以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の斜視図である。
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、外郭を構成する本体101と、本体101の上面に配置され、耐熱ガラスで形成された天板102とを備えている。天板102の左側手前、右側手前、および中央側奥の3箇所には、加熱口103が設けられている。
天板102の手前側には、自動調理メニュー、調理温度などの設定操作を受け付ける操作部104が設けられている。また、天板102上の操作部104の近くには、例えば液晶ディスプレイからなる表示部105が配置されており、表示部105は、加熱口103と同数設けられている。また、表示部105には、例えば「予熱中」などの火力状況、「適温到達」などの経過状況、および、設定されている自動調理メニューの内容、などに関する情報が表示される。
本体101の上面の奥側には、本体101の内部の空気を排気するための排気口106が配置される。また、本体101の奥側の側面には、本体101の内部への吸気を行うための吸気口107が設けられている。
また、本体101の前面側にはグリル部108が設けられており、グリル部108の右側にはカバー109が設けられている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の主要な構成および機能部を示す図である。
図2に示すように、加熱調理器100の天板102に設けられた加熱口103の下部には、加熱部120が配置されている。また、本体101の内部には、加熱部120に流れる高周波電流を調整する高周波インバータ回路121が設けられている。
加熱部120は、例えば誘導加熱コイルであり、ほぼ環状の内側加熱コイル120aと、その外側に設けられたほぼ環状の外側加熱コイル120bとを備えた二重環形状である。そして、加熱部120に高周波電流を流すことで天板102上に載置された被加熱容器200に渦電流が発生し、この発生する渦電流と被加熱容器200自身の抵抗とにより被加熱容器200が発熱し、加熱調理を実現する。なお、加熱部120は誘導加熱コイルに限定されず、電気ヒータなど他の加熱手段であってもよい。
また、天板102の裏面の加熱部120と対向する面には、サーミスタ、赤外線センサなどの温度センサ122が天板102の裏面に配置されている。温度センサ122は、被加熱容器200から天板102へ伝わる熱を検知する。温度センサ122で検知された天板102の温度は、温度検知部123に出力され、温度検知部123によって、温度に換算される。このようにして、被加熱物を収容する被加熱容器200の温度が検知される。
排気口106の下方には、加熱部120および高周波インバータ回路121を冷却する空気を送風する冷却ファン124と、冷却ファン124を回転駆動する冷却ファンモータ125と、が設けられている。冷却ファン124は、外部の空気を吸気口107から吸い込み、その吸い込んだ空気を冷却風として加熱部120および高周波インバータ回路121に供給してそれらを冷却した後、排気口106から外部に排気する。また、本体101の内部または外部には、音声、ブザー、LED、画面表示などにより使用者に報知を行う報知部111が設けられている。なお、本実施の形態1では、報知部111は、表示部105とは別体としたが、同体としてもよい。
本体101の内部には、加熱調理器100を制御する制御装置150が設けられている。制御装置150は、表示部105を制御する表示制御部152と、操作部104を制御する操作制御部153と、冷却ファンモータ125を制御する冷却ファンモータ駆動部154と、高周波インバータ回路121を制御するインバータ回路駆動部155と、加熱調理器100の制御に必要なデータおよびプログラムを記憶する記憶部156と、時間を計測するタイマ部157と、報知部111を制御する報知制御部158と、それらを統括制御するメイン制御部151と、を備えている。
制御装置150は、その機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成されているか、または、マイコンまたはCPUなどの演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとで構成されている。
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の設置例を示す概略図である。
図3に示すように、本実施の形態1に係る加熱調理器100はキッチンカウンター450に設置されるものであり、内部に換気扇300が配置されたレンジフード400の下方に設置される。
レンジフード400は、加熱調理器100の上方に配置され、排気口106からの空気、および、天板102上に載置された被加熱容器200からの水および油などが混ざった空気を集めるものである。また、換気扇300は、レンジフード400に集められた加熱調理器100からの空気を外部に排気するものである。
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100から発生する気流を説明する第一の図であり、図5は、発明の実施の形態1に係る加熱調理器100から発生する気流を説明する第二の図であり、図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100から発生する気流を説明する第三の図であり、図7は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100から発生する気流を説明する第四の図である。
以下、本実施の形態1に係る加熱調理器100から発生する気流について、図4~図7を用いて説明する。なお、図4~図7中の矢印は、気流を示している。
加熱調理器100で調理が開始されると、加熱調理器100の加熱部120と冷却ファン124、および、換気扇300が動作し、図4に示すように、吸気口107から吸い込まれて本体101の内部を通過し、高周波インバータ回路121および加熱部120を冷却した後、排気口106から排気された空気(以下、第一空気161と称する)、および、天板102上に載置された被加熱容器200に収容された被加熱物からの水および油などが混ざった空気(以下、第二空気162と称する)が発生し、それらが加熱調理器100の上方に配置されたレンジフード400に向かって流れる。
加熱調理器100で調理が開始されてから一定時間が経過すると、図5に示すように、加熱調理器100からの第一空気161および第二空気162が、レンジフード400内の換気扇300に到達する。このとき、第一空気161の流れ(以下、第一気流と称する)は安定している状態であるが、第二空気162の流れ(以下、第二気流と称する)は、被加熱容器200内の被加熱物の温度が高温になっておらず、安定していない状態である。そのため、第二空気162が換気扇300に集まりにくい状態である。
加熱調理器100で調理が開始されてからさらに一定時間が経過すると、図6に示すように、被加熱容器200内の被加熱物の温度が高温となり、第二気流が安定した状態になる。そのため、第二空気162が換気扇300に集まりやすい状態である。
第二気流が安定した状態になった後、図7に示すように、冷却ファン124の回転数が調理開始時より低くなっても、第一気流および第二気流が安定した状態が維持される。
以上のように、加熱調理器100で調理が開始して一定時間経過した後は、被加熱物が高温となり、第二気流が安定するため、第二空気162が換気扇300に集まりやすく、外部に排気されやすい。つまり、効率的な換気を行うことができる。しかし、加熱調理器100で調理が開始した直後は、被加熱物が高温となっておらず、第二気流が安定していないため、第二空気162が換気扇300に集まりづらく、外部に排気されづらい。つまり、効率的な換気を行いづらい。
そこで、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、調理が開始された直後は、冷却ファン124の回転数を高くする。そうすることで、第一気流で第二気流をアシストし、第二空気162が換気扇300に集まりやすくする。そして、加熱調理器100は、被加熱物が高温となり、第二気流が安定した後は、冷却ファン124の回転数を低くする。そうすることで、第二空気162が換気扇300に集まりやすい状態を維持しつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
つまり、加熱調理器100は、第二気流が安定するまでは、冷却ファン124の回転数を高くし、第二気流が安定した後は、冷却ファン124の回転数を低くすることで、効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
図8Aは、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示す第一のフローチャートであり、図8Bは、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示す第二のフローチャートであり、図9は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すタイミングチャートである。なお、図8Bについては、後述する他の実施の形態でも用いるものとする。
以下、本実施の形態1に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御について、図8A、図8B、および、図9を用いて説明する。なお、換気扇300は、設定された強さ(例えば「中」)で動作しているものとする。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS101のYES)、インバータ回路駆動部155により、設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS102)、図9に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1(第一回転数)で動作させ(ステップS103)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS104)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS104の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS105)。ここで、基準時間t1とは、加熱部120の動作を開始してから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS105のYES)、図9に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2(第二回転数)で動作させ(ステップS106)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS107)。ここで、回転数r2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
なお、本実施の形態1では、冷却ファン124の回転数を回転数r1から回転数r2に切り替える際に、報知部111により節電中であることを報知するとしたが、それに限定されず、気流が安定したことを報知してもよいし、その両方を報知してもよい。
ステップS107の後、メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の停止指示を受け付けたら(ステップS151のYES)、インバータ回路駆動部155により加熱部120の動作を停止させ(ステップS152)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS153)。
ステップS153の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間tsを参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間tsを経過しているかどうかを判定する(ステップS154)。ここで、基準時間tsとは、加熱部120の動作を停止してから第二気流が換気扇300に到達しなくなるまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間tsを経過していると判定した場合(ステップS154のYES)、図9に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を停止する(ステップS155)。
以上、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、排気口106を有する本体101と、被加熱物を収容する被加熱容器200を加熱する加熱部120と、本体101の内部の空気を外部に排気する冷却ファン124と、加熱部120の動作開始を指示する操作部104と、加熱部120および冷却ファン124を制御する制御装置150と、を備え、制御装置150は、操作部104から加熱部120の動作開始指示を受け付けたら、加熱部120の動作を開始し、冷却ファン124を第一回転数で動作させた後、冷却ファン124を第一回転数よりも低い第二回転数で動作させるものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、加熱部120の動作を開始後、被加熱物からの空気の流れが安定するまでは、冷却ファン124の回転数を高くして、排気口106からの空気の流れで被加熱物からの空気の流れをアシストし、被加熱物からの空気の流れが安定した後は、冷却ファン124の回転数を低くすることができる。そのため、効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。また、冷却ファン124の回転数を制御しているため、換気扇300を制御する必要がない。
また、本実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置150は、冷却ファン124を第一回転数で動作させた後、基準時間が経過したと判定したら、冷却ファン124を第一回転数よりも低い第二回転数で動作させるものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、冷却ファン124の回転数の切り替えタイミングを、あらかじめ設定された基準時間としており、簡単な制御で効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
また、本実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置150は、冷却ファン124を第二回転数で動作させるとともに、報知部111により節電中であることを報知するものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、使用者に加熱調理器100が節電中であることを知らせることができる。
また、本実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置150は、冷却ファン124を第二回転数で動作させるとともに、報知部111により気流が安定したことを報知するものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、使用者に加熱調理器100からの気流が安定したことを知らせることができる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図10Aは、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示す第一のフローチャートであり、図10Bは、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示す第二のフローチャートであり、図11は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本実施の形態2に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御について、図8B、図10A、図10B、および、図11を用いて説明する。なお、換気扇300は、設定された強さ(例えば「中」)で動作しているものとする。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS201のYES)、インバータ回路駆動部155により設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS202)、温度検知部123により、被加熱容器200の温度が基準温度T1以上であるかどうかを判定する(ステップS203)。
メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T1以上であると判定した場合(ステップS203のYES)、図11(c)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1で動作させ(ステップS204)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS205)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS205の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS206)。ここで、基準時間t1とは、冷却ファン124を回転数r1で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS206のYES)、図11(c)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS256)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS257)。ここで、回転数r2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
なお、本実施の形態2では、冷却ファン124の回転数を回転数r1から回転数r2に切り替える際に、報知部111により節電中であることを報知するとしたが、それに限定されず、気流が安定したことを報知してもよいし、その両方を報知してもよい。
一方、ステップS203において、メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T1未満であると判定した場合(ステップS203のNO)、温度検知部123により、被加熱容器200の温度が基準温度T2(<T1)以上であるかどうかを判定する(ステップS207)。
メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T2(第一基準値)以上であると判定した場合(ステップS207のYES)、図11(b)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1で動作させ(ステップS208)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS209)。
ステップS209の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t2を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t2を経過しているかどうかを判定する(ステップS210)。ここで、基準時間t2とは、冷却ファン124を回転数r1で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t2を経過していると判定した場合(ステップS210のYES)、図11(b)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS256)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS257)。
一方、ステップS207において、メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T2未満であると判定した場合(ステップS207のNO)、メイン制御部151は、図11(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r3(第三回転数)で動作させる(ステップS251)。
ここで、加熱部120の動作直後は、第二空気162が換気扇300に到達していないため、第一気流で第二気流をアシストしても換気の効率はあまり変わらない。そこで、電力消費および騒音を抑制するため、回転数r1よりも低い回転数である回転数r3としている。なお、回転数r3は、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS251の後、メイン制御部151は、温度検知部123により検知した被加熱容器200の温度が基準温度T2より高い基準温度T3以上であるかどうかを判定する(ステップS252)。ここで、基準温度T3とは、加熱部120の動作を開始してから第二気流が換気扇300に到達する温度、例えば水が沸騰する温度であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T3以上であると判定した場合(ステップS252のYES)、図11(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r3より高い回転数である回転数r1で動作させ(ステップS253)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS254)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS254の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t3(>t2)を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t3を経過しているかどうかを判定する(ステップS255)。ここで、基準時間t3とは、冷却ファン124を回転数r1で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t3を経過していると判定した場合(ステップS255のYES)、図11(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS256)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS257)。
ステップS257の後、メイン制御部151は、図8Bに示すステップS151~S155の処理を行うが、実施の形態1で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
以上のように、本実施の形態2に係る制御装置150は、加熱部120の動作開始時、被加熱容器200の温度に応じて制御を変えている。具体的には、制御装置150は、被加熱容器200が低温であるときは、冷却ファン124を、第三回転数で動作させた後、第一回転数で動作させている。また、制御装置150は、被加熱容器200が中温または高温であるときは、冷却ファン124を、第三回転数を経由せずに第一回転数で動作させているが、中温のときは高温のときよりも、第二回転数に切り替えるまでの時間、つまり第一回転数の時間を長くしている。
これは、被加熱容器200の温度が低温時、第二気流が安定するまでの時間が長くなり、被加熱容器200の温度が高温時、第二気流が安定するまでの時間が短くなるためである。つまり、加熱部120の動作開始時の被加熱容器200の温度によって、加熱部120の動作開始後、第二気流が安定するまでの時間が異なるためである。そこで、制御装置150が、加熱部120の動作開始時の被加熱容器200の温度に応じて制御を変えることにより、効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
なお、本実施の形態2では、回転数r1~r3を固定値としたが、それに限定されず、回転数r1~r3のうち少なくとも一つを複数の温度領域毎に、記憶部156に記憶しておき、メイン制御部151は、温度検知部123が検知した値に対応する温度領域に記憶された回転数r1~r3を用いるようにしてもよい。また、基準時間t1~t3についても同様である。
例えば、水蒸気を発しない温度領域と水蒸気を発する温度領域とで分ける。そして、水蒸気を発しない温度領域では回転数を低くすることで、無駄な消費電力を抑制することができる。または、油煙を発しない温度領域と油煙を発する温度領域とで分ける。そして、油煙を発する温度領域では回転数を高くすることで、室内にたちこめる臭気などを効率よく外部に排出することができる。
また、本実施の形態2において、図11(a)に示すように回転数r2とr3とが同じ値となっているが、それに限定されず、異なる値であってもよい。
以上、本実施の形態2に係る加熱調理器100は、被加熱容器200の温度を検知する温度検知部123を備え、制御装置150は、操作部104から加熱部120の動作開始指示を受け付けたら、温度検知部123により被加熱容器200の温度を検知し、検知した被加熱容器200の温度に応じて基準時間を設定するものであり、検知した被加熱容器200の温度が低い場合の方が高い場合よりも、基準時間を長く設定するものである。
また、制御装置150は、操作部104から加熱部120の動作開始指示を受け付けたら、温度検知部123により被加熱容器200の温度を検知し、検知した被加熱容器200の温度が第一基準値未満であると判定したら、冷却ファン124を第一回転数よりも低い第三回転数で動作させ、その後、温度検知部123により検知した被加熱容器200の温度が第一基準値より高い第二基準値以上であると判定したら、冷却ファン124を第一回転数で動作させるものである。
本実施の形態2に係る加熱調理器100によれば、温度検知部123が検知した値に応じて、冷却ファン124の回転数を切り替えているので、基準時間に応じて冷却ファン124の回転数の切り替えるよりも、より最適なタイミングで切り替えることができる。
また、本実施の形態2に係る加熱調理器100は、第一回転数および第三回転数のうち少なくとも一方が複数の温度領域毎に記憶された記憶部156を備え、記憶部156に第一回転数または第三回転数が複数の温度領域毎に記憶されている場合、制御装置150は、記憶部156を参照し、温度検知部123が検知した値に対応する温度領域に記憶された第一回転数または第三回転数を用い、記憶部156に第一回転数および第三回転数が複数の温度領域毎に記憶されている場合、制御装置150は、記憶部156を参照し、温度検知部123が検知した値に対応する温度領域に記憶された第一回転数および第三回転数を用いるものである。
本実施の形態2に係る加熱調理器100によれば、温度検知部123が検知した値に対応する温度領域に記憶された第一回転数および第三回転数を用いるため、より最適な第一回転数および第三回転数を用いることができ、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
また、本実施の形態2に係る加熱調理器100は、基準時間が複数の温度領域毎に記憶された記憶部156を備え、制御装置150は、記憶部156を参照し、温度検知部123が検知した値に対応する温度領域に記憶された基準時間を用いるものである。
本実施の形態2に係る加熱調理器100によれば、温度検知部123が検知した値に対応する温度領域に記憶された基準時間を用いるため、より最適な基準時間を用いることができ、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について説明するが、実施の形態1および2と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1および2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図12は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すフローチャートであり、図13は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本実施の形態3に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御について、図8B、図12、および、図13を用いて説明する。なお、換気扇300は、設定された強さ(例えば「中」)で動作しているものとする。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS301のYES)、インバータ回路駆動部155により設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS302)、設定された火力が基準火力W1以上であるかどうかを判定する(ステップS303)。
メイン制御部151は、設定された火力が基準火力W1以上であると判定した場合(ステップS303のYES)、図13(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1で動作させ(ステップS304)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS305)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS305の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS306)。ここで、基準時間t1とは、冷却ファン124を回転数r1で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS306のYES)、図13(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS307)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS308)。ここで、回転数r2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
一方、ステップS303において、メイン制御部151は、設定された火力が基準火力W1未満であると判定した場合(ステップS303のNO)、図13(b)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1で動作させ(ステップS309)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS310)。
ステップS310の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t2(>t1)を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t2を経過しているかどうかを判定する(ステップS311)。ここで、基準時間t2とは、冷却ファン124を回転数r1で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t2を経過していると判定した場合(ステップS311のYES)、図13(b)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS307)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS308)。
ステップS308の後、メイン制御部151は、図8Bに示すステップS151~S155の処理を行うが、実施の形態1で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施の形態3では、回転数r1およびr2を固定値としたが、それに限定されず、回転数r1およびr2のうち少なくとも一方を複数の火力領域毎に、記憶部156に記憶しておき、メイン制御部151は、設定された火力に対応する火力領域に記憶された回転数r1およびr2を用いるようにしてもよい。また、基準時間t1およびt2についても同様である。
例えば、水蒸気をあまり発しない火力領域と水蒸気を多く発する温度領域とで分ける。そして、水蒸気をあまり発しない温度領域では回転数を低くすることで、無駄な消費電力を抑制することができる。また、水蒸気を多く発する温度領域では、回転数を高くすることで、室内にたちこめる水蒸気などを効率よく外部に排出することができる。
以上、本実施の形態3に係る加熱調理器100の操作部104は、加熱部120の火力設定を指示するものを含み、制御装置150は、操作部104で設定された火力に応じて基準時間を設定するものであり、設定された火力が低い場合の方が高い場合よりも、基準時間を長く設定するものである。
本実施の形態3に係る加熱調理器100によれば、操作部104により設定された火力に応じて基準時間を設定しているため、設定された火力に関わらず同じ値を基準時間として設定する場合よりも、最適な値を設定することができるため、より最適なタイミングで冷却ファン124の回転数を切り替えることができる。
また、本実施の形態3に係る加熱調理器100は、第一回転数および第二回転数のうち少なくとも一方が複数の火力領域毎に記憶された記憶部156を備え、記憶部156に第一回転数または第二回転数が複数の火力領域毎に記憶されている場合、制御装置150は、記憶部156を参照し、操作部104により設定された加熱部120の火力に対応する火力領域に記憶された第一回転数または第二回転数を用い、記憶部156に第一回転数および第二回転数が複数の火力領域毎に記憶されている場合、制御装置150は、記憶部156を参照し、操作部104により設定された加熱部120の火力に対応する火力領域に記憶された第一回転数および第二回転数を用いるものである。
本実施の形態3に係る加熱調理器100によれば、操作部104により設定された加熱部120の火力に対応する火力領域に記憶された第一回転数および第二回転数を用いるため、より最適な第一回転数および第二回転数を用いることができ、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
また、本実施の形態3に係る加熱調理器100は、基準時間が複数の火力領域毎に記憶された記憶部156を備え、操作部104は、加熱部120の火力が設定可能なものであり、制御装置150は、記憶部156を参照し、操作部104により設定された加熱部120の火力に対応する火力領域に記憶された基準時間を用いるものである。
本実施の形態3に係る加熱調理器100によれば、操作部104により設定された加熱部120の火力に対応する火力領域に記憶された基準時間を用いるため、より最適な基準時間を用いることができ、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について説明するが、実施の形態1~3と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1~3と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図14は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すフローチャートであり、図15は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本実施の形態4に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御について、図8B、図14、および、図15を用いて説明する。なお、換気扇300は、設定された強さ(例えば「中」)で動作しているものとする。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS401のYES)、インバータ回路駆動部155により設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS402)、設定された火力が基準火力W1以上であるかどうかを判定する(ステップS403)。
メイン制御部151は、設定された火力が基準火力W1以上であると判定した場合(ステップS403のYES)、図15(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r3で動作させる(ステップS404)。
ここで、加熱部120の動作直後は、第二空気162が換気扇300に到達していないため、第一気流で第二気流をアシストしても換気の効率はあまり変わらない。そこで、電力消費および騒音を抑制するため、後述する回転数r1よりも低い回転数である回転数r3としている。なお、回転数r3は、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS404の後、メイン制御部151は、温度検知部123により、被加熱容器200の温度が基準温度T1以上であるかどうかを判定する(ステップS405)。ここで、基準温度T1とは、加熱部120の動作を開始してから第二気流が換気扇300に到達する温度、例えば水が沸騰する温度であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T1以上であると判定した場合(ステップS405のYES)、図15(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r3より高い回転数である回転数r1で動作させ(ステップS406)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS407)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS407の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS408)。ここで、基準時間t1とは、冷却ファン124を第一回転数で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS408のYES)、図15(a)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS409)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS410)。ここで、回転数r2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
一方、ステップS403において、メイン制御部151は、設定された火力が基準火力W1未満であると判定した場合(ステップS403のNO)、図15(b)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r4(>r3)で動作させる(ステップS411)。
ここで、加熱部120の動作直後は、第二空気162が換気扇300に到達していないため、第一気流で第二気流をアシストしても換気の効率はあまり変わらない。そこで、電力消費および騒音を抑制するため、回転数r1よりも低い回転数である回転数r4としている。
また、基準火力W1以上に設定された場合よりも火力が低いため、基準火力W1以上に設定された場合よりも第二気流が弱くなる。そこで、基準火力W1以上に設定された場合よりも第二気流のアシストを強めにするため、回転数r3よりも高い回転数である回転数r4としている。なお、回転数r4は、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS411の後、メイン制御部151は、温度検知部123により、被加熱容器200の温度が基準温度T2以上であるかどうかを判定する(ステップS412)。ここで、基準温度T2とは、加熱部120の動作を開始してから第二気流が換気扇300に到達する温度、例えば水が沸騰する温度であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T2以上であると判定した場合(ステップS412のYES)、図15(b)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r4より高い回転数である回転数r1で動作させ(ステップS413)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS414)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS414の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t2を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t2を経過しているかどうかを判定する(ステップS415)。ここで、基準時間t2とは、冷却ファン124を第一回転数で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t2を経過していると判定した場合(ステップS415のYES)、図15(b)に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS409)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS410)。
ステップS410の後、メイン制御部151は、図8Bに示すステップS151~S155の処理を行うが、実施の形態1で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施の形態4では、回転数r1~r4を固定値としたが、それに限定されず、回転数r1~r4のうち少なくとも一つを複数の温度領域毎に、記憶部156に記憶しておき、メイン制御部151は、温度検知部123が検知した値に対応する温度領域に記憶された回転数r1およびr2を用いるようにしてもよい。また、基準時間t1およびt2についても同様である。
あるいは、回転数r1~r4のうち少なくとも一つを複数の火力領域毎に、記憶部156に記憶しておき、メイン制御部151は、設定された火力に対応する火力領域に記憶された回転数r1~r4を用いるようにしてもよい。また、基準時間t1およびt2についても同様である。
また、本実施の形態4において、図15(a)に示すように回転数r2とr3とが同じ値となっているが、それに限定されず、異なる値であってもよい。
以上、本実施の形態4に係る加熱調理器100は、操作部104は、加熱部120の火力設定を指示するものを含み、被加熱容器200の温度を検知する温度検知部123を備え、制御装置150は、操作部104で設定された火力に応じて基準時間を設定するものであり、操作部104から加熱部120の動作開始指示および火力設定指示を受け付けたら、冷却ファン124を第一回転数よりも低い第三回転数で動作させ、その後、温度検知部123により検知した被加熱容器200の温度が第二基準値以上であると判定したら、冷却ファン124を第一回転数で動作させるものであり、第三回転数は、操作部104で設定された火力が低い場合の方が高い場合よりも、回転数を高く設定するものである。
本実施の形態4に係る加熱調理器100によれば、まず冷却ファン124を第一回転数よりも低い第三回転数で動作させ、その後、第一回転数で動作させており、かつ、設定された火力に応じて第三回転数を設定している。そのため、加熱部120の動作直後から第二空気162が換気扇300に到達するまでの間も、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5について説明するが、実施の形態1~4と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1~4と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態5に係る加熱調理器100は、複数の自動調理メニューを実行する機能を有しており、操作部104から自動調理メニューの選択が行われたら、制御装置150は、その選択された自動調理メニューを実行する。
図16は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すフローチャートであり、図17は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本実施の形態5に係る加熱調理器100の冷却ファン124の制御について、図8B、図16、および、図17を用いて説明する。なお、換気扇300は、設定された強さ(例えば「中」)で動作しているものとする。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から自動調理メニューの選択指示を受け付けたら(ステップS501のYES)、インバータ回路駆動部155により選択された自動調理メニューに対応した火力で加熱部120を動作させ(ステップS502)、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r3で動作させる(ステップS503)。なお、本実施の形態5では、予熱工程と保温工程とからなる自動調理メニューが選択されたものとする。
ここで、加熱部120の動作直後は、第二空気162が換気扇300に到達していないため、第一気流で第二気流をアシストしても換気の効率はあまり変わらない。そこで、電力消費および騒音を抑制するため、後述する回転数r1よりも低い回転数である回転数r3としている。なお、回転数r3は、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS504の後、メイン制御部151は、温度検知部123により、被加熱容器200の温度が基準温度T1以上であるかどうかを判定する(ステップS504)。ここで、基準温度T1とは、加熱部120の動作を開始してから第二気流が換気扇300に到達する温度、例えば水が沸騰する温度であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、被加熱容器200の温度が基準温度T1以上であると判定した場合(ステップS504のYES)、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r3より高い回転数である回転数r1で動作させ(ステップS505)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS506)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS506の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS507)。ここで、基準時間t1とは、冷却ファン124を第一回転数で動作させてから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。また、基準時間t1は、選択された自動調理メニューによって異なる。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS507のYES)、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS508)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS509)。ここで、回転数r2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS509の後、メイン制御部151は、図8Bに示すステップS151~S155の処理を行うが、実施の形態1で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施の形態5では、回転数r1~r3を固定値としたが、それに限定されず、回転数r1~r3のうち少なくとも一つを複数の自動調理メニュー毎に、記憶部156に記憶しておき、メイン制御部151は、選択された自動調理メニューに対応する回転数r1~r3を用いるようにしてもよい。
例えば、油を使う自動調理メニュー(揚げ物、炒め物)と油を使わない自動調理メニューとで分ける。そして、油を使わない自動調理メニューでは油煙を発しないため、回転数を低くすることで、無駄な消費電力を抑制することができる。または、油を使う自動調理メニューでは油煙を発するため、回転数を高くすることで、室内にたちこめる臭気などを効率よく外部に排出することができる。
また、本実施の形態5において、図17に示すように回転数r2とr3とが同じ値となっているが、それに限定されず、異なる値であってもよい。
以上、本実施の形態5に係る加熱調理器100は、基準時間が複数の自動調理メニュー毎に記憶された記憶部156を備え、操作部104は、自動調理メニューの選択が可能なものであり、制御装置150は、記憶部156を参照し、操作部104により選択された自動調理メニューに対応する基準時間を用いるものである。
本実施の形態5に係る加熱調理器100によれば、操作部104により選択された自動調理メニューに対応する基準時間を用いるため、より最適な基準時間を用いることができ、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
また、本実施の形態5に係る加熱調理器100の記憶部156には、第一回転数および第二回転数のうち少なくとも一方が複数の自動調理メニュー毎に記憶されており、記憶部156に第一回転数または第二回転数が複数の自動調理メニュー毎に記憶されている場合、制御装置150は、記憶部156を参照し、操作部104により選択された自動調理メニューに対応する第一回転数または第二回転数を用い、記憶部156に第一回転数および第二回転数が複数の自動調理メニュー毎に記憶されている場合、制御装置150は、記憶部156を参照し、操作部104により選択された自動調理メニューに対応する第一回転数および第二回転数を用いるものである。
本実施の形態5に係る加熱調理器100によれば、操作部104により選択された自動調理メニューに対応する第一回転数および第二回転数を用いるため、より最適な第一回転数および第二回転数を用いることができ、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
なお、回転数r3についても記憶部156に複数の自動調理メニュー毎に記憶し、操作部104により選択された自動調理メニューに対応する回転数r3を用いるようにしてもよい。
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6について説明するが、実施の形態1~5と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1~5と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図18は、本発明の実施の形態6に係る調理器システムの設置例を示す概略図であり、 図18に示すように、本実施の形態6に係る調理器システムは、キッチンカウンター450に設置される加熱調理器100と、その上方に設置されたレンジフード400の内部に配置された換気扇300と、同様にレンジフード400の内部に配置された空気検知センサ500と、で構成されている。
空気検知センサ500は、加熱調理器100から換気扇300に向かって流れる空気の状態を検知する。空気検知センサ500で検知された空気の状態は、換気扇300の空気検知部304に出力され、空気検知部304によって、空気の状態レベルに換算される。このようにして、加熱調理器100から換気扇300に向かって流れる空気の状態が検知される。
本実施の形態6に係る加熱調理器100は、換気扇300と通信を行う調理器通信部110を備えており、調理器通信部110は、本体101の上面の排気口106の近くに設けられている。
また、本実施の形態6に係る換気扇300は、レンジフード400に集められた加熱調理器100からの空気を外部に排気する換気ファン301と、加熱調理器100と通信を行う換気扇通信部302と、上記の空気検知部304と、を備えており、それらはレンジフード400内に設けられている。
加熱調理器100と換気扇300とは、調理器通信部110と換気扇通信部302とが、例えば赤外線などで信号を送受信することにより通信を行う。
図19は、本発明の実施の形態6に係る調理器システムの主要な構成および機能部を示す図である。
図19に示すように、加熱調理器100の制御装置150は、調理器通信部110を制御する通信制御部159を備えている。
また、レンジフード400内には、換気ファン301を回転駆動する換気ファンモータ303と、換気扇300を制御する換気扇制御装置350とが設けられている。換気扇制御装置350は、換気ファンモータ303を制御する換気ファンモータ駆動部352と、換気扇通信部302を制御する換気扇通信制御部353と、それらを統括制御する換気扇メイン制御部351と、を備えている。また、換気扇メイン制御部351には、空気検知部304の検知情報が入力される。なお、空気検知部304は、換気扇300の構成要素でなくてもよく、例えば、加熱調理器100の構成要素とし、メイン制御部151に空気検知部304の検知情報が入力されるようにしてもよい。
換気扇制御装置350は、その機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成されているか、または、マイコンまたはCPUなどの演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとで構成されている。
図20は、本実施の形態6に係る空気検知センサ500の検知方法を説明する図である。
レンジフード400内に配置された空気検知センサ500は、臭気によって空気の状態を検知する臭気センサである。空気検知センサ500は、図20に示すように、金属酸化物半導体501を備えている。この金属酸化物半導体501は、臭い成分の分子502の酸化還元反応を利用して還元性の臭いを検出するものである。そして、金属酸化物半導体501をヒータ503で約400℃まで高温にし、臭い成分の分子502の吸脱着を活性化させ、温度および湿度の環境変化の影響を軽減している。
具体的には、金属酸化物半導体501の表面に臭い成分の分子502が吸着すると、その電気伝導性がよくなり、抵抗値が低下する。この抵抗値変化を利用して、負荷抵抗504を通して電圧変化として検出し、空気検知部304でAD変換を行うことで、臭いのレベル変化をリアルタイムに検知することができる。
ここで、臭いのレベルと電圧の大きさとを比例関係とするために、反転回路を設けることで、あらかじめ設定した臭いのレベルに相当する電圧値を閾値とし、閾値以上の電圧の場合に、換気扇300に空気が到達したと判断することができる。なお、コンパレーター回路を設けることで、High、Lowの2値の信号として検知することも可能である。
本実施の形態6では、臭気センサを金属酸化物半導体501の方式で説明したが、有機半導体を用いた方式、臭い成分の分子502を水晶振動子の表面に貼り付けた脂質膜からなる臭気感応膜によって吸着し、その質量増加による水晶振動子の共振周波数の変化を利用した水晶振動子式、または、臭い成分の分子502がFETのゲート電極に吸着することにより生ずる電位差を利用して検出するFETバイオセンサ方式などでもよく、電気的に検出可能であれば、その方式を問わない。
また、本実施の形態6では、空気検知センサ500は、臭気センサであるとしたが、それに限定されず、風量によって空気の状態を検知する風量センサ、または、風速によって空気の状態を検知する風速センサ、などでもよい。また、それらを複数組み合わせて空気検知センサ500を構成してもよい。
図21Aは、本発明の実施の形態6に係る調理器システムの加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示す第一のフローチャートであり、図21Bは、本発明の実施の形態6に係る調理器システムの加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示す第二のフローチャートであり、図22は、本発明の実施の形態6に係る調理器システムの加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本実施の形態6に係る調理器システムの冷却ファン124の制御について、図8B、図21A、図21B、および、図22を用いて説明する。なお、図21Bについては、後述する他の実施の形態でも用いるものとするなお、換気扇300は、加熱調理器100と連動して、または、手動操作により設定された強さ(例えば「中」)で動作しているものとする。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS601のYES)、インバータ回路駆動部155により設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS602)、図22に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1で動作させ(ステップS603)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS604)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS604の後、メイン制御部151は、調理器通信部110が換気扇通信部302から受信した空気検知部304の検知結果に基づいて、空気の状態レベルが基準レベルa1以上であるかどうかを判定する(ステップS605)。ここで、基準レベルa1とは、第二気流が安定したとみなせるレベルであり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、空気検知部304による空気の状態レベルが基準レベルa1以上であると判定した場合(ステップS605のYES)、図22に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1よりも低い回転数である回転数r2で動作させ(ステップS607)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS608)。ここで、回転数r2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
一方、メイン制御部151は、空気検知部304による空気の状態レベルが基準レベルa1未満であると判定した場合(ステップS605のNO)、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS606)。ここで、基準時間t1とは、加熱調理器100の正常動作時に、加熱部120の動作を開始してから第二気流が安定するまでにかかる最大の時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していないと判定した場合(ステップS606のNO)、ステップS605に戻る。一方、メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS606のYES)、報知部111により異常であることを報知する(ステップS609)。なお、異常であった場合は、冷却ファン124の回転数の切り替えタイミングを正常に判断できないため、冷却ファン124を回転数r1のままとし、変更しない。
ステップS608またはS609の後、メイン制御部151は、図8Bに示すステップS151~S155の処理を行うが、実施の形態1で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施の形態6では、空気の状態レベルが基準レベルa1以上になったら、第二気流が安定したと判断しているが、それに限定されない。第二気流が不安定な状態では、図22に示すように気流レベルが波打ち、一瞬だけ基準レベルa1以上になることもあるため、空気の状態レベルが基準レベルa1以上になってから一定時間経過したら、第二気流が安定したと判断してもよいし、あらかじめ設定された回数だけ空気の状態レベルが基準レベルa1以上になったら、第二気流が安定したと判断してもよい。
以上、本実施の形態6に係る調理器システムは、加熱調理器100と、加熱調理器100の上方に配置された換気扇300に向かって流れる空気の状態を検知する空気検知部304と、を備えた調理器システムであって、制御装置150は、冷却ファン124を第一回転数で動作させた後、空気検知部304からの情報に基づいて、空気の状態レベルが第一基準値以上になったら、冷却ファン124を第一回転数よりも低い第二回転数で動作させるものである。また、空気検知部304は、臭気センサ、風量センサ、風速センサのうち、いずれか一つ以上に基づいて、空気の状態レベルを検知するものである。
本実施の形態6に係る調理器システムによれば、空気検知部304が検知した値に応じて、冷却ファン124の回転数を切り替えているので、基準時間に応じて冷却ファン124の回転数の切り替えるよりも、より最適なタイミングで切り替えることができる。また、空気検知部304を、臭気センサ、風量センサ、風速センサのうち、いずれか二つ以上に基づいて、空気の状態レベルを検知することで、空気の状態をより精度よく検知することができる。
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7について説明するが、実施の形態1~6と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1~6と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図23は、本発明の実施の形態7に係る調理器システムの加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すフローチャートであり、図24は、本発明の実施の形態7に係る調理器システムの加熱調理器100の冷却ファン124の制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本実施の形態7に係る調理器システムの冷却ファン124の制御について、図8B、図21B、図23、および、図24を用いて説明する。なお、換気扇300は、加熱調理器100と連動して、または、手動操作により設定された強さ(例えば「中」)で動作しているものとする。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS701のYES)、インバータ回路駆動部155により設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS702)、図24に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r3で動作させ(ステップS703)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS704)。
ここで、加熱部120の動作直後は、第二空気162が換気扇300に到達していないため、第一気流で第二気流をアシストしても換気の効率はあまり変わらない。そこで、電力消費および騒音を抑制するため、後述する回転数r1よりも低い回転数である回転数r3としている。なお、回転数r3は、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS704の後、メイン制御部151は、調理器通信部110が換気扇通信部302から受信した空気検知部304の検知結果に基づいて、空気の状態レベルが基準レベルa2以上であるかどうかを判定する(ステップS705)。ここで、基準レベルa2とは、第二気流が換気扇300に到達したとみなせるレベルであり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、空気検知部304による空気の状態レベルが基準レベルa2以上であると判定した場合(ステップS705のYES)、図24に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1で動作させる(ステップS707)。ここで、回転数r1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
一方、メイン制御部151は、空気検知部304による気流レベルが基準レベルa2未満であると判定した場合(ステップS705のNO)、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS706)。ここで、基準時間t1とは、加熱調理器100の正常動作時に、加熱部120の動作を開始してから第二気流が換気扇300に到達するまでにかかる最大の時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していないと判定した場合(ステップS706のNO)、ステップS705に戻る。一方、メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS706のYES)、報知部111により異常であることを報知し(ステップS708)、図24に示すように、冷却ファンモータ駆動部154により冷却ファン124を回転数r1で動作させる(ステップS707)。
ステップS707の後、メイン制御部151は、図21Bに示すステップS604~S609、および、図8Bに示すステップS151~S155の処理を行うが、実施の形態6で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。なお、ステップS605の基準レベルa1は、図24に示すように、a2よりも大きい値である。
また、本実施の形態7において、図124に示すように回転数r2とr3とが同じ値となっているが、それに限定されず、異なる値であってもよい。
以上、本実施の形態7に係る調理器システムの制御装置150は、冷却ファン124を第一回転数で動作させる前に、第一回転数よりも低い第三回転数で動作させ、空気検知部304からの情報に基づいて、空気の状態レベルが第一基準値よりも低い第二基準値以上になったら、冷却ファン124を第一回転数で動作させるものである。
本実施の形態7に係る調理器システムによれば、まず冷却ファン124を第一回転数よりも低い第三回転数で動作させ、その後、第一回転数で動作させており、かつ、冷却ファン124の第三回転数から第一回転数への切り替えタイミングを空気検知部304からの情報に基づいて設定している。そのため、加熱部120の動作直後から第二空気162が換気扇300に到達するまでの間も、より最適な冷却ファン124の制御を行うことができる。
実施の形態8.
以下、本発明の実施の形態8について説明するが、実施の形態1~7と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1~7と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
実施の形態1~5に係る加熱調理器100、および、実施の形態6、7に係る調理器システムでは、冷却ファン124の回転数を制御することにより、効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することを実現していたが、本実施の形態8および後述する実施の形態9では、換気ファン301の回転数を制御することにより、効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することを実現する。
本実施の形態8に係る調理器システムは、調理が開始された直後は、換気ファン301の回転数を高くする。そうすることで、換気ファン301が発生させる空気の流れ(以下、第三気流と称する)で第二気流をアシストし、第二空気162が換気扇300に集まりやすくする。そして、加熱調理器100は、被加熱物が高温となり、第二気流が安定した後は、換気ファン301の回転数を低くする。そうすることで、第二空気162が換気扇300に集まりやすい状態を維持しつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
つまり、調理器システムは、第二気流が安定するまでは、換気ファン301の回転数を高くし、第二気流が安定した後は、換気ファン301の回転数を低くすることで、効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
図25Aは、本発明の実施の形態8に係る調理器システムの加熱調理器100側の制御の一例を示す第一のフローチャートであり、図25Bは、本発明の実施の形態8に係る調理器システムの加熱調理器100側の制御の一例を示す第二のフローチャートであり、図26は、本発明の実施の形態8に係る調理器システムの換気扇300側の制御の一例を示すフローチャートである。なお、図25Bおよび図26については、後述する他の実施の形態でも用いるものとする。
以下、本実施の形態8に係る調理器システムの換気ファン301の制御について、図25A、図25B、および、図26を用いて説明する。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS801のYES)、インバータ回路駆動部155により設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS802)、調理器通信部110により、換気扇通信部302に対して回転開始信号を送信し(ステップS803)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS804)。
一方、換気扇メイン制御部351は、換気扇通信部302により、調理器通信部110から回転開始信号を受信したら(ステップS851のYES)、換気ファンモータ駆動部352により換気ファン301を回転数R1で動作させる(ステップS852)。ここで、回転数R1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS804の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS805)。ここで、基準時間t1とは、加熱部120の動作を開始してから第二気流が安定するまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS805のYES)、調理器通信部110により、換気扇通信部302に対して回転数変更信号を送信し(ステップS806)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS807)。
一方、換気扇メイン制御部351は、換気扇通信部302により、調理器通信部110から回転数変更信号を受信したら(ステップS853のYES)、換気ファンモータ駆動部352により換気ファン301を回転数R2で動作させる(ステップS854)。ここで、回転数R2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS807の後、メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の停止指示を受け付けたら(ステップS808のYES)、インバータ回路駆動部155により加熱部120の動作を停止させ(ステップS809)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS810)。
ステップS810の後、メイン制御部151は、記憶部156に記憶されている基準時間tsを参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間tsを経過しているかどうかを判定する(ステップS811)。ここで、基準時間tsとは、加熱部120の動作を停止してから第二気流が換気扇300に到達しなくなるまでの時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間tsを経過していると判定した場合(ステップS811のYES)、調理器通信部110により、換気扇通信部302に対して回転停止信号を送信する(ステップS812)。
一方、換気扇メイン制御部351は、換気扇通信部302により、調理器通信部110から回転停止信号を受信したら(ステップS855のYes)、換気ファンモータ駆動部352により換気ファン301を停止する(ステップS856)。
以上、本実施の形態8に係る調理器システムは、加熱調理器100と換気扇300とを備えた加熱調理システムであって、加熱調理器100は、被加熱物を収容する被加熱容器200を加熱する加熱部120と、加熱部120の動作開始を指示する操作部104と、換気扇300と通信を行う調理器通信部110と、加熱部120および調理器通信部110を制御する制御装置150と、を備え、換気扇300は、空気を外部に排気する換気ファン301と、加熱調理器100と通信を行う換気扇通信部302と、換気ファン301および換気扇通信部302を制御する換気扇制御装置350と、を備え、換気扇制御装置350は、加熱調理器100から受信した情報に基づいて、換気ファン301を第一回転数で動作させた後、換気ファン301を第一回転数よりも低い第二回転数で動作させるものである。
本実施の形態8に係る調理器システムによれば、加熱部120の動作を開始後、被加熱物からの空気の流れが安定するまでは、換気ファン301の回転数を高くして、換気ファン301が発生される空気の流れで被加熱物からの空気の流れをアシストし、被加熱物からの空気の流れが安定した後は、換気ファン301の回転数を低くすることができる。そのため、効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
また、本実施の形態8に係る加熱調理器100の制御装置150は、操作部104から加熱部120の動作開始指示を受け付けたら、調理器通信部110により換気扇通信部302に対して回転開始信号を送信し、基準時間経過したら調理器通信部110により換気扇通信部302に対して回転数変更信号を送信するものであり、換気扇300の換気扇制御装置350は、換気扇通信部302により調理器通信部110から加熱部120の動作開始信号を受信したら、換気ファン301を第一回転数で動作させ、換気扇通信部302により調理器通信部110から回転数変更信号を受信したら、換気ファン301を第一回転数よりも低い第二回転数で動作させるものである。
本実施の形態8に係る調理器システムによれば、換気ファン301の回転数の切り替えタイミングを、あらかじめ設定された基準時間としており、簡単な制御で効率的な換気を行いつつ、電力消費および騒音を抑制することができる。
実施の形態9.
以下、本発明の実施の形態9について説明するが、実施の形態1~8と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1~8と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図27は、本発明の実施の形態9に係る調理器システムの主要な構成および機能部を示す図である。
本実施の形態9に係る調理器システムの加熱調理器100および換気扇300は、家屋内に設置されたHEMSコントローラ601に接続されている。HEMSコントローラ601は、家屋内に配置された各種の電気機器を制御し、電気機器全体のエネルギー需給を総合的に管理するHEMS(Home Energy Management System)を構成している。
HEMSは、HEMSコントローラ601の他、電流計測装置602を備えており、電流計測装置602は、換気扇300の換気ファンモータ303に接続され、換気ファンモータ303に流れる電流を検知する。また、電流計測装置602により検知された換気ファンモータ303に流れる電流に関する情報は、HEMSコントローラ601から制御装置150のHEMS通信制御部160に送られる。なお、本実施の形態9では、HEMS通信制御部160は制御装置150の構成要素であるが、それに限定されず、制御装置150の構成要素ではないものであってもよい。
図28は、本発明の実施の形態9に係る調理器システムの加熱調理器100側の制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態9に係る調理器システムの換気ファン301の制御について、図25B、図26、および、図28を用いて説明する。
メイン制御部151は、操作制御部153により、操作部104から加熱部120の動作開示指示を受け付けたら(ステップS901のYES)、インバータ回路駆動部155により設定された火力で加熱部120を動作させ(ステップS902)、調理器通信部110により、換気扇通信部302に対して回転開始信号を送信し(ステップS903)、タイマ部157により時間の計測を開始する(ステップS904)。
一方、換気扇メイン制御部351は、換気扇通信部302により、調理器通信部110から回転開始信号を受信したら(ステップS851のYES)、換気ファンモータ駆動部352により換気ファン301を回転数R1で動作させる(ステップS852)。ここで、回転数R1とは、第二気流をアシストするのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS904の後、メイン制御部151は、HEMS通信制御部160がHEMSコントローラ601から受信した電流計測装置602の検知結果に基づいて、電流値が基準レベルv1以下であるかどうかを判定する(ステップS905)。ここで、基準レベルv1とは、第二気流が安定したとみなせるレベルであり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、電流計測装置602による電流値が基準レベルv1以下であると判定した場合(ステップS905のYES)、調理器通信部110により、換気扇通信部302に対して回転数変更信号を送信し(ステップS907)、報知部111により節電中であることを報知する(ステップS908)。
一方、メイン制御部151は、電流計測装置602による電流値が基準レベルv1未満であると判定した場合(ステップS905のNO)、記憶部156に記憶されている基準時間t1を参照し、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過しているかどうかを判定する(ステップS906)。ここで、基準時間t1とは、加熱調理器100の正常動作時に、加熱部120の動作を開始してから第二気流が安定するまでにかかる最大の時間であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していないと判定した場合(ステップS906のNO)、ステップS905に戻る。一方、メイン制御部151は、タイマ部157による計測時間が基準時間t1を経過していると判定した場合(ステップS906のYES)、報知部111により異常であることを報知する(ステップS909)。なお、異常であった場合は、換気ファン301の回転数の切り替えタイミングを正常に判断できないため、換気ファン301を回転数R1のままとし、変更しない。
一方、換気扇メイン制御部351は、換気扇通信部302により、調理器通信部110から回転数変更信号を受信したら(ステップS853のYES)、換気ファンモータ駆動部352により換気ファン301を回転数R2で動作させる(ステップS854)。ここで、回転数R2とは、第一気流および第二気流の安定状態が維持されるのに必要な回転数であり、実測結果などによりあらかじめ設定されている。
ステップS908またはS909の後、メイン制御部151は、図25Bに示すステップS808~S812の処理を行うが、実施の形態8で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
また、ステップS854の後、換気扇メイン制御部351は、図26に示すステップS855~S856の処理を行うが、実施の形態8で説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施の形態9では、メイン制御部151が、HEMSコントローラ601から受信した電流計測装置602の検知結果に基づいて、電流計測装置602による電流値が基準レベルv1以上であるかを判定したが、それに限定されない。メイン制御部151が、調理器通信部110により、換気扇通信部302に対して電流値に関する情報を送信し、換気扇メイン制御部351が、調理器通信部110から受信した電流値に関する情報に基づいて、電流計測装置602による電流値が基準レベルv1以上であるかを判定してもよい。
以上、本実施の形態9に係る調理器システムの加熱調理器100は、HEMSコントローラ601と通信を行うHEMS通信制御部160を備え、換気扇300は、換気ファン301を回転駆動する換気ファンモータ303を備え、制御装置150は、操作部104から加熱部120の動作開始指示を受け付けたら、調理器通信部110により換気扇通信部302に対して回転開始信号を送信し、HEMSコントローラ601からの情報に基づいて、換気ファンモータ303に流れる電流値が基準値以下となったら、調理器通信部110により換気扇通信部302に対して回転数変更信号を送信するものであり、換気扇制御装置350は、換気扇通信部302により調理器通信部110から加熱部120の動作開始信号を受信したら、換気ファン301を第一回転数で動作させ、換気扇通信部302により調理器通信部110から回転数変更信号を受信したら、換気ファン301を第一回転数よりも低い第二回転数で動作させるものである。
また、本実施の形態9に係る調理器システムの加熱調理器100は、HEMSコントローラ601と通信を行うHEMS通信制御部160を備え、換気扇300は、換気ファン301を回転駆動する換気ファンモータ303を備え、制御装置150は、操作部104から加熱部120の動作開始指示を受け付けたら、調理器通信部110により換気扇通信部302に対して回転開始信号を送信し、調理器通信部110により換気扇通信部302に対してHEMSコントローラ601からの情報を送信するものであり、換気扇制御装置350は、換気扇通信部302により調理器通信部110から加熱部120の動作開始信号を受信したら、換気ファン301を第一回転数で動作させ、調理器通信部110からの情報に基づいて、換気ファンモータ303に流れる電流値が基準値以下となったら、換気ファン301を第一回転数よりも低い第二回転数で動作させるものである。
本実施の形態9に係る調理器システムによれば、HEMSから得た換気ファンモータ303に流れる電流値の情報に基づいて、換気ファン301の回転数を切り替えているので、基準時間に応じて換気ファン301の回転数の切り替えるよりも、より最適なタイミングで切り替えることができる。また、換気ファンモータ303に流れる電流値をHEMSから得ているため、換気ファンモータ303に流れる電流を計測する装置を新たに設ける必要がない。
なお、実施の形態1~7のr1~r3は、本発明の「第一回転数」、「第二回転数」、「第三回転数」に相当し、実施の形態8、9のR1~R2は、本発明の「第一回転数」、「第二回転数」に相当する。