JP7128005B2 - 研磨用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
近年、LSI製造プロセスの微細化がもたらす高集積化によって、コンピューターをはじめとした電子機器は、小型化、多機能化、高速化等の高性能化を果たしてきた。このようなLSIの高集積化に伴う新たな微細加工技術において、化学機械研磨(CMP)法が使用される。CMP法は、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線(ダマシン配線)形成において頻繁に利用される技術である。
近年、CMPは、半導体製造における各工程に適用されてきており、その一態様として、例えばトランジスタ作製におけるゲート形成工程への適用が挙げられる。
トランジスタ作製の際には、多結晶シリコン(ポリシリコン)や酸化ケイ素、窒化ケイ素といったSi含有材料を研磨することがあり、各Si含有材料の研磨速度を制御することが求められている。例えば、特許文献1には、ポリシリコン以外のケイ素系材料を含む層の研磨速度が迅速であり、ポリシリコンを含む層の研磨速度を選択的に抑制しうる研磨用組成物として、負のゼータ電位を有するコロイダルシリカ粒子と、リン酸または特定の有機ホスホン酸化合物と、特定のアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物が提案されている。
特開2011-216581号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載される組成物を用いてもなお、ポリシリコンに対する窒化ケイ素の選択性は十分ではないことがわかった。また、酸化ケイ素に対する窒化ケイ素の選択性を高めることは難しいことがわかった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、窒化ケイ素を含む研磨対象物を酸化ケイ素またはポリシリコンに対して高い選択性で研磨することができる研磨用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、所定の添加剤を使用することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記目的は、砥粒と、
下記式(1)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
を含む、研磨用組成物によって達成される。
Figure 0007128005000001
(式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、Rは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下の炭化水素基であり、Xは、単結合または-CO-であり、Yは、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の二価の炭化水素基である。)
本発明の研磨用組成物を用いることによって、窒化ケイ素を含む研磨対象物を酸化ケイ素またはポリシリコンに対して高い選択性で研磨することができる。
本発明の研磨用組成物は、砥粒と、
下記式(1)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
を含む。
Figure 0007128005000002
(式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、Rは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下の炭化水素基であり、Xは、単結合または-CO-であり、Yは、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の二価の炭化水素基である。)
上記構成を有する研磨用組成物によれば、窒化ケイ素を含む研磨対象物を酸化ケイ素またはポリシリコンに対して高い選択性で研磨することができる。
半導体ウェハは、例えば、回路を形成する多結晶シリコン、絶縁材料である酸化ケイ素、トレンチまたはビアの一部ではない二酸化ケイ素表面をエッチング中の損傷から保護するための窒化ケイ素といった異種材料から構成される。かようなパターンウェハでは、各材料に対する研磨用組成物の作用が異なることから、完全な平坦面を形成することは難しく、異種材料間で生じる段差をできる限り小さくすることが求められている。
段差の生じる原因の一つとして、多結晶シリコンや酸化ケイ素などの比較的柔らかく研磨剤と反応しやすい材料が、その周囲の窒化ケイ素等に比べて過度に削られることが挙げられる。
上記特許文献1に記載される研磨用組成物は、砥粒の他に、リン酸または特定の有機ホスホン酸化合物を含む。このリン酸または特定の有機ホスホン酸化合物が窒化ケイ素に対する促進剤として働き、窒化ケイ素の研磨速度が向上しうる。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1の研磨用組成物を用いても、酸化ケイ素またはポリシリコンに対する窒化ケイ素の選択性が十分に高めることが難しく、異種材料から構成されるパターンウェハの研磨において現在要求されている平坦化を十分達成できない。したがって、さらなる改善が求められている。
これに対して、本発明は、長鎖の炭化水素基Rとカルボキシル基(カルボキシレート)とを有する所定の化合物またはその塩を添加剤として使用することを特徴とする。当該構成によると、酸化ケイ素またはポリシリコンを含む層(酸化ケイ素またはポリシリコンを含む層を有する研磨対象物)の研磨速度を抑制することができるため、窒化ケイ素を含む層を相対的に高い速度で研磨できる。上記効果を奏する詳細なメカニズムは不明であるが、以下のように考えられる。なお、以下のメカニズムは推測であり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。酸化ケイ素またはポリシリコンを含む層の化学機械研磨(CMP)において、長鎖の炭化水素基Rとカルボキシル基(カルボキシレート)とを有する所定の化合物またはその塩を添加として使用することが、酸化ケイ素およびポリシリコンを含む層の研磨速度を抑制するために有効であると考えた。詳細には、添加剤のカルボキシル基(カルボキシレート)側は、研磨対象物の酸化ケイ素およびポリシリコンを含む層の表面への化学的または物理的吸着力が高いため、カルボキシル基(カルボキシレート)を介して酸化ケイ素およびポリシリコンを含む層の表面に強固な保護膜を形成することができる。さらに、Rとして長鎖の炭化水素基を有することで、長鎖の炭化水素基の立体障害効果によって研磨用組成物中の砥粒が接触することを抑制しうる。また、砥粒の表面にも同様に添加剤が吸着し、砥粒と酸化ケイ素またはポリシリコンとの双方に立体障害をもつ添加剤が吸着することで、砥粒と酸化ケイ素またはポリシリコンとの接触がさらに抑制されうる。これにより、砥粒の接触による酸化ケイ素およびポリシリコンを含む層の表面の研磨が抑制されるものと考えられる。
したがって、本発明の研磨用組成物によれば、酸化ケイ素およびポリシリコンを含む層の研磨速度は低く抑えつつ、窒化ケイ素を含む層を高い研磨速度で研磨できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、本明細書において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%RHの条件で行う。
[研磨対象物]
本発明において、研磨対象物は特に制限されず、金属または金属を含む層、酸素原子及びケイ素原子を有する研磨対象物、ケイ素-ケイ素結合を有する研磨対象物、ケイ素-窒素結合を有する研磨対象物などが挙げられる。
金属としては、例えば、タングステン、銅、アルミニウム、コバルト、ハフニウム、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム等が挙げられる。
酸素原子及びケイ素原子を有する研磨対象物としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)等が挙げられる。
ケイ素-ケイ素結合を有する研磨対象物としては、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金等が挙げられる。
ケイ素-窒素結合を有する研磨対象物としては、窒化ケイ素膜、SiCN(炭窒化ケイ素)等のケイ素-窒素結合を有する研磨対象物などが挙げられる。
本発明の研磨用組成物は、ケイ素-窒素結合を有する材料、特に窒化ケイ素に対して高い選択性を有するため、研磨対象物は、ケイ素-窒素結合を有する材料、特に窒化ケイ素を含むことが好ましい。
また、本発明の研磨用組成物は、ケイ素-窒素結合を有する材料と、その他ケイ素を含む材料とを含む研磨対象物において、ケイ素-窒素結合を有する材料を選択的に研磨するために好ましく用いられうる。特には、ポリシリコンまたは酸化ケイ素に対する窒化ケイ素の選択的な研磨に用いられうる。
ここで、本発明の一形態に係る研磨用組成物は、酸化ケイ素の研磨速度(Å/min)に対する窒化ケイ素の研磨速度(Å/min)の比の下限は28以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。また、酸化ケイ素の研磨速度(Å/min)に対する窒化ケイ素の研磨速度(Å/min)の比の上限は、100以下であることが好ましく、85以下であることがより好ましい。
また、ポリシリコンの研磨速度(Å/min)に対する窒化ケイ素の研磨速度(Å/min)の比の下限は7以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、14以上であることがさらに好ましい。また、酸化ケイ素の研磨速度(Å/min)に対する窒化ケイ素の研磨速度(Å/min)の比の上限は、100以下であることが好ましく、85以下であることがより好ましい。
なお、研磨対象物は、製品態様としては基板が好ましく、半導体基板がより好ましく、パターンウェハがさらに好ましい。
[研磨用組成物]
本発明の研磨用組成物は、砥粒と、所定の添加剤とを含む。以下、本発明の研磨用組成物の構成を説明する。
(砥粒)
本発明の研磨用組成物は、砥粒を必須に含む。研磨用組成物中に含まれる砥粒は、研磨対象物を機械的に研磨する作用を有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度を向上させる。
使用される砥粒は、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれであってもよい。無機粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア等の金属酸化物からなる粒子、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子が挙げられる。有機粒子の具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子が挙げられる。該砥粒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。また、該砥粒は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
これら砥粒の中でも、分散安定性に優れること、入手が容易であること、またコストの観点から、シリカが好ましい。また、砥粒がシリカであれば、砥粒の表面に上記式(1)の添加剤が吸着しやすいため、酸化ケイ素膜やポリシリコン膜に対して窒化ケイ素膜を選択的に研磨する効果がさらに向上しうるため好ましい。なかでも、特に好ましいのはコロイダルシリカである。
砥粒は表面修飾されていてもよい。通常のコロイダルシリカは、酸性条件下でゼータ電位の値がゼロに近いために、酸性条件下ではシリカ粒子同士が互いに電気的に反発せず凝集を起こしやすい。これに対し、酸性条件でもゼータ電位が比較的大きな負の値を有するように表面修飾された砥粒は、酸性条件下においても互いに強く反発して良好に分散する。その結果、研磨用組成物の保存安定性を向上できる。したがって、研磨用組成物のpHにおいて、特に酸性条件下で、ゼータ電位が負の値になるように表面修飾された砥粒を用いることが好ましい。このような表面修飾砥粒は、例えば、アルミニウム、チタンまたはジルコニウムなどの金属あるいはそれらの酸化物を砥粒と混合して砥粒の表面にドープさせることにより得ることができる。
なかでも、特に好ましいのは、表面に有機酸を固定化したシリカ(有機修飾されたシリカ、有機酸固定化シリカともいう)である。
表面に有機酸を固定化したシリカにはフュームドシリカやコロイダルシリカ等が含まれるが、特にコロイダルシリカが好ましい。前記有機酸は、特に制限されないが、スルホン酸、カルボン酸、リン酸などが挙げられ、好ましくはスルホン酸またはカルボン酸である。なお、本発明の研磨用組成物中に含まれる有機酸を表面に固定したシリカの表面には、上記有機酸由来の酸性基(例えば、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基など)が(場合によってはリンカー構造を介して)共有結合により固定されていることになる。
これらの有機酸をシリカ表面へ導入する方法は、特に制限されないが、例えば、メルカプト基やアルキル基などの状態でシリカ表面に導入し、その後、スルホン酸やカルボン酸に酸化するといった方法の他に、上記有機酸由来の酸性基に保護基が結合した状態でシリカ表面に導入し、その後、保護基を脱離させるといった方法が挙げられる。また、シリカ表面に有機酸を導入する際に使用される化合物は、特に制限されないが、有機酸基となりうる官能基を少なくとも1つ有し、さらにシリカ表面のヒドロキシル基との結合に用いられる官能基、疎水性・親水性を制御するために導入する官能基、立体的嵩高さを制御するために導入される官能基等を含むことが好ましい。
有機酸を表面に固定したシリカの具体的な合成方法として、有機酸の一種であるスルホン酸をシリカの表面に固定するのであれば、例えば、“Sulfonic acid-functionalized silica through quantitative oxidation of thiolgroups”, Chem. Commun. 246-247 (2003)に記載の方法で行うことができる。具体的には、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤をシリカにカップリングさせた後に過酸化水素でチオール基を酸化することにより、スルホン酸が表面に固定化されたシリカを得ることができる。あるいは、カルボン酸をシリカの表面に固定するのであれば、例えば、“Novel Silane Coupling Agents Containing a Photolabile 2-Nitrobenzyl Ester for Introduction of a Carboxy Group on the Surface of Silica Gel”, Chemistry Letters, 3, 228-229 (2000)に記載の方法で行うことができる。具体的には、光反応性2-ニトロベンジルエステルを含むシランカップリング剤をシリカにカップリングさせた後に光照射することにより、カルボン酸が表面に固定化されたシリカを得ることができる。
砥粒の平均会合度はまた、例えば5.0未満であり、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である。砥粒の平均会合度が小さくなるにつれて、砥粒の形状が原因の表面粗さを良好なものとすることができる。砥粒の平均会合度はまた、1.0以上であることが好ましく、より好ましくは1.05以上である。この平均会合度とは砥粒の平均二次粒子径の値を平均一次粒子径の値で除することにより得られる。砥粒の平均会合度が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度は向上する有利な効果がある。
砥粒の平均一次粒子径の下限は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。また、砥粒の平均一次粒子径の上限は、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度は向上し、また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。なお、砥粒の平均一次粒子径は、例えば、BET法で測定される砥粒の比表面積に基づいて算出される。
砥粒の平均二次粒子径の下限は、15nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることがさらに好ましい。また、砥粒の平均二次粒子径の上限は、300nm以下であることが好ましく、260nm以下であることがより好ましく、220nm以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度は向上し、また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。なお、ここでいう二次粒子とは、砥粒が研磨用組成物中で会合して形成する粒子をいい、この二次粒子の平均二次粒子径は、例えば動的光散乱法により測定することができる。
研磨用組成物中の砥粒のアスペクト比の上限は、例えば2.0未満であり、1.8以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。このような範囲であれば、砥粒の形状が原因の表面粗さを良好なものとすることができる。なお、アスペクト比は、走査型電子顕微鏡により砥粒粒子の画像に外接する最小の長方形をとり、その長方形の長辺の長さを同じ長方形の短辺の長さで除することにより得られる値の平均であり、一般的な画像解析ソフトウエアを用いて求めることができる。研磨用組成物中の砥粒のアスペクト比の下限は、1.0以上である。この値に近いほど、砥粒の形状が原因の表面粗さを良好なものとすることができる。
研磨用組成物中の砥粒における、レーザー回折散乱法により求められる粒度分布において微粒子側から積算粒子重量が全粒子重量の90%に達するときの粒子の直径(D90)と全粒子の全粒子重量の10%に達するときの粒子の直径(D10)との比であるD90/D10の下限は、例えば1.1以上であり、1.2以上であることが好ましく、1.3以上であることがより好ましい。また、研磨用組成物中の砥粒における、レーザー回折散乱法により求められる粒度分布において微粒子側から積算粒子重量が全粒子重量の90%に達するときの粒子の直径(D90)と全粒子の全粒子重量の10%に達するときの粒子の直径(D10)との比D90/D10の上限は特に制限はないが、2.04以下であることが好ましい。このような範囲であれば、砥粒の形状が原因の表面粗さを良好なものとすることができる。
研磨用組成物中の砥粒の含有量の下限の値は0.0005質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.005質量%以上、よりさらに好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度がより向上する。研磨用組成物中の砥粒の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以下である。このような範囲であれば、窒化ケイ素をより選択的に研磨することができる。また、ストッパー膜に対するエロージョンを抑制することができるため好ましい。さらに研磨用組成物のコストを抑えることができ、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。
(酸)
研磨用組成物のpHを所望の値に調整するために、本発明の研磨用組成物は、酸を含むことが好ましい。なお、本明細書において、添加剤としての式(1)で表される化合物またはその塩は、pH調整剤としての酸とは異なるものとして取り扱う。
酸としては、特に制限されず、無機酸および有機酸のいずれであってもよい。有機酸としては、例えば、ギ酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸、ニトロカルボン酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、フタル酸、グリコール酸、クロトン酸、吉草酸、2-ヒドロキシ酪酸、γ-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシイソ酪酸、3-ヒドロキシイソ酪酸、グリセリン酸、安息香酸、ロイシン酸、プロピオン酸、酪酸、2-メチル酪酸、n-ヘキサン酸、3,3-ジメチル酪酸、2-エチル酪酸、4-メチルペンタン酸、n-ヘプタン酸、2-メチルヘキサン酸、n-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、サリチル酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マンデル酸といったカルボン酸やメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、10-カンファースルホン酸、イセチオン酸、タウリンなどのスルホン酸が挙げられる。また、炭酸、塩酸、硝酸、リン酸、次亜リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸などの無機酸が挙げられる。これらの酸は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
酸の添加量は特に制限されず、所望のpHの範囲となるような添加量を適宜選択すれば
よい。
上記酸は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてよい。
研磨用組成物中の酸の含有量は、特に制限されないが、研磨用組成物のpHが1以上
5未満となるような量であることが好ましい。このようなpHの研磨用組成物は保管安定性に優れる。また、研磨用組成物の取り扱いが容易である。加えて、研磨対象物の研磨速度を向上できる。
(添加剤)
添加剤は、ポリシリコン膜や酸化ケイ素膜の表面に吸着するとともに、立体障害効果によって砥粒の接触を抑制することで、これらの表面研磨速度を抑えるよう作用する。本発明の研磨用組成物は、下記式(1)で表される化合物またはその塩を含む。
Figure 0007128005000003
式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、Rは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下の炭化水素基であり、Xは、単結合または-CO-であり、Yは、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の二価の炭化水素基である。
の炭素数が5以下であると、酸化ケイ素膜またはポリシリコン膜を含む研磨対象物の表面において、Rによる立体障害の効果が得られにくいため、砥粒に容易に接触し、容易に研磨される。その結果、窒化ケイ素膜の研磨における高い選択性が得られない。一方、Rの炭素数が30を超えると水溶性が低下してしまうため、式(1)の化合物またはその塩の分散安定性が低下しうる。好ましくは、Rの炭素数としては、6以上22以下であり、より好ましくは10以上20以下であり、特に好ましくは12以上18以下である。。
炭化水素基としては、特に制限されないが、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アルカトリエニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基などが用いられ、好ましくはアルキル基またはアルケニル基である。
アルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(セチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基などが挙げられる。なかでも直鎖状のものが好ましく用いられうる。これらの中でも、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘプタデシル基が好ましく、ドデシル基、ヘプタデシル基がより好ましい。
アルケニル基としては、例えば、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、オクタデカトリエニル基、(5Z,8Z,11Z,14Z)-ノナデカ-5,8,11,14-テトラエニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリアコンテニル基などが挙げられる。なかでも直鎖状のものが好ましく用いられうる。これらの中でも、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、ヘプタデセニル基が好ましい。
アルカジエニル基としては、例えば、ヘキサジエニル基、ヘプタジエニル基、オクタジエニル基、1-エチルペンタジエニル基、2-メチルペンタジエニル基等が挙げられる。
アルカトリエニル基としては、例えば、ヘキサトリエニル基、ヘプタトリエニル基、オクタトリエニル基、1-メチルヘキサトリエニル基、2-メチルヘキサトリエニル基等が挙げられる。
置換基としては、特に制限されないが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボニル基などが挙げられる。
式(1)において、Rは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下の炭化水素基である。上記置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、Rは、水素原子、炭素数1以上10以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。なお、Rの置換基としては上記Rとして例示した置換基と同様のものが用いられうる。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の二価の炭化水素基である。置換基としては上記と同様のものが用いられうる。
好ましくは、Yは、炭素数1以上4以下のアルキレン基であるか、または下記式(2)で表される基である。上記の構成であれば、本発明の効果がより顕著に得られうる。
Figure 0007128005000004
式(2)中、Zは炭素数1以上3以下のアルキレン基である。炭素数1以上3以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、などが挙げられる。好ましくは、Zは、メチレン基またはエチレン基である。上記炭素数1以上3以下のアルキレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記と同様のものが用いられうる。
上記式(1)で表される化合物の塩としては、特に制限されないが、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等の第2族元素の塩、アミン塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらのうち、ナトリウム塩が好ましい。
上記式(1)で表される化合物またはその塩の具体例としては、N-オレオイルサルコシン、N-ラウロイルサルコシン、N-オレオイルグルタミン酸、N-ラウロイルグルタミン酸、N-オレオイルアスパラギン酸、N-ラウロイルアスパラギン酸、N-オレオイル-N-メチルアラニン、N-ラウロイル-N-メチルアラニン、これらの塩が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物またはその塩は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨用組成物中の、添加剤である上記式(1)で表される化合物またはその塩の含有量(濃度)は特に制限されない。例えば、上記添加の含有量(濃度)の下限は、最終的な研磨用組成物に対して0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0001質量%以上であることがより好ましく、0.001質量%以上であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、酸化ケイ素膜やポリシリコン膜の研磨速度を抑制し、窒化ケイ素膜などのケイ素-窒素結合を有する研磨対象物を選択的に研磨することができる。また、研磨表面の面荒れ等の表面状態の悪化を抑えることができる。また、上記添加剤の含有量(濃度)の上限は、最終的な研磨用組成物に対して1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。このような範囲であれば、窒化ケイ素膜などのケイ素-窒素結合を有する研磨対象物の優れた研磨速度が得られうる。また、保存安定性およびコストの観点で好適である。上記式(1)で表される化合物またはその塩を2種類以上組み合わせて用いる場合は、その合計の含有量が上記範囲であることが好ましい。
(分散媒)
本発明の研磨用組成物は、各成分を分散または溶解するために分散媒を含むことが好ましい。ここで、分散媒は、特に制限されないが、水が好ましい。他の成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、不純物をできる限り含有しない水がより好ましく、具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後、フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
(pH)
本発明の一形態に係る研磨用組成物は、分散媒を含み、研磨用組成物のpHが1以上5未満であることが好ましい。このようなpHの研磨用組成物は保管安定性に優れる。また、研磨用組成物の取り扱いが容易である。研磨用組成物のpHが5未満であると、研磨対象物の表面の正の電荷が小さくなり、表面が負に帯電した砥粒(例えば、有機酸を表面に固定したシリカ等)を用いたときに研磨対象物を高速度で研磨することが容易になる。研磨用組成物により研磨対象物を十分な研磨速度で研磨する観点から、研磨用組成物のpHは、さらに好ましくは4以下であり、特に好ましくは3以下である。研磨用組成物のpHの値の下限は、安全性の観点から1以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上である。
(他の成分)
本発明の一形態に係る研磨用組成物は、砥粒および添加剤である式(1)で表される化合物またはその塩以外に、必要に応じて式(1)で表される化合物またはその塩以外の錯化剤、防腐剤、防カビ剤、還元剤、界面活性剤、水溶性高分子等の他の成分を含有してもよい。錯化剤、防腐剤、防カビ剤、還元剤、界面活性剤、水溶性高分子としては、特に制限されず、それぞれ研磨用組成物の分野で用いられる公知のものを用いることができる。しかし、一方で、本発明に係る研磨用組成物は、酸化剤を実質的に含まないことが好ましい。研磨用組成物中に酸化剤が含まれていると、当該組成物が研磨対象物としてのケイ素膜などに供給されることにより、該研磨対象物の表面が酸化されて酸化膜が形成され、これが砥粒によりかき取られることにより研磨選択比が低下しうる。ここでいう酸化剤は、ケイ素膜の表面の酸化膜形成を促進しうるものであり、酸化剤の具体例としては、過酸化水素(H)、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、一過硫酸カリウム、オキソン、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等が挙げられる。なお、研磨用組成物が酸化剤を実質的に含まないとは、少なくとも意図的には酸化剤を含有させないことをいう。したがって、原料や製法等に由来して微量(たとえば、研磨用組成物中における酸化剤のモル濃度が0.0005モル/L以下、好ましくは0.0001モル以下、より好ましくは0.00001モル/L以下、特に好ましくは0.000001モル/L以下)の酸化剤が不可避的に含まれている研磨用組成物は、ここでいう酸化剤を実質的に含有しない研磨用組成物の概念に包含されうる。
なお、本発明の研磨用組成物は、例えば特開2013-42131号公報に記載されるジ第4級化合物を実質的に含まない。また、本発明の研磨用組成物は、ヨウ素ガス発生の引き金になりうるヨウ素化合物(例えば、ヨウ素酸カリウム)を実質的に含まないことが好ましい。具体的には、上記化合物の含有量が、研磨用組成物に対して、10質量%以下(下限:0質量%)であることが好ましく、5質量%以下(下限:0質量%)であることがより好ましい。
なお、上記式(1)で表される化合物またはその塩である添加剤以外の添加剤として、特に酸化ケイ素膜またはポリシリコン膜に対する窒化ケイ素膜の研磨速度を改善するために用いるものとしては、砥粒が研磨用組成物中で表面が負に帯電している場合、スルホ基を有するものを含まないことが好ましい。スルホ基が水などの分散媒中で解離してイオン化し、正に帯電した窒化ケイ素膜の表面に吸着し陰転させる場合がある。このとき、砥粒の表面と窒化ケイ素膜の表面との双方が負に帯電することで窒化ケイ素膜の研磨速度が低下してしまう場合がある。
[研磨用組成物の製造方法]
本発明の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、砥粒、所定の添加剤、および必要に応じて酸、酸化剤、他の添加剤を混合する、好ましくは分散媒(例えば、水)中で攪拌混合することにより得ることができる。各成分の詳細は上述した通りである。したがって、本発明は、前記砥粒と、前記所定の添加剤とを混合することを含む、本発明の研磨用組成物の製造方法を提供する。
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10~40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も、均一混合できれば特に制限されない。
[研磨方法および基板の製造方法]
上述のように、本発明の研磨用組成物は、窒化ケイ素を含む層(研磨対象物)の研磨に好適に用いられる。よって、本発明は、窒化ケイ素を含む層を有する研磨対象物を本発明の研磨用組成物で研磨する研磨方法をも提供する。また、本発明は、窒化ケイ素を含む層(研磨対象物)を前記研磨方法で研磨する工程を含む基板の製造方法を提供する。
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。
前記研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件については、例えば、研磨定盤の回転速度は、10~500rpmが好ましい。研磨対象物を有する基板にかける圧力(研磨圧力)は、0.5~10psiが好ましい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に本発明の研磨用組成物で覆われていることが好ましい。
研磨終了後、基板を流水中で洗浄し、スピンドライヤ等により基板上に付着した水滴を払い落として乾燥させることにより、窒化ケイ素を含む層を有する基板が得られる。
本発明の研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。また、本発明の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って、例えば10倍以上に希釈することによって調製されてもよい。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。また、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)/相対湿度40~50%RHの条件下で行われた。
[実施例1]
(研磨用組成物の調製)
純水に、N-オレオイルサルコシンを最終の研磨用組成物に対して0.01質量%、マレイン酸を最終の研磨用組成物に対して0.35質量%、砥粒(スルホン酸固定コロイダルシリカ;平均一次粒子径:14nm、平均二次粒子径:40nm)を最終の研磨用組成物に対して0.25質量%となる量で加えることで、研磨用組成物を調製した。研磨用組成物(液温:25℃)のpHをpHメータ(株式会社堀場製作所製 型番:LAQUA)により確認したところ、1.9であった。
[実施例2~5、および比較例1~5]
(研磨用組成物の調製)
各成分の種類及び含有量を下記表1~3に示すように変更した以外は実施例1と同様に操作して、各実施例および比較例の研磨用組成物を調製した。
上記で得られた各研磨用組成物について、下記方法に従って、研磨速度(Removal Rate)(Å/min)を評価した。結果を下記表1に併せて示す。
<研磨試験>
(研磨装置および研磨条件)
実施例1~5および比較例1~5において、各研磨用組成物を使用して、研磨対象物の表面を下記の条件で研磨した。研磨対象物としては、表面に厚さ2500ÅのSiN膜(窒化ケイ素膜)、10000ÅのTEOS膜(酸化ケイ素膜)、または4000Åのポリシリコン膜を形成した直径200mmのシリコンウェハを使用した。
研磨装置:200mmウェハ用 片面CMP研磨機(Applied Materials社製 Mirra)
パッド:Supreme RN-H(ダウケミカル社製)
研磨圧力:2psi
研磨定盤の回転速度:93rpm
キャリアの回転速度:87rpm
研磨用組成物の供給量:150mL/min
研磨時間:60sec。
Ex-situ dressing 15s。
<研磨速度(Removal Rate)の測定>
研磨速度(研磨レート)(Å/min)は、下記式(1)により計算した。
Figure 0007128005000005
窒化ケイ素(SiN)、ポリシリコン(poly-Si)、酸化ケイ素(TEOS)の膜厚を光干渉式膜厚測定装置によって求めて、研磨前後の膜厚の差を研磨時間で除することによって評価した。
Figure 0007128005000006
上記表1の結果によれば、特定の添加剤を含む実施例1~5の研磨用組成物を用いることによって、比較例1~5と比較して、窒化ケイ素膜を高速で研磨し、かつ、酸化ケイ素膜およびポリシリコン膜の研磨速度を抑えることができる。
比較例1のように、添加剤が長鎖の炭化水素基を有さない場合や、比較例3~5のようにアミノ基を有さない場合は、酸化ケイ素膜やポリシリコン膜に対して、窒化ケイ素膜を選択的に研磨する効果が十分に得られない。また、比較例4のように添加剤がスルホ基を含む場合、スルホ基が水中で解離しイオン化し正に帯電の窒化ケイ素膜の表面に吸着し陰転させる。砥粒と窒化ケイ素膜との双方が負に帯電することで窒化ケイ素膜の研磨速度が発現しなくなるものと考えられる。また、ポリシリコン、酸化ケイ素も同様に研磨速度が抑制されることから、選択性が得られないものと考えられる。

Claims (12)

  1. 砥粒と、
    下記式(1)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
    分散媒と、
    を含み、
    前記砥粒の含有量が0.5質量%以下であり、
    pHが1以上5未満である、研磨用組成物。
    Figure 0007128005000007

    (式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、Rは、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下の炭化水素基であり、Xは、単結合または-CO-であり、Yは、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の二価の炭化水素基である。)
  2. 前記式(1)におけるYは、炭素数1以上4以下のアルキレン基であるか、または下記式(2)で表される基である、請求項1に記載の研磨用組成物。
    Figure 0007128005000008

    (式(2)中、Zは炭素数1以上3以下のアルキレン基である。)
  3. 前記式(1)におけるRは、置換もしくは非置換の炭素数6以上22以下の炭化水素
    基である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記式(1)におけるRは、炭素数1以上3以下のアルキル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記砥粒が、シリカである、請求項1~4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 前記砥粒が、有機酸固定シリカである、請求項5に記載の研磨用組成物。
  7. ポリシリコンまたは酸化ケイ素に対する窒化ケイ素の選択的な研磨に用いられる、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. 酸化剤を実質的に含まない、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  9. 前記式(1)で表される化合物またはその塩の含有量が0.0001質量%以上0.1質量%以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  10. 前記砥粒と、前記式(1)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を混合することを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の研磨用組成物の製造方法。
  11. 請求項1~9のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて、窒化ケイ素を含む層を有する研磨対象物を研磨することを含む、研磨方法。
  12. 窒化ケイ素を含む層を有する研磨対象物を請求項11に記載の研磨方法で研磨することを含む、基板の製造方法。
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