JP7130508B2 - 腕木用防水金物、階間部防水構造及び連続庇を有する建物 - Google Patents

腕木用防水金物、階間部防水構造及び連続庇を有する建物 Download PDF

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Description

本発明は、腕木用防水金物、階間部防水構造及び連続庇を有する建物に関する。
一般に、通気層を有する外壁においては、外壁パネル(目地におけるガスケットを含む)により一次防水層が形成され、通気層を介して室内側に防水シート等により形成される二次防水層があり、通気層が排水経路を兼用することにより、防水構造が構成されている。何らかの要因で雨水が一次防水層から室内側に浸入した場合においても、二次防水層により室内側への雨水の浸入が遮断され、雨水は二次防水層を伝いながら排水経路を流下して壁外へ排水される。
一方、複数階建ての建物における階間部において庇等の張り出し構造が存在する場合、この張り出し構造は、躯体側から持ち出された腕木により支持されることになる。建物の外壁に腕木が存在する場合、上記する排水構造が腕木により分断されることから、階間部における腕木周りの防水構に造は、腕木周辺の上下左右の外壁一般部における防水構造との連続性を踏まえた特殊な構造が要求される。尚、腕木は、例えば外壁の縦目地に対応する位置において、屋外に持ち出されるようにして配設される。
ここで、階間部において腕木が外壁の目地部に対応する位置から屋外に張り出す建物に関し、効率的な止水を可能にした建物が提案されている。具体的には、腕木が設けられる階間部の目地において、階間部での水きりを行う階間水切り板と、この階間水切り板に連結される目地側水切り板を有し、目地側水切り板は、階間水切り板に連結される連結部と、腕木の根元側周囲を覆う突出カバーとを有する。目地側水切り板は、上側構造部と下側構造部とに分離されており、上側構造部の突出カバーの部分の内側に下側構造部の突出カバーの部分が入り込み、腕木が張り出す目地にはガスケットが突出カバーの箇所で上下に分断されて設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-223056号公報
特許文献1に記載の建物によれば、目地側水切り板が上側構造部と下側構造部とに分離され、上側構造部の突出カバーの内側に下側構造部の突出カバーが入り込む構成により、腕木が張り出す目地においてガスケットが突出カバーの箇所で上下に分断されても、シーリング材を用いることなく効率的な止水が可能になる。ところで、特許文献1に記載の建物では、階間部において階間部専用の階間水切り板を配設し、この階間水切り板に対して腕木周りに専用の目地側水切り板を連続させる構成としている。より詳細には、階間部によって分断された階間部の上下にある水切り板に対して階間水切り板を取り付け、階間水切り板に対して腕木周りに専用の目地側水切り板を取り付けることにより、階間部とその周辺の水切り板が一体とされた階間部の防水構造を形成することから、複数種類の水切り板が必要となり、この防水構造の形成に際して施工コストに改善の余地がある。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、建物の階間部における腕木周りにおいて、他の外壁一般部と連続する防水性の高い防水構造を経済的に形成できる腕木用防水金物と、この腕木用防水金物を腕木の根元周りに備えた階間部防水構造、さらには、この階間部防水構造を備えた連続庇を有する建物を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による腕木用防水金物の一態様は、
建物の階間部の腕木の根元周りに配設される腕木用防水金物であって、
天端片と、該天端片から屈曲して下方に延設する左右の上方側片と、を有する上方分割体と、
下端片と、該下端片から屈曲して上方に延設する下方側片と、を有して前記上方分割体に係合する下方分割体と、を備え、
前記上方分割体の外周には、左右の前記上方側片と前記天端片に亘って連続する二本の止水材が取り付けられており、
二本の前記止水材は、前記腕木用防水金物が前記腕木の根元周りに配設された状態において、一次止水層を形成する一次止水材と、該一次止水層よりも室内側にある二次止水層を形成する二次止水材であることを特徴とする。
本態様によれば、腕木用防水金物(腕木用防水役物とも言う)が、一次止水層を形成する一次止水材と、一次止水層よりも室内側にある二次止水層を形成する二次止水材の二本の止水材を有することにより、これら二本の止水材が腕木周辺の一次止水層構成部材(外壁パネル)や二次止水層構成部材(二次止水用パネルで、例えば、グラスウールボード等)と連続した二層の止水層を形成することができる。すなわち、腕木用防水金物がその周囲に二本の止水材を有することから、階間部に専用の水切り板等は不要であり、腕木周りにある外壁の有する一次止水層構成部材や二次止水層構成部材と連続した二層の止水層を経済的に形成できる。ここで、腕木用防水金物は、金属製の上方分割体と、金属製の下方分割体とにより形成され、腕木の根元周りにおいて上方分割体に対して下方分割体が係合することにより無端状の腕木用防水金物が形成されることから、腕木の根元周りに対する取り付け性にも優れている。腕木の根元周りに配設された腕木用防水金物により、周囲の二次止水層及び一次止水層と連続する二層の止水層を形成するとともに、平鋼、溝形鋼、H形鋼等により形成される腕木の根元周りの雨水に対する防水性が保証される。
また、本発明による腕木用防水金物の他の態様において、前記二次止水材は、室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー面を有していることを特徴とする。
本態様によれば、二次止水材が、室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー面を有していることにより、この二次止水材の室内側の部位を二次止水用パネルにて強固に押圧した姿勢(もしくは、テーパー面に二次止水用パネルが載った状態)を形成できる。そのため、二次止水層よりも屋外側の排水経路を流下する雨水が、二次止水層を介して室内側へ浸入することを効果的に抑制することができる。例えば、上方分割体の有する左右の上方側片の二次止水材の上に左右の外壁パネルの二次止水層構成部材が載るようにして当接し、上方分割体の有する天端片の二次止水材の上に上方の外壁パネルの二次止水層構成部材やガスケット等の乾式目地材等が載るようにして当接する。
また、本発明による腕木用防水金物の他の態様において、前記二次止水材は、断面が三角形もしくは略三角形で中空を有する樹脂製の止水材であることを特徴とする。
本態様によれば、室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー面を有した、断面が三角形もしくは略三角形で中空を有する樹脂製の二次止水材を有することにより、断面三角形の底面と、上方分割体の上方側片や天端片とを面接触させて双方を強固に接着することができる。また、中空であることから、二次止水材は変形し易く、さらには材料費を削減することもできる。ここで、「略三角形」とは、例えば二次止水材の斜辺が平面でなく、外側に湾曲した曲面を有し、従って、2つの平面と1つの湾曲面とにより形成された形状(輪郭)を意味する。このように、腕木の周囲の二次止水層構成部材が当接される腕木用防水金物の二次止水材の斜面が湾曲面であることにより、斜面が平面(断面が三角形)の場合に比べて、斜面に高い変形性能が要求される際には二次止水材の斜面を効果的に変形させることができ、連続した二次止水層を形成することができる。例えば、建物の外壁のうち、入隅の近傍に腕木がある場合には、腕木の根元における腕木用防水金物の納まりが厳しい場合があり、このような箇所において略三角形の断面形状の二次止水材を有する腕木用防水金物は好適である。
また、本発明による階間部防水構造の一態様は、
建物の階間部において、間隔を置いて複数の前記腕木が配設され、それぞれの該腕木の根元周りに請求項1又は2に記載の腕木用防水金物が取り付けられており、
前記二次止水材に二次止水用パネルの端部が当接することにより、建物の階間部の腕木周辺における前記二次止水層を形成しており、
前記二次止水層の室外側において、前記一次止水材が外壁パネルと当接することにより、もしくは、前記一次止水材が外壁パネルよりも室外側に配設されることにより、建物の階間部の腕木周辺における前記一次止水層を形成していることを特徴とする。
本態様によれば、腕木の根元周りに配設された腕木用防水金物の有する一次止水材が腕木の周囲にある外壁パネルと当接等して一次止水層を形成し、二次止水材のテーパー面が腕木の周囲にある外壁の二次止水用パネルの端部と当接して二次止水層を形成することにより、腕木の周囲の外壁との間で連続した二層の止水層を、施工コストを増加させることなく形成することができる。
また、本発明による階間部防水構造の他の態様は、前記二次止水材が室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー面を有し、該テーパー面に前記二次止水用パネルの端部が当接することを特徴とする。
本態様によれば、室内側に向かって傾斜しながら高くなる二次止水材の有するテーパー面に対して二次止水用パネルの端部が当接(もしくは載る)ことにより、二次止水層よりも屋外側の排水経路を流下する雨水が、二次止水層を介して室内側へ浸入することを効果的に抑制することができる。
また、本発明による連続庇を有する建物の一態様は、
前記階間部防水構造を形成する複数の前記腕木の上に連続庇が配設されており、
前記連続庇の延設方向に延びる排水樋が取り付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、複数の腕木により支持される連続庇を有する建物に関し、優れた防水性と排水性を有する建物を提供することができる。このように連続庇を有する建物としては、建物の玄関側の面(例えばファサード面)にキャンチルームやキャンチバルコニーが面し、連続庇(連続したキャノピー庇を含む)が、ファサード面の全面に水平に連続して設けられる形態や、ファサード面の全面に水平に連続した庇がファサード面に直交する側面にまで連続する形態などが挙げられる。この連続庇が、その延設方向に延びる排水樋を有することにより、排水樋に雨水を流し、排水樋を介して外部に排水することができる。ここで、排水樋は、連続庇の延長長さと同程度の長さを有する形態であってもよいし、連続庇の延長方向に間欠的に所定長さの複数の排水樋が配設される形態であってもよい。
以上の説明から理解できるように、本発明の腕木用防水金物によれば、建物の階間部における腕木周りにおいて、他の外壁一般部と連続する防水性の高い防水構造を経済的に形成することができる。
実施形態に係る腕木用防水金物の一例の分解斜視図である。 実施形態に係る腕木用防水金物の一例の組立て完成図である。 (a)、(b)ともに、上方側片に取り付けられている二次止水材の断面形状を示す図である。 実施形態に係る階間部防水構造の一例の斜視図であって、腕木の左側の外壁を取り除いて示す図である。 実施形態に係る階間部防水構造の一例の縦断面図であって、排水樋をともに示す図である。 実施形態に係る連続庇を有する建物の一例の斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る、腕木用防水金物、階間部防水構造及び連続庇を有する建物について添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る腕木用防水金物]
はじめに、図1乃至図3を参照して、実施形態に係る腕木用防水金物の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る腕木用防水金物の一例の分解斜視図であり、図2は、実施形態に係る腕木用防水金物の一例の組立て完成図である。
図2の組立て完成図において示す腕木用防水金物30は、図1の分解斜視図に示すように、ともに金属製の上方分割体10と下方分割体20を有する。上方分割体10は、天端片11と、天端片11から屈曲して下方に延設する左右の上方側片12とを有し、正面視コの字状を呈している。上方側片12のうち、一方の狭幅の端面の下方位置には、外側に張り出す複数の係合片12aが設けられている。
一方、下方分割体20は、下端片21と、下端片21から屈曲して上方に延設する下方側片22とを有し、側面視L字状を呈している。下方側片22のうち、狭幅の左右の端面には、外側に張り出す複数の係合片22aが設けられており、図2に示すように、上方分割体10の下方に下方分割体20を配設し、双方の有する対応する係合片12a、22a同士を係合させることにより、腕木用防水金物30が形成される。
上方分割体10の外周には、左右の上方側片12と天端片11に亘って連続する二本の止水材13,14が取り付けられている。より具体的には、二本の止水材13,14は、腕木用防水金物30が腕木の根元周りに配設された状態において、一次止水層を形成する一次止水材13と、一次止水層よりも室内側にある二次止水層を形成する二次止水材14である。尚、図示する一次止水材13はコの字状に連続しているが、二次止水材14のように、天端片11用の直線状の止水材と、左右の上方側片12用の二本の直線状の止水材により形成されてもよい。また、図示する二次止水材14は、天端片11用の直線状の止水材と、左右の上方側片12用の二本の直線状の止水材により形成されているが、一次止水材13のようにコの字状に連続している形態であってもよい。
一次止水材13は、断面が矩形の弾性体により形成されている。一方、二次止水材14は、断面が三角形状の弾性体により形成されている。一次止水材13と二次止水材14は、圧縮性のある弾性体である乾式の止水材であり、例えば独立気泡構造体を材料としている。この独立気泡構造体は、気泡が独立して並んだ構造を有している例えばスポンジであり、連続気泡構造体のように気体や液体を通過させない材料である。より具体的には、EPDM系ゴム(エチレンプロピレンゴム)やポリエチレンゴム等により止水材13,14を製作することができる。一次止水材13と二次止水材14はいずれも、接着剤により金属製の天端片11と上方側片12に接着される。
図2に示すように、二次止水材14は、室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー平面14dを有している。以下で詳説するが、二次止水材14が室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー平面14dを有していることにより、テーパー平面14dの室内側の部位を左右や上方にある二次止水用パネルにて強固に押圧できる。このことにより、二次止水材14及び二次止水用パネルにて形成される二次止水層よりも屋外側の排水経路を流下する雨水が、二次止水層を介して室内側へ浸入することを効果的に抑制することが可能になる。また、二次止水材14が中空14aを有することにより、二次止水材14は変形し易くなり、さらには材料費の削減にも繋がる。
一次止水材13と二次止水材14の間には、上方の外壁を構成する通気層に連続する排水層が形成される。ここで、腕木が外壁パネル間に形成されている縦目地に対応する位置に配設される場合は、縦目地に取り付けられるガスケット等の乾式目地材の背面にある排水層(排水経路)が、天端片11における一次止水材13と二次止水材14の間に連続した排水層を形成する。図2に示す腕木用防水金物30において、上方分割体10と下方分割体20の有する下方側片22により、腕木(図4参照)が挿通される腕木挿通開口31が形成される。
次に、図3を参照して、上方側片に取り付けられている二次止水材の断面形状について説明する。図3(a)、(b)は、上方側片12に取り付けられている二次止水材14,14Aを、上方から見た図である。図3(a)に示す二次止水材14は、断面形状が三角形であり、平坦な底面14bは上方側片12に対する接着面となる。また、室内側に配設される平面14cは天端片11の室内側の端面と面一となる平坦面である。さらに、テーパー面14dは既述するように室内側に向かって傾斜しながら高くなる平面である。図3(a)に示す右側の上方側片12に取り付けられている二次止水材14のテーパー面14dの表面に対して、右側にある外壁の二次止水用パネル(図示せず)が載るようにして当接することにより二次止水層を形成する。
一方、図3(b)に示す二次止水材14Aは、図3(a)に示すテーパー平面14dに代わり、外側に湾曲した湾曲面14eを有する断面が略三角形の止水材である。湾曲面14eに隣接する二次止水用パネル(図示せず)が当接して圧力Pが付与された際に、図3(a)に示すテーパー平面14dと比べて、内側に変形し易くなる(変形δ)。例えば、建物の外壁のうち、入隅の近傍に腕木がある場合には、腕木の根元における腕木用防水金物30の納まりが厳しい場合があり、このような箇所において略三角形の断面形状の二次止水材14Aを有する腕木用防水金物30は好適である。
[実施形態に係る階間部防水構造]
次に、図4及び図5を参照して、実施形態に係る階間部防水構造の一例について説明する。ここで、図4は、実施形態に係る階間部防水構造の一例の斜視図であって、腕木の左側の外壁を取り除いて示す図である。また、図5は、実施形態に係る階間部防水構造の一例の縦断面図であって、排水樋をともに示す図である。
図示するように、建物の階間部204において、腕木54の根元周りに腕木用防水金物30を配設し、外壁の構成部材と腕木用防水金物30とにより、階間部防水構造100が形成される。建物の躯体のうち、階間部にはH形鋼により形成される階間梁51が外壁の幅方向に延出しており、階間梁51の外壁側に縦スチフナ52が溶接により接合されている。
H形鋼により形成される腕木54の端部にはエンドプレート53が溶接にて接合されており、階間梁51に接合されている縦スチフナ52に対して、エンドプレート53がボルト接合される。図示する腕木54は、以下で詳説する連続庇を支持することから、載荷される荷重が大きく、従って剛性のあるH形鋼により形成される。尚、連続庇の端部や入隅等、腕木54の納まりが厳しい箇所においては、H形鋼に代わり溝形鋼や平鋼材等の形鋼材により腕木が形成されてもよい。
建物の施工においては、階間梁51に対して腕木54が取り付けられた構造躯体に対して、腕木54の所定位置に上方分割体10を上から被せ、下方分割体20を下から持ち上げて上方分割体10に係合させることにより、腕木54の根元周りに腕木用防水金物30を取り付ける。その後、図4に示すように、例えば右側から外壁構成部材を取り付けていく。図示例の外壁は、外壁パネル41と、表面に透湿防水シート43が貼り付けられたグラスウールボード42(二次止水用パネルの一例)と、により形成され、外壁パネル41と透湿防水シート43の間には雨水の排水層(排水経路)となる通気層44が介在する。尚、グラスウールボード42の室内側には溝形鋼等により形成される縦桟55が配設されており、この縦桟55により形成された空間内にグラスウールやロックウール等により形成される断熱材(図示せず)が配設される。外壁パネル41はサイディング材から形成されており、より具体的には、窯業系サイディング、アルミや鋼板からなる金属系サイディング、天然木を加工してなる木質系サイディング、塩化ビニル樹脂等からなる樹脂系サイディングなどが挙げられる。
外壁パネル41の屋外側に一次止水材13が位置決めされ、相互に当接することにより、一次止水層60が形成される。一方、二次止水材14のテーパー面14dに二次止水用パネル42の端部が当接する(載る)ことにより、二次止水層70が形成される。そして、これら一次止水層60と二次止水層70の間には、外壁40の通気層44が連続して形成される排水層80があり、一次止水層60と二次止水層70、及び排水層80を有する階間部防水構造100が形成される。
図5に示すように、腕木用防水金物30(及び腕木54)の下方位置には、排水樋90が配設されており、排水樋90は縦桟55等の躯体構成部材に対してビス91等により固定されている。排水樋90は、以下で詳説するように建物の有する連続庇の延設方向に延びている。
外壁40の排水層80を流下する雨水は、腕木用防水金物30の一次止水層60と二次止水層70の間をさらに流下し、下方に配設されている排水樋90にX方向に排水される。
図4に戻り、腕木54は、階間部204において、外壁40の縦目地に対応する位置に配設されている。そのため、図4において図示を省略されている左側の外壁40が図示する右側の外壁40と同様に腕木54の根元周りにある腕木用防水金物30との間で一次止水層60と二次止水層70を形成しながら建て付けられた後、左右の外壁40の間の縦目地には乾式のガスケット(図示せず)が配設される。このガスケットの下端は、腕木用防水金物30の天端片11に取り付けられている二次止水材14のテーパー面14dに載りながら当接される。
図示する階間部防水構造100によれば、腕木用防水金物30とその周囲の外壁40との間で水密性の高い一次止水層60と二次止水層70が形成され、一次止水層60と二次止水層70の間の排水層80を介して雨水を下方に排水することにより、防水性に優れた階間部における防水構造を形成できる。特に、二次止水層70を形成する二次止水材14が室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー平面14dを有していることにより、テーパー平面14dの室内側の部位を左右や上方にある二次止水用パネル42やガスケットにて強固に押圧することができる。このことにより、二次止水材14及び二次止水用パネル42にて形成される二次止水層70よりも屋外側の排水経路80を流下する雨水が、二次止水層70を介して室内側へ浸入することを効果的に抑制することができる。
[実施形態に係る連続庇を有する建物]
次に、図6を参照して、実施形態に係る連続庇を有する建物の一例について説明する。ここで、図6は、実施形態に係る連続庇を有する建物の一例の斜視図である。図示する建物200は軽量鉄骨2階建ての住宅であり、ファサード面201に面する位置にキャンチルーム205やキャンチバルコニー206を有する。
階間部204には、ファサード面201からこれに直交する左右の側面202,203に亘り、連続庇207が設けられている。この連続庇207は、例えばキャノピー庇である。連続庇207であることから、ファサード面201と左右の側面202,203の階間部204には、所定の間隔を置いて図4及び図5に示すH形鋼により形成される腕木54が取り付けられている。そして、各腕木54の周囲には図4等に示す腕木用防水金物30が取付けられており、図4等に示す階間部防水構造100が形成されている。そして、連続庇207の下方位置には、図5に示す排水樋90が、連続庇207の延設方向に延びるようにして配設されている。
連続庇207を有する建物200によれば、連続庇207を支持する複数の腕木54の周囲に防水性に優れた階間部防水構造100が形成されており、さらに、連続庇207の延設方向に延びる排水樋90を備えていることにより、防水性と排水性に優れた建物となる。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:上方分割体、11:天端片、12:上方側片、13:一次止水材(止水材)、14:二次止水材(止水材)、14a:中空、14d:テーパー面(テーパー平面)、14e:湾曲面、20:下方分割体、21:下端片、22:下方側片、30:腕木用防水金物、31:腕木挿通開口、40:外壁、41:外壁パネル、42:グラスウールボード(二次止水用パネル)、43:透湿防水シート、44:通気層(排水経路)、51:階間梁、52:縦スチフナ、53:エンドプレート、54:腕木、60:一次止水層、70:二次止水層、80:排水層、90:排水樋、100:階間部防水構造、200:建物、201:ファサード面、202,203:側面、204:階間部、205:キャンチルーム、206:キャンチバルコニー、207:連続庇

Claims (6)

  1. 建物の階間部の腕木の根元周りに配設される腕木用防水金物であって、
    天端片と、該天端片から屈曲して下方に延設する左右の上方側片と、を有する上方分割体と、
    下端片と、該下端片から屈曲して上方に延設する下方側片と、を有して前記上方分割体に係合する下方分割体と、を備え、
    前記上方分割体の外周には、左右の前記上方側片と前記天端片に亘って連続する二本の止水材が取り付けられており、
    二本の前記止水材は、前記腕木用防水金物が前記腕木の根元周りに配設された状態において、一次止水層を形成する一次止水材と、該一次止水層よりも室内側にある二次止水層を形成する二次止水材であることを特徴とする、腕木用防水金物。
  2. 前記二次止水材は、室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー面を有していることを特徴とする、請求項1に記載の腕木用防水金物。
  3. 前記二次止水材は、断面が三角形もしくは略三角形で中空を有する樹脂製の止水材であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の腕木用防水金物。
  4. 建物の階間部において、間隔を置いて複数の前記腕木が配設され、それぞれの該腕木の根元周りに請求項1乃至3のいずれか一項に記載の腕木用防水金物が取り付けられており、
    前記二次止水材に二次止水用パネルの端部が当接することにより、建物の階間部の腕木周辺における前記二次止水層を形成しており、
    前記二次止水層の室外側において、前記一次止水材が外壁パネルと当接することにより、もしくは、前記一次止水材が外壁パネルよりも室外側に配設されることにより、建物の階間部の腕木周辺における前記一次止水層を形成していることを特徴とする、階間部防水構造。
  5. 前記二次止水材が室内側に向かって傾斜しながら高くなるテーパー面を有し、該テーパー面に前記二次止水用パネルの端部が当接することを特徴とする、請求項4に記載の階間部防水構造。
  6. 請求項4又は5に記載の階間部防水構造を形成する複数の前記腕木の上に連続庇が配設されており、
    前記連続庇の延設方向に延びる排水樋が取り付けられていることを特徴とする、連続庇を有する建物。
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