JP7136340B2 - 磁気抵抗素子および磁気センサ - Google Patents

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Description

本開示は、磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗素子および磁気センサに関する。
従来の磁気トンネル接合素子において、J. Zhu and C. Park, “Magnetic tunnel junctions”, Materials Today 9, 36 (2006)(非特許文献1)には、トンネル磁気抵抗(TMR)効果を示すトンネル磁気抵抗比(TMR比)が、図15に示すように、絶縁層を挟んで配置されたフリー層の磁化M1とピンド層の磁化M2との角度によって決定されることが示されている。
図15は、従来の磁気トンネル接合素子において絶縁層を挟んで配置されたフリー層の磁化M1の向きとピンド層の磁化M2の向きを示す概略図である。
図15には、ピンド層202、バリア層203、およびフリー層204が順に積層された積層部201を含む磁気抵抗素子200が開示されている。フリー層204の磁化M1とピンド層202の磁化M2との相対角度はθである。
トンネル磁気抵抗(TMR)効果によるコンダクタンスは, バリア層の上側(M1)と下側(M2)の強磁性体層の磁化の相対角度θを用いて以下の式(1)で表わされる。
Figure 0007136340000001
ここで, G=G(0°)は、磁化M1と磁化M2とが平行であり、GAP=G(180°)は、磁化M1と磁化M2とが反平行であることを意味する。TMR比は以下に示すJulliere’s modelの式(2)で表わされる。
Figure 0007136340000002
ここで、Rは、磁化M1と磁化M2とが平行である場合のトンネル抵抗であり、RAPは、磁化M1と磁化M2とが反平行である場合のトンネル抵抗である。P1,P2は、ピンド層202およびフリー層204のスピン分極率である。
図16は、従来における各種の磁気トンネル接合素子とそれら磁気トンネル接合素子の特徴を示す図である。
安藤康夫, “TMRを用いた生体磁気センサの開発”, 第5回岩崎コンファレンス「社会基盤の向上につながる磁気センサとその活用」, 平成29年11月27日(非特許文献2)には、図16に示すように、各種の磁気トンネル接合素子とそれら磁気トンネル接合素子の特徴が示されている。
図16には、左側から順に3種の磁気トンネル接合素子が開示されている。左から1つ目の磁気トンネル接合素子においては、ピンド層の磁化は、膜面に平行な面内方向を向いており、フリー層の磁化も、面内方向を向いている。検知する外部磁場は、ピンド層の膜面に平行な方向に変化する。
左から2つ目の磁気トンネル接合素子においては、ピンド層の磁化は、膜面に平行な面内方向を向いており、フリー層の磁化は、ピンド層の膜面に垂直な方向を向いている。検知する外部磁場は、ピンド層の膜面に平行な方向に変化する。
左から3つ目の磁気トンネル接合素子においては、ピンド層の磁化は、膜面に垂直な方向を向いている。フリー層の磁化は、ピンド層の膜面に平行な面内方向を向いている。検知する外部磁場は、ピンド層の膜面に垂直な方向に変化する。
左から1つ目のように、面内フリー層/バリア層/面内リファレンス層の積層構造を採用し、リファレンス層に対して90°の方向へフリー層の磁化方向をバイアスし、0°の方向の磁場を検知する構造では、トンネル磁気抵抗比の高い膜構成を選択することができる。
しかしながら、このような構成においては、バイアス磁場の印加のために、電磁石もしくは磁石を要するために構成部材が増えてしまう。また、製造ばらつきが悪化し、信頼性も悪化してしまう。さらには、製造コストも増加してしまう。
上記のようなデメリットを改善できる磁気抵抗素子として、以下に示すような磁気渦(ボルテックス)構造を有する磁気抵抗素子が開発されている。
R. Antos, Y. Otani and J. Shibata, “Magnetic vortex dynamics”, J. Phys. Soc. Jpn. 77, 031004 (2008)(非特許文献3)には、図17に示すように、磁場に対して特殊な応答をする現象として磁気渦構造(vortex)が開示されている。
図17は、従来の磁気渦構造を有する磁気抵抗素子におけるヒステリシスループを示す図である。図17に示すように、磁気渦構造を有する磁気抵抗素子におけるヒステリシスループにおいては、磁化曲線の一部に線形的な領域が現れる。
M. Schneider, H. Hoffmann and J. Zweck, “Lorentz microscopy of circular ferromagnetic permalloy nanodisks”, Appl. Phys. Lett. 77, 2909 (2000)(非特許文献4)には、図18に示すように、磁気渦構造を有する磁気抵抗素子のディスク径と、飽和磁界およびニュークリエーション磁界との関係が開示されている。
図18は、従来の磁気渦構造を有する磁気抵抗素子のディスク径と、飽和磁界およびニュークリエーション磁界とを示す図である。図18に示すように、磁気渦構造を有する磁気抵抗素子においては、ディスク径(ディスクアスペクト比=フリー層の膜圧/ディスク径)が減少するにつれて、飽和磁界とニュークリエーション磁界との差が大きくなる。すなわち、磁気渦構造を有する磁気抵抗素子の線形領域はディスク径(ディスクアスペクト比)が減少するにつれて拡大する。
図19から図21に示すように、米国特許出願公開第208/0180865号明細書(特許文献1)には、巨大磁気抵抗(GMR)もしくはトンネル磁気抵抗(TMR)センサにおいて、奇関数型の線形な入力磁場-抵抗特性を得るために、磁気渦構造(vortex)を用いる手法が提案されている。
図19は、従来の磁気渦構造を有する磁気抵抗素子を組み込んだ磁気センサを示す概略断面図である。図20は、図19の磁気センサの概略上面図である。図21は、図19に示す磁気センサの応答性を示す図である。
図19および図20に示すように、特許文献1には、リファレンス層302、バリア層303、および磁気渦構造を有するフリー層304が順に積層された積層部を含む磁気抵抗要素301が、透磁性材料で形成される下部シールド310、上部シールド320に挟持された構造が開示されている。リファレンス層302においては、面内方向へ磁化を固定されており、フリー層304においては、磁化が渦状になっている。
図21に示すように、リファレンス層302の膜面に垂直方向に流れる電流は、磁場の変化に対して、略直線的に変化する。
米国特許出願公開第2015/0185297号明細書(特許文献2)、遠藤基, 大兼幹彦, 永沼博, 安藤康夫, 磁気渦構造を応用した強磁性トンネル接合磁場センサ, 第39回日本磁気学会学術講演概要集10pE-12, 277 (2015)(非特許文献5)、T. Wurft, W. Raberg, K. Prugl, A. Satz, G. Reiss and H. Bruckl, The influence of edge inhomogeneities on vortex hysteresis curves in magnetic tunnel junctions, IEEE Transactions on Magnetics AF-05, 1 (2017)(非特許文献6)にも同様に、磁気渦構造を有する磁気抵抗素子が開示されている。
米国特許出願公開第2008/0180865号明細書 米国特許出願公開第2015/0185297号明細
J. Zhu and C. Park, "Magnetic tunnel junctions", Materials Today 9, 36 (2006) 安藤康夫, "TMRを用いた生体磁気センサの開発", 第5回岩崎コンファレンス「社会基盤の向上につながる磁気センサとその活用」, 平成29年11月27日 R. Antos, Y. Otani and J. Shibata, "Magnetic vortex dynamics", J. Phys. Soc. Jpn. 77, 031004 (2008) M. Schneider, H. Hoffmann and J. Zweck, "Lorentz microscopy of circular ferromagnetic permalloy nanodisks", Appl. Phys. Lett. 77, 2909 (2000) 遠藤基, 大兼幹彦, 永沼博, 安藤康夫, 磁気渦構造を応用した強磁性トンネル接合磁場センサ, 第39回日本磁気学会学術講演概要集10pE-12, 277 (2015) T. Wurft, W. Raberg, K. Prugl, A. Satz, G. Reiss and H. Bruckl, The influence of edge inhomogeneities on vortex hysteresis curves in magnetic tunnel junctions, IEEE Transactions on Magnetics AF-05, 1 (2017)
上記のように、特許文献1、特許文献2、非特許文献3から6においては、磁気渦構造を有する磁気抵抗素子が開示されている。しかしながら、いずれの文献においても、出力の線形性を高めることについては、十分に検討されていない。
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、磁気渦構造を備えた構成において、出力の線形性を高めることができる磁気抵抗素子および磁気センサを提供することにある。
本開示に基づく磁気抵抗素子は、1つ以上の第1単位素子を含む第1素子部と、1つ以上の第2単位素子を含む第2素子部と、を備える。上記第1素子部と上記第2素子部とは直列に接続されている。上記第1単位素子は、第1膜面を有し、上記第1膜面の面内方向における所定の方向に磁化が固定された第1リファレンス層と、上記第1膜面に垂直な軸回りに渦状に磁化され、外部磁場に応じて渦の中心が移動する第1フリー層と、を含む。上記第2単位素子は、上記第1膜面に平行な第2膜面を有し、上記第2膜面の面内方向における所定の方向に磁化が固定された第2リファレンス層と、上記第2膜面に垂直な軸回りに渦状に磁化され、外部磁場に応じて渦の中心が移動する第2フリー層と、を含む。上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、上記第2リファレンス層における固定された磁化が向く方向とが逆方向である。
上記本開示に基づく磁気抵抗素子にあっては、上記第1単位素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布と、上記第2単位素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布とは、正負が反転していることが好ましい。
上記本開示に基づく磁気抵抗素子にあっては、上記第1素子部と上記第2素子部との合成抵抗の変化特性における磁場に対する非線形性分布が、検出磁場範囲内(たとえば、-20mT以上20mT以下の磁場の範内)で、正側に2つの極値を有していてもよい。
上記本開示に基づく磁気抵抗素子にあっては、外部磁場に対する上記第1素子部の抵抗変化の変動方向と、外部磁場に対する上記第2素子部の抵抗変化の変動方向とが正負逆であることが好ましい。
上記本開示に基づく磁気抵抗素子にあっては、上記第1素子部の抵抗は、上記第2素子部の抵抗よりも大きいことが好ましい。
上記本開示に基づく磁気抵抗素子にあっては、上記第1単位素子の感度の絶対値は、上記第2単位素子の感度の絶対値よりも小さいことが好ましく、上記第1単位素子における抵抗変化特性の非線形性は、上記第2単位素子における抵抗変化特性の非線形性よりも小さいことが好ましい。
上記本開示に基づく磁気抵抗素子にあっては、上記第1フリー層および上記第2フリー層は、ディスク形状を有することが好ましい。この場合には、上記第1フリー層の径は、上記第2フリー層の径よりも小さいことが好ましい。
上記本開示に基づく磁気抵抗素子にあっては、上記第1単位素子の数は、上記第2単位素子の数よりも多くてもよい。
本開示に基づく磁気センサは、上記磁気抵抗素子を複数個備える。上記複数の磁気抵抗素子は、ハーフブリッジ回路を構成する第1磁気抵抗素子、および第2磁気抵抗素子を含む。上記第1磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、上記第2磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向である。
上記本開示に基づく磁気センサにあっては、上記複数の磁気抵抗素子は、第3磁気抵抗素子、および第4磁気抵抗素子をさらに含んでいてもよい。この場合には、上記第1磁気抵抗素子および上記第2磁気抵抗素子によって第1ハーフブリッジ回路が構成されていることが好ましく、上記第3磁気抵抗素子および上記第4磁気抵抗素子によって第2ハーフブリッジ回路が構成されていることが好ましい。さらに、上記第1ハーフブリッジ回路と上記第2ハーフブリッジ回路によってフルブリッジ回路が構成されていることが好ましい。また、上記第1磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、上記第2磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向であることが好ましく、上記第3磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、上記第4磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向であることが好ましい。さらに、上記第1磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、上記第3磁気抵抗素子において上記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向であることが好ましい。
本開示によれば、磁気渦構造を備えた構成において、出力の線形性を高めることができる磁気抵抗素子および磁気センサを提供することができる。
実施の形態1に係る磁気センサの概略図である。 実施の形態1に係る磁気センサを構成する磁気抵抗素子に含まれる第1単位素子の積層構造を示す断面図である。 実施の形態1に係る磁気センサを構成する磁気抵抗素子に含まれる第2単位素子の積層構造を示す断面図である。 実施の形態1に係る上部強磁性層における渦状の磁化が外部磁場によって移動する様子を示す図である。 比較の形態1、比較の形態2、および実施の形態1に係る磁気抵抗素子を用いてブリッジ回路を構成した場合のそれぞれにおいて、磁場に対する磁気抵抗素子の抵抗変化特性、磁場に対する出力変化特性、および、出力特性の磁場に対する非線形の分布を示す図である。 比較例における磁気センサおよび実施例に係る磁気センサにおいて、非線形性と感度との関係をシミュレーションするための条件を示す図である。 比較例における磁気センサおよび実施例に係る磁気センサにおいて、非線形性と感度との関係のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサの製造工程の第1工程を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサの製造工程の第2工程を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサの製造工程の第3工程を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサの製造工程の第4工程を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサの製造工程の第5工程を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサの製造工程の第6工程を示す図である。 実施の形態2に係る磁気抵抗素子の概略平面図である。 従来の磁気トンネル接合素子において絶縁層を挟んで配置されたフリー層の磁化M1の向きとピンド層の磁化M2の向きを示す概略図である。 従来における各種の磁気トンネル接合素子とそれら磁気トンネル接合素子の特徴を示す図である。 従来の磁気渦構造を有する磁気抵抗素子におけるヒステリシスループを示す図である。 従来の磁気渦構造を有する磁気抵抗素子のディスク径と、飽和磁界およびニュークリエーション磁界とを示す図である。 従来の磁気渦構造を有する磁気抵抗素子を組み込んだ磁気センサを示す概略断面図である。 図19の磁気センサの概略上面図である。 図19に示す磁気センサの応答性を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る磁気センサの概略図である。なお、図1においては、便宜上のため、磁気抵抗素子の構成する積層構造の一部(フリー層としての上部強磁性層、およびリファレンス層としての下部強磁性層)を横並びで記載している。図1を参照して、実施の形態に係る磁気センサ1について説明する。
図1に示すように、磁気センサ1は、第1磁気抵抗素子10、第2磁気抵抗素子20、第3磁気抵抗素子30、および第4磁気抵抗素子40を含む。これら、第1磁気抵抗素子10、第2磁気抵抗素子20、第3磁気抵抗素子30および第4磁気抵抗素子40によってフルブリッジ回路が構成されている。
具体的には、第1磁気抵抗素子10の一方側は、電源電圧Vinを印加するための電極部P1に接続されている。第1磁気抵抗素子10の他方側は、出力電圧V+を取り出すための電極部P2に接続されている。
第2磁気抵抗素子20の一方側は、出力電圧V+を取り出すための電極部P2に接続されている。第2磁気抵抗素子20の他方側は、グランド電極としての電極部P4に接続されている。
第3磁気抵抗素子30の一方側は、電源電圧Vinを印加するための電極部P1に接続されている。第3磁気抵抗素子30の他方側は、出力電圧V-を取り出すための電極部P3に接続されている。
第4磁気抵抗素子40の一方側は、出力電圧V-を取り出すための電極部P3に接続されている。第4磁気抵抗素子40の他方側は、グランド電極としての電極部P4に接続されている。
第1磁気抵抗素子10および第2磁気抵抗素子20が、直列接続されることにより、第1ハーフブリッジ回路Hf1が構成される。第3磁気抵抗素子30および第4磁気抵抗素子40が、直列接続されることにより、第2ハーフブリッジ回路Hf2が構成される。
第1ハーフブリッジ回路Hf1および第2ハーフブリッジ回路Hf2が、並列接続されることにより、フルブリッジ回路が構成される。第1磁気抵抗素子10および第2磁気抵抗素子20は、正出力性を有する。第3磁気抵抗素子30および第4磁気抵抗素子40は、負出力性を有する。
電極部P1と電極部P4との間に電源電圧Vinを印加すると、電極部P2および電極部P3からは、磁界強度に応じて、出力電圧V+,V-が取り出される。出力電圧V+,V-は、差動増幅器(不図示)を介して差動増幅される。
第1磁気抵抗素子10は、第1素子部11および第2素子部12を備える。第1素子部11および第2素子部12は、直列に接続されている。第1素子部11の抵抗は、第2素子部12の抵抗よりも大きい。
第1素子部11は、第1単位素子13を含む。第1単位素子13は、後述するように、第1フリー層としての上部強磁性層137、第1リファレンス層としての下部強磁性層135、および当該上部強磁性層137と下部強磁性層135との間に配置された第1バリア層としての絶縁層136(図2参照)を含む。これら、下部強磁性層135、絶縁層136、および上部強磁性層137は、略同一のディスク形状を有し、下方側から順に積層されている。
下部強磁性層135は、第1膜面135aを有し、第1膜面135aの面内方向における所定の方向に磁化が固定されている。
上部強磁性層137は、磁気渦構造を有する。上部強磁性層137は、第1膜面135aに垂直な軸回りに渦状に磁化されている。当該渦状の磁化における渦の中心は、外部磁場に応じて移動する。
第2素子部12は、第2単位素子14を含む。第2単位素子14は、後述するように、第2フリー層としての上部強磁性層147、第2リファレンス層としての下部強磁性層145、および当該上部強磁性層147と下部強磁性層145との間に配置された第2バリア層としての絶縁層146(図3参照)を含む。これら、下部強磁性層145、絶縁層146、および上部強磁性層147は、略同一のディスク形状を有し、下方側から順に積層されている。第2単位素子14における下部強磁性層145、絶縁層146、および上部強磁性層147のディスク径は、第1単位素子13における下部強磁性層135、絶縁層136、および上部強磁性層137のディスク径よりも大きい。これにより、上述のように、第1素子部11の抵抗は、第2素子部12の抵抗よりも大きくなる。
下部強磁性層145は、第2膜面145aを有し、第2膜面145aの面内方向における所定の方向に磁化が固定されている。下部強磁性層145における固定された磁化が向く方向は、下部強磁性層135における固定された磁化が向く方向と逆方向である。
上部強磁性層147は、磁気渦構造を有する。上部強磁性層147は、第1膜面145aに垂直な軸回りに渦状に磁化されている。当該渦状の磁化における渦の中心は、外部磁場に応じて移動する。
第2磁気抵抗素子20は、第1素子部21および第2素子部22を有する。第1素子部21は、第1単位素子23を有する。第2素子部22は、第2単位素子24を有する。
第1単位素子23は、第1磁気抵抗素子10における第1単位素子13とほぼ同様の構成である。第1単位素子23は、第1単位素子13と比較して、図中矢印AR1に示すように、第1リファレンス層としての下部強磁性層において固定された磁化の方向が相違する。
具体的には、第1単位素子23における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向は、第1単位素子13における下部強磁性層135において固定された磁化が向く方向と逆方向である。
第2単位素子24は、第1磁気抵抗素子10における第2単位素子14とほぼ同様の構成である。第2単位素子24は、第2単位素子14と比較して、図中矢印AR2に示すように、第2リファレンス層としての下部強磁性層において固定された磁化の方向が相違する。
具体的には、第2単位素子24における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向は、第2単位素子14における下部強磁性層145において固定された磁化が向く方向と逆方向である。
第3磁気抵抗素子30は、第1素子部31および第2素子部32を有する。第1素子部31は、第1単位素子33を有する。第2素子部32は、第2単位素子34を有する。
第1単位素子33は、第1磁気抵抗素子10における第1単位素子13とほぼ同様の構成である。第1単位素子33は、第1単位素子13と比較して、図中矢印AR3に示すように、第1リファレンス層としての下部強磁性層において固定された磁化の方向が相違する。
具体的には、第1単位素子33における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向は、第1単位素子13における下部強磁性層135において固定された磁化が向く方向と逆方向である。
第2単位素子34は、第1磁気抵抗素子10における第2単位素子14とほぼ同様の構成である。第2単位素子34は、第2単位素子14と比較して、図中矢印AR4に示すように、第2リファレンス層としての下部強磁性層において固定された磁化の方向が相違する。
具体的には、第2単位素子34における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向は、第2単位素子14における下部強磁性層145において固定された磁化が向く方向と逆方向である。
第4磁気抵抗素子40は、第1素子部41および第2素子部42を有する。第1素子部41は、第1単位素子43を有する。第2素子部42は、第2単位素子44を有する。
第1単位素子43は、第1磁気抵抗素子10における第1単位素子13と同様の構成である。第2単位素子44は、第1磁気抵抗素子10における第2単位素子14と同様の構成である。
なお、第4磁気抵抗素子40においては、図中矢印AR5、AR6に示すように、第3磁気抵抗素子30と比較して、下部強磁性層における固定された磁化が向く方向が逆方向である。
具体的には、第1単位素子43における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向は、第1単位素子33における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向と逆方向である。第2単位素子44における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向は、第2単位素子34における下部強磁性層において固定された磁化が向く方向と逆方向である。
図2は、実施の形態1に係る磁気センサを構成する磁気抵抗素子に含まれる第1単位素子の積層構造を示す断面図である。図2を参照して、第1単位素子13の詳細な構造について説明する。
図2に示すように、第1単位素子13は、いわゆる合成反強磁性(SAF:synthetic anti-ferromagnetic)結合を用いたBottom-pinned型のTMR素子である。
第1単位素子13は、下部電極層131、反強磁性層132、強磁性層133、非磁性層134、下部強磁性層135、絶縁層136、上部強磁性層137、キャップ層138を含む。
下部電極層131は、反強磁性層132の結晶を適切に成長させるシード層として機能する。下部電極層131としては、たとえば、RuとTaとの積層膜を採用することができる。なお、下部電極層131は、他の金属や合金からなる単一の金属膜、および複数種の上記金属膜が積層されたものを採用することができる。
反強磁性層132は、下部電極層131上に設けられている。反強磁性層132としては、たとえば、PtMnを採用することができる。なお、反強磁性層132は、IrMn等のMnを含む合金であってもよい。
強磁性層133は、反強磁性層132上に設けられている。強磁性層133としては、たとえば、CoFeを採用することができる。なお、強磁性層133は、CoFeB等であってもよい。強磁性層133の磁化は、反強磁性層132から作用する交換結合磁界によって所定の面内方向に固定される。
非磁性層134は、強磁性層133上に設けられている。非磁性層134は、たとえば、Ruを採用することができる。
下部強磁性層135は、非磁性層134上に設けられている。下部強磁性層135としては、たとえば、CoFeBを採用することができる。なお、強磁性層133は、CoFe等であってもよい。
上述の強磁性層133、非磁性層134、および下部強磁性層135は、SAF構造を形成している。これにより、第1リファレンス層としての下部強磁性層135の磁化の方向が強固に固定される。
絶縁層136は、下部強磁性層135上に設けられている。絶縁層としては、たとえばMgOを採用することができる。絶縁層136は、上部強磁性層137と下部強磁性層135との間に配置されており、トンネルバリア層として機能する。
上部強磁性層137は、絶縁層136上に設けられている。上部強磁性層137としては、たとえば、CoFeBを採用することができる。なお、上部強磁性層137は、NiFe等であってもよい。
上部強磁性層137は、磁気渦構造を有する。上部強磁性層137は、フリー層として機能し、上部強磁性層137の磁化は、外部磁場によって向きを変える。
キャップ層138は、上部強磁性層137上に設けられている。たとえば、RuとTaとの積層膜を採用することができる。なお、キャップ層138は、他の金属や合金からなる単一の金属膜、および複数種の上記金属膜が積層されたものを採用することができる。
なお、上述における下部電極層131、反強磁性層132、強磁性層133、非磁性層134、下部強磁性層135、絶縁層136、上部強磁性層137、キャップ層138は、一例を示すものであり、単層で構成されていてもよいし、複数の層が積層されて構成されていてもよい。上述における下部電極層131、反強磁性層132、強磁性層133、非磁性層134、下部強磁性層135、絶縁層136、上部強磁性層137、キャップ層138は、適宜設定することができる。
図3は、実施の形態1に係る磁気センサを構成する磁気抵抗素子に含まれる第2単位素子の積層構造を示す断面図である。図3を参照して、第2単位素子14の詳細な構造について説明する。
図3に示すように、第2単位素子14も、第1単位素子13同様に、いわゆる合成反強磁性(SAF:synthetic anti-ferromagnetic)結合を用いたBottom-pinned型のTMR素子である。
第2単位素子14は、下部電極層141、反強磁性層142、強磁性層143、非磁性層144、下部強磁性層145、絶縁層146、上部強磁性層147、キャップ層148を含む。
下部電極層141、反強磁性層142、強磁性層143、非磁性層144、下部強磁性層145、絶縁層146、上部強磁性層147、キャップ層148は、第1単位素子13における下部電極層131、反強磁性層132、強磁性層133、非磁性層134、下部強磁性層135、絶縁層136、上部強磁性層137、キャップ層138とほぼ同様に構成されている。
第2単位素子14においては、上述のように、リファレンス層としての下部強磁性層145における磁化の向きが、下部強磁性層135における磁化の向きと逆方向である。
なお、第2磁気抵抗素子20、第3磁気抵抗素子30、および第4磁気抵抗素子40に含まれる第1単位素子、および第2単位素子も上記とほぼ同様の構成であるため、その構成の詳細については省略する。
図4は、実施の形態1に係る上部強磁性層における渦状の磁化が外部磁場によって移動する様子を示す図である。
図4は、外部磁場の変化によって上部強磁性層147における渦状の磁化の向きの変化を一例として示している。第2リファレンス層としての下部強磁性層145において固定された磁化の向きは図4中において左を向いている。
この場合において、図4中における左側は、外部磁場が、負方向に大きい場合を示しており、図4中における中央は、外部磁場が印加されていない場合を示しており、図4中における右側は、外部磁場が、正方向に大きい場合を示している。なお、図4中における各渦状の磁化の状態は、図17に示す磁化曲線の各位置で示す磁気渦の状態とほぼ対応している。
図4中の中央に示すように、外部磁場が印加されていない場合には、上部強磁性層147において磁気渦の中心は、上部強磁性層147の中央に位置している。
図4中の左側から2番目に示すように、負方向に外部磁場が印加されると、上部強磁性層147において磁気渦の中心は、上部強磁性層147の中央から図4中下方に移動する。さらに、負方向への外部磁場が大きくなると、図4中の左から1番目に示すように、上部強磁性層147の磁束密度が飽和して、上部強磁性層147の磁化は、下部強磁性層145の固定された磁化の向きと平行となる。
図4中の左側から番目に示すように、正方向に外部磁場が印加されると、上部強磁性層147において磁気渦の中心は、上部強磁性層147の中央から図4中上方に移動する。さらに、正方向への外部磁場が大きくなると、図4中の左から番目に示すように、上部強磁性層147の磁束密度が飽和して、上部強磁性層147の磁化は、下部強磁性層145の固定された磁化の向きと反平行となる。
図5は、比較の形態1、比較の形態2、および実施の形態1に係る磁気抵抗素子を用いてブリッジ回路を構成した場合のそれぞれにおいて、磁場に対する磁気抵抗素子の抵抗変化特性、磁場に対する出力変化特性、および、出力特性の磁場に対する非線形の分布を示す図である。
比較の形態1においては、第1単位素子13を有する第1素子部11のみを含む磁気抵抗素子でブリッジ回路を構成している。比較の形態2においては、第2単位素子14を有する第2素子部12のみを含む磁気抵抗素子でブリッジ回路を構成している。実施の形態1においては、上述のように、第1素子部11および第2素子部12の双方を含む磁気抵抗素子でブリッジ回路を構成している。
なお、比較の形態1、比較の形態2、および実施の形態1のいずれにおいて、磁気抵抗素子のMR比は、25.4%としている。同様に、比較の形態1および実施の形態1のそれぞれにおいて、第1単位素子13における上部強磁性層137の厚さtは、15nmとし、上部強磁性層137のディスク径Dは、341.8nmとし、アスペクト比(t/D)は、0.044としている。上部強磁性層137の抵抗値は、10.0kΩとしている。また、検出磁場範囲は、-20mTから+20mTまでの範囲としている。
比較の形態2および実施の形態1のそれぞれにおいて、第2単位素子14における上部強磁性層147の厚さtは、15nmとし、上部強磁性層137のディスク径Dは、395.7nmとし、アスペクト比(t/D)は、0.038としている。上部強磁性層147の抵抗値は、1.3kΩとしている。
比較の形態1においては、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、磁場に対する抵抗変化特性は、図5中左側上段に示すグラフのようになる。
具体的には、第1磁気抵抗素子および第4磁気抵抗素子の抵抗は、緩やかなカーブを含むように略10.5kΩから略9.5kΩに減少していく。一方で、第2磁気抵抗素子および第3磁気抵抗素子の抵抗は、緩やかなカーブを含むように略9.5kΩから略10.5kΩに上昇していく。
比較の形態1において、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、出力特性は、図5中左側中段に示すグラフのようになる。
具体的には、出力電圧V+は、緩やかなカーブを含むように略1.42Vから略1.58Vに上昇していく。一方で、出力電圧V-は、緩やかなカーブを含むように略1.58Vから略1.42Vに減少していく。
比較の形態1において、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、出力特性の磁場に対する非線形性の分布は、図5中左側下段に示すグラフのようになる。
具体的には、出力電圧V+における非線形性分布は、-20mTから+20mTの範囲で、正磁場および負磁場に2つの変曲点を持つ。正磁場の変曲点における非線形性は正の値、負磁場の変曲点における非線形性は負の値となる。出力電圧V-における非線形性分布は、-20mTから+20mTの範囲で、正磁場および負磁場に2つの変曲点を持つ。正磁場の変曲点における非線形性は負の値、負磁場の変曲点における非線形性は正の値となる。
比較の形態2においては、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、磁場に対する抵抗変化特性は、図5中中央上段に示すグラフのようになる。
具体的には、第1磁気抵抗素子および第4磁気抵抗素子の抵抗は、カーブを含むように略1.14kΩから略1.37kΩに上昇していく。一方で、第2磁気抵抗素子および第3磁気抵抗素子の抵抗は、カーブを含むように略1.37kΩから略1.14kΩに減少していく。
比較の形態2における、外部磁場に対する磁気抵抗素子の抵抗変化の変動方向と、比較の形態1における、外部磁場に対する磁気抵抗素子の抵抗変化の変動方向とは、正負逆である。
すなわち、外部磁場に対する第2素子部12の抵抗変化の変動方向と、外部磁場に対する第1素子部11の抵抗変化の変動方向とが正負逆である。
比較の形態2において、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、出力特性は、図5中中央中段に示すグラフのようになる。
具体的には、出力電圧V+は、カーブを含むように略1.64Vから略1.36Vに減少していく。一方で、出力電圧V-は、カーブを含むように略1.36Vから略1.64Vに上昇していく。
比較の形態2において、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、出力特性の磁場に対する非線形性の分布は、図5中中央下段に示すグラフのようになる。
具体的には、出力電圧V+における非線形性分布は、-20mTから+20mTの範囲で、正磁場および負磁場に2つの変曲点を持つ。正磁場の変曲点における非線形性は負の値となり、負磁場の変曲点における非線形性は正の値となる。出力電圧V-における非線形性分布は、-20mTから+20mTの範囲で、正磁場および負磁場に2つの変曲点を持つ。正磁場の変曲点における非線形性は正の値、負磁場の変曲点における非線形性は負の値となる。
比較の形態2と比較の形態1とを比較すると、比較の形態2における出力特性の非線形性分布と比較の形態1における出力特性の非線形性分布とは、正負が反転している。
すなわち、第2単位素子14を含む第2素子部12のみを含む磁気抵抗素子でブリッジ回路における出力特性の非線形性分布と、第1単位素子13を含む第1素子部11のみを含む磁気抵抗素子でブリッジ回路における出力特性の非線形性分布とは、正負が反転している。
ここで、出力特性における磁場に対する非線形性分布は、磁気抵抗素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性分布と相関がある。
また、第1単位素子13を含む第1素子部11のみで構成された磁気抵抗素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性分布は、第1単位素子13の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性分布に対応する。
同様に、第2単位素子14を含む第2素子部12のみで構成された磁気抵抗素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性分布は、第2単位素子14の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性分布に対応する。
このため、第1単位素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布と、前記第2単位素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布とにおいても、正負が反転している。
実施の形態1に係る磁気センサ1においては、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、磁場に対する抵抗変化特性は、図5中右側上段に示すグラフのようになる。
実施の形態1における磁気抵抗素子の抵抗は、第1素子部11の抵抗と第2素子部12の抵抗とを合成したものとなる。図5中右側上段に示すように、第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の抵抗変化特性は、比較の形態1および比較の形態2と比較して、線形性が改善されたものとなっている。
より具体的には、第1磁気抵抗素子および第4磁気抵抗素子の抵抗は、線形領域が拡大されるように、略11.65kΩから略10.85kΩに減少していく。一方で、第2磁気抵抗素子および第3磁気抵抗素子の抵抗は、線形領域が拡大されるように、略10.85kΩから略11.65kΩに上昇していく。
実施の形態1においては、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、出力特性は、図5中右側中段に示すグラフのようになる。
具体的には、第1素子部11の出力特性と第2素子部12の出力特性とを合成したものとなる。出力電圧V+および出力電圧V-の分布は、比較の形態1および比較の形態2と比較して線形性が改善されたものとなっている。
具体的には、出力電圧V+は、線形領域が拡大されるように、略1.45Vから略1.55Vに上昇していく。出力電圧V-においても、線形領域が拡大されるように、略1.55Vから略1.45Vに減少していく。
本実施の形態に係る磁気センサ1のように、第1素子部11および第2素子部12の双方を含む磁気抵抗素子でフルブリッジ回路を構成した場合においては、外部磁場を-20mTから+20mTまで変化させると、ハーフブリッジ出力特性の磁場に対する非線形性の分布は、図5中右側下段に示すグラフのようになる。
上記出力特性の磁場に対する非線形性の分布は、出力電圧V+および出力電圧V-のいずれにおいても、-20mTから+20mTの範囲で、非線形性の正側に2つの変曲点(極値)を有し、非線形性の負側に2つの変曲点(極値)を有する。これら、正側の変曲点および負側の変曲点は、交互に並ぶ。
上述のように、出力電圧V+における非線形分布は、出力特性における磁場に対する非線形分布は、磁気抵抗素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形分布に対応する。このため、第1素子部11と第2素子部12との合成抵抗の変化特性における磁場に対する非線形性分布も、-20mT以上20mT以下の磁場の範囲内で、非線形性の正側に2つの極値を有し、負側に2つの極値を有する。
実施の形態1においては、比較の形態1および比較の形態2と比較すると、上記出力特性の磁場に対する非線形性の分布は、非線形性が低減され、かつ、線形領域が増加している。
このように、実施の形態1に係る磁気センサ1においては、比較の形態1および比較の形態2に係る磁気センサと比較して、出力の線形性が向上する。
図6は、比較例における磁気センサおよび実施例に係る磁気センサにおいて、非線形性と感度との関係をシミュレーションするための条件を示す図である。図7は、比較例における磁気センサおよび実施例に係る磁気センサにおいて、非線形性と感度との関係のシミュレーション結果を示す図である。
図6および図7を参照して、出力特性の非線形性と感度との関係をシミュレーション結果について説明する。
出力特性の非線形性と感度との関係をシミュレーションするにあたり、比較例1、実施例1から実施例4のそれぞれの磁気抵抗素子を用いて、ハーフブリッジ回路、およびフルブリッジ回路を構成する。これらハーフブリッジ回路、およびフルブリッジ回路に所定の磁場を印加した際に確認される出力特性の非線形性と、各回路の感度とを算出した。
なお、比較例1における磁気抵抗素子は、上述の比較の形態1における磁気抵抗素子とした。すなわち、比較例1における磁気抵抗素子は、第1単位素子13を含む第1素子部11のみを有するものとした。比較例1における磁気抵抗素子の各種パラメータは、図6の通りとし、第1単位素子における上部強磁性層137のディスク径Dを395.7nm~45.5nmの範囲で変更し、上部強磁性層137の膜厚tとディスク径Dとのアスペクト比を、0.038から0.330の範囲で変化させた。
実施例1から4における磁気抵抗素子は、実施の形態1に係る磁気抵抗素子と同様の構成のものを用いた。この際、各種パラメータは、図6の通りとした。
出力特性の非線形性を算出するにあたり、所定の磁場を印加した際の上部強磁性層137、147の磁化方向を決定する。磁化方向を決定するにあたり、図17に示すM-Hloopおよび以下の式(3)、(4)を用いた。
Figure 0007136340000003
Figure 0007136340000004
続いて、固定された下部強磁性層135、145の磁化方向と、上記によって決定された上部強磁性層137、147の磁化方向との相対角度を用いて、TMR効果込みの抵抗値を算出した。具体的には、下記式(5)、式(6)、式(7)を用いた。
Figure 0007136340000005
Figure 0007136340000006
Figure 0007136340000007
ここで、上記式(5)において、θ=90°の場合においては、cosθ=0となるため、Gperは以下の式(8)で表すことができる。
Figure 0007136340000008
これと上記式(7)との関係から、θ=90°となる場合の抵抗Rperは、以下の式(9)で表すことができる。
Figure 0007136340000009
上記式(9)と上記式(5)から式(7)との関係から、G、GAp、R、RApは、下記の式(10)から式(13)と表すことができる。
Figure 0007136340000010
Figure 0007136340000011
Figure 0007136340000012
Figure 0007136340000013
上述のように算出された抵抗値を有する比較例1、実施例1から4磁気抵抗素子をそれぞれ備えるハーフブリッジ回路、およびフルブリッジ回路に対して、所定の磁場を印加した際に出力特性の非線形性を確認した。これら出直特性の非線形性と、算出された各回路の感度との関係は、図7の通りである。
図7に示すように、比較例1と、実施例1から4とを比較すると、実施例1から4においては、比較例1と同じ感度の値を取る場合であっても、非線形性は小さくなっている。すなわち、出力特性の線形性が向上している。
また、実施例1から4においては、比較例1と同じ非線形性の値を取る場合であっても、感度が向上している。
以上のように、シミュレーション結果においても、実施の形態1に係る磁気抵抗素子およびこれを備えた磁気センサ1においては、出力の線形性を高めることが確認された。さらに、感度が高まることも確認された。このことは、本発明の技術を用いることで、従来技術での感度と非線形性のトレードオフの原理的限界を突破することができることを意味する。
図8から図13は、実施の形態1に係る磁気センサの製造工程の第1工程から第6工程をそれぞれ示す図である。図8から図13を参照して、実施の形態1に係る磁気センサ1の製造方法について説明する。
図8に示すように、磁気センサ1の製造方法における第1工程においては、フォトリソグラフィおよびドライエッチング等により、磁気抵抗素子を形成する形成領域に絶縁層62が形成された基板61を準備する。基板61としては、たとえば、Siウエハを採用することができる。絶縁層62は、シリコン酸化膜によって構成されている。
続いて、絶縁層62を覆うように、下地膜63を基板61の表面61a上に形成する。下地膜63としては、たとえばCuを採用することができる。
次に、下地膜63上に、第1単位素子13および第2単位素子14となるTMR積層膜64を成膜する。
具体的には、下地膜63側から順に、下部電極膜、反強磁成膜、強磁性膜、非磁性膜、下部強磁性膜、絶縁膜、上部強磁性膜、キャップ膜を積層する。
なお、下部電極膜、反強磁成膜、強磁性膜、非磁性膜、下部強磁性膜、絶縁膜、上部強磁性膜、およびキャップ膜は、それぞれ、TMR積層膜64のパターニング後に、下部電極層131,141、反強磁性層132,142、強磁性層133,143、非磁性層134,144、下部強磁性層135,145、絶縁層136,146、上部強磁性層137,147、およびキャップ層138,148となる。
ここで、下部電極膜としては、たとえばRu/Taを成膜する。下部電極膜の上層の強磁性膜/反強磁性膜としては、たとえばCoFe/PtMnを成膜する。この積層膜は、後述する磁場中アニールにより交換結合が生じ、ピン層として機能する。
強磁性膜の上層の非磁性膜としては、たとえばRuを成膜し、非磁性膜の上層の下部強磁性膜としては、たとえばCoFeBを成膜する。
下部強磁性膜/非磁性膜/強磁性膜は、SAF構造を構成している。下部強磁性膜によって、強固に磁化が固定されたリファレンス層が形成される。
下部強磁性膜の上層の絶縁膜としては、たとえばMgOを成膜し、絶縁膜の上層の上部強磁性膜としては、たとえばCoFeBを成膜する。上部強磁性膜/MgO/下部強磁性膜のうち、上部強磁性膜によってフリー層が形成される。上部強磁性膜の上層のキャップ膜としては、たとえば、Ta/Ruを積層する。
続いて、TMR積層膜64が成膜された基板61を磁場中でアニールし、リファレンス層としての下部強磁性層135,145を形成する下部強磁性膜において磁化の方向を固定する。
具体的には、ブリッジ回路を構成する各磁気抵抗素子の形成領域毎に所望の磁化方向が得られるように、局所的に、基板61を磁場中でアニールする。各磁気抵抗素子では、第1単位素子1に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向と、第2単位素子1に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向とが逆方向となるようにする。
また、上述の第1磁気抵抗素子において、第1単位素子1に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向と、第2磁気抵抗素子において第1単位素子に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向とが、逆方向となるようにする。
上述の第3磁気抵抗素子において、第1単位素子33に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向と、第4磁気抵抗素子において第1単位素子に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向とが、逆方向となるようにする。
上述の第1磁気抵抗素子において、第1単位素子1に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向と、第3磁気抵抗素子において第1単位素子に対応する領域における下部強磁性膜の磁化方向とが、逆方向となるようにする。
図9に示すように、磁気センサ1の製造方法における第2工程においては、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いて、TMR積層膜を所望の形状にパターニングする。これにより、第1単位素子13および第2単位素子14が形成される。第1単位素子13および第2単位素子14は、ディスク状に形成される。この際、第1単位素子13のディスク径は、第2単位素子14のディスク径よりも小さくする。
これにより、第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子までの各々の磁気抵抗素子において、第1素子部11(第1単位素子13)の抵抗が、第2素子部12(第2単位素子14)の抵抗よりも大きくなる。
たとえば、第1素子部11のみを含む磁気抵抗素子でハーフブリッジ回路を構成した場合における第1素子部11の抵抗値は、10kΩとし、当該ハーブリッジ回路の感度は、1.27mV/(mT・V)とし、非線形性は、-20mTから+20mTの範囲で、1.69%Fsとする。
たとえば、第2素子部12のみを含む磁気抵抗素子でハーフブリッジ回路を構成した場合における第2素子部12の抵抗値は、1.3kΩとし、当該ハーブリッジ回路の感度は、-2.42mV/(mT・V)とし、非線形性は、-20mTから+20mTの範囲で、7.91%Fsとする。
すなわち、第1単位素子13の感度の絶対値は、第2単位素子14の感度の絶対値よりも小さくし、第1単位素子13における抵抗変化特性の非線形性は、第2単位素子14における抵抗変化特性の非線形性よりも小さくする。
なお、図中においては、単一の第1単位素子13および単一の第2単位素子14のみを開示しているが、第1単位素子13の数および第2単位素子14の数は、複数であってもよい。この場合には、複数の第1単位素子13は、たとえば直列に接続され、複数の第2単位素子14は、たとえば直列に接続される。
図10に示すように、磁気センサ1の製造方法における第3工程においては、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いて、下地膜63をパターニングし、配線パターン631を形成する。
図11に示すように、磁気センサ1の製造方法における第4工程においては、基板61の全面に層間絶縁膜を成膜する。フォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いて、成膜された層間絶縁膜をパターニングする。これにより、第1単位素子13、第2単位素子14および配線パターン631を覆うように層間絶縁層65が形成されるとともに、層間絶縁層65にコンタクトホール65a、65bが設けられる。
図12に示すように、磁気センサ1の製造方法における第5工程においては、フォトリソグラフィおよびリフトオフにより、第1配線部66および第2配線部67を形成する。第1配線部66および第2配線部67は、たとえば、Cu配線である。
第1配線部66は、コンタクトホール65aを介して第1単位素子13に接続される。第2配線部67は、コンタクトホール65bを介して第2単位素子14に接続される。
図13に示すように、磁気センサ1の製造方法における第6工程においては、基板61の全面にパッシベーション膜を成膜する。パッシベーション膜は、たとえば、SiO膜である。フォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いて、パッシベーション膜をパターニングするとともに、所望の位置に開口部を形成すする。これにより、磁気センサ1が製造される。
上述の工程を経て製造された磁気センサ1においては、磁気抵抗素子の抵抗値は、11.2kΩであり、ハーフブリッジ回路の感度は、0.86mVであり、出力特性の非線形性は、-20mTから+20mTの範囲で、0.36%FSである。
このように、磁気センサ1においては、従来のような第1素子部11のみを有する磁気抵抗素子(比較の形態1に係る磁気抵抗素子)、第2素子部12のみを有する磁気抵抗素子(比較の形態2に係る磁気抵抗素子)と比較して、出力特性の線形性が改善される。
具体的には、磁気渦構造をそれぞれ有する第1単位素子13および第2単位素子14を直列に接続して、第1単位素子13における下部強磁性層135(第1リファレンス層)において固定された磁化が向く方向と、第2単位素子14における下部強磁性層145(第2リファレンス層)において固定された磁化が向く方向が逆方向となっている。
これにより、第1単位素子13側と第2単位素子14側とで、非線形性が相殺され、出力特性の線形性が改善される。
具体的には、第1単位素子13の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布と、第2単位素子14の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布とが、正負が反転し、第1単位素子13側と第2単位素子14側とで、非線形性が相殺される。
また、外部磁場に対する第1素子部11の抵抗変化の変動方向と、外部磁場に対する第2素子部12の抵抗変化の変動方向とが正負逆となることによっても、第1単位素子13側と第2単位素子14側とで、非線形性が相殺される。
(実施の形態2)
図14は、実施の形態2に係る磁気抵抗素子の概略平面図である。図14を参照して、実施の形態2に係る磁気抵抗素子1Aについて説明する。
図14に示すように、実施の形態2に係る磁気抵抗素子10Aは、実施の形態1に係る磁気抵抗素子10と比較した場合に、第1素子部11および第2素子部12の構成が相違する。その他の構成は、ほぼ同様である。
第1素子部11は、複数の第1単位素子13を含む。複数の第1単位素子13は、直列に接続されている。具体的には、隣り合う第1単位素子13において、キャップ層138と下部電極層131とが交互に接続されている。
第2素子部12は、複数の第2単位素子14を含む。複数の第2単位素子14は、直列に接続されている。具体的には、隣り合う第2単位素子14において、キャップ層148と下部電極層141とが交互に接続されている。
複数の第1単位素子13の個数は、複数の第2単位素子14の個数よりも多くなっている。これにより、複数の第1単位素子13を含む第1素子部11の抵抗は、複数の第2単位素子14を含む第2素子部12の抵抗よりも大きくなる。
このように構成する場合であっても、実施の形態2に係る磁気抵抗素子10Aおよびこれを備えた磁気センサは、実施の形態1に係る磁気抵抗素子10および当該磁気抵抗素子10を備えた磁気センサ1と、ほぼ同様の効果を有する。
上述の実施の形態1および2においては、磁気抵抗素子がTMR素子である場合を例示して説明したが、これに限定されず、GMR素子にも適用することが可能である。
以上、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 磁気センサ、10 第1磁気抵抗素子、11 第1素子部、12 第2素子部、13 第1単位素子、14 第2単位素子、20 第2磁気抵抗素子、21 第1素子部、22 第2素子部、23 第1単位素子、24 第2単位素子、30 第3磁気抵抗素子、31 第1素子部、32 第2素子部、33 第1単位素子、34 第2単位素子、40 第4磁気抵抗素子、41 第1素子部、42 第2素子部、43 第1単位素子、44 第2単位素子、61 基板、61a 表面、62 絶縁層、63 下地膜、64 積層膜、65 層間絶縁層、65a,65b コンタクトホール、66 第1配線部、67 第2配線部、131 下部電極層、132 反強磁性層、133 磁性層、134 非磁性層、135 下部強磁性層、135a 第1膜面、136 絶縁層、137 上部強磁性層、138 キャップ層、141 下部電極層、142 反強磁性層、143 磁性層、144 非磁性層、145 下部強磁性層、145a 第2膜面、146 絶縁層、147 上部強磁性層、148 キャップ層、200 磁気抵抗素子、201 積層部、202 ピンド層、203 バリア層、204 フリー層、301 磁気抵抗要素、302 リファレンス層、303 バリア層、304 フリー層、310 下部シールド、320 上部シールド。

Claims (9)

  1. 1つ以上の第1単位素子を含む第1素子部と、
    1つ以上の第2単位素子を含む第2素子部と、を備え、
    前記第1素子部と前記第2素子部とは直列に接続されており、
    前記第1単位素子は、第1膜面を有し、前記第1膜面の面内方向における所定の方向に磁化が固定された第1リファレンス層と、前記第1膜面に垂直な軸回りに渦状に磁化され、外部磁場に応じて渦の中心が移動する第1フリー層と、を含み、
    前記第2単位素子は、前記第1膜面に平行な第2膜面を有し、前記第2膜面の面内方向における所定の方向に磁化が固定された第2リファレンス層と、前記第2膜面に垂直な軸回りに渦状に磁化され、外部磁場に応じて渦の中心が移動する第2フリー層と、を含み、
    前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、前記第2リファレンス層における固定された磁化が向く方向とが逆方向であり、
    前記第1単位素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布と、前記第2単位素子の抵抗変化特性における磁場に対する非線形性の分布とは、正負が反転している、磁気抵抗素子。
  2. 前記第1素子部と前記第2素子部との合成抵抗の変化特性における磁場に対する非線形性分布が、検出磁場の範囲内で、非線形性の正側に2つの極値を有する、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 外部磁場に対する前記第1素子部の抵抗変化の変動方向と、外部磁場に対する前記第2素子部の抵抗変化の変動方向とが正負逆である、請求項1または2に記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記第1素子部の抵抗は、前記第2素子部の抵抗よりも大きい、請求項1からのいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  5. 前記第1単位素子の感度の絶対値は、前記第2単位素子の感度の絶対値よりも小さく、
    前記第1単位素子における抵抗変化特性の非線形性は、前記第2単位素子における抵抗変化特性の非線形性よりも小さい、請求項に記載の磁気抵抗素子。
  6. 前記第1フリー層および前記第2フリー層は、ディスク形状を有し、
    前記第2フリー層の径は、前記第1フリー層の径よりも大きい、請求項1からのいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  7. 前記第1単位素子の数は、前記第2単位素子の数よりも多い、請求項1からのいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の磁気抵抗素子を複数個備え、
    前記複数の磁気抵抗素子は、ハーフブリッジ回路を構成する第1磁気抵抗素子、および第2磁気抵抗素子を含み、
    前記第1磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、前記第2磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向である、磁気センサ。
  9. 前記複数の磁気抵抗素子は、第3磁気抵抗素子、および第4磁気抵抗素子をさらに含み、
    前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子によって第1ハーフブリッジ回路が構成されており、
    前記第3磁気抵抗素子および前記第4磁気抵抗素子によって第2ハーフブリッジ回路が構成されており、
    前記第1ハーフブリッジ回路と前記第2ハーフブリッジ回路によってフルブリッジ回路が構成されており、
    前記第1磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、前記第2磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向であり、
    前記第3磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、前記第4磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向であり、
    前記第1磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向と、前記第3磁気抵抗素子において前記第1リファレンス層における固定された磁化が向く方向とは逆方向である、請求項に記載の磁気センサ。
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