JP7124392B2 - 抜染装置及び抜染方法 - Google Patents

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Description

本発明は、抜染装置及び抜染方法に関する。
還元剤を布帛に付与した後、加熱処理を施すことで、前記布帛を抜染する抜染方法が提案されている(特許文献1)。
特開2007-224128号公報
しかし、抜染された布帛を放置しておくと、時間経過につれて、抜染部分の繊維が薄い赤色又は黄色に変色することがある。
そこで、本発明は、抜染された布帛の変色を抑制可能な抜染装置及び抜染方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の抜染装置は、
還元剤を布帛に付与する付与手段と、
前記還元剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進する接触加熱手段と、
を含み、
下記条件(A)又は下記条件(B)を満たすことを特徴とする。

条件(A):前記還元反応促進後、前記接触加熱手段は、前記付与部を接触加熱して酸化反応を促進する。
条件(B):さらに、非接触加熱手段を含み、前記非接触加熱手段は、前記還元反応促進後、前記付与部を非接触加熱して酸化反応を促進する。
本発明の抜染方法は、
還元剤を布帛に付与する付与工程と、
前記還元剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進する還元促進熱処理工程と、
前記還元促進熱処理工程後、前記付与部を加熱して酸化反応を促進する酸化促進熱処理工程と、
を含み、
前記酸化促進熱処理工程における前記付与部の加熱を、接触加熱又は非接触加熱で実施することを特徴とする。
本発明の抜染装置及び抜染方法は、還元反応促進後に、酸化反応促進を含むことで、抜染された布帛の変色を抑制可能である。
図1は、本発明の抜染装置の構成の一例を示す斜視図である。 図2は、図1に示す抜染装置の付与部及び加熱処理部の内部構造を透視的に示した平面図である。 図3は、図1に示す抜染装置の付与部及び加熱処理部の内部構造を透視的に示した側面図である。 図4は、図1に示す抜染装置のコントロールユニットの構成の一例を示すブロック図である。
本発明の抜染装置は、還元剤を布帛に付与する付与手段と、前記還元剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進する接触加熱手段と、を含む。本発明の抜染装置は、一つの筐体の内部に前記付与手段及び前記接触加熱手段を備えた一体型のものであってもよいし、別個独立した前記付与手段と、前記接触加熱手段とを含むシステムであってもよい。
図1に、前記一体型の抜染装置の構成の一例を示す。図1に示すように、抜染装置1は、付与部2と、還元剤収容部3と、加熱処理部4と、コントロールユニット5と、を含む。付与部2の内部には、後述のように、前記付与手段が設けられている。加熱処理部4の内部には、後述のように、前記接触加熱手段が設けられている。
付与部2の前方の右端部には、ディスプレイ7及びボタン8を有する操作パネル6が設けられている。ボタン8は、抜染開始信号をコントロールユニット5に入力するものである。付与部2及び加熱処理部4の筐体9の前壁には、プラテン31及びプラテン31に保持された布帛が出入可能な開口部10が設けられている。これ以降において、前方、後方、左方及び右方は、図1に矢印で示したとおりである。
図2及び図3は、図1に示す抜染装置1の内部構造を透視的に示す平面図及び側面図である。図2及び図3に示すように、付与部2の内部には、インクジェットノズル列を有する付与手段(液体吐出ヘッド)12と、この液体吐出ヘッド12を搭載したキャリッジ13とが設けられ、このキャリッジ13を案内する上下一対のガイドロッド14及び15が、それぞれ、左右方向に架設されている。
ガイドロッド14及び15の右端部には、キャリッジ13を左右方向へ往復搬送するステッピングモータからなるキャリッジモータ18が設けられている。キャリッジ13は、ガイドロッド14及び15と平行に掛けられたベルト(図示省略)に連結されている。前記ベルトは、キャリッジモータ18に連結されたプーリ(図示省略)とガイドロッド14及び15の左端部に設けられたプーリ(図示省略)とに掛け渡されている。キャリッジモータ18を駆動することで、液体吐出ヘッド12及びキャリッジ13が、ガイドロッド14及び15に沿って左右方向(主走査方向)に搬送される。キャリッジ13と、ガイドロッド14及び15と、キャリッジモータ18と、前記プーリと、前記ベルトとで、液体吐出ヘッド搬送機構を構成する。
還元剤収容部3に収容された還元剤収容容器は、供給チューブを介して液体吐出ヘッド12に接続されている。図1~3には、前記付与手段が、インクジェットノズル列を有する液体吐出ヘッド12である例を示したが、前記付与手段は、前記還元剤を布帛に付与可能であればいかなる手段であってもよく、例えば、スプレー、前記還元剤を前記布帛に塗布するスタンプ、刷毛、ローラ等であってもよい。
付与部2及び加熱処理部4の左右方向中央部には、プラテン31が搭載された移動部材60を案内する左右一対のガイドレール(図示省略)が前後方向に列設されている。プラテン31の下側には、トレー63が、移動部材60に固定されている。
左右一対のガイドレールの前端部付近には、それらの間にプラテンモータ26が設けられている。プラテンモータ26の出力軸には、プーリ16が固定されている。プラテンモータ26よりも前側の付与部2の底部には、プーリ27が支持されている。プーリ16及びプーリ27には、ベルト17が掛け渡されている。プーリ27は、同軸上方にプーリ24を有する。加熱処理部4の下方には、プーリ28が回転可能に支持されている。プーリ24及びプーリ28には、ベルト25が掛け渡されている。ベルト25には、移動部材60が連結されている。プラテンモータ26の回転駆動によって、プーリ16が回転する。プーリ16の回転は、ベルト17を介してプーリ24を回転させる。プーリ24の回転は、ベルト25に伝達し、移動部材60を左右一対のガイドレールに沿って前後方向(副走査方向)に搬送する。プラテンモータ26と、左右一対のガイドレールと、プーリ16、24、27及び28と、ベルト25とで、プラテン搬送機構を構成する。
図3に示すように、加熱処理部4の内部には、還元剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進する接触加熱手段30が設けられている。接触加熱手段30は、ヒートプレス板34と、ヒートプレス板34を上下方向に摺動可能に弾性支持する弾性支持機構43と、プラテン31に保持された布帛の表面に対してヒートプレス板34を離接可能に昇降駆動する昇降駆動機構(図示省略)と、を備えている。ヒートプレス板34は、例えば、シリコンゴム発泡体製の断熱板と、前記断熱板の下面に固定されたヒートプレス部と、で構成されていてもよい。前記ヒートプレス部は、例えば、内部にニクロム線が配設されたヒートシート(発熱部)と、前記ヒートシートを挟み込むように配置された鉄製の蓄熱材と、で構成されている。
加熱処理部4は、その内部に、さらに、非接触加熱手段を含んでもよい。前記非接触加熱手段としては、例えば、オーブン、ベルトコンベアオーブン等があげられる。前記非接触加熱手段は、加熱処理部4の内部に設けるのではなく、抜染装置1とは別個独立に設けられてもよい。
つぎに、図4を用いて、コントロールユニット5について説明する。コントロールユニット5は、CPU(Central Processing Unit)87と、ROM(Read Only Memory)88と、RAM(Random Access Memory)89と、入力インターフェース85と、出力インターフェース90とがバス81を介して電気的に接続されている。入力インターフェース85には、ボタン8等が電気的に接続されている。出力インターフェース90には、液体吐出ヘッド12と、ヒートプレス板34と、キャリッジモータ18と、プラテンモータ26と、ディスプレイ7等が駆動回路91~95を介して、それぞれ、電気的に接続されている。
CPU87は、ボタン8によって入力された信号や、ROM88及びRAM89内の各種プログラムやデータに基づいて各種演算や処理を行う。そして、出力インターフェース90を介して、付与部2及び加熱処理部4の各構成部材にデータ等を送信する。RAM89は、読み出し・書き込み可能な揮発性記憶装置であって、CPU87での各種演算結果等が記憶される。
本例の抜染装置を用いた布帛の抜染は、例えば、つぎのようにして実施できる。まず、液体吐出ヘッド搬送機構及びプラテン搬送機構によりプラテン31及び液体吐出ヘッド12を搬送させながら、還元剤を布帛に付与(吐出)する。前記還元剤としては、ハイドロサルファイトナトリウム、二酸化チオ尿素、ロンガリット、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等があげられる。前記還元剤は、還元剤含有液(溶液又は分散液のいずれでもよい)であってもよい。前記還元剤含有液の還元剤濃度は、例えば、0.28mol/L以上、0.28mol/L~0.70mol/L、0.34mol/L~0.47mol/Lである。前記還元剤濃度は、例えば、前記還元剤含有液に過剰量のヨウ素溶液を加え、前記還元剤含有液と前記ヨウ素溶液を完全に反応させた後に、過剰量入れたヨウ素がどの程度残ったかを再び別の濃度既知の還元液(例えば、チオ硫酸ナトリウム水溶液)を用いて逆滴定することで、下記式により求められる。前記還元剤は、前記還元剤と、水等の溶媒等の前記還元剤以外の成分と、を含む抜染剤の態様であってもよい。前記布帛への前記還元剤の付与量は、例えば、5mg/cm~32mg/cm、5mg/cm~25.2mg/cm、10.1mg/cm~20.2mg/cmである。

還元濃度(mol/L)=[ヨウ素溶液の濃度(mol/L)×加えたヨウ素溶液の量(mL)]-[(濃度既知の還元液の濃度(mol/L)×滴定量(mL))/X]
X:前記ヨウ素溶液に対する前記濃度既知の還元液の化学当量
前記付与工程において、前記還元剤は、インクによる印刷部分と概ね同じ領域、又は前記印刷部分より小さな付与部を形成するように付与することが好ましい。
つぎに、プラテンモータ26の駆動により、布帛及びプラテン31を加熱処理部4へ移動させた後、前記昇降駆動機構により接触加熱手段30を下降させ、所定温度のヒートプレス板34により布帛を所定時間押圧した状態とし、前記還元剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進する。前記還元反応促進における加熱温度及び加熱時間は、例えば、下記条件(a)、下記条件(b)又は下記条件(c)を満たす。

条件(a):前記加熱温度が100℃以上150℃未満、前記加熱時間が60秒以上である。
条件(b):前記加熱温度が150℃以上170℃未満、前記加熱時間が45秒以上である。
条件(c):前記加熱温度が170℃以上、前記加熱時間が30秒以上である。
つぎに、前記昇降駆動機構により接触加熱手段30を上昇させ、還元反応を停止する。
つぎに、前記昇降駆動機構により接触加熱手段30を下降させ、所定温度のヒートプレス板34により前記付与部を所定時間接触加熱して酸化反応を促進する。前記還元反応促進と、前記酸化反応促進との間に、前述の接触加熱手段30の上昇により、前記布帛を大気に接触させることが好ましい。なお、前述の接触加熱手段30の上昇・下降を行わず、前記付与部の接触加熱を所定時間以上継続することで、還元反応の促進後、酸化反応を促進してもよい。前記酸化反応促進は、接触加熱手段30による前記付与部の接触加熱に代えて、前述の非接触加熱手段による前記付与部の非接触加熱により実施してもよい。前記酸化反応促進における加熱温度は、例えば、140℃~200℃である。前記酸化反応促進における加熱時間は、前記接触加熱による場合には、例えば、15秒以上、15秒~180秒、30秒~90秒であり、前記非接触加熱による場合には、例えば、60秒以上、60秒~300秒、90秒~180秒である。前記還元反応促進後、前記酸化反応促進を行うことで、抜染された布帛の変色を抑制できる。
本発明による抜染された布帛の変色抑制のメカニズムは、例えば、つぎのように推定される。すなわち、前述のヒートプレス板等の接触加熱手段を用いた接触加熱により、例えば、水蒸気が布帛の繊維内を熱対流し、布帛を着色している染料の還元による脱色が促進される。その後、前記接触加熱手段を前記布帛から遠ざけて、前記繊維内の水蒸気を大気中に拡散させることで、還元反応の進行を止める。その後、前記繊維内に水蒸気が存在しない状態で、前記接触加熱手段又は前記非接触加熱手段による2回目の熱処理を実施することで、前記染料の酸化が促進され、抜染部分が実用上問題ないレベルで僅かに変色し、それ以降の変色が抑制されるものと推定される。また、前記接触加熱手段を前記布帛から遠ざけることなく、前記接触加熱を所定時間以上継続した場合にも、前記染料の還元による脱色が促進された後、前記染料の酸化が促進され、抜染部分が実用上問題ないレベルで僅かに変色し、それ以降の変色が抑制されるものと推定される。ただし、本発明は、前記推定に限定されない。
本発明は、前記抜染装置を含むインクジェット記録装置も提供可能である。本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出するインク吐出手段を有するインクジェット記録装置であって、さらに、抜染装置を含み、前記抜染装置が、本発明の抜染装置であることを特徴とする。本発明のインクジェット記録装置は、例えば、図1~4に示す抜染装置において、液体吐出ヘッド12が、前記インク吐出手段を兼ねるものであってもよい。この態様のインクジェット記録装置では、例えば、還元剤収容部3に、さらに、5色のインク(ホワイト、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)をそれぞれ含む5種類のインクカートリッジが収容され、それらがインク供給チューブを介して液体吐出ヘッド12に接続されていてもよい。
本発明は、さらに、布帛に画像を形成する画像形成方法も提供可能である。本発明の第1の画像形成方法は、布帛に画像を形成する画像形成方法であって、前記布帛を抜染する抜染工程と、前記抜染工程で抜染した箇所にインクを用いて画像を印刷する画像印刷工程と、前記インクを前記布帛に熱定着させる熱定着工程とを有し、前記抜染工程を、本発明の抜染方法により実施することを特徴とする。
本発明の第1の画像形成方法は、例えば、前述の図1~4に示す抜染装置を含む本発明のインクジェット記録装置を用いて実施できる。まず、前述の本発明の抜染方法により、布帛を抜染する。
つぎに、液体吐出ヘッド搬送機構及びプラテン搬送機構によりプラテン31及び液体吐出ヘッド12を搬送させながら、前記布帛の抜染箇所にインクを用いて画像を印刷する。前記インクジェット記録装置のコントロールユニット5のROM88及びRAM89の少なくとも一方には、ソフトウェアによって作成された種々の画像データやTシャツ等の布帛の種類毎の各種データが格納されている。オペレータが印刷の実施を指示すると、前記画像データが出力インターフェース90を介して液体吐出ヘッド12に送信され、前記画像データに基づいて液体吐出ヘッド12からインクが吐出されて、プラテン31に保持された前記布帛への印刷が実施される。
つぎに、プラテンモータ26の駆動により、布帛及びプラテン31を加熱処理部4へ移動させた後、前記昇降駆動機構により接触加熱手段30を下降させ、所定温度のヒートプレス板34により布帛を所定時間押圧した状態とし、前記インクを前記布帛に熱定着させる。前記熱定着における加熱温度は、例えば、160℃以上、160℃~185℃である。前記熱定着における加熱時間は、例えば、30秒以上、30秒~90秒、45秒~60秒である。
本発明の第2の画像形成方法は、布帛に画像を形成する画像形成方法であって、還元剤を布帛に付与する付与工程と、前記還元剤の付与部にインクを用いて画像を印刷する画像印刷工程と、前記還元剤の付与部を加熱処理して前記布帛を抜染するとともに、前記インクを前記布帛に熱定着させる熱処理工程とを有し、前記還元剤として、本発明の還元剤を用いることを特徴とする。
本発明の画像形成方法も、例えば、前述の図1~4に示す抜染装置を含む本発明のインクジェット記録装置を用いて実施できる。まず、前述の本発明の抜染方法における付与工程と同様にして、還元剤を布帛に付与する。
つぎに、液体吐出ヘッド搬送機構及びプラテン搬送機構によりプラテン31及び液体吐出ヘッド12を搬送させながら、前記還元剤の付与部にインクを用いて画像を印刷する。
つぎに、プラテンモータ26の駆動により、布帛及びプラテン31を加熱処理部4へ移動させた後、前記昇降駆動機構により接触加熱手段30を下降させ、所定温度のヒートプレス板34により布帛を所定時間押圧した状態とし、前記還元剤の付与部を加熱処理するとともに、前記インクを前記布帛に熱定着させる。前記熱処理における加熱温度は、例えば、160℃以上、160℃~185℃である。前記熱処理における加熱時間は、例えば、30秒以上、30秒~90秒、45秒~60秒である。その後、前記還元剤の付与部を、接触加熱又は非接触加熱することで、前記布帛を抜染する。
本発明は、さらに、画像を有する布帛の製造方法も提供可能である。本発明の布帛の製造方法は、画像を有する布帛の製造方法であって、本発明の画像形成方法により前記布帛に画像を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の画像形成方法及び布帛の製造方法によれば、抜染された布帛の変色が抑制されるため、抜染剤の付与跡の目立たない外観に優れた布帛を得ることができる。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例及び比較例により限定及び制限されない。
[参考例]
黒色のTシャツ(材質:綿100%)に、下記組成の抜染剤20.5mg/cmを付与し、ヒートプレス機を用いて前記抜染剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進した。前記還元反応促進における加熱温度を、80℃、100℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃及び200℃とし、前記還元反応促進における加熱時間を、30秒、45秒及び60秒とし、各条件における抜染部分のL値を、X-Rite社製のCIE1976L色空間スケール測色計X-Rite939を用いて測定した。その結果を、表1に示す。

(抜染剤組成)
二酸化チオ尿素 7.5重量%
マロン酸二ナトリウム 5質量%
2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール 10重量%
水 残部
Figure 0007124392000001
表1に示すとおり、抜染度合は、還元反応促進における加熱温度及び加熱時間に依存し、所望のL値(例えば、60以上)等に応じて、還元反応促進における加熱温度及び加熱時間を適宜設定可能であることがわかった。
[実施例1-1]
加熱温度を180℃、加熱時間を45秒とした以外は、参考例と同様にして、還元反応促進を実施した。その後、Tシャツを大気に接触させてから、180℃のヒートプレス機で前記付与部を15秒接触加熱して酸化反応を促進した。その直後及び7日後に、前記測色計X-Rite939を用いて、抜染部分のL値、a値及びb値を測定し、下記式により色差ΔEabを算出した。

ΔEab={(L -L +(a -a +(b -b 1/2
:7日後の抜染部分のL
:酸化反応促進直後の抜染部分のL
:7日後の抜染部分のa
:酸化反応促進直後の抜染部分のa
:7日後の抜染部分のb
:酸化反応促進直後の抜染部分のb
[実施例1-2~1-13]
還元反応促進及び酸化反応促進における加熱時間を、表2に示すように変更した以外は、実施例1-1と同様にして、L値、a値、b値の測定及び色差ΔEabの算出を行った。ただし、実施例1-13においては、途中でTシャツを大気に接触させることなく、接触加熱を180秒継続することで、還元反応促進後、酸化反応を促進した。
[比較例1-1~1-3]
加熱温度及び加熱時間を、表2に示すように変更した以外は、参考例と同様にして、還元反応促進を実施した。
実施例1-1~1-13及び比較例1-1~1-3における抜染力及び変色抑制を、下記評価基準に従って評価した。
抜染力評価 評価基準
A:酸化反応促進直後のL値が、70以上
B:酸化反応促進直後のL値が、60以上70未満
C:酸化反応促進直後のL値が、55以上60未満
D:酸化反応促進直後のL値が、55未満
変色抑制評価 評価基準
A:ΔEab値が、3.0未満
B:ΔEab値が、3.0以上5.0未満
C:ΔEab値が、5.0以上10.0未満
D:ΔEab値が、10.0以上
実施例1-1~1-13及び比較例1-1~1-3の評価結果を、表2に示す。なお、表2において、還元及び酸化は、それぞれ、還元反応促進及び酸化反応促進を意味し、酸化反応促進における加熱時間0秒は、酸化反応促進を行わなかったことを意味し、経過日数0は、酸化反応促進直後(酸化反応促進を行わなかった場合には、還元反応促進直後)を意味する。
Figure 0007124392000002
表2に示すとおり、実施例1-1~1-13では、抜染力及び変色抑制の評価結果が良好であった。90秒の還元反応促進と、90秒の酸化反応促進との間に、Tシャツを大気に接触させた実施例1-9では、途中でTシャツを大気に接触させることなく、接触加熱を180秒継続することで、還元反応促進後、酸化反応を促進した実施例1-13よりも、変色抑制の評価結果が、より優れていた。なお、実施例1-13では、前述のように、ヒートプレス機(接触加熱手段)を前記Tシャツ(布帛)から遠ざけることなく、接触加熱を所定時間以上継続したことで、染料の還元による脱色が促進された後、前記染料の酸化が促進され、抜染部分が実用上問題ないレベルで僅かに変色し、それ以降の変色が抑制されるものと推定される。一方、酸化反応促進を行わなかった比較例1-1~1-3では、変色抑制の評価結果が悪かった。
[実施例2-1~2-10]
酸化反応促進を、180℃のヒートプレス機による接触加熱に代えて、160℃のオーブンによる非接触加熱で実施したこと以外は実施例1-1~1-12と同様にして、L値、a値、b値の測定及び色差ΔEabの算出を行い、実施例1-1~1-12と同様にして、抜染力及び変色抑制を評価した。
実施例2-1~2-10の評価結果を、表3に示す。
Figure 0007124392000003
表3に示すとおり、実施例2-1~2-10では、抜染力及び変色抑制の評価結果が良好であった。
以上のように、本発明の抜染装置及び抜染方法によれば、抜染された布帛の変色を抑制可能である。本発明の抜染装置及び抜染方法の用途は、特に限定されず、各種布帛の抜染に広く適用可能である。
1 抜染装置
12 付与手段(液体吐出ヘッド)
13 キャリッジ
14、15 ガイドロッド
16、24、27、28 プーリ
18 キャリッジモータ
25 ベルト
26 プラテンモータ
30 接触加熱手段
31 プラテン
34 ヒートプレス板

Claims (7)

  1. 還元剤を布帛に付与する付与手段と、
    前記還元剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進する接触加熱手段と、
    を含み、
    下記条件(A)又は下記条件(B)を満たすことを特徴とする抜染装置。

    条件(A):前記接触加熱手段による前記還元反応促進後、前記接触加熱手段は、前記付与部を接触加熱して酸化反応を促進する。
    条件(B):さらに、非接触加熱手段を含み、前記非接触加熱手段は、前記接触加熱手段による前記還元反応促進後、前記付与部を非接触加熱して酸化反応を促進する。
  2. 前記還元反応促進と、前記酸化反応促進との間に、前記布帛を大気に接触させることを特徴とする請求項1記載の抜染装置。
  3. 前記酸化反応促進における加熱時間が、15秒以上である請求項1又は2記載の抜染装置。
  4. 前記接触加熱手段が、ヒートプレス機であり、
    前記条件(A)を満たすことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の抜染装置。
  5. 前記還元剤の還元剤濃度が、0.28mol/L以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の抜染装置。
  6. 前記還元反応促進における加熱温度及び加熱時間が、下記条件(a)、下記条件(b)又は下記条件(c)を満たすことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の抜染装置。

    条件(a):前記加熱温度が100℃以上150℃未満、前記加熱時間が60秒以上である。
    条件(b):前記加熱温度が150℃以上170℃未満、前記加熱時間が45秒以上である。
    条件(c):前記加熱温度が170℃以上、前記加熱時間が30秒以上である。
  7. 還元剤を布帛に付与する付与工程と、
    前記還元剤の付与部を接触加熱して還元反応を促進する還元促進熱処理工程と、
    前記接触加熱を行う前記還元促進熱処理工程後、前記付与部を加熱して酸化反応を促進する酸化促進熱処理工程と、
    を含み、
    前記酸化促進熱処理工程における前記付与部の加熱を、接触加熱又は非接触加熱で実施することを特徴とする抜染方法。
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