JP7118530B2 - 強化結晶化ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、表面に圧縮応力層を有する着色した強化結晶化ガラス、特に黒色強化結晶化ガラスに関する。
種々のガラスが、スマートフォン、タブレット型PCなどの携帯電子機器のディスプレイを保護するためのカバーガラスとして、また、車載用の光学機器のレンズを保護するためのプロテクターとして、使用されている。さらに、近年、電子機器の外装となる筐体などへの利用も求められている。その際、様々な色に着色したガラスが好まれる。そして、これらの機器がより過酷な使用に耐えうるよう、高い硬度を有するガラスに対する要求が強まっている。
ガラスの強度を高めるために、化学強化することが知られている。例えば、特許文献1には、化学強化した情報記録媒体用結晶化ガラス基板が開示されている。しかし、筐体に適する化学強化ガラスの検討はなされていなかった。特に、スマートフォンなどの携帯電子機器の筐体に使用するとき、中の部品が光っても外に光が漏れない遮光性の高い不透明の黒が求められている。
特開2014-114200号公報
本発明は、上記要望に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、硬く黒い強化結晶化ガラスを得ることにある。
本発明は以下を提供する。
(構成1)
結晶化ガラスを母材とし、表面に圧縮応力層を有し、
前記結晶化ガラスが、酸化物換算の重量%で、
SiO成分を40.0%~70.0%、
Al成分を11.0%~25.0%、
NaO成分を5.0%~19.0%、
O成分を0%~9.0%、
MgO成分およびZnO成分から選択される1以上を1.0%~18.0%、
CaO成分を0%~3.0%、
TiO成分を2.0%~12.0%、
Fe成分を1.0%~15.0%、並びに
CoO+Co成分を0.01%~1.00%
含有する強化結晶化ガラス。
(構成2)
前記結晶化ガラスが、酸化物換算の重量%で、
SiO成分を45.0%~65.0%、
Al成分を13.0%~23.0%、
NaO成分を8.0%~16.0%、
O成分を1.0%~7.0%、
MgO成分およびZnO成分から選択される1以上を2.0%~15.0%、
CaO成分を0.01%~3.0%、
TiO成分を3.0%~10.0%、
Sb成分、SnO成分およびCeO成分からなる群より選択される1種以上を0.01%~3.0%、
Fe成分を1.0%~15.0%、並びに
CoO+Co成分を0.01%~2.00%
含有する構成1に記載の強化結晶化ガラス。
(構成3)
結晶化ガラスを母材とし、表面に圧縮応力層を有し、1mm厚における反射損失を含む光線透過率が波長300nm~700nmの範囲において0.20%以下である強化結晶化ガラス。
(構成4)
1mm厚における反射損失を含む光線透過率が波長900nmにおいて0.50%以下である構成3に記載の強化結晶化ガラス。
(構成5)
結晶化ガラスを母材とし、表面に圧縮応力層を有する強化結晶化ガラスであって、
前記強化結晶化ガラスが、厚さ1mmおよび2°の観測者角度で、CIE光源D65を用いて、背面に白板無しで、分光光度計で測定した反射面に対する入射角度5°における正反射を含む反射スペクトルから求めた、CIELAB色空間座標における、
CIE a*が、-0.10から0.10の範囲であり、
CIE b*が、-2.00から0.10の範囲であり、および
CIE L*が、20.0から30.0の範囲である
色を有する強化結晶化ガラス。
(構成6)
前記結晶化ガラスのB成分の含有量が、酸化物換算の重量%で、2.0%未満である構成1~5のいずれかに記載の強化結晶化ガラス。
(構成7)
前記結晶化ガラスのNaO成分の含有量が、酸化物換算の重量%で、9.5%以上である構成1~6のいずれかに記載の強化結晶化ガラス。
(構成8)
前記圧縮応力層の応力深さが40μm以上であり、
前記圧縮応力層の表面圧縮応力が750MPa以上である構成1~7のいずれかに記載の強化結晶化ガラス。
本発明によれば、硬く黒い強化結晶化ガラスを得ることができる。
本発明の強化結晶化ガラスは、黒く着色したガラス系材料特有の外観を活かした、通信機器、情報機器などの携帯電子機器の筐体、外枠部材その他の装飾用途に使用することができる。また、据え置き型電子機器にも使用することができる。
以下、本発明の強化結晶化ガラスの実施形態および実施例について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態および実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
[強化結晶化ガラス]
本発明の強化結晶化ガラスは、結晶化ガラスを母材(結晶化ガラス母材ともいう)とし、表面に圧縮応力層を有する。圧縮応力層は、結晶化ガラス母材をイオン交換処理することにより形成することができ、結晶化ガラス母材を強化する。
本発明の第1の態様の強化結晶化ガラスは、結晶化ガラスを母材とし、表面に圧縮応力層を有し、結晶化ガラス母材は、酸化物換算の重量%で、
SiO成分を40.0%~70.0%、
Al成分を11.0%~25.0%、
NaO成分を5.0%~19.0%、
O成分を0%~9.0%、
MgO成分およびZnO成分から選択される1以上を1.0%~18.0%、
CaO成分を0%~3.0%、
TiO成分を2.0%~12.0%、
Fe成分を1.0%~15.0%、並びに
CoO+Co成分を0.01%~1.00%
含有する。
この組成を有することにより、黒く着色した遮光性の高い硬い強化結晶化ガラスを得ることができる。
本明細書中において、各成分の含有量は、特に断りがない場合、全て酸化物換算の重量%で表示する。ここで、「酸化物換算」とは、結晶化ガラス構成成分が全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該酸化物の総重量を100重量%としたときの、結晶化ガラス中に含有される各成分の酸化物の量を、重量%で表記したものである。
SiO成分は、好ましくは45.0%~65.0%、より好ましくは50.0%~60.0%含まれる。
Al成分は、好ましくは13.0%~23.0%含まれる。
NaO成分は、好ましくは8.0%~16.0%含まれる。9.0%以上または10.5%以上としてもよい。NaO成分が多いと化学強化が強まる。
O成分は、より好ましくは0.1%~7.0%、さらに好ましくは1.0%~5.0%含まれる。
MgO成分およびZnO成分から選択される1以上は、好ましくは2.0%~15.0%、より好ましくは3.0%~13.0%、特に好ましくは5.0%~11.0%含まれる。MgO成分およびZnO成分から選択される1以上は、MgO成分単独、ZnO成分単独またはその両方でよいが、好ましくはMgO成分のみである。
CaO成分は、好ましくは0.01%~3.0%、より好ましくは0.1%~2.0%含まれる。
TiO成分は、好ましくは3.0%~10.0%、より好ましくは3.5%~8.0%含まれる。TiO成分は、結晶化を可能とするため好ましくは1.5モル%以上、より好ましくは2.0モル%以上、さらに好ましくは3.0モル%以上含むことが好ましい。
Fe成分は、好ましくは1.5%~12.0%、より好ましくは2.0%~10.0%含まれる。
CoO成分とCo成分は合わせて(CoO+Co成分は)、好ましくは0.05%~0.80%、より好ましくは0.08%~0.50%含まれる。
結晶化ガラスは、Sb成分、SnO成分およびCeO成分から選択される1以上を0.01%~3.0%(好ましくは0.02%~2.0%、さらに好ましくは0.05%~1.0%)含むことができる。
上記の配合量は適宜組み合わせることができる。
SiO成分、Al成分、NaO成分、MgO成分およびZnO成分から選択される1以上、TiO成分、Fe成分、並びにCoO+Co成分を合わせて90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは98.5%以上とできる。
SiO成分、Al成分、NaO成分、KO成分、MgO成分およびZnO成分から選択される1以上、CaO成分、TiO成分、Fe成分、CoO+Co成分並びにSb成分、SnO成分およびCeO成分から選択される1以上を合わせて90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上とできる。これら成分で100%を占めてもよい。
結晶化ガラスは、本発明の効果を損なわない範囲で、ZrO成分を含んでもよいし、含まなくてもよい。配合量は、0%~5.0%、0%~3.0%または0%~2.0%とできる。
また、結晶化ガラスは、本発明の効果を損なわない範囲で、B成分、P成分、BaO成分、SnO成分、LiO成分、SrO成分、La成分、Y成分、Nb成分、Ta成分、WO成分、TeO成分、Bi成分をそれぞれ含んでもよいし、含まなくてもよい。配合量は、各々、0%~2.0%、0%以上2.0%未満または0%~1.0%とできる。
結晶化ガラスには、清澄剤として、Sb成分、SnO成分、CeO成分の他、As成分、およびF、NOx、SOxの群から選択された一種または二種以上を含有させてもよい。ただし、清澄剤の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは2.0%、最も好ましくは1.0%を上限とする。尚、SOx(xは3等)は酸化還元が不安定であるため着色に悪影響を及ぼす恐れがあるので、含まないことが好ましい。
結晶化ガラスには、上述されていない他の成分を、本発明の強化結晶化ガラスの特性を損なわない範囲で、含んでもよいし、含まなくてもよい。例えば、Nb、Gd、Yb、Lu、V、Cr、Mn、Ni、Cu、AgおよびMo等の金属成分(これらの金属酸化物を含む)などである。
また、Pb、Th、Tl、Os、Be、Cl及びSeの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあるため、これらを実質的に含有しないことが好ましい。
結晶化ガラス母材は、結晶相とガラス相を有する材料であり、非晶質固体とは区別される。一般的に、結晶化ガラスの結晶相は、X線回折分析のX線回折図形において現れるピークの角度、および必要に応じてTEMEDXを用いて判別される。
結晶化ガラスは、例えば、結晶相としてMgAl、MgTiO、MgTi、MgTiO、MgTi、MgSiO、MgSiO、MgAlSi、MgAlSi18およびFeAl並びにこれらの固溶体から選ばれる1以上を含有する。
本発明の第2の態様の強化結晶化ガラスは、結晶化ガラスを母材とし、表面に圧縮応力層を有し、1mm厚における反射損失を含む光線透過率が、波長300~700nmの範囲において0.20%以下である。
上記光線透過率は、波長300~700nmの範囲において好ましくは0.15%以下、より好ましくは0.10%以下である。
さらに、この強化結晶化ガラスは、1mm厚における反射損失を含む光線透過率が、波長900nmにおいて好ましくは0.50%以下、より好ましくは0.40%以下、さらに好ましくは0.10%以下である。
本発明の第3の態様の強化結晶化ガラスは、結晶化ガラスを母材とし、表面に圧縮応力層を有し、厚さ1mmおよび2°の観測者角度で、CIE光源D65を用いて、背面に白板を設置して、分光光度計で測定した反射面に対する入射角度5°における正反射を含む反射スペクトルから求めた、CIELAB色空間座標における、
CIE a*が、-0.10から0.10の範囲であり、
CIE b*が、-2.00から0.10の範囲であり、および
CIE L*が、20.0から30.0の範囲である
色を有する。
CIE a*は、好ましくは-0.08から0.05の範囲、より好ましくは-0.06から0.00の範囲である。
CIE b*は、好ましくは-1.50から0.05の範囲、より好ましくは-1.00から0.00の範囲である。
CIE L*は、好ましくは22.0から29.0の範囲、より好ましくは23.0から28.0の範囲である。
第1から第3の態様の強化結晶化ガラスは、好ましくは、互いに他の態様の構成を有する。
強化結晶化ガラスの圧縮応力層の応力深さは、好ましくは40μm以上であり、例えば55μm以上であり、60μm以上とすることができる。上限は、例えば300μm以下、200μm以下、または100μm以下とできる。圧縮応力層がこのような厚さを有することで、強化結晶化ガラスに深いクラックが生じてもクラックが延伸したり、ガラス基板が割れたりするのを抑えることができる。
圧縮応力層の表面圧縮応力は、好ましくは750MPa以上であり、より好ましくは900MPa以上であり、さらに好ましくは950MPa以上である。上限は、例えば1300MPa以下、1200MPa以下、または1100MPa以下とできる。このような圧縮応力値を有することでクラックの延伸を抑え機械的強度を高めることができる。
強化結晶化ガラスの厚さは、特に限定されないが、通常は0.05mm~2.0mmである。通常は板状である。圧縮応力層の応力深さは、好ましくは強化結晶化ガラスの厚さの5%以上であり、より好ましくは8%~20%である。
[製造方法]
本発明の強化結晶化ガラスは、以下の方法で作製できる。すなわち、上記各成分が所定の含有量の範囲内になるように原料を均一に混合し、熔解成形して原ガラスを製造する。次にこの原ガラスを結晶化して結晶化ガラス母材を作製する。さらに結晶化ガラス母材を化学強化する。
原ガラスは、熱処理しガラス内部に結晶を析出させる。この熱処理は、1段階でもよく2段階の温度で熱処理してもよい。
2段階熱処理では、まず第1の温度で熱処理することにより核形成工程を行い、この核形成工程の後に、核形成工程より高い第2の温度で熱処理することにより結晶成長工程を行う。
1段階熱処理では、1段階の温度で核形成工程と結晶成長工程を連続的に行う。通常、所定の熱処理温度まで昇温し、当該熱処理温度に達した後に一定時間その温度を保持し、その後、降温する。
2段階熱処理の第1の温度は600℃~750℃が好ましい。第1の温度での保持時間は30分~2000分が好ましく、180分~1440分がより好ましい。
2段階熱処理の第2の温度は650℃~850℃が好ましい。第2の温度での保持時間は30分~600分が好ましく、60分~300分がより好ましい。
1段階の温度で熱処理する場合、熱処理の温度は600℃~800℃が好ましく、630℃~770℃がより好ましい。また、熱処理の温度での保持時間は、30分~500分が好ましく、60分~400分がより好ましい。
結晶化ガラス母材から、例えば研削および研磨加工の手段等を用いて、成形体を作製する。成形体を薄い板状に加工することにより、板状結晶化ガラス母材を作製できる。さらに、板状結晶化ガラス母材を加工して筐体等の用途に適した形状にしてもよい。
本発明では、この後、結晶化ガラス母材に圧縮応力層を形成する。
化学強化法は、次の様な工程で実施することができる。結晶化ガラスを、カリウムまたはナトリウムを含有する塩、例えば硝酸カリウム(KNO)、硝酸ナトリウム(NaNO)またはその複合塩を350℃~600℃に加熱した溶融塩に、0.1時間~12時間接触または浸漬させる。これにより、表面付近のガラス相に存在する成分と、溶融塩に含まれる成分とのイオン交換反応が進行する。この結果、結晶化ガラスの表面部に圧縮応力層が形成される。
特に、結晶化ガラス母材をカリウム塩とナトリウム塩の混合溶融塩(混合浴)で化学強化することにより、一般に形成される圧縮応力層において中心引張応力に対し相対的に表面圧縮応力が大きな強化結晶化ガラスが得られる。さらに、混合浴に続けて、カリウム塩の単独の溶融塩(単独浴)で化学強化することにより、表面圧縮応力をさらに中心引張応力に対し大きくできる。その結果、耐衝撃性が高くたとえ衝撃により破壊しても木端微塵(爆発破壊)になり難い結晶化ガラスが得られる。具体的には、例えば、結晶化ガラス母材を、カリウムまたはナトリウムを含有する塩、例えば硝酸カリウムと硝酸ナトリウムなどの混合塩または複合塩を350℃~600℃に加熱した溶融塩に、90分以上接触または浸漬させる。カリウム塩とナトリウム塩の混合割合は、例えば、重量比で、1:1~100:1または10:1~75:1とする。さらに、好ましくは、続けて、カリウムを含有する塩、例えば硝酸カリウムを380℃~550℃に加熱した溶融塩に、短時間、例えば、1分以上、3分~100分接触または浸漬させる。
実施例1~9,参考例1
結晶化ガラスの各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、塩化物、メタ燐酸化合物等の原料を選定し、これらの原料を表1に記載の組成になるように秤量して均一に混合した。
次に、混合した原料を白金坩堝に投入し溶融した。その後、溶融したガラスを攪拌して均質化してから金型に鋳込み、徐冷して原ガラスを作製した。
得られた原ガラスに対し、核形成および結晶化のために、表1に示す温度と時間で熱処理を施して母材となる結晶化ガラスを作製した。さらに実施例6の結晶化ガラスについて電子回折像による格子像確認、EDXによる解析を行い、Si、Al、Ti、Mg、Feから構成される酸化物の粒状結晶相で構成されていることを確認した。これらは、MgAlの固溶体および/またはMgTiの固溶体および/またはMgTiOの固溶体および/またはMgSiOの固溶体および/またはFeAlの固溶体からなると考えられる。
作製した結晶化ガラス母材を切断および研削し、さらに、1mmの厚さとなるように対面平行研磨した。次に、結晶化ガラス母材を、KNOとNaNOおよび/またはKNOの溶融塩に浸して化学強化して強化結晶化ガラスを得た。
得られた強化結晶化ガラスについて以下の評価をした。結果を表2に示す。強化結晶化ガラスの比重も合わせて表2に示す。
(1)透過率
1mm厚における反射損失を含む光線透過率を、分光光度計(日立ハイテクノロジー製、U-4000型)で測定した。300nm~1500nmの範囲の透過率(%)と、透過率が5%となる波長を表2に記載する。実施例9は、透過率が5%となる波長は、300nm~1500nmには存在しなかった。
(2)色度
反射面に対する入射角度5°における正反射を含む反射スペクトルを分光光度計(日本分光社製、V-650)で測定した。このとき、試料厚みは1mmであり、ガラスの裏面(光源が照射されたガラス面の反対側)に白色アルミナ板の設置のない状態で測定した。得られたスペクトルから、2°の観測者角度かつCIE光源D65におけるL、a、bを求めた。
反射損失を含む透過スペクトルを分光光度計(日本分光社製、V-650)で測定した。このとき、試料厚みは1mmであり、得られたスペクトルから、2°の観測者角度かつCIE光源D65におけるL、a、bを求めた。


Figure 0007118530000001






Figure 0007118530000002


表2から、参考例1の強化結晶化ガラスは、410~1500nmの透過率が高く、実施例に比べ遮光性(不透明性)に劣ることが分る。また、参考例1の強化結晶化ガラスは、色度から青みがかった黒であることが分る。
実施例1~8においては、表3に示す厚さを有する結晶化ガラス母材に、表3に示す条件で化学強化を行って、強化結晶化ガラスを得た。具体的には、実施例1,2,6,8では、KNOの溶融塩中に、表3に示す塩浴温度と浸漬時間で浸漬した。実施例3~5,7では、表3に示す混合比率のKNOとNaNOの混合溶融塩中に、表3に示す塩浴温度と浸漬時間で浸漬した後、KNOのみの溶融塩中に、表3に示す塩浴温度と浸漬時間で浸漬した。
このようにして得られた強化結晶化ガラスについて、圧縮応力層の厚さ(DOL)とその表面の圧縮応力値(CS)を、折原製作所製のガラス表面応力計FSM-6000LEを用いて測定した。試料の屈折率1.54、光学弾性定数29.658[(nm/cm)/MPa]で算出した。中心引張応力値(CT)は、曲線解析(Curve Analysis)により求めた。結果を表3に示す。
Figure 0007118530000003

Claims (7)

  1. 結晶化ガラスを母材とし、表面に圧縮応力層を有し、
    前記圧縮応力層の表面圧縮応力が900MPa以上であり、
    厚さ1mmおよび2°の観測者角度で、CIE光源D65を用いて、背面に白板無しで、分光光度計で測定した反射面に対する入射角度5°における正反射を含む反射スペクトルから求めた、CIELAB色空間座標における、
    CIE a*が、-0.10から0.10の範囲であり、
    CIE b*が、-2.00から0.10の範囲であり、および
    CIE L*が、20.0から30.0の範囲である
    色を有し、
    前記結晶化ガラスが、酸化物換算の重量%で、
    SiO成分を40.0%~70.0%、
    Al成分を11.0%~25.0%、
    NaO成分を5.0%~19.0%、
    O成分を0%~9.0%、
    MgO成分およびZnO成分から選択される1以上を1.0%~18.0%、
    CaO成分を0%~3.0%、
    TiO成分を3.5%~12.0%、
    Fe成分を1.0%~15.0%、並びに
    CoO+Co成分を0.01%~1.00%
    含有する強化結晶化ガラス。
  2. 前記結晶化ガラスが、酸化物換算の重量%で、
    SiO成分を45.0%~65.0%、
    Al成分を13.0%~23.0%、
    NaO成分を8.0%~16.0%、
    O成分を1.0%~7.0%、
    MgO成分およびZnO成分から選択される1以上を2.0%~15.0%、
    CaO成分を0.01%~3.0%、
    TiO成分を3.5%~10.0%、
    Sb成分、SnO成分およびCeO成分からなる群より選択される1種以上を0.01%~3.0%、
    Fe成分を1.0%~15.0%、並びに
    CoO+Co成分を0.01%~1.00%
    含有する請求項1に記載の強化結晶化ガラス。
  3. 1mm厚における反射損失を含む光線透過率が波長300nm~700nmの範囲において0.20%以下である請求項1または2に記載の強化結晶化ガラス。
  4. 1mm厚における反射損失を含む光線透過率が波長900nmにおいて0.50%以下である請求項3に記載の強化結晶化ガラス。
  5. 前記結晶化ガラスのB成分の含有量が、酸化物換算の重量%で、2.0%未満である請求項1~のいずれかに記載の強化結晶化ガラス。
  6. 前記結晶化ガラスのNaO成分の含有量が、酸化物換算の重量%で、9.5%以上である請求項1~のいずれかに記載の強化結晶化ガラス。
  7. 前記圧縮応力層の応力深さが40μm以上である請求項1~のいずれかに記載の強化結晶化ガラス。
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