JP7124673B2 - 活性エネルギー線硬化性インキおよび積層体 - Google Patents

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Description

本発明は活性エネルギー線硬化性インキおよび積層体に関する。
本発明は、基材に印刷し、活性エネルギー線を照射して得られる硬化層を形成する活性エネルギー線硬化性インキ、当該インキを用いて形成された硬化層を含む積層体に関する。
従来、フォーム用印刷物、各種書籍印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール、ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの種々の印刷物を得るため、平版、凸版、凹版、孔版その他の版を用いた、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷など種々の印刷方式が採用されており、これら印刷には各々の印刷方式に適したインキが使用されている。そのようなインキの形態一つとして活性エネルギー線硬化性インキが知られている(非特許文献1、2)。
活性エネルギー線硬化性インキの色相としては種々のものが挙げられるが、白色インキにおいては特有の性能が要求される場合がある。例えば、単に着色性(白色度)のみでなく隠蔽性(透明基材に印刷して透けて見えないこと)などが挙げられる。一般的にインキにおいて白インキには酸化チタンを含有するインキが代表的であり、酸化チタンを用いたインキは白色インキ単独としてだけでなく白濁色などに使用され、用途としては多様であり頻繁に使用されている。
上述したように白色系インキでは高い着色力に加え隠蔽性が必要なため、多くの場合白色顔料種は実質的に酸化チタンに限られており、文献上などではインキとして使用可能な白色顔料としては種々のC.I.ピグメントナンバーは開示されているものの、実際に評価等をした例はごく希であり、酸化チタン以外の白色顔料をインキとした場合についての性状は明らかとはなっていなかった。一方では酸化チタン固有の吸収波長により硬化に必要な活性エネルギー線を吸収してしまうことで硬化阻害をもたらす場合が生じるという問題点があった。
一般に、活性エネルギー線硬化性インキは、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプといった光源を用いて紫外線硬化が行われており、それらの光源の発光波長に合わせた光重合開始剤が用いられている。前記のごとき光源は幅広い波長領域の光を照射するため、活性エネルギー線硬化性インキを硬化させるためには、吸収波長の異なる光重合開始剤を組み合わせて用いている(特許文献1)。
特許文献2~4にも、複数の光重合開始剤を組み合わせた活性エネルギー線硬型硬化物あるいはインキが開示されている。これらに記載の発明では、光開裂型の光重合開始剤および水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられ、それぞれの型に多数の化合物が例示されている。しかしながら、白色顔料を使用した活性エネルギー線硬化性インキにおいて硬化阻害等を起こさない、顔料と光重合開始剤の組み合わせは具体的に開示されていない。
例えば特許文献5では、酸化チタンとTPO(4,6-トリメチルベンジル-ジフェニルフォスフィンオキサイド)との組み合わせの活性エネルギー線硬化性インキが開示されているが、紫外線に対する硬化性は十分ではなく、さらなる硬化性向上が求められている。
特開平06-157962号公報 特開2007-56187号公報 特開2001-335728号公報 特開2006-16510号公報 特開2012-214603号公報
「機能性インキの応用技術」、株式会社シーエムシー出版、2003年1月27日普及版第1刷発行 大島壮一、「機能性インキの最新技術」、株式会社シーエムシー出版、2002年1月31日第1刷発行
本発明は、広領域の紫外線を含む活性エネルギー線に対して良好な硬化性を有し、更に耐スクラッチ性、基材密着性に優れた活性エネルギー線硬化性インキを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、硫化亜鉛顔料、重合性官能基を2個以上有する活性エネルギー線硬化性化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性インキであって、下記(1)および(2)を満たす活性エネルギー線硬化性インキに関する。
(1)硫化亜鉛顔料は平均粒子径が10~500nmであり、かさ密度は1~3L/kgである。
(2)活性エネルギー線硬化性化合物の総質量に対して光重合開始剤を1~30質量%で含有する。
また、本発明は、前記光重合開始剤はアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する、前記活性エネルギー線硬化性インキに関する。
また、本発明は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドもしくはビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドを含有する、前記活性エネルギー線硬化性インキに関する。
また、本発明は、更に酸化チタン顔料を含み、硫化亜鉛顔料と酸化チタン顔料の質量比は90:10~10:90である、前記活性エネルギー線硬化性インキに関する。
また、本発明は、前記硫化亜鉛顔料はアミン化合物で表面処理されている、前記活性エネルギー線硬化性インキ。
また、本発明は、基材と、前記活性エネルギー線硬化性インキからなる硬化層を有する積層体に関する。
本発明により、広領域の紫外線を含む活性エネルギー線に対して良好な硬化性を有し、更に耐スクラッチ性、基材密着性および印刷適性に優れた活性エネルギー線硬化性インキを提供することができた。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載した事項の説明は本発明における実施形態の一例や代表的な例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
以下の説明において、活性エネルギー線硬化性インキは単に「インキ」と略記する場合があるが同義である。「(メタ)アクリル」とはメタクリルとアクリルの併記を表す。「(メタ)アクリロイル」とはメタクリロイルとアクリロイルの併記を表す。
以下の説明において活性エネルギー線硬化性インキからなる印刷層とは活性エネルギー線による硬化前の印刷層をいい、硬化層とは当該印刷層が活性エネルギー線により硬化した層をいう。なお、硬化層は「インキ層」と称呼する場合があるが同義である。
<活性エネルギー線硬化性インキ>
実施形態に係る活性エネルギー線硬化性インキとは、基材に印刷し、活性エネルギー線を照射して得られる、硬化層を有する積層体を形成するためのインキをいう。活性エネルギー線硬化性インキは、硫化亜鉛顔料、重合性官能基を2個以上有する活性エネルギー線硬化性化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性インキであって、下記(1)および(2)を満たす活性エネルギー線硬化性インキである。
(1)硫化亜鉛顔料は平均粒子径が10~500nmであり、かさ密度は1~3L/kgである。
(2)活性エネルギー線硬化性化合物の総質量に対して光重合開始剤を1~30質量%で含有する。
本発明は、顔料として硫化亜鉛を使用することで、酸化チタンよりも高い硬化性の効果を奏し、耐スクラッチ性が良好となる。また当該硫化亜鉛の平均粒子径、かさ密度が所定範囲であれば活性エネルギー線硬化性化合物との混合性が良好となる。これらは活性エネルギー線硬化性化合物と特定の光重合開始剤の併用でより発揮されるものである。
ここで、活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線、電子線、α線、β線、ガンマ線等の電離放射性が例示できる。設備が汎用されている点、簡便性および硬化性の観点からは、紫外線が好ましい。紫外線としては200~450nmであることが好ましい。中でも後述の光重合開始剤との関係からは紫外線の使用が好ましい。光重合開始剤は上記波長にて光重合がより良好に作用するためである。なお、幅広く顔料を選定できる点においては電子線も使用することができる。
<硫化亜鉛顔料>
本発明において、硫化亜鉛顔料はインキの着色剤として機能する。本発明では、分散性等の観点から、平均粒子径が10~500nmである必要があり、100~400nmであることが好ましく、200~400nmであることがなお好ましい。平均粒子径はレーザー回折法による測定値をいい、例えばマイクロトラックベル社製のマイクロトラックMT3000IIなどの粒度分布計を用いて測定することができる。なお、一次粒子径は100~500nmであることが好ましく、200~400nmであることがなお好ましい。また、当該硫化亜鉛顔料のかさ密度が1~3L/kgであり、1.2~2.8L/kgであることが好ましく、1.5~2.5L/kgであることがなお好ましい。更に、硫化亜鉛顔料の吸油量は7~20g/100gであることが好ましく、10~18g/100gであることがなお好ましい。かさ密度とはタップしない状態での粉体試料の質量と粒子間空間容積の因子を含んだ粉体の体積と比をいい、例えばメスシリンダーを用いる方法がある。また、かさ密度および吸油量はDIN53199に記載の方法またはJISK5101に記載の方法で測定することができる。これら数値範囲が当該範囲であれば活性エネルギー線硬化性化合物との混合性が良好となるため特性向上に寄与する。
なお、硫化亜鉛顔料は、表面に被覆等の処理が為されているものが好適である。ここで表面処理は公知の方法でよいが、特にアミン化合物で表面処理されているものが好ましい。アミン化合物としてはアミノ基を有するものであれば特に限定されないが、有機系シランカップリング剤や、界面活性剤等が挙げられる。ここで「表面処理」とは硫化亜鉛顔料の表面が被覆されている状態をいう。
本実施形態の活性エネルギー線硬化性インキによれば、酸化チタンのみ用いるインキに比して、密着性と硬化性を高めることができる。酸化チタンは、その吸収波長故に硬化性を制御することは難しかったが、硫化亜鉛を用いることで密着性と硬化性を高めることができる。
本発明では、本発明の効果が損なわれない範囲で他の白色顔料を配合することが好ましい。他の白色顔料としては、例えば酸化亜鉛(亜鉛華)、鉛白、硫酸鉛、酸化チタン、酸化アンチモン等が挙げられる。特に酸化チタンが好ましく、酸化チタンは,少なくともシリカおよび/またはアルミナで表面処理をされていることが好ましい。また、平均粒子径は200~300nmであることが好ましい。吸油量は15~30g/100gであることが好ましい。硫化亜鉛顔料と酸化チタン顔料の質量比は90:10~10:90であることが好ましく、30:70~70:30であることがなお好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは特性において支障のない範囲で上記以外の顔料を含有してもよい。当該顔料としては、有機顔料または無機顔料が好ましく、
当該有機顔料としては、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
当該無機顔料としては以下の態様が好ましく、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒等が挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングタイプであっても良いし、ノンリーフィングタイプであっても良い。無機顔料の中で、体質顔料としては、以下に限定されないが、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカなどが好ましい。
<活性エネルギー線硬化性化合物>
活性エネルギー線硬化性化合物はインキ層を形成するために機能し、活性エネルギー線照射により架橋し得る重合性官能基を有する。重合性官能基とは活性エネルギー線でラジカル重合できる基であり、二重結合基が好適である。当該二重結合基としては(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、重合性官能基を2個以上有する活性エネルギー線硬化性化合物を含む。重合性官能基数は2~15であることが好ましく、4~10であることがなお好ましい。
重合性官能基を2個以上有する活性エネルギー線硬化性化合物は、重合性官能基を2個以上有していればよく、特にその構造は限定されないが、例えば多官能モノマー並びに、ポリエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート樹脂を好適に例示できる。
ただし、当該多官能モノマーはポリエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートを含まない。
<多官能モノマー>
多官能モノマーとしては以下の態様が好ましく、例えば2官能モノマーとしてはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート(通称MANDA)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートが好適に挙げられ、
3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート好適に挙げられ、
4官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好適に挙げられ、
5官能以上のモノマーとしてはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートが好適に挙げられ、これらのエチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、カプロラクトン変性物が好適に例示できる。多官能モノマーは中でも、分子量が700未満であることが好ましい。
本発明においてインキ中に、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエポキシアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有することが好ましい。
該樹脂としては、目的に応じて塗膜強度、耐摩擦(擦傷)性向上の観点より重量平均分子量が700~20000のウレタンアクリレート、ポリエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等の、多官能の樹脂を好適に使用することが好ましい。重量平均分子量は700~10000であることがなお好ましく、800~7000であることが更に好ましい。
<ウレタンアクリレート>
ポリウレタンアクリレートは以下の態様が好ましく、例えば、ポリイソシアネートと水酸基を有する(メタ)アクリレート類とを反応させて得られるもの、ポリオールとポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを、水酸基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得られるもの等がある。あるいは、ポリオールとポリイソシアネートとを水酸基過剰の条件下に反応させてなる水酸基含有ウレタンプレポリマーを、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得ることもできる。
上記ポリイソシアネートとしては公知のものを使用でき、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、および脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、および2,6-ジイソシアネート-ベンジルクロライド等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては例えば、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、およびリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては例えば、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、およびダイマー酸のカルボキシ基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。
これらは3量体となってイソシアヌレート環構造となっていても良い。これらのポリイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
中でも好ましくはトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体である。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸エチル-α-(ヒドロキシメチル)、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、あるいはこれらの(メタ)アクリレートと、ε-カプロラクトンラクトンの開環付加により末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、上記水酸基含有(メタ)アクリレートに対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを繰り返し付加したアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。中でもトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種を含むものが好ましい。
<ポリエステルアクリレート>
ポリエステルアクリレートは以下の態様が好ましく、例えば、多塩基酸及び多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルポリカルボン酸と、水酸基含有(メタ)アクリレート等とを反応させて得ることができる。
上記、多塩基酸としては、脂肪族系、脂環族系、及び芳香族系が挙げられ、それぞれ特に制限が無く使用できる。例えば脂肪族系多塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、スベリン酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらの脂肪族ジカルボン酸及びその無水物が利用できる。又、酸無水物の誘導体も利用できる。
また、上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3,3'-ジメチロールヘプタン、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族又は脂環式ジオール類を挙げることができる。
また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3つ以上の水酸基を含有するポリオールを一部使用してもよい。
上記、多価アルコールのうち、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3,3'-ジメチロールヘプタン、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、などの、分岐したアルカンに水酸基が2つ以上導入されたものが、オリゴマーの、接着性、耐熱性等の点で好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、上記と同様のものが挙げられ、中でもトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種を含むものが好ましい。
<ポリエポキシアクリレート>
ポリエポキシアクリレートは以下の態様が好ましく、例えばエポキシ樹脂のグリシジル基を(メタ)アクリル酸で結合させ、グリシジル基を(メタ)アクリレート基としたポリエポキシアクリレートが挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物、ノボラック型エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。また、カルボキシル基を有する樹脂のカルボキシル基を、グリシジル基を含有する(メタ)アクリレートとで結合させた、ポリエポキシアクリレートも好適に挙げられる。例えば、ダイマー酸やトリマー酸をからなる樹脂のカルボキシル基にグリシジルメタクリレートを付加した化合物などが挙げられる。
<単官能モノマー>
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、重合性官能基を1つ有する活性エネルギー線硬化性化合物として単官能モノマーを併用してもよい。単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基の炭素数は1~20が好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。アルキル基は更に置換基を有してもよい。これらは単独または2種以上を併用できる。
<光重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、活性エネルギー線照射により架橋・硬化させるために光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は限定されないが、以下に記載のものを用いることが好適であり、本発明では活性エネルギー線硬化性化合物の総質量に対して、1~30質量%で含む。1~25質量%含むことがなお好ましく、3~20質量%含むことが更に好ましい。
上記光重合開始剤としては、アルキルフェノン系、オキシウムエステル系およびアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤などが好適に挙げられる。
例えばアルキルフェノン系光重合開始剤では、ベンゾフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、ビス-2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、などが好適である。
オキシウムエステル系としては以下に限定されないが、1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)が好適である。
<アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤>
本発明では光重合開始剤の吸収波長と活性エネルギー線の波長の観点から、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましく、さらに2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイドおよびビス(2,4,6-トリメチルベンソイル)-ジフェニルフォスフィンオキサイドが特に好ましい。開始剤固有の吸収波長および硫化亜鉛顔料との組み合わせにより硬化性が良好となるためである。
<有機溶剤>
活性エネルギー線硬化性インキは、無溶剤で使用してもよいし、有機溶剤を含有してもよい。乾燥工程のエネルギーを削減できる点では無溶剤型の活性エネルギー線硬化性インキであることが好ましい。有機溶剤を使用する場合は種々の有機溶剤を含有することができ、限定されるものではないが、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピルその他のエステル系有機溶剤、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールその他のアルコール系有機溶剤、メチルエチルケトン、イソブチルケトンその他のケトン系有機溶剤、トルエン、キシレンその他の芳香族有機溶剤およびこれらの混合溶剤が挙げられる。メチルプロピレングリコール、エチルプロピレングリコール、などのグリコールエーテル系有機溶剤、プロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール系有機溶剤が好適に挙げられる。
<その他の成分>
印刷法や被印刷物の用途に応じて、その分野で通常使用されている添加剤を本発明の効果が損なわれない範囲で配合することができる。例えば光開始助剤、増感剤、活性エネルギー線硬化触媒、充填剤、ワックス、レベリング剤、艶消し剤、消泡剤、分散剤、表面調整剤、帯電防止剤、重合禁止剤、酸化防止剤、導電剤、シリコン、難燃剤、可塑剤、熱伝導改良剤、シランカップリング剤などの添加剤が例示できる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、イナート(重合性官能基を含有しない)樹脂を添加することができる。
前記光重合開始助剤、増感剤としては、脂肪族アミン等のアミン化合物、o-トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s-ベンジルイソチウロニウム-p-トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが好適に挙げられる。
イナート樹脂としては、(メタ)アクリロイル基その他の重合性官能基を有さない樹脂をいい、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、セルロースエステル樹脂等を挙げることができる。
[活性エネルギー線硬化性インキの製造]
活性エネルギー線硬化性インキはサンドミル、ガンマミル、アトライター、ディスパーその他の分散機を使用して製造することができる。サンドミル、ガンマミルその他のビーズミルにより顔料分散を行って製造することが好ましい。当該インキの製造方法としては以下に限定されないが、例えば、硫化亜鉛顔料、活性エネルギー線硬化性化合物等を所定量配合し、場合により有機溶剤を配合したのちサンドミルで10~30分程度分散処理を行い、粘度調整として上記有機溶剤や多官能モノマーを配合・混合して製造することができる。なお、光重合開始剤は当該インキ製造時に配合しておいてもよいし、当該インキを印刷などで使用するときに配合してもよい。
<基材>
本実施形態の基材は、活性エネルギー線硬化性インキを印刷する被印刷体であり、形成された印刷層の硬化層が得られる素材であればよく、特に限定されない。好適な例として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が例示できる。単層から構成されている場合の他、積層体から構成されていてもよい。基材の形状は、限定されない。基材の素材としては、紙、プラスチック、金属基材等が挙げられる。中でも紙またはプラスチック基材が好適に使用できる。
プラスチック基材としては以下が好適であり、例えばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリルなどのフィルム、シート、ボードなどやそれらの表面処理基材が例示できる。当該表面処理としてはコロナ処理、プラズマ処理、易接着処理などが挙げられる。これらは、単独で用いても複数層の積層体でもよい。また、例えば、ポリカーボネート(PC)上にポリメチルメタクリレート(PMMA)が共押し出しされたPMMA/PCフィルムや、ポリカーボネートフィルムとポリエステルフィルムが接着剤でラミネートされたプラスチックフィルムなどを用いることもできる。金属基材としては、スチール、ステンレススチール、アルミニウム基材、更に各種メッキを施した金属基材、各種プラスチックをプレコートまたはラミネートした金属基材などが挙げられる。
基材の形状は、特に限定されないが、ロール状またはシート状であることが好ましい。基材の厚みは、特に限定されないが、通常2μm~1,000μm程度である。基材は、単層の他、複層とすることができる。
印刷は、基材の片面または両面に行うことができる。基材の片面に印刷する場合、印刷層との非対向側の基材に被着体と接合するための接着層を積層してもよい。また、積層体の最表面を保護するために、加熱成型時まで離型フィルムを積層しておいてもよい。
更に、本実施形態の活性エネルギー線硬化性インキによれば、無溶剤で用いることが可能なので、乾燥工程が不要であり、高生産性を実現できる。また、環境負荷低減を図ることができる。
(印刷方法)
活性エネルギー線硬化性インキは印刷法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などの印刷法を好適に適用できる。中でもスクリーン印刷またはインクジェット印刷であることがなお好ましい。スクリーン印刷であることが更に好ましい。
(スクリーン印刷インキとしての使用)
スクリーン印刷用として使用する場合、当該インキは、25℃における粘度が2~20Pa・sであることが好ましい。5~15Pa・sであることがなお好ましい。また、印刷用インキのチキソインデックス(TI)は、25℃におけるTIが、1.1~1.9であり、1.4~1.7であることが好ましい。TIは、インキのチキソトロピー性の指標であり、インキのせん断速度(回転数)の異なる2点の粘度の比率として下記式1で表される。測定の方法としては最も簡単には回転型粘度計を用いることができ、測定機の種類を問わず得ることができる。なお粘度とはJISZ8803による25℃での測定値をいう。
(式1) チキソインデックス(TI)=Xa/Xb
(式中、Xaとは回転型粘度計での低回転数における粘度をいい、Xbとは回転型粘度計においてXaよりも高回転数における粘度をいう。)
(積層体およびその製造方法)
本実施形態に係る積層体は、基材と、本実施形態に係る活性エネルギー線硬化性インキを基材上に印刷して活性エネルギー線により硬化せしめられた硬化層とを少なくとも有する。当該硬化層は、単層または多層からなる。また、基材と硬化層からなる積層体の態様の他、更に硬化層上に接着剤層や粘着剤層等の他の機能層を積層した態様を含む。
以下、積層体の製造方法について説明するが、以下の製造方法に限定されない。積層体は例えば、基材上に活性エネルギー線硬化性インキを印刷(印刷層形成工程)し、その後活性エネルギー線を照射する(硬化層形成工程)。通常、印刷後、直ちに活性エネルギー線が照射される。基材が活性エネルギー線透過性の場合には、基材側から照射してもよいし、印刷層側から照射してもよい。印刷層の1層当たりの厚さは、用途に応じて適宜設計し得るが、通常、0.5~50μm程度である。最外層は、透明保護層として所望の領域全体を被覆してもよい。
活性エネルギー線照射時の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト、紫外線発光ダイオード、自然光、走査型またはカーテン型電子線加速器等が用いられる。高圧水銀灯の場合は、例えば5~3000mJ/cm、好ましくは、300~1500mJ/cmの条件で行なわれる。
積層体を製造する場合、活性エネルギー線硬化性インキは、1回刷りの印刷のみならず、例えば2~10回の多色刷り印刷することができる。また、一層の印刷層ずつ硬化させて多層をを構成してもよいし、多層に印刷した後で一括して活性エネルギー線での硬化を行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、部は質量部を、%は質量%(但し破断伸び率の%は除く)をそれぞれ示す。
(粘度)
活性エネルギー線硬化性インキの粘度はJISZ8803に従い、25℃で単一円筒形回転粘度計を用いて測定値した。
(平均粒子径)
レーザー回折法に従って求めた。測定機器としてはマイクロトラック社製MT3000IIを使用した。
(かさ密度)
メスシリンダーを用いて求めた。測定機器としては250mlメスシリンダー(最小目盛単位:2ml)を使用した。
(実施例1)<活性エネルギー線硬化性インキの調製>
6官能モノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製 A-DPH)6.3部に、2官能モノマーである1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機社製 ビスコート230)を22.5部、6官能ウレタンアクリレートであるUA-306H(共栄社化学社製)を12.5部、単官能モノマーであるラウリルアクリレート(大阪有機社製 L-A)4.2部、開始剤である2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド(IGMRESIN社製 OmniradTPOH)を5.5部、硫化亜鉛1(アミン化合物による表面処理あり 平均粒子径300nm かさ密度1.6L/kg 吸油量13g/100g)を45部加えて撹拌し、実施例1に係る活性エネルギー線硬化性インキS1を得た。S1の粘度は7.0Pa・sであった。
<積層体の製造>
厚さ125μmの易接着層付PET基材に、実施例および比較例に係る活性エネルギー線硬化性インキについて、ポリエステル素材の380メッシュの版を用いてそれぞれスクリーン印刷して印刷層を形成し、光源としてメタルハライドランプ(アイグラフィック社製)を用いて硬化層を有する積層体を得た。なお硬化させる積算光量値は以下に記載の評価において定める値で行った。
(実施例2~10、比較例1~3)
表1に示す原料および組成を用いた以外は実施例1と同様の方法で実施例2~10および各比較例1~3に係る活性エネルギー線硬化性インキ(S2~S10、T1~T3)を得た。表中の記号は、以下のとおりである。
・酸化チタン:アルミナおよびシリカでの表面処理、平均粒子径250nm、結晶型ルチル型 吸油量20g/100g
・硫化亜鉛2:表面処理なし 平均粒子径350nm かさ密度2.4L/kg 吸油量14g/100g
・EBECRYL846(ダイセル・オルネクス社製 ポリエステルアクリレート 重量平均分子量1100 重合性官能基数6個)
・EBECRYL860(ダイセル・オルネクス社製 ポリエステルアクリレート 重量平均分子量1200 重合性官能基数4個)
・Omnirad819:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
・Omnirad184:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン
実施例2~10の活性エネルギー線硬化性インキS2~S10はいずれも粘度は5~15Pa・sの範囲内であった。
上記実施例および比較例で得られた活性エネルギー線硬化性インキおよびその硬化層を有する積層体につき、以下の評価を行った。
<表面硬化性>
メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)照射装置を使用し、120W/cm、コンベアースピード5m/分、1灯の条件でUV照射した。積算光量を変化させながら、紫外線を照射し、硬化層の表面を指で触ってタック(ベタツキ)の有無を確認し、タックが無い最速のコンベア速度での積算光量を「表面硬化性」とし、下記評価基準に基づいて評価を行った。ここで、コンベア速度の速いもの、すなわち、積算光量が少ないものほど表面硬化性が良好なるものであると判断した。
(評価基準)
○:400mJ/cm以上(優良)
×:400mJ/cm未満(不可)
なお産業上利用可能なレベルは○である。
<耐スクラッチ性>
表面硬化性と同様に、メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)照射装置を使用し、積算光量(mJ/cm)を変化させながら(200、400、600、(mJ/cm))、紫外線を照射させ、綿布でのスクラッチ(こすり)で評価した。ここで、紫外線の照射量が十分ではない場合は、スクラッチで塗膜がなくなり、照射量が十分で硬化している場合はキズなしであり、評点「5:キズなし、4:表層にこすれキズ、3:中間層こすれキズ、2:底部までこすれキズ、1:塗膜がすべて取られる」にて評価した。
(評価基準)
A:評点5(優良)
B:評点4または3(良)
C:評点2または1(不可)
なお産業上利用可能なレベルはAおよびBである。
<積層体濃度>
得られた積層体の印刷層(硬化後のインキ層)の面に分光測色計(X-rite社製eXact)を用いて光源D50、2度視野、濃度ステータスE使用の条件にて黒濃度k値を測定した。なお、k値は低いほど、黒濃度が低くく白濃度が高いことを示し、良好な評価である。k値評点は「5:0.2未満、4:0.2以上0.25未満、3:0.25以上0.3未満、2:0.3以上0.35未満、1:0.35以上」にて行った。
A:評点5(優良)
B:評点4または3(良)
C:評点2または1(不可)
なお産業上利用可能なレベルはAおよびBである。
<密着性>
得られた積層体の印刷層(硬化後のインキ層)の面で、JISK-5400に準じて碁盤目粘着テープ(商標:セロテープ)剥離法により試験を行い、100枡中の塗膜の残存数により評価した。
A:80以上~100以下(優良)
B:50以上~80未満(良)
C:0以上~50未満(不可)
なお産業上利用可能なレベルはAおよびBである。
Figure 0007124673000001
Figure 0007124673000002
(実施例11)<活性エネルギー線硬化性インキの調製>
顔料として、硫化亜鉛1(アミン化合物による表面処理あり 平均粒子径300nm かさ密度1.6L/kg 吸油量13g/100g)を50部、顔料分散剤としてソルスパーズ32000(塩基性分散剤、ルーブリゾール社製)を2.5部、及びジプロピレングリコールジアクリレート47.5部を、ディスパーに入れ、これらの成分を混合することによって予備分散した。次いで、直径1mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノ-ミルを用いて、2時間にわたって、上記成分の本分散を行い、分散液を得た。
次に、得られた分散液44部に対し、モノマーとしてジプロピレングリコールジアクリレートを5部、N-ビニルカプロラクタムを5部、ビニロキシジエチレングリコールアクリレート30部、光重合開始剤として、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド(IGMRESIN社製 OmniradTPOH)11部、表面調整剤としてBYK UV3510(BYK-CHemie社製、シリコン系表面調整剤)1部を添加し溶解するまで混合した。その後、得られた混合物を1μmのメンブレンフィルターで濾過し、粗大粒子を除去することによって、活性エネルギー線硬化性インキである白インキS11を得た。なお、活性エネルギー線硬化性化合物に対する光重合開始剤は19%であった。
得られた白インキS11を、印刷装置としてOnePass JET(トライテック社製)、インクジェットヘッドとしてKJ4A(京セラ社製)を用いて、透明PETフィルム(基材厚100μm)に対して、インキ塗膜の膜厚6μmとなるようベタ印刷を行い、印刷層を得た。次いでUVランプを用いて印刷層に紫外線を照射することによって、印刷層を硬化させ、評価用サンプルを作成した。
得られた積層体は実施例1と同様の評価を行い、表面硬化性は○、耐スクラッチ性は200mJ/cm、400mJ/cm、600mJ/cmいずれもA、印刷物濃度B、密着性Aの評価であった。
実施例に係る活性エネルギー線硬化性インキによれば、硬化性を向上させることができた。また、連続印刷を行っても、版が目詰まりすることなく、生産性が良好であった。また、密着性に優れていることを確認した。更に耐スクラッチ性も良好であった。

Claims (5)

  1. 硫化亜鉛顔料、重合性官能基を2個以上有する活性エネルギー線硬化性化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性インキであって、下記(1)、(2)および(3)を満たす活性エネルギー線硬化性インキ。
    (1)硫化亜鉛顔料は平均粒子径が10~500nmであり、かさ密度は1~3L/kgである。
    (2)活性エネルギー線硬化性化合物の総質量に対して光重合開始剤を1~30質量%で含有する。
    (3)光重合開始剤はアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する。
  2. アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドもしくはビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドを含有する、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
  3. 更に酸化チタン顔料を含み、硫化亜鉛顔料と酸化チタン顔料の質量比は90:10~10:90である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
  4. 前記硫化亜鉛顔料はアミン化合物で表面処理されている、請求項1~いずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
  5. 基材と、請求項1~いずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インキからなる硬化層を有する積層体。
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