JP7127990B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
滴下工法では、まず、2枚の電極付き基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を基板のシール枠内に滴下し、真空下で他方の基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
このような狭額縁設計に伴い、液晶表示素子において、画素領域からシール剤までの距離が近くなっており、シール剤によって液晶が汚染されることによる表示むらが生じやすくなっている。
以下に本発明を詳述する。
上記硬化性樹脂は、上記式(1)で表される化合物を含有する。上記式(1)で表される化合物を含有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、接着性と硬化物の透湿防止性とを両立させることができる。
上記式(1)で表される化合物は、分子中に占める芳香環の割合が高いため、スタッキング効果により接着性と硬化物の透湿防止性との両方が向上すると考えられる。また、エポキシ基を有する側は、中心骨格から反応点までの距離が短いため硬化物の透湿防止性向上に寄与する。中心骨格から反応点までの距離が短いことで低下しやすくなる接着性は、反応基がエポキシ基であることによって向上していると考えられる。更に、(メタ)アクリロイル基を有する側は、中心骨格から反応点までの距離が長いため接着性向上に寄与するものと考えられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
なお、上記式(2-1)及び式(2-3)において、*で示した結合位置のうち、メチレン基側の結合位置が上記式(1)における(メタ)アクリロイルオキシ基との結合位置となる。
上記アリーレン基としては、例えば、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、1,8-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基、2,7-ナフチレン基等が挙げられる。なかでも、1,2-フェニレン基、1,8-ナフチレン基が好ましく、1,2-フェニレン基がより好ましい。
上記環状ラクトンとしては、例えば、γ-ウンデカラクトン、ε-カプロラクトン、γ-デカラクトン、σ-ドデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ノナノラクトン、γ-バレロラクトン、σ-バレロラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、β-プロピオラクトン、σ-ヘキサノラクトン、7-ブチル-2-オキセパノン等が挙げられる。なかでも、開環したときに主骨格の直鎖部分の炭素数が5以上7以下となるものが好ましい。
上記Epの由来となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールE型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ゴム変性型エポキシ化合物、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
なかでも、上記式(1)で表される化合物は、EpがビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、又は、ビスフェノールE型エポキシ化合物由来の構造であることが好ましい。
上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記芳香族カルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、ナフタル酸無水物等が挙げられる。
上記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、上記芳香族カルボン酸無水物と反応させる前に一部をε-カプロラクトンと反応させていてもよい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
また、上記式(4-1)及び式(4-3)において、*で示した結合位置のうち、メチレン基側の結合位置が式(3)における(メタ)アクリロイルオキシ基との結合位置となる。
上記その他の重合性化合物は、上記式(1)で表される化合物、上記(3)で表される化合物、及び、上記式(1)の原料となるエポキシ化合物以外の重合性化合物であり、例えば、エポキシ化合物(以下、「その他のエポキシ化合物」ともいう)、(メタ)アクリル化合物(以下、「その他の(メタ)アクリル化合物」ともいう)等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX-201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX-4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV-50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV-80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP-4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA-4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN-770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN-670-EXP-S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC-3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN-165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD-X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX-1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX-611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR-450、YR-207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX-147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC-1312、YSLV-80XY、YSLV-90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA-7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中に1つ以上のエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を意味し、例えば、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
なお、本明細書において、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ダイセル・オルネクス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3708、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182、KRM8076等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EA-1010、EA-1020、EA-5323、EA-5520、EA-CHD、EMA-1020等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシエステルM-600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA等が挙げられる。
上記ナガセケムテックス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、デナコールアクリレートDA-141、デナコールアクリレートDA-314、デナコールアクリレートDA-911等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記東亞合成社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、M-1100、M-1200、M-1210、M-1600等が挙げられる。
上記ダイセル・オルネクス社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL1290、EBECRYL2220、EBECRYL4827、EBECRYL4842、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL6700、EBECRYL8402、EBECRYL8803、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260等が挙げられる。
上記根上工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、アートレジンUN-330、アートレジンSH-500B、アートレジンUN-1200TPK、アートレジンUN-1255、アートレジンUN-3320HB、アートレジンUN-7100、アートレジンUN-9000A、アートレジンUN-9000H等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、U-2HA、U-2PHA、U-3HA、U-4HA、U-6H、U-6HA、U-6LPA、U-10H、U-15HA、U-108、U-108A、U-122A、U-122P、U-324A、U-340A、U-340P、U-1084A、U-2061BA、UA-340P、UA-4000、UA-4100、UA-4200、UA-4400、UA-5201P、UA-7100、UA-7200、UA-W2A等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、AH-600、AI-600、AT-600、UA-101I、UA-101T、UA-306H、UA-306I、UA-306T等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤等が挙げられる。
上記BASF社製の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、IRGACURE 184、IRGACURE 369、IRGACURE 379、IRGACURE 651、IRGACURE 819、IRGACURE 907、IRGACURE 2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO等が挙げられる。
上記東京化成工業社製の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
なお、本明細書において高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイル基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
上記高分子アゾ化合物としては、具体的には例えば、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、VPE-0201、VPE-0401、VPE-0601、VPS-0501、VPS-1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物として市販されているものとしては、例えば、V-65、V-501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生タイプのものであってもよいし、非イオン性光酸発生タイプであってもよい。
上記固形の有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、大塚化学社製の有機酸ヒドラジド、日本ファインケム社製の有機酸ヒドラジド、味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジド等が挙げられる。
上記大塚化学社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、SDH、ADH等が挙げられる。
上記日本ファインケム社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、MDH等が挙げられる。
上記味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアVDH-J、アミキュアUDH等が挙げられる。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記三菱マテリアル社製のチタンブラックとしては、例えば、12S、13M、13M-C、13R-N、14M-C等が挙げられる。
上記赤穂化成社製のチタンブラックとしては、例えば、ティラックD等が挙げられる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、粒度分布計(例えば、PARTICLE SIZING SYSTEMS社製、「NICOMP 380ZLS」)を用いて測定することができる。
液晶滴下工法によって本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。
まず、基板に本発明の液晶表示素子用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程を行う。次いで、本発明の液晶表示素子用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに別の基板を重ね合わせる工程を行う。その後、本発明の液晶表示素子用シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を行う方法により、液晶表示素子を得ることができる。
反応フラスコに、2-ヒドロキシエチルメタクリレート59重量部と、ε-カプロラクトン57重量部と、重合禁止剤としてハイドロキノン0.2重量部とを加え、マントルヒーターを用いて90℃で5時間撹拌した後、無水フタル酸74重量部を加えて更に5時間撹拌した。次いで、得られた反応物にビスフェノールAジグリシジルエーテル170重量部を加え、90℃で5時間撹拌することにより、硬化性樹脂混合物Aを得た。
1H-NMR及び13C-NMRにより、硬化性樹脂混合物Aは、上記式(1)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び、ビスフェノールAジグリシジルエーテルを含み、上記式(1)で表される化合物の含有割合が52重量%であることを確認した。また、硬化性樹脂混合物Aに含まれる上記式(1)で表される化合物は、R1がメチル基、R2がエチレン基、Arが1,2-フェニレン基、Xがε-カプロラクトンの開環構造、nが1.01(平均値)、EpがビスフェノールAジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。更に、硬化性樹脂混合物Aに含まれる上記式(3)で表される化合物は、R1がメチル基、R2がエチレン基、Arが1,2-フェニレン基、Xがε-カプロラクトンの開環構造、mが1.01(平均値)、EpがビスフェノールAジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。
反応フラスコに、2-ヒドロキシエチルメタクリレート59重量部と、無水フタル酸74重量部と、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.2重量部とを加え、マントルヒーターを用いて90℃で5時間撹拌した。次いで、得られた反応物にビスフェノールAジグリシジルエーテル170重量部を加え、90℃で5時間撹拌することにより、硬化性樹脂混合物Bを得た。
1H-NMR及び13C-NMRにより、硬化性樹脂混合物Bは、上記式(1)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び、ビスフェノールAジグリシジルエーテルを含み、上記式(1)で表される化合物の含有割合が48重量%であることを確認した。また、硬化性樹脂混合物Bに含まれる上記式(1)で表される化合物は、R1がメチル基、R2がエチレン基、Arが1,2-フェニレン基、nが0、EpがビスフェノールAジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。更に、硬化性樹脂混合物Bに含まれる上記式(3)で表される化合物は、R1がメチル基、R2がエチレン基、Arが1,2-フェニレン基、mが0、EpがビスフェノールAジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。
反応フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート59重量部と、ε-カプロラクトン285重量部と、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.3重量部とを加え、マントルヒーターを用いて90℃で5時間撹拌した後、ナフタル酸無水物99重量部を加えて更に5時間撹拌した。次いで、得られた反応物にビスフェノールFジグリシジルエーテル170重量部を加え、90℃で5時間撹拌することにより、硬化性樹脂混合物Cを得た。
1H-NMR及び13C-NMRにより、硬化性樹脂混合物Cは、上記式(1)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び、ビスフェノールFジグリシジルエーテルを含み、上記式(1)で表される化合物の含有割合が50重量%であることを確認した。また、硬化性樹脂混合物Cに含まれる上記式(1)で表される化合物は、R1が水素原子、R2がエチレン基、Arが1,8-ナフチレン基、Xがε-カプロラクトンの開環構造、nが4.98(平均値)、EpがビスフェノールFジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。更に、硬化性樹脂混合物Cに含まれる上記式(3)で表される化合物は、R1が水素原子、R2がエチレン基、Arが1,8-ナフチレン基、Xがε-カプロラクトンの開環構造、mが4.98(平均値)、EpがビスフェノールFジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。
反応フラスコに、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート101重量部と、ε-カプロラクトン57重量部と、重合禁止剤としてハイドロキノン0.2重量部とを加え、マントルヒーターを用いて90℃で5時間撹拌した後、無水フタル酸74重量部を加えて更に5時間撹拌した。次いで、得られた反応物にビスフェノールAジグリシジルエーテル170重量部を加え、90℃で5時間撹拌することにより、硬化性樹脂混合物Dを得た。
1H-NMR及び13C-NMRにより、硬化性樹脂混合物Dは、上記式(1)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び、ビスフェノールAジグリシジルエーテルを含み、上記式(1)で表される化合物の含有割合が53重量%であることを確認した。また、硬化性樹脂混合物Dに含まれる上記式(1)で表される化合物は、R1が水素原子、R2が上記式(2-1)で表される基、Arが1,2-フェニレン基、Xがε-カプロラクトンの開環構造、nが1.00(平均値)、EpがビスフェノールAジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。更に、硬化性樹脂混合物Dに含まれる上記式(3)で表される化合物は、R1が水素原子、R2が上記式(2-1)で表される基、Arが1,2-フェニレン基、Xがε-カプロラクトンの開環構造、mが1.00(平均値)、EpがビスフェノールAジグリシジルエーテル由来の構造であることを確認した。
反応フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート58重量部と、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル380重量部と、重合禁止剤としてハイドロキノン0.2重量部とを加え、マントルヒーターを用いて90℃で5時間撹拌し、プロポキシ化部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。
1H-NMR及び13C-NMRにより、得られたプロポキシ化部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、エポキシ当量が385であることを確認した。
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合して実施例1~3、5~7、参考例4、比較例1、2の液晶表示素子用シール剤を得た。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI-H055」)を1重量%配合し、2枚のITO薄膜付きガラス基板(25×45mm)のうちの一方に微小滴下した。これにもう一方のITO薄膜付きガラス基板を十字状に貼り合わせ、メタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって接着性試験片を得た。作製した接着試験片における基板の端部を半径5mmの金属円柱を使って5mm/minの速度で押し込んだときに、パネル剥がれが起こる際の強度を測定した。得られた測定値(kgf)をシール直径(cm)で除した値が、3.0kgf/cm以上であった場合を「◎」、2.5kgf/cm以上3.0kgf/cm未満であった場合を「○」、2.5kgf/cm未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を、平滑な離型フィルム上にコーターを用いて厚さ200μm以上300μm以下となるように塗布した。次いで、メタルハライドランプを用いて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって透湿度測定用フィルムを得た。JIS Z 0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じた方法で透湿度試験用カップを作製し、得られた透湿度測定用フィルムを取り付け、温度80℃湿度90%RHの恒温恒湿オーブンに投入して透湿度を測定した。得られた透湿度の値が、50g/m2・24hr未満であった場合を「◎」、50g/m2・24hr以上60g/m2・24hr未満であった場合を「○」、60g/m2・24hr以上70g/m2・24hr未満であった場合を「△」、70g/m2・24hr以上であった場合を「×」として透湿防止性を評価した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI-H055」)を1重量%配合し、脱泡処理をしてシール剤中の泡を取り除いた後、ディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY-10E」)に充填し、再び脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、2枚のITO薄膜付きガラス基板のうちの一方に枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC-5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にてシール剤の枠内に滴下塗布し、他方のITO薄膜付きガラス基板を重ね、真空貼り合わせ装置にて5Paの減圧下にて2枚の基板を貼り合わせた。貼り合わせた後のセルにメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子を温度80℃、湿度90%RHの環境下にて72時間保管した後、AC3.5Vの電圧駆動をさせ、表示むら(色むら)の有無を目視で観察した。液晶表示素子の周辺部に表示むらが全く見られなかった場合を「◎」、少し薄い表示むらが見えた場合を「○」、はっきりとした濃い表示むらがあった場合を「△」、はっきりとした濃い表示むらが周辺部のみではなく、中央部まで広がっていた場合を「×」として液晶表示素子の表示性能を評価した。
なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は実用に全く問題のないレベルである。
Claims (5)
- 硬化性樹脂と重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、
前記硬化性樹脂は、下記式(1)で表される化合物を含有し、
前記硬化性樹脂100重量部中における前記式(1)で表される化合物の含有量が1重量部以上35重量部以下である
ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
- 硬化性樹脂は、下記式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2若しくは3記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項4記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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