JP7138046B2 - 二特異性抗体基幹 - Google Patents
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Description
本願は、2015年12月18日に出願された米国仮特許出願第62/269,664号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容を参照により全体的に本明細書に援用する。
二特異性抗体は、新しい治療作用機序を獲得する潜在性を有する、新興の部類の生物学的薬剤である。しかしながら、二特異性抗体を発現させかつ適切に形成させることに関連するいくつかの課題が存在する。具体的には、4つの異なる鎖からなる非対称IgGの形態で二特異性抗体を効率的に発現させるには2つの問題:いわゆる重鎖誤対合問題、及び軽鎖誤対合問題を解決しなくてはならない。2つの異なる重鎖及び2つの異なる軽鎖が存在する場合、それらは異なるいくつかの並び替えで誤対合する可能性がある(図1を参照のこと)。したがって、適切に対合した二特異性抗体を形成させるには、2つの重鎖がヘテロ二量体を形成せねばならず、各重鎖はその同族軽鎖と対合せねばならない。本開示は、異なるエピトープと結合するいかなる2つの抗体も非対称IgGの形態の二特異性抗体に変換することができる二特異性抗体基幹を提供する。基幹は、リジン再配置と呼ばれる重鎖ヘテロ二量体化方策及び、抗体の可変ドメインの操作を必要としない軽鎖誤対合問題の解決策に基づく。一実施形態において、基幹は、二特異性抗体の2本の重鎖のヘテロ二量体化を引き起こすべくCH3ドメインにおいてリジン再配置によって操作された、Fc領域を含有している。別の実施形態では、片方のFabアームのCH1及びCLドメインが、IgE CH2ドメイン(またはIgM CH2ドメイン)またはIgE CH2ドメイン(またはIgM CH2ドメイン)となおも対合することができるその断片で置き換わっている。このFabの操作は、二特異性抗体の軽鎖の誤対合を軽減または防止することができる。本開示は、二特異性抗体基幹の設計、操作及び試験について記載し、それは共発現によって2つの抗体から非対称IgGを効率的に生み出すことができる。
図1に示されているような二特異性抗体における軽鎖(LC):重鎖(HC)対の正しい会合をもたらすために、本明細書において開示する解決策は、軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列を、これらの鎖の定常ドメイン(すなわち、CL及びCH1ドメイン)がIgフォールドドメイン(または重軽鎖のIgフォールドドメイン間で安定なジスルフィド結合型二量体をなおも形成することができるその断片)で置き換えられるように軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列を改変することである。
VH1構築物:VH1-L-X-CH2E(またはCH2M);及び
VL1構築物:VL1-L-X-CH2E(またはCH2M)
を有するアミノ酸配列を特徴とし、式中、「VH1」及び「VL1」は、対合して第1エピトープに対する第1抗原結合部位を形成する重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインであり;「L」は任意でのリンカー(以下でさらに説明する)であり;「X」は任意でのエルボー領域(以下でさらに説明する)であり;「CH2E」は、配列番号1、または配列番号1(例えば配列番号1のアミノ酸9~107)と安定なジスルフィド結合型二量体を形成することができるその断片を指し、「CH2M」は、配列番号2、または配列番号2(例えば配列番号2のアミノ酸7~112)と安定なジスルフィド結合型二量体を形成することができるその断片を指す。特定の実施形態では、VH1及びVL1構築物には「L」及び「X」の片方または両方が存在していない。
VH1構築物:VH1-X-L-CH2E(またはCH2M)、及び
VL1構築物:VL1-X-L-CH2E(またはCH2M)
を有するアミノ酸配列を特徴とする。
VH1構築物:VH1-L-X-L-CH2E(またはCH2M)、及び
VL1構築物:VL1-L-X-L-CH2E(またはCH2M)
を有するアミノ酸配列を特徴とする。
本願はさらに、重鎖ヘテロ二量体化に有効な方策としてリジン再配置を開示する。CH3ドメインの構造解析、モデリング、及び潜在的な界面突然変異の解析に基づいてリジン再配置の方策を考案して非対称な相補的CH3界面の操作をした(図2を参照のこと)。具体的には、CH3単量体AにおけるLys409(EU付番)のSerによる置換及びSer364(EU付番)のLysによる置換は、リジンをβストランドEから隣接する逆平行βストランドBへと再配置する。反対に、CH3単量体BにおけるLys370(EU付番)のSerによる置換及びPhe405(EU付番)のLysによる置換は、リジンをβストランドBからβストランドEへと再配置する。他の実施形態では、リジン再配置には表2のMP4の突然変異を伴う。再配置されたリジンは、ヘテロ二量体では積み重なるが、ホモ二量体では立体的衝突及び電荷の衝突を引き起こし、それは、ホモ二量体の形成を防止し、それにゆえCH3ドメインのヘテロ二量体化をもたらす。このように、抗体のCH3ドメイン(例えば、IgG1抗体のCH3)の中にこれらの変更を組み込むことによって、これらの突然変異を有さない抗体に関して抗体の重鎖のヘテロ二量体化を増すことができる。この方策は、公開されているFcヘテロ二量体化突然変異よりも勝るかまたはそれと同程度の効率で重鎖ヘテロ二量体化に非常に効果的な方策であるということが判明した。
ヒトIgG1ヒンジ:EPKSCDKTHTCPPCP (配列番号15)
ヒトIgG4ヒンジ:ESKYGPPCPSCP (配列番号16)
突然変異体ヒトIgG4(S228P)ヒンジ:ESKYGPPCPPCP (配列番号17)
特定の場合には、上記のヒンジ配列のN及び/またはC末端において1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのアミノ酸を欠失させてもよい。特定の場合には、ヒンジ配列またはそのN及び/もしくはC末端において4つ以下、3つ以下、2つ以下、1つ、2つ、3つまたは4つのアミノ酸の置換、欠失及び/または挿入があってもよい。
本開示は、本明細書に記載のヘテロ二量体型の二特異性抗体及び一価抗体の重軽鎖をコードする核酸も包含する。VH、VL、ヒンジ、CH1、CH2、CH3及びCH4領域を含む免疫グロブリン領域をコードする多くの核酸配列が当該技術分野において既知である。例えば、Kabat et al. in SEQUENCES OF IMMUNOLOGICAL INTEREST, Public Health Service N.I.H., Bethesda,Md.,1991を参照されたい。本明細書において提供される指針を用いれば、当業者はそのような核酸配列及び/または当該技術分野において知られているその他の核酸配列を組み合わせて本明細書に記載のヘテロ二量体型二特異性抗体をコードする核酸配列を作出することができよう。
本明細書に記載の二特異性抗体及び一価抗体は、当該技術分野においてよく知られている方法を用いて作ることができる。例えば、二特異性抗体の4本のポリペプチド鎖をコードする核酸を様々な既知の方法、例えば、形質転換、トランスフェクション、電気穿孔法、核酸で被覆された微粒子の撃ち込みなどによって宿主細胞内に導入することができる。ある場合には、二特異性抗体をコードする核酸は、宿主細胞内に導入される前に宿主細胞での発現に適したベクターの中に挿入される。典型的には、そのようなベクターは、挿入された核酸をRNAレベル及びタンパク質レベルで発現するのを可能にする配列エレメントを含有することができる。そのようなベクターは当該技術分野においてよく知られており、多くは市販されている。核酸を含有する宿主細胞は、核酸を細胞が発現することを可能にするような条件下で培養することができる。結果として生じるヘテロ二量体型二特異性抗体は、細胞塊または培地から回収することができる。あるいは、ヘテロ二量体型二特異性抗体を生体内で、例えば、植物の葉(例えば、Scheller et al.,Nature Biotechnol.,19:573-577 (2001)及びその中で引用される参考文献を参照のこと)、鳥の卵(例えば、Zhu et al.(2005),Nature Biotechnol.,23:1159-1169(2005)及びその中で引用される参考文献を参照のこと)、または哺乳動物の乳(例えば、Laible et al.,Reprod.Fertil.Dev.25(1):315(2012))において産生させることができる。単離した抗体は、ヒト対象への投与のために無菌組成物として製剤化することができる。
CH3ドメインは、IgGの2本の重鎖同士が接触する主要な場所の1つである。2つのCH3ドメインは、界面にある接触残基が密にパッキングされた状態で頭-尾配向で結合し合う。重鎖ヘテロ二量体化は、2つのCH3ドメイン同士の接触のコアにある疎水性表面を操作すること、または接触面の周辺にある荷電残基を変化させることによって達成することができる。疎水性接触残基の密なパッキングを維持すべく、非対称性の操作をするためにCH3界面の周辺を選択した。CH3ドメインの突然変異のためのさらなる設計基準には、(i)ヘテロ二量体化の効率的誘因、(ii)少ない突然変異、及び(iii)全体的に電荷中立的な変化が含まれた。CH3ドメインの構造解析及び突然変異の設計は、ヒトIgG1 Fc(PDBコード3AVE)の結晶構造を使用して行った。比較解析により、公開されている多数のヒトFcドメイン同士で構造の同一性が高いことが示され、構造の選択がCH3の操作にとって必須でない可能性があることが示唆された。潜在的な界面突然変異のモデリング及び解析に基づき、リジン再配置の方策を考案して非対称な相補的CH3界面の操作をした(図2)。単量体AにおけるLys409(EU付番)のSerによる置換及びSer364(EU付番)のLysによる置換は、リジンをβストランドEから隣接する逆平行βストランドBへと再配置する。反対に、単量体BにおけるLys370(EU付番)のSerによる置換及びPhe405(EU付番)のLysによる置換は、リジンをβストランドBからβストランドEへと再配置する。再配置されたリジンは、ヘテロ二量体では積み重なるが、ホモ二量体では立体的衝突及び電荷の衝突を引き起こし、それは、ホモ二量体の形成を防止すべきものであり、それゆえヘテロ二量体化をもたらすべきものである。
MP3単量体AのCH3ドメインのアミノ酸配列(突然変異は下線付きの太字)
MP4のCH3ドメインのペプチド配列を以下に示す。
MP4の単量体AのCH3ドメインの配列(突然変異は下線付きの太字)
MP4A突然変異(S634K、K409L)を有する抗EGFR M60-A02 IgG1重鎖、pMP254のDNA配列:
リジン再配置設計のさらなる特性評価を行うために、突然変異を完全なIgG1重鎖の中に組み込んだ。これらの構築物は、潜在的影響を制限しかつ軽鎖対合問題を回避するために両方の重鎖上に同じFab(抗EGFR M60-A02)を含有していた。等量の2つの重鎖、及びM60-A02の軽鎖をCHO一過性発現体において発現させ、上清をSDS-PAGEで分析した。どの上清も、1本の重鎖と1本の軽鎖とからなる半抗体をかなりの量で含有していたが、LC-MCピーク(データ示さず)の定量によって示されるとおり設計MP4はMP3と比べてより少ない量の半抗体を生成した。さらに、質量分析からは、これらの試料において半抗体が重鎖Bによってのみ形成されていることが明らかになった(データ示さず)。これは、半抗体形成が重鎖Bの過剰発現の結果であり得ることを示唆しており、それは、2つの重鎖同士の比を最適化することによって半抗体のレベルを低減する可能性を切り開くものである。それゆえ、同一のFabを有する設計MP4の重鎖(プラスミドpMP254及びpMP399)を1:5~5:1の様々な比でCHO-S細胞内にトランスフェクトした。重鎖の総量(14μg)及び軽鎖の量は、これらのトランスフェクションにおいて一定に保った。鎖Aの過剰発現は、半抗体の形成を減少させて上清中の完全IgGの量を増加させ、半抗体形成が鎖同士の示差的発現によって影響を受けることを裏付けた(図4A)。これらの実験ではどちらの重鎖も同じFab(抗EGFR M60)を含有していたことから、2つの重鎖の示差的発現はCH3突然変異に起因している可能性がある。しかしながら、質量分析は、どちらの鎖の過剰発現もそれぞれのホモ二量体の形成の増加を招くということも実証した(図4B)。したがって、2本の重鎖間で等しい比率は、望ましくない副生成物を最小限にする好適な妥協点である。
図1に示されているような二特異性抗体における軽鎖:重鎖(LC:HC)対の正しい会合を引き起こすためには、誤った会合が立体的衝突または電荷の反発によって防止されるように鎖間の界面が操作され得る。抗体の軽鎖は可変ドメイン及び定常ドメインにおいて重鎖と接触し、どちらの接触(VL:VH及びCL:CH1)も認識及び係合に寄与する。それゆえ、定常ドメインにおける点突然変異は、各軽鎖を正しい対合へと導くのに十分でない可能性があり、可変ドメインの操作が必要となる可能性がある。したがって、軽鎖対合を解決するための代替方策を探究した。
E-Fab軽鎖定常領域agly N38Q(設計E2、T121G、pMP463)のアミノ酸配列
E-Fabとリジン再配置構築物とを組み合わせて完全IgG様二特異性抗体を作製した。そのような二特異性抗体は4本の異なる鎖からなり、軽鎖対合解決策と重鎖ヘテロ二量体化解決策とを両方含有している(図7)。抗EGFR抗体M60-A02と抗IGF1R M13.C06またはG11とを再び使用して、ヘテロ二量体化突然変異MP3を有する2本の異なるIgG1重鎖を組み立てた。
成熟M60-A02 E体 重鎖(EFab E2、mp3aヘテロ二量体化、pMP401)のアミノ酸配列(CH2ドメインに下線を引き、CH3ドメインを太字で示している)
Efab及びFcヘテロ二量体化を用いて二特異性基をさらに試験するために、別のIgG様二特異性抗体を、種々のがんの治療のために認可されているトラスツズマブとセツキシマブとの2つの治療抗体から作製した。二特異体を作製するために、軽鎖対合解決策Efabを用いて抗HER抗体であるトラスツズマブをクローニングし、次にmp4重鎖ヘテロ二量体化突然変異(S364K/K409S及びK370S/V397I/F405K)を用いて抗EGFR抗体であるセツキシマブと組み合わせた。その後、抗体の2本の重鎖及び2本の軽鎖をコードする4つのプラスミド(pMP521、pMP526、pMP528及びpMP530)をCHO-S細胞において一過的なトランスフェクションによって共発現させ、結果として生じた二特異性抗体をプロテインAで精製した。この抗体は次に、可溶タイプのHER2とEGFRとの2つの抗原を使用するOctet結合性試験において使用した(図9A及び図9Bを参照されたい)。図9A及び図9Bに示されているように、二特異性抗体はその両方の抗原に同時に結合することができる。
pMP530 トラスツズマブ Efab IgG1 mp4a
Efabの構築をさらに最適化するために、IgEの可変ドメインとCH2ドメインとの間のリンカーをさらに調査した。先の実施例ではヒトカッパ及びCH1ドメインに由来するエルボー領域を可変ドメインとIgE CH2との間のリンカーとして使用した。しかしながら、その他のリンカー配列は潜在的に形状を変化させるかまたは異なる度合いの柔軟性を提供する可能性があり、よって鎖の正しい会合またはEfabと抗原との結合性に影響を与える可能性がある。これを試験するために、抗HER2抗体であるトラスツズマブをEfabとして操作し、軽鎖内に様々なエルボー配列を含めた。使用したリンカーは、ラムダ軽鎖もしくはヒトIgE CH2ドメインに由来するもの、または様々な長さのGly-Serリンカーであった(図10)。EfabはCHO細胞において一過的なトランスフェクションにより(図9に示すように)セツキシマブとの非対称IgGとして発現した。興味深いことに、様々なエルボーリンカー配列は、トラスツズマブがHER2と結合する能力にほとんど影響を与えず、どの構築物も野生型トラスツズマブFabと比べて同程度の結合性を示した。
6xHisタグを有するトラスツズマブM-fab重鎖(pMP623)のアミノ酸配列(エルボー領域を太字で示し、IgM CH2ドメインには下線を引き、6xHisをイタリック体で示す)
次に、重軽鎖対合解決策を、他の様々な二特異性構成及び一価特異性構成との関連においてさらに試験して、これらの技術がどのくらい多目的かつ機能的であるかを探究した。
pMP402 M60 Efab IgG1 agly T299A mp3a S364K/K409S
pMP759 トラスツズマブ IgG1-C06 EFab
本発明をその詳細な説明と併せて記載してきたが、上記記載は例示を意図するものであり、添付の特許請求の範囲によって定義付けられる本発明の範囲の限定を意図するものではない。他の態様、利点及び改変は、別記の請求項の範囲内である。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
第1重鎖可変ドメイン(第1VH)と第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)とを含んでいる、抗体またはその抗原結合性断片であって、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成している、前記抗体またはその抗原結合性断片。
(項目2)
前記第1ポリペプチドがFcドメインに直接繋げられている、項目1に記載の抗体。
(項目3)
前記第2ポリペプチドがFcドメインに直接繋げられている、項目1に記載の抗体。
(項目4)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む、項目1~3のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目5)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~3のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目6)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107を含む、項目1~3のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目7)
前記第1ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~6のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目8)
前記第1ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列を含む、項目1~6のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目9)
前記第2ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~8のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目10)
前記第2ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列を含む、項目1~8のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目11)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸9~107に示すアミノ酸配列とは12個以下のアミノ酸残基が異なっている、項目1~3のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目12)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、鎖内ジスルフィド結合を形成しない配列番号1の2つのシステイン残基のうちの少なくとも1つにおいてシステイン以外のアミノ酸を含有している、項目1~3のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目13)
(i)前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1のNグリコシル化モチーフ内に含有するか;または
(ii)前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドが、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1のNグリコシル化モチーフ内に含有する、
項目1~3、項目5、項目11または項目12のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目14)
前記抗体またはその抗原結合性断片が、第2重鎖可変ドメイン(第2VH)と第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)とを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、項目1~13のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目15)
前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、項目14に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目16)
第1重鎖可変ドメイン(第1VH)と第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)とを含んでいる、抗体またはその抗原結合性断片であって、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成している、前記抗体またはその抗原結合性断片。
(項目17)
前記第1ポリペプチドがFcドメインに直接繋げられている、項目16に記載の抗体。
(項目18)
前記第2ポリペプチドがFcドメインに直接繋げられている、項目16に記載の抗体。
(項目19)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列を含む、項目16~18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目20)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目16~18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目21)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112を含む、項目16~18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目22)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸7~112に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目16~18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目23)
(i)前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有するか;または
(ii)前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドが、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有する、
項目16~18、項目20または項目22のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目24)
前記抗体またはその抗原結合性断片が、第2重鎖可変ドメイン(第2VH)と第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)とを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、項目16~23のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目25)
前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、項目24に記載の抗体またはその抗原結合性断片
(項目26)
二特異性抗体であって、
(i)第1重鎖可変ドメイン(第1VH)と第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)とを含んでいる第1抗原結合性断片(第1Fab)を含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり;さらに、
(ii)第2VHと第2VLとを含んでいる第2Fabを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、
前記第1Fab及び前記第2Fabが、異なる抗原、または同じ抗原の異なるエピトープに特異的に結合するものであり、
前記第1Fabが前記第2Fabに連結されている、前記二特異性抗体。
(項目27)
前記第1Fabがリンカーによって前記第2Fabに連結されている、項目26に記載の二特異性抗体。
(項目28)
前記第1Fabが異種ポリペプチドによって前記第2Fabに連結されている、項目26に記載の二特異性抗体。
(項目29)
前記異種ポリペプチドがヒト血清アルブミンである、項目28に記載の二特異性抗体。
(項目30)
前記異種ポリペプチドがXTENである、項目28に記載の二特異性抗体。
(項目31)
前記第1Fabがポリエチレングリコール(PEG)によって前記第2Fabに連結されている、項目26に記載の二特異性抗体。
(項目32)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが各々、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む、項目26~31のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目33)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目26~31のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目34)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107を含む、項目26~31のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目35)
前記第1ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目26~34のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目36)
前記第1ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列を含む、項目26~34のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目37)
前記第2ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目26~36のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目38)
前記第2ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列を含む、項目26~36のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目39)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸9~107に示すアミノ酸配列とは12個以下のアミノ酸残基が異なっている、項目26~31のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目40)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、鎖間ジスルフィド結合を形成することができる配列番号1の2つのシステイン残基のうちの少なくとも1つにおいてシステイン以外のアミノ酸を含有している、項目26~31のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目41)
(i)前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1のNグリコシル化モチーフ内に含有するか;または
(ii)前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドが、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1のNグリコシル化モチーフ内に含有する、
項目26~31、項目33、項目39または項目40のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目42)
二特異性抗体であって、
(i)第1重鎖可変ドメイン(第1VH)と第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)とを含んでいる第1抗原結合性断片(第1Fab)を含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり;さらに、
(ii)第2VHと第2VLとを含んでいる第2Fabを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、
前記第1Fab及び前記第2Fabが、異なる抗原、または同じ抗原の異なるエピトープに特異的に結合するものであり、
前記第1Fabが前記第2Fabに連結されている、前記二特異性抗体。
(項目43)
前記第1Fabがリンカーによって前記第2Fabに連結されている、項目42に記載の二特異性抗体。
(項目44)
前記リンカーがペプチドリンカーである、項目43に記載の二特異性抗体。
(項目45)
前記第1Fabが異種ポリペプチドによって前記第2Fabに連結されている、項目42に記載の二特異性抗体。
(項目46)
前記異種ポリペプチドがヒト血清アルブミンである、項目45に記載の二特異性抗体。
(項目47)
前記異種ポリペプチドがXTENである、項目45に記載の二特異性抗体。
(項目48)
前記第1Fabがポリエチレングリコール(PEG)によって前記第2Fabに連結されている、項目42に記載の二特異性抗体。
(項目49)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが各々、配列番号2に示すアミノ酸配列を含む、項目42~48のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目50)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目42~48のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目51)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112を含む、項目42~48のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目52)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目42~48のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目53)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、鎖間ジスルフィド結合を形成することができる配列番号2のシステイン残基においてシステイン以外のアミノ酸を含有している、項目42~48のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目54)
(i)前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有するか;または
(ii)前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドが、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有する、
項目42~48、項目50、項目52または項目53のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目55)
四価二特異性抗体であって、
(i)第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する全IgG抗体を含み、前記全IgG抗体が第1CH3ドメイン及び第2CH3ドメインを含むものであり;さらに、
(ii)第1Fab及び第2Fabを含み、
前記第1Fabが第1重鎖可変ドメイン(第1VH)及び第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)を含むものであり、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、
前記第2Fabが第2重鎖可変ドメイン(第2VH)及び第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)を含むものであり、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1Fabと同じエピトープに特異的に結合する第2可変領域を形成しており;
前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VHが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり;
前記第1Fabが前記全IgG抗体の前記第1CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが前記全IgG抗体の前記第2CH3ドメインのC末端に連結されている、前記四価二特異性抗体。
(項目56)
前記第1Fabが第1リンカーによって前記全抗体の前記第1CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが第2リンカーによって前記全抗体の前記第2CH3ドメインのC末端に連結されている、項目55に記載の四価抗体。
(項目57)
前記第1及び第2リンカーがペプチドリンカーである、項目56に記載の四価抗体。
(項目58)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む、項目55~57のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目59)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目55~57のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目60)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107を含む、項目55~57のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目61)
前記第1ポリペプチド及び前記第3ポリペプチドが各々、配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目55~60のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目62)
前記第1ポリペプチド及び前記第3ポリペプチドが各々、配列番号5に示すアミノ酸配列を含む、項目55~60のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目63)
前記第2ポリペプチド及び前記第4ポリペプチドが各々、配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目55~62のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目64)
前記第2ポリペプチド及び前記第4ポリペプチドが各々、配列番号6に示すアミノ酸配列を含む、項目55~62のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目65)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸9~107に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目55~57のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目66)
四価二特異性抗体であって、
(i)第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する全IgG抗体を含み、前記全IgG抗体が第1CH3ドメイン及び第2CH3ドメインを含むものであり;さらに、
(ii)第1Fab及び第2Fabを含み、
前記第1Fabが第1重鎖可変ドメイン(第1VH)及び第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)を含むものであり、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、
前記第2Fabが第2重鎖可変ドメイン(第2VH)及び第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)を含むものであり、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1Fabと同じエピトープに特異的に結合する第2可変領域を形成しており;
前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VHが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり;
前記第1Fabが前記全IgG抗体の前記第1CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが前記全IgG抗体の前記第2CH3ドメインのC末端に連結されている、前記四価二特異性抗体。
(項目67)
前記第1Fabが第1リンカーによって前記全抗体の前記第1CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが第2リンカーによって前記全抗体の前記第2CH3ドメインのC末端に連結されている、項目66に記載の四価抗体。
(項目68)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが各々、配列番号2に示すアミノ酸配列を含む、項目65~67のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目69)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目66または項目67に記載の四価抗体。
(項目70)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112を含む、項目66または項目67に記載の四価抗体。
(項目71)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸7~112に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目66または項目67に記載の四価抗体。
(項目72)
四価二特異性抗体であって、
(i)第1Fab及び第2Fabを含み、
前記第1Fabが第1重鎖可変ドメイン(第1VH)及び第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)を含むものであり、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、
前記第2Fabが第2重鎖可変ドメイン(第2VH)及び第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)を含むものであり、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の前記第1エピトープに特異的に結合する第2可変領域を形成しており;さらに、
(ii)第1IgG CH2ドメイン及び第1IgG CH3ドメインを含んでいる第1重鎖と、第2IgG CH2ドメイン及び第2IgG CH3ドメインを含んでいる第2重鎖と、第1軽鎖と、第2軽鎖とを含む、全抗体を含み、前記抗体が第3VH及び第3VLならびに第4VH及び第4VLを含むものであり、前記第3VHと前記第3VLとが対合して、第2抗原のエピトープに特異的に結合する第3可変領域を形成しており、前記第4VHと前記第4VLとが対合して、前記第2抗原の同じエピトープに特異的に結合する第4可変領域を形成しており、
前記第3VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第3VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VHが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドが前記第1IgG CH2ドメインのN末端に連結されており、前記第3ポリペプチドが前記第2IgG CH2ドメインのN末端に連結されており;
前記第1Fabが前記第1IgG CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが前記第2IgG CH3ドメインのC末端に連結されている、前記四価二特異性抗体。
(項目73)
前記第1Fabが第1リンカーによって前記第1IgG CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが第2リンカーによって前記第2IgG CH3ドメインのC末端に連結されている、項目72に記載の四価抗体。
(項目74)
前記第1及び第2リンカーがペプチドリンカーである、項目73に記載の四価抗体。
(項目75)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む、項目72~74のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目76)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目72~74のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目77)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107を含む、項目72~74のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目78)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第3ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目72~77のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目79)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第3ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列を含む、項目72~77のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目80)
前記第2ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目72~79のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目81)
前記第2ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列を含む、項目72~79のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目82)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目72~74のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目83)
四価二特異性抗体であって、
(i)第1Fab及び第2Fabを含み、
前記第1Fabが第1重鎖可変ドメイン(第1VH)及び第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)を含むものであり、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、
前記第2Fabが第2重鎖可変ドメイン(第2VH)及び第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)を含むものであり、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の前記第1エピトープに特異的に結合する第2可変領域を形成しており;さらに、
(ii)第1IgG CH2ドメイン及び第1IgG CH3ドメインを含んでいる第1重鎖と、第2IgG CH2ドメイン及び第2IgG CH3ドメインを含んでいる第2重鎖と、第1軽鎖と、第2軽鎖とを含む、全抗体を含み、前記抗体が第3VH及び第3VLならびに第4VH及び第4VLを含むものであり、前記第3VHと前記第3VLとが対合して、第2抗原のエピトープに特異的に結合する第3可変領域を形成しており、前記第4VHと前記第4VLとが対合して、前記第2抗原の同じエピトープに特異的に結合する第4可変領域を形成しており、
前記第3VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第3VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VHが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドが前記第1IgG CH2ドメインのN末端に連結されており、前記第3ポリペプチドが前記第2IgG CH2ドメインのN末端に連結されており;
前記第1Fabが前記第1IgG CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが前記第2IgG CH3ドメインのC末端に連結されている、前記四価二特異性抗体。
(項目84)
前記第1Fabが第1リンカーによって前記第1IgG CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが第2リンカーによって前記第2IgG CH3ドメインのC末端に連結されている、項目83に記載の四価抗体。
(項目85)
前記第1及び第2リンカーがペプチドリンカーである、項目84に記載の四価抗体。
(項目86)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列を含む、項目83~85のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目87)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目83~85のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目88)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112を含む、項目83~85のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目89)
前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目83~85のいずれか1項に記載の四価抗体。
(項目90)
ヘテロ二量体化モジュールであって、
(i)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインを含み、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がセリンであり;さらに、
(ii)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインを含み、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンであり、
(i)及び(ii)においてアミノ酸位置がEU付番方式に基づくものであり、
前記第1IgG1 CH3ドメインと前記第2IgG1 CH3とが対合してヘテロ二量体を形成している、前記ヘテロ二量体化モジュール。
(項目91)
第1IgG1 CH2ドメイン及び第2IgG1 CH2ドメインをさらに含み、前記第1IgG1 CH2ドメインが前記第1IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2IgG1 CH2ドメインが前記第2IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、項目90に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目92)
2本のポリペプチド鎖を含んでいる第1Fabをさらに含み、前記Fabの前記2本のポリペプチド鎖のうちの1本のC末端が、第1ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1ヒンジ領域が前記第1IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられている、項目91に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目93)
前記第1IgG1 CH3ドメインのC末端と、前記第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2ヒンジ領域のN末端とを繋げるリンカーをさらに含む、項目92に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目94)
第2ヒンジ領域を介して前記第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2Fabをさらに含む、項目92に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目95)
VHドメイン、CH1ドメイン、VLドメイン及びCLドメインをさらに含み、(i)前記VHドメインのC末端がCH1ドメインのN末端に繋げられており、前記CH1ドメインのC末端が第1ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1ヒンジ領域のC末端が、前記第1IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第1IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(ii)前記VLドメインのC末端が前記CLドメインのN末端に繋げられており、前記CLドメインのC末端が第2ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第2ヒンジ領域のC末端が、前記第2IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(iii)前記VHドメインと前記VLドメインとが対合して、抗原に特異的に結合する可変領域を形成している、項目91に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目96)
第1VH及び第1VLならびに第2VH及び第2VLをさらに含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の別のエピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、項目91に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目97)
前記第1VLのアミノ酸配列が前記第2VLのアミノ酸配列と同一である、項目96に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目98)
第1IgG4 CH2ドメイン及び第2IgG4 CH2ドメインをさらに含み、前記第1IgG4 CH2ドメインが前記第1IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2IgG4 CH2ドメインが、前記第2IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、項目90に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目99)
2本のポリペプチド鎖を含んでいる第1Fabをさらに含み、前記Fabの前記2本のポリペプチド鎖のうちの1本のC末端が、第1IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1IgG4ヒンジ領域が第1IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられている、項目98に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目100)
前記第1IgG4ヒンジ領域がS228P突然変異(EU付番)を含む、項目99に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目101)
前記第1IgG1 CH3ドメインのC末端と、前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2IgG4ヒンジ領域のN末端とを繋げるリンカーをさらに含む、項目98に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目102)
前記第2IgG4ヒンジ領域がS228P突然変異(EU付番)を含む、項目101に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目103)
第2IgG4ヒンジ領域を介して前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2Fabをさらに含む、項目99に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目104)
前記第2IgG4ヒンジ領域がS228P突然変異(EU付番)を含む、項目103に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目105)
VHドメイン、CH1ドメイン、VLドメイン及びCLドメインをさらに含み、(i)前記VHドメインのC末端が前記CH1ドメインのN末端に繋げられており、前記CH1ドメインのC末端が第1IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1IgG4ヒンジ領域のC末端が、前記第1IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第1IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(ii)前記VLドメインのC末端がCLドメインのN末端に繋げられており、前記CLドメインのC末端が第2IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第2IgG4ヒンジ領域のC末端が、前記第2IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(iii)前記VHドメインと前記VLドメインとが対合して、抗原に特異的に結合する可変領域を形成している、項目98に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目106)
前記第1IgG4ヒンジ領域及び前記第2IgG4ヒンジ領域が各々、S228P突然変異(EU付番)を含む、項目105に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目107)
第1VH及び第1VLならびに第2VH及び第2VLをさらに含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の別のエピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、項目98に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目108)
前記第1VLのアミノ酸配列が前記第2VLのアミノ酸配列と同一である、項目107に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目109)
ヘテロ二量体化モジュールであって、
(i)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインを含み、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がロイシンであり;さらに、
(ii)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインを含み、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置397のアミノ酸がイソロイシンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンであり、
(i)及び(ii)においてアミノ酸位置がEU付番方式に基づくものであり、
前記第1IgG1 CH3ドメインと前記第2IgG1 CH3とが対合してヘテロ二量体を形成している、前記ヘテロ二量体化モジュール。
(項目110)
第1IgG1 CH2ドメイン及び第2IgG1 CH2ドメインをさらに含み、前記第1IgG1 CH2ドメインが前記第1IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2IgG1 CH2ドメインが前記第2IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、項目109に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目111)
第1IgG1 CH2ドメイン及び第2IgG1 CH2ドメインをさらに含み、前記第1IgG1 CH2ドメインが前記第1IgG1 CH3ドメインのN末端に直接繋げられており、前記第2IgG1 CH2ドメインが前記第2IgG1 CH3ドメインのN末端に直接繋げられている、項目110に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目112)
2本のポリペプチド鎖を含んでいる第1Fabをさらに含み、前記Fabの前記2本のポリペプチド鎖のうちの1本のC末端が、第1ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1ヒンジ領域が前記第1IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられている、項目110に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目113)
前記第1IgG1 CH3ドメインのC末端と、第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2ヒンジ領域のN末端とを繋げるリンカーをさらに含む、項目112に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目114)
第2ヒンジ領域を介して前記第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2Fabをさらに含む、項目112に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目115)
VHドメイン、CH1ドメイン、VLドメイン及びCLドメインをさらに含み、(i)前記VHドメインのC末端がCH1ドメインのN末端に繋げられており、前記CH1ドメインのC末端が第1ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1ヒンジ領域のC末端が、前記第1IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第1IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(ii)前記VLドメインのC末端が前記CLドメインのN末端に繋げられており、前記CLドメインのC末端が前記第2ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第2ヒンジ領域のC末端が、前記第2IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(iii)前記VHドメインと前記VLドメインとが対合して、抗原に特異的に結合する可変領域を形成している、項目110に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目116)
第1VH及び第1VLならびに第2VH及び第2VLをさらに含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の別のエピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、項目110に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目117)
前記第1VLのアミノ酸配列が前記第2VLのアミノ酸配列と同一である、項目116に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目118)
第1IgG4 CH2ドメイン及び第2IgG4 CH2ドメインをさらに含み、前記第1IgG4 CH2ドメインが前記第1IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2IgG4 CH2ドメインが前記第2IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、項目109に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目119)
2本のポリペプチド鎖を含んでいる第1Fabをさらに含み、前記Fabの前記2本のポリペプチド鎖のうちの1本のC末端が、第1IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1IgG4ヒンジ領域が前記第1IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられている、項目118に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目120)
前記第1IgG4ヒンジ領域がS228P突然変異(EU付番)を含む、項目119に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目121)
前記第1IgG1 CH3ドメインのC末端と、前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2IgG4ヒンジ領域のN末端とを繋げるリンカーをさらに含む、項目118に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目122)
前記第2IgG4ヒンジ領域がS228P突然変異(EU付番)を含む、項目121に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目123)
第2IgG4ヒンジ領域を介して前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2Fabをさらに含む、項目119に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目124)
前記第2IgG4ヒンジ領域がS228P突然変異(EU付番)を含む、項目123に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目125)
VHドメイン、CH1ドメイン、VLドメイン及びCLドメインをさらに含み、(i)前記VHドメインのC末端が前記CH1ドメインのN末端に繋げられており、前記CH1ドメインのC末端が第1IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1IgG4ヒンジ領域のC末端が、前記第1IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第1IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(ii)前記VLドメインのC末端が前記CLドメインのN末端に繋げられており、前記CLドメインのC末端が第2IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第2IgG4ヒンジ領域のC末端が、前記第2IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられており、(iii)前記VHドメインと前記VLドメインとが対合して、抗原に特異的に結合する可変領域を形成している、項目118に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目126)
前記第1IgG4ヒンジ領域及び前記第2IgG4ヒンジ領域が各々、S228P突然変異(EU付番)を含む、項目125に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目127)
第1VH及び第1VLならびに第2VH及び第2VLをさらに含み、
前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の別のエピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、項目118に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目128)
前記第1VLのアミノ酸配列が前記第2VLのアミノ酸配列と同一である、項目127に記載のヘテロ二量体化モジュール。
(項目129)
二特異性抗体であって、
(i)第1VH及び第1VLを含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成しており;
(ii)第2VH及び第2VLを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記CH1ドメインと前記CLドメインとが対合して二量体を形成しており;さらに、
(iii)ヘテロ二量体化モジュールであって、
(a)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインを含み、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がロイシンであり;さらに
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインを含み、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンであり、
(a)及び(b)において前記アミノ酸位置がEU付番方式に基づくものである、前記ヘテロ二量体化モジュール
を含む、前記二特異性抗体。
(項目130)
二特異性抗体であって、
(i)第1VH及び第1VLを含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成しており;そして、
(ii)第2VH及び第2VLを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記CH1ドメインと前記CLドメインとが対合して二量体を形成しており;さらに、
(iii)ヘテロ二量体化モジュールであって、
(a)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインを含み、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がロイシンであり;さらに
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインを含み、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置397のアミノ酸がイソロイシンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンであり、
(a)及び(b)において前記アミノ酸位置がEU付番方式に基づくものである、前記ヘテロ二量体化モジュール
を含む、前記二特異性抗体。
(項目131)
2つのIgG1 CH2ドメインをさらに含む、項目129または項目130に記載の二特異性抗体。
(項目132)
2つのIgG4 CH2ドメインをさらに含む、項目129または項目130に記載の二特異性抗体。
(項目133)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VHと前記第1ポリペプチドと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目129~132のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目134)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VHと前記第1ポリペプチドと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目129~132のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目135)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VLと前記第2ポリペプチドと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目129~132のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目136)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VLと前記第2ポリペプチドと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目129~132のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目137)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VHと前記CH1ドメインと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目133に記載の二特異性抗体。
(項目138)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VHと前記CH1ドメインと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目134に記載の二特異性抗体。
(項目139)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VLと前記CLドメインと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目135に記載の二特異性抗体。
(項目140)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VLと前記CLドメインと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目136に記載の二特異性抗体。
(項目141)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む、項目129~140のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目142)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目129~140のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目143)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107を含む、項目129~140のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目144)
前記第1ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目129~140のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目145)
前記第1ポリペプチドが、配列番号5に示すアミノ酸配列を含む、項目129~140のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目146)
前記第2ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、項目129~145のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目147)
前記第2ポリペプチドが、配列番号6に示すアミノ酸配列を含む、項目129~145のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目148)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号1に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目129~140のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目149)
前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、鎖内ジスルフィド結合を形成しない配列番号1の2つのシステイン残基のうちの少なくとも1つにおいてシステイン以外のアミノ酸を含有している、項目129~140のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目150)
(i)前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1のNグリコシル化モチーフ内に含有するか;または、
(ii)前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドが、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1のNグリコシル化モチーフ内に含有する、
項目129~140または項目142のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目151)
二特異性抗体であって、
(i)第1VH及び第1VLを含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成しており;そして、
(ii)第2VH及び第2VLを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記CH1ドメインと前記CLドメインとが対合して二量体を形成しており;さらに、
(iii)ヘテロ二量体化モジュールであって、
(a)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインを含み、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がセリンであり;さらに
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインを含み、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンであり、
(a)及び(b)において前記アミノ酸位置がEU付番方式に基づくものである、前記ヘテロ二量体化モジュール
を含む、前記二特異性抗体。
(項目152)
二特異性抗体であって、
(i)第1VH及び第1VLを含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成しており;
(ii)第2VH及び第2VLを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記CH1ドメインと前記CLドメインとが対合して二量体を形成しており;さらに、
(iii)ヘテロ二量体化モジュールであって、
(a)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインを含み、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がロイシンであり;さらに
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインを含み、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置397のアミノ酸がイソロイシンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンであり、
(a)及び(b)において前記アミノ酸位置がEU付番方式に基づくものである、前記ヘテロ二量体化モジュール
を含む、前記二特異性抗体。
(項目153)
2つのIgG1 CH2ドメインをさらに含む、項目151または項目152に記載の二特異性抗体。
(項目154)
2つのIgG4 CH2ドメインをさらに含む、項目151または項目152に記載の二特異性抗体。
(項目155)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VHと前記第1ポリペプチドと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目151~154のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目156)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VHと前記第1ポリペプチドと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目151~154のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目157)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VLと前記第2ポリペプチドと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目151~154のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目158)
単一のポリペプチド鎖が前記第1VLと前記第2ポリペプチドと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目151~154のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目159)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VHと前記CH1ドメインと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目155に記載の二特異性抗体。
(項目160)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VHと前記CH1ドメインと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目156に記載の二特異性抗体。
(項目161)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VLと前記CLドメインと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、項目157に記載の二特異性抗体。
(項目162)
別の単一のポリペプチド鎖が前記第2VLと前記CLドメインと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、項目158に記載の二特異性抗体。
(項目163)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列を含む、項目151~162のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目164)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目151~162のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目165)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112を含む、項目151~162のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目166)
前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、配列番号2に示すアミノ酸配列とは少なくとも12個のアミノ酸残基が異なっている、項目151~162のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目167)
前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、鎖内ジスルフィド結合を形成しない配列番号2のシステイン残基においてシステイン以外のアミノ酸を含有している、項目151~162のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
(項目168)
(i)前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有するか;または、
(ii)前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドが、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有する、
項目151~162または項目166のいずれか1項に記載の二特異性抗体。
Claims (31)
- 第1重鎖可変ドメイン(第1VH)と第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)とを含んでいる、抗体またはその抗原結合性断片であって、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、
(a)前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであるか;あるいは
(b)前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、
前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成し、
(I)前記第1ポリペプチドがFcドメインに直接繋げられている;または
(II)前記第2ポリペプチドがFcドメインに直接繋げられている;ならびに/あるいは
前記抗体またはその抗原結合性断片が、第2重鎖可変ドメイン(第2VH)と第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)とを含み、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、抗体またはその抗原結合性断片。 - 前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
- 二特異性抗体であって、
(i)(a)第1重鎖可変ドメイン(第1VH)と第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)とを含んでいる第1抗原結合性断片(第1Fab)であって、前記第1VHと前記第1VLとが対合して第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、第1Fab;または
(b)第1重鎖可変ドメイン(第1VH)と第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)とを含んでいる第1抗原結合性断片(第1Fab)であって、前記第1VHと前記第1VLとが対合して第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、第1Fabと、
(ii)第2VHと第2VLとを含んでいる第2Fabであって、前記第2VHと前記第2VLとが対合して第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかである、第2Fabと
を含み、
前記第1Fab及び前記第2Fabが、異なる抗原、または同じ抗原の異なるエピトープに特異的に結合するものであり、
前記第1Fabが前記第2Fabに連結されている、二特異性抗体。 - (I)前記第1Fabがリンカーによって前記第2Fabに連結されているか;または
(II)前記第1Fabが異種ポリペプチドによって前記第2Fabに連結されているか;または
(III)前記第1Fabがポリエチレングリコール(PEG)によって前記第2Fabに連結されている、請求項3に記載の二特異性抗体。 - 前記リンカーがペプチドリンカーである、請求項4に記載の二特異性抗体。
- 前記異種ポリペプチドが、ヒト血清アルブミンであるか;またはXTENである、請求項4に記載の二特異性抗体。
- 四価二特異性抗体であって、
(i)第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する全IgG抗体であって、前記全IgG抗体が第1CH3ドメイン及び第2CH3ドメインを含むものである、全IgG抗体;及び
(ii)第1Fab及び第2Fab
を含み、
前記第1Fabが第1重鎖可変ドメイン(第1VH)及び第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)を含むものであり、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、
前記第2Fabが第2重鎖可変ドメイン(第2VH)及び第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)を含むものであり、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1Fabと同じエピトープに特異的に結合する第2可変領域を形成しており;
(a)前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VHが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであるか;あるいは
(b)前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VHが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり;
前記第1Fabが前記全IgG抗体の前記第1CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが前記全IgG抗体の前記第2CH3ドメインのC末端に連結されている、四価二特異性抗体。 - 四価二特異性抗体であって、
(i)第1Fab及び第2Fabであって、
前記第1Fabが第1重鎖可変ドメイン(第1VH)及び第1軽鎖可変ドメイン(第1VL)を含むものであり、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、
前記第2Fabが第2重鎖可変ドメイン(第2VH)及び第2軽鎖可変ドメイン(第2VL)を含むものであり、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の前記第1エピトープに特異的に結合する第2可変領域を形成している、第1Fab及び第2Fabと;
(ii)第1IgG CH2ドメイン及び第1IgG CH3ドメインを含んでいる第1重鎖と、第2IgG CH2ドメイン及び第2IgG CH3ドメインを含んでいる第2重鎖と、第1軽鎖と、第2軽鎖とを含む、全抗体であって、前記抗体が第3VH及び第3VLならびに第4VH及び第4VLを含むものであり、前記第3VHと前記第3VLとが対合して、第2抗原のエピトープに特異的に結合する第3可変領域を形成しており、前記第4VHと前記第4VLとが対合して、前記第2抗原の同じエピトープに特異的に結合する第4可変領域を形成している全抗体と
を含み、
(a)前記第3VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第3VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VHが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドが前記第1IgG CH2ドメインのN末端に連結されており、前記第3ポリペプチドが前記第2IgG CH2ドメインのN末端に連結されているか;または
(b)前記第3VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第3VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VHが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第3ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第4VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第4ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドが前記第1IgG CH2ドメインのN末端に連結されており、前記第3ポリペプチドが前記第2IgG CH2ドメインのN末端に連結されており、
前記第1Fabが前記第1IgG CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが前記第2IgG CH3ドメインのC末端に連結されている、四価二特異性抗体。 - 前記第1Fabが第1リンカーによって前記全抗体の前記第1CH3ドメインのC末端に連結されており、前記第2Fabが第2リンカーによって前記全抗体の前記第2CH3ドメインのC末端に連結されている、請求項7または8に記載の四価抗体。
- 前記第1及び第2リンカーがペプチドリンカーである、請求項9に記載の四価抗体。
- ヘテロ二量体化モジュールであって、
(a)(i)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインであって、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がセリンである、第1IgG1 CH3ドメインと;
(ii)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインであって、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンである、第2IgG1 CH3ドメインとを含むか;または
(b)(i)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインであって、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がロイシンである、第1IgG1 CH3ドメインと;
(ii)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインであって、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置397のアミノ酸がイソロイシンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンである、第2IgG1 CH3ドメインとを含み、
(i)及び(ii)においてアミノ酸位置がEU付番方式に基づくものであり、
前記第1IgG1 CH3ドメインと前記第2IgG1 CH3とが対合してヘテロ二量体を形成している、ヘテロ二量体化モジュール。 - (I)第1IgG1 CH2ドメイン及び第2IgG1 CH2ドメインをさらに含み、前記第1IgG1 CH2ドメインが前記第1IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2IgG1 CH2ドメインが前記第2IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、
(a)2本のポリペプチド鎖を含んでいる第1Fabをさらに含み、前記Fabの前記2本のポリペプチド鎖のうちの1本のC末端が、第1ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1ヒンジ領域が前記第1IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられているか;
(b)VHドメイン、CH1ドメイン、VLドメイン及びCLドメインをさらに含み、
(i)前記VHドメインのC末端がCH1ドメインのN末端に繋げられており、前記CH1ドメインのC末端が第1ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1ヒンジ領域のC末端が、前記第1IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第1IgG1
CH2ドメインのN末端に繋げられており、
(ii)前記VLドメインのC末端が前記CLドメインのN末端に繋げられており、前記CLドメインのC末端が第2ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第2ヒンジ領域のC末端が、前記第2IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられており、
(iii)前記VHドメインと前記VLドメインとが対合して、抗原に特異的に結合する可変領域を形成しているか;または
(c)第1VH及び第1VLならびに第2VH及び第2VLをさらに含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の別のエピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成しているか;あるいは
(II)第1IgG4 CH2ドメイン及び第2IgG4 CH2ドメインをさらに含み、前記第1IgG4 CH2ドメインが前記第1IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2IgG4 CH2ドメインが、前記第2IgG1 CH3ドメインのN末端に(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、
(a)2本のポリペプチド鎖を含んでいる第1Fabをさらに含み、前記Fabの前記2本のポリペプチド鎖のうちの1本のC末端が、第1IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1IgG4ヒンジ領域が第1IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられているか;
(b)VHドメイン、CH1ドメイン、VLドメイン及びCLドメインをさらに含み、
(i)前記VHドメインのC末端が前記CH1ドメインのN末端に繋げられており、前記CH1ドメインのC末端が第1IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第1IgG4ヒンジ領域のC末端が、前記第1IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第1IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられており、
(ii)前記VLドメインのC末端がCLドメインのN末端に繋げられており、前記CLドメインのC末端が第2IgG4ヒンジ領域のN末端に繋げられており、前記第2IgG4ヒンジ領域のC末端が、前記第2IgG1 CH3ドメインに直接繋げられた前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられており、
(iii)前記VHドメインと前記VLドメインとが対合して、抗原に特異的に結合する可変領域を形成しているか;または
(c)第1VH及び第1VLならびに第2VH及び第2VLをさらに含み、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原に特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の別のエピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成している、請求項11に記載のヘテロ二量体化モジュール。 - 要素(I)(a)が、第2ヒンジ領域を介して前記第2IgG1 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2Fabをさらに含む、請求項12に記載のヘテロ二量体化モジュール。
- 要素(I)(c)において、前記第1VLのアミノ酸配列が、前記第2VLのアミノ酸配列と同一である、請求項12に記載のヘテロ二量体化モジュール。
- 要素(II)において、前記第1及び/または第2IgG4ヒンジ領域がS228P突然変異(EU付番)を含む、請求項12に記載のヘテロ二量体化モジュール。
- 要素(II)(a)が、第2IgG4ヒンジ領域を介して前記第2IgG4 CH2ドメインのN末端に繋げられた第2Fabをさらに含む、請求項12に記載のヘテロ二量体化モジュール。
- 要素(II)(c)において、前記第1VLのアミノ酸配列が、前記第2VLのアミノ酸配列と同一である、請求項12に記載のヘテロ二量体化モジュール。
- 二特異性抗体であって、
(i)第1VH及び第1VLであって、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンE(IgE)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgEのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成している、第1VH及び第1VLと;
(ii)第2VH及び第2VLであって、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記CH1ドメインと前記CLドメインとが対合して二量体を形成している、第2VH及び第2VLと;
(iii)ヘテロ二量体化モジュールであって、
(A)(a)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインであって、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がセリンである、第1IgG1 CH3ドメインと;
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインであって、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンである、第2IgG1 CH3ドメインとを含むか;または
(B)(a)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインであって、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がロイシンである、第1IgG1 CH3ドメインと;
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインであって、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置397のアミノ酸がイソロイシンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンである第2IgG1 CH3とを含み、
(a)及び(b)において前記アミノ酸位置がEU付番方式に基づくものである、ヘテロ二量体化モジュールと
を含む、二特異性抗体。 - 二特異性抗体であって、
(i)第1VH及び第1VLであって、前記第1VHと前記第1VLとが対合して、第1抗原の第1エピトープに特異的に結合する第1可変領域を形成しており、前記第1VHが、ヒト免疫グロブリンM(IgM)のCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第1ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1VLが、ヒトIgMのCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでいる第2ポリペプチドに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとが対合して二量体を形成している、第1VH及び第1VLと;
(ii)第2VH及び第2VLであって、前記第2VHと前記第2VLとが対合して、前記第1抗原の第2エピトープまたは第2抗原に特異的に結合する第2可変領域を形成しており、前記第2VHがCH1ドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記第2VLがCLドメインに(i)直接繋げられているかまたは(ii)リンカーを介して繋げられているかのどちらかであり、前記CH1ドメインと前記CLドメインとが対合して二量体を形成している、第2VH及び第2VLと;
(iii)ヘテロ二量体化モジュールであって、
(A)(a)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインであって、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がセリンである、第1IgG1 CH3ドメインと;
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインであって、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンである、第2IgG1 CH3ドメインを含むか;または
(B)(a)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第1IgG1 CH3ドメインであって、位置364及び370のアミノ酸がリジンであり、位置409のアミノ酸がロイシンである、第1IgG1 CH3ドメインと;
(b)配列番号11に示す配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する第2IgG1 CH3ドメインであって、位置370のアミノ酸がセリンであり、位置397のアミノ酸がイソロイシンであり、位置405及び409のアミノ酸がリジンである、第2IgG1 CH3ドメインとを含み、
(a)及び(b)において前記アミノ酸位置がEU付番方式に基づくものである、ヘテロ二量体化モジュールと
を含む、二特異性抗体。 - 請求項18または19に記載の二特異性抗体であって、
(I)2つのIgG1 CH2ドメイン;または
(II)2つのIgG4 CH2ドメイン
をさらに含む、ならびに/あるいは
(a)単一のポリペプチド鎖が前記第1VHと前記第1ポリペプチドと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含むか;
(b)単一のポリペプチド鎖が前記第1VHと前記第1ポリペプチドと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含むか;
(c)単一のポリペプチド鎖が前記第1VLと前記第2ポリペプチドと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含むか;または
(d)単一のポリペプチド鎖が前記第1VLと前記第2ポリペプチドと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、
二特異性抗体。 - 要素(II)(a)において、第2の単一のポリペプチド鎖が前記第2VHと前記CH1ドメインと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、請求項20に記載の二特異性抗体。
- 要素(II)(b)において、第2の単一のポリペプチド鎖が前記第2VHと前記CH1ドメインと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、請求項20に記載の二特異性抗体。
- 要素(II)(c)において、第2の単一のポリペプチド鎖が前記第2VLと前記CLドメインと前記第2IgG1 CH3ドメインとを含む、請求項20に記載の二特異性抗体。
- 要素(II)(d)において、第2の単一のポリペプチド鎖が前記第2VLと前記CLドメインと前記第1IgG1 CH3ドメインとを含む、請求項20に記載の二特異性抗体。
- 前記第1ポリペプチド及び/または前記第2ポリペプチドが、
(a)配列番号1に示すアミノ酸配列;
(b)配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;
(c)配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107;
(d)鎖内ジスルフィド結合を形成しない配列番号1の2つのシステイン残基のうちの少なくとも1つに存在するシステイン以外のアミノ酸;
(e)配列番号2に示すアミノ酸配列;
(f)配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;
(g)配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112;または
(h)鎖間ジスルフィド結合を形成することができる配列番号2のシステイン残基におけるシステイン以外のアミノ酸
を含む、請求項1~4及び18~24のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。 - 前記第1ポリペプチドが、
(a)配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;または
(b)配列番号5に示すアミノ酸配列
を含む、請求項1~3または18~24のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。 - 前記第2ポリペプチドが、
(a)配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;または
(b)配列番号6に示すアミノ酸配列
を含む、請求項1~3または18~24のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。 - 前記第1ポリペプチド、前記第2ポリペプチド、前記第3ポリペプチド及び/または前記第4ポリペプチドが、
(a)配列番号1に示すアミノ酸配列;
(b)配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;
(c)配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸9~107;
(d)配列番号2に示すアミノ酸配列;
(e)配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;または
(f)配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸7~112
を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の四価抗体。 - 前記第1ポリペプチド及び前記第3ポリペプチドが各々、
(a)配列番号5に示すアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;または
(b)配列番号5に示すアミノ酸配列
を含む、請求項9または10に記載の四価抗体。 - 前記第2ポリペプチド及び前記第4ポリペプチドが各々、
(a)配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列;または
(b)配列番号6に示すアミノ酸配列
を含む、請求項9または10に記載の四価抗体。 - (i)前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチド及び前記第2ポリペプチドが各々、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1または配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有するか;または、
(ii)前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドがNグリコシル化されないように、前記第1ポリペプチドもしくは前記第2ポリペプチドが、アスパラギン及び/もしくはスレオニンもしくはセリンを除く他のアミノ酸を配列番号1または配列番号2のNグリコシル化モチーフ内に含有し、
配列番号1の前記Nグリコシル化モチーフがNIT配列であり、配列番号2の前記Nグリコシル化モチーフがNAS配列である、
請求項1~4、18~24または25のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
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