JP7118749B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキンを使用した場合、装着者との間に生じた隙間から液が外部へ漏れやすい。このため、装着者に対するフィット性を高めるため、生理用ナプキン等の吸収性物品の前後方向の中央部において、厚さが厚い中高部を備える吸収体が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載される吸収体の構成では、就寝時に仰向けの姿勢を取ったときに臀部の寝具による潰れの変形を吸収できるように、中高部と後方部との間に、吸収体を幅方向に横切るように吸収材量の目付が他の領域よりも低い領域又は全くない領域が設けられている。
特開2016-67823号公報
このような吸収体を幅方向に横切るように目付が低い領域又は全くない領域を設ける場合、目付が低い領域又は全くない領域では剛性が低く、特に当該領域と中高部の剛性差が極めて大きいため、よれ等の不適切な変形が生じやすい。
本発明の課題は、不適切な変形が生じにくい吸収性物品に関する。
本発明の吸収性物品は、吸収性コアを具備する。
上記吸収性コアは、前後方向の両端部側に位置する前方コア部及び後方コア部と、上記前方コア部及び上記後方コア部の間に位置する中間コア部とを有する。
上記吸収性コアは、上記中間コア部と上記後方コア部との間に位置し、上記前後方向と直交する幅方向で上記吸収性コアを横切る境界部を有する。
上記境界部には、上記幅方向に連続又は非連続に延びる境界溝部と、上記境界溝部よりも高い坪量を有する小吸収部が設けられる。
上記中間コア部及び上記後方コア部には、上記境界溝部よりも坪量の高い領域が設けられる。
以上のように、本発明の吸収性物品によれば、不適切な変形を生じにくくすることが可能となる。
本発明の各実施形態に係る吸収性物品を示す斜視図である。 上記吸収性物品をXY平面に沿って引き延ばした態様を示す平面図である。 第1の実施形態に係る吸収性物品の吸収性コアを示す平面図である。 (A)は図3の吸収性コアの中間コア部と後方コア部との間の境界部P2付近の部分拡大平面図であり、(B)は図4(A)のIVB-IVB線で切断した吸収性コアの部分断面図である。 図2に示す吸収性物品の一部を構成する本発明の第2の実施形態に係る吸収性コアを説明するための図であって、(A)は吸収性コアの中間コア部と後方コア部との間の境界部P2付近の部分拡大平面図であり、(B)は図5(A)のVB-VB線で切断した吸収性コアの部分断面図である。 図2に示す吸収性物品の一部を構成する本発明の第3の実施形態に係る吸収性コアを説明するための図であって、吸収性コアの中間コア部と後方コア部との間の境界部P2付近の部分拡大平面図である。 図2に示す吸収性物品の一部を構成する本発明の第4の実施形態に係る吸収性コアを説明するための図であって、(A)は吸収性コアの中間コア部と後方コア部との間の境界部P2付近の部分拡大平面図であり、(B)は図7(A)のVIIB-VIIB線で切断した吸収性コアの部分断面図である。 図2に示す吸収性物品の一部を構成する本発明の第5の実施形態に係る吸収性コアを説明するための図であって、吸収性コアの中間コア部と後方コア部との間の境界部P2付近の部分拡大平面図である。 図2に示す吸収性物品の一部を構成する本発明の第6の実施形態に係る吸収性コアを説明するための図であって、吸収性コアの中間コア部と後方コア部との間の境界部P2付近の部分拡大平面図である。 吸収性物品の一部を構成する吸収性コアの中間コア部と後方コア部との間の境界部P2付近の部分拡大平面図であって、吸収性コアの括れと境界P2との他の位置関係を説明する図であり、また、境界部P2に設けられる境界溝部の他の配置例を説明する図である。 第4の実施形態に係る吸収性物品を装着者が装着したときの吸収性コアにおける境界部P2付近の状態を説明するための模式図であり、便宜的に吸収性コアのみが図示され、また、前方コア部、中間コア部及び後方コア部における横溝部の図示は省略されている。
<第1の実施形態>
[ナプキンの全体構成]
図1及び図2では、X軸方向が吸収性物品1の前後方向、Y軸方向が幅方向、Z軸方向が上下方向(厚み方向)にそれぞれ対応する。以下、図2に示す態様において吸収性物品1を説明する。
本実施形態の吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。本実施形態のナプキン1は、就寝時に使用されてもよく、例えば前後方向に沿って30cm以上の長さを有していてもよい。
図1及び図2に示すように、ナプキン1は、本実施形態において、本体Mと、一対のウイング部Wと、一対のサイドガードGと、一対の後方フラップ部Fと、を備える。
本体Mは、前後方向に延び、装着時に装着者の下着の内面(被装着面)に固定される。本体Mは、吸収体を有しており、装着者の経血等の液状物(以下、「液」とも称する)を吸収する機能を有する。
本体Mは、前後方向に沿って区分された、前方領域M1と、中間領域M2と、後方領域M3とを有する。
前方領域M1は、中間領域M2の前方(装着者の腹側)に配置される領域であり、装着時に装着者の***部の前方に対向するように構成される。
中間領域M2は、装着時に装着者の***部に対向するように構成される。なお、中間領域M2は、図示のように本体Mの前方寄りに位置してもよいし、本体Mの中央部に位置してもよい。
後方領域M3は、中間領域M2の後方(装着者の背側)に配置される領域であり、装着時に装着者の***部の後方に対向するように構成される。
ウイング部Wは、中間領域M2において、幅方向の外側に大きく突出するように構成される。
サイドガードGは、中間領域M2を含む本体Mの幅方向周縁において、前後方向に延びるように配置される。
後方フラップ部Fは、後方領域M3から幅方向の外方に膨出するように構成される。
なお、ナプキン1は、ウイング部W、サイドガードG、及び後方フラップ部Fのうちの少なくとも一つを有さなくてもよい。
[ナプキンの各部の構成]
図2に示すように、ナプキン1は、図示しない吸収体と、表面シート12と、図示しない裏面シートと、一対のサイドシート14と、圧搾溝部16と、を備える。本体Mにおいて、ナプキン1は、裏面シート、吸収体及び表面シート12が積層された構成を有する。
吸収体は、X軸方向に前後方向を有し、ナプキン1の厚み方向中央部に配置される。吸収体は、液を表面シート12側の面から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。
吸収体は、吸収性コア20と、図示しないコアラップシートと、を有する。
吸収性コア20は、液を吸収及び保持する機能を有する。吸収性コア20は、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体で形成されてもよいし、当該繊維集合体に吸水性ポリマーを保持させた構成を有していてもよい。
吸収性コア20に含まれる親水性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル、ポリアミド等の縮合系繊維等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
吸収性コア20に含まれる吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸-ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、でんぷん-アクリル酸グラフト共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
コアラップシートは、吸収性コア20を被覆し、例えば吸収性コア20の形状を保持する機能等を有する。コアラップシートは、例えばティッシュペーパーのような薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
表面シート12は、液透過性のシート材として構成され、吸収体上に配置される。表面シート12は、本体Mにおいてナプキン1の厚み方向上方の外面を構成する。
裏面シートは、吸収体を挟んで表面シート12と厚み方向に対向して配置される。裏面シートは、ナプキン1の厚み方向下方の外面を構成する。裏面シートは、例えば周縁部において、表面シート12及びサイドシート14と接着剤、熱シール等によって接合される。
一対のサイドシート14は、表面シート12を挟んで幅方向に相互に対向し、ナプキン1の幅方向周縁に配置される。
一対の圧搾溝部16は、吸収体及び表面シート12を圧搾加工することによって形成された線状溝として構成される。一対の圧搾溝部16は、表面シート12、コアラップシート及び吸収性コア20に形成され、前後方向に延びて幅方向に相互に対向する。
[吸収性コアの構成]
図3に示すように、吸収性コア20は、前後方向に相互に対向する前方コア部21及び後方コア部23と、前方コア部21及び後方コア部23の間に位置する中間コア部22と、を有する。前方コア部21は前方領域M1に位置し、中間コア部22は中間領域M2から後方コア部23に跨るように位置し、後方コア部23は後方領域M3に位置する。吸収性コア20は、幅方向において左右対称な平面形状を有する。
中間コア部22は、前方コア部21及び後方コア部23の幅よりも狭い幅を有する。つまり、吸収性コア20は、中間コア部22において幅方向に括れた平面形状を有する。
中間コア部22は、ナプキン1の装着時に装着者の***部である膣口に対向配置される***部対向部である。前方コア部21は中間コア部22よりも装着者の前側(腹側)寄りに配され、後方コア部23は中間コア部22よりも装着者の後側(背中側)寄りに配される。
前方コア部21、中間コア部22及び後方コア部23には、縦溝部27及び横溝部28が設けられ、そのうえ中間コア部22には周縁溝部29が設けられている。
更に、前方コア部21と中間コア部22との間の境界部P1には境界溝部30が設けられ、中間コア部22と後方コア部23との間の境界部P2には境界溝部31が設けられている。境界部P1及び境界部P2は、それぞれ吸収性コア20を幅方向に横切るように位置する。
以下の説明において、境界部P1とは前方コア部21及び中間コア部22の間のいずれにも属さない部分をいい、境界部P2とは後方コア部23及び中間コア部22の間のいずれにも属さない部分をいう。
本実施形態では、図3に示すように、平面視したときに吸収性コア20の幅方向における両側方部において、前後方向中央部から後方に向かって幅が増加し始める箇所に境界部P2が位置する例をあげるが、吸収性コア20の括れの位置が境界部P2を規定するものではない。例えば、図10に示すように、吸収性コア65が前後方向中央部から後方に向かって幅が斬増していく領域に、境界部P2が位置してもよい。尚、ここでは図10に図示する符号が付されている各構成についての説明を省略し、後述する。
吸収性コア20は、相対的に坪量が低い低坪量の縦溝部27、横溝部28、周縁溝部29、境界溝部30及び31によりブロック状に複数分割されている。これら溝部は、ブロック状に分割されてなるブロック部に対して、厚み方向の上面(装着者の肌側に位置する面)から下方に向かって沈み込むように構成される。一方、ブロック部は、厚み方向上方に突出するように構成される。このように、前方コア部21、中間コア部22及び後方コア部23には、溝部により分割された、境界溝部30、31よりも坪量の高い領域であるブロック部が設けられている。
吸収性コア20において、溝部が形成されている領域、すなわち溝部を形成する底部は、溝部が形成されていないブロック部の領域と比較して、相対的に厚みが薄くなっている。
吸収性コア20の厚みと坪量は相関関係にある。溝部を形成する底部は、ブロック部と比較して、相対的に坪量が低くなっている。これにより、溝部の底部は、ブロック部と比較して剛性が低くなる。したがって、吸収性コア20に対して外力が加わったとき、溝部を変形起点として吸収性コア20は変形しやすくなっている。
なお、変形し易さの観点からは、各溝部は、その周囲のブロック部よりも吸収性材料の坪量が小さいことが望ましい。
以下の説明において、前方コア部21、中間コア部22及び後方コア部23の坪量は、各溝部27,28,29,30,31を除くブロック部分の坪量をいうものとする。また、前方コア部21に位置するブロック部を前方ブロック部51、中間コア部22に位置するブロック部を中間低坪量ブロック部52又は中間高坪量ブロック部53、後方コア部23に位置するブロック部を後方ブロック部54と称する。
縦溝部27は、前後方向に沿って延び、幅方向に沿って間隔をあけて複数配列されている。縦溝部27は、前方コア部21、中間コア部22及び後方コア部23のそれぞれを幅方向に分割するように、前後方向の全長にわたって形成されている。
横溝部28は、幅方向に沿って延び、前後方向に沿って間隔をあけて配列されている。横溝部28は、前方コア部21、中間コア部22及び後方コア部23のそれぞれを前後方向に分割するように、幅方向の全長にわたって形成されている。なお、本実施形態では、境界部P1,P2に形成される境界溝部30及び31は横溝部28に含めない。
周縁溝部29は、後述する高坪量部24の前後方向外縁に沿って形成されている。低坪量で変形しやすい周縁溝部29を設けることによって、高坪量部24の周囲の変形が周縁溝部29に吸収されるため、高坪量部24が周囲の変形の影響を受けにくくなる。
なお、縦溝部27、横溝部28及び周縁溝部29の形状や配置などの構成は、図3に記載された構成に限定されず、吸収性コア20の形状や要求される機能等に基づいて適宜設定される。
境界溝部30及び31は、幅方向Yに延びるように、境界部P1、P2に配されている。吸収性コア20では、境界溝部30及び31は、横溝部28と平行に配列され、吸収性コア20を幅方向に横切るように位置し、境界部P1,P2に配列される。境界溝部30は幅方向に沿って連続して延在し、境界溝部31は幅方向に沿って非連続で延在する。
境界部P2は、中間コア部22のブロック部52及び53、後方コア部23のブロック部54よりも坪量が低い境界溝部31を含み、中間コア部22及び後方コア部23よりも剛性が低く変形しやすくなっている。境界部P2は、ナプキン1の装着時に、装着者の身体の曲率半径が大きい***部から臀部に向かう領域にほぼ対応して位置し、曲率半径の大きい領域の肌にフィットするように、境界部P2に設けられる境界溝部31を変形起点として変形しやすくなっている。境界部P1,P2付近の詳細な構成については後述する。
このように、低坪量で変形しやすい縦溝部27、横溝部28、周縁溝部29、境界溝部30及び31を設けることで、吸収性コア20の柔軟性を高めることができる。また、溝部を設けることにより溝の空間に***された液を素早く引き込み、吸収性コア20内に取り込むことができ、液吸収速度を高めることができる。また、吸収性コア20が複数のブロック部に区画されることで、吸収性コア20の表面積を高め、液を効率よく吸収し保持することができる。
[後方コア部の構成]
後方コア部23において、縦溝部27は5本配置されている。幅方向中央部に位置する3本の幅広の中央縦溝部27aは、これら3本の中央縦溝部27aを挟むように配置された一対の、中央縦溝部27aよりも幅が狭い、幅狭の側方縦溝部27bよりも幅方向における寸法が長くなっている。尚、縦溝部27a、27bというように特に区別する必要がない場合は、単に縦溝部27と称する。
後方コア部23に縦溝部27が設けられることにより、ナプキン1の装着時に、縦溝部27を変形起点として幅方向で臀部を包み込むように吸収性コア20が変形しやすくなり、臀部と装着者の肌との間の隙間が生じにくくなる。
更に、本実施形態では、後方コア部23において、幅方向中央部に、両側方部に位置する側方縦溝部27bよりも幅が広い中央縦溝部27aが位置しているので、中央部は、両側方部と比較して吸収性コア20の厚みが薄い領域が多くなり、曲げ方向の剛性が低くなる。したがって、ナプキン1が装着されて吸収性コア20に外力が加わったとき、後方コア部23では、幅方向の中央部が両側方部よりも優先的に変形しやすくなる。これにより、後方コア部23の幅方向中央部は臀裂に沿って変形しやすくなり、臀裂と装着者の肌との間の隙間が生じにくくなり、液を吸収性コア20により効率的に吸収することができ、液漏れの発生が抑制される。
また、後方コア部23において、横溝部28が設けられることにより、ナプキン1の装着時に、前後方向で臀部を包み込むように変形しやすくなり、臀部と装着者の肌との間の隙間が生じにくくなり、液漏れの発生が抑制される。
[中間コア部の構成]
図3に示すように、中間コア部22は、高坪量部24と、低坪量部25とを含む。図3では、高坪量部24を高密度のドットパターンで示し、低坪量部25を低密度のドットパターンで示している。低坪量部25は複数の中間低坪量ブロック部52を有し、高坪量部24は複数の中間高坪量ブロック部53を有する。
高坪量部24は、中間コア部22の幅方向中央部に形成され、装着時に装着者の***部
に対向するように配置される。高坪量部24は前後方向に延びる。
高坪量部24は、相対的に坪量が高く、前方コア部21及び後方コア部23、並びに低坪量部25より高い坪量を有する。このため、高坪量部24は、低坪量部25、前方コア部21及び後方コア部23から厚み方向上方に突出するように構成される。
低坪量部25は、高坪量部24の周囲に形成される、高坪量部24よりも坪量が低い部分である。低坪量部25は、高坪量部24の上面から下方に向かって沈み込むように構成される。
低坪量部25は、本実施形態において、高坪量部24の幅方向外側に、左右に分かれて配置される。
中間コア部22には、周縁溝部29と、1つの縦溝部27cと、4つの横溝部28が設けられている。ここでは、他のコア部に設けられる縦溝部27と区別するために中間コア部22に位置する縦溝部を縦溝部27cと称して説明するが、特に区別する必要がない場合は、単に縦溝部27と称する。
縦溝部27cは、高坪量部24の幅方向中央に位置する。縦溝部27cは、前方コア部21の幅方向中央に位置する縦溝部27と、後方コア部23の幅方向中央に位置する1つの幅広の中央縦溝部27aと同一直線上に位置し、境界溝部30、31を介して互いに連通している。縦溝部27cの幅は、同一直線上に位置する前方コア部21の縦溝部27及び後方コア部23の中央縦溝部27aよりも狭くなっている。
4つの横溝部28は、幅方向に沿って中間コア部22を横切るように等間隔で互いに平行に配置される。
吸収性コア20では、低坪量部25、前方コア部21及び後方コア部23、高坪量部24の順に坪量が高くなるように構成される。吸収性コア20では、坪量は剛性及び厚みに相関しており、吸収性コア20では、低坪量部25、前方コア部21及び後方コア部23、高坪量部24の順に剛性が高くなり、厚みが厚くなるように構成される。
本実施形態では、最も剛性の低い低坪量部25が、中間コア部22の幅方向外側に配置される。このため、装着者の脚等により幅方向内方へ向かう外力が付加された場合、低坪量部25が大きく幅方向に圧縮変形する。
一方で、低坪量部25の圧縮変形により、前後方向(X軸方向)の成分を含む張力(引っ張り力)が発生するが、低坪量部25は剛性が低いため、前方コア部21及び後方コア部23を変形させるような大きな張力が発生しにくい。つまり、低坪量部25は、幅方向内方へ向かう外力の緩衝領域として作用し、外力の影響が前方コア部21及び後方コア部23へ伝搬することを防止できる。
また、低坪量部25により外力が緩衝されることで、中間コア部22の幅方向中央部に位置する高坪量部24の変形も防止することができる。したがって、***部と高坪量部24との間に隙間ができることを防止し、前方及び後方に加えて、幅方向の液漏れも防止することができる。
このように、前方コア部21及び後方コア部23は、低坪量部25によって、幅方向内方へ向かう外力の影響を受けにくくなる。
また、低坪量部25の圧縮変形に伴う張力は、中間コア部22と、前方コア部21及び後方コア部23との間の境界部P1,P2付近に特に作用しやすい。そこで、当該張力の影響をより低減させるため、境界部P1,P2付近に配置される各部を以下のように構成することができる。
[境界部付近の構成]
図3に示すように、高坪量部24の前後方向端部は、それぞれ前方向、後方向の先端に向かって幅が漸減する形状を有する。これにより、中間コア部22の境界部P1,P2に隣接する領域において、外力の緩衝領域として作用する低坪量部25の占める割合を大きくすることができる。したがって、低坪量部25による外力緩衝作用を高め、前方コア部21及び後方コア部23の不適切な形状への変形を効果的に防止することができる。
図3及び図4において、高坪量部24を構成する複数の中間高坪量ブロック部53のうち境界部P2側に位置する2つの中間高坪量ブロック部53を、中間高坪量ブロック部53aと称する。また、後方コア部23に位置する後方ブロック部54のうち、境界部P2に隣接し、幅方向中央部に位置する2つの後方ブロック部54を、後方ブロック部54aと称する。尚、中間高坪量ブロック部53a、後方ブロック部54aと特に区別する必要がない場合は、単に中間高坪量ブロック部53、後方ブロック部54と称する。
吸収性コア20では、境界部P1及びP2は、前後方向における寸法が吸収性コア20の幅方向に沿って均一となるように等幅となっている。境界部P1及びP2は、横溝部28と平行に位置する。
境界部P1は、境界溝部30を含み、境界溝部30により前方コア部21と中間コア部22とが分けられている。
境界部P2には、図3及び図4(A)に示すように、平面視したとき、境界溝部31と小吸収部35が設けられている。境界溝部31により中間コア部22の中間低坪量ブロック部52及び中間高坪量ブロック部53と、後方コア部23の後方ブロック部54とが分けられている。
小吸収部35は、境界部P2の幅方向中央部に位置する。
小吸収部35は、境界溝部31よりも坪量が高く、吸収性コア20の厚み方向における厚みも境界溝部31よりも厚く、境界溝部31を形成する底面からみて厚み方向上方に突出するように形成された突出部である。
小吸収部35は、小吸収部片35aと小吸収部片35bから構成される。小吸収部片35aと小吸収部片35bは、幅方向に沿って互いに離間し、後述する第2の境界溝部31bを介して互いに対向して位置する。小吸収部片35aと小吸収部片35bはそれぞれ前後方向に境界部P2を横切るように位置する。
吸収性コア20では、境界溝部31は、幅方向に沿って、非連続に吸収性コア20を横切るように幅方向に沿って延在する。境界溝部31は、第1の境界溝部31aと、第2の境界溝部31bと、第3の境界溝部31cとから構成される。
第1の境界溝部31aと第3の境界溝部31cとは、小吸収部35を介して相互に対向して幅方向に沿って位置する。
第2の境界溝部31bは、縦溝部27c及び後方コア部の幅方向中央に位置する1つの中央縦溝部27aと連通し、これら縦溝部と同一直線上に位置し、前後方向全長に亘って連続した1つの縦溝部27を形成する。第2の境界溝部31bは、小吸収部片35aと小吸収部片35bとの間に位置する。
境界部P2の幅方向における小吸収部35が設けられる領域において、境界溝部31は、前後方向における寸法である溝幅が境界部P2の前後方向における寸法よりも短くなっており、本実施形態では溝幅が0となっている。このように、小吸収部35が位置することにより境界溝部31は非連続に延在した形状となっている。
図3及び図4に示すように、中間高坪量ブロック部53aと後方ブロック部54aとは、それぞれ小吸収部片35a(35b)と連結し、小吸収部片35a(35b)を介して連なった形状となっている。中間高坪量ブロック部53a、小吸収部片35a(35b)及び後方ブロック部54aが連なってなるブロック部71は、平面視したときに、前後方向に延在し、前後方向中央部付近に、幅方向の寸法が狭くなる括れ部を有する形状となっている。括れ部は境界部P2に位置する。ブロック部71は2つ設けられる。吸収性コア20を平面視したとき、2つのブロック部71は、吸収性コア20の幅方向中央に位置し同一直線上にある縦溝部27c、第2の境界溝部31b及び中央縦溝部27aに対して左右対称(線対称)の位置関係で配置される。
図4(B)に示すように、ブロック部71において、小吸収部片35aは、中間高坪量ブロック部53aから後方ブロック部54aに向かって徐々に厚みが減少していくように構成され、小吸収部片35bについても同様である。尚、小吸収部35の厚みはXY平面内で均一であってもよい。例えば、小吸収部35の厚みは、中間高坪量ブロック部53aや後方ブロック部54aの厚みと同等であってもよく、境界溝部31の底面の厚みよりも厚く、境界溝部31よりも坪量が高ければよい。
図4(A)に示すように、中間コア部22の境界部P2に隣接する中間低坪量ブロック部52と、後方コア部23の境界部P2に隣接する後方ブロック部54であって幅方向中央部に位置する2つの後方ブロック部54aを除く後方ブロック部54とは、第1の境界溝部31a及び第3の境界溝部31cによって隔てられ離間して配置される。
第1の境界溝部31aは、図4(A)において、後方コア部23の左側に配列される2つの縦溝部27と連通する。第3の境界溝部31cは、後方コア部23の右側に配列される2つの縦溝部27と連通する。
このように、吸収性コア20において、境界部P2に、ブロック部52,53及び54よりも低坪量で剛性の低い境界溝部31を設けることにより、ナプキン1を装着したときに、股下部から後方部にかけて境界溝部31を変形起点として体の形状に沿って吸収性コア20が変形しやすくなり、体へのフィット性が向上する。
同様に、境界部P1においても、境界溝30を設けることにより、股下部から前方部にかけて境界溝部30を変形起点として体の形状に沿って吸収性コア20が変形しやすくなり、体へのフィット性が向上する。
また、境界溝部31を設けることにより、ナプキン1の装着時に、後方コア部23に発生する変形が境界溝部31で吸収されて中間コア部22に伝播しにくい。例えば、後方コア部23で生じた変形に追従して境界部P2が変形しても、境界部P2は境界溝部31を含むことにより中間コア部22及び後方コア部23に比して剛性が低いため、境界溝部31での変形が中間コア部22に伝播しにくい。同様に、中間コア部22に発生する変形は後方コア部23に伝播しにくい。
従って、境界溝部31を設けることにより、中間コア部22と後方コア部23との間で、一方で生じた変形が他方に及ぼす影響を低減させることができ、他方の不適切な形状への変形に起因する吸収性コア20の壊れ、装着ずれ等を抑制することができ、液漏れを抑制することができる。
更に、境界溝部31を設けることにより相対的に剛性が低くなっている境界部P2に、境界溝部31よりも坪量の高い小吸収部35を設けることにより、小吸収部35を設けない場合と比較して境界部P2の曲げ強度が向上する。これにより、例えば装着者の激しい動きにより境界部P2に外力が加わっても、境界部P2での過度な変形、例えばよれや千切れなどの発生を抑制することができ、また、吸収性コア20の壊れ等の発生を抑制することができる。このように吸収性コア20に不適切な変形が生じにくくなるため、液漏れが生じにくくなる。
以上のように、境界部P2に境界溝部31及び小吸収部35を設けることにより、体へのフィット性を向上させつつ、境界部P2でのよれや千切れ等の発生が抑制されるため、装着者が激しい動きをしても、吸収性コア20に不適切な変形が生じにくく、液漏れが生じにくくなる。
また、小吸収部35を吸収性コア20の幅方向中央部に設けることにより、境界溝部31を、幅方向中心線に対して左右対称の形状で配置することができる。これにより、境界部P2における吸収性コア20の形状保持性を向上させることができ、不適切な吸収性コア20の変形が抑制される。また、幅方向中央部に小吸収部35を設けることにより、液吸収後のナプキン1においても、左右のバランスをうまくとることができ、形状保持性を向上させることができる。
また、中間コア部22の中間高坪量ブロック部53aと小吸収部片35a(35b)は連結し、更に小吸収部片35a(35b)と後方コア部23の後方ブロック部54aとは連結しているので、中間高坪量ブロック部53aで取り込まれた液は、小吸収部片35a(35b)を介して後方ブロック部54aへと速やかに拡散されやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができるため、幅方向への液漏れを抑制することができる。
また、後方コア部23に縦溝部27を設けることにより、ナプキン1の装着時において、後方ブロック部54の変形が抑制される。
すなわち、後方コア部23に対して装着者の左右の臀部により幅方向内方へ向かう外力が付加された場合、低坪量の縦溝部27によって幅方向内方へ向かう外力を緩衝することができ、後方ブロック部54の変形が抑制される。
尚、中間高坪量ブロック部53aと後方ブロック部54aとは小吸収部片35a(35b)を介して連結しているが、ブロック部71は括れた形状を有しているので、ブロック部71において、高坪量部24で生じた変形は、幅狭の括れ部分により後方ブロック部54aに伝播されにくく、また、同様に、後方ブロック部54aで生じた変形は幅狭の括れ部分により中間高坪量ブロック部53aに伝播されにくい。
また、後方コア部23に配列される縦溝部27は境界溝部31と連通している。後方コア部23に縦溝部27が配列されることにより、幅方向の外力が付加されたときに縦溝部27を変形起点として後方コア部23は変形しやすくなっている。この際、後方コア部23の縦溝部27に加わる外力は、当該縦溝部27と連通する境界溝部31へ伝播する。境界溝部31は剛性が低いため伝播された外力を吸収するので、後方ブロック部54へ外力が加わりにくく後方ブロック部54の壊れが抑制され、更に、後方コア部23で生じた変形が、中間コア部22の高坪量部24へ伝播しにくい。
また、図3及び図4(A)に示すように、後方コア部23の幅方向中央に位置する1つの中央縦溝部27aと中間コア部22の縦溝部27cとは、第2の境界溝部31bを介して連通している。これにより、中間コア部22の縦溝部27cの空間に引き込まれた液は溝部を通って後方へ拡散しやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができ、幅方向への液漏れを抑制することができる。
また、後方コア部23に位置する5つの縦溝部27のうち幅方向中央に位置する1つの中央縦溝部27a以外の4つの縦溝部27は、第1の境界溝部31a又は第3の境界溝部31cと連通している。更に、第1の境界溝部31a及び第3の境界溝部31cと、周縁溝部29とは連通している。これにより、中間コア部22の周縁溝部29の空間に引き込まれた液は、第1の境界溝部31a及び第3の境界溝部31cを介して後方コア部23に配列される縦溝部27へ拡散しやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができ、幅方向への液漏れを抑制することができる。
また、平面視したときに、小吸収部35は、後方コア部23の幅方向中央に位置する1つの中央縦溝部27aの前後方向延長線上に位置している。これにより、後方コア部23の幅方向中央に中央縦溝部27aが配列されない構成と比較して、後方コア部23の変形が、小吸収部35を介して中間コア部22へ伝播することがより抑制される。
また、後方コア部23には、縦溝部27と交わる複数の横溝部28が設けられている。これにより、後方コア部23に加わる外力が、縦溝部27に加え横溝部28によっても分散されることになり、高坪量部24への後方コア部23の変形の伝播が更に抑制される。
また、境界溝31は、横溝部28よりも溝幅が広くなっていてもよい。これにより、装着者の身体の曲率半径が大きい***部から後方部にかけた領域に対応する中間コア部22から後方コア部23にかけた吸収性コア20の変形が容易となり、肌と吸収性コア20との隙間が低減される。更に、溝幅が広い境界溝31により後方コア部23の変形が中間コア22に及ぼす影響が低減されるので、高坪量部24が装着者の肌側に向かって盛り上がるよう高坪量部24の起立性を高めることができ、高坪量部24と肌との隙間が低減される。
また、吸収性コア20は、前方コア部21及び後方コア部23よりも幅狭な中間コア部22を有している。これにより、装着者の両脚が閉じ股間幅が狭くなった場合に、高坪量部24に付加される幅方向内側への外力を低減させることができる。また、高坪量部24の起立性を高めることができる。
(吸収性コアの製造方法)
複数の溝部によってブロック状に区画され、凹凸構造を有する上記の吸収性コア20は、例えば外周面に集積用凹部を有する積繊ドラムを備える積繊装置を用いて製造することができる。積繊装置では、積繊ドラムの外周面にパルプ繊維等のコア材料を供給することにより、集積用凹部内にコア材料を堆積させる。この堆積してなる積繊体を集積用凹部から離型することによって吸収性コアを得ることができる。
積繊装置を用いた吸収性コア20の製造では、境界部P2に配置される小吸収部35を形成するために、用いる積繊ドラムの集積用凹部に、ブロック部形成用の凹部の他、小吸収部形成用の凹部も設けられている。集積用凹部の凹部にコア材料が堆積されることによりブロック部51~54及び小吸収部35が形成される。
<他の実施形態>
以下、他の実施形態について第2~第6の実施形態をあげて説明する。以下の各実施形態においては、吸収性コアにおける中間コア部22と後方コア部23との境界部P2付近の構造が異なる点でのみ、第1の実施形態と相違する。以下の各実施形態で説明する吸収性コアを備えたナプキンの外観は、図1に示す斜視図及び図2に示す平面図と同様である。また、各実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については、同様の効果を奏している。
以下の各実施形態においても、第1の実施形態と同様に、中間コア部22及び後方コア部23それぞれに位置するブロック部の坪量は境界溝部よりも高くなっている。
以下では、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合があり、主に異なる構成について説明する。
<第2の実施形態>
図5を用いて第2の実施形態のナプキン1の吸収性コア60について説明する。
吸収性コア60では、図5(B)に示すように、小吸収部36が、延在部58を含む形状である。延在部58は、中間コア部22に位置する中間高坪量ブロック部53aの上部が前後方向に境界部P2を横切るように後方ブロック部54aまで延在している庇状の部分である。以下、詳細に説明する。
吸収性コア60の境界部P2には、小吸収部36と、境界溝部80が設けられている。
図5(B)に示すように、小吸収部36は、吸収性コア60を平面視したときに延在部58と重なり合う境界溝部80の一部80dと、延在部58とを含む。
境界溝部80は、吸収性コア60を幅方向に沿って横切るように連続した形状で配列されるが、図5(A)及び(B)に示すように、境界溝部80の幅方向中央部を覆うように庇状の延在部58が位置するため、平面視したとき、延在部58の存在によって境界溝部80は非連続の形状をとる。
平面視したとき、境界溝部80は、第1の境界溝部80aと、第2の境界溝部80bと、第3の境界溝部80cとを有する。平面視した形状は、第1の実施形態と同様である。
ここで、小吸収部36の坪量とは、小吸収部36を構成する延在部58と境界溝部80の一部80dの両方を含めた坪量を指す。また、小吸収部36の厚みとは、延在部58の厚みと、境界溝部80の一部80dの厚みとの和を指す。
小吸収部36の坪量は、境界溝部80の坪量よりも高くなっており、境界溝部80の厚みは、小吸収部36の厚みよりも薄くなっている。
小吸収部36は、小吸収部片36aと小吸収部片36bとから構成される。小吸収部片36aは、2つの中間高坪量ブロック部53aの一方から延在する延在部58とこれに対応する境界溝部80の一部80dとからなる。小吸収部片36bは、2つの中間高坪量ブロック部53aの他方から延在する延在部58とこれに対応する境界溝部80の一部80dとからなる。
小吸収部36を構成する延在部58は中間高坪量ブロック部53aと連結している。更に、延在部58は、後方コア部23の後方ブロック部54aまで延在しており、後方ブロック部54aと当接する。
従って、平面視したときに、中間高坪量ブロック部53aと、小吸収部片36a(36b)と、後方ブロック部54aとは連なってブロック部72を形成する。ブロック部72は、前後方向に延在し、前後方向中央部付近に、幅方向の寸法が狭くなる括れ部を有する形状となっており、当該括れ部は境界部P2に位置する。ブロック部72は2つ設けられる。
凹凸構造を有する上述の吸収性コア60は、第1の実施形態と同様に、外周面に集積用凹部を有する積繊ドラムを備える積繊装置を用いて製造することができる。
積繊装置を用いた吸収性コア60の製造では、用いる積繊ドラムの集積用凹部には、ブロック部形成用の凹部が設けられており、境界部P2に配置される小吸収部36を形成するための凹部は設けられていない。このような積繊ドラムを用い、積繊ドラムの回転速度や回転方向、コア材料の供給量等を調整することによって、図5(B)に示すように、中間コア部22の中間高坪量ブロック部53aの上部から後方コア部23の後方ブロック部54bに向かって境界溝部80の一部80dを覆うようにコア材料が延在してなる延在部58を形成することができる。
このように、小吸収部36は、中間高坪量ブロック部53aからコア材料が延在してなる庇状の延在部58を含んでもよい。本実施形態においては、延在部58が後方ブロック部54と当接するように延在しているので、中間高坪量ブロック部53aで取り込まれた液は、小吸収部36を介して後方ブロック部54aへと速やかに拡散されやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができるため、幅方向への液漏れを抑制することができる。
また、後方コア部23に位置する縦溝部27の全てが、連続して延在する1つの境界溝部80と連通している。
これにより、後方コア部23の各縦溝部27に加わる外力は、境界溝部80へ効率よく分散されて伝播されるので、境界溝部80において伝播された外力が局所的に集中しにくく、境界溝部80で伝播された外力を効率よく吸収することができる。したがって、後方コア部23で生じた変形が、中間コア部22へより伝播しにくくなる。
更に、後方コア部23に位置する全ての縦溝部27と境界溝部80とが連通していることにより、中間コア部22の縦溝部27c及び周縁溝部29の空間に引き込まれた液は、境界溝部80を介して後方コア部23に配列される縦溝部27へ拡散しやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができ、幅方向への液漏れを抑制することができる。
尚、本実施形態では、庇状の延在部58が中間高坪量部53aの上部から延在して形成された構成を説明したが、後方ブロック部54aの上部から庇状の延在部が延在し、当該延在部が中間高坪量部53aと当接するように構成してもよい。
<第3の実施形態>
図6を用いて本実施形態のナプキン1の吸収性コア61について説明する。
上述の実施形態では、平面視したときに、小吸収部が2つの小吸収部片から構成される例をあげたが、図6に示すように、小吸収部37が1つの小吸収部片から構成されてもよい。
図6に示すように、吸収性コア61の境界部P2には、小吸収部37と、境界溝部81が設けられている。
小吸収部37は、境界部P2の幅方向中央部に位置し、境界溝部81よりも坪量が高い。小吸収部37は、境界部P2の前後方向に沿って境界部P2を横切るように設けられている。
境界溝部81は、小吸収部37を介して幅方向に対向して位置する一対の境界溝部81aと境界溝部81bとから構成される。境界溝部81は、小吸収部37の存在により非連続で吸収性コア61を幅方向に横切るように位置する。
図6に示すように、2つの中間高坪量ブロック部53aと2つの後方ブロック部54aとは、それぞれ小吸収部37と連結し、小吸収部37を介して連なった形状となっている。2つの中間高坪量ブロック部53a、小吸収部37及び2つの後方ブロック部54aが連なってなるブロック部73は、平面視したときにX字形状を有し、幅方向中心線に対して左右対称の形状となっている。ブロック部73は、前後方向に延在し、前後方向中央部付近に、幅方向の寸法が狭くなる括れ部を有する形状となっており、当該括れ部は境界部P2に位置する。
ブロック部73において、小吸収部37は、例えば、第1の実施形態と同様に、中間高坪量ブロック部53aから後方ブロック部54aに向かって徐々に厚みが減少していくように構成されもよいし、XY平面内における厚みが均一となるように構成されてもよい。或いは、第2の実施形態と同様に、中間高坪量ブロック部53aの上部が延在した延在部が小吸収部37の一部を構成してもよい。
ここでは、第1の実施形態と同様の中間高坪量ブロック部53aから後方ブロック部54aに向かって徐々に厚みが減少していく形状を例にあげて説明する。
本実施形態では、平面及び断面の双方からみて、後方コア部23の幅方向中央に位置する1つの中央縦溝部27aと中間コア部22の縦溝部27cとは、間に小吸収部37を介することにより相互に連通していない。
本実施形態では、小吸収部の幅方向の寸法が同じである場合、第1の実施形態のように小吸収部35の幅方向中央に第2の境界溝部81bがある構成と比較して、小吸収部37の形成面積を大きくとることができる。これにより、より境界部P2の曲げ強度を向上させることができる。また、小吸収部35の形成面積を大きくとることにより中間高坪量ブロック部53aで取り込まれた液を、小吸収部37を介して後方ブロック部54aへとより速やかに拡散することができる。
<第4の実施形態>
図7を用いて本実施形態のナプキン1の吸収性コア62について説明する。
上述の各実施形態では、平面視したときに、境界溝部が非連続に延在した形状を有していたが、図7に示すように、平面視したときに、境界溝部82が吸収性コア62を幅方向に横切って幅方向全長に亘って連続的に延在する形状を有してもよく、小吸収部38が、中間高坪量ブロック部53aと後方ブロック部54aのいずれとも連結又は当接せず、分離されたブロック形状を有していてもよい。
図7に示すように、境界部P2には、小吸収部38と、境界溝部82が設けられている。
小吸収部38は、境界部P2の幅方向中央部に位置し、境界溝部82よりも坪量が高く、小吸収部38の厚みは、境界溝部82よりも厚くなっている。小吸収部38の前後方向における寸法は、境界部P2の前後方向における寸法よりも短い。尚、ここでは、小吸収部38の平面形状を矩形としたがこれに限定されない。
小吸収部38は、境界溝部82の外形により囲まれた領域の内側に位置する。境界部P2の幅方向における小吸収部38が設けられる領域での境界溝部82の溝幅の寸法は、境界部P2の前後方向の寸法と小吸収部38の前後方向の寸法との差とする。境界溝部82は、連続して吸収性コア62を幅方向に横切るように位置し、その溝幅の寸法は、幅方向中央部で短くなるように構成される。
図7(A)、(B)に示すように、2つの中間高坪量ブロック部53aと2つの後方ブロック部54aとは、それぞれ小吸収部38と連結していない。しかしながら、図11に示すように、装着者Pが、ショーツSにナプキン1を固定して装着した際、吸収性コア62の境界部P2付近では、吸収性コア62が装着者の体に沿って変形することにより、小吸収部38は、中間高坪量ブロック部53a、後方ブロック部54aと当接する形状となる。
したがって、ナプキン1の装着時、中間コア部22の中間高坪量ブロック部53aと小吸収部38は当接し、更に小吸収部38と後方コア部23の後方ブロック部54aとは当接するので、中間高坪量ブロック部53aで取り込まれた液は、小吸収部38を介して後方ブロック部54aへと速やかに拡散されやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができるため、幅方向への液漏れを抑制することができる。
また、後方コア部23に位置する縦溝部27の全てが、連続して延在する1つの境界溝部82と連通している。
これにより、後方コア部23の各縦溝部27に加わる外力は、境界溝部82へと効率よく分散されて伝播されるので、境界溝部82において伝播された外力が局所的に集中しにくく、境界溝部82で伝播された外力を効率よく吸収することができる。したがって、後方コア部23で生じた変形が、中間コア部22へより伝播しにくくなる。
更に、後方コア部23に位置する全ての縦溝部27と、境界溝部82と、中間コア部22の縦溝部27cと、周縁溝部29とが連通していることにより、中間コア部22の縦溝部27c及び周縁溝部29の空間に引き込まれた液は、境界溝部82を介して後方コア部23に配列される縦溝部27へ拡散しやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができ、幅方向への液漏れを抑制することができる。
このように、ナプキン1をXY平面に沿って引き延ばした態様で小吸収部38が中間高坪量ブロック部53a、後方ブロック部54aと連結又は当接していなくとも、装着時に当接可能となるように小吸収部38を設けることができる。
<第5の実施形態>
図8を用いて本実施形態のナプキン1の吸収性コア63について説明する。
本実施形態では、第4の実施形態と同様に境界溝部が吸収性コアを幅方向に横切るように幅方向全長に亘って連続して形成される場合の他の構成について説明する。
図8に示すように、本実施形態では、平面視したときに、小吸収部39は、中間高坪量ブロック部53aと連結し、後方ブロック部54aとは連結していない形状を有している。
図8に示すように、境界部P2には、小吸収部39と、境界溝部83が設けられている。
小吸収部39は、境界部P2の幅方向中央部に位置し、境界溝部83よりも坪量が高く、小吸収部39の厚みは、境界溝部83よりも厚くなっている。小吸収部39の前後方向における寸法は、境界部P2の前後方向における寸法よりも短い。境界部P2の幅方向における小吸収部39が設けられる領域での境界溝部83の溝幅の寸法は、境界部P2の前後方向の寸法と小吸収部39の前後方向の寸法との差とする。境界溝部83は、連続して吸収性コア63を幅方向に横切るように位置し、その溝幅は、小吸収部39が設けられることにより幅方向中央部で狭くなるように構成される。
図8に示すように、2つの中間高坪量ブロック部53aと小吸収部39は連結してブロック部74を形成する。小吸収部39と2つの後方ブロック部54aとは連結していないが、第4の実施形態と同様に、ナプキン1の装着時、吸収性コア63の境界部P2付近では、吸収性コア63が装着者の体に沿って変形することにより、ブロック部74の小吸収部39は、後方ブロック部54aと当接した形状となる。
したがって、ナプキン1の装着時、中間コア部22の中間高坪量ブロック部53aと後方コア部23の後方ブロック部54aとは小吸収部39を介して連なるので、中間高坪量ブロック部53aで取り込まれた液は、小吸収部39を介して後方ブロック部54aへと速やかに拡散されやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができるため、幅方向への液漏れを抑制することができる。
また、後方コア部23に位置する縦溝部27の全てが、連続して延在する1つの境界溝部83と連通しているので、後方コア部23で生じた変形が、中間コア部22へより伝播しにくくなる。
更に、後方コア部23に位置する全ての縦溝部27と、境界溝部83と、中間コア部22の周縁溝部29とが連通していることにより、中間コア部22の周縁溝部29の空間に引き込まれた液は、境界溝部83を介して後方コア部23に配列される縦溝部27へ拡散しやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができ、幅方向への液漏れを抑制することができる。
本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、小吸収体39が、中間高坪量ブロック部53aの上部が延在した庇状の延在部を含むように構成されてもよい。
<第6の実施形態>
図9を用いて本実施形態のナプキン1の吸収性コア64について説明する。
本実施形態では、第4の実施形態と同様に境界溝部84が吸収性コア64を幅方向に横切るように幅方向全長に亘って連続して形成される場合の更に他の構成について説明する。
図9に示すように、本実施形態では、平面視したときに、小吸収部40は、後方ブロック部54aと連結し、中間高坪量ブロック部53aとは連結していない形状を有している。
図9に示すように、境界部P2には、小吸収部40と、境界溝部84が設けられている。
小吸収部40は、境界部P2の幅方向中央部に位置し、境界溝部84よりも坪量が高く、小吸収部40の厚みは、境界溝部84よりも厚くなっている。小吸収部40の前後方向における寸法は、境界部P2の前後方向における寸法よりも短い。境界部P2の幅方向における小吸収部40が設けられる領域での境界溝部84の溝幅の寸法は、境界部P2の前後方向の寸法と小吸収部40の前後方向の寸法との差とする。境界溝部84は、連続して吸収性コア64を幅方向に横切るように位置し、その溝幅は、小吸収部40が設けられることにより幅方向中央部で狭くなるように構成される。
図9に示すように、後方ブロック部54aと小吸収体40は連結しているが、中間高坪量ブロック部53aと小吸収40とは連結していない。しかしながら、第4の実施形態と同様に、ナプキン1の装着時、吸収性コア64の境界部P2付近では、吸収性コア64が装着者の体に沿って変形することにより、後方ブロック部54aに連結する小吸収部40は、中間高坪量ブロック部53aと当接する形状となる。
したがって、ナプキン1の装着時、中間コア部22の中間高坪量ブロック部53aと後方ブロック部54aに連結する小吸収部40とは連なるので、中間高坪量ブロック部53aで取り込まれた液は、小吸収部40を介して後方ブロック部54aへと速やかに拡散されやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができるため、幅方向への液漏れを抑制することができる。
また、後方コア部23に位置する縦溝部27の全てが、連続して延在する1つの境界溝部84と連通しているので、後方コア部23で生じた変形が、中間コア部22へより伝播しにくくなる。
更に、後方コア部23に位置する5つの縦溝部27は、境界溝部84を介して、中間コア部22に位置する縦溝部27c及び周縁溝部29と連通している。これにより、中間コア部22の縦溝部27c及び周縁溝部29の空間に引き込まれた液は、境界溝部84を介して後方コア部23に配列される縦溝部27へ拡散しやすくなる。これにより、中間コア部22で液だまりしにくくなりナプキン1の後方部へも効率よく液を拡散することができ、幅方向への液漏れを抑制することができる。
本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、小吸収体40が、後方ブロック部54aの上部が中間コア部22に向かって延在した庇状の延在部を含むように構成されてもよい。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば本発明の実施形態は各実施形態を組み合わせた実施形態とすることができる。
例えば、上述の実施形態では、中間コア部22が、前方コア部21及び後方コア部23よりも幅狭の構成である場合について説明したが、同等の幅で、括れのない吸収性コアであってもよい。
また、境界部P2の前後方向における寸法が幅方向に沿って同等となる形状、換言すると、幅方向に沿って等幅で延在する形状をあげたが、これに限定されない。吸収性コアを幅方向で横切り、前後方向における寸法が幅方向で異なる境界部P2としてもよい。このような場合、境界部P2において小吸収部が設けられない部分が境界溝部となる。このような場合においても、境界部P2の少なくとも一部に小吸収部が設けられることにより、境界部P2による過度の変形が抑制される。
また、境界溝部は幅方向に平行な形態に限定されるものではなく、屈曲していたり湾曲している形態であったり、溝の前後縁が波状であっても良い。
また、上記各実施形態では、境界溝部31,80~84の幅方向に沿った全長と、境界部P2の幅方向に沿った全長が同じとなっているが、これに限定されない。
例えば、図10に示すように、境界部P2の幅方向の両側方部に1つずつ後方コア部54と連結した小吸収部41が設けられていてもよい。境界溝部31が、装着者の身体の曲率半径が大きい***部から後方部にかけた領域に対応する吸収性コアが前後方向で境界溝部31を変形起点として変形しやすく、また、中間コア部22(後方コア部23)の変形が後方コア部23(中間コア部22)へ及ぼす影響を抑制する程度に、ある程度の全長を持って形成されていればよい。
また、上記各実施形態では、吸収性物品として生理用ナプキンの例を示したが、これに限定されない。本発明の吸収性物品は、例えば、失禁パットやおりものシート、使い捨ておむつ等であってもよい。
<上記の実施形態の追加説明>
上記の実施形態の説明を補足する。
(溝部の幅の測定方法)
溝部の幅は、溝部の開口部における幅を測定することにより求める。吸収性コアを水平に置き、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX-1000)により測定倍率を調整して吸収性コアの上面を拡大することで、開口幅を測定する。
或いは、フェザー社製片刃剃刀を用いて吸収性コア20を切断し、切断されたサンプルの断面を、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX-1000)を用いて20~100倍の倍率で観察し、溝幅を測定してもよい。
(吸収性コアの各部の厚みの測定方法)
測定対象である吸収性コアの厚みの測定は、各々の部位について坪量を測定するために切り出した小片の厚みを測定することで行う。吸収性コアより切り出した小片を5kPaの圧力で10分間加圧し、除重後すぐに測定を行う。除重後のサンプルの中央域に、大きさ20mm×20mm、厚み3mmのアクリルプレートを置き、KEYENCE社製非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK-G30、変位計LK-GD500)を用い、サンプルの厚みを測定する。切り出した小片の大きさが小さく、非接触式レーザー変位計により測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX-1000)を用いて20~100倍の倍率で観察し、測定してもよい。
(吸収性コアの各部の坪量の測定方法)
測定対象である吸収性コアの各部をフェザー社製片刃剃刀を用いて切断し、あらかじめ定めた面積となるように小片を得る。それらの小片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR-300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を各部の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。各部のそれぞれについて、小片5個の坪量の平均を坪量とする。
(各構成の数値例)
上記吸収性コアの各構成の数値例について説明するが、ここに記載する数値に限定されない。境界溝部の溝幅及び底部の厚み、境界溝部が幅方向で境界部P2を占める割合、小吸収部の大きさ及び厚み、小吸収部が幅方向で境界部P2を占める割合等は、吸収性コアの前後方向での変形しやすさの点、中間コア部22(後方コア部23)の変形が後方コア部23(中間コア部22)へ及ぼす影響を抑制する点等から適宜設定される。また、各溝部の底部及びブロック部の厚み、坪量は、装着者に違和感を与えにくい適度な厚みで快適な装着感を提供しつつ十分な吸収量が得られるように適宜設定される。
後方コア部23に配列される5つの縦溝部27のうち幅方向側方部に位置する一対の側方縦溝部27bの溝幅は、0.5mm以上であり、好ましくは1mm以上である。そして、2.5mm以下であり、好ましくは2mm以下である。また、0.5mm以上2.5mm以下であり、好ましくは1mm以上2mm以下である。
後方コア部23の幅方向中央部に位置する3つの中央縦溝部27aの溝幅は、2.5mm以上であり、好ましくは3mm以上である。そして、5.5mm以下であり、好ましくは5mm以下である。また、2.5mm以上5.5mm以下であり、好ましくは3mm以上5mm以下である。
中間コア部における縦溝部27cの幅及び周縁溝部29の溝幅は、0.5mm以上であり、好ましくは1mm以上である。そして、10mm以下であり、好ましくは5mm以下である。また、0.5mm以上10mm以下であり、好ましくは1mm以上5mm以下である。
横溝部28の溝幅(前後方向における寸法)は、0.5mm以上であり、好ましくは1mm以上である。そして、10mm以下であり、好ましくは5mm以下である。また、0.5mm以上10mm以下であり、好ましくは1mm以上5mm以下である。
上記各実施形態において、連続又は非連続で幅方向に延在する境界溝部31、80~84の溝幅(前後方向における寸法)は、幅方向で小吸収部が位置しない領域において等幅となっている。
境界溝部31、80~84の幅方向で小吸収部が位置しない領域での溝幅は、体へのフィット性及び中間コア部22(後方コア部23)で発生した変形が後方コア部23(中間コア部22)に及ぼす影響を低減させる点から、1mm以上、好ましくは2mm以上である。
また、境界溝部31、80~84の幅方向で小吸収部35~40が位置しない領域での溝幅は、境界部P2での吸収性コアのよれなどの変形を抑制する点から、10mm以下、好ましくは5mm以下である。このような上限値とすることにより、境界部P2でよれ等の発生が抑制され、境界部P2で発生したよれ等の変形に追従して後方コア部23の装着ずれが生じるといったことを抑制することができる。
境界溝部30においても境界溝部31、80~84と同様の溝幅とすることができる。
また、装着者の身体の曲率半径が大きい***部から後方にかけた領域に対応する吸収性コアの前後方向での変形しやすさの点、中間コア部22(後方コア部23)の変形が後方コア部23(中間コア部22)へ及ぼす影響を抑制する点から、幅方向で小吸収部35~40が位置しない領域での境界溝部31、80~84が幅方向で境界部P2に対して占める割合は60%以上、好ましくは65%以上である。
幅方向で小吸収部35~40が位置しない領域での境界溝部31、80~84が幅方向で境界部P2に対して占める割合は100%よりも低ければよい。100%よりも低いということは、境界部P2に小吸収部35~40が存在することを意味する。
装着者の身体の曲率半径が大きい***部から後方にかけた領域に対応する吸収性コアの前後方向での変形しやすさの点、中間コア部22(後方コア部23)の変形が後方コア部23(中間コア部22)へ及ぼす影響を抑制する点から、小吸収部35~40が幅方向で境界部P2に対して占める割合は、40%以下、好ましくは30%以下である。
小吸収部35~40が幅方向で境界部P2に対して占める割合の下限値は0%より大きければよく、2%以上であることがより好ましく、小吸収部35~40が境界部P2に存在することにより、境界部P2の曲げ強度が向上し、過度な変形が抑制される。
小吸収部35~40が幅方向で境界部P2に対して占める割合は、0%よりも大きく40%以下であり、好ましくは2%以上30%以下である。
尚、小吸収部35~40の幅方向における寸法の具体的な数値は境界部P2の幅によるが、例えば境界部P2の幅が60mm以上90mm以下であれば、36mm以下、好ましくは27mm以下である。

小吸収部35~40の前後方向における寸法は特に限定されず、境界部P2の曲げ強度の向上の点から、小吸収部35~40が境界部P2に設けられればよい。
境界溝部82~84のように平面視したときに連続して幅方向に沿って延在する形状の境界溝部においては、小吸収部38~40の存在により境界溝部82~84の溝幅が狭くなればよい。
一方、境界溝部31、80、81のように平面視したときに非連続で延在する形状の境界溝部においては、小吸収部35~37の前後方向における寸法を、境界部P2の前後方向における寸法と同等とし、小吸収部が境界部P2を前後方向で横切るように配置すればよい。
境界部P2の曲げ強度の向上に加え、中間コア部22で取り込まれた液の後方部への速やかな拡散を促進する点から、中間高坪量ブロック部53a及び後方ブロック部54aはそれぞれ小吸収部と連結又は当接、或いはナプキン1の装着時に当接可能に構成されていることがより好ましい。
例えば、小吸収部38~40のように、平面視したときに、前後方向で、小吸収部と中間高坪量ブロック部53aとが連結又は当接せず、或いは、小吸収部と後方ブロック部54aとが連結又は当接していない場合、ナプキン1の装着時に、吸収性コアが変形して、小吸収部と中間高坪量ブロック部53aとが当接し、更に、小吸収部と後方ブロック部54aとが当接するように、小吸収部の前後方向の寸法を設定することが好ましい。当接可能となるように、小吸収部の前後方向の寸法は、境界溝部31、80~84の坪量、厚み及び溝幅、小吸収部の坪量や厚みにより適宜設定することができる。
横溝部28、縦溝部27及び境界溝部30、31、80~84の底部の厚みは、例えば0.5mm以上6mm以下である。横溝部28、縦溝部27及び境界溝部30、31、80~84の底面の坪量は、例えば25g/m以上300g/m以下である。
前方コア部22の前方ブロック部51及び後方コア部23の後方ブロック部54の厚みは、例えば2mm以上10mm以下である。前方ブロック部51及び後方ブロック部54の坪量は、例えば100g/m以上500g/m以下である。
低坪量部25の厚みは、例えば2mm以上12mm以下である。低坪量部25の底面の坪量は、例えば100g/m以上700g/m以下である。
高坪量部24の厚みは、例えば3mm以上15mm以下である。高坪量部24の底面の坪量は、例えば400g/m以上1000g/m以下である。
小吸収部の厚みは、例えば2mm以上15mm以下である。小吸収部の底面の坪量は、例えば100g/m以上1000g/m以下である。
前方コア部21及び後方コア部23の幅は、60mm以上100mm以下であり、好ましくは70mm以上90mm以下である。中間コア部22の幅は、40mm以上75mm以下であり、好ましくは50mm以上70mm以下である。
このように中間コア部22の幅を前方及び後方コア部21,23よりも狭くすることにより、装着者の脚等により付加される幅方向内方へ向かう外力の影響を受けにくくなるとともに、幅方向の装着位置ずれにも対応可能となり、装着者に対して安心感を与えることができる。
中間コア部22の前後方向の長さは、60mm以上170mm以下、好ましくは80mm以上160mm以下である。これにより、前後方向の装着位置ずれ等があった場合にも、中間コア部22を装着者の***部に対向させることができる。
1…吸収性物品(生理用ナプキン、ナプキン)
20,60,61,62,63,64,65…吸収性コア
21…前方コア部
22…中間コア部
23…後方コア部
24…高坪量部(境界溝部よりも坪量の高い領域)
25…低坪量部(境界溝部よりも坪量の高い領域)
31,80,81,82,83,84…境界溝部
35,36,37,38,39,40,41…小吸収部
54…後方ブロック部(境界溝部よりも坪量の高い領域)
P2…境界部

Claims (5)

  1. 前後方向の両端部側に位置する前方コア部及び後方コア部と、前記前方コア部及び前記後方コア部の間に位置する中間コア部とを有する吸収性コアを具備する吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、前記中間コア部と前記後方コア部との間に位置し、前記前後方向と直交する幅方向で前記吸収性コアを横切る境界部を有し、
    前記境界部は、
    前記境界部の前記幅方向中央部であって前記境界部の前記前後方向の長さ内に位置する小吸収部と、
    前記小吸収部が位置する領域以外に位置し、前記小吸収部よりも低い坪量を有し、前記幅方向に連続に延びる、又は、前記小吸収部の存在によって非連続に延びる境界溝部と
    からなり、
    前記小吸収部の厚みは、前記境界溝部の底面の厚みよりも厚く、
    前記中間コア部及び前記後方コア部には、前記境界溝部よりも坪量の高い領域が設けられ、
    前記中間コア部は、
    前記幅方向両側方部に位置する、前記境界溝部よりも坪量の高い低坪量部と、
    前記幅方向の中央部に位置する、前記低坪量部よりも坪量が高く、前記境界部と隣接し、前記低坪量部、前記前方コア部及び前記後方コア部より厚み方向上方に突出した高坪量部と
    を含み、
    前記小吸収部は、前記高坪量部と連結して前記高坪量部の後方に位置し、前記低坪量部の後方には前記境界溝部のみが位置し、
    前記後方コア部には、前記後方コア部の坪量の高い領域よりも坪量が低く、前記前後方向に沿って延在し、前記境界溝部と連通する縦溝部が設けられ、
    前記後方コア部には、前記後方コア部の坪量の高い領域よりも坪量が低く、前記縦溝部と交わる複数の横溝部が設けられ、
    前記境界部における前記幅方向で前記小吸収部が位置しない領域での前記境界溝部は、前記横溝部よりも前記前後方向における寸法が長い
    吸収性物品。
  2. 前記小吸収部は、前記縦溝部延長線上に位置する
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記中間コア部は、前記前方コア部及び前記後方コア部よりも幅が狭い
    請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記小吸収部は、前記前後方向に沿って1つ位置する
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記境界部において、前記小吸収部の前記幅方向に占める割合は0%よりも大きく40%以下である
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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