JP7109197B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法、炭化珪素単結晶インゴット - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法、炭化珪素単結晶インゴット Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素単結晶の製造方法と、それに用いる炭化珪素単結晶インゴットに関する。
半導体材料である炭化珪素(SiC)は、デバイス用基板として広く使用されているSi(珪素)に比べてバンドギャップが大きいことから、単結晶SiC基板を使用してパワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等を作製する研究が行われている。
SiCデバイスは、昇華法等で成長させた炭化珪素のバルク単結晶から加工して得られたSiC単結晶基板上に、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)等によってデバイスの活性領域となるエピタキシャル層(膜)を形成した、SiCエピタキシャルウェハを用いて作製される。
炭化珪素のバルク単結晶を製造する方法の一つとして、昇華法が広く知られている。昇華法は、黒鉛製の坩堝内に炭化珪素単結晶からなる種結晶を配置し、坩堝を加熱することで坩堝内の原料粉末から昇華した昇華ガスを種結晶に供給し、種結晶をより大きなSiC単結晶へ成長させる方法である。種結晶を黒鉛部材に接着して配置させる際、接着面に気泡や異物が存在すると種結晶裏面から貫通欠陥Dが伸長することがある。(特許文献1、特許文献2)。これは種結晶裏面からの再昇華が原因と考えられており、マイクロパイプのようにウェハに貫通穴が空いてしまうこともある。特許文献1では、種結晶裏面と坩堝蓋裏面(黒鉛部材)を平坦化処理した後、接着せずに物理的に密着させ、機械的に固定することにより、接着時の気泡の発生を防いでいる。しかし、機械的固定は再現よく行うことが難しい。また、特許文献2では種結晶を接着する工程で、接着剤を乾燥、硬化させる熱処理を特定の条件で行うことにより接着不良を防ぐとしているが、接着時に気泡や異物を完全に除去することは難しい。
炭化珪素単結晶は電子デバイスの基板として用いられるため、通常は窒素等の不純物原子がドーピングされた導電性の炭化珪素単結晶を作成する。特に、パワーデバイスの基板として用いる場合には、低抵抗であることが求められ、高濃度の窒素がドーピングされる。通常、導電性の炭化珪素単結晶を成長するための種結晶としては、得られる単結晶と同程度にドーピングされた炭化珪素単結晶からなる種結晶が用いられる。特許文献3には、種結晶と種結晶上に成長した成長結晶との不純物添加元素濃度比を5倍以内とする製造方法が記載されている。
特許第4523733号公報 特許第4224755号公報 特開2010-95397号公報
図3は、炭化珪素単結晶40の成長中における、炭化珪素種結晶50の裏面50b側周辺の断面の顕微鏡画像である。画像から、目視でも確認できるような多数の大きな貫通欠陥Dが種結晶裏面から伸長していることが分かる。貫通欠陥Dは種結晶裏面を起点として伸びており、種結晶と黒鉛部材を接着した時に生じた気泡や異物が原因と考えられる。このような貫通欠陥Dがあるウェハ上に良好なエピタキシャル膜を作製することは困難である。
現状の技術では、例えば超音波測定等を行って、大きな空隙を検出することは可能であるが、気泡や異物等による小さい欠陥を検出することは難しい。また、上述の様に低抵抗の炭化珪素単結晶の種結晶は、高濃度の窒素がドーピングされているため、可視光に対して不透明であり、種結晶を黒鉛部材に接着した後に、種結晶を通して接着部分を直接見て良否を判定することは困難である。そのため、種結晶を黒鉛部材に接着した段階で小さい気泡や異物などの不良を含んだ状態であっても、そのまま用いて結晶成長がなされることになり、それに起因した貫通欠陥Dの発生を抑制することは難しい。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、昇華法による炭化珪素の単結晶成長時に、種結晶と黒鉛部材との間に接着不良がある状態でそのまま用いてしまうことを防ぎ、種結晶裏面からの貫通欠陥が伸長する問題を回避することを可能とする、炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的とする。また、この炭化珪素単結晶の製造方法で用いる種結晶を有する、炭化珪素単結晶インゴットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
(1)本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造方法は、昇華法による炭化珪素単結晶の製造方法であって、坩堝内の黒鉛部材に、窒素濃度を5×1017cm-3以下に抑えた炭化珪素種結晶を取り付け、前記黒鉛部材と前記炭化珪素種結晶との界面の状態を検査する第1界面検査工程と、炭化珪素原料の昇華ガスおよび窒素ガスを供給し、3×1018cm-3以上の濃度で窒素ドープされた炭化珪素単結晶を成長させる単結晶成長工程と、を順に有する。
(2)前記(1)に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素種結晶として、厚さが1mm以上のものを用いることができる。
(3)前記(1)または(2)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法の前記第1界面検査工程において、前記黒鉛部材と前記炭化珪素種結晶との界面で気泡が検出された場合に、真空脱泡または加圧脱泡を行って前記気泡を除去することができる。
(4)前記(1)~(3)のいずれか一つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記第1界面検査工程において、前記黒鉛部材と前記炭化珪素種結晶との界面で異物が検出された場合に、一旦、前記炭化珪素種結晶を前記黒鉛部材から取り外し、前記異物を除去した上で、再度取り付けることができる。
(5)前記(1)~(4)のいずれか一つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、窒素濃度が5×1017cm-3以下の低ドープ領域が設けられた、炭化珪素単結晶のインゴットを準備し、前記低ドープ領域の部分を前記インゴットから切り出し、前記炭化珪素種結晶として用いることができる。
(6)前記(1)~(5)のいずれか一つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記単結晶成長工程の後に、前記炭化珪素種結晶と、その上に成長した前記炭化珪素単結晶インゴットとを前記黒鉛部材から取り外し、前記炭化珪素種結晶側から、前記炭化珪素種結晶と前記炭化珪素単結晶との界面の状態を検査する第2界面検査工程を、さらに有することができる。
(7)本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶インゴットは、窒素濃度が5×1017cm-3以下の領域、および窒素濃度が3×1018cm-3以上の領域が設けられている。
本発明で炭化珪素単結晶の成長に用いる種結晶は、窒素濃度が5×1017cm-3以下に抑えられているため、その一方の側において反対側の状態を目視できる程度に透明な状態である。したがって、種結晶を黒鉛部材に取り付けた時点で、種結晶の裏側を目視し、種結晶と黒鉛部材との界面の状態、具体的には、そこに種結晶裏面からの貫通欠陥(マクロ欠陥)の発生因子である気泡や異物等が存在しているかどうかを、検査することができる。
検査の結果、気泡が存在している場合には真空脱泡または加圧脱泡を行って除去し、異物等が存在している場合には一度接着面を剥がして異物をピンセット等で除去することにより、黒鉛部材との界面に気泡や異物がない状態で、種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。このようにして、種結晶裏面からの貫通欠陥の発生因子を、製造プロセスの早い段階で発見して除去することにより、種結晶裏面から伸長する貫通欠陥に起因した、基底面転位の発生の問題を回避することができ、最終製品として高品質のSiCデバイスを得ることができる。
また、本発明の炭化珪素単結晶インゴットには、窒素濃度が5×1017cm-3以下の領域が設けられているため、この部分を切り出し、炭化珪素の単結晶成長用の種結晶として利用することができる。
本発明の一実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置の縦断面図である。 (a)~(d)本発明の一実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造工程のフローを示す図である。 炭化珪素単結晶の成長中における、炭化珪素種結晶の裏面側周辺の断面画像である。
以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る、炭化珪素単結晶の製造装置100の縦断面図であり、炭化珪素単結晶10のインゴット(炭化珪素単結晶インゴット)が形成されている状態を示している。炭化珪素単結晶の製造装置100は、少なくとも、坩堝101と、坩堝101内の一端側に配された炭化珪素種結晶(シード)20が配置される黒鉛部材102と、坩堝101の外壁を囲むコイル103とを備え、坩堝101内の他の一端側に、原料30が収容されるように構成されている。炭化珪素単結晶の製造装置100は、さらに、黒鉛部材102から原料30に向けて拡径するテーパーガイド104を備えていることが好ましい。また、炭化珪素単結晶の製造装置100は、坩堝101とコイル103との間に、コイル103の誘導加熱により発熱する発熱体(不図示)を有していてもよい。
炭化珪素単結晶の製造装置100は、コイル103に交流電流を流すことによって、坩堝101が加熱され、原料30から昇華ガス(原料ガス)が発生し、この昇華ガスが、テーパーガイド104に沿って、黒鉛部材102上の炭化珪素種結晶20に供給されるように構成されている。炭化珪素種結晶20に昇華ガスが供給されることにより、炭化珪素種結晶20の表面に炭化珪素単結晶10のインゴットが結晶成長することになる。
図2(a)~(d)は、本発明の一実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造工程のフローを示す図であり、各工程における、炭化珪素単結晶10のインゴットの周辺部分105(図1)を拡大したものである。図2(a)~(d)を用い、炭化珪素単結晶の製造方法について、以下に説明する。
(種結晶準備工程)
まず、本発明の炭化珪素単結晶の製造に用いる種結晶を準備する。図2(a)に示すように、黒鉛部材102に、カーボン接着剤等を用いて炭化珪素種結晶20Aを取り付け、昇華法によって、炭化珪素種結晶20Aの表面に炭化珪素単結晶10Aを成長させる。この種結晶準備工程における炭化珪素単結晶成長中に、窒素ガスを供給せずに成長を行う(窒素ドープを行わない)。通常の炭化珪素単結晶の成長は、所望の抵抗値を有するウェハを得るために坩堝101内に窒素(N)供給量を調整しながら行う。また一般に、作製された炭化珪素インゴットの一部から種結晶を取得し、再度成長させることを繰り返す。この際、アンドープのインゴットを製造する場合にはアンドープの種結晶を用い、窒素ドープのインゴットを製造する場合には窒素ドープの種結晶を用いるのが一般的であった。そして、これまでは窒素濃度の高いn型の炭化珪素ウェハを作製する場合、同様に窒素濃度の高い種結晶を用いることが一般的であった。これに対し、本発明は、窒素濃度の低い種結晶を用いて窒素濃度の高いn型の炭化珪素インゴット(ひいては炭化珪素ウェハ)を製造することが従来技術と異なる特徴である。
得られた炭化珪素単結晶10Aのインゴットを黒鉛部材102から取り外し、その一部分10aを切り出す。切り出した部分10aが、本発明の炭化珪素単結晶の製造に用いる炭化珪素種結晶20Bに相当する。
炭化珪素種結晶の厚さは1mm以上がであることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。種結晶が1mm未満であると、黒鉛との熱膨張係数差で割れやすく、また、再結晶の際の昇温時に種結晶に結晶欠陥が入る場合があるため、厚くすることが好ましい。上限としては、厚すぎるとコストが高くなるため10mm以下が好ましい。
炭化珪素種結晶20Bは、窒素ドープが行われておらず、窒素濃度が5×1017cm-3以下に抑えられているため、光の透過率が高く、その一方の側において反対側の状態を目視(透視)できる程度の透明性を有している。特に、炭化珪素種結晶の厚さを1mm以上とした場合、通常デバイスに使用される基板の窒素濃度である3×1018cm-3以上では、可視光に対して厚さ方向に不透明になってしまうので、窒素濃度を5×1017cm-3以下に抑えて透過率を高くする効果が大きい。
また、種結晶の窒素濃度は5×1017cm-3以下とすることが好ましく、3×1017cm-3以下とすることがより好ましく、1×1017cm-3以下とすることがさらに好ましい。窒素濃度が低いと、より透明度が増して検査の精度が上がる。特に、基板が厚い場合、窒素濃度が低いことはより有効である。
尚、前記の種結晶準備工程では、窒素ガスを供給せずに成長を行う方法を示したが、原料が高純度であってアンドープで高純度の炭化珪素単結晶が得られる場合には、窒素濃度を5×1017cm-3以下とする範囲で、窒素ガスを微小量供給してもよい。
(第1界面検査工程)
次に、この炭化珪素種結晶20Bを用いて、本発明の炭化珪素単結晶の製造を行う。図2(b)に示すように、炭化珪素種結晶20Bを、カーボン接着剤等の用いて黒鉛部材102に取り付ける。
続いて、炭化珪素種結晶20Bの透明性を利用して、その単結晶成長面20a側から黒鉛部材との接触面(裏面)20b側を、目視によって、あるいは所定の観察手段を用いて観察し、黒鉛部材102と炭化珪素種結晶20Bとの界面(第1界面)の状態を検査する。ここでの界面の状態の検査とは、炭化珪素種結晶20Bに裏面から伸びる貫通欠陥を発生させるような因子(気泡、異物等)が、黒鉛部材102との界面に存在しているかどうかについての検査を意味している。
界面状態の検査によって、図2(b)に示すような裏面から伸びる貫通欠陥の発生因子Pの存在が検出された場合には、その除去を行う。例えば、界面に気泡が存在している場合には、真空脱泡または加圧脱泡を行って除去する。また、界面に異物が存在している場合には、一旦、炭化珪素種結晶20Bを黒鉛部材102から取り外し、炭化珪素種結晶20Bあるいは黒鉛部材102に付着している異物を、ピンセット等により除去した上で、再度取り付ける。
種結晶裏面からの貫通欠陥の発生因子Pの除去作業後、再度、界面の状態を検査する。気泡や異物等の裏面から伸びる貫通欠陥の発生因子Pが、目視あるいは所定の観察手段で検出されなくなる程度、あるいは所定の判断基準以下の面密度となるまで、当該除去作業および検査作業を繰り返す。目視で気泡や異物が完全に見られない状態とすることが好ましい。
(単結晶成長工程)
次に、第1界面検査工程を経て、黒鉛部材102との界面に裏面から伸びる貫通欠陥の発生因子Pが低減された状態で、昇華法により、炭化珪素原料の昇華ガスおよび窒素ガスを供給し、図2(c)に示すように、炭化珪素種結晶20Bの表面に炭化珪素の単結晶10Bを成長させる。窒素ガスの供給は、成長中の炭化珪素単結晶10Bに、窒素が3×1018cm-3以上の濃度でドープされるように、調整して行う。この結果、炭化珪素単結晶10B中の窒素濃度は、炭化珪素種結晶20B中の窒素濃度の6倍以上となる。
単結晶成長工程での窒素濃度は3×1018cm-3以上とすることが好ましく、5×1018cm-3以上とすることがより好ましい。炭化珪素単結晶の窒素濃度が高いと、キャリア濃度が増加し、デバイスにした時の基板の抵抗を低くすることができる。
最後に、図2(d)に示すように、成長した炭化珪素単結晶10Bのインゴットを、炭化珪素種結晶20Bとともに黒鉛部材102から取り外す。
なお、炭化珪素単結晶10Bの成長中に、窒素ガスの供給を一時的に止めるか、窒素ガスの供給量を一時的に減らすことによって、成長後の炭化珪素単結晶10Bのインゴットに、窒素濃度が5×1017cm-3以下の低ドープ領域が設けられることになる。低ドープ領域以外の領域は、デバイス動作に必要な濃度(通常は3×1018cm-3以上)となる。低ドープ領域を設ける位置は、窒素ガスの供給を止めるタイミング、あるいは窒素ガスの供給量を減らすタイミングによって調整することができる。
低ドープ領域の部分は透明性を有しているため、インゴットから切り出すことによって、別の炭化珪素単結晶を成長させる際に、第1界面検査工程を実施するための炭化珪素種結晶として利用することができる。
上記のように低ドープ領域を設ける場合、他の領域(高ドープ領域)との境界部分において窒素濃度が連続的に変化するように、すなわち低ドープ領域から高ドープ領域に向けて窒素濃度が徐々に増加するように、窒素ガスの供給量を調整してもよい。このようにして、低ドープ領域と高ドープ領域との間での窒素濃度の変化を小さくすることにより、2つの領域の格子定数差に起因する転位等の欠陥の発生を抑制することができる。
上記単結晶成長工程を経ることによって、本発明の炭化珪素単結晶10Bのインゴットを得ることができるが、この工程の後に、さらに次に述べる界面検査を行ってもよい。
(第2界面検査工程)
図2(d)に示す状態で、炭化珪素種結晶20Bの透明性を利用して、炭化珪素種結晶20Bの裏面20b側から単結晶成長面20a側を、目視によって、あるいは所定の観察手段を用いて観察し、炭化珪素単結晶10Bの成長界面(第2界面)の状態を検査する。ここでの成長界面の状態の検査とは、転位密集部や異種多形等による欠陥が、炭化珪素単結晶10Bの成長界面に存在しているかどうかについての検査を意味している。
第1界面検査工程を経ているため、この工程で見つかる転位や欠陥は、少なくとも、炭化珪素種結晶20Bと黒鉛部材10Bとの界面の状態に起因した、裏面から伸びる貫通欠陥によるものではないことが分かっている。したがって、当該転位、欠陥は、炭化珪素種結晶20Bの表面の形状や、坩堝101内における単結晶成長条件、例えば昇華ガスの分布や温度分布等の条件に起因するものと考えられ、これらの改善に絞って対策を立てることができる。
以上のように、本実施形態において炭化珪素単結晶の成長に用いる種結晶は、窒素濃度が5×1017cm-3以下に抑えられているため、その一方の側において反対側の状態を目視できる程度に透明な状態である。したがって、種結晶を黒鉛部材に取付けた時点で、種結晶の裏側を目視し、種結晶と黒鉛部材との界面の状態、具体的には、そこに種結晶裏面から伸びる貫通欠陥の発生因子である気泡や異物等が存在しているかどうかを、検査することができる。
検査の結果、気泡が存在している場合には真空脱泡または加圧脱泡を行って除去し、異物が存在している場合には、一度接着面を剥がして異物をピンセット等を用いて除去することにより、黒鉛部材との界面に気泡や異物がない状態で、種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。このようにして、種結晶裏面からの貫通欠陥の発生因子を、製造プロセスの早い段階で発見して除去することにより、種結晶裏面から伸長する貫通欠陥に起因した、基底面転位の発生の問題を回避することができ、最終製品として高品質のSiCデバイスを得ることができる。
本発明は、昇華法によってSiC単結晶を成長させる際に活用することができ、SiC単結晶を用いたデバイスの特性に影響を及ぼすキラー欠陥を低減し、歩留りの向上に大きく貢献する手段を提供するものである。
100・・・炭化珪素単結晶の製造装置
101・・・坩堝
102・・・黒鉛部材
103・・・コイル
104・・・テーパーガイド
105・・・インゴットの周辺部分
10、10A、10B、40・・・炭化珪素単結晶
10a・・・炭化珪素単結晶の一部分
20、20A、20B、50・・・炭化珪素種結晶
20a・・・炭化珪素種結晶の単結晶成長面
20b、50b・・・炭化珪素種結晶の裏面
30・・・原料
D・・・種結晶裏面から伸びる貫通欠陥
P・・・種結晶裏面から伸びる貫通欠陥の発生因子

Claims (8)

  1. 昇華法による炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    坩堝内の黒鉛部材に、窒素濃度を5×1017cm-3以下に抑えた炭化珪素種結晶を取り付け、前記黒鉛部材と前記炭化珪素種結晶との界面の状態を検査する第1界面検査工程と、
    炭化珪素原料の昇華ガスおよび窒素ガスを供給し、3×1018cm-3以上の濃度で窒素ドープされた、炭化珪素単結晶を成長させる単結晶成長工程と、を順に有することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記炭化珪素種結晶として、厚さが1mm以上のものを用いることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記第1界面検査工程において、前記黒鉛部材と前記炭化珪素種結晶との界面で気泡が検出された場合に、真空脱泡または加圧脱泡を行って前記気泡を除去することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記第1界面検査工程において、前記黒鉛部材と前記炭化珪素種結晶との界面で異物が見つかった場合に、一旦、前記炭化珪素種結晶を前記黒鉛部材から取り外し、前記異物を除去した上で、再度取り付けることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 窒素濃度が5×1017cm-3以下の低ドープ領域が設けられた、炭化珪素単結晶のインゴットを準備し、前記低ドープ領域の部分を前記インゴットから切り出し、前記炭化珪素種結晶として用いることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記単結晶成長工程の後に、前記炭化珪素種結晶と、その上に成長した炭化珪素単結晶インゴットとを前記黒鉛部材から取り外し、前記炭化珪素種結晶側から、前記炭化珪素種結晶と前記炭化珪素単結晶との界面の状態を検査する第2界面検査工程を、さらに有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 炭化珪素単結晶インゴットであって、
    前記炭化珪素単結晶インゴットは、窒素濃度が5×1017cm-3以下の低ドープ領域と、窒素濃度が3×1018cm-3以上の高ドープ領域前記低ドープ領域と前記高ドープ領域との界面と、を有し、
    前記高ドープ領域の厚さは、前記低ドープ領域の厚さより厚く、
    前記低ドープ領域の厚さは、2mm以上10mm以下であり、
    前記低ドープ領域は、前記炭化珪素単結晶インゴットの製造に用いられた種結晶である、ことを特徴とする炭化珪素単結晶インゴット。
  8. 前記低ドープ領域の、前記高ドープ領域との前記界面の反対側の面から前記界面に伸長する貫通欠陥を有さない、ことを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素単結晶インゴット。
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