JP7143058B2 - カバー部材、及び部材の加工方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1は、H形鋼における水平鋼、垂直鋼を覆うマスキング用具の断面形状を、コ字状としたものである。特許文献1において、H形鋼とマスキング用具との密着度合は十分ではないと見受けられる。さらに、クリップでマスキング用具とH形鋼を固定することが考えられるが、手間がかかる。
特許文献2は、マースキングキャップの構造を、被マースキング部品の細径となる傾斜円錐部に対応して係止凹部を穿設して抜け止めがなされる構造としたものである。マースキングキャップの内周形状と外周形状とは、円状である。
本発明の一態様は、前処理又は塗装を含む加工が施されることを防止するために、切断平面における外周面の連続形状が多角形である部材の部分に装着され、前記部材の部分の外周面を覆うカバー部材であって、前記部材の部分の外周面全体に接する内周面と、前記内周面の形状を保持する外周部と、を備え、前記内周面と前記外周部とを含む切断平面を想定したとき、前記切断平面における前記内周面の連続形状は、前記部材の部分の切断平面における外周面の連続形状と同じであり、前記切断平面における前記外周部の外周面の連続形状は、前記外周部が外側から荷重を受けたときの応力を分散させる形状であり、かつ楕円状および多角形状のいずれかであることを特徴とする。
本発明の一態様は、前記外周部の外周面には、前記外周部の外周面に沿った形状の固定部材が固定される固定部が設けられていることを特徴とする。
本発明の一態様は、前記外周部と連続する蓋部を更に備えることを特徴とする。
本発明の一態様は、前記切断平面における前記内周面の連続形状は、矩形状であることを特徴とする。
本発明の一態様は、前記カバー部材を用いた、部材の加工方法であって、前記カバー部材で前記部材の外周面を覆った状態で、前記部材の前処理又は塗装を行うことを特徴とする。
なお、本願明細書に記載の「部材の表面」は、請求項に記載の「部材の部分の外周面」を含む(以下同じ)。
本発明の一態様によれば、カバー部材の外周面には前記外周面に沿った形状の固定部材が固定される固定部が設けられていることで、前記固定部に前記固定部材を固定した場合に外周部の周方向全体にわたって均等に力をかけることができるため、部材の表面とカバー部材の内周面との密着性を高めることができる。したがって、部材の表面に塗装等の加工が施されてしまうことをより確実に防止することができる。
本発明の一態様によれば、部材の表面を覆う蓋部を更に備えることで、部材をプールに沈めた場合に、部材の内側に塗料が入り込むことを阻止することができる。
本発明の一態様によれば、切断平面における内周面の連続形状が矩形状であることで、以下の効果を奏する。ところで、矩形筒状の柱部材を、矩形枠状の溝部を有するカバー部材で覆い、柱部材とカバー部材との密着部分をクリップで固定する構造がある。しかし、クリップで固定していない部分においては、柱部材の表面とカバー部材の内周面との間に隙間が生じてしまい、柱部材の表面に塗装等の加工が施されてしまう可能性がある。これに対し、本発明の一態様によれば、切断平面における内周面の連続形状が矩形状であっても、切断平面における外周部の外周面の連続形状が円状であることで、外周部が外側から締め付けられた場合、外周部の周方向に均等に力がかかるため、部材の表面とカバー部材の内周面とを密着させることができる。したがって、部材の表面に塗装等の加工が施されてしまうことを確実に防止することができる。すなわち、切断平面における内周面の連続形状が矩形状である場合は、切断平面における内周面の連続形状が円状である場合と比較して、部材の表面とカバー部材の内周面とを密着させることが困難であるため、部材の表面に塗装等の加工が施されてしまうことを確実に防止する上で実益が大きい。
本発明の一態様によれば、切断平面における外周部の外周面の連続形状が外側から荷重を受けたときの応力を分散させる形状であることで、外周部が外側から締め付けられた場合、外周部の局所に応力が集中しないため、部材の表面とカバー部材の内周面とを密着させることができる。したがって、部材の表面に塗装等の加工が施されてしまうことを確実に防止することができる。加えて、切断平面における外周部の内周面の連続形状が円状ではなく、切断平面における外周部の外周面の連続形状が外側から荷重を受けたときの応力を分散させる形状であることで、部材の外周形状が円状以外の場合に広く適用することができる。
本発明の一態様によれば、上記カバー部材で部材の表面を覆った状態で部材の前処理又は塗装を行うことで、部材の表面が前処理又は塗装されてしまうことを確実に防止することができる。
図1に示すように、柱部材2は、一方向に長手を有する矩形筒状をなしている。本実施形態のカバー部材1が適用されることによって、柱部材2の外面には、錆止め用の塗装が施される部分20(以下「塗装部20」ともいう。)と、前記塗装が施されない部分21(以下「塗装忌避部21」ともいう。)と、が設けられている。塗装忌避部21は、柱部材2の長手方向の端部に設けられている。図中において、符号2cは柱部材2の中心軸線(以下「柱軸線」ともいう。)、符号2sは柱部材2の内部空間をそれぞれ示す。
図2に示すように、カバー部材1は、柱部材2の塗装忌避部21(図1参照)を覆っている。図3に示すように、カバー部材1は、塗装忌避部21の外周面21f(図1参照)に接する内周面11と、内周面11の形状を保持する外周部12と、外周部12に連なる蓋部13と、を備えている。ここで、塗装忌避部21の外周面21f(図1参照)は、請求項に記載の「部材の部分の外周面」に相当する。図2に示すように、外周部12の外周面12f(以下「カバー側外周面12f」ともいう。)には、外周部12を外側から固定する固定部材3が設けられている。
図2に示すように、固定部材3は、カバー側外周面12fに沿う環状をなしている。具体的に、固定部材3は、カバー側外周面12fに沿う環状をなすバンド部30と、バンド部30をカバー側外周面12fに締め付ける締付部31と、を備えている。ここで、カバー側外周面12fのうち固定部材3(バンド部30)が固定される部分は、請求項に記載の「固定部」に相当する。
次に、柱部材2の加工方法の一例について説明する。
柱部材2の加工方法は、カバー部材11で柱部材2の塗装忌避部21を覆った状態で行う。
柱部材2の加工方法は、柱部材2を塗装する前の前処理工程と、柱部材2を塗装する塗装工程と、塗装後の柱部材2を乾燥する乾燥工程と、を含む。
そして、乾燥後にカバー部材1を柱部材2から取り外すことにより、塗装忌避部21が塗装されていない柱部材2を得ることができる。すなわち、塗装部20のみが塗装された柱部材2を得ることができる。
この構成によれば、カバー部材1の外周面形状が円状であることで、外周部12が外側から締め付けられた場合、外周部12の周方向に均等に力がかかるため、塗装忌避部21の外周面21fとカバー部材1の内周面11とを密着させることができる。したがって、塗装忌避部21の外周面21fに塗装等の加工が施されてしまうことを確実に防止することができる。なお、加工には、柱部材2の洗浄処理、エッチング処理等の前処理が含まれる。加えて、内周面形状が円状ではなく、外周面形状が円状であることで、柱部材2の外周形状が円状以外の場合に広く適用することができる。
加えて、塗装忌避部21の外周面21fに付着した塗膜をグラインダー等で削る必要がないため、作業効率を向上することができる。
加えて、塗装忌避部21の外周面21fをマスキングテープで覆う場合と比較して、マスキングテープを巻回したり、塗装後に剥がしたりする手間がかからないため、作業性を向上することができる。また、作業者の技量に影響しないため、好適である。
加えて、カバー部材をクリップで固定する場合と比較して、手間がかからないため、作業性を向上することができる。
ところで、建物の構造躯体を構築する鉄骨部材は、錆等による局所的な強度劣化を確実に防止する必要がある。このため、鉄骨部材の表面には、錆止め用の塗装が施される。このような塗装は、鉄骨部材の表面全体に施す必要がある。例えば、2つの鉄骨部材を溶接する場合、それぞれの溶接部に塗装が施されていると、2つの鉄骨部材を溶接できないことがある。これに対し、この構成によれば、鉄骨部材の溶接部(塗装忌避部21)が塗装されてしまうことを確実に防止することができるため、2つの鉄骨部材を溶接することができる。
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の説明においては、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
上記実施形態では、カバー部材1の外周面形状が実質的に真円である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、外周面形状は、楕円又は正24角形等の多角形であってもよい。すなわち、外周面形状は、外周部12が外側から荷重を受けたときの応力を分散させる形状であればよい。これにより、外周部12が外側から締め付けられた場合、外周部12の局所に応力が集中しないため、塗装忌避部21の外周面21fとカバー部材1の内周面11とを密着させることができる。したがって、塗装忌避部21の外周面21fに塗装等の加工が施されてしまうことを確実に防止することができる。例えば、外周面形状は、外周部12が外側から荷重を受けたときの応力を塗装忌避部21の外周面21fに対して周方向に均等に分散させる形状であることが好ましい。
または、図6に示すように、カバー部材201は、円柱状をなす本体部10の径方向中央部を軸線方向に開口する矩形状(角丸四角形)の開口部10iが形成されるとともに、開口部10iの径方向外側において矩形枠状の凹部10mが形成されたものであってもよい。言い換えると、図7に示すように、カバー部材201は、外周部12の軸線方向における端部から径方向内方に延出した後に軸線方向内方に屈曲して延びて塗装忌避部21(図1参照)を径方向内方から保持する延出部14を更に備えていてもよい。
1c…カバー軸線
1d…外周面形状の直径
1w…内周面形状の最大幅
2…柱部材(部材)
2c…柱軸線
2s…内部空間
3…固定部材
5…カバー部材組付体
6…突起部
10…本体部
10a…凹部
10h…開口部
10i…開口部
11…内周面
12…外周部
12f…カバー側外周面(外周部の外周面)
12m…ガイド溝
13…蓋部
14…延出部
15…角保持部
16…辺保持部
16f…辺保持部の外周面
16t…辺保持部の最大厚み
20…塗装部
21…塗装忌避部
21f…塗装忌避部の外周面(部材の表面)
25…角部
26…辺部
30…バンド部
31…締付部
32…ボルト
33…連結部
Claims (5)
- 前処理又は塗装を含む加工が施されることを防止するために、切断平面における外周面の連続形状が多角形である部材の部分に装着され、前記部材の部分の外周面を覆うカバー部材であって、
前記部材の部分の外周面全体に接する内周面と、
前記内周面の形状を保持する外周部と、を備え、
前記内周面と前記外周部とを含む切断平面を想定したとき、
前記切断平面における前記内周面の連続形状は、前記部材の部分の切断平面における外周面の連続形状と同じであり、
前記切断平面における前記外周部の外周面の連続形状は、円状であることを特徴とするカバー部材。 - 前処理又は塗装を含む加工が施されることを防止するために、切断平面における外周面の連続形状が多角形である部材の部分に装着され、前記部材の部分の外周面を覆うカバー部材であって、
前記部材の部分の外周面全体に接する内周面と、
前記内周面の形状を保持する外周部と、を備え、
前記内周面と前記外周部とを含む切断平面を想定したとき、
前記切断平面における前記内周面の連続形状は、前記部材の部分の切断平面における外周面の連続形状と同じであり、
前記切断平面における前記外周部の外周面の連続形状は、前記外周部が外側から荷重を受けたときの応力を分散させる形状であり、かつ楕円状および多角形状のいずれかであることを特徴とするカバー部材。 - 前記外周部の外周面には、前記外周部の外周面に沿った形状の固定部材が固定される固定部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のカバー部材。
- 前記外周部と連続する蓋部を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のカバー部材。
- 請求項1から4の何れか一項に記載のカバー部材を用いた、部材の加工方法であって、
前記カバー部材で前記部材の外周面を覆った状態で、前記部材の前処理又は塗装を行うことを特徴とする部材の加工方法。
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WAKI ワイドフェルトキャップ特集,2010年04月30日,http://www.rakuten.ne.jp/gold/japan-ds/feature/isu-cover.html |
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