた新規性のある遺伝子治療で使用するための使用を含む、薬剤としての使用を意図されている。
本発明は新規性のある種類のヌクレオチドmRNA 5’-末端類似体に関する。新しい類似体は、5’-ヌクレオシドの位置に硫黄原子を含み、つまり5’位の酸素原子の少なくとも1つが硫黄原子によって置換された。我々は意外にも、7-メチルグアノシンの側から5’位の硫黄原子による修飾を含んだ新しい類似体が、DcpS酵素の加水分解活性に対して抵抗力があり、およびDcpS酵素の阻害剤であり、したがってSMNタンパク質の発現に影響し、それはSMA処置において治療上適切であることを発見した。DcpS活性に対して安定しており、および/またはDcpS活性に影響を与えるそのような化合物は、スプライシングの調節と調整に加えてmRNA分解の調整においても使用されるだろう。以下の類似体が、阻害特性の観点から特に好ましいことが分かった:mGSpppG(24番)、mGSpppSG(32番)、mGSpppG D1(30番)、mGSpppG D2(31番)、mGSpppSG D1(33番)、mGSpppSG D2(34番)、および最も好ましいのはmGSpppSG D2(34番)であった。同様に有用なものは、類似体mGSpp(12番)、mGSppG(23番)、mGSppCHpG(25番)、m7,2’OGSpppG(26番)、mGpCHppSG(37番)であった。
本発明はさらに、5’末端において、5’-ホスホロチオラート部分を含むmRNA 5’-末端(キャップ)類似体で修飾されたmRNAに関し、それによってmRNAの安定性、および細胞内におけるそのmRNAによってコードされたタンパク質の生合成効率を増加させることに関する。本発明はさらに、5’末端において、5’-ホスホロチオラート部分を含むmRNA 5’-末端(キャップ)類似体で修飾されたmRNAに関し、修飾されたmRNAは、mRNAに基づいた新規性のある遺伝子治療で使用するための使用を含む、薬剤としての使用を意図されている。
驚いたことに、インビトロ転写法によってmRNAへと取り込まれた後に、7-メチルグアノシンの側から5’位に硫黄原子での修飾を含む、本発明に係る新しい類似体が、酵素Dcp1/2の加水分解活性に抵抗力を有するようになり、したがって、それらがmRNAの安定性、および、ヒーラー細胞株を含む細胞のこのmRNAによってコードされたタンパク質の生合成の効率に影響することを、本発明者らは発見した。Dcp1/2によってキャップの三リン酸架橋の切断部位から遠ざけられた修飾が、キャップ構造をその除去プロセスに抵抗力を有するようにし、mRNAの半減期の増加がもたらされたのは、これが最初である。癌免疫療法における免疫系の特異的活性化の場合のように、供給された合成mRNAに基づいた所望のタンパク質の発現を含む遺伝子治療において、この予期せぬ発見は治療上極めて重要である。したがって、例えば所与の癌タイプに特有のタンパク質をコードする修飾されたmRNA転写物は、この特異性抗原を含む癌細胞に対して免疫系を活性化させるために使用され得る。以下の類似体が、修飾されたmRNAの翻訳特性の観点から特に好ましいことが分かった:mGSpppG(24番)、m7,2’OGSpppG(26番)、mGSpppSG(32番)、mGSpppG D1(30番)、mGSpppG D2(31番)、mGSpppSG D1(33番)、mGSpppSG D2(34番)、および最も好ましいのはm7,2’OGSpppG(26番)であった。
本発明は、式1に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体に関し、
Figure 0007144050000001
式中、
とLは、OとSを含む基から独立して選択され、LとLの少なくとも1つはOではなく;
n=0,1,または2であり;
、X、Xは、O、Sを含む基から独立して選択され;
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルから独立して選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、CH、アルキル、アルケニルまたはアルキニルを含む基から独立して選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、CH、アルキル、アルケニルまたはアルキニルを含む基から独立して選択され;
とYは、CH、CHCl、CCl、CF、CHF、NH、Oを含む基から独立して選択され;
およびBは、以下の式3、4、5、6、または7に係る基である。
Figure 0007144050000002
Figure 0007144050000003
Figure 0007144050000004
Figure 0007144050000005
Figure 0007144050000006
好ましい5’-ホスホロチオラートキャップ類似体は、以下から成る基から選択される:
Figure 0007144050000007
Figure 0007144050000008
より好ましい5’-ホスホロチオラートキャップ類似体化合物は、以下から成る基から選択される:
Figure 0007144050000009
Figure 0007144050000010
本発明はさらに、式2に係る5’-ホスホロチオラート類似体に関し、
Figure 0007144050000011
式中、
m=0,1であり;
n=0,1,または2であり;
はSであり、
、X、Xは、O、Sを含む基から独立して選択され;
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルから独立して選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、アルキル、または置換アルキニルを含む基から独立して選択され;
とYは、CH、CHCl、CCl、CHF、CF、NHおよびOを含む基から独立して選択され;
好ましい5’-干すほろちおらーと類似体は、以下の式13に係る7’-メチルグアノシン 5’-デオキシ-5’-チオグアノシン 5’-ジホスホロチオラートである。
Figure 0007144050000012
本発明はさらに、薬剤として使用するための、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体に関する。
本発明はさらに、脊髄筋萎縮症(SMA)の処置および/またはSMAの症状の緩和のための薬剤として使用するための、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体に関する。
本発明はさらに、薬剤の調製における、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体の使用に関する。
本発明はさらに、脊髄筋萎縮症(SMA)の処置および/またはSMAの症状の緩和のための薬剤の調製における、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体の使用に関する。
本発明はさらに、DcpS活性の調整剤として、好ましくはDcpS酵素活性の阻害剤として、より好ましくはhDcpSの阻害剤としての、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体の使用に関する。
本発明はさらに、mRNA分解の調整および/またはmRNAスプライシングの調整における、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体の使用に関する。
本発明は加えて、以下に示される式10、11および12に係る構造を有する5’-デオキシ-5’-ヨードグアノシンの類似体に関する。
Figure 0007144050000013
Figure 0007144050000014
Figure 0007144050000015
本発明はさらに、式1に係る化合物の調製方法に関し、該方法は:式8に係る5’-ヨードヌクレオシドであり、
Figure 0007144050000016
式中、RとRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、アルキル、または置換アルキルを含む基から独立して選択され;
およびBは、以下の式3、4、5、6、または7に係る基である5’-ヨードヌクレオシドは、
Figure 0007144050000017
Figure 0007144050000018
Figure 0007144050000019
Figure 0007144050000020
Figure 0007144050000021
末端チオリン酸部分を含む、式2に係る5’-ホスホロチオラート類似体に反応し、
Figure 0007144050000022
式中、
m=0,1であり;
n=0,1,または2であり;
はOまたはSであり、
、X、Xは、O、Sを含む基から独立して選択され;
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルを含む基から選択され、
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、アルキル、または置換アルキルを含む基から独立して選択され;
とYは、CH、CHCl、CCl、CHF、CF、NHおよびOを含む基から独立して選択され;
ここで、n=0およびm=1ならば、XはSであり、およびXはOであり;
n=1およびm=0ならば、XはSである;およびXはOであり;
n=1およびm=1ならば、XはSである;およびX、XはOであり;
式1に示されるホスホロチオラートキャップ類似体を形成する工程であって、
Figure 0007144050000023
式中、
とLは、OとSを含む群から独立して選択され、LとLの少なくとも1つはOではなく;
n=0,1,または2であり;
、X、Xは、O、Sを含む基から独立して選択され;
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルを含む基から選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、CH、アルキル、アルケニルまたはアルキニルを含む基から独立して選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、CH、アルキル、アルケニルまたはアルキニルを含む基から独立して選択され;
とYは、CH、CHCl、CCl、CF、CHF、NH、Oを含む基から独立して選択され;
およびBは、以下の式3、4、5、6、または7に示される基である;工程を含む。
Figure 0007144050000024
Figure 0007144050000025
Figure 0007144050000026
Figure 0007144050000027
Figure 0007144050000028
好ましくは、上述の合成法は、式2に係る化合物、式8に係る化合物、およびDBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エンの等モル量を塩基として使用する工程を含む。
本発明はさらに、式2aに係る5’-ホスホロチオラート類似体の調製方法に関し、式9に係るイミダゾリド誘導体は、
Figure 0007144050000029
式中、
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルを含む基から選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、アルキル、または置換アルキルを含む基から独立して選択され;
式2aに示される5’-ホスホロチオラート類似体を形成するために、リン酸トリエチルアンモニウムまたはチオリン酸ナトリウムと反応し、
Figure 0007144050000030
式中、
n=0,1,または2であり;
はOまたはSであり、
とXは、O、Sを含む基から独立して選択され;
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルを含む基から選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、アルキル、または置換アルキルを含む基から独立して選択され;
は、CH、CHCl、CCl、CHF、CF、NHおよびOを含む基から選択される;工程を含む
本発明はさらに、式1に係る化合物の調製方法に関し、該方法は:式9に係るイミダゾリド誘導体であって
Figure 0007144050000031
式中、
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルを含む基から選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、アルキル、または置換アルキルを含む基から独立して選択される;
イミダゾリド誘導体が、末端チオリン酸部分を含む、式2aに示される5’-ホスホロチオラート類似体に反応し、
Figure 0007144050000032
式中、
N=1であり、
はOまたはSであり;
とXは、O、Sを含む基から独立して選択され;
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルを含む基から選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、アルキル、または置換アルキルを含む基から独立して選択され;
は、CH、CHCl、CCl、CHF、CF、NHおよびOを含む基から独立して選択され、
式1に示される5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を形成し;
Figure 0007144050000033
式中、
とLは、OとSを含む群から独立して選択され、LとLの少なくとも1つはOではなく;
n=0,1,または2であり;
、X、Xは、O、Sを含む基から独立して選択され;
は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルから独立して選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、CH、アルキル、アルケニルまたはアルキニルを含む基から独立して選択され;
とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、CH、アルキル、アルケニルまたはアルキニルを含む基から独立して選択され;
とYは、CH、CHCl、CCl、CF、CHF、NH、Oを含む基から独立して選択され;
およびBは、以下の式3、4、5、6、または7に示される基である;工程を含む。
Figure 0007144050000034
Figure 0007144050000035
Figure 0007144050000036
Figure 0007144050000037
Figure 0007144050000038
好ましくは反応は二価金属塩化物の存在下において行なわれ、好ましい二価金属塩化物は塩化亜鉛ZnClである。
イミダゾリド誘導体を用いた合成方法では、好ましくは、リン酸塩基、チオリン酸基、または式2aに示される化合物の1.5倍過剰な、式9に示されるイミダゾリド誘導体を、8倍過剰な二価金属塩化物の存在下において使用する。
本発明はさらに、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含む医薬製剤および薬学的に許容可能な担体に関する。
本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含んだ、本発明に係る医薬製剤、および薬学的に許容可能な担体は、hDcpS活性の阻害特性、好ましくはDcpS活性の阻害特性を有し、およびSMA処置での使用を意図されている。
薬学的に許容可能な担体の選択は、医薬製剤の投与法、および本発明に係る5’-ホスホロチオラート類似体を細胞、組織または有機体に送達する前に分解の不活性化から保護する必要性に依存するだろう。薬学的に許容可能な担体は、溶媒、分散培地および補助的薬剤(被覆剤、界面活性剤、芳香および着香料、酸化防止剤など)を含む。本発明に係る医薬製剤は、注射、経口、局所的投与および直腸投与を含む種々の経路によって投与することができる。医薬製剤の用量は、投与経路、処置または予防薬を要する疾病、および他の関連する状況を考慮して設定される。
本発明はさらに、5’末端に、本発明に係る新規性のある5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含むmRNAに関する。好ましいmRNAは、mGSpppG(24番)、m7,2’OGSpppG(26番)、mGSpppSG(32番)、mGSpppG D1(30番)、mGSpppG D2(31番)、mGSpppSG D1(33番)、mGSpppSG D2(34番)を含む基から選択され、より好ましくはm7,2’OGSpppG(26番)である、5’-ホスホロチオラートキャップ類似体に特徴付けられる。
本発明はさらに、分子の5’-末端に5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含むmRNAの調製方法に関し、該方法は:合成中に、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体をmRNA分子に取り込む工程を含む。
mRNAの好ましい調製方法では、5’-ホスホロチオラートキャップ類似体は、mGSpppG(24番)、m7,2’OGSpppG(26番)、mGSpppSG(32番)、mGSpppG D1(30番)、mGSpppG D2(31番)、mGSpppSG D1(33番)、mGSpppSG D2(34番)を含む基から選択され、より好ましくはm7,2’OGSpppG(26番)である。
mRNAの好ましい調製方法では、mRNAの合成はインビトロ転写を通じて行われる。
本発明はさらに、分子の5’-末端に、本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含むmRNAの調製方法によって調製されたmRNAに関する。
本発明はさらに、タンパク質産生のための、分子の5’-末端に本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含むmRNAの使用に関する。タンパク質産生のためのmRNAの使用は、好ましくは細胞系または非細胞系で行われる。
本発明はさらに、薬剤として使用するための、本発明に係るmRNA、および、分子の5’末端に本発明に係る5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含むmRNAの調製方法に従って調製されたmRNAに関する。そのようなmRNAは好ましくは、脊髄筋萎縮症(SMA)の処置および/またはSMAの症状の緩和のための薬剤として使用される。好ましくは、そのようなmRNAは、癌治療の薬剤として、より好ましくは抗癌免疫療法の薬剤として使用するために利用される。
本発明はさらに、薬剤の製造における、本発明に係るmRNAの使用、および分子の5’末端に本発明に係る5’-ホスホロチオラート類似体を含むmRNAの調製方法に従って調製されたmRNAの使用に関する。好ましい使用では、mRNAは、脊髄筋萎縮症(SMA)の処置、および/またはSMAの症状の緩和のための、癌治療の薬剤として、より好ましくは抗癌免疫療法の薬剤として、薬剤を調製するために使用される。
本発明はさらに、医薬製剤に関し、それは本発明に係るmRNA、および、分子の5’末端に本発明に係る5’-ホスホロチオラート類似体を含むmRNAの調製方法に従って調製されたmRNA、および薬学的に許容可能な担体を含む。
メチル化されていない化合物(GppSGとGpppSG)は、生物学的研究のための対照として合成された。
表1は、発明者らによって初めて得られた、適切に修飾されたヌクレオチドの合成に使用されたアルキル化剤を表記する。表2と表3は、得られた後、生物物理的および生化学的な方法で特徴づけられた5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を表記する。
表2および表3に表記された化合物のうち、SMA処置に関して特に好ましいものは、7-メチルグアノシンの側から5’位に硫黄を含む5’-ホスホロチオラート類似体(化合物12、23、24、25、26、30、31、32、33、34および37番)であり、それはDcpS酵素の存在下における安定性が特徴である。
Figure 0007144050000039
Figure 0007144050000040
Figure 0007144050000041
本明細書に引用された文書、および本明細書で参照された文書もまた、引用によって本明細書に組み込まれる。
本発明のよりよい理解のために、本発明は実施例および添付の図により例示された。
5’-デオキシ-5’-ヨード-グアノシン類似体の合成を例示する。 5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-チオリン酸の合成を例示する。A:グアノシン誘導体の合成、B:7-メチルグアノシン誘導体の合成。 S-アルキル化を介した5’-チオリン酸キャップ類似体の合成を例示する。A:アルキル化反応で使用される末端チオリン酸、B:5’-デオキシ-5’-ヨード-グアノシン(図1)およびAに示される末端チオリン酸を使用したアルキル化反応の体系。 イミダゾリドによる5’-チオリン酸キャップ類似体の合成を例示する。A:該方法で使用される化合物、B:2つの異なる活性化誘導体9番および29番を使用した最終化合物の合成。 DcpSによる天然のジヌクレオチド基質の加水分解、および5’S修飾類似体の安定性試験を例示する。パネルA:DcpSに対する天然のキャップ類似体mGpppGの安定性試験、パネルB:DcpS酵素に対するキャップ類似体20番の安定性試験(表3)、パネルC:DcpS酵素に対するキャップ類似体21番の安定性試験(表3)。 化合物に関するIC50判定の結果を例示する。 GSpppSG D2を有する複合体内の酵素ΔN37hDcpSの活性部位の結晶構造を例示する。 SpDcp1/2デキャッピング酵素でインキュベートされている、様々なキャップ類似体でキャップされた短い26ntのRNA(その5’末端にキャップのない転写物は25nt長である)のDcp1/2酵素活性に対する感受性を例示する。反応は0、5、15、30分間行なわれ、その終了後に、反応混合物は15%の変性のポリアクリルアミドゲル上で分解され、電気泳動の分離が完了した後、ゲルはSYBR-Gold(Invitrogen)で染色された。各パネルでは、左端のレーンが対照を指し、それはキャップされていないRNAである。 図8のデータから判定されたDcp1/2酵素活性に対する相対的な感受性を例示する。Dcp1/2活性に対する相対的な感受性は、5’末端でキャップされたRNAに対応するバンドの強度と、キャップされたおよびキャップされていないRNAに対応するバンドの強度の合計の比率として算出された。全ての数値は、個々のRNAについて0分の時間に対して標準化された。 ウサギの網状赤血球抽出物の5’末端の様々なキャップ類似体でキャップされたウミシイタケルシフェラーゼをコードするmRNAの翻訳効率の測定から得た、相対的な翻訳効率を例示する。 選択された時点における、ルシフェラーゼ活性に基づいて判定されたヒーラー細胞の相対的な翻訳効率を例示する。結果は、5’末端のm 7,2’-OGSpppGまたはm 7,2’-OGpppSGでキャップされたmRNAでトランスフェクトされた細胞の溶解産物に関して測定されたルシフェラーゼ活性と、mGpppGでキャップされたmRNAでトランスフェクトされた細胞の溶解産物に関して測定されたルシフェラーゼ活性の比率として示される。ヒストグラムは、3つの生物学的反復からの平均値を表す。
5’-チオリン酸キャップ類似体の化学合成は、以下の化学に基づいた3つのヌクレオチド合成方法の独創的な組み合わせである:
1)イミダゾリドヌクレオチド誘導体((Abrams and Schiff 1973);(Barnes,Waldrop et al.1983);(Kalek,Jemielity et al.2006)および(Kalek,Jemielity et al.2005)を参照)
2)ヌクレオシド誘導体を含むハロゲンによるS-アルキル化((Arakawa,Shiokawa et al.2003)を参照)
3)末端ヌクレオシドβ-チオ-ジおよびγ-チオ-三リン酸塩の合成((Zuberek,Jemielity et al.2003)を参照)
5’位に硫黄含有キャップ類似体を合成するために、我々は2つの相補的なアプローチを開発し、それは全体として、ヌクレオシドおよびジヌクレオチドキャップ類似体のリン酸塩、二リン酸塩、および三リン酸塩の5’-ホスホロチオエート類似体の全種類の合成を可能にする(図2-4)。アプローチ1(図2、および図3の第1工程)は、β-またはγ-チオリン酸による、5’-デオキシ-5’-ヨードヌクレオシドの求核置換反応を使用するS-アルキル化の反応を含む。5’位に硫黄原子を有するジヌクレオチド化合物を産する第2のアプローチ(図4)は、適切なイミダゾリドヌクレオチドの事前に活性化された形態と二リン酸塩との間の、触媒としてのZnClの存在下における共役反応を使用する(いずれの場合も、望まれた段階でS-アルキル化の反応が使用された)。
第1のアプローチは、末端位置にホスホロチオエート部分を有する、対応するホスホロチオエート(モノ-、ジ―、トリ-)を使用する。この反応のための最適条件は、塩基として等モル量のホスホロチオエート、5’-ヨードヌクレオシドおよびDBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)を使用することである。現在までに、我々はこの方法を使用して、三リン酸架橋のα-βおよびβ-γ位にメチレン修飾を有する2つのユニットを含む、9つの異なるジヌクレオチドキャップ類似体を得た(図3)。
効率的な産生のための第2の方法は、ZnClなどの二価金属塩化物の存在を必要としたが、それはさらに有機培地の溶解度を向上させ、イミダゾリド誘導体の加水分解から保護し、および、イミダゾール誘導体および互いに近接した他の分子のリン酸塩を得ることによって反応速度を加速する。この反応のための最適条件は、DMFにおける8倍過剰なZnClの存在下における二リン酸塩に対して、イミダゾール誘導体の1.5等量の使用であった。第2の方法を使用して、我々はさらに、三リン酸鎖の5’位の2つの硫黄、およびβ-非架橋位置の硫黄を含む9つの5’-ホスホロチオエートキャップ類似体を得た(図4)。これまでに、この種の反応におけるヌクレオチドの5’-ホスホロチオエート類似体の使用が記述されたことはなかった。リン原子に位置する不斉中心の存在により、β-S-硫黄原子を含む各類似体は、ジアステレオマー混合物(RP-HPLCカラムからの溶離順序に従ってD1およびD2と呼ぶ)として得られた。個々のジアステレオマーはRP-HPLCによって分離された。
得られたキャップ類似体は、イオン交換クロマトグラフィー、Sephadex A-25、および精製が十分でない場合は分取HPLCによって精製された。その後、精製された化合物は、その生化学的および生物学的特性に関して試験された。
5’位に硫黄原子を含むキャップ類似体をもたらす合成経路は、図1-4に示される。
その後、得られたキャップ類似体は、ヒト酵素DcpS(hDcpS)の基質として試験された。逆相HPLC(RP HPLC)によって判定されるように、類似体のうち4つのみ:mGppSG(21番)、mGpppSG(22番)、m7,2’-OGpppSG(38番)、およびmGpppSG D1/D2(35-36番)がDcpSによって加水分解される。7-メチル化されたグアノシンの側から5’位に硫黄原子を含む他の類似体は、hDcpSによる加水分解に抵抗力がある(2つの異なる類似体(22番)と(24番)の安定性の比較、図5、表4)。化合物21、22、38番および35-36番とは対照的に、類似体37(mGpCHppSG)は、メチレンビスホスホナート部分でさらに修飾され、さらに酵素hDcpSによる加水分解に抵抗力があった(表5)。その後、蛍光法および蛍光発生的なプローブは、酵素hDcpSを抑制するこれらの化合物の能力の判定のために使用され、同時に酵素活性パラメータIC50に対して抵抗力のある化合物を判定するためにも使用された(特許出願PL406893を参照)。試験後、結果として得た化合物がヒト酵素DcpSの非常によい阻害剤であることが発見された。
類似体34番は試験されたすべてのキャップ類似体の中で、hDcpS酵素に対する最良の阻害特性を示し、酵素の短縮版で共結晶化され(ΔN37hDcpS;完全長の酵素は結晶を形成しなかった)、および複合体の2.05Å融解構造がX線結晶解析で判定された(図7)。複合体構造において観察された類似体34番の構造は、触媒現象的に不活性のH277N hDcpS突然変異体を伴う複合体における非修飾キャップ類似体mGpppG(化合物0番)の構造とはかなり異なっている(Gu,Fabrega et al.2004)。それらの2つのリガンド間の特に実体的な相違は、三リン酸架橋の配列で観察され、結果として触媒中心からの類似体34番のγリン酸塩の排除をもたらした。さらに、C末端領域との典型的なキャップ/DcpS酵素複合体の相互作用に加えて、類似体34は水素結合を介してリジン142およびチロシン143残基と相互に作用する。それらのアミノ酸は、C-とN-末端領域が結合するいわゆるヒンジ領域に位置し、それは触媒回路中で互いに対して移動する。
得られた化合物の構造および純度は質量分析法および1Hと31P NMRによって確認された。
得られた化合物の加水分解が7-メチルグアノシンに隣接しているリン酸基に対する求核攻撃を通じて進むため、mGSpppG(化合物24番)およびその類似体がhDcpSに抵抗力があるという所見は予期しないものであり、これは天然の基質に関して確立された触媒のメカニズムと矛盾しない。
まとめると、本発明は、5’-ホスホロチオエート部分を含むmRNA(キャップ)の5’末端の様々な類似体の構造および合成方法を記載する。記載されるキャップ類似体、酵素DcpSに対するそれらの特性、およびそれらの使用法、特に脊髄筋萎縮症(SMA)の処置および/またはSMAの症状の緩和のための使用のいずれも、これまでに文献に記載されたことはなかった。
選択された類似体は、RNA SP6ポリメラーゼ(New England BioLabs)を用いたインビトロ転写法を用いたmRNA合成に使用された。35のヌクレオチドの長さを有する転写物のプールのどのパーセンテージがキャップ構造を有するのかを検査し、そして次に***酵母からの組換え酵素Dcp1/2による分解に対するこれらの転写物の感受性を検査した(実施例2、試験4、図8、図9、表6)。ルシフェラーゼを(レポーター遺伝子として)コードする完全長の転写物は、ウサギ網状赤血球の溶解産物(図10、実施例2、試験5)、および修飾されたmRNAでトランスフェクトされたヒーラー細胞(図11、実施例2、試験6)における翻訳を受けた。いずれの場合も、双方の翻訳系統におけるmRNA翻訳の効率は、合成されたタンパク質(ルシフェラーゼ)の活性を検査することによって判定された(表6)。
本明細書で使用される用語は、以下の意味を持つ。本明細書に定義されない用語は、本開示および特許出願の明細書の文脈に照らして、当業者によって提示され、および理解される意味を持つ。他で指示されない限り、以下の約束事が本明細書において使用され、用語は以下の定義で示される意味を持つ。
用語「アルキル」は、指示された数の炭素原子を有する、飽和した、または直鎖、または分岐したヒドロカルボニル置換基を指す。アルキル置換基の例は、-メチル、-エチル、-nプロピル、-nブチル、-nペンチル、-nヘキシル、-nヘプチル、-nオクチル、-nノニルおよび-nデシルである。代表的な分岐した-(C1-C10)アルキルは、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、-ネオペンチル、-1- -メチルブチル、-2-メチルブチル、-3-メチルブチル、-1,1-ジメチルプロピル、-1,2-ジメチルプロピル、-1-メチルペンチル、-2-メチルペンチル、-3-メチルペンチル、-4-メチルペンチル、-1-エチルブチル、-2-エチルブチル、-3-エチルブチル、-1,1-ジメチルブチル、-1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、-2,2-ジメチルブチル、-2,3-ジメチルブチル、-3,3-ジメチル-ブチル、-1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、-3-メチルヘキシル、-4-メチルヘキシル、-5-メチルヘキシル、-1,2-ジメチルペンチル、-1,3-ジメチルペンチル、-1,2-ジメチルヘキシル、-1,3-ジメチルヘキシル、-3,3-ジメチルヘキシル、1,2-ジ-メチルヘプチル、-1,3-ジメチルヘプチル、および-3,3-ジメチルヘプチル、およびその他を含む。
用語「アルケニル」は、飽和した、または直鎖、または分岐した非環式ヒドロカルビル置換基を指し、それは指示された数の炭素原子を有し、および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む。アルケニル置換基の例は、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、-1-ヘキセニル、-2-ヘキセニル、-3-ヘキセニル、-1-ヘプテニル、-2-ヘプテニル、-3-ヘプテニル、-1-オクテニル、-2-オクテニル、-3-オクテニル、-1-ノネニル、-2-ノネニル、-3-ノネニル、-1-デケニル、-2-デケニル、-3-デケニル、およびその他である。
用語「アルキニル」は、飽和した、または直鎖、または分岐した非環式ヒドロカルビル置換基を指し、それは指示された数の炭素原子を有し、および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む。アルキニル置換基の例は、アセチレニル、プロピニル、-1-ブチニル、-2-ブチニル、-1-ペンチニル、-2-ペンチニル、-3-メチル-1-ブチニル、4-ペンチニル、-1-ヘキシニル、-2-ヘキシニル、-5-ヘキシニル、およびその他である。
用語「異種原子」は、酸素、硫黄、窒素、リン、およびその他の基から選択された原子を指す。
用語「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを指し、および「HPLC」用の溶媒として指定された溶媒は、HPLC解析(高速液体クロマトグラフィー)に適した純度の溶媒を指す。
用語「NMR」は核磁気共鳴を意味する。
用語「細胞系」は、RNA鋳型でタンパク質生合成プロセスを行なうことができる細胞を指す。
用語「非細胞系」は、RNA鋳型に基づいたタンパク質生合成に必要な全ての成分、通常は動物または植物の細胞の溶解産物を含む生物混合物を意味する。
以下の実施例は、本発明を例示し、およびその様々な態様について説明するためだけに提供され、本発明を制限するためのものではなく、および添付された特許請求の範囲において定義されるその全ての範囲と同一視されるべきでない。以下の実施例は、他で指示されない限り、当分野で使用される標準的な物質および方法、または特定の物質と方法に関してメーカーによって推奨される手順の使用を含んだ。
<新たなキャップ類似体の合成、単離および特性評価に関する一般的な情報>
中間物であるヌクレオチドは、脱イオン水中で重炭酸トリエチルアンモニウム(TEAB)の直線勾配を使用し、DEAE Sephadex A-25(HCO3-form)におけるイオン交換クロマトグラフィーによって精製された。減圧下での蒸発の間にTEAB緩衝液を分解するために96%のエタノールを数回添加し、その後に中間物はトリエチルアンモニウムの塩として単離された。最終的な生成物(キャップ類似体)は同じ方法で精製され、次にセミ分取HPLCによって精製され、および凍結乾燥を数回受け、アンモニウム塩として単離された。分析逆相HPLC(RP HPLC)はAgilent Technologies Series 1200の装置で、0.05Mの酢酸アンモニウム(pH5.9)中の0%-25%のメタノール(プログラムA)または0.05Mの酢酸アンモニウム(pH5.9)中の0%-50%のメタノール(プログラムB)の直線勾配を備える、Supelcosil LC-18 RPTカラム(4.6ラ250mm、フロー1.3ml/分)を用いて行われた。溶出された化合物は、UV-VIS検出器(260nmで)および蛍光検出器(励起260nm、放射370nm)を使用して検知された。分取RP HPLCは、移動相として0.05Mの酢酸アンモニウム(pH5.9)中のアセトニトリルの直線勾配を使用し、Discovery RP Amide C16カラム(21.2mm×250mm、フロー5.0ml/分)を使用して、同じ装置で行われた。1H NMRおよび31P NMRスペクトルはそれぞれ、399.94MHzおよび161.90MHzの周波数で、Varian UNITY-plusにおいて25℃で記録された。1H NMR化学シフトは、D2O(内部標準)のTSP(3-トリメチルシリル[2,2,3,3-D4]プロピオン酸ナトリウム)に伝えられた。31P NMR化学シフトは、D2O(外部標準)の20%のリン酸塩に伝えられた。陰イオンモード[MS ESI(-)]または陽イオンモード[MS ESI (+)]における高解像度質量スペクトルを、Micromass QToF 1 MSに記録した。蛍光プレート読取り機の読取りを、480nmの励起および535nmの放射で、Tecan Infinit 200(登録商標)PROで行なった。サンプルは黒色96ウェルプレート(Greiner)に置かれた。結晶は、分注ロボットMosquito Crystal(TTp Labtech)を利用して、3つのレンズウェル(Swissci)を備えた96ウェルプレート上で行なわれた。溶媒および他の試薬はシグマ・オールドリッチから購入し、以下で指示されない限り、さらなる精製を行うことなく使用した。GMPとGDPの市販されているナトリウム塩は、Dowex 50 WX8で、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、トリエチルアンモニウム塩に変えられた。トリエチルアンモニウム塩、およびmGMPとmGDPのナトリウム塩、mGMP-ImとmGDP-Imを、文献に記載のようにして得た(Kalek,Jemielity et al.2005),(Jemielity,Fowler et al.2003)。5’-デオキシ-5’-ヨード-グアノシン、5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-モノチオホスファート、およびトリエチルアミンホスホロチオエートを、文献に記載のようにして得た((Arakawa,Shiokawa et al.2003),(Zuberek,Jemielity et al.2003))。mGpCH2p トリエチルアンモニウム塩を、文献に記載のように調製した(Kalek,Jemielity et al.2006)。GpCHppSを、記載されているように調製した(Kowalska,Ziemniak et al.2008)。
以下の実施例において、特定の化合物に対する括弧内に、特定の置換基を示す図と数への参照が与えられ、それは特定のキャップ類似体に対する特定の数に一致する。
<実施例1>
新しいキャップ類似体の合成および単離
5’-ヨードヌクレオシド誘導体(図1、3番、4番)の合成の一般的な方法
ヨウ素(3mmol、M=253.81g/mol)を、室温で、N-メチル-2-ピロリジノン(ヌクレオシド0.25mol/l濃度まで)中の、対応するヌクレオシド(1mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol、M=262.29g/mol)およびイミダゾール(6mmol、M=68.08g/mol)の磁気的に撹拌された懸濁液に、5分以上加えた。その反応は3時間以上行なわれ、反応の進行はRP HPLCを使用してモニタリングされた。次いで、反応混合物をCHCl:HO(3:1、v/v)の溶液に注ぎ、反応混合物を12回希釈した。白色の結晶性の沈殿物が、2つの層の界面で4℃で24時間のあいだに形成された。沈殿物を減圧下で濾過し、塩化メチレンで洗浄し、P上で真空中で乾燥した。
5’-デオキシ-5’-ヨード-グアノシン(図1、3番)
グアノシン(図1、1番)(10g、35.3mmol)から出発して、一般的な手順に従い、5’-デオキシ-5’-ヨード-グアノシン(図1、3番)、(10.4g、26.5mmol、75%)を得た。t(B)=12.36分;
H NMR(400MHz、DMSO-d)δppm 10.65(s、1H、H-1)、7.89(s、1H、H-8)、6.47(bs、2H、NH2)、5.68(d、1H、J=6.26、Hz、H-1’)、5.51(d、1H、J=6.26 Hz、2’-OH)、5.35(d、1H、J=4.70Hz、3’-OH)、4.59(q、1H、J=5.48 Hz、H-2’)、4.03(q、1H、J=5.09、3.13 Hz、H-3’)、3.90(dt、1H、J=6.26、3.13 Hz、H-4’)、3.53(dd、1H、J=6.26、5.87 Hz、H-5’)、3.39(dd、1H、J=10.17、6.65 Hz、H-5’);HRMS ESI(-)calcd.m/z for C1011IN 、(M-H);391.9861、found 391.98610
5’-デオキシ-5’-ヨード-2’-O-メチル-グアノシン(図1、4番)
2’-O-メチルグアノシン(図1、2番)(300mg、1.0mmol)から出発して、一般的な手順に従い、2’-O-メチル-5’-デオキシ-5’-ヨード-グアノシン(図1、4番)、(328.8mg、0.81mmol、80%)を得た。t(B)=14.44分;
H NMR(400 MHz、DMSO-d)δppm 7.95(s、1H、H-8)、6.50(bs、2H、NH2)、5.81(d、1H、J=6.41 Hz、H-1’)、5.50(d、1H、J=5.34 Hz、3’-OH)、4.41、4.40(2d、1H、J=6.26、6.41 Hz、H-2’)、4.28-4.25(m、1H、H-3’)、3.97、3.96(2t、1H、J=6.56、3.05 Hz、H-4’)、3.56(dd、1H、J=6.41、10.38 Hz、H-5’)、3.43(dd、1H、J=10.53、6.87、6.71 Hz、H-5’)、3.30(s、3H、CH);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C1113IN [M-H]: 406.0090、found 406.0021.
5’-デオキシ-5’-ヨード-7-メチルグアノシン(図1、5番)
5’-デオキシ-5’-ヨード-グアノシン(図1、3番)(2g、5.09mmol)を無水DMF(20mL)に溶解し、Mel(2.5mL、40.7mmol)を加えた。反応混合物を室温でマグネチックスターラーにて撹拌した。反応の進行をRP HPLCによってモニタリングした。出発物質が観察されなかった場合、水(10mL)を加えることにより反応を停止させ、過剰なヨウ化メチルを真空下で蒸発させ、反応混合物を減圧下で濃縮した。その後、残る粗生成物に、CHCl(100mL)を加え、黄色の沈殿物を形成した。沈殿物を減圧下で濾過し、CHCl(3×20mL)で洗浄し、P10上で真空中で24時間乾燥した。収量1.6g(77.0%)。t(B)=11.94分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 5.98(d、1H、J=3.91 Hz、H-1’)、4.81(dd、1H、J=4.70 Hz、H-2’)、4.31(t、1H、J=5.09、H-3’)、4.15(q、1H、J=5.48、H-4’)、4.07(s、3H、CH)、3.50-3.62(m、2H、J=4.70、5.87 Hz、H-5’);
HRMS ESI(+) calcd. m/z C1115IN4+ [M+H]:408.01687、found 408.01163.
5’-デオキシ-5’-ヨード-2’-O-メチル-7-メチルグアノシン(図1、6番)
5’-デオキシ-5’-ヨード-2’-O-メチルグアノシン(図1、4番)(200.8mg、0.49mmol)を無水DMSO(3.3mL)に溶解し、Mel(0.25mL、3.9mmol)を加えた。反応混合物を室温でマグネチックスターラーにて撹拌した。反応の進行をRP HPLCによってモニタリングした。出発物質が観察されなかった時、水(10mL)を加えることにより反応をクエンチさせ、pHをNaHCOを用いて中性に調整し、過剰なヨウ化メチルをジエチルエーテルで抽出し、水相をプールし(polled)、続いて混合物を濃縮し、分取HPLCで精製して、45.8mgの化合物(77%)を得た。t(B)=11.94分;
H NMR(400 MHz、DMSO-d)δppm 9.03(s、1H、H-8)、6.39(bs、2H、NH2)、5.95(d、1H、J=4.27 Hz、H-1’)、4.40(t、1H、J=4.58 Hz、H-2’)、4.24(t、1H、J=4.88 Hz、H-3’)、4.08-4.06(m、1H、H-4’)、4.02(s、3H、CH)、3.59(dd、1H、J=5.19、4.88、10.68 Hz、H-5’)、3.50(dd、1H、J=7.93、7.63、10.68 Hz、H-5’)、3.41(s、3H、CH);
HRMS ESI(-) calcd. m/z C1215IN [M-H]: 420.01741、found:420.01758.
グアノシン5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-モノホスホロチオラート(図2、7番)
100mLのDMF:HO混合物(1:1、v/v)中の5’-デオキシ-5’-ヨードグアノシン(図2、3番)(2.0g、5.1mmol)の懸濁液に、チオリン酸三ナトリウム(4.6g、25.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。沈殿物を濾過によって除去し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を50mLの水に溶解し、過剰なチオリン酸三ナトリウムを100mLのメタノールを追加することにより沈殿させた。分離後、粗生成物をSephadexのイオン交換クロマトグラフィーによって精製した。生成物を凍結乾燥した。収量1.9g(64%)。t(B)=4.24分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.05(s、1H、H-8)、5.89(d、1H、J=5.73 Hz、H-1’)、4.85(dd、1H、J=5.48 Hz、H-2’)、4.51(2d、1H、J=4.98、4.23 Hz、H-3’)、4.33-4.39(m、1H、H-4’)、3.16-3.08(m、2H、Hz、H-5’);
31P NMR(162MHz、DO)δppm 15.42(s、1P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z C1013PS [M-H]: 378.02788、found: 378.02828.
グアノシン5’-デオキシ-5’-チオ-7-メチルグアノシン-5’-モノホスホロチオラート(図2、8番)
100mLのDMF中の5’-デオキシ-5’-ヨード-7-メチルグアノシン(図2、6番)(2.0g、4.92mmol)の懸濁液に、チオリン酸三ナトリウム(4.43g、24.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌した。沈殿物を除去し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を50mLの水に溶解し、過剰なチオリン酸三ナトリウムをメタノール(100mL)を追加することにより沈殿させた。分離後、粗生成物をSephadexのイオン交換クロマトグラフィーによって精製した。生成物を凍結乾燥した。収量1.55g(53%)。t(B)=4.64分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 7.85(s、1H、H-8)、5.89(d、1H、J=3.74 Hz、H-1’)、4.78-4.75(m、1H、H-2’)、4.43-4.39(m、2H、H-3’、H-4’)、4.09(s、3H、CH)、3.08-2.94(m、2H、Hz、H-5’);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 14.45(s、1P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z C1115PS [M-H]:392.04353、found: 392.04378.
グアノシン5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-モノホスホロチオラートイミダゾリド(図2、9番、10番)の合成の一般的な手順
適切な出発化合物(ヌクレオチドTEA塩)(1mmol)をDMF(ヌクレオチド濃度0.15Mまで)中のイミダゾール(10mmol)および2,2’-ジチオジピリジン(3mmol)と混合した。次に、トリエチルアミン(3mmol)およびトリフェニルホスフィン(3mmol)を加え、混合物を室温で24時間撹拌した。乾燥アセトン(~添加したDMFよりも10倍大きい量)中のNaClOの無水溶液(リン酸塩部分ごとに4mmol)を添加した結果、反応混合物から生成物が沈殿した。4度まで冷却した後に、沈殿物を濾過し、冷たい乾燥アセトンで洗浄し、P10上で真空中で乾燥させた。
グアノシン5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-モノホスホロチオラートイミダゾリド(図2、9番)
5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-モノホスホロチオエート(図2、7番)(500mg、0.86mmol)から出発して、一般的な手順に従って、グアノシン5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-モノホスホロチオエートイミダゾリド(図2、9番)(352mg、0.75mmol、89%)を得た。t(B)=8.27分;
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 11.69(m、1P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C1315PS [M-H]:428.05476、 found 428.05452.
5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-7-メチルグアノシン-5’-モノホスホロチオラートイミダゾリド(図2、10番)
5’-デオキシ-5’-チオ-7-メチルグアノシン-5’-モノホスホロチオエート(図2、8番)(500mg、0.84mmol)から出発して、一般的な手順に従って、5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-7-メチルグアノシン-5’-モノホスホロチオエートイミダゾリド(図2、10番)(321mg、0.69mmol、82%)を得た。t(B)=8.39分;
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C1417PS [M-H]: 442.07041、found 442.07070.
グアノシン5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-ジホスホロチオラート(図2、11番)
グアノシン5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-モノホスホロチオエートイミダゾリド(図2、9番)(100mg、0.22mmol)を無水DMF(2mL)に溶解し、トリス(トリエチルアンモニウム)リン酸塩(100mg、0.26mmol)を加え、続いてZnCl2(235.84mg、1.76mmol)を加えた。反応の進行をRP-HPLCで制御した。反応混合物を、出発物質が消失するまで室温で撹拌した。次いで、EDTAの水溶液(513.92mg、1.76mmol、50mL)を加えることにより反応を停止させ、1MのNaHCOで中和した。粗生成物をDEAE-Sephadexのイオン交換クロマトグラフィーによって精製し、TEA塩類として単離した。収量:108.5mg(0.14mmol、65%);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C101410 [M-H]:457.99421、 found 457.99481.
5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-7-メチルグアノシン-二リン酸塩(図2、12番)
5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-7-メチルグアノシン-5’-モノホスホロチオエートイミダゾリド(図2、10番)(100mg、0.21mmol)を無水DMF(2mL)に溶解し、トリス(トリエチルアンモニウム)-リン酸塩(100mg、0.26mmol)を加え、続いてZnCl2(224.54mg、1.68mmol)を加えた。反応の進行をRP-HPLCで制御した。反応混合物を、出発物質が消失するまで室温で撹拌した。その後、その反応は、EDTA(490.56mg、1.68mmol、50mL)の水溶液の追加によって止められ、1M NaHCOで中和された。粗生成物をDEAE-Sephadexのイオン交換クロマトグラフィーによって精製し、TEA塩類として単離した。収量:91mg(0.12mmol、54%)、t(B)=5.07分、
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.11(s、1H、H-8 ゆっくりと交換可能)、5.97(d、1H、J=3.91 Hz、H-1’)、4.50、4.49(2d、1H、J=5.09 Hz、H-2’)、4.41(q、1H、J=5.48,5.09 Hz、H-3’)、4.07(s、3H、CH)、3.34-3.13(m、3H、H-4’、H-5’);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 6.71(d、1P、J=30.81 Hz)、8.21(d、1P、J=30.81 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C111610S- [M-H]: 472.00986、found 472.00967.
グアノシン5’-デオキシ-5’-チオ-7-メチルグアノシン-2’-ジホスホロチオラート(図2、13番)
5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-7-メチルグアノシン-5’-モノホスホロチオエートイミダゾリド(図2、10番)(100mg、0.21mmol)を無水DMF(2mL)に溶解し、チオリン酸ナトリウム(47mg、0.26mmol)を加え、続いてZnCl2(224.54mg、1.68mmol)を加えた。反応の進行をRP-HPLCで制御した。反応混合物を、出発物質が消失するまで室温で撹拌した。その後、その反応は、EDTA(490.56mg、1.68mmol、50mL)の水溶液の追加によって止められ、1M NaHCOで中和された。粗生成物をDEAE-Sephadexのイオン交換クロマトグラフィーによって精製し、単離されたTEA塩類を直ちに共役反応に使用した。収量:110mg(0.13mmol、64%);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C1116- [M-H]: 487.98702、found 487.98724.
Sアルキル化による5’-Sキャップ類似体の合成
一般的な手順
ヌクレオシド末端のチオリン酸TEA塩(1当量)をDMSO(濃度約0.1-0.2Mまで)中で懸濁させた。次いで、DBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)(1当量)および5’-ヨードグアノシン(1当量)の誘導体を加えた。反応の進行をRP HPLCによってモニタリングした。1%酢酸をpH=7まで加えることによって末端チオリン酸塩からのシグナルがなくなった後に反応を停止させ、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄した。生成物をDEAE-Sephadexのイオン交換クロマトグラフィーによって精製し、トリエチルアンモニウム塩として単離した。生成物を半分取(semi-preparative)RP-HPLCにより精製した。
P1-(グアノシン-5’-イル)-P2-(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)二リン酸塩 -GppSG(図3、19番)
GDPβS(図3、14番)、(506mOD、0.042mmol)から出発して、一般的な手順に従って、GppSG(207mOD、0.009mmol、24%)を得た。RpHPLC:t(A)=6.9分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 7.96(s、1 H)、7.81(s、1 H)、5.77(d、1 H、J=5.48 Hz)、5.70(d、1 H、J=5.87 Hz)、4.80-4.70(m、2H、水シグナルと重なる)、4.64(t、1 H、J=5.48 Hz)、4.43(t、1 H、t、J=3.91 Hz)、4.37(t、1 H、J=3.91 Hz)、4.30-4.15(m、4H)、3.30-3.13(m、2 H);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.63(d、1P、J=32.28、12.5 Hz)、-12.02(d、1P、J=30.81 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C20251014 [M-H]:723.07531、found 723.07546.
P1-(7-メチル-グアノシン-5’-イル)-P2-(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-二リン酸塩 -mGppSG(図3、21番)
GDPβS(図3、17番)、(5830mOD、0.51mmol)から出発して、一般的な手順に従って、mGppSG(1028mOD、0.045mmol、9%)を得た。RP-HPLC:t(A)=5.9分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.98(s、1 H、H-8 mG)、7,87(s、1 H、H-8 G)、5.88(d、1 H、J=2.0 Hz、H-1’ mG)、5.73(d、1 H、J=5.7 Hz、H-1’ G)、4.69(t、1 H、J=5.5 Hz、H-2’ G)、4.51(bs.、1 H、H-2’ mG)、4,32 - 4.44(m、5 H、H-3’ G、H-3’ mG、H-4’ G、H-4’ mG、H-5’ mG)、4.24(dd、1 H、J=11.3、5.4 Hz、H5” mG)、4.04(s、3 H、CH)、3.24 - 3.41(m、2 H、H5’、5” G);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.38(dt、1P、 J=29.0、11.5 Hz)、-12.00(d、1P、J=32.23 Hz);
HRMS ESI( ) calcd. m/z for C21271014 [M-H]: 737.09096、found 737.09052.
P1-(7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-P2-グアノシン-5’-イル-二リン酸塩 -mGSppG(図3、23番)
GDPβS(図3、14番;2532mOD、0.21mmol)から出発して、一般的な手順に従って、mGSppG(1660mOD、0.073mmol、35%)を得た。RP-HPLC:t(A)=7.75分;
H NMR(400 MHz, DO)δppm 7.99(s、1 H、H-8 G)、5.83(d、1 H、J=4,2 Hz、H-1’ mG)、5.80(d、1 H、J=6.0 Hz、H-1’ G)、4.65-4.70(2 H、m、H-2’ G、H-2’ mG)、4.45(t、1 H、J=4.1 Hz、H-3’ G)、4.19-4.41(5 H、m、H-3’ mG、H-4’ G、H-4’ mG、H5’、5” G)、4.05(s、3 H、CH)、3.35-3.43(m、2 H、H5’、5” mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.32(dt、1P、J=29.0、11.0 Hz)、-11.84(d、1P、J=29.00 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21271014 [M-H]:737.09096、found 737.09146.
P1(グアノシン-5’-イル)-P3(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-三リン酸塩 -GpppSG(図3、20番)
GTPγS(図3、15番;1233mOD、0.10mmol)から出発して、一般的な手順に従って、GpppSG(1149mOD、0.051mmol、51%)を得た。RP-HPLC:t(A)=5.50分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.02(s、1 H、H-8 G)、7.90(s、1 H、H-8 G)、5.82(d、1 H、J=6.0 Hz、H-1’ G)、5.78(d、1 H、J=6.2 Hz、H-1’ G)、4.84(t、1 H、J=5.7 Hz、H-2’ G)、4.74(t、1 H、J=5.7 Hz、H-2’ G)、4.52(t、1 H、J=4.2 Hz、H-3’ G)、4.47(t、1 H、J=4.3 Hz、H-3’ G)、4.30-4.38(m、2 H、H-4’、5’ G)、4.27(m、2 H、H-4’、5” G)、3.25-3.35(m、2 H、H5’、5” G);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 8.21(dt、1P、J=27.00、13.3 Hz)、-11.34(d、1P、J=19.30 Hz)、-23.78(dd、1P、J=27.00、19.30 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C20261017 [M-H]:803.04164、found 803.04135.
P1-(7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-P3-グアノシン-5’-イル-三リン酸塩 -mGSpppG(図3、24番)
GTPγS(図3、15番;3000mOD、0.25mmol)から出発して、一般的な手順に従って、mGSpppG(729mOD、0.032mmol、13%)を得た。RP-HPLC:t(A)=5.36分;
H NMR(400 MHz, DO)δppm 8.92(s、1 H、H-8 mG)、7.96(s、1 H、H-8 G)、5.78(d、1 H、J=4.30 Hz、H-1’ mG)、5,74(d、1 H、J=5.87 Hz、H-1’ G)、4.63(m、2 H、H-2’ G、H2’ mG)、4,48(dd、1 H、J=4.43、3.52 Hz、H-3’ mG)、4.36-4.26(m、4 H、H-3’ G、H-4’ G、H-4’ mG、H-5’ G)、4.24 -4.19(m、1H、H-5” G)、4.00(s、3 H、CH)、3.33-3.24(2 H、m、H-5’、5” mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.57(d、1P、J=27.88 Hz)、-11.68(d、1P、J=20.54 Hz)、-24.00(dd、1P、J=29.35、22.01 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281017 [M-H] 817.05729、found 817.05494.
P1-(7-メチル-グアノシン-5’-イル)-P3 -(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-三リン酸塩 -mGpppSG(図3、22番)
GTPγS(図3、18番;2616mOD、0.23mmol)から出発して、一般的な手順に従って、mGpppSG(1582mOD、0.07mmol、32%)を得た。RP-HPLC:t(A)=6.06分;
H NMR(400 MHz, DO)δppm 9.02(s、1 H、H-8 mG)、7.87(s、1 H、H-8 G)、5.84(d、1 H、J=3.52 Hz、H1’ mG)、5.70(d、1 H、J=6.65 Hz、H-1’ G)、4.80-4.67(m、1 H、H-2’ G)、4.52(t、1 H、J=4.30 Hz、H-2’ mG)、4.41(dd、2 H、J=4.70、4.30 Hz、H3’ G、H3’ mG)、4.38-4.30(m、2 H、H-4’ G、H-4’ mG)、4.36-4.31 m、2H、H5’ mG)、4.02(s、3 H、CH)、3.30-3.20(m、2 H、J=12.6、6.3 Hz、H5’、5” G); 31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.66(d、1P、J=29.35 Hz)、-11.73(d、1P、J=22.01 Hz)、-23.95(dd、1P、J=22.01、27.88 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281017 [M-H]: 817.05729、found 817.05748.
P1 -(2’-O-メチル-7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-P3-グアノシン-5’-イル 三リン酸塩m 7,2’-OGSpppG(図3、26番)
GTPγS(図3、15番;1500mOD、0.12mmol)から出発して、一般的な手順に従って、m 7,2’-OGSpppG(140mOD、0.006mmol、5%)を得た。RP-HPLC:t(A)=7.89分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 7.93(s、1H、G)、5.81(d、1H、J=3.91 Hz、H-1’ mG)、5.72(d、1H、J=6.26 Hz、H-1’ G)、4.65(t、1H、J=5.48 Hz、H-2’ mG)、4.43-4.40(m、1H、H-2’、G、H-3’ mG)、4.32-4.18(m、6H、H-3’ G、H-4’、H-5’、G、mG)、4.01(s、3H、CH)、3.52(s、3H、OCH);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.35(d、1P、J=26.41 Hz)、-11.68(d、1P、J=19.07 Hz)、-24.02、-24.18(2d、1P、J=26.41、19.07 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C22301017 [M-H] 831.07294、found 831.07477.
P1-(7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-P3-グアノシン-5’-イル-2,3メチレン三リン酸塩 -mGSppCH2pG(図3、25番)
GpCH2ppγS(図3、16番;717mOD、0.06mmol)から出発して、一般的な手順に従って、mGSppCH2pG(353mOD、0.016mmol、27%)を得た。RP-HPLC:t(A)=6.36分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 9.03(s、1H、H-8、mG)、8.17(s、1H、G)、5.83(d、1H、J=4.30 Hz、H-1’ mG)、5.78(d、1H、J=4.48 Hz、H-1’ G)、4.70-4.66(m、2H、H-2’ mG、H-2’、G)、
4.46(d、1H、J=3.91、5.09 Hz、H-3’、G)、4.38-4.33(m、2H、H-3’、mG、H-4’、G)、4.32-4.28(m、1H、H-4’、mG)、4.26-4.20(m、1H、H-5’、G)、4.19-4.13(m、1H、H-5” G)、4.02(s、3H、CH)、3.34-3.22(m、4H、H-5’、G、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 31P NMR(162 MHz、DO)δppm 17.03(d、1P、J=10.27 Hz)、7.47-6.97(m、2P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C22301016P3S- [M-H] 815.07803、found 815.07923.
イミダゾリドを介する5’-S-キャップ類似体の合成
一般的な手順
5’S-GMP-Im(図2、9番)(Na塩、50mg、0.11mmol)、および適切な二リン酸塩(1mmol):
7,2’-OGDP(図4、28番)、mGpCH2p(図4、27番)、m7-5’S GDP(図2、12番)、mGSppβS(図2、13番)、またはmGDPβS(図3、17番)を、無水DMF(1.0mL)中に懸濁させ、続いて、無水ZnCl2(95mg、10eq、0.7mmol)を追加した。試薬が溶解するまで、反応混合物を激しく振盪した。反応の進行をRP HPLCによってモニタリングした。完了(24時間)後、適切な量のEDTA溶液(Na2EDTA、237mg、0.7mmol)を加え、固体のNaHCOでpHを6に調節し、続いて、DEAE-Sephadexによるイオン交換クロマトグラフィーによる粗生成物を精製し、TEA塩として単離した(または分取HPLCにより直接精製した)。生成物をRP-HPLCによってさらに精製した。
P1-(2’-O-メチル-7-メチル-グアノシン-5’-イル)-P3-(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-三リン酸塩 -m 7,2’-OGpppSG(図4、38番)
7,2’-OGDP(図4、28番;912mOD、0.08mmol)から出発して、一般的な手順に従って、m 7,2’-OGpppSG(122mOD、0.005mmol、6%)を得た。RP-HPLC:t(A)=6.29分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 9.00(s、1H、H-8 mG)、7.88(s、1H、G)、5.87(d、1H、J=2.74 Hz、H-1’ mG)、5.69(d、1H、J=6.65 Hz、H-1’ G)、4.64(t、1H、J=5.48 Hz、H-2’ mG)、4.48(dd、1H、J=4.48 Hz、H-2’、G)、4.43-4.38(m、2H、H-3’,G、H-3’、mG)、4.36-4.32(m、1H、H-4’、G)、4.30-4.26(m、1H、H-4’、mG)、4.25-4.16(m、2H、H-5’、G)、4.03(s、3H、CH)、3.53(s、3H、OCH)、3.30-3.22(m、2H、H-5’、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.68(d、1P、J=27.88 Hz)、-11.68(d、1P、J=20.54 Hz)、-23.78、-23.94(2d、1P、J=27.88、19.07Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C22301017 [M-H] 831.07294、found 831.07350.
P1-(7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-P3-グアノシン-5’-イル-1,2-メチレン三リン酸塩 -mGpCH2ppSG(図4、37番)
GpCH2p(図4、27番;2052mOD、0.18mmol)および5’-S-GMP-Im(122mg、0.27mmol)から出発して、一般的な手順に従い、mGpCH2ppSG(1002mOD, 0.044mmol、25%)を得た。RP-HPLC:t(A)=6.26分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 9.31(s、1H、H-8、mG)、8.02(s、1H、G)、5.90(d、1H、J=3.13 Hz、H-1’ mG)、5.75(d、1H、J=5.87 Hz、H-1’ G)、4.80-4.70(m、2H、溶媒シグナルと重なる、H-2’ mG、H-2’、G)、4.58(dd、1H、J=3.91、3.48 Hz、H-3’、G)、4.48(t、1H、H-3’、mG)、4.40(dd、1H、J=3.91、4.06、H-4’、G)、4.37-4.29(m、3H、H-4’、mG、H-5’、G)、4.19-4.13(m、2H、H-5’、G)、4.03(s、3H、CH)、3.30-3.19(m、2H、H-5’、G、mG)、2.40(t、2H、J=20.35 Hz、CH2);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 17.11(d、1P、J=8.80 Hz)、7.64-6.76(m、2P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C22301016 [M-H] 815.07803、found 815.07906.
P1-(7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノジ-5’-イル)-P3-(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-三リン酸塩 -mGSpppSG(図4、32番)
m7-5’S-GDP(57mg、0.07mmol)および5’S-GMP-Im(50mg、0.11mmol)から出発して、一般的な手順に従い、mGSpppSG(768 mOD、32mg、0.028mmol、40%)を得た。RP-HPLC:t(A)=6.80分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.38(s、1H、H-8 mG ゆっくりと交換可能)、7.84(s、1H、G)、5.78(d、1H、J=4.70 Hz、H-1’ mG)、5.69(d、1H、J=6.65 Hz、H-1’ G)、4.64(t、1H、J=4.70 Hz、H-2’ mG)、4.40、4.39(2d、1H、J=2.74、3.52、4.40 Hz、H-3’、G)、4.36-4.29(m、3H、H-4’ G、H-5’、G)、3.99(s、3H、CH)、4.37-4.28(m、3H、H-4’、H-5’、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 7.74(t、2P、J=27.88)、-24.61(t、1P、J=29.35 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281016 [M-H] 833.03445、found 833.03550.
P1-(7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-P3-グアノシン-5’-イル-2 チオ三リン酸塩 -mGSppspG D1/D2(図4、それぞれ30番、31番)
GSppβS(56mg、0.07mmol)および5’S-GMP-Im(50mg、0.11mmol)から出発して、一般的な手順に従い、mGSpppG(1080mOD、45mg、0.039mmol、56%)をジアステレオ異性体D1/D2の混合物として得た。ジアステレオ異性体をRP-HPLCを用いて分離し、アンモニウム塩として単離した。D1(図4、30番):
(438mOD、18mg、0.016mmol、23%)RP-HPLC:t(A)=6.56分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.98(s、1H、H-8、mG)、8.08(s、1H、G)、5.82(d、1H、J=4.27 Hz、H-1’ mG)、5.77(d、1H、J=5.80 Hz、H-1’ G)、4.67-4.65(m、2H、H-2’ mG、H-2’、G)、4.49-4.47(m、1H、H-3’、G)、4.39-4.35(m、1H、H-3’、mG、H-4’、G)、4.33-4.23(m、3H、H-4’、mG、H-5’、G)、4.02(s、3H、CH)、3.38-3.25(m、2H、H-5’、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 29.18(dd、1P、J=34.83、27.37 Hz)、6.96(dt、1P、J=34.83、12.44 Hz)、-12.37(d、1P、J=27.37 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21H28N10O16P3S2- [M-H]: 833.03445、found 833.03549;
D2(図4、31番):mGSpppG D2(380 mOD,16mg,0.014mmol, 20%) RP-HPLC:t(A)=6.71分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.98(s、1H、H-8、mG)、8.14(s、1H、G)、5.82(d、1H、J=4.27 Hz、H-1’ mG)、5.77(d、1H、J=5.49 Hz、H-1’ G)、4.69-4.65(m、2H、H-2’ mG、H-2’、G),4.49-4.45(m、1H、H-3’、G)、4.40-4.35(m、1H、H-3’、mG、H-4’、G)、4.34-4.21(m、3H、H-4’、mG、H-5’、G)、4.03(s、3H、CH)、3.39-3.24(m、2H、H-5’、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 29.44-28.67(m、1P)、7.17-6.54(m、1P)、-12.09-(-12.72)(m、1P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281016 [M-H]: 833.03445、found 833.03606.
P1-(7-メチル-5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)-P3-(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル) 2-チオ三リン酸塩 -mGSpppSG D1/D2(図4、それぞれ33番、34番)
GSppβS(56mg、0.07mmol)および5’S-GMP-Im(50mg、0.11mmol)から出発して、一般的な手順に従い、mGSpppSG(942mOD、39mg、0.003mmol、48%)をジアステレオ異性体D1/D2の混合物として得た。ジアステレオ異性体をRP-HPLCを用いて分離し、アンモニウム塩として単離した。D1(図4、33番)(510mOD、21mg、0.018mmol、26%)RP-HPLC:t(A)=7.53分;
H NMR(400 MHz, DO)δppm 9.00(s、1H、H-8、mG)、7.99(s、1H、G)、5.83(d、1H、J=4.27 Hz、H-1’ mG)、5.75(d、1H、J=6.10 Hz、H-1’ G)、4.79-4.68(m、2H、溶媒シグナルと重なる、H-2’ mG、H-2’、G)、4.44(dd、1H、J=4.58 Hz、H-3’、G)、4.41-4.33(m、3H、H-3’、mG、H-4’、G、mG)、4.03(s、3H、CH)、3.39-3.26(m、4H、H-5’、G、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 28.25(t、1P、J=34.83 Hz)、7.31-6.74(m、2P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281015 [M-H]: 849.01161、found 849.01213.
D2(図4、34番)、RP-HPLC(274 mOD、11mg、0.0098mmol、14%):t(A)=7.62分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 8.99(s、1H、H-8、mG)、8.04(s、1H、G)、5.83(d、1H、J=4.58 Hz、H-1’mG)、5.75(d、1H、J=6.10 Hz、H-1’ G)、4.78-4.66(m、2H、溶媒シグナルと重なる、H-2’ mG、H-2’、G)、4.46-4.42(m、1H、H-3’、G)、4.41-4.34(m、3H、H-3’、mG、H-4’、G、mG)、4.04(s、3H、CH)、3.39-3.24(m、4H、H-5’、G、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 28.29(t、1P、J=34.83 Hz)、7.32-6.68(m、2P);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281015 [M-H]: 849.01161、found 849.01217.
P1-(7-メチル-グアノシン-5’-イル)-P3-(5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-5’-イル)2-チオ三リン酸塩 -mGppspSG D1/D2(図4、それぞれ35番、36番)
GDPβS(3492mOD、0.31mmol)および5’S-GMP-Im(5550mOD、0.46mmol)から出発して、一般的な手順に従い、mGppspSG (1941mOD、0.086mmol、28%)をジアステレオ異性体D1/D2の混合物として得た。ジアステレオ異性体をRP-HPLCを用いて分離し、アンモニウム塩として単離した。
D1(図4、35番):(888 mOD、0.039mmol、13%)RP-HPLC:t(A)=7.12分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 9.07(s、1H、H-8、mG)、7.95(s、1H、G)、5.88(d、1H、J=3.52 Hz、H-1’ mG)、5.74(d、1H、J=6.26 Hz、H-1’ G)、4.80-4.70(m、2H、H-2’ mG、H-2’、G DOシグナルと重なる)、4.56(dd、1H、J=4.70、3.52 Hz、H-3’、G)、4.47-4.40(m、2H、H-3’、mG、H-4’、G)、4.39-4.33(m、3H、H-4’、mG、H-5’、G)、4.03(s、3H、CH)、3.35-3.20(m、2H、H-5’、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 29.00(dd、1P、J=33.75、26.41Hz)、6.98(d、1P、J=33.75、Hz)、-12.56(d、1P、J=24.94 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281016[M-H]: 833.03445、found 833.03514.;
D2(図4、36番):mGppspG D2(1053 mOD、0.046mmol、15%) RP-HPLC:t(A)=7.42分;
H NMR(400 MHz、DO)δppm 9.04(s、1H、H-8、mG)、7.95(s、1H、G)、5.85(d、1H、J=3.52 Hz、H-1’ mG)、5.73(d、1H、J=6.26 Hz、H-1’ G)、4.80-4.70(m、2H、H-2’ mG、H-2’、DOシグナルと重なるG)、4.54(dd、1H、J=4.30、3.91 Hz、H-3’、G)、4.45(t、1H、J=5.09 Hz、H-3’、mG)、4.43-4.40(m、1H、H-4’、G)、4.39-4.32(m、3H、H-4’、mG、H-5’、G)、4.03(s、3H、CH)、3.37-3.21(m、2H、H-5’、mG);
31P NMR(162 MHz、DO)δppm 28.99(dd、1P、J=33.75、26. 41、24.94Hz)、6.94(d、1P、J=35.21、Hz)、-12.48(d、1P、J=24.94 Hz);
HRMS ESI(-) calcd. m/z for C21281016 [M-H]: 833.03445、found 833.03494.
Figure 0007144050000042
Figure 0007144050000043
Figure 0007144050000044
Figure 0007144050000045
<実施例2>
新しいキャップ類似体の特性
試験1.DcpS酵素による分解に対する類似体の感受性試験
この試験の目標は、新しい5’-チオリン酸塩キャップ類似体が、ヒトDcpS酵素(hDcpS)によって加水分解されるかどうかを調べることであった。DcpS酵素をコードする組換えヒトタンパク質がかつて記述されたように発現された(Kowalska, Lewdorowicz et al. 2008)。新しい類似体のhDcpS加水分解への感受性は、200mM KClおよび0.5mM EDTAを含む50mM Tris-HCl緩衝液中で試験される。反応混合物は、400μlの緩衝液中に、試験したキャップアナログ(20μM)およびhDcpS酵素(100nM)を含む。適切な間隔で、100μlのサンプルを反応混合物から集める。サンプルを2.5分の間98度でインキュベートし、次いで0度まで冷却し、一般的な情報に記載される条件下でRP-HPLCで分析した。試験では、商業的に入手可能なDcpS阻害剤も試験し、化合物RG3039(000番)(https://www.mda.org/quest/fda-approves-phase-1-clinical-trial-rg3039-sma)、GppSG(19番)、GpppSG(20番)を試験し、その上、mGpppG(0番)およびmGpp(00番)を対照として試験した。
得られた典型的な結果は、図5と表5に示される。
試験2.選択された阻害剤についてのIC50判定
試験の目的は、所与の阻害剤が特定の条件下で最大値の50%までDcpS活性を阻害する濃度を判定することであった。この試験および試験1での緩衝液は同一である。同時に10個の混合反応物を調製し、それらの各々は、mGMPF(60μM)、hDcpS酵素(50nM)、および試験化合物を200μlの緩衝液中0~50μMの範囲の濃度で含有していた。適切な時間の後、基質の30%が阻害剤なしの生成物に変換されたとき、100μlのACNと混合することによって反応を停止させた。分析のために25μlのサンプルを採取し、続いてDMSO中濃度2.5μMのTBDS-フルオレセイン溶液90μlと混合し、60分間インキュベートした。次に、100μlの200mM HEPES緩衝液pH=7.0がサンプルに加えられ、一般的な情報に述べられるように蛍光を測定した。この結果に基づき、阻害剤濃度対蛍光の相関関係をプロットし、理論曲線をデータに当てはめることによってIC50値を決定した。得られた結果は、表5および図5に示される。
Figure 0007144050000046
試験3.類似体34番(mGSpppSG D2)を備えた複合体中のヒトDcpS酵素(ΔN37hDcpS)の構造の判定
この試験の目的は、ヒトDcpS酵素を備えた類似体34番の相互作用のメカニズムを検討することであった。先に記載したようにN末端で切断された組換えヒトDcpS酵素(ΔN37-残基Ala38からSer337)を得た(Singh et al. 2008)。液滴蒸気拡散(drop vapor diffusion)による結晶化を、0.1M 類似体34および7.3mg/mLのDcpS酵素(結晶化セットアップの前に氷上で15分間インキュベートした)および0.2μLのリザーバ溶液を含む0.2μLのサンプルを用いて行った。約1週間後に、29%PEG4000および0.1M Tris-HCl pH7.6を含む混合物中に複合体の結晶が現れた。結晶を含む液滴に、リザーバ溶液とグリセロール(1:1 v/v)との混合物を加え、次いで結晶を採取し、液体窒素中で急速凍結させた。回折データ(diffraction data)を、Dectris PILATUS 6M検出器を用いてシンクロトロンソース(Beamline 14.1、Bessy II、Helmholtz-Zentrum Berlin、Germany)で100Kで収集し、XDSソフトウェア(Kabsch 2010)を用いてデータを処理した。構造を、検索モデルとして、DG157493阻害剤(pdb:3BL9)(Singh、Salciusら 2008)に結合したDcpSの構造を有するPhaserソフトウェア(McCoy、Grosse-Kunstleve et al.2007)を用いる分子交換(Molecular Replacement)によって解明した(solved)。リガンドモデルおよびディクショナリを、ProDRG(Schuttelkopf and van Aalten 2004)を用いて生成した。モデル構築およびリガンド着装を、Cootソフトウェア(Emsley&Cowtan 2004)で行った。構造をphenix.refine(Adams、Afonine et al.2010)を用いて精密化した。
試験4.Dcp1/2酵素による分解に対する、5’末端でキャップ類似体を含む短いRNA分子の感受性の試験
この試験の目的は、選択された5’-ホスホチオエートキャップ類似体の5’末端への取り込みが、Dcp1/2デキャッピング酵素活性に対するこのように調製された転写物の感受性に影響を及ぼし得るかどうかを調べることであった。ヘテロ二量体Dcp1/2の形態のシゾサッカロミセス・ポンベ組換えタンパク質を、以前に記載されたようにして得た(Floor、Jonesら、2010)。このアッセイで利用された転写物は、RNA SP6ポリメラーゼ(New England BioLabs)を用いるインビトロ転写により得られた。アニーリングされたオリゴヌクレオチド:ATACGATTTAGGTGACACTATAGAAGAAGCGGGCATGCGGCCAGCCATAGCCGATCA(SEQ ID NO.:1)およびTGATCGGCTATGGCTGGCCGCATGCCCGCTTCTTCTATAGTGTCACCTAAATCGTAT(SEQ ID NO.:2)をインビトロ転写において鋳型として使用し、SP6ポリメラーゼ(ATTTAGGTGACACTATAGA(SEQ ID NO:3))についてのプロモーター配列を含むオリゴヌクレオチドは、GAAGAAGCGGGCAUGCGGCCAGCCAUAGCCGAUCA(SEQ ID NO:4)の配列を有する35nt長のRNAを得ることができるが、5’末端キャップRNA(5’ end capped RNA)は36nt長である。典型的なインビトロ転写反応を容量20μlで行い、40℃で2時間インキュベートし、以下を含有した:1U SP6ポリメラーゼ、1U RiboLock RNase InhibitoR(ThermoFisher Scientific)、0.5mM ATP/CTP/UTP、0.125mM GTP、1.25mMジヌクレオチドキャップ類似体、および、0.1μM鋳型。2時間のインキュベーションに続き、1U DNase I(Ambion)を反応混合物に加え、37℃で30分間インキュベーションを続け、その後、EDTAを最終濃度25mMまで加えた。得られたRNAを、RNA Clean & Concentrator-25(Zymo Research)を用いて精製した。次いで、変性した15%ポリアクリルアミドゲル上で合成RNAの品質を測定した。RNAの濃度を順に分光測光法で評価した。このようにして得られたRNAは、3’末端が実質的に不均一であることを特徴とし、したがって、問題を排除するために、得られたRNAを、DNAzyme 10-23(TGATCGGCTAGGCTAGCTACAACGAGGCTGGCCGC(SEQ ID NO: 5))でインキュベートし、これは25nt長のRNAを得ることにつながる。5’末端にキャップを有するRNAは26nt長であった。3’末端を切断する反応は以下の通りであった:1μMのRNAを、37℃で1時間、50mMmgClおよび50mM Tris-HCl pH8.0を含む混合物中で1μMのDNazyme 10-23と共にインキュベートした(Colemanら、2004)。
酵素試験のために、50mMのTris-HCl pH8.0、50mMのNHCl、0.01%のNP-40,1mMのDTTおよび5mMのMgClを含む緩衝液中の3.5nMのDcp1/2酵素でインキュベートした20ngの各RNAを使用した。反応は37℃で最終容量25μlで行った。5Mの尿素、44%のホルムアミド、20mMのEDTA、0.03%のブロモフェノールブルー、0.03%のキシレンシアノ-ルの混合物を同量加えることにより、反応を0、5、15および30分後に停止させた。変性15%ポリアクリルアミドゲル上で反応産物を分解し、電気泳動分離が完了した後、ゲルをSYBR Gold(Invitrogen)で染色し、Storm 860 PhosphorImager(GE Healthcare)を用いて可視化した。得られた結果の定量をImageQuantソフトウェア(Molecular Dynamics)を用いて行った。このアッセイの代表的な結果を図8、図9、および表6にも提示した。
Figure 0007144050000047
試験5.ウサギ網状赤血球抽出液中のmRNAの翻訳効率に対する新しいキャップ類似体の存在の影響についての試験
この試験の目的は、翻訳効率に対するmRNAの5’末端における新規なキャップ類似体の導入の効果を調べることであった。この目的のために、mRNAをコードし、5’末端におけるキャップ構造が異なる、一連のウミシイタケルシフェラーゼを調製した。この試験に使用した転写物を、SP6 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写反応によって得た。インビトロ転写のための鋳型として、PCR生成物を使用し、プライマーATTTAGGTGACACTATAGAACAGATCTCGAGCTCAAGCTT(SEQ ID NO: 6)およびGTTTAAACATTTAAATGCAATGA(SEQ ID NO: 7) およびhRLuc-pRNA2(A)128 plasmid(Williams et al. 2010)を用いて調製した。このように行なわれたPCR反応は、ウミシイタケルシフェラーゼをコードする配列の上流のSP6ポリメラーゼのためのプロモーター配列を導入することを可能にした。転写反応自体は、上記(試験4)の短いRNA合成と同様であった。反応は40℃で20μl中で2時間行われ、以下を含有した:1U SP6ポリメラーゼ、1U RiboLock RNase InhibitoR(ThermoFisher Scientific)、0.5mM ATP/CTP/UTP、0.125mM GTP、1.25mMジヌクレオチドキャップ類似体、および100μgの鋳型。2時間のインキュベーションに続き、1U DNase I(Ambion)を加え、インキュベーションを37℃で30分間続け、その後EDTAを最終濃度25mMまで加えた。得られたmRNAをNucleoSpin RNA Clean-up XS(Macherey-Nagel)を用いて精製した。合成されたRNAの品質を、変性15%ポリアクリルアミドゲルで調べた。RNA濃度は分光測光法で決定された。
インビトロ翻訳反応を、キャップ依存性翻訳のために決定された条件でウサギ網状赤血球抽出液(RRL、Promega)において行なった(Rydzikら、2009年)。典型的な反応混合物(10μl)は、40%のRRL溶解物、0.01mMのアミノ酸の混合物(Promega)、1.2mMのMgCl、170mMの酢酸カリウム、5’末端に適切なキャップ類似体を有するmRNAをコードするウミシイタケルシフェラーゼを含み、混合物を37℃で1時間インキュベートする。実験では、4種類の濃度のmRNA:0.1ng/μl、0.25ng/μl、0.5ng/μl、0.75ng/μlを使用した。合成したルシフェラーゼの活性を、マイクロプレートリーダーSynergy H1(BioTek)中のDual-Luciferase Reporter Assay System(Promega)を用いて測定した。得られた結果をOrigin(Gambit)ソフトウェアで分析し、理論曲線を実験データに当てはめ、ここにおいて、得られた曲線の傾きは翻訳効率を表す。代表的なデータを図10に示し、一方、生物学的な三通りについて得られた平均翻訳効率を表6に示す。
試験6.HeLa細胞におけるmRNAの翻訳効率に対する新しいキャップ類似体の存在の効果についての試験
ヒト子宮頚癌HeLa細胞を、37℃および5%CO2において、10%FBS(Sigma-Aldrich)と、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)と、最終濃度2mMのL-グルタミンと、を補充したDMEM(Gibco)中で成長させた。計画された実験の1日前に、抗生物質を含まない100μlの培地に懸濁した10個の細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに播種した。細胞トランスフェクションは以下のとおりであり、0.3μlのLipofectamine Messenger MAXトランスフェクション試薬(Invitrogen)、0.1μgのmRNAおよび10μlのOpti-MEM(Gibco)を各ウェルに添加した。トランスフェクションをインキュベータ中で1時間行った。トランスフェクション後、細胞をPBSで3回洗浄し、抗生物質のない新鮮な培地で補充した。トランスフェクションを始めてから2、3、4.5、6.5、10.5および24時間後、細胞をPBSで3回洗浄し、溶解し、および、Synergy H1マイクロプレートリーダーを用いるルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。例示的なデータを図11に示す。
ホタルルシフェラーゼをコードし、β-グロビン3’UTRの2つの反復と3’末端に128つのアデニンのポリ(A)尾部とを有する、mRNAをトランスフェクションに用いた。5’末端に異なるキャップ類似体を含む、このmRNAは、インビトロ転写によって得られた。AarI(ThermoFisher Scientifics)で消化したpJET_luc_128Aプラスミドを合成のための鋳型として用いた。典型的なインビトロ転写反応を、40℃で20μlの容量で2時間実施し、以下を含有した:1UのSP6ポリメラーゼ、1UのRiboLock RNase Inhibitor(ThermoFisher Scientific)、0.5mMのATP/CTP/UTP、0.125mMのGTP、1.25mMのジヌクレオチドキャップ類似体、および0.1μgの鋳型。mRNA調製の続きの工程は、mRNAをコードするウミシイタケルシフェラーゼの場合の上記の通り(試験5)。さらに、NucleoSpin RNA Clean-up XSカラムを使用してmRNAを精製した後、2μgのグリコーゲンおよび酢酸ナトリウムの存在下で転写物をエタノール沈殿させ、次いで脱イオン水に溶解した。
<参考文献一覧>
Abrams, W. R. and J. A. Schiff(1973). ”Studies of sulfate utilization by algae. II. An enzyme-bound intermediate in the reduction of adenosine-5’-phosphosulfate(APS) by cell-free extracts of wild-type Chlorella and mutants blocked for sulfate reduction.” Arch Mikrobiol 94(1): 1-10.
Adams, P., P. Afonine, G. Bunkoczi, V. Chen, I. Davis, N. Echols, J. Headd, L. Hung, G. Kapral, R. Grosse-Kunstleve, A. McCoy, N. Moriarty, R. Oeffner, R. Read, D. Richardson, J. Richardson, T. Terwilliger and P. Zwart(2010). ”PHENIX: a comprehensive Python-based system for macromolecular structure solution.” Acta Crystallographica Section D-Biological Crystallography 66: 213-221.
Akagi, J. M. and L. L. Campbell(1962). ”STUDIES ON THERMOPHILIC SULFATE-REDUCING BACTERIA III. : Adenosine Triphosphate-sulfurylase of Clostridium nigrificans and Desulfovibrio desulfuricans.” J Bacteriol 84(6): 1194-1201.
Arakawa, H., M. Shiokawa, O. Imamura and M. Maeda(2003). ”Novel bioluminescent assay of alkaline phosphatase using adenosine-3’-phosphate-5’-phosphosulfate as substrate and the luciferin-luciferase reaction and its application.” Anal Biochem 314(2): 206-211.
Bail, S. and M. Kiledjian(2008). ”DcpS, a general modulator of cap-binding protein-dependent processes?” Rna Biology 5(4): 216-219.
Barnes, S., R. Waldrop and A. S. Neighbors(1983). ”Alkaline butanol extraction of bile salt and steroid sulfate esters: application to the assay of sulfotransferases.” Anal Biochem 133(2): 470-475.
Butchbach, M. E. R., J. Singh, M. porsteinsdottir, L. Saieva, E. Slominski, J. Thurmond, T. Andresson, J. Zhang, J. D. Edwards, L. R. Simard, L. Pellizzoni, J. Jarecki, A. H. M. Burghes and M. E. Gurney(2010). ”Effects of 2,4-diaminoquinazoline derivatives on SMN expression and phenotype in a mouse model for spinal muscular atrophy.” Human Molecular Genetics 19(3): 454-467.
Contreras, R. and W. Fiers(1981). ”Initiation of transcription by rna polymerase-II in permeable, SV40-infected or noninfected, CV1 cells - evidence for multiple promoters of SV40 late transcription.” Nucleic Acids Research 9(2): 215-236.
Emsley, P. and K. Cowtan(2004). ”Coot: model-building tools for molecular graphics.” Acta Crystallographica Section D-Biological Crystallography 60: 2126-2132.
Floor, S., B. Jones, G. Hernandez and J. Gross(2010). ”A split active site couples cap recognition by Dcp2 to activation.” Nature Structural & Molecular Biology 17(9): 1096-U1099.
Grudzien, E., M. Kalek, J. Jemielity, E. Darzynkiewicz and R. E. Rhoads(2006). ”Differential inhibition of mRNA degradation pathways by novel cap analogs.” Journal of Biological Chemistry 281(4): 1857-1867.
Grudzien-Nogalska, E., J. Jemielity, J. Kowalska, E. Darzynkiewicz and R. E. Rhoads(2007). ”Phosphorothioate cap analogs stabilize mRNA and increase translational efficiency in mammalian cells.” Rna-a Publication of the Rna Society 13(10): 1745-1755.
Gu, M. G., C. Fabrega, S. W. Liu, H. D. Liu, M. Kiledjian and C. D. Lima(2004). ”Insights into the structure, mechanism, and regulation of scavenger mRNA decapping activity.” Molecular Cell 14(1): 67-80.
Jemielity, J., T. Fowler, J. Zuberek, J. Stepinski, M. Lewdorowicz, A. Niedzwiecka, R. Stolarski, E. Darzynkiewicz and R. E. Rhoads(2003). ”Novel ”anti-reverse” cap analogs with superior translational properties.” Rna-a Publication of the Rna Society 9(9): 1108-1122.
Kabsch, W.(2010). ”XDS.” Acta Crystallographica Section D-Biological Crystallography 66: 125-132.
Kalek, M., J. Jemielity, Z. M. Darzynkiewicz, E. Bojarska, J. Stepinski, R. Stolarski, R. E. Davis and E. Darzynkiewicz(2006). ”Enzymatically stable 5’ mRNA cap analogs: Synthesis and binding studies with human DcpS decapping enzyme.” Bioorganic & Medicinal Chemistry 14(9): 3223-3230.
Kalek, M., J. Jemielity, E. Grudzien, J. Zuberek, E. Bojarska, L. S. Cohen, J. Stepinski, R. Stolarski, R. E. Davis, R. E. Rhoads and E. Darzynkiewicz(2005). ”Synthesis and biochemical properties of novel mRNA 5’ cap analogs resistant to enzymatic hydrolysis.” Nucleosides Nucleotides & Nucleic Acids 24(5-7): 615-621.
Konarska, M. M., R. A. Padgett and P. A. Sharp(1984). ”Recognition of Cap Structure in Splicing Invitro of Messenger-Rna Precursors.” Cell 38(3): 731-736.
Kowalska, J., M. Lewdorowicz, J. Zuberek, E. Grudzien-Nogalska, E. Bojarska, J. Stepinski, R. E. Rhoads, E. Darzynkiewicz, R. E. Davis and J. Jemielity(2008). ”Synthesis and characterization of mRNA cap analogs containing phosphorothioate substitutions that bind tightly to eIF4E and are resistant to the decapping pyrophosphatase DcpS.” RNA-a Publication of the RNA Society 14(6): 1119-1131.
Kowalska, J., A. Wypijewska del Nogal, Z. M. Darzynkiewicz, J. Buck, C. Nicola, A. N. Kuhn, M. Lukaszewicz, J. Zuberek, M. Strenkowska, M. Ziemniak, M. Maciejczyk, E. Bojarska, R. E. Rhoads, E. Darzynkiewicz, U. Sahin and J. Jemielity(2014). ”Synthesis, properties, and biological activity of boranophosphate analogs of the mRNA cap: versatile tools for manipulation of therapeutically relevant cap-dependent processes.” Nucleic Acids Research 42(16): 10245-10264.
Kowalska, J., M. Ziemniak, M. Lukaszewicz, J. Zuberk, M. Strenkowska, E. Darzynkiewicz and J. Jemielity(2008). ”Phosphorothioate analogs of m7GTP: Strong inhibitors of translation with increased resistance towards enzymatic degradation.” Chemistry of Nucleic Acid Components 10: 487-490.
Kuhn, A. N., M. Diken, S. Kreiter, A. Selmi, J. Kowalska, J. Jemielity, E. Darzynkiewicz, C. Huber, O. Tureci and U. Sahin(2010). ”Phosphorothioate cap analogs increase stability and translational efficiency of RNA vaccines in immature dendritic cells and induce superior immune responses in vivo.” Gene Therapy 17(8): 961-971.
Lykke-Andersen, J.(2002). ”Identification of a human decapping complex associated with hUpf proteins in nonsense-mediated decay.” Molecular and Cellular Biology 22(23): 8114-8121.
Mccoy, A., R. Grosse-Kunstleve, P. Adams, M. Winn, L. Storoni and R. Read(2007). ”Phaser crystallographic software.” Journal of Applied Crystallography 40: 658-674.
Mildvan, A., Z. Xia, H. Azurmendi, V. Saraswat, P. Legler, M. Massiah, S. Gabelli, M. Bianchet, L. Kang and L. Amzel(2005). ”Structures and mechanisms of Nudix hydrolases.” Archives of Biochemistry and Biophysics 433(1): 129-143.
Rydzik, A. M., M. Lukaszewicz, J. Zuberek, J. Kowalska, Z. M. Darzynkiewicz, E. Darzynkiewicz and J. Jemielity(2009). ”Synthetic dinucleotide mRNA cap analogs with tetraphosphate 5’,5’ bridge containing methylenebis(phosphonate) modification.” Organic & Biomolecular Chemistry 7(22): 4763-4776.
Sahin, U., K. Kariko and O. Tureci(2014). ”mRNA-based therapeutics - developing a new class of drugs.” Nature Reviews Drug Discovery 13(10): 759-780.
Schuttelkopf, A. and D. van Aalten(2004). ”PRODRG: a tool for high-throughput crystallography of protein-ligand complexes.” Acta Crystallographica Section D-Biological Crystallography 60: 1355-1363.
Shen, V., H. D. Liu, S. W. Liu, X. F. Jiao and M. Kiledjian(2008). ”DcpS scavenger decapping enzyme can modulate pre-mRNA splicing.” Rna-a Publication of the Rna Society 14(6): 1132-1142.
Singh, J., M. Salcius, S. W. Liu, B. L. Staker, R. Mishra, J. Thurmond, G. Michaud, D. R. Mattoon, J. Printen, J. Christensen, J. M. Bjornsson, B. A. Pollok, M. Kiledjian, L. Stewart, J. Jarecki and M. E. Gurney(2008). ”DcpS as a Therapeutic Target for Spinal Muscular Atrophy.” Acs Chemical Biology 3(11): 711-722.
Van Meerbeke, J. P., R. M. Gibbs, H. L. Plasterer, W. Miao, Z. Feng, M.-Y. Lin, A. A. Rucki, C. D. Wee, B. Xia, S. Sharma, V. Jacques, D. K. Li, L. Pellizzoni, J. R. Rusche, C.-P. Ko and C. J. SumneR(2013). ”The DcpS inhibitor RG3039 improves motor function in SMA mice.” Human Molecular Genetics 22(20): 4074-4083.
Warren, L., P. D. Manos, T. Ahfeldt, Y. H. Loh, H. Li, F. Lau, W. Ebina, P. K. Mandal, Z. D. Smith, A. Meissner, G. Q. Daley, A. S. Brack, J. J. Collins, C. Cowan, T. M. Schlaeger and D. J. Rossi(2010). ”Highly Efficient Reprogramming to Pluripotency and Directed Differentiation of Human Cells with Synthetic Modified mRNA.” Cell Stem Cell 7(5): 618-630.
Ziemniak, M., M. Strenkowska, J. Kowalska and J. Jemielity(2013). ”Potential therapeutic applications of RNA cap analogs.” Future medicinal chemistry 5(10): 1141-1172.
Zuberek, J., J. Jemielity, A. Niedzwiecka, J. Stepinski, A. Wyslouch-Cieszynska, R. Stolarski and E. Darzynkiewicz(2003). ”Influence of the length of the phosphate chain in mRNA 5’ cap analogs on their interaction with eukaryotic initiation factor 4E.” Nucleosides Nucleotides & Nucleic Acids 22(5-8): 1707-1710.

Claims (14)

  1. 式1に記載の5’-ホスホロチオラートキャップ類似体であって、
    Figure 0007144050000048
    式中、
    とLは、OまたはSから独立して選択され、LとLの少なくとも1つはOではなく;
    n=0,1,または2であり;
    、X、Xは、OまたはSから独立して選択され;
    は、CHPh、C1-10アルキルを含む群から選択され;
    とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、C1-10アルキル、C1-10アルケニルまたはC1-10アルキニルを含む群から独立して選択され;
    とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、CHCOOH、N、CH、C1-10アルキル、C1-10アルケニルまたはC1-10アルキニルを含む群から独立して選択され;
    とYは、CH、CHCl、CCl、CF、CHF、NH、Oを含む群から独立して選択され;
    およびBは、以下の式3、4、5、6、または7に記載の基である、
    5’-ホスホロチオラートキャップ類似体。
    Figure 0007144050000049
  2. 次の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
    Figure 0007144050000050
    Figure 0007144050000051
    Figure 0007144050000052
  3. 次の化合物から選択される、請求項1-2に記載の化合物。
    Figure 0007144050000053
    Figure 0007144050000054
  4. 式2に記載の5’-ホスホロチオラート類似体、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物であって、
    Figure 0007144050000055
    式中、
    m=0,1であり;
    n=0,1,または2であり;
    はSであり;
    、X、Xは、O、Sを含む基から独立して選択され;
    は、CH、C、CHPh、アルキルまたは置換アルキルを含む基から選択され;
    とRは、H、OH、OCH、OC、-COOH、N、アルキル、または置換アルキルを含む基から独立して選択され;
    とYは、CH、CHCl、CCl、CHF、CF、NHおよびOを含む基から独立して選択され、
    ここで、式2に記載の5’-ホスホロチオラート類似体は、式13に記載の5’-デオキシ-5’-チオグアノシン-7-メチルグアノシン 5’-ジホスホロチオラートであり、
    Figure 0007144050000056
    前記組成物は薬剤として使用される、組成物。
  5. 請求項1-3に記載の化合物および薬学的に許容可能な担体を含む組成物であって、薬剤として使用される、組成物。
  6. 脊髄筋萎縮症(SMA)の処置および/またはSMAの症状の緩和において薬剤として使用される、請求項4または5に記載の組成物。
  7. mRNA分解の調整および/またはmRNAスプライシングの調整に使用される薬剤の製造における、請求項1-3に記載の化合物の使用。
  8. 5’末端に、請求項1-3に記載の5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含むmRNA。
  9. 前記5’-ホスホロチオラートキャップ類似体は、mGSpppG(24番)、m7,2’OGSpppG(26番)、mGSpppSG(32番)、mGSpppG D1(30番)、mGSpppG D2(31番)、mGSpppSG D1(33番)、mGSpppSG D2(34番)を含む基から選択され、またはm7,2’OGSpppG(26番)である、請求項8に記載のmRNA。
  10. mRNA分子の5’末端に5’-ホスホロチオラートキャップ類似体を含むmRNAの調製方法であって、請求項1-3に記載の5’-ホスホロチオラートキャップ類似体がmRNA分子の合成中に組み込まれ、mRNAの合成がインビトロ転写を介して進むことを特徴とする、mRNAの調製方法。
  11. 前記5’-ホスホロチオラートキャップ類似体は、mGSpppG(24番)、m7,2’OGSpppG(26番)、mGSpppSG(32番)、mGSpppG D1(30番)、mGSpppG D2(31番)、mGSpppSG D1(33番)、mGSpppSG D2(34番)を含む基から選択され、またはm7,2’OGSpppG(26番)である、請求項10に記載のmRNAの調製方法。
  12. 薬剤として使用される請求項8、または請求項9に記載のmRNA。
  13. 脊髄筋萎縮症(SMA)の処置、および/またはSMAの症状の緩和のための薬剤として使用する、および/または、癌治療の薬剤として、または抗癌免疫療法の薬剤として使用するための、請求項8または請求項9に記載のmRNA。
  14. a)請求項1-3に記載の化合物、または
    b)請求項8、もしくは請求項9に記載のmRNA、および
    c)薬学的に許容可能な担体
    を含む医薬製剤。
JP2018537845A 2016-01-29 2017-01-27 5’-ホスホロチオラート mRNA 5’-末端(キャップ)類似体、それを含むmRNA、それらを得る方法およびそれらの使用方法 Active JP7144050B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PLPL415967 2016-01-29
PL415967A PL415967A1 (pl) 2016-01-29 2016-01-29 5'-tiofosforanowe analogi końca 5' mRNA (kapu), sposób ich otrzymywania i zastosowanie
PCT/IB2017/050447 WO2017130151A1 (en) 2016-01-29 2017-01-27 5'-phosphorothiolate mrna 5'-end (cap) analogs, mrna comprising the same, method of obtaining and uses thereof

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019504837A JP2019504837A (ja) 2019-02-21
JP2019504837A5 JP2019504837A5 (ja) 2020-01-23
JP7144050B2 true JP7144050B2 (ja) 2022-09-29

Family

ID=58387852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018537845A Active JP7144050B2 (ja) 2016-01-29 2017-01-27 5’-ホスホロチオラート mRNA 5’-末端(キャップ)類似体、それを含むmRNA、それらを得る方法およびそれらの使用方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US11066436B2 (ja)
EP (1) EP3408276B1 (ja)
JP (1) JP7144050B2 (ja)
KR (1) KR20180100595A (ja)
CN (1) CN109071589A (ja)
AU (1) AU2017211693B2 (ja)
CA (1) CA3011663C (ja)
EA (1) EA038834B1 (ja)
ES (1) ES2879802T3 (ja)
PL (2) PL415967A1 (ja)
WO (1) WO2017130151A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2597423A (en) * 2019-05-10 2022-01-26 New England Biolabs Inc Chemical capping for template switching
CN110907358B (zh) * 2019-12-09 2022-08-30 福建师范大学 一种光微流微泡腔铅离子传感器的实现装置及方法
CN113337559A (zh) * 2020-08-20 2021-09-03 深圳市瑞吉生物科技有限公司 一种Cap2结构5′帽子类似物及其制备方法和应用
WO2023167880A2 (en) * 2022-03-01 2023-09-07 Verve Therapeutics, Inc. Compositions and methods for capping rnas
CN114685588B (zh) * 2022-05-05 2024-03-29 江苏申基生物科技有限公司 一种含开环核苷结构的起始加帽寡核苷酸引物
CN116143855B (zh) * 2022-11-08 2023-11-28 江苏申基生物科技有限公司 一种乙烯基膦酸修饰的mRNA帽类似物及其制备方法和应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008546424A (ja) 2005-06-28 2008-12-25 アジェンコート パーソナル ジェノミクス コーポレイション 修飾ポリヌクレオチドを作製する方法および配列決定する方法
JP2011522542A (ja) 2008-06-06 2011-08-04 ウニヴェルシテ ワルシャワスキ mRNACAP類似体
JP2013501014A (ja) 2009-08-05 2013-01-10 バイオエヌテック アーゲー 5’末端キャップ修飾されたrnaを含有するワクチン組成物
WO2015021432A1 (en) 2013-08-08 2015-02-12 The Scripps Research Institute A method for the site-specific enzymatic labelling of nucleic acids in vitro by incorporation of unnatural nucleotides

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EA017740B1 (ru) * 2007-06-19 2013-02-28 Борд Оф Сьюпервайзорз Оф Луизиана Стэйт Юниверсити Энд Эгрикалчурал Энд Мекэникал Колледж Синтез и применение антиинвертированных фосфоротиоатных аналогов кэп-структуры матричной phk

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008546424A (ja) 2005-06-28 2008-12-25 アジェンコート パーソナル ジェノミクス コーポレイション 修飾ポリヌクレオチドを作製する方法および配列決定する方法
JP2011522542A (ja) 2008-06-06 2011-08-04 ウニヴェルシテ ワルシャワスキ mRNACAP類似体
JP2013501014A (ja) 2009-08-05 2013-01-10 バイオエヌテック アーゲー 5’末端キャップ修飾されたrnaを含有するワクチン組成物
WO2015021432A1 (en) 2013-08-08 2015-02-12 The Scripps Research Institute A method for the site-specific enzymatic labelling of nucleic acids in vitro by incorporation of unnatural nucleotides

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Tetrahedron Letters,1997年,Vol.38, No.6,pp.1021-1024

Also Published As

Publication number Publication date
PL415967A1 (pl) 2017-07-31
JP2019504837A (ja) 2019-02-21
CN109071589A (zh) 2018-12-21
AU2017211693B2 (en) 2021-09-09
CA3011663A1 (en) 2017-08-03
EP3408276B1 (en) 2021-04-07
US20190300563A1 (en) 2019-10-03
EA201891429A1 (ru) 2019-02-28
KR20180100595A (ko) 2018-09-11
EP3408276A1 (en) 2018-12-05
WO2017130151A1 (en) 2017-08-03
US11066436B2 (en) 2021-07-20
ES2879802T3 (es) 2021-11-23
CA3011663C (en) 2023-10-31
AU2017211693A1 (en) 2018-08-09
EA038834B1 (ru) 2021-10-26
PL3408276T3 (pl) 2021-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7144050B2 (ja) 5’-ホスホロチオラート mRNA 5’-末端(キャップ)類似体、それを含むmRNA、それらを得る方法およびそれらの使用方法
AU2009256131B2 (en) mRNA cap analogs
AU2008265683B2 (en) Synthesis and use of anti-reverse phosphorothioate analogs of the messenger RNA cap
EP3067359A1 (en) Self delivering bio-labile phosphate protected pro-oligos for oligonucleotide based therapeutics and mediating rna interference
US20230295215A1 (en) Novel mrna 5'-end cap analogs modified within phosphate residues, rna molecule incorporating the same, uses thereof and method of synthesizing rna molecule or peptide
Rydzik et al. mRNA cap analogues substituted in the tetraphosphate chain with CX2: identification of O-to-CCl2 as the first bridging modification that confers resistance to decapping without impairing translation
Rydzik et al. Synthetic dinucleotide mRNA cap analogs with tetraphosphate 5′, 5′ bridge containing methylenebis (phosphonate) modification
EP2961757A1 (en) Cell-penetrating oligonucleotides
AU2012254580B2 (en) Process for preparing phosphate compound bearing isotope
ES2820242T3 (es) Análogos de caperuza en el extremo 5' de ARNm de fosfotriazol novedosos, composición que comprende los mismos, molécula de ARN que incorpora los mismos, utilizaciones de los mismos y procedimiento de síntesis de molécula de ARN, proteína o péptido
JP2004187609A (ja) 最適アンチセンス配列の決定法
PL214850B1 (pl) Cząsteczka RNA, sposób otrzymywania RNA oraz sposób otrzymywania peptydów lub białka

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201109

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210208

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210429

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211203

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20220112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220601

RD14 Notification of resignation of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7434

Effective date: 20220629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7144050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150