以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、ケーブル1Aに実装されるプラグコネクタ1、回路基板2Aに実装されるレセプタクルコネクタ2および電線3Aが接続されるレセプタクルコネクタ3を例示する。
なお、プラグコネクタ1およびレセプタクルコネクタ2については、被実装部材に実装した状態において被実装部材の実装面と直交する方向(実装面の法線方向)をコネクタの上下方向(Z方向)として説明する。また、各コネクタのハウジングに収容された端子が並設される方向を幅方向(Y方向)とし、各コネクタのハウジング内への端子の挿入方向を前後方向(X方向)として説明する。
さらに、被実装部材に実装されたコネクタを実装面の上側に位置させた状態における上方を、上下方向の上方と規定し、コネクタ同士を嵌合させる際に互いに相手側コネクタと対向する側を前後方向の前方と規定する。
また、レセプタクルコネクタ3については、ハウジングに収容された端子が並設される方向を幅方向(Y方向)とし、ハウジング内への端子の挿入方向を前後方向(X方向)として説明する。そして、幅方向(Y方向)および前後方向(X方向)と交差する方向を上下方向(Z方向)として説明する。
そして、ハウジングのリテーナが挿入される側を上下方向の上方と規定し、コネクタ同士を嵌合させる際に互いに相手側コネクタと対向する側を前後方向の前方と規定する。
[コネクタセットの構成例]
本実施形態にかかるプラグコネクタ(コネクタ)1は、図1~3に示すコネクタセットC1や図4~6に示すコネクタセットC2などで用いられるものである。
コネクタセットC1は、図1,図2に示すように、上述したプラグコネクタ1が嵌合するレセプタクルコネクタ2を備えており、コネクタセットC2は、図4,図5に示すように、上述したプラグコネクタ1が嵌合するレセプタクルコネクタ3を備えている。
本実施形態では、プラグコネクタ1は、FPCやFFC等のケーブル(被接続部材)1Aに実装可能に形成されている。すなわち、プラグコネクタ1が備える端子13,14をケーブル1Aの導体部151bAに電気的に接続する(実装する)ことで、プラグコネクタ1がケーブル1Aに実装されるようになっている。
一方、レセプタクルコネクタ2は、回路基板(被実装部材)2Aに実装可能に形成されている。すなわち、レセプタクルコネクタ2が備える端子23,24を回路基板2Aの導体部2bAに電気的に接続する(実装する)ことで、レセプタクルコネクタ2が回路基板2Aに実装されるようになっている。
また、レセプタクルコネクタ3は、複数の中継端子33を備えており、各中継端子33に電線3Aの導体部3bAがそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態では、電線3Aの被覆部3aAから露出させた導体部3bAに中継端子33を電気的に接続させることで、レセプタクルコネクタ3が複数の電線3Aに電気的に接続されるようになっている。
このように、コネクタセットC1は、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に嵌合させて、端子13,14と端子23,24とを導通接続させることで、ケーブル1Aと回路基板2Aとを電気的に接続させるものである(図2,図3参照)。
一方、コネクタセットC2は、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ3に嵌合させて、端子13,14と端子33とを導通接続させることで、ケーブル1Aと電線3Aとを電気的に接続させるものである(図5,図6参照)。
[ケーブル1Aの構成例]
次に、プラグコネクタ1が実装されるケーブル1Aの構成の一例について、図7,図8に基づき説明する。
ケーブル1Aは、表面(前面:一面)1aAおよび裏面(後面:他面)1bAを持つシート状(平板状)をしており、表面1aAが、プラグコネクタ1が実装される実装面となっている。さらに、ケーブル1Aは可撓性を有しており、ケーブル1Aをケーブル厚さ方向に曲げる(湾曲させる)ことができるようになっている。
このケーブル1Aは、プラグコネクタ1との連結に使用される連結領域11Aと、他の回路との配線のために導体層15bAが延伸する延伸領域12Aと、を備えている。
本実施形態では、ケーブル1Aは、延伸領域12Aの一端側に連結領域11Aが位置するように形成されている。そして、連結領域11Aを連結したプラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ(レセプタクルコネクタ2やレセプタクルコネクタ3)に嵌合させた状態において、延伸領域12Aがレセプタクルコネクタの反対側に位置するようになっている。
また、ケーブル1Aは、多層構造をしており、支持層15aAと、支持層15aAに支持される導体層15bAと、を備えている。支持層15aAは、複数の絶縁体膜からなり、導体層15bAを被覆するものである。一方、導体層15bAは、支持層15aAを構成する絶縁体膜上に印刷された導体膜であり、後述する複数の端子13,14にそれぞれ対応する複数の配線パターンである。
また、連結領域11Aの上面には、支持体15aAから露出された導体層15bAである複数の導体部151bAが形成されている。複数の導体部151bAは、前後方向に2列形成されており、各列の導体部151bAが幅方向(Y方向)に所定のピッチで並ぶように形成されている。さらに、本実施形態では、複数の導体部151bAは、平面視(実装面1Aaに沿って視た状態)で千鳥状となるように形成されている。
このような構造は、例えば、支持層15aA上に複数の導体膜を印刷することで導体層15bAを形成し、この導体層15bA上を他の支持層15aAで覆うことで形成することができる。このとき、導電層15bAの先端が覆われないように他の支持層15aAを設けるようにすれば、導電層15bAの先端が一側(上下方向の上方)に露出したケーブル1Aが形成される。
なお、ケーブル1Aの形成方法は上記の方法に限られるものではなく、様々な方法で形成することができる。
また、連結領域11Aの上面には、プラグコネクタ1の後述する保持金具15が固定される固定部15cAが形成されている。本実施形態では、ケーブル1Aは、幅方向(Y方向)に並設された複数の導体層15bAよりも幅方向(Y方向)の両側に延設された幅広部16Aを備えており、各幅広部16Aの先端側(前後方向の前側)に一対の固定部15cAが形成されている。また、各幅広部16Aの前後方向の後側には、プラグコネクタ1のハウジング10が固定される固定部15dAが形成されている。この固定部15cAや固定部15dAは、例えば、導体層15bAの印刷工程において導体層15bAと同様に形成することができる。
また、本実施形態では、ケーブル1Aの連結領域11Aには、前後方向(X方向)に細長く、前方に開口するスリット11aAが形成されている。そして、連結領域11Aにおけるスリット11aAの幅方向(Y方向)の両側には、ケーブル厚さ方向(上下方向;Z方向)に貫通する貫通孔11bAが形成されている。
さらに、本実施形態では、ケーブル1Aが補強板14Aを備えている。この補強板14Aは、ガラスエポキシ樹脂やステンレス等を用いて形成されており、ケーブル1Aの連結領域11Aをプラグコネクタ1との間に挟み込むことにより、ケーブル1Aの連結領域11Aを補強するものである。
本実施形態では、補強板14Aは、ケーブル1Aの連結領域11Aの形状に対応した形状をしている。すなわち、補強板14Aは、平面視(実装面1Aaに沿って視た状態)における輪郭形状が、連結領域11Aの輪郭形状と略同一の形状をしている。したがって、補強板14Aには、前後方向(X方向)に細長く、前方に開口するスリット14aAと、ケーブル厚さ方向(上下方向;Z方向)に貫通する貫通孔14bAと、が形成されている。そして、補強板14Aは、スリット11aAとスリット14aAとを連通させるとともに、貫通孔11bAと貫通孔14bAとを連通させた状態で、接着剤等により連結領域11Aの裏面側に取り付けられている。
このとき、平面視(実装面1Aaに沿って視た状態)で、導体部151bAの全体が補強板14Aと重なり合うようにするのが好ましい。こうすれば、導体部151bAの全体が補強板14Aにより支持されるため、導体部151bAが上下方向(Z方向)に折れ曲がったり、幅方向(Y方向)に撓んだりしてしまうのを抑制することができる。
[プラグコネクタ1の構成例]
次に、プラグコネクタ1の構成の一例について、図9~図17に基づき説明する。
プラグコネクタ1は、図9に示すように、プラグハウジング(ハウジング)10と、プラグハウジング10に保持されるプラグ端子(端子)13,14と、プラグハウジング10に保持される保持金具15と、を備えている。
そして、プラグハウジング10に保持されたプラグ端子13,14が、プラグハウジング10の外側に配置されたケーブル1Aの導体部151bAに実装されることで、プラグコネクタ1が被実装部材としてのケーブル1Aに実装されるようになっている。なお、プラグ端子13,14は、半田付け等により導体部151bAに実装されている。また、保持金具15は、プラグハウジング10に保持された状態で、半田付け等によりケーブル1Aの固定部15cAに固定されることで、プラグハウジング10をケーブル1Aに固定するためのものである。
プラグハウジング10は、剛性を有するハウジング本体11を備えており、このプラグハウジング10は、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成することができる。
また、ハウジング本体11の上部には、プラグハウジング10とレセプタクルコネクタ(レセプタクルコネクタ2やレセプタクルコネクタ3)のハウジングとを嵌合状態で保持したり、嵌合状態を解除したりするロック部12が形成されている。
このように、本実施形態では、プラグハウジング10は、ハウジング本体11と、ハウジング本体11に形成されたロック部12と、を備えている。
ハウジング本体11は、天壁111と、底壁112と、天壁111および底壁112の幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ連設する一対の側壁113と、天壁111、底壁112および側壁113,113の前端に連設された前壁114と、を備えている。
そして、天壁111の上部の幅方向中央部にロック部12が形成されている。具体的には、ロック部12は、天壁111の前端に連設されて後方に延在するレバー部121を備えている。このレバー部121は、後側が天壁111(ハウジング本体11)に対して上下方向に相対移動できるようになっている。そして、レバー部121の後端には、レバー部121を操作する操作部121aが形成されており、レバー部121の前後方向の中央部には、レセプタクルコネクタに形成された被係合部に係合する係合突部121bが形成されている。
本実施形態では、プラグハウジング10とレセプタクルコネクタのハウジングとを嵌合させた際に、係合突部121bが被係合部に係合して、各コネクタのハウジング同士をロック(嵌合状態で維持)できるようにしている。そして、レバー部121の操作部121aを押し下げて、レバー部121を下方に移動させることで、係合突部121bも下方に移動し、被係合部との係合が解除されて、各コネクタのハウジング同士の嵌合を解除できるようにしている。
さらに、操作部121aの下側における幅方向両側には、幅方向の外側に突出する被係止部121cが形成されている。この被係止部121cは、天壁111に形成された規制突部111dに係止することで、レバー部121の後端(操作部121a)が上方に行き過ぎてしまうのを抑制するものである。本実施形態では、天壁111における嵌合操作部12の幅方向両側に、プラグハウジング10とレセプタクルコネクタのハウジングとの嵌合をガイドするガイド壁部111aが上方に延在するように形成されている。
そして、ガイド壁部111aの後部には、平面視で先端が被係止部121cと重なり合うように幅方向の内側に突出する規制突部111dが形成されている。こうすることで、操作部121aを上方に所定量持ち上げると、被係止部121cが規制突部111dの先端に係止され、レバー部121の上方への移動が規制されるようにしている。
なお、天壁111には、プラグハウジング10とレセプタクルコネクタのハウジングとの嵌合をガイドするガイド溝111bも形成されている。
また、底壁112の下側(裏面側)の前端には、幅方向に延在する突部112aと、突部112aの幅方向中央部から前後方向の後方に向けて延在する突部112bとが下方に向けて突出するように形成されている。この突部112aおよび突部112bは、突出量が、ケーブル1Aの厚さと補強板14Aの厚さの和以上となるように底壁112に形成されている。
このような突部112a,112bを底壁112に形成することで、底壁112の下面に凹部112cが形成されるようにしている。そして、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装させた際に、補強板14Aが取り付けられた連結領域11Aがこの凹部112cに収容されるようにしている(図8(b)参照)。
このように、本実施形態では、プラグハウジング10は、ハウジング厚み方向(上下方向:Z方向)に対向する一対の壁部(天壁111および底壁112)を備えている。そして、一対の壁部(天壁111および底壁112)のうちの一方側の壁部である底壁112に、ケーブル1Aの連結領域11Aが収容される凹部112cが形成されている。すなわち、プラグハウジング10は、ケーブル(被実装部材)1Aを受け入れる受入部(凹部112b)を、ハウジング厚み方向(上下方向)の一方側の壁部(底壁112b)に有している。
なお、突部112bは、スリット11aAおよびスリット14aAに対応するように形成されており、突部112bを、スリット11aAおよびスリット14aAに挿入することで、ケーブル1Aの幅方向の位置ずれが抑制されるようにしている。また、突部112aによって、ケーブル1Aの前方への位置ずれが抑制されるようにしている。
また、ハウジング本体11は、一対の側壁113および前壁114に連設されて、天壁111、底壁112、側壁113,113および前壁114で画成された空間を上下に仕切る仕切り壁115を備えている。
さらに、ハウジング本体11は、天壁111、仕切り壁115および前壁114に連設された上側隔壁116を複数備えており、この上側隔壁116によって、仕切り壁115で仕切られた上側の空間が複数の空間に仕切られている。また、ハウジング本体11は、底壁112、仕切り壁115および前壁114に連設された下側隔壁117を複数備えており、この下側隔壁117によって、仕切り壁115で仕切られた下側の空間が複数の空間に仕切られている。
また、前壁114には、仕切り壁115、上側隔壁116および下側隔壁117により仕切られた複数の空間と連通するように貫通孔14aが形成されている。このように、本実施形態では、ハウジング本体11には、前後方向に貫通する複数の空間が形成されている。そして、前後方向に貫通する空間内に、プラグ端子13,14がそれぞれ圧入(挿入)されるようになっている。
本実施形態では、ハウジング本体11に、幅方向(Y方向)に複数並設された空間が上下方向(Z方向)に2段形成されるようにしている。さらに、ハウジング本体11を前後方向の後方から視たときに、複数の空間が千鳥状に形成されるようにしている。こうすることで、プラグコネクタ1の幅方向の小型化を図っている。
具体的には、ハウジング本体11の下側(実装面1aA側)に、底壁112、仕切り壁115および下側隔壁117によって画成された空間が幅方向(Y方向)に複数並設されている。そして、このハウジング本体11の下側(実装面1aA側)に形成された空間が、プラグ端子13,14のうち後述する第1プラグ端子13が圧入(挿入)される第1空間S1となっている。
一方、ハウジング本体11の上側(第1空間S1よりも実装面1aAから離れた位置)には、天壁111、仕切り壁115および上側隔壁116によって画成された空間が幅方向(Y方向)に複数並設されている。そして、このハウジング本体11の上側に形成された空間が、プラグ端子13,14のうち後述する第2プラグ端子14が圧入(挿入)される第2空間S2となっている。
さらに、本実施形態では、上側隔壁116と下側隔壁117とが幅方向にずれた位置に形成されている。すなわち、第1空間S1と第2空間S2とが、平面視で一部が重なり合うように形成されている。言い換えると、プラグ端子13,14がハウジング10に保持されるとともにケーブル1Aに実装された状態で、ハウジング10を実装面1aAの法線方向(上下方向)に沿って視たときに、第1空間S1と第2空間S2とが重なり合うよういしている。
そして、第1プラグ端子13は、第1空間S1の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第1空間S1の後端側の開口が挿入口S1aとなっている。また、第1空間S1の前端側の開口は、第1プラグ端子13が抜け落ちないように、挿入口S1aよりも小さくなっている。すなわち、挿入口S1aから圧入(挿入)された第1プラグ端子13の前方への移動が、前壁114によって規制されるようにしている。なお、第1空間S1の前端側の開口は、後述するレセプタクルコネクタのレセプタクル端子の接点部を第1空間S1内に導入する導入口S1bとなっている。この導入口S1bの周縁部は、レセプタクル端子の接点部が導入されやすいようにテーパ状に形成されている。
同様に、第2プラグ端子14は、第2空間S2の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第2空間S2の後端側の開口が挿入口S2aとなっている。また、第2空間S2の前端側の開口は、第2プラグ端子14が抜け落ちないように、挿入口S2aよりも小さくなっている。すなわち、挿入口S2aから圧入(挿入)された第2プラグ端子14の前方への移動が、前壁114によって規制されるようにしている。なお、第2空間S2の前端側の開口も、後述するレセプタクルコネクタのレセプタクル端子の接点部を第2空間S2内に導入する導入口S2bとなっている。この導入口S2bの周縁部も、レセプタクル端子の接点部が導入されやすいようにテーパ状に形成されている。
また、天壁111の下部には、後方および下方に開口する溝部111cが第2空間S2に連通するように形成されている。この溝部111cは、後述する上側プラグ端子14の側壁144の上端が挿入されて、上側プラグ端子14の第2空間S2への圧入(挿入)をガイドするものである。
本実施形態では、図17に示すように、溝部111cは、第2空間S2の幅方向両側に形成されており、各溝部111cが、挿入口S2aから前壁114まで延在するように形成されている。
すなわち、溝部111cは、挿入方向(X方向)の長さが、側壁134の上端の溝部111cへの挿入が開始されてから完了するまでの間に上側プラグ端子14が移動する距離以上となるように形成されている。したがって、側壁134の上端における最初に溝部111cに挿入される部位は、溝部111cへの挿入が開始されてから上側プラグ端子14の第2空間S2への圧入(挿入)が完了するまでの間、溝部111c内に存在することとなる。
なお、溝部111cは、溝幅(Y方向の長さ)が側壁134の板厚よりも若干広くなるように形成されている。
同様に、仕切り壁115の下部には、後方および下方に開口する溝部115aが第1空間S1に連通するように形成されている。この溝部115aは、後述する下側プラグ端子13の側壁134の上端が挿入されて、下側プラグ端子13の第1空間S1への圧入(挿入)をガイドするものである。
本実施形態では、図17に示すように、溝部115aも、第1空間S1の幅方向両側に形成されており、各溝部115aが、挿入口S1aから前壁114まで延在するように形成されている。
すなわち、溝部115aは、挿入方向(X方向)の長さが、側壁134の上端の溝部115aへの挿入が開始されてから完了するまでの間にプラグ端子13が移動する距離以上となるように形成されている。したがって、側壁134の上端における最初に溝部115aに挿入される部位は、溝部115aへの挿入が開始されてから下側プラグ端子13の第1空間S1への圧入(挿入)が完了するまでの間、溝部115a内に存在することとなる。
なお、溝部115aは、溝幅(Y方向の長さ)が側壁134の板厚よりも若干広くなるように形成されている。
さらに、本実施形態では、仕切り壁115の後端には、上下方向に延在して両端がそれぞれ第1空間S1および第2空間S2に開口する溝部115bが形成されている。具体的には、溝部115bは、1つの第2空間S2に連通するように形成された2つの溝部111cのうちの一方(図16,図17の右側)の溝部111cと上下方向に対向するように形成されている。
すなわち、図16に示すように、ハウジング10を前後方向の後方から視たときに、溝部115bと一方(図16の右側)の溝部111cとが、上下方向に一直線上に並ぶように配置されている。この溝部115bは、圧入(挿入)完了状態における第2プラグ端子14の脚部141の上部が挿入されるものである。
また、底壁112の後端には、上下方向に延在して上端が第1空間S1に開口する溝部112dが形成されている。具体的には、ハウジング10を前後方向の後方から視たときに、溝部112d、一方(図16の右側)の溝部111cおよび溝部115bが、上下方向に一直線上に並ぶように配置されている。この溝部112dは、圧入(挿入)完了状態における第2プラグ端子14の脚部141の下部が挿入されるものである。
さらに、底壁112の後端には、上下方向に延在して両端がそれぞれ第1空間S1およびハウジング10の下方に開口する溝部112eが形成されている。具体的には、溝部112eは、1つの第1空間S1に連通するように形成された2つの溝部115aのうちの一方(図16,図17の右側)の溝部115aと上下方向に対向するように形成されている。
すなわち、図16に示すように、ハウジング10を前後方向の後方から視たときに、溝部112eと一方(図16の右側)の溝部115aとが、上下方向に一直線上に並ぶように配置されている。この溝部112eは、圧入(挿入)完了状態における第1プラグ端子13の脚部131が挿入されるものである。
また、底壁112の後端部には、下方および後方に開口して前後方向に延在する凹部112fが形成されている。この凹部112fは、圧入(挿入)完了状態における第1プラグ端子13の実装片(実装部)132が収容されるものである。
また、一対の側壁113,113には、後方に延在する延設部113a,113aがそれぞれ形成されており、延設部113a,113aが対向する領域が、端子13,14の実装片(実装部)132,142が収容される凹部113bとなっている。
このように、本実施形態では、延設部113a,113aの後端よりも前側で、端子13,14の実装片(実装部)132,142がケーブル1Aの導体部151bAに実装されるようにしている。さらに、本実施形態では、この延設部113a,113aの先端部(後端部)がケーブル1Aの固定部15dAに固定されるようにしている。このとき、延設部113a,113aと補強板14Aとでケーブル1Aの連結領域11Aが挟持されるようにしている。
こうすれば、ケーブル1Aがあおられて補強板14Aから離れる方向に移動した際に、ケーブル1Aと補強板14Aとの接着が剥がれてしまうのをより確実に抑制することができる。さらに、延設部113a,113aの先端(後端)よりも前側に端子13,14の実装片(実装部)132,142が位置するようにしているため、ケーブル1Aのあおりによって端子13,14の脚部131,141や実装片132,142が変形してしまうのを抑制することができる。すなわち、端子13,14とケーブル1Aとの実装部分をケーブル1Aのあおりから保護することができる。
また、一対の側壁113,113の前端部には、保持金具15が保持される保持金具取付部113c,113cがそれぞれ形成されている。
本実施形態では、保持金具取付部113cは、上下方向および幅方向の外方に開口する凹部113dと、凹部113dの幅方向内側に連設されて、保持金具15の本体部151の前後方向の両端が挿入されるスリット113e,113eと、備えている。そして、保持金具15をプラグハウジング10に保持した状態で、本体部151の下端に連設された固定片152をケーブル1Aの固定部15cAに固定することで、プラグハウジング10をケーブル1Aに固定させている。
また、本実施形態では、プラグ端子は、プラグハウジング10に形成された空間に挿入される本体部と、本体部からケーブル1Aの実装面1aAに向けて延設された脚部と、脚部に連設されてケーブル1Aに実装される実装部と、を備えている。
具体的には、プラグ端子は、ハウジング本体11の下側(実装面1aA側)に形成された第1空間S1に圧入(挿入)される第1プラグ端子13を備えている。さらに、プラグ端子は、ハウジング本体11の上側(第1空間S1よりも実装面1aAから離れた位置)に形成された第2空間S2に圧入(挿入)される第2プラグ端子14を備えている。
本実施形態では、第1プラグ端子13は、導電性を有しており、プラグハウジング10の幅方向(Y方向)に複数並設されている。この第1プラグ端子13は、図12に示すように、1枚の帯板状の金属部材を板厚方向に曲げた形状をしており、挿入方向(前後方向;X方向)に沿って視た状態で略U字状をしている(図12(e),(f)参照)。このような第1プラグ端子13は、例えば、帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことで形成することができる。
また、第1プラグ端子13は、第1空間S1に圧入(挿入)される第1本体部130を備えている。さらに、第1プラグ端子13は、第1本体部130から実装面1aAに向けて延設された第1脚部131と、第1脚部131に連設されてケーブル1Aに実装される第1実装片(第1実装部)132と、を備えている。
第1本体部130は、底壁133と、底壁133の幅方向(Y方向)両端部に連設された側壁134と、を備えている。
底壁133は、側壁134の下端が連設された底壁本体135と、底壁本体135の前端に連設されて前方に突出する接点保護部136と、を備えている。この接点保護部136は、第1本体部130を第1空間S1に圧入(挿入)する際に、第1プラグ端子13の接点部130aがハウジング本体11に接触してしまうのを抑制するものである。
また、底壁本体135および接点保護部136には、幅方向(Y方向)両端から外方に向けて突出する規制片135a,136aがそれぞれ形成されている。そして、この規制片135a,136aによって、第1本体部130を第1空間S1に圧入(挿入)する際に、第1本体部130が斜めに圧入(挿入)されてしまうのが抑制されるようにしている。
側壁134は、下端が底壁本体135に連設された側壁本体137と、側壁本体137の前端に弾性変形可能に連設され、レセプタクルコネクタの接点部に接触する接触片138と、を備えている。
側壁本体137の上端には、規制突起137aが形成されており、この規制突起137aによって、第1本体部130を第1空間S1に圧入(挿入)する際に、第1本体部130が浮き上がってしまうのが抑制されるようにしている。
また、接触片138は、幅方向内側に屈曲するように側壁本体137の前端に連設された内側屈曲片138aと、幅方向内側に屈曲するように内側屈曲片138aの前端に連設された外側屈曲片138bと、を備えている。
本実施形態では、この接触片138は、一対の側壁本体137,137のそれぞれに連設されており、平面視で略線対称となるように形成されている。すなわち、一対の接触片138,138は、前方に向かうにつれて互いに近づく方向に屈曲した形状の内側屈曲片138a,138aと、前方に向かうにつれて互いに離れる方向に屈曲した形状の外側屈曲片138b,138bと、を備えている。
そして、一対の接触片138,138が最も近づいた部位(内側屈曲片138aと外側屈曲片138bとの連設部)で、レセプタクルコネクタの接点部を挟持するようにしている(図3(a)および図6(b)参照)。このように、本実施形態では、一対の接触片138,138を、第1プラグ端子13の接点部130aとして機能させている。そして、一対の外側屈曲片138bを、レセプタクルコネクタの接点部をよりスムーズに導入するためのガイド部として機能させている。
さらに、本実施形態では、一対の側壁本体137,137のうちの一方の側壁本体137の後端に、後方に突出する延設壁139が連設されており、第1本体部130は、片側が後方に突出した形状をしている。
この延設壁139の上端には、圧入突起139aが形成されており、この圧入突起139aをハウジング本体11に食い込ませることで、第1本体部130が第1空間S1に圧入されている。
なお、本実施形態では、第1プラグ端子13の側壁134の上端が挿入されて、第1プラグ端子13の第1空間S1への圧入(挿入)をガイドする溝部115aが形成されている。そのため、第1本体部130の後方に突出した片側の側壁134を押圧することで、第1プラグ端子13を第1空間S1へ圧入(挿入)させる場合であっても、第1プラグ端子13の位置ずれが抑制される。その結果、第1プラグ端子13を、よりスムーズ且つより正確に第1空間S1へと圧入(挿入)させることができる。
そして、第1脚部131が、延設壁139の後端部から下方(ケーブル1A:被実装部材)に向けて延設されている。このように、本実施形態では、第1脚部131は、第1空間S1に圧入(挿入)させた状態の第1本体部130からハウジング厚み方向に延設されている。また、第1脚部131の下端には、第1実装片132が前方に向けて突出するように連設されている。
このとき、第1脚部131および第1実装片132は、薄板状(板状)に形成されており、板厚方向が側壁本体137の板厚方向と略同一の方向となるように形成されている。
したがって、第1本体部130を第1空間S1に挿入するとともに第1実装片(第1実装部)132をケーブル(被実装部材)1Aに実装した状態では、第1脚部131の板厚方向が幅方向(Y方向)となる。すなわち、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装した状態では、第1脚部131の板厚方向が、第1本体部130の第1空間S1への挿入方向および実装面1aAの法線方向と交差する方向となっている。
一方、第2プラグ端子14も、導電性を有しており、プラグハウジング10の幅方向(Y方向)に複数並設されている。この第2プラグ端子14は、図13に示すように、1枚の帯板状の金属部材を板厚方向に曲げた形状をしており、挿入方向(前後方向;X方向)に沿って視た状態で略U字状をしている(図13(e),(f)参照)。このような第2プラグ端子14も、例えば、帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことで形成することができる。
また、第2プラグ端子14は、第2空間S2に圧入(挿入)される第2本体部140を備えている。さらに、第2プラグ端子14は、第2本体部140から実装面1aAに向けて延設された第2脚部141と、第2脚部141に連設されてケーブル1Aに実装される第2実装片(第2実装部)142と、を備えている。
第2本体部140は、底壁143と、底壁143の幅方向(Y方向)両端部に連設された側壁144と、を備えている。
底壁143は、側壁144の下端が連設された底壁本体145と、底壁本体145の前端に連設されて前方に突出する接点保護部146と、を備えている。この接点保護部146は、第2本体部140を第2空間S2に圧入(挿入)する際に、第2プラグ端子14の接点部140aがハウジング本体11に接触してしまうのを抑制するものである。
また、底壁本体145および接点保護部146には、幅方向(Y方向)両端から外方に向けて突出する規制片145a,146aがそれぞれ形成されている。そして、この規制片145a,146aによって、第2本体部140を第2空間S2に圧入(挿入)する際に、第2本体部140が斜めに圧入(挿入)されてしまうのが抑制されるようにしている。
側壁144は、下端が底壁本体145に連設された側壁本体147と、側壁本体147の前端に弾性変形可能に連設され、レセプタクルコネクタの接点部に接触する接触片148と、を備えている。
側壁本体147の上端には、規制突起147aが形成されており、この規制突起147aによって、第2本体部140を第2空間S2に圧入(挿入)する際に、第2本体部140が浮き上がってしまうのが抑制されるようにしている。
また、接触片148は、幅方向内側に屈曲するように側壁本体147の前端に連設された内側屈曲片148aと、幅方向内側に屈曲するように内側屈曲片148aの前端に連設された外側屈曲片148bと、を備えている。
本実施形態では、この接触片148は、一対の側壁本体147,147のそれぞれに連設されており、平面視で略線対称となるように形成されている。すなわち、一対の接触片148,148は、前方に向かうにつれて互いに近づく方向に屈曲した形状の内側屈曲片148a,148aと、前方に向かうにつれて互いに離れる方向に屈曲した形状の外側屈曲片148b,148bと、を備えている。
そして、一対の接触片148,148が最も近づいた部位(内側屈曲片148aと外側屈曲片148bとの連設部)で、レセプタクルコネクタの接点部を挟持するようにしている(図3(b)および図6(b)参照)。このように、本実施形態では、一対の接触片148,148を、第2プラグ端子14の接点部140aとして機能させている。そして、一対の外側屈曲片148bを、レセプタクルコネクタの接点部をよりスムーズに導入するためのガイド部として機能させている。
さらに、本実施形態では、一対の側壁本体147,147のうちの一方の側壁本体147の後端に、後方に突出する延設壁149が連設されており、第2本体部140は、片側が後方に突出した形状をしている。
この延設壁149の上端には、圧入突起149aが形成されており、この圧入突起149aをハウジング本体11に食い込ませることで、第2本体部140が第2空間S2に圧入されている。
なお、本実施形態では、第2プラグ端子14の側壁144の上端が挿入されて、第2プラグ端子14の第2空間S2への圧入(挿入)をガイドする溝部111cが形成されている。そのため、第2本体部140の後方に突出した片側の側壁144を押圧することで、第2プラグ端子14を第2空間S2へ圧入(挿入)させる場合であっても、第2プラグ端子14の位置ずれが抑制される。その結果、第2プラグ端子14を、よりスムーズ且つより正確に第2空間S2へと圧入(挿入)させることができる。
そして、第2脚部141が、延設壁149の後端部から下方(ケーブル1A:被実装部材)に向けて延設されている。この第2脚部141は、上下方向の長さが第1脚部131よりも長くなっている。このように、本実施形態では、第2脚部141は、第2空間S2に圧入(挿入)させた状態の第2本体部140からハウジング厚み方向に延設されている。また、第2脚部141の下端には、第2実装片142が後方に向けて突出するように連設されている。
このように、本実施形態では、前後方向(X方向:本体部の空間への挿入方向)の前方(一方側)に突出するように第1実装片(第1実装部)132が第1脚部131に連設されている。また、前後方向(X方向:本体部の空間への挿入方向)の後方(他方側)に突出するように第2実装片(第2実装部)142が第2脚部141に連設されている。
また、第1脚部131および第2脚部141は、第1本体部130および第2本体部140を第1空間S1および第2空間S2に挿入した状態で、前後方向の位置が略同一となるようにしている(図14参照)。そして、第1脚部131および第2脚部141は、第1本体部130および第2本体部140を第1空間S1および第2空間S2に挿入した状態で、幅方向の位置が略半ピッチだけずれるようにしている。
したがって、本実施形態では、複数のプラグ端子をプラグハウジング10に保持させた状態で、実装部(第1実装片132および第2実装片142)が千鳥状に配置されるようになっている。
さらに、第1実装片132は、第1本体部130を第1空間S1に挿入した状態で、底壁112の後端部に形成された凹部112fに収容されるようにしている。一方、第2実装片142は、第2本体部140を第2空間S2に挿入した状態で、第2空間S2の挿入口S1aよりも後方に位置するようにしている。
したがって、複数のプラグ端子をプラグハウジング10に保持させるとともにケーブル1Aに実装させた状態における平面視で、第1実装片132がプラグハウジング10と重なり合うこととなる。一方、複数のプラグ端子をプラグハウジング10に保持させるとともにケーブル1Aに実装させた状態における平面視で、第2実装片142がプラグハウジング10から露出することとなる。
すなわち、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装した状態で、プラグハウジング10を実装面1aAの法線方向に沿って視たときに、第1実装片132および第2実装片142のうちいずれか一方の実装片(実装部)がプラグハウジング10と重なり合っている。
このように、本実施形態では、複数のプラグ端子がプラグハウジングに保持された状態で、実装部が空間の挿入口(後端縁)を挟んだ両側に千鳥状に配置されるようにしている。
また、第2脚部141および第2実装片142も、薄板状(板状)に形成されており、板厚方向が側壁本体147の板厚方向と略同一の方向となるように形成されている。
したがって、第2本体部140を第2空間S2に挿入するとともに第2実装片(第2実装部)142をケーブル(被実装部材)1Aに実装した状態では、第2脚部141の板厚方向が幅方向(Y方向)となる。すなわち、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装した状態では、第2脚部141の板厚方向が、第2本体部140の第2空間S2への挿入方向および実装面1aAの法線方向と交差する方向となっている。
また、本実施形態では、第1挿入口S1aが、空間S1,S2に端子13,14の本体部130,140を挿入した状態で、前後方向の後方から視たときに、第2脚部141によって2つの領域R1,R2に分断されている(図16参照)。すなわち、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装した状態で、プラグハウジングを本体部130,140の空間S1,S2への挿入方向に沿って視たときに、第1空間S1の第1挿入口S1aが第2脚部141によって2つの領域R1,R2に分断されている。
さらに、本実施形態では、第1本体部130の第1空間S1への圧入(挿入)完了位置において、第1脚部131が、溝部112eに挿入されて幅方向(Y方向;板厚方向)への移動が規制された状態で保持されるようにしている。すなわち、ハウジング本体11の底壁112に形成された溝部112eを、第1脚部131を保持する脚部保持部118として機能させている。このように、プラグコネクタ1は、プラグハウジング10に接続され、第1脚部131を保持する脚部保持部118を備えている。本実施形態では、脚部保持部118は、プラグハウジング10に一体に形成されている。なお、プラグハウジング10とは別体の部材をプラグハウジング10に接続することで、脚部保持部を形成してもよい。
また、第2本体部140の第2空間S2への圧入(挿入)完了位置において、第2脚部141が、溝部115bおよび溝部112dに挿入されて幅方向(Y方向;板厚方向)への移動が規制された状態で保持されるようにしている。すなわち、ハウジング本体11の仕切り壁115に形成された溝部115bおよび底壁112に形成された溝部112eを、第2脚部141を保持する脚部保持部119として機能させている。このように、プラグコネクタ1は、プラグハウジング10に接続され、第2脚部141を保持する脚部保持部119を備えている。本実施形態では、脚部保持部119も、プラグハウジング10に一体に形成されているが、別体に形成されていてもよい。
こうすることで、端子13,14の本体部130,140の空間S1,S2への圧入(挿入)時や、空間S1,S2に圧入(挿入)された端子13,14のケーブル1Aへの実装時などに、脚部131,141が変形してしまうのが抑制されるようにしている。
[レセプタクルコネクタ2の構成例]
次に、レセプタクルコネクタ2の構成の一例を、図18~図24に基づき説明する。
レセプタクルコネクタ2は、図18,19に示すように、レセプタクルハウジング(ハウジング)20と、レセプタクルハウジング20に保持されるレセプタクル端子(端子)23,24と、を備えている。また、レセプタクルコネクタ2は、レセプタクルハウジング20に保持される保持金具25を備えている。
そして、レセプタクルハウジング20に保持されたレセプタクル端子23,24が、レセプタクルハウジング20の外側に配置された回路基板2Aの導体部2bAに実装されることで、レセプタクルコネクタ2が被実装部材としての回路基板2Aに実装されるようになっている。なお、レセプタクル端子23,24も、半田付け等により導体部2bAに実装されている。また、保持金具25は、レセプタクルハウジング20に保持された状態で、半田付け等により回路基板2Aの固定部2cAに固定されることで、レセプタクルハウジング20を回路基板2Aに固定するためのものである。
なお、回路基板2Aは、略矩形板状をしており、剛性および絶縁性を有する樹脂材料等で形成された基板本体2aAを備えている。そして、この基板本体2aAの表面21aAに露出するように、導体部2bAおよび固定部2cAが形成されている。このように、本実施形態では、基板本体2aAの表面21aAが実装面となっている。
レセプタクルハウジング20は、剛性を有するハウジング本体21を備えており、このレセプタクルハウジング20は、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成することができる。
また、ハウジング本体21の上部には、プラグハウジング10とレセプタクルハウジング20とを嵌合状態で保持したり、嵌合状態を解除したりするロック部12が挿入されるロック部挿入部22が形成されている。
このように、本実施形態では、レセプタクルハウジング20は、ハウジング本体21と、ハウジング本体21に形成されたロック部挿入部22と、を備えている。
ハウジング本体21は、天壁211と、底壁212と、天壁211および底壁212の幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ連設する一対の側壁213と、天壁211、底壁212および側壁213,213の後端に連設された後壁214と、を備えている。
そして、天壁211の幅方向中央部にロック部挿入部22が形成されている。具体的には、ロック部挿入部22は、天壁211における上方に突出させた部位の内側に形成されており、レバー部121を収容する収容部221を備えている。この収容部221の前後方向の中央部には、ロック部12の係合突部121bが係合する被係合部(係合凹部)221aが形成されている。また、収容部221の幅方向両側には、ガイド壁部111aが挿入されるガイド溝221cが形成されている。
そして、天壁211には、ガイド溝111bに収容されるガイド突部211bが形成されている。
また、後壁214には、前後方向に貫通する空間が複数形成されている。本実施形態では、幅方向(Y方向)に複数並設された空間が上下方向(Z方向)に2段形成されるようにしている。さらに、ハウジング本体21を前後方向の後方から視たときに、複数の空間が千鳥状に形成されるようにしている。こうすることで、レセプタクルコネクタ2の幅方向の小型化を図っている。
そして、前後方向に貫通する空間内に、レセプタクル端子23,24がそれぞれ圧入(挿入)されるようになっている。
具体的には、ハウジング本体21の下側(実装面21aA側)に形成された空間が、レセプタクル端子23,24のうち後述する第1レセプタクル端子23が圧入(挿入)される第1空間S3となっている。
一方、ハウジング本体21の上側(第1空間S3よりも実装面21aAから離れた位置)に形成された空間が、レセプタクル端子23,24のうち後述する第2レセプタクル端子24が圧入(挿入)される第2空間S4となっている。
そして、第1レセプタクル端子23は、第1空間S3の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第1空間S3の後端側の開口が挿入口S3aとなっている。同様に、第2レセプタクル端子24は、第2空間S4の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第2空間S4の後端側の開口が挿入口S4aとなっている。
また、ハウジング本体21には、前方(プラグコネクタ1側)に開口する嵌合空間S5が形成されている。この嵌合空間S5は、プラグハウジング10のハウジング本体11が挿入嵌合される空間で、天壁211、底壁212、一対の側壁213,213および後壁214によって画成されている。したがって、第1空間S3および第2空間S4は、それぞれ嵌合空間S5に連通するように形成されている。
さらに、本実施形態では、後壁214の後端に、上下方向に延在して後方に突出する突条214aが幅方向に複数並設されている。具体的には、突条214aは、幅方向で隣り合う第1空間S3と第2空間S4との間に形成されている。
また、底壁212の後端部には、下方および後方に開口して前後方向に延在する凹部212aが形成されている。この凹部212aは、圧入(挿入)完了状態における第2レセプタクル端子24の実装片(実装部)242が収容されるものである。
また、一対の側壁213,213には、保持金具25が保持される保持金具取付部213a,213aがそれぞれ形成されている。
本実施形態では、保持金具取付部213aは、上下方向および幅方向の外方に開口する凹部213bと、凹部213bの幅方向内側に連設されて、保持金具25の本体部251の前後方向の両端が挿入されるスリット213c,213cと、備えている。そして、保持金具25をレセプタクルハウジング20に保持した状態で、本体部251の下端に連設された固定片252を回路基板2Aの固定部2cAに固定することで、レセプタクルハウジング20を回路基板2Aに固定させている。
また、本実施形態では、レセプタクル端子は、レセプタクルハウジング20に形成された空間に挿入される本体部と、本体部から回路基板2Aの実装面21aAに向けて延設された脚部と、脚部に連設されて回路基板2Aに実装される実装部と、を備えている。
具体的には、レセプタクル端子は、ハウジング本体21の下側(実装面21aA側)に形成された第1空間S3に圧入(挿入)される第1レセプタクル端子23を備えている。さらに、レセプタクル端子は、ハウジング本体21の上側(第1空間S3よりも実装面21aAから離れた位置)に形成された第2空間S4に圧入(挿入)される第2レセプタクル端子24を備えている。
本実施形態では、第1レセプタクル端子23は、導電性を有しており、レセプタクルハウジング20の幅方向(Y方向)に複数並設されている。この第1レセプタクル端子23は、図22に示すように、薄板状に形成されており、板厚方向を幅方向(Y方向)に略一致させた状態でハウジング本体21に形成された第1空間S3に後方から圧入(挿入)されている。このような第1レセプタクル端子23は、例えば、薄板金属を打抜き加工することで形成することができる。
また、第1レセプタクル端子23は、第1空間S3に圧入(挿入)される第1本体部230を備えている。さらに、第1レセプタクル端子23は、第1本体部230から実装面21aAに向けて延設された第1脚部231と、第1脚部231に連設されて回路基板2Aに実装される第1実装片(第1実装部)232と、を備えている。
そして、第1本体部230の前端には、略棒状の接点部230aが前方に突出するように形成されている。また、第1本体部230の上端および下端には、圧入突起230bが形成されており、この圧入突起230bをハウジング本体21に食い込ませることで、第1本体部230が第1空間S3に圧入されている。そして、第1本体部230を第1空間S3に圧入(挿入)した状態で、接点部230aが嵌合空間S5内に配置されるようにしている。
また、本実施形態では、第1脚部231が、第1本体部230の後端部から下方(回路基板2A:被実装部材)に向けて延設されている。具体的には、第1脚部231は、クランク状に屈曲した形状をしており、下端が第1本体部230よりも後方に位置するようになっている。このように、本実施形態では、第1脚部231は、第1空間S3に圧入(挿入)させた状態の第1本体部230からハウジング厚み方向(上下方向)に延設されている。そして、この第1脚部231の下端に、第1実装片232が後方に向けて突出するように連設されている。
一方、第2レセプタクル端子14も、導電性を有しており、レセプタクルハウジング20の幅方向(Y方向)に複数並設されている。この第2レセプタクル端子24は、図23に示すように、薄板状に形成されており、板厚方向を幅方向(Y方向)に略一致させた状態でハウジング本体21に形成された第2空間S4に後方から圧入(挿入)されている。このような第2レセプタクル端子24も、例えば、薄板金属を打抜き加工することで形成することができる。
また、第2レセプタクル端子24は、第2空間S4に圧入(挿入)される第2本体部240を備えている。さらに、第2レセプタクル端子24は、第2本体部240から実装面21aAに向けて延設された第2脚部241と、第2脚部241に連設されて回路基板2Aに実装される第2実装片(第2実装部)242と、を備えている。
そして、第2本体部240の前端には、略棒状の接点部240aが前方に突出するように形成されている。また、第2本体部240の上端および下端には、圧入突起240bが形成されており、この圧入突起240bをハウジング本体21に食い込ませることで、第2本体部240が第2空間S4に圧入されている。そして、第2本体部240を第2空間S4に圧入(挿入)した状態で、接点部240aが嵌合空間S5内に配置されるようにしている。
また、本実施形態では、第2脚部241が、第2本体部240の後端部から下方(回路基板2A:被実装部材)に向けて略直線状に延設されている。このように、本実施形態では、第2脚部241は、第2空間S4に圧入(挿入)させた状態の第2本体部240からハウジング厚み方向(上下方向)に延設されている。この第2脚部241は、上下方向の長さが第1脚部231よりも長くなっている。そして、この第2脚部241の下端に、第1実装片232が前方に向けて突出するように連設されている。
このように、本実施形態では、前後方向(X方向:本体部の空間への挿入方向)の前方(一方側)に突出するように第2実装片(第2実装部)242が第2脚部241に連設されている。また、前後方向(X方向:本体部の空間への挿入方向)の後方(他方側)に突出するように第1実装片(第1実装部)232が第1脚部231に連設されている。
すなわち、複数のレセプタクル端子をレセプタクルハウジング20に保持させた状態で、実装部(第1実装片232および第2実装片242)が千鳥状に配置されるようになっている。
さらに、第2実装片242は、第2本体部240を第2空間S4に挿入した状態で、底壁212の後端部に形成された凹部212aに収容されるようにしている。一方、第1実装片232は、第1本体部230を第1空間S3に挿入した状態で、第1空間S3の挿入口S3aよりも後方に位置するようにしている。
したがって、複数のレセプタクル端子をレセプタクルハウジング20に保持させるとともに回路基板2Aに実装させた状態における平面視で、第2実装片242がレセプタクルハウジング20と重なり合うこととなる。一方、複数のレセプタクル端子をレセプタクルハウジング20に保持させるとともに回路基板2Aに実装させた状態における平面視で、第1実装片232がレセプタクルハウジング20から露出することとなる。
すなわち、レセプタクルコネクタ1を回路基板2Aに実装した状態で、レセプタクルハウジング20を実装面21aAの法線方向に沿って視たときに、第1実装片232および第2実装片242のうちいずれか一方の実装片(実装部)がレセプタクルハウジング20と重なり合っている。
このように、本実施形態では、複数のレセプタクル端子がレセプタクルハウジングに保持された状態で、実装部が空間の挿入口(後端縁)を挟んだ両側に千鳥状に配置されるようにしている。
さらに、本実施形態では、第1本体部230の第1空間S3への圧入(挿入)完了位置において、第1脚部231が突条214aの間に、幅方向(Y方向;板厚方向)への移動が規制された状態で保持されるようにしている。すなわち、ハウジング本体21の後壁214に形成された突条214aを、第1脚部231を保持する脚部保持部216として機能させている。このように、レセプタクルコネクタ2は、レセプタクルハウジング20に接続され、第1脚部231を保持する脚部保持部216を備えている。本実施形態では、脚部保持部216は、レセプタクルハウジング20に一体に形成されている。なお、レセプタクルハウジング20とは別体の部材をレセプタクルハウジング20に接続することで、脚部保持部を形成してもよい。
また、第2本体部240の第2空間S4への圧入(挿入)完了位置において、第2脚部241が突条214aの間に、幅方向(Y方向;板厚方向)への移動が規制された状態で保持されるようにしている。すなわち、ハウジング本体21の後壁214に形成された突条214aを、第2脚部241を保持する脚部保持部217として機能させている。このように、レセプタクルコネクタ2は、レセプタクルハウジング20に接続され、第2脚部241を保持する脚部保持部217を備えている。本実施形態では、脚部保持部217も、レセプタクルハウジング20に一体に形成されているが、別体に形成されていてもよい。
こうすることで、端子23,24の本体部230,240の空間S3,S4への圧入(挿入)時に、脚部231,241が変形してしまうのが抑制されるようにしている。
このような構成をしたレセプタクルコネクタ2に上述のプラグコネクタ1を嵌合させると、プラグハウジング10のロック部12がレセプタクルハウジング20のロック部挿入部22に挿入され、ハウジング本体11が嵌合空間S5に挿入されることとなる。
このとき、レバー部121の係合突部121bがレセプタクルハウジング20の天壁211により下方に押圧されることになる。このように、係合突部121bが天壁211により下方に押圧されると、レバー部121の後端部(操作部121a)が下方に移動するように弾性変形して、係合突部121bがロック部挿入部22の奥側まで移動できるようになる。
そして、係合突部121bをロック部挿入部22の奥側まで移動させると、天壁211による係合突部121bの下方への押圧が解除されて、レバー部121の弾性復元力により係合突部121bが上方に移動する。そして、係合突部121bが上方に移動することで、レセプタクルコネクタ2に形成された被係合部221aに係合して、プラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ2とが嵌合状態でロックされることになる。
また、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に嵌合させる途中で、第1レセプタクル端子23の接点部230aの先端が導入口S1bからプラグハウジング10に形成された第1空間S1内に導入されて、第1プラグ端子13の接点部130aに接触する。なお、本実施形態では、略棒状の接点部230aが一対の接触片138,138の間に挿入され、一対の接触片138,138によって挟持されることで、第1プラグ端子13と第1レセプタクル端子23とを導通接続させている。
同様に、第2レセプタクル端子24の接点部240aの先端が導入口S2bからプラグハウジング10に形成された第2空間S2内に導入されて、第2プラグ端子14の接点部140aに接触する。なお、本実施形態では、略棒状の接点部240aが一対の接触片238,238の間に挿入され、一対の接触片238,238によって挟持されることで、第2プラグ端子14と第2レセプタクル端子24とを導通接続させている。
このように、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に嵌合させて、端子13,14と端子23,24とを導通接続させることで、ケーブル1Aと回路基板2Aとを電気的に接続させるコネクタセットC1が形成される。
一方、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2から取り外す際には、まず、レバー部121の操作部121aを押し下げて、レバー部121を下方に移動させる。こうすることで、係合突部121bも下方に移動し、係合突部121bと被係合部221aとの係合が解除される。そして、係合突部121bと被係合部221aとの係合を解除した状態で、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に対して抜去方向に引っ張ると、プラグコネクタ1がレセプタクルコネクタ2に対して抜去方向に相対移動することとなる。このように、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に対して抜去方向に相対移動させると、まず、端子同士の導通接続が解除され、その後に、ハウジング同士の嵌合が解除されることとなる。こうして、プラグコネクタ1がレセプタクルコネクタ2から取り外されることになる。
[レセプタクルコネクタ3の構成例]
次に、レセプタクルコネクタ3の構成の一例を、図25~図40に基づき説明する。
レセプタクルコネクタ3は、図25に示すように、電線3Aが接続される複数の中継端子33と、中継端子33が挿入される空間が複数形成されたレセプタクルハウジング30と、を備えている。さらに、レセプタクルコネクタ3は、レセプタクルハウジング30に装着されて中継端子33のレセプタクルハウジング30からの抜けを規制するリテーナ34を備えている。
レセプタクルハウジング30は、剛性を有しており、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成することができる。
このレセプタクルハウジング30は、図25,図26に示すように、略直方体状の前側ハウジング31と、この前側ハウジング31の後端に連設される略直方体状の後側ハウジング32と、を備えている。本実施形態では、後側ハウジング32は、前側ハウジング31よりも一回り小さく形成されており、レセプタクルハウジング30は、全体として、大きさの異なる2つの直方体を連結させたような形状をしている。
前側ハウジング31は、天壁311と、底壁312と、天壁311および底壁312の幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ連設する一対の側壁313と、天壁311、底壁312および側壁313,313の後端に連設された後壁314と、を備えている。
そして、天壁311の幅方向中央部には、ロック部12が挿入されるようになっている。具体的には、天壁311における幅方向略中央部に、レバー部121を収容する収容部311aが形成されている。そして、収容部311aの前後方向の中央部には、ロック部12の係合突部121bが係合する被係合部(係合孔)311bが形成されている。また、収容部311aの幅方向両側には、ガイド壁部111aが挿入されるガイド溝311cが形成されている。
また、前側ハウジング31には、前方(プラグコネクタ1側)に開口する嵌合空間S6が形成されている。この嵌合空間S6は、プラグハウジング10のハウジング本体11が挿入嵌合される空間で、天壁311、底壁312、一対の側壁313,313および後壁314によって画成されている。
一方、後側ハウジング32は、天壁321と、底壁322と、天壁321および底壁322の幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ連設する一対の側壁323と、天壁321、底壁322および側壁323,323の前端に連設された前壁324と、を備えている。
そして、本実施形態では、前側ハウジング31の後壁314と後側ハウジング32の前壁324とが一体化されており、後壁314と前壁324とで、レセプタクルハウジング30を前後に区画する隔壁300が形成されている。
また、後側ハウジング32は、一対の側壁323に連設されて、天壁321、底壁322および側壁323,323で画成された空間を上下に仕切る仕切り壁325を備えている。
さらに、後側ハウジング32は、天壁321および仕切り壁325に連設された上側隔壁326を複数備えており、この上側隔壁326によって、仕切り壁325で仕切られた上側の空間が複数の空間に仕切られている。また、後側ハウジング32は、底壁322および仕切り壁325に連設された下側隔壁327を複数備えており、この下側隔壁327によって、仕切り壁325で仕切られた下側の空間が複数の空間に仕切られている。
また、隔壁300には、嵌合空間S6と後側ハウジング32に形成された空間とを連通する貫通孔300aが形成されている。この貫通孔300aは、レセプタクルハウジング30を前後方向に沿って視た場合に、上側隔壁326や下側隔壁327によって仕切られた空間と対応する部位に形成されている。すなわち、レセプタクルハウジング30には、前後方向に貫通する複数の空間が形成されている。そして、前後方向に貫通する空間内に、中継端子33がそれぞれ挿入されるようになっている。
このように、本実施形態では、後側ハウジング32の後端部に、幅方向(Y方向)に複数並設された空間が上下方向(Z方向)に2段形成されるようにしている。さらに、後側ハウジング32を前後方向の後方から視たときに、複数の空間が千鳥状に形成されるようにしている。こうすることで、レセプタクルコネクタ3の幅方向の小型化を図っている。
具体的には、後側ハウジング32の後端部の上側に、天壁321、仕切り壁325および上側隔壁326によって画成された空間が幅方向(Y方向)に複数並設されている。そして、この後側ハウジング32の上側に形成された空間が、中継端子33が挿入される第1空間S7となっている。
一方、後側ハウジング32の後端部の下側には、底壁322、仕切り壁325および下側隔壁327によって画成された空間が幅方向(Y方向)に複数並設されている。そして、この後側ハウジング32の下側に形成された空間が、中継端子33が挿入される第2空間S8となっている。
さらに、本実施形態では、上側隔壁326と下側隔壁327とが幅方向にずれた位置に形成されている。すなわち、中継端子33の挿入方向が水平方向となるようにレセプタクルハウジング30を配置した状態における平面視で、第1空間S7の一部と第2空間S8の一部とが重なり合っている。
そして、第1空間S7の後端側の開口から中継端子33が前方に向けて挿入されるようになっており、この第1空間S7の後端側の開口が挿入口S7aとなっている。また、第1空間S7の前端側の開口(貫通孔300a)は、中継端子33が抜け落ちないように、挿入口S7aよりも小さくなっている。すなわち、挿入口S7aから挿入された中継端子33の前方への移動が、隔壁300によって規制されるようにしている。なお、第1空間S7の前端側の開口(貫通孔300a)は、中継端子33の略棒状の接点部333が挿入される挿入孔S7bとなっている。
同様に、第2空間S8の後端側の開口から中継端子33が前方に向けて挿入されるようになっており、この第2空間S8の後端側の開口が挿入口S8aとなっている。また、第2空間S8の前端側の開口(貫通孔300a)は、中継端子33が抜け落ちないように、挿入口S8aよりも小さくなっている。すなわち、挿入口S8aから挿入された中継端子33の前方への移動が、隔壁300によって規制されるようにしている。なお、第2空間S7の前端側の開口(貫通孔300a)は、中継端子33の略棒状の接点部333が挿入される挿入孔S8bとなっている。
また、天壁321の下部には、前後方向および下方に開口する溝部321aが第1空間S7に連通するように形成されている。この溝部321aは、後述する中継端子33の突片331dの先端が挿入されて、中継端子33の第1空間S7への挿入をガイドするものである。本実施形態では、溝部321aは、図28(b)に示す状態で、第1空間S7の幅方向の片側(右側)に形成されている。そして、中継端子33の第1空間S7への挿入開始から挿入完了状態に至るまでの間に、中継端子33の突片331dの先端が溝部321aを通過するように形成されている。
同様に、底壁322の下部には、前後方向および上方に開口する溝部322aが第2空間S8に連通するように形成されている。この溝部322aも、中継端子33の突片331dの先端が挿入されて、中継端子33の第2空間S8への挿入をガイドするものである。本実施形態では、溝部322aは、図28(b)に示す状態で、第2空間S8の幅方向の片側(左側)に形成されている。そして、中継端子33の第2空間S8への挿入開始から挿入完了状態に至るまでの間に、中継端子33の突片331dの先端が溝部322aを通過するように形成されている。
このように、本実施形態では、第2空間S8は、レセプタクルハウジング30を前後方向の後方から視たときに、第1空間S7を反転(180度回転)させた形状をしている。
また、天壁321には、上下方向および前方に開口する切り欠き321cが第1空間S7に連通するように形成されており、この切り欠き321c内に、前方に突出して上下方向に弾性変形可能な突き当て片321bが形成されている。この突き当て片321bは、中継端子33を第1空間S7に挿入させた状態(挿入完了状態)で、後述する中継端子33の抜け止め片331eが突き当たることで、電線3Aが接続された中継端子33が抜けてしまうのを抑制するものである(図37,図38参照)。
同様に、底壁322には、上下方向および前方に開口する切り欠き322cが第2空間S8に連通するように形成されており、この切り欠き322c内に、前方に突出して上下方向に弾性変形可能な突き当て片322bが形成されている。この突き当て片322bも、中継端子33を第2空間S8に挿入させた状態(挿入完了状態)で、中継端子33の抜け止め片331eが突き当たることで、電線3Aが接続された中継端子33が抜けてしまうのを抑制するものである(図39,図40参照)。
さらに、本実施形態では、後側ハウジング32の前部に、リテーナ34がスライド可能に挿入されるリテーナ収容空間S9が形成されている。リテーナ収容空間S9は、第1空間S7が第2空間S8の上方に位置するように後側ハウジング32を配置した場合に、上方に開口するように形成されている。すなわち、第1空間S7が第2空間S8の上方に位置するように後側ハウジング32を配置した状態で、リテーナ34が上方からリテーナ収容空間S9に挿入されるようになっている。このとき、リテーナ34は、リテーナ収容空間S9に、上下方向にスライド可能に収容されている。
このリテーナ34は、第1空間S7が第2空間S8の上方に位置するように後側ハウジング32を配置した場合に、後側ハウジング32に上下方向にスライド可能に装着されるリテーナ本体340を備えている。
本実施形態では、リテーナ本体340は、天壁341と、底壁342と、天壁341および底壁342の幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ連設する一対の側壁343と、を備えている。
また、リテーナ本体340は、天壁341および底壁342に連設される隔壁344を複数備えている。このように、隔壁344の隔壁344を設けることで、リテーナ本体340に、天壁341、底壁342および隣りあう隔壁344,344によって画成され、前後方向に貫通する挿通孔345が幅方向に複数並設されるようにしている。そして、各挿通孔345は、リテーナ本体340をリテーナ収容空間S9に収容した状態で、第1空間S7と連通するように形成されている。したがって、中継端子33は、第1空間S7に挿入される際に挿通孔345にも挿通されることになる。
また、本実施形態では、側壁343が、前後方向の後方に延在する後側延設部343aと、上下方向の下方に延在する下側延設部343bと、を備えている。こうすることで、リテーナ本体340をリテーナ収容空間S9に収容する際や、リテーナ収容空間S9に収容したリテーナ本体340を上下にスライドさせる際等に、リテーナ本体340が幅方向や前後方向に動いてしまうのを抑制できるようにしている。
また、天壁341の下部には、下方に突出する第1規制突起341aが、挿通孔345内に配置されるように形成されている。この第1規制突起341aは、リテーナ本体340をスライドさせた際に、第1空間S7に挿入された中継端子33の抜けを規制するものである。
また、第1規制突部341aの後端には、延設突部341bが一体に連設されており、この延設突部341bは、下面が抜け止め片331eの上面の形状に沿うように形成されている。
そして、天壁341の下部には、後方および下方に開口する溝部345aが挿通孔345に連通するように形成されている。この溝部345aには、中継端子33を第1空間S7に挿入させた状態(挿入完了状態)で、中継端子33の突片331dの先端が挿入されるようになっている。そして、中継端子33の突片331dが、リテーナ本体340の上下方向へのスライドをガイドしている。本実施形態では、溝部345aは、図30(c)に示す状態で、挿通孔345の幅方向の片側(右側)に形成されている。
さらに、本実施形態では、底壁342の下部には、下方に突出する第2規制突起342aが形成されている。この第2規制突起342aは、第1規制突起341aと同じ方向に突出しており、リテーナ本体340をスライドさせた際に、第2空間S8に挿入された中継端子33の抜けを規制するものである。
中継端子33は、導電性を有しており、レセプタクルハウジング30の幅方向(Y方向)に複数並設された中継端子群が上下に2つ形成されるように、レセプタクルハウジング30に保持されている。この中継端子33は、図31に示すように、1枚の帯板状の金属部材を板厚方向に曲げた形状をしている。このような中継端子33は、例えば、帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことで形成することができる。
また、中継端子33は、前後方向(中継端子33の空間への挿入方向)に延在する周壁を有する端子本体部331と、端子本体部331の前後方向の前側(一方側)に連設される接点部333と、を備えている。本実施形態では、接点部333は、略棒状をしており、前方に向かうにつれて径が小さくなるように形成された連結部332を介して端子本体部331に連結されている。
また、中継端子33は、端子本体部331の前後方向の後側(他方側)に連設され、電線3Aが接続される電線接続部334を備えている。
電線3Aは、可撓性を有しており、絶縁性材料で形成された被覆部3aAと、被覆部3aAによって被覆された導体部3bAと、を備えている。そして、電線3Aは、中継端子33に接続される側の先端で、導体部3bAを露出させている。
そして、電線接続部334を露出させた導体部3bAに電気的に接続させることで、電線3Aの導体部3bAと中継端子33とを導通接続させている。電線接続部334は、端子本体部331側に形成されて導体部3bAにカシメ固定される導体カシメ部334aと、導体カシメ部334aよりも端子本体部331から離れた位置に形成され、被覆部3aAにカシメ固定される電線カシメ部334bと、を備えている。
さらに、中継端子33は、電線カシメ部334bよりも端子本体部331から離れた位置に形成され、電線3Aが接続された中継端子33の空間への挿入をガイドするガイド片335が形成されている。
端子本体部331は、底壁331aと、底壁331aの幅方向両端に連設される一対の側壁331bと、側壁331bに連設され、底壁331aの上方を覆う天壁331cと、を備えている。
本実施形態では、底壁331a、一対の側壁331b,331bおよび天壁331cが周壁に相当しており、端子本体部331は、略全周が周壁で覆われた略箱形をしている。
また、側壁331bの一方には、上方に突出する突片331dが形成されている。この突片331dは、中継端子33を空間へ挿入するときに、先端が溝部321aや溝部322aを通過したり、溝部345aに収容されたりする部位である。
また、天壁331cの後端には、後方に突出する抜け止め片331eが形成されている。この抜け止め片331eは、上下方向に弾性変形可能に形成されており、中継端子33を第1空間S7に挿入させた状態(挿入完了状態)で、後端が突き当て片321bに突き当たるようになっている。また、中継端子33を第2空間S8に挿入させた場合(挿入完了状態とした場合)には、後端が突き当て片322bに突き当たるようになっている。
ここで、本実施形態では、前後方向の前方から視た状態(中継端子33の空間への挿入方向に沿って視た状態)で、接点部333が前後方向に延在させた電線3Aの中心から外れた位置に形成されている(図32(d)参照)。
そして、第1空間S7に挿入される中継端子33を、第1空間S7が第2空間S8の上方に位置するように後側ハウジング32を配置した場合に、接点部333が下側となるようにした状態で第1空間S7に挿入されるようにしている。
一方、第2空間S8に挿入される中継端子33は、第1空間S7が第2空間S8の上方に位置するように後側ハウジング32を配置した場合に、接点部333が上側に位置するようにした状態で第2空間S8に挿入されるようにしている。
すなわち、第2空間S8に挿入される中継端子33は、第1空間S7に挿入される中継端子33を、電線3Aの軸方向を中心として反転(180度回転)させた状態で、第2空間S8に挿入されている。さらに、第1空間S7に挿入される中継端子33の接点部333と、第2空間S8に挿入される中継端子33の接点部33との上下方向の距離(最短距離)が、電線3Aの中心間の上下方向の距離(最短距離)よりも小さくなるようにしている。
さらに、端子本体部331の周壁には、上記のように中継端子33を空間に挿入した場合に、上方に開口する第1挿通孔331fと、下方に開口する第2挿通孔31gと、が形成されている。本実施形態では、第1挿通孔331fおよび第2挿通孔31gは、平面視で互いに上下方向に対向するように形成されている。すなわち、第1挿通孔331fおよび第2挿通孔31gは、平面視で、前後方向および幅方向で同じ位置となるように形成されている。
そして、リテーナ本体340を上下方向の下方(一方向)にスライドさせた際に、リテーナ本体340に形成された第1規制突部341aが第1挿通孔331fおよび第2挿通孔331gのうちのいずれか一方(第1挿通孔331f)に挿入されるようにしている。さらに、リテーナ本体340に形成された第2規制突部342aが他方(第2挿通孔331g)に挿入されるようにしている。
こうすることで、1つのリテーナ34を一方側(下方)にスライドさせるだけで、第1空間S7に挿入された中継端子33の抜けと、第2空間S8に挿入された中継端子33の抜けと、をリテーナ34によって同時に規制することができるようになる。
また、1つのリテーナ34を他方側(上方)にスライドさせるだけで、第1空間S7に挿入された中継端子33の抜けの規制と、第2空間S8に挿入された中継端子33の抜けの規制と、を同時に解除することができるようになる。
なお、中継端子33をそれぞれの空間(第1空間S7や第2空間S8に挿入した状態では、接点部333が嵌合空間S6内に配置されることとなる。
次に、レセプタクルコネクタ3の組み付け方法の一例を説明する。なお、レセプタクルコネクタ3の組み付け方法は下記に示す方法に限られるものではない。
まず、図33に示すように、後側ハウジング32にリテーナ34を、上部が天壁321よりも上方に突出するように装着する。このとき、挿通孔345が第1空間S7とそれぞれ連通するようにした状態で、リテーナ本体340をリテーナ収容空間S9に収容している。
また、後側ハウジング32の空間に挿入される複数の中継端子33に電線3Aを接続させる(図31,図32参照)。
なお、リテーナ本体340の後側ハウジング32への装着と、複数の中継端子33への電線3Aの接続は、いずれかを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
次に、図34に示すように、後側ハウジング32の空間に、電線3Aが接続された中継端子33を挿入する。このとき、第2空間S8には、第1空間S7に挿入される中継端子33を、電線3Aの軸方向を中心として反転(180度回転)させた状態とした中継端子33が挿入されるようにしている。さらに、第1空間S7に挿入される中継端子33の接点部333と、第2空間S8に挿入される中継端子33の接点部33との上下方向の距離(最短距離)が、電線3Aの中心間の上下方向の距離(最短距離)よりも小さくなるようにしている。
そして、中継端子33を第1空間S7に挿入させた状態(挿入完了状態)で、第1挿通孔331fが第1規制突部341aと対向し、中継端子33を第2空間S8に挿入させた状態(挿入完了状態)で、第2挿通孔331gが第2規制突部342aと対向させる。
次に、リテーナ本体340を下方にスライドさせて、リテーナ34がリテーナ収容空間S9内に収容されるようにする。こうすることで、リテーナ本体340に形成された第1規制突部341aが第1挿通孔331fに挿入され、第2規制突部342aが第2挿通孔331gに挿入されることとなる。
こうして、第1空間S7に挿入された中継端子33の抜けと、第2空間S8に挿入された中継端子33の抜けと、がリテーナ34によって同時に規制されたレセプタクルコネクタ3が形成される(図36,図38,図40参照)。
このような構成をしたレセプタクルコネクタ3に上述のプラグコネクタ1を嵌合させると、プラグハウジング10のロック部12がレセプタクルハウジング30の天壁311の幅方向中央部に挿入されることとなる。そして、ハウジング本体11が前側ハウジング31の嵌合空間S6に挿入されることとなる。
具体的には、レバー部121の係合突部121bが前側ハウジング31の天壁311により下方に押圧されることになる。このように、係合突部121bが天壁311により下方に押圧されると、レバー部121の後端部(操作部121a)が下方に移動するように弾性変形して、係合突部121bが嵌合空間S6の奥側まで移動できるようになる。
そして、係合突部121bを嵌合空間S6の奥側まで移動させると、天壁311による係合突部121bの下方への押圧が解除されて、レバー部121の弾性復元力により係合突部121bが上方に移動する。そして、係合突部121bが上方に移動することで、レセプタクルコネクタ3に形成された被係合部311bに係合して、プラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ3とが嵌合状態でロックされることになる。
また、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ3に嵌合させる途中で、第2空間S8に挿入された中継端子33の接点部333の先端が、導入口S1bからプラグハウジング10に形成された第1空間S1内に導入されて、第1プラグ端子13の接点部130aに接触する。なお、本実施形態では、略棒状の接点部333が一対の接触片138,138の間に挿入され、一対の接触片138,138によって挟持されることで、第1プラグ端子13と中継端子33とを導通接続させている。
同様に、第1空間S7に挿入された中継端子33の接点部333の先端が、導入口S2bからプラグハウジング10に形成された第2空間S2内に導入されて、第2プラグ端子14の接点部140aに接触する。なお、本実施形態では、略棒状の接点部333が一対の接触片238,238の間に挿入され、一対の接触片238,238によって挟持されることで、第2プラグ端子14と中継端子33とを導通接続させている。
このように、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ3に嵌合させて、端子13,14と中継端子33とを導通接続させることで、ケーブル1Aと電線3Aとを電気的に接続させるコネクタセットC2が形成される。
一方、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ3から取り外す際には、まず、レバー部121の操作部121aを押し下げて、レバー部121を下方に移動させる。こうすることで、係合突部121bも下方に移動し、係合突部121bと被係合部311bとの係合が解除される。そして、係合突部121bと被係合部311bとの係合を解除した状態で、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ3に対して抜去方向に引っ張ると、プラグコネクタ1がレセプタクルコネクタ3に対して抜去方向に相対移動することとなる。
このように、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ3に対して抜去方向に相対移動させると、まず、端子同士の導通接続が解除され、その後に、ハウジング同士の嵌合が解除されることとなる。こうして、プラグコネクタ1がレセプタクルコネクタ3から取り外されることになる。
以上説明したように、本実施形態にかかるプラグコネクタ(コネクタ)1は、プラグハウジング10と、プラグハウジング10に保持され、プラグハウジング10の外側に配置されたケーブル(被実装部材)1Aに実装されるプラグ端子(端子)と、を備えている。
また、プラグ端子は、プラグハウジング10に形成された空間S1,S2に挿入される本体部と、本体部からケーブル1Aの実装面1aAに向けて延設された脚部と、脚部に連設されてケーブル1Aに実装される実装片(実装部)と、を備えている。
そして、プラグコネクタ1は、プラグハウジング10に接続されて、脚部を保持する脚部保持部をさらに備えている。
こうすれば、プラグ端子をプラグハウジング10に形成された空間S1,S2に挿入する際に、プラグ端子の脚部を、プラグハウジング10に形成された脚部保持部に保持させることができる。その結果、プラグ端子の脚部が変形してしまうことを抑制することができ、より確実にプラグ端子をケーブル(被実装部材)1Aに実装させることができるようになる。
なお、プラグ端子をプラグハウジング10に形成された空間S1,S2に挿入する際に、プラグ端子の脚部が変形してしまった場合、脚部保持部を設けることで、脚部が脚部保持部に保持されなくなったり、本体部が挿入完了位置まで挿入されなかったりする。そのため、より容易にプラグ端子の挿入不具合を確認することができ、このような観点からも、プラグ端子をケーブル(被実装部材)1Aにより確実に実装させることができるようになる。
また、本実施形態では、脚部が板状に形成されている。そして、本体部を空間に挿入するとともに実装部をケーブル1Aに実装した状態で、脚部の板厚方向が、本体部の空間への挿入方向(X方向)および実装面1aAの法線方向(Z方向)と交差する方向(Y方向)となるようにしている。このように、板厚方向に変形しやすい脚部を有するプラグ端子を空間に挿入する場合であっても、脚部保持部を設けるようにすれば、プラグ端子をケーブル(被実装部材)1Aにより確実に実装させることができるようになる。
また、本実施形態では、プラグハウジング10は、ケーブル(被実装部材)1Aを受け入れる受入部(凹部112b)を、ハウジング厚み方向(上下方向)の一方側の壁部(底壁112b)に有している。そして、脚部が本体部からハウジング厚み方向に延設されている。
こうすることで、プラグコネクタ1をケーブル(被実装部材)1Aに実装した状態における高さが高くなってしまうことを抑制することができる。また、脚部の延設距離を小さくすることができる。
また、本実施形態では、脚部保持部がプラグハウジング10に一体に形成されている。こうすることで、部品点数が増加してしまうことを抑制することができる。また、別部材とした場合のように、脚部保持部がプラグハウジング10から抜けてしまうことが抑制される。そのため、脚部が変形してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、空間は、プラグハウジング10に形成された第1空間S1と、プラグハウジング10の第1空間S1よりも実装面1aAから離れた位置に形成された第2空間S2と、を備えている。また、プラグ端子は、第1プラグ端子(第1端子)13と第2プラグ端子(第2端子)14とを備えている。そして、第1プラグ端子13は、第1空間S1に挿入される第1本体部130と、第1本体部130から実装面1aAに向けて延設された第1脚部131と、第1脚部131に連設されてケーブル1Aに実装される第1実装部132と、を有している。
また、第2プラグ端子14は、第2空間S2に挿入される第2本体部140と、第2本体部140から実装面1aAに向けて延設された第2脚部141と、第2脚部141に連設されてケーブル1Aに実装される第2実装部142と、を有している。
そして、第1脚部131および第2脚部141のうち少なくともいずれか一方の脚部が脚部保持部に保持されている。
こうすれば、第1プラグ端子13および第2プラグ端子14のいずれか一方の脚部が変形してしまうのを抑制することができ、プラグ端子をケーブル(被実装部材)1Aにより確実に実装させることができるようになる。特に、比較的長い第2プラグ端子14の第2脚部141を脚部保持部119に保持させるようにすれば、より効果的に脚部の変形を抑制することができるようになる。さらに、第1プラグ端子13および第2プラグ端子14の両方の脚部131,141を脚部保持部118,119に保持させるようにすれば、より確実に脚部の変形を抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、プラグ端子がプラグハウジング10に保持されるとともにケーブル1Aに実装された状態で、プラグハウジング10を実装面1aAの法線方向(Z方向)に沿って視たときに、第1空間S1と第2空間S2とが重なり合うようにしている。
こうすれば、プラグコネクタ1の幅方向の小型化を図ることができるようになる。
また、本実施形態では、空間S1,S2に本体部130,140を挿入した状態で、プラグハウジング10を本体部130,140の空間S1,S2への挿入方向(X方向)に沿って視たときに、第1空間S1の第1挿入口S1aが第2脚部141によって2つの領域R1,R2に分断されている。
そして、第2脚部141が、第1挿入口S1aを挟んだ2箇所で脚部保持部119(112e,118b)に保持されている。
こうすれば、プラグコネクタ1の幅方向の小型化を図りつつ、第2脚部141が変形してしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、本体部130,140の空間S1,S2への挿入方向(X方向)の一方側に突出するように第1実装部132が第1脚部131に連設されている。そして、本体部130,140の空間S1,S2への挿入方向(X方向)の他方側に突出するように第2実装部142が第2脚部141に連設されている。
こうすれば、第1実装部132や第2実装部142の位置がプラグハウジング10から遠くなってしまうことが抑制され、脚部131,141が変形してしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、プラグ端子13,14がプラグハウジング10に保持されるとともにケーブル1Aに実装された状態で、プラグハウジング10を実装面1aAの法線方向(Z方向)に沿って視たときに、第1実装部132および第2実装部142のうちいずれか一方の実装部132がプラグハウジング10と重なり合うようにしている。
こうすれば、第1実装部132や第2実装部142の位置がプラグハウジング10から遠くなってしまうことがより確実に抑制され、脚部131,141が変形してしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、プラグ端子13,14を複数備えており、複数のプラグ端子13,14がプラグハウジング10に保持された状態で実装部132,142が千鳥状に配置されるようにしている。こうすれば、絶縁距離を確保しつつプラグコネクタ1の幅方向の小型化を図ることができるようになる。
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態およびその変形例には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態で示した構成を適宜組み合わせて、コネクタを形成することができる。
また、上記実施形態では、複数の端子が上下の2段に配置されたものを例示したが、複数の端子が1段のみに配置されたコネクタや3段以上に配置されたコネクタとすることも可能である。
また、同一の段に配置される端子の形状を同一の形状としたコネクタを例示したが、同一の段に複数種類の端子が配置されたコネクタとすることも可能である。
また、上記実施形態で示したレセプタクルコネクタ2にも脚部保持部が形成されている。したがって、レセプタクルコネクタ2を本開示のコネクタとし、プラグコネクタ1を相手側コネクタとすることも可能である。また、基板同士やケーブル同士を電気的に接続するコネクタ(プラグコネクタやレセプタクルコネクタ)に本開示を適用してもよい。また、電線と基板とを電気的に接続するコネクタ(プラグコネクタやレセプタクルコネクタ)に本開示を適用してもよい。
また、上記実施形態では、1つのリテーナで、2段に配置された中継端子33のそれぞれの抜けが規制されるレセプタクルコネクタを例示したが、2つ以上のリテーナを用い、中継端子33の抜けを規制するようにしてもよい。すなわち、端子本体部331の周壁に第2挿通孔31gが形成されていない中継端子を用いたコネクタとしてもよい。
また、ハウジングや端子、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。