JP7136670B2 - 藻類着生用構造体およびその製造方法 - Google Patents

藻類着生用構造体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、藻類着生用構造体およびその製造方法に関する。
レアアースは、ネオジム・鉄・ボロン磁石、LED電球、燃料電池等に用いられる原料として、最先端技術産業に不可欠な元素であり、近年、その需要も急増している。一方、レアアースの供給不足や価格高騰が懸念されており、レアアースの新たな供給源の確保が課題となっている。
このような状況下において、太平洋の広範囲に分布しているレアアースを高含有率で含む深海の泥が、レアアースの新たな供給源として注目されている。
レアアースを高含有率で含む泥(例えば、太平洋の深海の泥)は、その資源量が膨大であること、希酸中に1~3時間浸漬するという簡易な方法で抽出することができること、トリウムやウラン等の放射性元素をほとんど含まないこと、等の数々の利点を有している。
一方、レアアースを含有する泥の乾燥質量中のレアアースの質量の割合は、レアアースの含有率が高いことで知られる太平洋の深海底であっても、0.3質量%以下にすぎない。このため、レアアースを含有する泥から、希酸を用いてレアアースを抽出する際に、多量の酸性の残渣(泥)が発生するという問題がある。
上記酸性の残渣を、有用な物の原料として用いる技術として、特許文献1には、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリーを焼成してなることを特徴とする粒状の土工資材が記載されている。
特開2017-164705号公報
レアアースを含有する泥を酸で処理した後には、多量の残渣が発生するため、該残渣の有効活用が求められている。
本発明の目的は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣を有効活用することができ、かつ、環境への悪影響が少ない藻類着生用構造体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリーを、焼成してなる粒状の資材を含む藻類着生用構造体によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供するものである。
[1] 粒状の資材を含む、水中に設置するための藻類着生用構造体であって、上記粒状の資材は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリーを、焼成してなるものであることを特徴とする藻類着生用構造体。
[2] 上記粒状の資材を収容するための通水可能な収容手段を含む前記[1]に記載の藻類着生用構造体。
[3] 複数の上記収容手段を含み、かつ、これら収容手段同士を連結するための連結手段を含む前記[2]に記載の藻類着生用構造体。
[4] 水底における上記収容手段の移動を抑制するための移動抑制手段を含む前記[2]または[3]のいずれかに記載の藻類着生用構造体。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の藻類着生用構造体を製造するための方法であって、上記脱水ケーキまたはスラリーを焼成して、焼成物を得る焼成工程と、上記焼成物を破砕、切断または分級して、上記粒状の資材を得る粒状化工程、を含むことを特徴とする藻類着生用構造体の製造方法。
[6] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の藻類着生用構造体を用いた、藻類の着生方法であって、上記藻類着生用構造体を設置する場所を選定する場所選定工程と、上記選定された場所に、上記藻類着生用構造体を設置する構造体設置工程、を含むことを特徴とする藻類の着生方法。
本発明の藻類着生用構造体によれば、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する多量の残渣を有効活用することができる。
また、本発明の藻類着生用構造体によれば、環境への悪影響が少なく、藻類を着生させて、水生生物が生育する魚礁や藻礁を形成することができ、水中の環境の改善に貢献することができる。
左の図(1-a)は、設置前の本発明の藻類着生用構造体の一例を示す写真であり、右の図(1-b)は、設置後、回収した本発明の藻類着生用構造体の一例を示す写真である。 複数の収容手段を含み、かつ、連結手段および移動抑制手段を含む、本発明の藻類着生用構造体の一例を示す図である。
本発明の藻類着生用構造体は、粒状の資材を含む、水中に設置するための藻類着生用構造体であって、粒状の資材は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリーを、焼成してなるものである。
本発明において、「レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣」(以下、「残渣」と略すことがある。)とは、レアアースを含有する泥を酸(例えば、希塩酸)で処理して、レアアースを液中に抽出した後に発生する酸性の残渣である。
レアアースとは、周期律表の第3族のランタロイド(La(ランタン)からLu(ルテチウム))に、Sc(スカンジウム)とY(イットリウム)を加えた17元素をいう。
レアアースを含有する泥の一例として、深海底(例えば、海の深さとして、3,500~6,000mの領域)に層状(例えば、海底から、深さが数10m程度までの地盤)に分布する、レアアースの含有率が大きい泥が挙げられる。
本発明において、レアアースを含有する泥(乾燥状態のもの;固形分)の中のレアアースの含有率(質量基準)は、資源であるレアアースを採掘する際の経済性の観点から、好ましくは1,000ppm以上、より好ましくは2,000ppm以上である。
残渣の含水比(残渣の固形分100質量%に対する水分の割合)は、特に限定されないが、加熱炉等の加熱手段の負荷を軽減する観点から、好ましくは200質量%以下、より好ましくは150質量%以下、特に好ましくは120質量%以下である。
残渣の含水比を低減させる方法(方式)としては、泥をタンク等の容器に貯留して、泥の固形分を沈殿させ、その上澄みを回収する沈殿方式や、スクリューデカンター等の装置を用いる遠心分離方式や、フィルタープレス等の装置を用いる加圧脱水方式等が挙げられる。
中でも、低コストで簡易に脱水することができる点で、沈澱方式および遠心分離方式が好ましく、沈澱方式が、より好ましい。
なお、脱水の程度は、沈澱方式、遠心分離方式、加圧脱水方式の順に大きくなる。
本発明において、「残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリー」とは、(a)残渣のみからなる、脱水ケーキまたはスラリー、(b)残渣と、本発明の効果に大きな悪影響を与えない程度の小さな量で配合される、残渣以外の材料との混合物からなる、脱水ケーキまたはスラリー、のいずれかを意味する。
前記(b)の場合、残渣以外の材料の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、フライアッシュ等が挙げられる。
残渣以外の材料の形態としては、水溶液、懸濁液、粉状、粒状等が挙げられる。
残渣と残渣以外の材料の合計量100質量部(残渣に含まれている水分や、残渣以外の材料として水溶液を用いる場合における当該水溶液中の水分を含む質量)に対する残渣以外の材料(水分を含まないもの;固形分)の配合量は、本発明で用いられる粒状の資材の軽量性を高める観点から、好ましくは5質量部未満、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1質量部以下である。
本発明において、「残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリーを焼成してなるもの」とは、加熱による熔融によって焼成物が減容するような過度の高温ではない、適度に高い温度での加熱によって、部分的にもしくは全体的に熔融が生じたものである。
粒状の資材は、粒度(資材が球状である場合には粒径、棒状の場合には長手寸法)を調整せずに使用してもよく、あるいは、目的や収容手段に応じて粒度が特定の範囲内となるように調整して使用してもよい。上記粒度は、好ましくは0.2~60mm、より好ましくは1~50mm、特に好ましくは4~40mmである。該粒度が0.2mm以上であれば、粒状の資材が、設置された場所や収容手段内から流出しにくくなるとともに、粒度の調整をより容易に行なうことができる。該粒度が60mm以下であれば、収容手段への粒状の資材の収容をより容易に行なうことができ、かつ、小型の水生生物(例えば、カニ等の甲殻類や、小魚等の小動物や、ゴカイ等の底生生物)が、収容された粒状の資材同士の隙間に入り込んで棲みつきやすくなる。
本発明の藻類着生用構造体は、上述した粒状の資材が水中で流出することを防ぎ、かつ、藻類着生用構造体の設置及び回収を容易に行なう観点から、粒状の資材を収容するための通水可能な収容手段を含むものであってもよい。
具体的には、セルロース繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維や、ガラス繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ロックウール、スラグウール等の無機繊維等の繊維を用いた、織布または不織布からなる袋;鉄、プラスチック、木材、石材、セラミック、またはセメント等の水硬性組成物等を原料として形成した、収容スペースを有する容器等が挙げられる。
収容手段における通水可能な部分は、収容手段の一部分(一領域)でも全体(全領域)であってもよい。一部分(一領域)が通水可能である収容手段の例としては、粒度の小さい(0.2~1mm程度)粒状の資材が流出することを防ぐ観点から、収容手段の下部分が通水不能でかつ上部分が通水可能なものが挙げられる。
通水可能な部分の目開きの寸法は、好ましくは1~25mm、より好ましくは3~20mm、特に好ましくは5~15mmである。目開きの寸法が1mm以上であれば、小型の水生生物(例えば、カニ等の甲殻類や、小魚等の小動物や、ゴカイ等の底生生物)が、収容手段の内部により自由に出入りしやすくなり、収容された粒状の資材同士の隙間に入り込んで棲みつきやすくなる。目開きの寸法が25mm以下であれば、粒状の資材が、収容手段の目開き部分からより流出しにくくなり、かつ、小型の水生生物を餌とする大型の水生生物が、収容手段の内部に侵入することをより防ぐことができる。
また、目開きの寸法は、粒状の資材の流出を防ぐ観点から、収容手段に収容された粒状の資材が通過することができない寸法であることが好ましい。
収容手段は、一つであってもよく、複数であってもよい。収容手段の数は、収容手段の大きさや、収容される粒状の資材の量や、藻類着生用構造体を設置する場所等によっても異なるが、通常、1~100、好ましくは3~50、より好ましくは5~20である。
収容手段に収容される粒状の資材の個数は、粒状の資材の大きさや形状、収容手段の容量によっても異なるが、例えば、粒状の資材の粒度が4~40mmである場合、10~10,000である。
藻類着生用構造体に含まれる粒状の資材の量(複数の収容手段を有する場合、各収容手段に収容された粒状の資材の合計量)は、収容手段の容量によっても異なるが、好ましくは0.5~50kg、より好ましくは1~30kg、特に好ましくは2~10kgである。該量が0.5kg以上であれば、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣をより多量に有効活用することができ、かつ、より多くの藻類を着床させることができる。該量が50kg以下であれば、大きな労力を必要とせずに、藻類着生用構造体の設置作業や撤去作業を実施することができる。
以下、本発明の藻類着生用構造体について、図1~2を参照にしながら説明する。
なお、図1~2中、同一の名称を有する各部には、同一の符号を付してある。
図1中、藻類着生用構造体6は、一つの収容手段2の内部に複数の粒状の資材1が収容されてなるものである。
図1の「1-a」中、収容手段2は、プラスチック製の網を袋状に加工してなるものである。粒状の資材1は、収容手段2を形成するプラスチック製の網の目開き寸法よりも大きな粒度を有し、収容手段2の内部空間から外部に流出することのないように、収容手段2の中に収容されている。
図1の「1-b」は、「1-a」の状態で、水中に設置された藻類着生用構造体6が、時間の経過と共に、藻類が収容手段2及び粒状の資材1に付着した状態を示すものである。
図2中、藻類着生用構造体6は、複数の収容手段2を含むものである。各収容手段2の内部には、粒状の資材(図示せず。)が収容されている。
複数の収容手段2は、収容手段2が水中8で流出することを防ぎ、かつ、藻類着生用構造体6の設置及び回収を容易にする観点から、連結手段3によって、互いに連結されている。
連結手段3としては、複数の収容手段2を互いに固定することができるものであればよく、例えば、結束バンド、ロープ、針金等が挙げられる。また、複数の収容手段2は、水平方向に並べて連結してもよく、鉛直方向に積層して連結してもよい。
連結手段3の一方の末端には、水底7における収容手段2の移動を抑制する目的で、移動抑制手段4を設けてもよい。移動抑制手段4としては、藻類着生用構造体6を水底7またはその近傍に固定できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、コンクリート製、鉄筋コンクリート製、レンガ製、鉄製のブロックや、土嚢等が挙げられる。また、アンカー等を用いて連結手段3の末端を水底7や岸壁等に直接固定してもよい。
連結手段3の他方の末端には、藻類着生用構造体6の設置場所の目安となり、藻類着生用構造体の撤去作業を容易にする目的で、浮力体5を設けてもよい。浮力体5の例としては、ブイ、筏等が挙げられる。
次に、本発明の藻類着生用構造体の製造方法について説明する。
本発明の藻類着生用構造体の製造方法は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリーを焼成して、焼成物を得る焼成工程と、上記焼成物を破砕、切断または分級して、粒状の資材を得る粒状化工程、を含むものである。以下、工程毎に説明する。
[焼成工程]
焼成工程は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣(通常、酸性のもの)からなる、脱水ケーキまたはスラリー(以下、「焼成原料」ともいう。)を焼成して、焼成物を得る工程である。
残渣は、上述のとおり、含水比を小さくするための処理を予め施しておくことが望ましい。
残渣以外の材料を用いる場合、造粒の前に、残渣と、残渣以外の材料を混合して、混合物を調製しておく。
また、焼成原料は、加熱の前に乾燥させてもよい。
焼成物を得るための加熱温度(加熱時の最高温度)は、好ましくは1,070~1,130℃、より好ましくは1,080~1,120℃、特に好ましくは1,090~1,110℃である。該温度が1,070℃以上であると、焼成物を得るために必要な加熱時間をより短くすることができる。残渣の体積の減少量をより大きくすることができる。該温度が1,130℃以下であると、過度な溶融が生じて減容し、密度の高い焼成物になることを防ぐことができる。また、加熱に必要なエネルギーが過度に増大し、コストが増加することを防ぐことができる。
焼成工程における最高温度での加熱時間は、好ましくは15~40分間、より好ましくは15~30分間、特に好ましくは20~25分間である。該加熱時間が15分間以上であれば、より十分に焼成することができる。該加熱時間が40分間以下であると、処理効率(粒状の資材の製造効率)をより向上させることができる。
焼成物を得るための加熱手段としては、特に限定されるものではなく、連続式の手段とバッチ式の手段のいずれも用いることができる。
連続式の加熱手段としては、例えば、ロータリーキルン、トンネル炉等が挙げられる。
バッチ式の加熱手段としては、例えば、焼却炉(ガス等を燃料として用いるもの)、電気炉、マイクロ波加熱装置等が挙げられる。
中でも、処理の効率を高める観点から、ロータリーキルンを用いることが好ましい。
焼成工程で得られる焼成物は、通常、独立した粒体と、複数の粒体が連なった塊(2個以上の塊が融着部分を介して結合したもの)の混合物である。焼成物の全量中の独立した粒体の割合は、通常、20質量%以下である。このため、本発明において、焼成工程の後に、粒状化工程が必要である。
[粒状化工程]
粒状化工程は、焼成工程で得た焼成物を破砕、切断または分級して、粒状の資材を得る工程である。
破砕または切断のための手段としては、焼成工程で得られた焼成物を破砕または切断しうるものであればよく、特に限定されないが、例えば、破砕のための手段としては、ジョークラッシャー、インパクトクラッシャ等が挙げられ、また、切断のための手段としては、ワイヤーソー、ダイヤモンドカッター等が挙げられる。
また、分級のための手段としては、篩等が挙げられる。なお、分級で得られた粗粒分については、さらに、破砕または切断を行って粒状物を得て、この粒状物を、本発明における粒状の資材として用いることができる。
粒状化工程で得られた粒状の資材は、一個または複数個を、そのまま藻類着生用構造体として水中に設置してもよいが、粒状の資材が水中で流出することを防ぎ、かつ、藻類着生用構造体の設置及び回収を容易に行なう観点から、以下の収容工程によって、収容手段の中に収容して用いてもよい。
[収容工程]
収容工程は、粒状化工程で得た粒状の資材を上述した収容手段に収容する工程である。
粒状の資材が収容された収容手段は、そのまま藻類着生用構造体として使用してもよいが、上述した連結手段(図2中の符号3号参照)を介して連結してもよく、さらには、連結手段の両端等に、上述した移動抑制手段(図2中の符号4号参照)や浮力体(図2中の符号5号参照)を設けてもよい。
本発明の藻類着生用構造体を、水(海水、淡水または汽水)中に設置することで、藻類着生用構造体(例えば、粒状の資材の表面部分)に藻類を着生させて、魚礁または藻礁の造成を図ることができる。
また、本発明の藻類着生用構造体は、設置された水域のpHの過度の変動や、藻類着生用構造体からの重金属類等の溶出が少ないため、環境への悪影響が少ないものである。
藻類着生用構造体を設置する場所は、特に限定されるものではないが、沿岸の浅海域の魚礁や藻礁のない場所を、任意に選定すれば良い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)レアアースを含有する泥(太平洋の水深4,000m以上の深海の泥;該泥の固形分中のレアアースの含有率:質量基準で2,000ppm以上)
[実施例1]
レアアースを含有する泥を、0.5Nの塩酸に1時間浸漬し、次いで、含水比が100質量%となるように、遠心分離機で脱水して、残渣を得た。
この残渣を、凹部の大きさが異なる複数の種類の製氷皿を用いて、造粒(成形)し、造粒物(粒度:5~30mm)を得た。
この造粒物を、105℃で12時間乾燥後、電気炉内で10℃/分で昇温し、最高温度1,100℃で20分間、加熱した。
得られた焼成物を、破砕手段(ハンマー)を用いて破砕することによって、焼成物に含まれている、複数の粒体が連なった塊を、独立した粒体とし、粒度が5~30mmである粒状の資材を得た。
得られた粒状の資材について、環境庁公示14号における、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令第五条第一項に規定する埋立場所等に排出しようとする廃棄物に含まれる金属等の検定方法」に定められた方法に従って、水銀又はその化合物(表1中、「Hg」と示す。)、カドミウム又はその化合物(表1中、「Cd」と示す。)、鉛又はその化合物(表1中、「Pb」と示す。)、六価クロム化合物(表1中、「Cr6+」と示す。)、ひ素又はその化合物(表1中、「As」と示す。)、シアン化合物(表1中、「CN」と示す。)、セレン又はその化合物(表1中、「Se」と示す。)、ふつ化物(表1中、「F」と示す。)の溶出量を測定した。結果を表1に示す。
また、「昭和四八年総理府令第六号」において定められる、各溶出量の基準値も表1に示す。
Figure 0007136670000001
また、水槽の中に、淡水15リットルと、得られた粒状の資材1,000gを入れた後、金魚15匹を、上記水槽内で1年間飼育した。飼育において、循環ポンプとエアレーションを使用した。また、7日毎に、水槽中の水100質量%中の10質量%の量に相当する水を、新たな淡水と交換した。この7日毎の交換とは別に、蒸発した分の淡水を適宜追加した。
[比較例1]
粒状の資材1,000gの代わりに、アクアリウム用の資材(pH調整機能を有する多孔質のろ過材)を入れる以外は、実施例1と同様にして、金魚15匹を1年間飼育した。
各時間(月)経過時における、金魚の残存数を表2に、水槽内の水のpHの数値を表3に示す。
Figure 0007136670000002
Figure 0007136670000003
表1より、粒状の資材からの重金属類等の溶出量は基準値以下であることがわかる。
また、表2より、粒状の資材を用いても、金魚の生育に悪影響がないことがわかる。
さらに、表3より、粒状の資材を水中に設置しても、1年間におけるpHの変動(6.5~9.5)は、比較例1におけるpHの変動(6.1~9.0)と同程度であることがわかる。
これらのことから、本発明で用いられる粒状の資材は、環境への悪影響の少ないものであることがわかる。
[実施例2]
図1~2に示すように、縦11cm×横14cm×高さ5cmであり、目開き寸法が13mmである、プラスチック製の網を加工して作製された袋状の収容手段2の内部に、実施例1で得られた粒状の資材1のうち、粒度が20mm程度以上のものを、約500g収容したもの(図1の「1-a」参照)を6個作製した。次いで、16mのロープからなる連結手段3を用いて、収容手段2が水平方向に一列となるように連結し、連結手段3の一方の末端に、移動抑制手段4として8kgの錘を設置し、連結手段の他方の末端に、浮力体5としてポリスチレン製の浮きを設置し、藻類養殖用構造体6を完成させた。
藻類養殖用構造体6を、水深10mの海域に設置して、5か月間放置した。5か月後、藻類養殖用構造体6を回収したところ、粒状の資材1及び収容手段2の表面に藻類が着生していることがわかった(図1の「1-b」参照)。また、様々な水生生物が藻類養殖用構造体6(特に、粒状の資材2同士の間隙部分)において生育していることがわかった。
確認された水生生物は、カンザシゴカイ科の水生生物(41体)、ウズマキゴカイ科の水生生物(19体)、管口目の水生生物の群体、コブコケムシ科の水生生物の群体、リソツボ科の水生生物(4体)の5種であった。
1 粒状の資材
2 収容手段
3 連結手段
4 移動抑制手段(錘)
5 浮力体
6 藻類着生用構造体
7 水底
8 水

Claims (6)

  1. 粒状の資材、及び、一部分または全体が通水可能な、上記粒状の資材を収容するための収容手段を含む、水中に設置するための藻類着生用構造体であって、
    上記粒状の資材は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣からなる、脱水ケーキまたはスラリーを、焼成してなる、粒度が4~40mmのものであり、
    上記収容手段の通水可能な部分の目開き寸法は、3~15mmで、かつ、上記粒状の資材が通過することができない寸法であることを特徴とする藻類着生用構造体。
  2. 複数の上記収容手段を含み、かつ、これら収容手段同士を連結するための連結手段を含む請求項に記載の藻類着生用構造体。
  3. 水底における上記収容手段の移動を抑制するための移動抑制手段を含む請求項1または2に記載の藻類着生用構造体。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の藻類着生用構造体を製造するための方法であって、
    上記脱水ケーキまたはスラリーを焼成して、焼成物を得る焼成工程と、
    上記焼成物を破砕、切断または分級して、上記粒状の資材を得る粒状化工程、
    を含むことを特徴とする藻類着生用構造体の製造方法。
  5. 上記焼成工程における焼成は、上記脱水ケーキまたはスラリーを、1,070~1,130℃で15~40分間加熱することで行われる請求項4に記載の藻類着生用構造体の製造方法。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の藻類着生用構造体を用いた、藻類の着生方法であって、
    上記藻類着生用構造体を設置する場所を選定する場所選定工程と、
    上記選定された場所に、上記藻類着生用構造体を設置する構造体設置工程、
    を含むことを特徴とする藻類の着生方法。
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