JP7142540B2 - 浄水処理方法及び浄水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水道水、工業用水などを製造する浄水処理方法及び浄水処理装置に関する。
水道水や工業用水などを製造する上水(浄水)処理では、原水に含まれる不溶解性成分である濁度成分や藻類などの汚濁物質を凝集沈殿処理や砂ろ過処理などの固液分離技術で処理している。このうち、凝集沈殿処理は、不溶解性成分のみでなく、溶解性色度や溶解性有機物などの汚濁物質の除去に対しても有効な処理方法であり、広く使用されている。
この凝集沈殿方法は、無機凝結剤やpH調整剤を添加して原水中の汚濁物質を析出させる工程や、無機凝結剤から生成するフロックに汚濁物質を吸着させる工程などの後に、汚濁物質を含むフロックを原水から沈降分離する処理方法である。
一方、砂ろ過処理ではろ層として砂を充填した槽に上部から被処理水を供給する。砂間の隙間を被処理水が通過する際に、凝集沈殿処理工程で沈殿池から流出したフロックの一部が砂に吸着することや砂間の隙間に捕捉されることで清澄なろ過水を得ることができる。
浄水場では上記の工程を実施するために、混和槽(混和池)、フロック形成槽、沈殿槽、砂ろ過層が連続して設置されている。この方法は様々な汚濁物質を分離除去できる優れたシステムであるが、フロックの沈降速度が遅いため広大な沈殿池が必要となることや、清澄なろ過水を得るため、十分な厚さを持つ微細で均一な砂層が必要であるなどの課題があった。
浄水場において沈殿池が占める面積は巨大なため、沈殿池を縮小できれば処理場全体の用地を削減することが可能であり、用地の余裕がない都市部の浄水場等でも処理水の量を確保することが可能となる。また、砂層の厚さを減らすことや比重の軽いろ過材を用いることができれば砂ろ過層の構造を簡素化できることが可能となる。
一方、近年原水となる河川水の濁度は低下傾向にあるが、濁度が低い原水を凝集沈殿処理する場合、凝集反応が進行し難く、フロックの沈降性が悪化して処理水質に影響を与えることが知られている。高速凝集沈殿処理においても、槽内の良質なフロックが原水由来の濁質と反応して効率的な凝集を行う技術を利用するため、原水濁度が低い場合などには処理が不安定になる。
特許文献1(特開2006-7086号公報)においては、高速凝集沈殿ではスラリーブランケットを安定して保持することが極めて重要であり、ブランケットが良好に形成されずスラリー内のフロックが処理水に漏洩すると処理水質が悪化することが記載されている。このような場合、処理の安定化を目的として、砂などの不溶解性粒状凝集助剤を添加する方法が提案されている。
特許文献2(特許第4004854号公報)では、凝集沈降性を改善するため、無機凝結剤と有機高分子凝集剤の併用が提案されている。有機高分子凝集剤は過剰に添加すると、砂ろ過や膜ろ過の閉塞を促進する場合があるため、特許文献2では有機高分子凝集剤の注入後の凝集フロックの流動電流を測定し、その測定結果に基づき高分子凝集剤の注入量を制御する。特許文献2の方式では、フロックの荷電状態を測定し、荷電状態に合わせて中和に不足する電化量を有機高分子凝集剤で補うため、電気的に中性なフロックを形成することが可能となる。
特許文献3(特許第3854471号公報)では、フロックの凝集性を改善するため、無機凝集剤に加え、有機高分子凝集剤を併用した凝集沈殿処理設備を設けた。また、ポリマー添加により砂ろ過部でのろ過抵抗が増加する課題に対し、繊維ろ過器を砂ろ過部の前に設け、凝集沈殿処理水をいったん繊維ろ過し、微細なフロックを除去してから砂ろ過部に供給することで砂ろ過部でのろ過抵抗を抑制することが提案されている。
特開2006-7086号公報 特許第4004854号公報 特許第3854471号公報
特許文献1の方式は、濁度が低いなどの理由により高速凝集沈殿処理部でのフロックの沈降性が悪化した場合に、砂などの比重の大きな物質を沈降促進剤として添加し、フロックと混合させることで沈降速度を増え、固液分離が安定する利点がある。しかしながら、注入設備が課題になり、砂により注入設備が摩耗するため、メンテナンス性が低下する。また、沈降促進剤は消耗品であり、再利用が困難であることや汚泥発生量が増加するなどして、処理コストが増大するという課題がある。
特許文献2では、荷電状態を測定するための電極を用意する必要があり、常時安定して測定するためには、電極を常に使用できる状態とする必要がある。また、特許文献2では、凝集沈殿部のフロックを含むスラリーを原水と混合させてフロック形成を容易にする方法が提案されているが、返送されたフロックが無機凝結剤と反応してしまい、原水中の濁度成分と無機凝結剤の反応を阻害し、フロックの良好な沈降性が得られない場合がある。
特許文献3では、無機凝集剤に有機高分子凝集剤を併用することで、フロックの沈降性を改善することが可能になるが、有機高分子凝集剤の併用を原因とするろ過抵抗の増加に対し、繊維ろ過器を追設する必要があるため装置が複雑化する。また砂ろ過部に加えて繊維ろ過器の洗浄が必要となるため、運転管理の面や洗浄水量の増加による水回収率低下の課題もある。
上記課題を鑑み、本発明は、粗大フロックの沈降性を改善して凝集沈殿処理での運転安定性を向上でき、凝集沈殿処理後のろ過処理におけるろ層の厚さを小さくしても良質なろ過処理水を得ることが可能な浄水処理方法及び浄水処理装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討したところ、被処理水に対して凝結剤と有機高分子凝集剤を添加して粗大フロックを形成させ、この粗大フロックを固液分離して得られたスラリーを粗大フロック形成工程へ返送することが有効な手段の一つであることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明の実施の形態に係る浄水処理方法は、一側面において、被処理水に凝結剤を添加して微フロックを形成し、微フロックを含む被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、微フロックを成長させて粗大フロックを形成し、粗大フロックを含む被処理水を粗大フロックを含むスラリーと上澄み液とに固液分離し、スラリーを、粗大フロックを含む被処理水と混合して粗大フロックの成長を促進させ、上澄み液を、粗大フロックを捕捉可能な有効径を有する粒子状のろ材を用いてろ過処理し、ろ過処理水を得ることを含む浄水処理方法である。
本発明の実施の形態に係る浄水処理方法は一実施態様において、粒子状のろ材の有効径が1.2~2.0mmである。
本発明の実施の形態に係る浄水処理方法は別の一実施態様において、スラリーを、被処理水の流入量に対して0.2~2.0倍量となるように、固液分離する前記被処理水と混合する。
本発明の実施の形態に係る浄水処理方法は更に別の一実施態様において、有機高分子凝集剤を、被処理水に0.2~0.8mg/L添加する。
本発明の実施の形態に係る浄水処理方法は更に別の一実施態様において、ろ過処理水に紫外線照射を含む殺菌処理を行う。
本発明の実施の形態に係る浄水処理方法は更に別の一実施態様において、ろ過処理水の濁度を測定し、濁度が所定値を超えた場合に殺菌処理を行う。
本発明の実施の形態に係る浄水処理装置は一側面において、被処理水に凝結剤を添加して微フロックを形成する微フロック形成手段と、微フロックを含む被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、微フロックを成長させて粗大フロックを形成する粗大フロック形成手段と、粗大フロックを含む被処理水を、粗大フロックを含むスラリーと上澄み液とに固液分離する固液分離手段と、スラリーを粗大フロックを含む被処理水中へ返送する返送手段と、上澄み液を、粗大フロックを捕捉可能な有効径を有する粒子状のろ材で構成されたろ層へ通水してろ過処理し、ろ過処理水を得るろ過手段とを備える浄水処理装置である。
本発明の実施の形態に係る浄水処理装置は一実施態様において、粒子状のろ材の有効径が1.2~2.0mmであり、ろ層の厚さが550mm以下である。
本発明の実施の形態に係る浄水処理装置は別の一実施態様において、ろ材上に、最大で厚さ5mmの粗大フロックの堆積層を備える。
本発明によれば、粗大フロックの沈降性を改善して凝集沈殿処理での運転安定性を向上でき、凝集沈殿処理後のろ過処理におけるろ層の厚さを小さくしても良質なろ過処理水を得ることが可能な浄水処理方法及び浄水処理装置が提供できる。
本発明の実施の形態に係る浄水処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第1変形例に係る浄水処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第2変形例に係る浄水処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第3変形例に係る浄水処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第3変形例の変形例に係る浄水処理装置の一例を示す概略図である。 実施例1のろ過装置が備えるろ層の高さを表す説明図である。 比較例1のろ過装置が備えるろ層の高さを表す説明図である。 実施例1と比較例1の凝集沈殿処理水(上澄み液)の濁度を表すグラフである。 実施例1のろ過装置が備えるセンサ1、2の圧力変化を表すグラフである。 比較例1のろ過装置が備えるセンサ1~3の圧力変化を表すグラフである。 従来の凝集沈殿処理を表す比較例3に係る浄水処理水装置の一例を表す概略図である。 実施例3のろ過装置が備えるセンサ1、2の圧力変化を表すグラフである。 有機高分子凝集剤の添加率とろ過処理水の濁度との関係を表すグラフである。 参考例1及び比較例4の凝集沈殿処理水の濁度を表すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであってこの発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
<被処理水>
本発明の実施の形態に係る浄水処理方法の被処理水(原水)としては、河川水、雨水、工場の用排水など微細な懸濁物質が含まれる水を包含する。日本国内では、浄水場の原水として、溶解性有機物や金属類の汚染のない河川水や湖沼水、地下水が用いられるが、本発明の対象としてはいずれの水も処理対象水とする。しかし、一般的に地下水は、懸濁物質等の汚染の度合いが少ないため、凝集沈殿処理を省略し、砂ろ過、殺菌される場合も多い。このため、本実施形態では、被処理水として河川水や湖沼水が主な対象となる。
<浄水処理方法>
本発明の実施の形態に係る浄水方法は、(1)被処理水に凝結剤を添加して微フロックを形成し、(2)微フロックを含む被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、微フロックを成長させて粗大フロックを形成し、(3)粗大フロックを含む被処理水を粗大フロックを含むスラリーと上澄み液とに固液分離し、(4)スラリーを、粗大フロックを含む被処理水と混合して粗大フロックの成長を促進させ、(5)上澄み液を、粗大フロックを捕捉可能な有効径を有する粒子状のろ材を用いてろ過処理し、ろ過処理水を得ることを含む。
(1)微フロック形成工程
被処理水中に微フロックを形成させるための凝結剤としては、典型的には無機凝結剤(無機凝集剤)が添加される。無機凝結剤は汚濁物質と水酸化物を形成し沈殿するものであれば適用可能である。水道向けの浄水場ではポリ塩化アルミニウム(以下、PACとする)や硫酸ばん土、ポリシリカ鉄が使われる場合が多い。この内、PACは添加時のpH変化が少ないことや凝集効率が高く、着色が少ないことから浄水場向けの無機凝集剤として適している。
被処理水の用途によっては、無機凝結剤に替えて一般に使用されている有機凝結剤も使用可能であり、縮合系ポリアミン、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダリン、ポリビニルピリジン、ジアリルアミン塩・二酸化硫黄共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・二酸化硫黄共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・アクリルアミド共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合体、アリルアミン塩重合体などが挙げられる。
縮合系ポリアミンの具体例としては、アルキレンジクロライドとアルキレンポリアミンとの縮合物、アニリンとホルマリンの縮合物、アルキレンジアミンとエピクロルヒドリンとの縮合物、アンモニアとエピクロルヒドリンとの縮合物などが挙げられる。エピクロルヒドリンと縮合するアルキレンジアミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、ジブチルアミンなどが挙げられる。
上述の無機凝結剤と有機凝結剤は、使用に際してそれぞれ単独で、または混合物の形態で使用してもよいが、そうした混合物をあらかじめ水で希釈した水溶液の状態で使用してもよい。混合物として使用する場合には組み合わせによって沈殿物が析出してくる場合があるので注意が必要である。無機凝集剤と有機凝結剤の原水への添加順序は特に問わない。
凝結剤の添加率は被処理水によって異なるため、小スケールの処理試験であらかじめ適切な添加率を決めておくことが望ましい。例えばPACの場合、被処理水1L当たりのPAC原液の添加量は20~150mg程度であるのが好ましい。
無機凝結剤のみを凝結剤として使用する場合、小スケールの処理試験において添加率を変化させて、後述する粗大なフロックが十分に生成するための微フロック生成条件を見出す必要がある。なお、本実施形態では、後述する処理において粗大フロックをより確実に形成させるために有機高分子凝集剤を併用するため、無機凝結剤の添加によるフロックの成長が不十分でも処理できる可能性がある。しかし、無機凝結剤の役割は被処理水中の汚濁物質の荷電状態を中和し、凝結し、微フロックを形成させることであるため、被処理水に合わせた適切な凝集状態となるように無機凝結剤の添加率を決めることが望ましい。
無機凝結剤を添加後、被処理水中の汚濁物質の荷電を中和するため、十分に凝集剤と混和する必要がある。このため、無機凝結剤の添加後に所定の時間撹拌できるような設備を設けることが好ましい。例えば、図1に示す浄水処理装置のように混和槽10を設けることは、混和槽10の水力学的滞留時間が撹拌時間となるため、撹拌状態の管理が容易になる利点がある。
混和槽10の滞留時間は一般には1~5分程度有ればよい。また、混和槽10での撹拌装置としてはフラッシュミキサーなどの機械撹拌装置やポンプ撹拌装置などが適用できる。浄水処理場によっては固液分離槽30を複数備え、被処理水を分配して供給する場合がある。このような設備の場合、分配槽(不図示)の手前で無機凝結剤を添加し、分配槽を混和槽10の代替とすることも可能である。
一方、被処理水と無機凝結剤を十分撹拌できるのであれば、独立した混和槽10を設けずに、配管内で撹拌することも可能である。この場合、無機凝結剤を添加後、一定の滞留時間となるように、水量に合わせた配管長さを確保する必要がある。また、撹拌を促進するため配管途中にラインミキサーなど配管内の流れを乱すような装置を設けることも好ましい。
上記微フロックの形成工程において、被処理水中には、典型的には、粒径1mm未満の微フロックが形成される。なお、フロック径の粒径は、日本水道協会の水道維持管理指針に記載されるように当業者間において総合的に判断し、本実施形態では被処理水を目視することにより判断する。微フロックの生成量は原水の濁室などの濃度に依存するため一概にはいえないが、例えば、濁度10度で本実施形態に従って無機凝結剤を添加した場合の微フロック濃度は浮遊物質濃度で12~13mg/Lとなる。
(2)粗大フロック形成工程
凝結剤の添加により、被処理水中の汚濁物質の荷電が中和され、微フロックが形成された後の被処理水は、図1に示すフロック形成槽20に供給される。フロック形成槽20では、被処理水に有機高分子凝集剤と後述する固液分離設備から循環されたスラリーが供給され、撹拌されることにより、被処理水中の微フロックを成長させて粗大フロックを形成する。
有機高分子凝集剤としては、荷電状態によってカチオン性、アニオン性、ノニオン性のものが利用可能であり、被処理水に合わせて適宜選定すればよい。本プロセスを浄水場で適用する場合、アニオン性やノニオン性の有機高分子凝集剤が特に適している。
アニオン系高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アニオン性モノマーの共重合体、アニオン性モノマーとアクリルアミド等のノニオン性モノマーとの共重合体が挙げられる。アニオン性モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アリルアミドエタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタリルアミドエタンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3-アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4-アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2-メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3-メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4-メタクリロイルオキシブタンスルホン酸、及びこれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。
アニオン性モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ノニオン性モノマーとしてはアクリルアミド、メタクリルアミド、メタアクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。これらノニオン性モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合体として好ましいものは、アクリルアミド・アクリル酸塩共重合体、アクリルアミド・2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸共重合体である。
ノニオン系高分子凝集剤としては、上記のノニオン性モノマーの重合体又は共重合体であるが、好ましくはポリアクリルアミドが利用可能である。
カチオン系高分子凝集剤としては、カチオン性モノマーを必須成分として有するものであり、カチオン性モノマーの共重合体又はカチオン性モノマーと上記のノニオン性モノマーとの共重合体が利用可能である。カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートもしくはこれらの中和塩、4級塩などが挙げられる。また、分子内にアミジン単位を含有するカチオン系高分子凝集剤も使用可能である。
被処理水の濁度が高い場合には、カチオン系高分子凝集剤を前段に添加し、アニオン系またはノニオン系高分子凝集剤を後段に添加することによって、除濁効果が高くなり、処理水の濁度が低下する効果が期待できる。有機高分子凝集剤は1種を単独で使用することもできるが、2種以上を併用することもできる。一般に有機高分子凝集剤は水溶液として使用され、その溶解濃度は0.01~0.5質量%程度である。
有機高分子凝集剤の添加により、フロック形成槽20では被処理水中の汚濁物質の微フロックが有機高分子凝集剤や循環されてきたスラリー中のフロックと混合し、より粗大なフロックが形成される。有機高分子凝集剤は分子量が大きいため、その架橋作用により微フロックを絡め取り、フロックを粗大化させる。
微フロックと有機高分子凝集剤のみでも粗大なフロックを形成することが可能であるが、本実施形態では、フロック形成槽に後述する固液分離により得られたスラリーが混合され、スラリー中の粗大フロックもより粒径の大きな粗大フロックの形成に寄与させることができるため、より粗大で沈降性が良好な粗大フロックが形成される。
また、フロック形成槽20内にスラリーが循環され、系内のフロック濃度が高くなることで、微フロックが既存のフロックと接触する頻度も高くなり、より微フロックの捕捉能力が高くなる効果も期待できる。
フロック形成槽20においても、微フロック、有機高分子凝集剤、及びスラリー中の粗大フロック等との接触を促進するため、撹拌することが好ましい。しかし、混和槽10と異なりフロックの微細化を抑制するために、撹拌速度は混和槽10と比較すると遅くすることが好ましい。フロック形成槽20の滞留時間は一般的なフロック形成槽での滞留時間の20~40分程度でよいが、処理状況を確認し、良好なフロックが形成されていれば短縮することも可能である。
有機高分子凝集剤の添加量は被処理水の性状に応じて適宜調整可能であるが、有機高分子凝集剤の添加が少なすぎると有機高分子凝集剤が粗大フロックの成長に十分に寄与しない場合や処理が安定しない場合があり、多すぎると薬液コスト等もかかるため処理コストが増大する場合がある。本実施形態では、有機高分子凝集剤を、被処理水に0.2~0.8mg/L、好ましくは0.2~0.5mg/L添加することにより、粗大フロックの沈降性を改善することができる。
(3)固液分離工程
フロック形成槽から流出した被処理水は固液分離槽30に供給される。固液分離槽30は、粗大フロックを含む被処理水から、比重差を利用した沈降分離(凝集沈殿処理)により、フロックと上澄み液とに固液分離できればどのような構造でもよい。
例えば図1の例では、固液分離槽30として、上向流を形成する上向流沈殿池(上向流沈殿カラム)を利用した例を表している。上向流沈殿池では、流入水をカラムの中央部に放出する。流入水に含まれる粗大フロックは重力沈降して下部に蓄積し、上澄み液は上部からオーバーフローで流出される。この時、流入水は図1の矢印に示すように、下向きとなるように流入させると、粗大フロックは最初から下向きの速度を持つため、粗大フロックの沈降性を向上させることができる。
更に、流入水の吐出口は、カラム内に蓄積したフロック層の中に放出されるような位置に設置すると、流入したフロックがカラム内のフロック層と直接混合されるため、カラム内のフロック層がスラリーブランケットとして作用し、上澄み液の濁度低減に効果がある点で有効である。
(4)スラリー循環工程
上向流沈殿池の下部には蓄積した粗大フロックを引抜くための返送管32が設けられており、粗大フロックを含むスラリーをフロック形成槽20へ循環させる。なお、スラリー循環の目的は、固液分離槽30において沈降しやすい粗大フロックをより確実に形成させることであるため、本実施形態において粗大フロックを含むスラリーをフロック形成槽20へ循環させる、という意味は、フロック形成槽20の下流側且つ固液分離槽30の上流側に配置された返送管32に循環させる場合や、混和槽10とフロック形成槽20とを接続する配管12に循環させる場合なども含むものである。
ここでは、スラリーを、被処理水の流入量に対して0.2~2.0倍量、好ましくは0.4~0.8倍量、一実施態様では0.5倍量となるように、固液分離する被処理水と混合することが好ましい。これにより、粗大フロックの沈降性を改善して凝集沈殿処理での運転安定性を長時間維持することができる。
フロック形成槽20に循環したスラリーは、粗大フロックを含む被処理水と混合される。フロック形成槽20内で微フロックから成長した粗大フロックは、フロック形成槽20において更にスラリーと混合されて接触するため、粗大フロックの成長が更に促進され、より沈降性の良い粗大フロックが得られる。
このスラリー循環により、固液分離処理前の被処理水中には、目視による代表的なフロック径を測定すると、粒径が2.0~5.0mm程度、より典型的には粒径2.0~4.0mmの沈降性の良好な粗大フロックが形成される。
(5)ろ過処理工程
図1に示すように、固液分離槽30から流出した被処理水は、調整槽50において一旦貯留された後に、ろ過装置40に供給される。ろ過装置内には粒子状のろ材からなるろ層41が配置されており、被処理水をろ層41に通過させてろ過することにより、固液分離槽30で分離・除去されなかった被処理水中の微フロック及び粗大フロック(総称して「フロック」ともいう)が分離される。
一般的なろ層41の厚さは、水道施設設計指針によれば60~70cmとされている。また、ろ材の有効径は0.6~0.7mmとされている。ろ層41では固液分離槽30から流出したフロックがろ層41で捕捉されることで、清澄なろ過処理水が得られる。
一般的な浄水場の砂ろ過装置で捕捉されるフロックは、ろ層表面で捕捉されるだけでなく、砂ろ過層内部の隙間にも捕捉される。したがって、従来の砂ろ過装置においては、フロックが砂ろ過層の奧まで侵入することを考慮し、十分な厚さを確保する必要がある。また、砂ろ過層の粒径は大きくすると隙間が大きくなるため、ろ過抵抗が小さくなるが、同時に微細なフロックの捕捉が困難になるため、あまり大きくはできない。
密度と有効径の異なるろ過砂を二種類以上充填する多層ろ過も考案されている。砂とアンスラサイトを用いる例では、砂(密度約2.6g/cm3;有効径0.45~0.6mm)とアンスラサイト(密度約1.5g/cm3;有効径0.9~1.4mm)をろ層としてカラム内へ充填する。各層の厚さは砂層が約300~400mm、アンスラサイトは200~300mmで、総ろ層厚さは600mmとなる。
アンスラサイトは砂より密度が低いため、下から砂層、アンスラサイト層の順に積層する。ろ過では被処理水は上から供給されるが、アンスラサイト層は有効径が大きいため、比較的大きなフロックが捕捉され、小さいフロックは通過する。小さいフロックは次の砂層で補足されるため、ろ層全体ではフロックの捕捉量が多くなり、ろ過継続時間も大きくなる。
一方、本発明の実施の形態に係る浄水方法によれば、被処理水に有機高分子凝集剤を添加して粗大フロックを形成するとともに、固液分離で得られる粗大フロックを含むスラリーを粗大フロック形成工程へ返送することによって、フロックの粗大化を促進させる。その結果、固液分離槽30から流出するフロックの粒径も、無機凝結剤のみを添加した従来方式でのフロックと比較して大きくなるため、上澄み液中に含まれるフロックがろ層で捕捉されやすくなる。
また、本発明の実施の形態においては、フロックのろ層41への捕捉状況やフロック捕捉による塔内の圧力上昇等についても確認したところ、従来の砂ろ過法を用いたろ過処理とは異なり、ろ層41の表面から下部へ向かってフロックが侵入することなく、ろ層41上部の表面付近においてフロックの殆どが捕捉されることがわかった。
本実施形態によれば、処理が安定したろ過装置40内には、厚さ0.5mm以上、1.0mm以上、典型的には最大で厚さ5mm程度のフロックの堆積層が形成される。このフロックの堆積層が形成されると、ケーキ層によるケーキろ過によって、上澄み液中に含まれる微細なフロックを捕捉することができるようになる。このため、従来の砂ろ過法に比べて、ろ層の厚さを小さくしても清澄なろ過処理水を得ることができるものと考えられる。これにより、ろ過装置40の構造をより簡略化し小型化することが可能となる。
例えば、従来の砂ろ過層の厚さが600mmであるのに対し、本実施形態におけるろ層41の厚みは典型的には550mm以下とすることができ、一実施態様では400mm以下、更には300mm以下、更には250mm以下とすることができる。一方で、ろ層41の厚みが小さすぎると、十分なろ過性能が得られない場合があることから、ろ層41の厚みは150mm以上、更には200mm以上とすることができる。
ろ層41として利用されるろ材としては、粗大フロックを捕捉可能な有効径、典型的には1.2mm以上、更には1.5mm以上、更には1.7mm以上の粒子状のろ材が利用可能である。ろ層41として利用されるろ材の有効径は、大きすぎると、ろ層41の上表面にフロックの堆積層を形成させることが困難になる場合があることから、有効径が2.0mm以下のろ材、更には1.8mm以下のろ材を使用することが好ましい。例えば、浄水処理に現在広く入手利用可能なアンスラサイト(密度約1.5g/cm3;有効径0.9~1.4mm)、ろ過砂(珪砂)を用いることで、従来の材料を利用した汎用性の高いろ過装置40が得られる。
本発明の実施の形態に係る浄水処理方法によれば、被処理水に有機高分子凝集剤を添加して粗大フロックを形成するとともに、固液分離で得られる粗大フロックを含むスラリーを粗大フロック形成工程へ返送することにより、フロックの粒径を粗大化し、安定した処理を行うことができるため、ろ層41の有効径が大きい材料、例えばアンスラサイト等のろ材を単独で使用しても良質なろ過処理水を得ることができる。
また、アンスラサイト等のような、珪砂等に比べて密度の大きな材料をろ材として利用することにより、ろ過装置40を逆流洗浄する際のろ過水量(洗浄水の上昇速度)を従来に比べて小さくしてもろ層41を十分流動させることが可能となるため、洗浄水量を節約でき、最終的な浄水の回収率を増やす効果も期待できる。
<浄水処理装置>
本発明の実施の形態に係る浄水処理装置は、被処理水に凝結剤を添加して微フロックを形成する微フロック形成手段と、微フロックを含む被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、微フロックを成長させて粗大フロックを形成する粗大フロック形成手段と、粗大フロックを含む被処理水を、粗大フロックを含むスラリーと上澄み液とに固液分離する固液分離手段と、スラリーを粗大フロックを含む被処理水中へ返送する返送手段と、上澄み液を、粗大フロックを捕捉可能な有効径を有する粒子状のろ材で構成されたろ層へ通水してろ過処理し、ろ過処理水を得るろ過手段とを備える。
具体的には、図1~図5に示すような浄水処理装置が利用可能である。図1に示す浄水処理装置は、混和槽10と、フロック形成槽20と、固液分離槽30と、調整槽50と、ろ過装置40とを備える。混和槽10は、被処理水に凝結剤を添加して微フロックを形成するための構成を有していれば具体的構成は限定されない。混和槽10は、凝結剤と被処理水とを撹拌するための撹拌手段11を備え、被処理水と凝結剤を収容して、一定時間撹拌しながら滞留させることにより、粒径1mm未満の微フロックを形成させる。混和槽10で得られた微フロックを含む被処理水は配管12を介してフロック形成槽20へ供給される。
フロック形成槽20は、微フロックを含む被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、微フロックを成長させて粗大フロックを形成することが可能な構成を有していれば特に限定されない。フロック形成槽20は、有機高分子凝集剤と微フロックを含む被処理水とを撹拌するための撹拌手段21を備え、有機高分子凝集剤と微フロックを含む被処理水とを一定時間撹拌しながら滞留させて粗大フロックを形成させる。
フロック形成槽20には、固液分離槽30における固液分離により得られたスラリーをフロック形成槽20内へ返送するための返送管32を備えており、固液分離槽30内の底部から引き抜かれたスラリーの一部が返送管32を介してフロック形成槽20へと循環される。このスラリーに含まれる粗大フロックがフロック形成槽20へ所定量供給されることにより、フロック形成槽20における粗大フロックの沈降性が向上するとともに、粗大フロックの粗大化が促進される。返送管32はフロック形成槽20の上流側に接続された配管12又はフロック形成槽20の下流側に接続された配管23へ接続することもできる。
フロック形成槽20内の被処理水に固液分離槽30で沈積したスラリーが混合されることにより、粒径2.0~5.0mm程度またはそれ以上の粗大フロックを形成させる。フロック形成槽20で得られる粗大フロックを含む被処理水は配管23を介して固液分離槽30へ供給される。
固液分離槽30は、粗大フロックを含む被処理水を沈降分離により粗大フロックを含むスラリーと上澄み液とに固液分離する装置であり、例えば、図1に示すように、典型的には上向流沈殿池を好適に用いることができる。粗大フロックを含む被処理水を供給する配管23は、被処理水を下向流で通水するように、上向流沈殿池の中央部付近に配置されており、被処理水中の粗大フロックが上向流沈殿池の底部に沈積する。上澄み液は上向流沈殿池の上部に接続された配管31を介して調整槽50へ供給され、調整槽50で一時貯留された後にろ過装置40へ供給される。
ろ過装置40は、上澄み液を、粗大フロックを捕捉可能な有効径を有する粒子状のろ材を用いてろ過処理し、ろ過処理水を得るための装置であれば特に限定されない。例えば、ろ過装置40は、塔内に有効径が1.2~2.0mmのアンスラサイト等の粒子状のろ材を厚さ150~550mm、より典型的には200~350mm程度に堆積したろ層41を備えることができ、上澄み液を塔の上部から下方へ向けて通水することでろ過処理する。ろ層41の表面上にはフロックの堆積層が形成されていることが好ましいが、フロック堆積層が厚くなるとろ抗が高くなりすぎるため、最大で5mm程度に抑えることが望ましい。このフロックの堆積層がケーキ層として機能するため、この堆積層によって粒径が1.2~2.0mmよりも小さい微フロックを捕捉し、より良質なろ過処理水を得ることができる。
図1の例では、固液分離槽30として上向流沈殿池を利用する例を示したが、本実施形態はこれに限定されず、スラリー循環型、スラッジブランケット型、複合型などの高速凝集沈殿装置の他、横流型沈殿池なども用いることができる。省スペース化などの点では、図1に示す上向流沈殿池や図2に示すような高速凝集沈殿装置300を用いることが好ましい。
(第1変形例)
図2に示すように、本発明の第1変形例に係る浄水処理装置は、固液分離槽30として高速凝集沈殿装置300が適用されている点が、図1の浄水処理装置と異なる。その他の構成は図1の浄水処理装置と実質的に同様であるので記載を省略する。
高速凝集沈殿装置300は、タンク状の装置本体301と、装置本体301内中央部に筒状の外側ドラフトチューブ302が配置されている。外側ドラフトチューブ302内には外側ドラフトチューブ302よりも小径の筒状の内側ドラフトチューブ303の上端が挿入されている。
内側ドラフトチューブ303の下端は、外側ドラフトチューブ302から突き出されており、突き出された部分は装置本体301の底面に向かうほど円錐状に広がっている。この高速凝集沈殿装置300では、内側ドラフトチューブ303の円錐状に広がった内部空間が撹拌部304となり、この撹拌部304で流体を撹拌する撹拌装置305が設置されている。撹拌装置305は特に限定されないが、例えば撹拌モーターによって駆動する撹拌翼を有している。
粗大フロックが形成された被処理水は、フロック形成槽20から撹拌部304へ供給されると、撹拌翼の回転により、撹拌部304の外側にある沈殿部306から流出したスラリーと撹拌混合される。このときの撹拌により上向流が生じ、被処理水が混合されたスラリーは内側ドラフトチューブ303内をフロックが沈降しない程度に速やかに水流撹拌されながら上昇する。
このときフロック同士が接触して合体し、更に成長する。したがって、この高速凝集沈殿装置300では、撹拌部304上方の内側ドラフトチューブ303で囲まれた空間が、フロックが形成されるフロック形成部307となる。フロック形成部307で成長したフロックは、撹拌部304から順次上昇するフロックにより、内側ドラフトチューブ303の上端から外側ドラフトチューブ302で囲まれた空間へ溢れ出て、溢出スラリー流となり、外側ドラフトチューブ302と内側ドラフトチューブ303との間の隙間を下降する。
この隙間を通る間にもフロック同士が接触して成長する。成長したフロックは、沈殿部306へ流出する。沈殿部306では、処理液の上昇流速と釣り合う終端速度のフロックが、スラリーブランケットを形成しており、スラリーブランケットを通過して清澄化された水がスラリーの界面を経て上澄み液となり上澄み液が配管308を介して高速凝集沈殿装置300の外部へ排出される。一方、沈殿部306へ沈降するスラリーは、更に沈殿部306から撹拌部304への流入スラリーとなり、撹拌部304へ戻る。
撹拌部304からフロック形成部307へ流れる水量は、撹拌部へ被処理水が流入する水量よりも大きいが、これは撹拌翼による水の噴出し作用によるものである。このため、フロック形成部307から沈殿部306へ流れる水量の一部は、沈殿部306の底部において撹拌部304へ吸込まれる。この沈殿部306の底部における撹拌部304への流れが流入スラリー流であり、沈殿部306の底部のスラリーは、ポンプなどの流体移送手段を用いることなく撹拌部304へ返送されることになり、返送されたスラリーのフロックがフロック形成部307でのフロック成長に寄与することになる。
この高速凝集沈殿装置300においても、得られたスラリーは粗大フロックを高濃度に含むため、フロック形成槽20へ返送管32を介してスラリーを返送循環させることで、フロックの成長がより促進され、処理水の水質が向上する。なお、図示していないが、図2の高速凝集沈殿装置300においても引き抜いたスラリーを更にフロック形成槽20へ返送することが可能である。
(第2変形例)
本発明の第2変形例に係る浄水処理装置は、フロック形成槽20を備えていない点が、図2に示す第1変形例と異なる。その他の構成は図2の浄水処理装置と実質的に同様であるので記載を省略する。
図3の例では、有機高分子凝集剤は、図3の点線部のいずれか、即ち、固液分離槽30(高速凝集沈殿装置300)の上流側にある混和槽10に接続された配管12、撹拌部304及びフロック形成部307の少なくとも1か所に供給される。図3の例では、フロック形成槽20は配置されていないが、第1変形例において説明したように、図3の高速凝集沈殿装置300は装置そのものにスラリー循環機能を備えているため、フロック同士の接触や有機高分子凝集剤とフロックとの混合は図2の例と同様に促進させることができ、本実施形態の目的を達成することが可能となる。
(第3変形例)
図4に示すように、本発明の第3変形例に係る浄水処理装置及び浄水処理方法は、図1の浄水処理装置のろ過装置40の後段に、ろ過装置40で得られたろ過処理水に紫外線照射を含む殺菌処理を行うための殺菌手段60を更に備える点が図1に示す浄水処理装置と異なる他は、図1の浄水処理装置と同様である。
第3変形例に係る浄水処理装置及び浄水処理方法によれば、ろ過処理水に対して紫外線を照射して殺菌することができるため、より良質な浄水を得ることができる。なお、紫外線照射の変わりに塩素類などの殺菌剤を添加して殺菌処理することも可能であることは勿論である。
図5に示すように、図4の浄水処理装置のろ過装置40の後段に、ろ過装置40で得られたろ過処理水の濁度を測定するための測定手段70と、測定手段70により測定されたろ過処理水の濁度が所定値を超えた場合に殺菌手段60を制御する制御手段80とを備えていてもよい。これにより、必要に応じて殺菌処理を行うことができるため、殺菌手段60の電力又は殺菌処理に用いられる薬剤の量を低減することができ、より効率的な浄水処理を行うことができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
実施例1では、図1に示すような上向流沈殿池を持つ固液分離槽を組み合わせて処理試験を実施した。被処理水は河川水を想定し、水道水にカオリンを添加し濁度を3度になるように調整した。この被処理水を3.2L/分の割合で混和槽に供給した。混和槽ではポリ塩化アルミニウム(多木化学 250A、以下、「PAC」と略す)を20mg/Lとなるように添加し、撹拌した。実施例1での混和槽の滞留時間は2分に設定した。また、撹拌速度は撹拌翼の周速で0.5m/秒に設定した。
混和槽で凝結したフロックを生成させた後、被処理水を容積16Lのフロック形成槽に供給した。なお、上向流カラムへの流入量を調整するため、混和槽から流出した被処理水の一部は、流量調整用捨て水として系外に排出した。フロック形成槽では流入した被処理水に有機高分子凝集剤を添加した。実施例1では有機高分子凝集剤としてエバグロースWA-542(アニオン性有機高分子凝集剤、水ing株式会社製、以下単に「WA-542」とも称する)を添加した。有機高分子凝集剤の添加率は被処理水に対し0.2mg/Lに設定した。フロック形成槽での滞留時間は約9分(アップフロー150mm/分)に設定した。また、撹拌速度は撹拌翼の周速で0.14m/秒に設定した。
フロック形成槽では微フロックと有機高分子凝集剤とを十分に混合させて粗大フロックを形成した後、上向流沈殿池に被処理水を供給した。上向流沈殿池は上部から被処理水を供給し、カラム内のセンターウェルで下向きに被処理水を流した。カラムの内径は120mm、カラム全体の高さは1200mmであった。センターウェルの開口部はカラム底部から380mmの高さに設置した。カラム底部にはスラリーを引抜く配管を設置し、ローラーポンプで引抜いたスラリーをフロック形成槽に循環させる配管を設けた。被処理水に対する循環水量の比は0.5Q(体積流量比)に設定した。
上向流沈殿池からオーバーフローした凝集沈殿処理水はいったん調整槽に貯留し、その後、ろ過装置に供給した。実施例1のろ過装置の構造を図6に示す。図6のろ過装置に挿入されたセンサ1とセンサ2は圧力センサである。実施例1ではろ層としてアンスラサイト(日本原料株式会社 公称粒径1.2mm)のみを300mmの高さ(厚さ)に充填した。
(比較例1)
実施例1と同等な実験装置構成において、混和槽においてPACのみを添加しフロック形成槽において有機高分子凝集剤を添加せずに、ろ過装置として従来の砂ろ過装置を用いた例を比較例1として示す。比較例1において、上向流沈殿池内でのアップフローは75mm/分に設定した。比較例1では、砂ろ過塔のろ層として一般的な多層ろ過池を想定し、図7に示すように、上部200mmにアンスラサイト(日本原料株式会社 公称粒径1.2mm)、下部400mmにろ過砂(日本原料株式会社 公称粒径0.6mm)を充填した。センサ1、センサ2、センサ3はそれぞれ圧力センサである。
有機高分子凝集剤を0.2mg/L添加した実施例1と、PACのみを添加した比較例1での凝集沈殿処理水(上澄み液)の濁度を図8に示す。比較例1ではアップフロー75mm/分で処理水の平均濁度は約0.6度であった。一方、実施例1では、アップフロー150mm/分でも平均濁度は0.2度であり、有機高分子凝集剤を添加することで良好な水質が得られた。
ろ過処理により得られたろ過処理水の濁度を比較すると実施例1と比較例1のいずれも0.05度未満であり、水道水質基準値である2度を十分に満たした。また、水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針で規定されているろ過水濁度は0.1度以下であるが、これも満たした。比較例1ではアップフロー75mm/分で処理水の平均濁度は約0.6度であった。一方、実施例1では、アップフロー150mm/分でも平均濁度は0.2度であり、有機高分子凝集剤を添加することで良好な水質が得られた。
ろ層の厚さとろ材粒径は、実験によって決めることが望ましいが、水道施設設計指針(2012年度版)において、ろ層厚さと、ろ材粒径の目安としては、以下の式(1)が提案されており、計算値が800以上であれば概ね安全とされている。

L/D≧800 ・・・(1)

ここでL;ろ層厚さ(m)、D;ろ材の調和平均径(m)である。
比較例1は水道施設設計指針(2012)に記載のろ層の標準的な厚さに従っており、式1の値も約830であり、目安の800を超えていた。一方、実施例1ではろ層の厚さは比較例1の半分の300mmとした。また、式1の値は約250であり、本来であれば砂ろ過処理水濁度が高くなることが予想された。しかし、実施例1では、フロック形成工程で有機高分子凝集剤を添加して粗大フロックの成長を促進させたため、フロックの沈降性が改善し、固液分離槽でのアップフローが2倍に増加したにもかかわらず、凝集沈殿処理水の水質が比較例1よりも改善した。
また、実施例1では生成したフロックが有機高分子凝集剤の効果により粗大化したため、ろ材の粒径が大きく、ろ層の厚さも小さくなったが、良好なろ過処理水水質を得ることができた。ろ過処理水の濁度を比較すると実施例1と比較例1のいずれも0.05度未満であり、水道水質基準値である2度を十分に満たした。また、水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針で規定されているろ過水濁度は0.1度以下であるが、これも満たした。
実施例1の各センサの圧力の経過を図9、比較例1の各センサの圧力の経過を図10に示す。ここでは圧力を各センサ位置での水頭高さとして表した。本試験でのろ過装置においては固液分離槽から流出した上澄み液をろ層の上部から供給すると、固液分離槽から流出した上澄み液に含まれるフロックも水と共にろ層の上部に供給されるため、ろ過の継続に従いフロックによりろ層が閉塞する。ろ層が閉塞するとろ過水が流出しにくくなり、その分ろ槽の上部に水が貯まるため、ろ層にかかる圧力が高くなる。この現象を各センサを用いて評価した。
実施例1ではセンサ2の水頭がろ過運転の継続に従って徐々に上昇した。一方センサ1の水頭はろ過運転中にほとんど変化しなかった。このことから実施例1では上澄み液に含まれるフロックがろ材の上部で堆積したため、ろ層内部に位置するセンサ1の圧力が高くならなかったことがわかる。この時、ろ過部を観察するとアンスラサイト層の表面にフロックが数mm程度堆積している様子が観察された。
一方、比較例1ではろ過運転開始の初期ではセンサ3の水頭が徐々に上昇したが、次いでセンサ2やセンサ3の水頭も上昇した。即ち、比較例1では、ろ層全体にフロックが閉塞していたことがわかる。実施例1では有機高分子凝集剤の添加によりフロックが粒径約2~5mm程度に粗大化したため、比較的粒径の大きなアンスラサイトによるろ層でも表面付近でフロックが捕捉され、ろ層高さが比較例1より低くても良好なろ過水が得られたと考えられる。一方、比較例1ではPACのみを添加したため、フロックの粒径が目視でも約2mm以下と小さく、ろ層内部にもフロックが入り込むため十分なろ層高さが必要になったと考えられる。
(比較例2)
比較例2では比較例1と同様に同じ実験装置構成で有機高分子凝集剤を添加せず、無機凝集剤のみを添加した条件で運転した。上向流カラム内でのアップフローは75mm/分に設定した。また、比較例2ではろ層として実施例1と同じくアンスラサイト(日本原料株式会社 公称粒径1.2mm)を600mm充填したろ過塔に、凝集沈殿処理水を供給した。
ろ過塔からのろ過処理水の平均濁度は0.23度であり、実施例1と比較して悪化した。比較例2では有機高分子凝集剤を添加しなかったためフロックが粗大化せず、実施例1と同じアンスラサイトのみのろ層では微細なフロックが捕捉できなかったため、ろ過水水質が悪化したと考えられた。
(比較例3)
比較例3は凝集沈殿部の固液分離方式として、図11に示すような従来から一般的な横流式沈殿池を用いた。沈殿池の表面負荷率は15mm/分に設定した。また、砂ろ過部は有効径0.6mmのろ過砂を600mmの高さに充填し、砂のみの単相ろ過とした。比較例3での沈殿池越流水の濁度は平均0.4度で、実施例1と比較してやや高く、凝集沈殿処理での固液分離方式の違いにより、スラリー循環方式を用いた実施例1が横流式沈殿池の比較例3よりも良好な水質が得られることが確認された。
砂ろ過部でのろ過抵抗を比較すると、実施例1では24時間当たり約340mmのろ過抵抗上昇速度であった。一方、比較例3では1時間で約600mmのろ過抵抗上昇速度であり、比較例3ではろ過抵抗の上昇速度が実施例1と比較して大幅に増加しており、有機高分子凝集剤の添加でろ過砂が閉塞しやすい事が示された。
これらの結果より、有機高分子凝集剤を適用する際にはアンスラサイトのように比較的粒径の大きなろ材を用いることが必要であることが示された。なお、比較例3の砂ろ過処理水の濁度は0.05度未満であり、水質面では問題なかった。
(実施例2)
実施例2では実施例1と同じ構成の実験装置を用い、ろ過部でのろ層として公称孔径1.2mmのアンスラサイトを510mmの高さに充填した。実施例1と同じ凝集沈殿条件で運転し、凝集沈殿処理水をろ過塔に供給した所、ろ過処理水は実施例1と同様に濁度が0.01度未満で推移した。標準的なろ層の厚さに近い条件でのろ過でも良好なろ過処理水水質を得ることが確認できた。
(実施例3)WA-542添加濃度
実施例3では実施例1と同じ装置でWA-542添加率のみを0.1mg/Lに変更して運転した。ろ過部も実施例1と同じく有効径1.2mmのアンスラサイトを300mm充填した。凝集沈殿処理水の濁度はほぼ0.01度以下であったが、時々0.2度程度まで上昇することがあった。
図12に実施例3の各センサの圧力経過を示す。センサ2の水頭は運転の継続に従い徐々に増加した。運転できた時間は約38時間で実施例1とよりやや短くなった。実施例3では実施例1と比較して凝集沈殿処理水の濁度がやや不安定な点やろ過継続時間が短くなった点から、WA-542の添加率が0.1mg/では不足していると考えられ、本実施例では0.2mg/L以上が適切であると考えられた。
(実施例4)
実施例4では実施例1の凝集沈殿部を用い、WA-542添加率を0.2~0.8mg/Lで変化させて凝集沈殿処理した。その他の運転条件は実施例1と同じである。凝集沈殿処理水濁度の結果を図13に示す。ここでは運転時間1~2日の短期間で比較した。実施例1と比較して凝集沈殿処理水濁度はやや高くなったが、WA-542添加率0.8mg/Lまで凝集沈殿処理水濁度は大きく変化しなかった。これらの結果より、本試験でのWA-542添加率は0.2~0.8mg/Lが適切と考えられる。
(参考例1)
参考例1では図1に示すように上向流カラムを持つ固液分離槽を組み合わせて処理試験を実施する場合において、固液分離槽で固液分離したスラリーの循環を行わなかった。被処理水は河川水を想定し、水道水にカオリンを添加し濁度を3度になるように調整した。この被処理水を3.2L/分の割合で混和池に供給した。混和槽10ではPACを20mg/Lとなるように添加し、撹拌した。混和槽の滞留時間は2分に設定した。また、撹拌速度は撹拌翼の周速で0.5m/秒に設定した。
混和槽で凝結したフロックを生成させた後、被処理水を容積16Lのフロック形成槽に供給した。なお、上向流カラムへの流入量を調整するため、混和槽から流出した被処理水の一部は、流量調整用捨て水として系外に排出した。フロック形成槽では流入した被処理水に有機高分子凝集剤を添加した。本実施例ではWA-542を添加した。WA-542の添加率は被処理水に対し0.2mg/Lに設定した。フロック形成槽での滞留時間は約9分(アップフロー150mm/分)に設定した。また、撹拌速度は撹拌翼の周速で0.14m/秒に設定した。フロック形成槽では微フロックとWA-542とを混合して粗大フロックを形成した後、上向流沈殿池(固液分離槽)に被処理水を供給した。上向流沈殿池は下部から被処理水を供給し、凝集沈殿処理水はカラム上部からオーバーフローさせた。カラムの内径は120mm、カラム全体の高さは1200mmであった。
上向流沈殿池からオーバーフローした凝集沈殿処理水は、いったん調整槽に貯留し、その後ろ過塔に供給した。参考例1では実施例1と同様にろ過塔内にアンスラサイト(日本原料株式会社 公称粒径1.2mm)のみを300mmの高さに充填した。
(比較例4)
参考例1に対する比較例4は、同じ実験装置構成でWA-542を添加せず、PACのみを添加した条件で運転した。上向流カラム内でのアップフローは75mm/分に設定した。また、比較例4では砂ろ過塔のろ層として一般的な多層ろ過池を想定し、上部200mmにアンスラサイト(日本原料株式会社 公称粒径1.2mm)、下部にろ過砂(日本原料株式会社 公称粒径0.6mm)を充填した。
参考例1と比較例4の凝集沈殿処理水の濁度を図14に示す。WA-542を添加した参考例1では、アップフローが比較例4の2倍にもかかわらず同等の凝集沈殿処理水濁度であり、有機高分子凝集剤の添加により沈降性が改善したが、図1のろ過処理水に比べて濁度が低い値で常に安定せず、実施例1に比べてやや処理安定性が低いものとなった。
10…混和槽
11…撹拌手段
12…配管
20…フロック形成槽
21…撹拌手段
23…配管
30…固液分離槽
31…配管
32…返送管
33…配管
40…ろ過装置
41…ろ層
50…調整槽
60…殺菌手段
70…測定手段
80…制御手段
300…高速凝集沈殿装置
301…装置本体
302…外側ドラフトチューブ
303…内側ドラフトチューブ
304…撹拌部
305…撹拌装置
306…沈殿部
307…フロック形成部
308…配管

Claims (7)

  1. 被処理水に凝結剤を添加して微フロックを形成し、
    前記微フロックを含む前記被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、前記微フロックを成長させて粗大フロックを形成し、
    前記粗大フロックを含む前記被処理水を前記粗大フロックを含むスラリーと上澄み液とに固液分離し、
    前記スラリーを、前記粗大フロックを含む前記被処理水と混合して前記粗大フロックの成長を促進させ、
    前記上澄み液を、ろ層厚さが150mm以上400mm以下、有効径が前記粗大フロックを捕捉可能となる1.2mm以上2.0mm以下の粒子状のろ材を用いてろ過処理し、ろ過処理水を得ること
    を含むことを特徴とする浄水処理方法。
  2. 前記スラリーを、前記被処理水の流入量に対して0.2~2.0倍量となるように、前記固液分離する前記被処理水と混合することを特徴とする請求項1に記載の浄水処理方法。
  3. 前記有機高分子凝集剤を、前記被処理水に0.2~0.8mg/L添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の浄水処理方法。
  4. 前記ろ過処理水に紫外線照射を含む殺菌処理を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の浄水処理方法。
  5. 前記ろ過処理水の濁度を測定し、前記濁度が所定値を超えた場合に前記殺菌処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の浄水処理方法。
  6. 被処理水に凝結剤を添加して微フロックを形成する微フロック形成手段と、
    前記微フロックを含む前記被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、前記微フロックを成長させて粗大フロックを形成する粗大フロック形成手段と、
    前記粗大フロックを含む前記被処理水を、前記粗大フロックを含むスラリーと上澄み液とに固液分離する固液分離手段と、
    前記スラリーを前記粗大フロックを含む前記被処理水中へ返送する返送手段と、
    前記上澄み液を、ろ層厚さが150mm以上400mm以下、有効径が前記粗大フロックを捕捉可能となる1.2mm以上2.0mm以下の粒子状のろ材で構成されたろ層へ通水してろ過処理し、ろ過処理水を得るろ過手段と
    を備えることを特徴とする浄水処理装置。
  7. 前記ろ材上に、最大で厚さ5mmの前記粗大フロックの堆積層を備えることを特徴とする請求項6に記載の浄水処理装置。
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