JP7121246B2 - 記録液セット - Google Patents
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Description
前記水性インクジェット用インキが、水、顔料、樹脂、有機溶剤、及び、界面活性剤を含み、
前記有機溶剤が、炭素数3~4のアルカンジオール系溶剤を含み、
前記界面活性剤が、トリシロキサン骨格を有する界面活性剤と、アセチレンジオール系界面活性剤とを含み、
前記アンカーコート剤が、水、アセチレンジオール系界面活性剤、及び、凝集剤を含み、
前記アンカーコート剤が含むアセチレンジオール系界面活性剤のHLB値が、4~12であり、
前記凝集剤が、20℃の水100gに対する溶解度が1~30g/100gH 2 Oである多価金属塩を含み、
前記水性インクジェット用インキ全量に対する前記樹脂の含有量をWR(質量%)、前記樹脂の酸価をAR(mgKOH/g)、前記アンカーコート剤全量に対する前記多価金属塩の含有量をWM(質量%)としたとき、下記式1の関係を満たす、記録液セットに関する。
[式1]
1000 ≦ Σ(WR×AR)×WM ≦ 3500
前記アンカーコート剤が含むアセチレンジオール系界面活性剤が、下記一般式4で表される化合物を含む、上記記録液セットに関する。
[一般式3]
(一般式3中、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基を表す。
なお、前記アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよい。)
[一般式4]
(一般式4中、R8及びR9はそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基を表し、
R10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子または下記一般式5で表される基を表す。
なお、前記アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、また、R8とR9、R10とR 11 は、それぞれ、互いに同一であっても異なっていても良いが、R10とR11がともに水素原子となることはない。)
[一般式5]
-O-{(EO)p-(PO)q}-R12
(一般式5中、R12は水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、EOはエトキシ基、POはプロポキシ基、p、qは0~50の整数を表す。ただし、p+qは1以上の整数である。また、pが1以上かつqが1以上である場合、エトキシ基及びプロポキシ基の付加順序は問わず、付加はブロックでもランダムでもよい。)
上述した通り、多価金属塩を含むアンカーコート層上にインキが付与されることで、当該多価金属塩がインキ内に入り込み、インキ成分の凝集及び/またはインキの増粘が起きる。また、トリシロキサン骨格を有する界面活性剤の素早い配向により、本発明のインキは、基材上に付与されたのち素早く濡れ広がる。その結果、多価金属塩が、速やかに薄膜化したインキ内で素早く拡散することで、当該多価金属塩が短時間でインキ液滴内全体に行き渡り、特異的に素早い定着が達成されると考えられる。
本発明の水性インクジェット用インキは水、顔料、樹脂、有機溶剤、及び、界面活性剤を含み、当該有機溶剤として炭素数3~4のアルカンジオール系溶剤を含み、かつ、当該界面活性剤としてトリシロキサン骨格を有する界面活性剤を含む。
本発明に用いられる有機溶剤とは、水に対する溶解度が5%以上ものであり、この条件を満たすものであれば何れも使用することができる。また有機溶剤として、炭素数3~4のアルカンジオール系溶剤を使用する。炭素数3~4のアルカンジオール系溶剤を使用すれば、トリシロキサン骨格を有する界面活性剤の配向を阻害することがなく、埋まりが良好で画像の滲みがなく、発色性にも優れた印刷物を得ることができる。また、印刷待機時のノズル乾燥を防止することによる印刷安定性の向上、及び、基材上へのインキ液滴の濡れ広がり性の向上も可能となる。
メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、などの1価アルコール類;
エチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、などのその他アルカンジオール系溶剤(炭素数2、または、5以上のアルカンジオール系溶剤)
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノールなどのグリコールモノアルキルエーテル類;
グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、ジグリセリン、ポリグリセリン、などの鎖状ポリオール化合物;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールジアルキルエーテル類;
2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ε-カプロラクタム、3-メチル-2-オキサゾリジノン、3-エチル-2-オキサゾリジノン、N,N-ジメチル-β-メトキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-ブトキシプロピオンアミドなどの含窒素系溶剤;
γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどの複素環化合物;
などが挙げられる。
本発明のインキは、界面活性剤として、トリシロキサン骨格を有する界面活性剤を含む。またその他に、アセチレンジオール系、シロキサン系(ただしトリシロキサン骨格を有するもの除く)、アクリル系、フッ素系等、インキの表面張力を調整し、基材上での濡れ性を確保することが可能なものであれば、何れを併用してもよい。上述した通り、本発明のインキ中において、トリシロキサン骨格を有する界面活性剤は、当該インキ表面への配向が速い。その結果、インキが基材に着弾した後に素早く濡れ広がり、埋まりが良好で画像の滲みがなく、色ムラもない良質な印刷物を得ることができる。
-R4-O-{(EO)m-(PO)n}-R5
-O-{(EO)p-(PO)q}-R12
本実施形態のインキは、耐ブロッキング性、耐水性、耐光性、耐候性、耐ガス性などの観点から、色材として顔料を含む。前記顔料として、従来既知の有機顔料、無機顔料のいずれもが使用できる。
顔料の含有量を2質量%以上(ホワイトインキの場合は3質量%以上)にすることで、十分な発色性や鮮明性を有する印刷物が得られる。また顔料の含有量を20質量%以下(ホワイトインキの場合は40質量%以下)とすることで、インキの粘度を、インクジェット印刷に適した範囲に収められるとともに、インキの経時安定性も良好となり、結果として長期に渡って吐出安定性及び印刷物の画像品質を確保できる。
本発明のインキは樹脂を含む。一般にインクジェット用インキで使用される樹脂は、その用途に基づき、顔料を分散させるために使用される顔料分散樹脂と、インキの液滴を定着させ印刷物の耐性を向上させるために使用されるバインダー樹脂とに大別される。しかしながらインキに含まれる樹脂は、その用途によらず、アンカーコート剤に含まれる凝集剤によるインキ成分の凝集及びインキの増粘に関与する。
また、埋まりが良好で画像の滲みがなく、発色性にも優れた印刷物が得られ、更にインキの経時安定性も良化するという観点から、上記樹脂として、顔料分散樹脂と、バインダー樹脂とを含むことが好適である。
以下、顔料分散樹脂、バインダー樹脂のそれぞれについて詳細に説明する。
本発明では、顔料分散樹脂として、(メタ)アクリル系、スチレン(メタ)アクリル系、(無水)マレイン酸系、スチレン(無水)マレイン酸系、αオレフィン(無水)マレイン酸系、ウレタン系、エステル系の樹脂等が利用できる。中でも、顔料に対する吸着が強固となり、液中で顔料を安定化させ、経時安定性を向上させるという観点から、αオレフィン(無水)マレイン酸系、(メタ)アクリル系、スチレン(メタ)アクリル系から選択される1種以上の樹脂を使用することが好ましい。なお本明細書において「(無水)マレイン酸」とは、マレイン酸または無水マレイン酸を表す。また、「(メタ)アクリル系」とは、アクリル系またはメタクリル系を表す。
なお本明細書における「水溶性樹脂」とは、対象となる樹脂の、25℃・1質量%水混合液が、肉眼で見て透明であるものを指す。また「非水溶性樹脂」とは、上記水溶性樹脂ではないもの、すなわち、対象となる樹脂の、25℃・1質量%水混合液が、肉眼で見て透明ではないものを指す。
一方本発明において、バインダー樹脂として使用できる樹脂の種類は特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリル変性ポリウレタン樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂、スチレン(無水)マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂などがバインダー樹脂として利用できる。中でも、インキの経時安定性、並びに、アンカーコート剤と組み合わせた際の、印刷物の密着性及び耐擦性の観点から、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましく使用される。
本発明のインキに含まれる水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
本発明のインキは、上記の成分の他に、所望の物性値を持つインキとするため、必要に応じてpH調整剤を添加することができる。pH調整剤は、pH調整能を有する材料であれば任意に選択できる。例えば、インキを塩基性化させる場合は、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などを使用することができる。またインキを酸性化させる場合は、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸、ホウ酸、フマル酸、マロン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸などを使用することができる。上記のpH調整剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上述したインキは単色で使用してもよいが、用途に合わせて複数の色を組み合わせ、インキセットとして使用することもできる。色の組み合わせは特に限定されないが、シアン、イエロー、マゼンタの3色を使用することでフルカラーの画像を得ることができる。また、ブラックインキを更に追加することで黒色感を向上させ、文字等の視認性を上げることができる。あるいは、オレンジ、グリーン等の特色を追加することで色再現性を向上させることも可能である。その他、白色以外の記録媒体に対して印刷を行う際は、ホワイトインキを併用することで、鮮明な画像を得ることができる。なお、本発明のインキ、及び、インキセットを構成するインキが、実質的に顔料などの着色剤成分を含まないインキ(クリアインキ)であってもよい。
本発明のインキの調製方法としては、下記のような方法が挙げられるが、以下に限定されるものではない。
本発明のアンカーコート剤は水、及び、凝集剤を有し、当該凝集剤として多価金属塩を含む。
本発明における凝集剤とは、インキ中の顔料や樹脂粒子の分散状態を破壊し凝集させる、及び/または、インキ中の水溶性樹脂を不要化し当該インキを増粘させることができる成分を意味する。一般に、凝集剤として多価金属塩、カチオン性高分子化合物、有機酸などが知られており、本発明では少なくとも多価金属塩を使用する。
基材に対して当該アンカーコート剤を平滑に塗工し、優れた画像品質を得るため、本発明のアンカーコート剤は界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アセチレンジオール系、シロキサン系、アクリル系、フッ素系等、インキと同様のものが使用可能である。中でも、経時安定性や塗工適性の点から、アセチレンジオール系を使用することが好ましい。
本発明のアンカーコート剤は、樹脂を含んでいても良い。樹脂を併用することで、凝集剤の均一な定着による画像品質の向上や、耐摩擦性、耐水性、耐ブロッキング性といった、印刷物を運用する上で必要な耐性の向上が実現でき、更に印刷物をラミネート処理する場合には、接着強度の向上も可能となる。
本発明のアンカーコート剤は、更に有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤を併用することで、凝集剤及び界面活性剤の溶解性、並びに、アンカーコート剤の濡れ広がり性及び乾燥性を好適なものに調整できる。なお本実施形態のアンカーコート剤では、有機溶剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、などの1価アルコール類;
1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール#200、ポリエチレングリコール#400、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、などの2価アルコール(グリコール)類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、1,2-ブチレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノールなどのグリコールモノアルキルエーテル類;
グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、ジグリセリン、ポリグリセリン、などの鎖状ポリオール化合物;
を挙げることができる。
上記で説明した通り、上記に例示した水溶性有機溶剤の中でも、25℃における静的表面張力が20mN/m~40mN/mであるものが好適に選択される。また、1気圧下における沸点が75~210℃であるものが好適に選択され、75~200℃であるものがより好適に選択され、75~190℃であるものが更に好適に選択され、80~180℃であるものが極めて好適に選択される。
本実施形態のアンカーコート剤は、pH調整剤を含むことができる。pH調整剤を使用することで、塗工装置に使用される部材へのダメージを抑制するとともに、経時でのpH変動を抑えてアンカーコート剤の性能を長期的に維持し、保存安定性を維持・向上させることができる。pH調整剤として使用できる材料に制限はなく、また1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のpH調整剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のアンカーコート剤に含まれる水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。水の含有量は、アンカーコート剤の全質量の30~95質量%であることが好ましく、40~90質量%の範囲であることがより好ましい。
また本実施形態のアンカーコート剤は、所望の物性値とするために、必要に応じて防腐剤などの添加剤を適宜使用できる。これらの添加剤を使用する場合、その配合量は、アンカーコート剤全量に対して0.01~5質量%とすることが好ましく、0.01~3質量%とすることが更に好ましい。
本発明のアンカーコート剤は、例えば、凝集剤としての多価金属塩、並びに、必要に応じて、界面活性剤、有機溶剤、樹脂、pH調整剤、及び、上記で挙げた添加剤成分を加え、攪拌・混合したのち、必要に応じて濾過することで調整される。ただし、アンカーコート剤の調整方法は上記に限定されるものではない。なお、攪拌・混合の際は、必要に応じて混合物を40~100℃の範囲で加熱してもよい。
本発明の記録液セットは、上述した水性インクジェット用インキと、上述したアンカーコート剤とを組み合わせたものである。この組み合わせにおいて、インキ及びアンカーコート剤中の成分の配合条件を以下の通りに調整することで、より高い性能を示すことが可能となる。
下記式1の値として、より好ましい範囲は1000~2500であり、更に好ましい範囲は1250~2000である。
500 ≦ Σ(WR×AR)×WM ≦ 3500
アンカーコート剤と、水性インクジェット用インキとを組み合わせた、記録液セットの実施形態で印刷物を製造する方法として、非吸収性基材に上記アンカーコート剤を付与する工程と、上記非吸収性基材上の、当該アンカーコート剤を付与した部分に、上記水性インクジェット用インキを、インクジェット印刷により付与する工程と、当該水性インクジェット用インキが付与された、上記非吸収性基材を乾燥する工程とを含む方法が好ましく用いられる。なお上記の工程は、この順番に実施することが好ましい。
非吸収性基材上にアンカーコート剤を付与する方法として、インクジェット印刷のように基材に対して非接触で印刷する方式と、当該基材に対しアンカーコート剤を当接させて印刷する方式のどちらを採用してもよい。また、アンカーコート剤の付与方法として、当該アンカーコート剤を当接させる印刷方式を選択する場合、オフセットグラビアコーター、グラビアコーター、ドクターコーター、バーコーター、ブレードコーター、フレキソコーター、ロールコーターなどのローラ形式が好適に使用できる。
アンカーコート剤を非吸収性基材に付与した後、基材上の当該アンカーコート剤を完全に乾燥させた後、水性インクジェット用インキを付与してもよいし、上記基材上の上記アンカーコート剤が完全に乾燥する前に、上記水性インクジェット用インキを付与してもよい。一実施形態において、水性インクジェット用インキを付与する前にアンカーコート剤を完全に乾燥させる、すなわち、アンカーコート剤の液体成分が実質的に除去された状態とすることが好ましい。アンカーコート剤が完全に乾燥した後で水性インクジェット用インキを付与することで、後から着弾する水性インクジェット用インキが乾燥不良を起こすことがないうえ、画像の滲みがなく耐擦性にも優れた印刷物が得られるためである。
水性インクジェット用インキは、非吸収性基材上のアンカーコート剤を付与した部分に、1パスインクジェット印刷により付与される方式が好ましい。なお、上記1パスインクジェット印刷で用いるインクジェットヘッドの設計解像度は、画像滲みがなく埋まり及び発色性に優れた画像が得られる点から、600dpi(DotsPerInch)以上であることが好ましく、720dpi以上であることがより好ましい。
水性インクジェット用インキを印刷したあと、インキ、及び未乾燥のアンカーコート剤を乾燥させるため、上記インキが付与された非吸収性基材を乾燥する工程を含むことが好ましい。なお好適に用いられる乾燥方法は、上記アンカーコート剤の場合と同様である。
本発明の記録液セットを印刷する際は、アンカーコート剤の付与量に対する水性インクジェット用インキの付与量の比を0.1以上10以下とすることが好ましい。なお付与量の比としてより好ましくは0.5以上9以下であり、特に好ましくは1以上8以下である。付与量の比を上記範囲に収めることにより、基材の風合いの変化を起こすことなく、画像滲みがなく埋まり及び発色性に優れた印刷物が得られる。
上記の通り、本発明の記録液セットは、フィルムなどの非吸収性基材に特に好適に用いることができる。具体的にはポリエチレン、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂;ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの含塩素系樹脂;セロハン;もしくは、これらの複合材料からなるフィルム状またはシート状のものが利用できる。なおこれらの基材は、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理が施されていても良い。また画像品質向上のために、ウレタン樹脂系、アクリル系、オレフィン系、ビニル系の樹脂などによりコート処理が施されていても良い。
<顔料分散樹脂1の製造例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール95部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱し、重合性単量体としてスチレン35部、アクリル酸30部、メタクリル酸ラウリル35部、及び重合開始剤であるV-601(和光純薬製)6部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を110℃まで昇温し、そのまま3時間維持することで重合反応を行った。その後、V-601(和光純薬製)0.6部を添加し、更に110℃で1時間重合反応を続けた。
下記表1に示したように、重合性単量体の種類や量を変更した以外は、顔料分散樹脂1の場合と同様にして、顔料分散樹脂2、3の水性化溶液(それぞれ固形分25%)を得た。なお表1には、顔料分散樹脂1の場合と同様に算出した、顔料分散樹脂2、3の酸価、及び、当該顔料分散樹脂1の場合と同様に測定した、顔料分散樹脂2、3の重量平均分子量についても、併せて記載した。
攪拌機を備えた混合容器に、トーヨーカラー社製LIONOL BLUE 7358G(C.I.ピグメントブルー15:3)を20部、顔料分散樹脂1の水性化溶液(固形分25%)を20部、水60部を仕込み、攪拌機で十分にプレミキシングした後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて本分散を行い、顔料分散液1Cを得た。また上記C.I.ピグメントブルー15:3を、以下に示す顔料にそれぞれ置き換えた以外は顔料分散液1Cと同様にして、顔料分散液1M、1Y、1Kを得た。
・Magenta:DIC社製FASTGEN SUPER MAGENTA RG
(C.I.ピグメントレッド122)
・Yellow:トーヨーカラー社製LIONOL YELLOW TT1405G
(C.I.ピグメントイエロー14)
・Black:オリオンエンジニアドカーボンズ社製PrinteX85
(カーボンブラック)
顔料分散樹脂として顔料分散樹脂2、3の水性化溶液(固形分25%)を使用した以外は、顔料分散液1C、1M、1Y、1Kと同様の方法を用いることで、顔料分散液2、3(それぞれC、M、Y、K)を得た。
顔料分散樹脂2の水性化溶液(固形分25%)を12部、水68部とした以外は、顔料分散液1C、1M、1Y、1Kと同様の材料及び方法を用いることで、顔料分散液4(それぞれC、M、Y、K)を得た。
顔料分散用樹脂2の水性化溶液(固形分25%)を28部、水52部とした以外は、顔料分散液1C、1M、1Y、1Kと同様の材料及び方法を用いることで、顔料分散液5(それぞれC、M、Y、K)を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、2-ブタノン72.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱し、アクリル酸2部、スチレン15部、アクリル酸メチル68部、メタクリル酸ラウリル15部、及び重合開始剤であるV-601(和光純薬社製)12部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合反応させ、V-601(和光純薬社製)0.6部を添加した後、さらに80℃で2時間反応を続けた。
重合性単量体として表2記載の単量体を使用した以外は、バインダー樹脂1と同様の操作で、バインダー樹脂2、3の水性化溶液(それぞれ固形分40%)を得た。なお、中和に際しては、使用したアクリル酸と同モル量のジメチルアミノエタノールを使用した。また表2には、バインダー樹脂1の場合と同様に算出した、バインダー樹脂2、3の酸価、及び、当該バインダー樹脂1の場合と同様に測定した、バインダー樹脂2、3の重量平均分子量についても、併せて記載した。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ポリエチレングリコールアリルエーテル450g、塩化白金酸の0.5質量%トルエン溶液0.5gを仕込み、窒素ガスで置換した。次いで、反応容器内を70℃に加熱したのち、ヘプタメチルトリシロキサン180gを30分かけて滴下した。その後、反応容器内を110℃まで加熱し、攪拌しながら3時間保持することで、上記材料を反応させたのち、低沸点成分を減圧下で留去することで、シロキサン系界面活性剤1を得た。なおシロキサン系界面活性剤1は、一般式1の構造で表され、R1=R3=CH 3 であり、R2は一般式2で表され、R4=C3 H6 、m=6、n=0、R5=Hである化合物である。
分子量が異なるポリエチレングリコールアリルエーテルを用い、また当該ポリエチレングリコールアリルエーテルの添加量を820g、ヘプタメチルトリシロキサンの添加量を180gとした以外は、シロキサン系界面活性剤1と同様の方法により、シロキサン系界面活性剤2を得た。なおシロキサン系界面活性剤2は、一般式1の構造で表され、R1=R3=CH 3 であり、R2は一般式2で表され、R4=C3H6、m=12、n=0、R5=Hである化合物である。
下記材料を、攪拌機を備えた混合容器内に順次投入し、十分に均一になるまで室温(25℃)にて攪拌した。その後、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、インクジェットヘッド詰まりの原因となる粗大粒子を除去することで、水性インクジェットシアンインキ1を得た。また顔料分散液2Cの代わりに、顔料分散液2M、2Y、2Kをそれぞれ使用することにより、シアン(C)、マゼンタ(M)イエロー(Y)、ブラック(K)の4色からなる水性インクジェット用インキのセット1を得た。
・顔料分散液2C 20部
・バインダー樹脂2の水性化溶液(固形分40%) 10部
・プロピレングリコール 25部
・シロキサン系界面活性剤1 1部
・プロキセルGXL(Lonza社製防腐剤、有効成分20%) 0.1部
・イオン交換水 43.9部
表3に記載の材料を使用した以外はインクジェット用インキのセット1と同様の方法により、シアン(C)、マゼンタ(M)イエロー(Y)、ブラック(K)の4色からなるインクジェット用インキのセット2~32を得た。
・TEGO Wet 280:エボニック社製、シロキサン系界面活性剤(ただしト リシロキサン骨格は有さない)
・サーフィノール104:エボニック社製、一般式3の構造で表され、R6=R7= イソブチル基である化合物、HLB値=3
・サーフィノール420:エボニック社製、一般式4の構造で表され、R8=R9= イソブチル基であり、R10及びR11はともに一般式2で表され、p=0.65、 q=0、R12=Hである化合物、HLB値=4
・サーフィノール465:エボニック社製、一般式4の構造で表され、R8=R9= イソブチル基であり、R10及びR11はともに一般式2で表され、p=5、q=0 、 R12=Hである化合物、HLB値=13
下記材料を、攪拌機を備えた混合容器内に投入し、室温(25℃)にて1時間攪拌したのち、50℃に加温し、更に1時間攪拌した。その後、混合物を室温まで冷却したのち、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過を行うことで、アンカーコート剤1を得た。
・ジョンクリル7100(BASF社製、スチレン(メタ)アクリル系樹脂粒子、固 形分48%、平均粒子径100nm) 10.4部
・ギ酸カルシウム 5.0部
・アデカノールUH-540(ADEKA社製増粘剤、有効成分30%)
3.3部
・2-プロパノール 5.0部
・プロキセルGXL 0.1部
・イオン交換水 76.2部
表4に記載の材料を使用した以外は、アンカーコート剤1と同様の方法により、アンカーコート剤2~20を製造した。
・PAS-M-1:ニットーボーメディカル社製、メチルジアリルアミン塩酸塩重合 体の50%水溶液
・サーフィノール440:エボニック社製、一般式4の構造で表され、R8=R9= イソブチル基であり、R10及びR11はともに一般式2で表され、p=1.75、 q=0、R12=Hである化合物、HLB値=8
・サーフィノール485:エボニック社製、一般式4の構造で表され、R8=R9= イソブチル基であり、R10及びR11はともに一般式2で表され、p=15、q= 0、R12=Hである化合物、HLB値=17
上記で製造したインキ及びアンカーコート剤を、表5に示したように組み合わせ、後述する方法で印刷物を作製した。そして、得られた当該印刷物を使って、下記の評価を行った。評価結果は表5に示した通りであった。
RK Print Coat Instruments社製KコントロールコーターK202、KハンドコーターNo.1を用い、上記で製造したアンカーコート剤のそれぞれを、下記フィルム基材にウェット膜厚が6μmになるよう塗布したのち、塗布後のフィルム基材を70℃のエアオーブンに投入した。そして70℃で3分間乾燥させることで、アンカーコート剤を付与したフィルム基材を作製した。
コンベア駆動速度を40m/分とし、上述した方法で、印字率100%のベタパターンが色ごとに隣接した画像の印刷を行った。そして得られた印刷物内のベタ部について、目視及びルーペでの観察を行い、画像均一性を評価した。評価基準は以下のとおりであり、2点以上を実用可能レベルであるとした。なお表5には、印刷を行った4色のうち、もっとも評価結果が悪かった色について、その結果を記載した。
5:ルーペで白抜けが見られず、目視でも白抜け・色ムラが見られなかった
4:ルーペでは白抜けが僅かに見られたが、目視では白抜け・色ムラが見られなかっ た
3:ルーペでは白抜けが見られたが、目視では白抜け・色ムラが見られなかった
2:目視で僅かに白抜けが見られた
1:目視で明らかに白抜けが見られた
コンベア駆動速度を40m/分とし、上述した方法で、5cm×5cmの大きさの単色ベタパッチ(印字率100%)が、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順番で隣接した画像の印刷を行った。そして得られた印刷物内の境界部について、目視及びルーペでの観察を行い、混色滲みを評価した。評価基準は以下のとおりであり、2点以上を実用可能レベルであるとした。なお表5には、もっとも評価結果が悪かった箇所の結果を記載した。
5:ルーペ及び目視では色間の境界で滲みが見られなかった
4:ルーペでは色間の境界で滲みが僅かに見られたが、目視では見られなかった
3:ルーペでは色間の境界で滲みが見られたが、目視では見られなかった
2:目視で僅かに色間の境界で滲みが見られた
1:目視で明らかに色間の境界で滲みが見られた
画像均一性の評価にて作製した印刷物内の、ブラックベタ(印字率100%)部を、エックスライト社製分光測色計eXactを使って濃度測定を行い、発色性を評価した。評価基準は以下のとおりであり、2点以上を実用可能レベルであるとした。なお、濃度測定条件は、光源D50、視野角2°、CIE表色系とした。
5:OD値が2.3以上
4:OD値が2.2以上2.3未満
3:OD値が2.1以上2.2未満
2:OD値が2.0以上2.1未満
1:OD値が2.0未満
コンベア駆動速度を50m/分、60m/分、70m/分、80m/分とした以外は同一の方法及び評価基準にて、上記画像均一性の評価及び上記混色滲みの評価を実施することで、高速印刷適性の評価を実施した。評価基準は以下のとおりであり、2点以上を実用可能レベルであるとした。
5:コンベア駆動速度80m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結果が、ど ちらも、コンベア駆動速度40m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結 果と同等であった
4:コンベア駆動速度70m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結果が、ど ちらも、コンベア駆動速度40m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結 果と同等であった
3:コンベア駆動速度60m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結果が、ど ちらも、コンベア駆動速度40m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結 果と同等であった
2:コンベア駆動速度50m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結果が、ど ちらも、コンベア駆動速度40m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結 果と同等であった
1:コンベア駆動速度50m/分で行った画像均一性及び混色滲みの評価結果のうち 少なくとも一方が、コンベア駆動速度40m/分で行った画像均一性及び混色滲 みの評価結果から悪化していた
インキ及びアンカーコート剤をそれぞれ密閉容器に入れ、60℃に設定した恒温器内に静置保存した。その後、1週間ごとに恒温器から密閉容器を取り出し、当該密閉容器内のインキ及びアンカーコート剤を用いて、上記画像均一性の評価及び上記混色滲みの評価を実施した。そして、静置保存前のインキ及びアンカーコート剤を用いて実施した、画像均一性の評価結果及び上記混色滲みの評価結果と比較することで、経時安定性の評価を行った。評価基準は以下のとおりであり、2点以上を実用可能レベルであるとした。
5:4週間静置保存したインキ及びアンカーコート剤を用いて行った画像均一性及び 混色滲みの評価結果が、どちらも、静置保存前のインキ及びアンカーコート剤を 用いて行った画像均一性及び混色滲みの評価結果と同等であった
4:3週間静置保存したインキ及びアンカーコート剤を用いて行った画像均一性及び 混色滲みの評価結果が、どちらも、静置保存前のインキ及びアンカーコート剤を 用いて行った画像均一性及び混色滲みの評価結果と同等であった
3:2週間静置保存したインキ及びアンカーコート剤を用いて行った画像均一性及び 混色滲みの評価結果が、どちらも、静置保存前のインキ及びアンカーコート剤を 用いて行った画像均一性及び混色滲みの評価結果と同等であった
2:1週間静置保存したインキ及びアンカーコート剤を用いて行った画像均一性及び 混色滲みの評価結果が、どちらも、静置保存前のインキ及びアンカーコート剤を 用いて行った画像均一性及び混色滲みの評価結果と同等であった
5:1週間静置保存したインキ及びアンカーコート剤を用いて行った画像均一性及び 混色滲みの評価結果のうち少なくとも一方が、静置保存前のインキ及びアンカー コート剤を用いて行った画像均一性及び混色滲みの評価結果から悪化していた
Claims (4)
- 水性インクジェット用インキとアンカーコート剤とを含む、記録液セットであって、
前記水性インクジェット用インキが、水、顔料、樹脂、有機溶剤、及び、界面活性剤を含み、
前記有機溶剤が、炭素数3~4のアルカンジオール系溶剤を含み、
前記界面活性剤が、トリシロキサン骨格を有する界面活性剤と、アセチレンジオール系界面活性剤とを含み、
前記アンカーコート剤が、水、アセチレンジオール系界面活性剤、及び、凝集剤を含み、
前記アンカーコート剤が含むアセチレンジオール系界面活性剤のHLB値が、4~12であり、
前記凝集剤が、20℃の水100gに対する溶解度が1~30g/100gH 2 Oである多価金属塩を含み、
前記水性インクジェット用インキ全量に対する前記樹脂の含有量をWR(質量%)、前記樹脂の酸価をAR(mgKOH/g)、前記アンカーコート剤全量に対する前記多価金属塩の含有量をWM(質量%)としたとき、下記式1の関係を満たす 、記録液セット。
[式1]
1000 ≦ Σ(WR×AR)×WM ≦ 3500
- 前記水性インクジェット用インキにおける、前記トリシロキサン骨格を有する界面活性剤の含有量と、前記アンカーコート剤における、前記多価金属塩の含有量との質量比が、0.01:1~1:1である、請求項1記載の記録液セット。
- 前記水性インクジェット用インキが含むアセチレンジオール系界面活性剤のHLB値が、8以下である、請求項1または2記載の記録液セット。
- 前記水性インクジェット用インキが含むアセチレンジオール系界面活性剤が、下記一般式3で表される化合物を含み、
前記アンカーコート剤が含むアセチレンジオール系界面活性剤が、下記一般式4で表される化合物を含む、請求項1~3いずれかに記載の記録液セット。
[一般式3]
(一般式3中、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基を表す。なお、前記アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよい。)
[一般式4]
(一般式4中、R 8 及びR 9 はそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基を表し、R 10 及びR 11 はそれぞれ独立に、水素原子または下記一般式5で表される基を表す。なお、前記アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、また、R 8 とR 9 、R 10 とR 11 は、それぞれ、互いに同一であっても異なっていても良いが、R 10 とR 11 がともに水素原子となることはない。)
[一般式5]
-O-{(EO)p-(PO)q}-R 12
(一般式5中、R 12 は水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、EOはエトキシ基、POはプロポキシ基、p、qは0~50の整数を表す。ただし、p+qは1以上の整数である。また、pが1以上かつqが1以上である場合、エトキシ基及びプロポキシ基の付加順序は問わず、付加はブロックでもランダムでもよい。)
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