JP7103138B2 - 蓄電装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電装置及びその製造方法に関する。
特許文献1には、バイポーラ型二次電池が記載されている。このバイポーラ型二次電池は、金属製の集電体の一面に正極を設けると共に他面に負極を設けたバイポーラ電極と、正極及び負極の間に挟まれたセパレータと、正極、負極及びセパレータによって構成された単電池の周囲を取り囲むと共に集電体の間に圧着された枠状のシール材とを含む。このバイポーラ型二次電池では、シール材は樹脂部材であり、樹脂部材は単電池の周囲を取り囲む高圧着部位を有する。
特開2014-56799号公報
蓄電装置の製造においてコスト低減を図るために、集電体としてニッケルメッキ処理を施した鋼板を用いることが検討されている。この場合、必要となるメッキ量をなるべく少なくすることによってコスト低減効果を高めることが望ましい。その一方で、鋼板と樹脂部材との間から電解液が漏れることを十分に抑制するためには、鋼板と樹脂部材との間において液密性を確保することが求められる。
本発明は、鋼板と樹脂部材との間の液密性を確保しつつ、メッキの全体量の低減を図ることができる蓄電装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る蓄電装置は、第1面及び第1面とは反対側の第2面を有する鋼板をそれぞれ有し、セパレータを介して第1方向に沿って積層された複数の電極と、鋼板の第1面を覆うように設けられた粗化メッキ層と、鋼板の周縁部に沿って粗化メッキ層上に配置された複数の樹脂部材と、を備え、鋼板の周縁部における粗化メッキ層の平均粗さは、鋼板の周縁部に包囲された中央部における粗化メッキ層の平均粗さよりも大きい。
上記蓄電装置では、各電極の鋼板において樹脂部材が設けられる部分(周縁部)の粗化メッキ層の平均粗さは、樹脂部材が設けられない部分(中央部)の粗化メッキ層の平均粗さよりも大きい。これにより、鋼板の周縁部と樹脂部材との密着性を向上させることができ、鋼板の周縁部と樹脂部材との間の液密性を確保することができる。その一方で、樹脂部材が設けられない中央部のメッキ量を樹脂部分が設けられる周縁部のメッキ量よりも低減することにより、各鋼板において必要とされるメッキの全体量を低減できる。したがって、上記蓄電装置によれば、鋼板と樹脂部材との間の液密性を確保しつつ、メッキの全体量の低減を図ることができる。
本発明の一側面に係る蓄電装置の製造方法は、上記蓄電装置を電解メッキ処理により製造する製造方法であって、鋼板を準備する工程と、アノードとしての金属板とカソードとしての鋼板の第1面とが互いに対向するように、メッキ液内に金属板と鋼板とを配置する工程と、金属板と鋼板とが対向する方向から見て、金属板に対して鋼板の中央部が覆い隠されるように、金属板と鋼板との間に遮蔽部材を配置する工程と、金属板及び鋼板に電流を供給することにより、鋼板の第1面に粗化メッキ層を形成する工程と、を含む。
上記製造方法では、金属板に対して鋼板の中央部を覆い隠すように、金属板と鋼板との間に遮蔽部材が配置された状態で電解メッキ処理が実行される。これにより、メッキ液内において、金属板から鋼板へと向かう電流を鋼板の中央部よりも周縁部に集中させることができる。その結果、単位時間当たりにおいて、鋼板の周縁部に形成される粗化メッキ層のメッキ量を、鋼板の中央部に形成される粗化メッキ層のメッキ量よりも大きくすることができる。したがって、上記製造方法によれば、上述した蓄電装置を適切かつ比較的簡易に製造することができる。
本発明の他の側面に係る蓄電装置の製造方法は、上記蓄電装置を電解メッキ処理により製造する製造方法であって、鋼板を準備する工程と、アノードとしての金属板とカソードとしての鋼板の第1面とが互いに対向するように、メッキ液内に金属板と鋼板とを配置する工程と、金属板及び鋼板に電流を供給することにより、鋼板の第1面に粗化メッキ層を形成する工程と、を含み、金属板と鋼板とが対向する対向方向における金属板と鋼板の周縁部との間の距離は、対向方向における金属板と鋼板の中央部との間の距離よりも短い。
上記製造方法では、金属板と鋼板の周縁部との間の距離の方が、金属板と鋼板の中央部との間の距離よりも短くされた状態で電解メッキ処理が実行される。このように、鋼板の周縁部における極間距離(金属板との距離)を中央部における極間距離よりも短くすることにより、単位時間当たりにおいて、鋼板の周縁部に形成される粗化メッキ層のメッキ量を、鋼板の中央部に形成される粗化メッキ層のメッキ量よりも大きくすることができる。したがって、上記製造方法によれば、上述した蓄電装置を適切かつ比較的簡易に製造することができる。
上記他の側面に係る蓄電装置の製造方法は、粗化メッキ層を形成する工程の前に、対向方向から見て、金属板に対して鋼板の周縁部が覆い隠されるように、金属板と鋼板との間に遮蔽部材を配置する工程を更に含んでもよい。この場合、上述した金属板を用いることにより鋼板の周縁部のメッキ量を多くすることができる一方で、遮蔽部材を設けることにより鋼板の周縁部への電流集中を抑制することができる。このように金属板及び遮蔽部材の互いに背反する関係性を利用することにより、鋼板の周縁部のメッキ量と鋼板の中央部のメッキ量との差をより細かく調整することが可能となる。
本発明によれば、鋼板と樹脂部材との間の液密性を確保しつつ、メッキの全体量の低減を図ることができる蓄電装置及びその製造方法を提供することができる。
一実施形態に係る蓄電装置を模式的に示す断面図である。 図2(a)は、図1における集電体の周縁部を含む部分の拡大図であり、図2(b)は、図2(a)の要部拡大図である。 粗化メッキ層の形成方法の第1の例を模式的に示す図である。 比較例に係る粗化メッキ層の形成方法を模式的に示す図である。 粗化メッキ層の形成方法の第2の例を模式的に示す図である。 粗化メッキ層の形成方法の第3の例を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して蓄電装置及びその製造方法(粗化メッキ層の形成方法)の一実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。図1及び図2には、説明の便宜上、XYZ直交座標系が示されている。
図1は、本実施形態に係る蓄電装置を模式的に示す断面図である。蓄電装置1は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、或いは電気二重層キャパシタである。蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。以下、一例として、蓄電装置1がニッケル水素二次電池である場合について説明する。
蓄電装置1は、バイポーラ電極(電極)3の積層体2を備えたバイポーラ電池である。蓄電装置1は、バイポーラ電極3の積層体2と、積層体2を保持するケース5と、積層体2を拘束する拘束体6とを備えている。
積層体2は、セパレータ7を介して複数のバイポーラ電極3を第1方向D1に沿って積層することによって構成されている。第1方向D1は、ここではZ軸方向に沿う方向であり、以下では上下方向または積層方向とも呼称する。例えば、後述する端子部材25から離間しているバイポーラ電極3を基準とした場合、当該バイポーラ電極3の上下にはセパレータ7を間に挟んで別のバイポーラ電極3がそれぞれ設けられている。バイポーラ電極3のそれぞれは、集電体11と、集電体11の一方の面11aに設けられた正極層12と、集電体11の他方の面11bに設けられた負極層13とを有している。正極層12及び負極層13のそれぞれは、活物質層であり、集電体11の少なくとも中央部Mに設けられている。積層体2において、一のバイポーラ電極3の正極層12は、第1方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極3の負極層13と対向し、一のバイポーラ電極3の負極層13は、第1方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極の正極層12と対向している。積層体2は、隣り合うバイポーラ電極3同士の間隔を保持するための複数の樹脂スペーサ4(樹脂部材)を有する。樹脂スペーサ4は、バイポーラ電極3の周縁部11cに沿って配置されており、且つ、当該バイポーラ電極3の一表面に接して設けられている。樹脂スペーサ4は、例えば周縁部11c上に配置された樹脂を硬化することによって形成される。硬化前の樹脂は、液体状でもよいし、シート状でもよいし、ゲル状でもよい。
集電体11は、ニッケルメッキ処理が表面に施された鋼板Sである。鋼板Sとしては、例えばJIS G 3141:2005にて規定される冷間圧延鋼板(SPCC等)が挙げられる。集電体11の厚さは、例えば、0.1μm以上1000μm以下であってもよい。正極層12を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極層13を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。集電体11の他方の面11bにおける負極層13の形成領域は、集電体11の一方の面11aにおける正極層12の形成領域に対して一回り大きくてもよい。なお、ニッケルメッキ処理の詳細については後述する。
集電体11の周縁部11cは、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域であって、樹脂スペーサ4が接合される部分である。本実施形態では一例として、周縁部11cは、ケース5の内壁5aに埋没した状態でケース5に保持されている。周縁部11cの一方の面11aと内壁5aとの間には、樹脂スペーサ4が介在されている。これにより、第1方向D1に隣り合う集電体11,11間には、当該集電体11,11とケース5の内壁5aとによって仕切られた空間が形成されている。当該空間には、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。第1方向D1に隣り合うバイポーラ電極3同士の間に形成される電解液の収容空間は、樹脂スペーサ4によって互いに液密に分離(シール)されている。
積層体2の一方(Z軸方向正方向)の積層端には、片面に負極層13のみが設けられた集電体11Aが積層されている。当該集電体11Aは、セパレータ7を介して負極層13と最上層のバイポーラ電極3の正極層12とが対向するように配置されている。集電体11Aは、例えば、集電体11と同様にニッケルメッキ処理が施された鋼板でもよいし、ニッケル箔等の金属箔でもよい。また、積層体2の他方(Z軸方向負方向)の積層端には、正極層12のみが設けられた集電体11Bが積層されている。当該集電体11Bは、セパレータ7を介して正極層12と最下層のバイポーラ電極3の負極層13とが対向するように配置されている。集電体11Bは、例えば、集電体11と同様にニッケルメッキ処理が施された鋼板でもよいし、ニッケル箔等の金属箔でもよい。集電体11A,11Bの縁部は、バイポーラ電極3の集電体11と同様に、ケース5の内壁5aに埋没した状態でケース5に保持されている。集電体11A,11Bの縁部の一方の面と内壁5aとの間には、樹脂スペーサ4が介在されている。集電体11A,11Bは、バイポーラ電極3の集電体11に比べて厚く形成されてもよい。
セパレータ7は、例えばシート状に形成されている絶縁物である。セパレータの形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン等からなる織布又は不織布等が例示される。また、セパレータ7は、フッ化ビニリデン樹脂化合物等で補強されてもよい。なお、セパレータ7は、シート状に限られず、袋状の絶縁物を用いてもよい。
ケース5は、例えば絶縁性の樹脂を用いた射出成形によって矩形の筒状に形成されている。樹脂性のケース5を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、変性ポリフェニレンサルファイド(変性PPS)等が挙げられる。ケース5は、バイポーラ電極3の積層によって形成される積層体2の側面2aを取り囲んで保持する部材である。
拘束体6は、一対の拘束プレート21,21と、拘束プレート21,21同士を連結する連結部材(ボルト22及びナット23)とによって構成されている。拘束プレート21は、例えば鉄等の金属によって平板状に形成されている。拘束プレート21の縁部には、ボルト22を挿通させる挿通孔21aがケース5よりも外側となる位置に設けられている。拘束体6における挿通孔21aの内周面及びボルト座面には、絶縁処理がなされている。また、拘束プレート21の一面側には、絶縁性部材24を介して端子部材25(負極端子部材25A,正極端子部材25B)が結合されている。拘束プレート21と端子部材25との間に介在させる絶縁性部材24の形成材料としては、例えばフッ素系樹脂、又はポリエチレン樹脂が挙げられる。
一方の拘束プレート21は、第1方向D1においてケース5よりも一方側に位置している。一方の拘束プレート21は、ケース5の内側で負極端子部材25Aと集電体11Aとが当接するようにケース5の一端面に突き当てられる。他方の拘束プレート21は、第1方向D1においてケース5よりも他方側に位置している。他方の拘束プレート21は、ケース5の内側で正極端子部材25Bと集電体11Bとが当接するようにケース5の他端面に突き当てられる。ボルト22は、例えば一方の拘束プレート21側から他方の拘束プレート21側に向かって挿通孔21aに通され、他方の拘束プレート21から突出するボルト22の先端には、ナット23が螺合されている。
これにより、積層体2、集電体11A,11B、及びケース5が挟持されてユニット化されると共に、積層体2には第1方向D1に沿った拘束荷重が付加される。また、負極端子部材25Aは、一方の拘束プレート21と積層体2との間に配置され、正極端子部材25Bは、他方の拘束プレート21と積層体2との間に配置される。負極端子部材25Aには、引出部26が接続されている。正極端子部材25Bには、引出部27が接続されている。引出部26及び引出部27によって、蓄電装置1の充放電を行うことができる。
続いて、上述した蓄電装置1における集電体11の構造と、集電体11,11A,11Bと樹脂スペーサ4との接合部の構成について、図2(a),(b)を参照しながら説明する。図2(a)は、図1における集電体の周縁部を含む部分の拡大図である。図2(b)は、図2(a)の要部拡大図である。なお、以下の説明においては、集電体11について説明を行う。集電体11A,11Bは、集電体11と同様の構成を有してもよいし、同様の構成を有さなくてもよい。
図2(a)に示されるように、集電体11において、鋼板Sの一方の表面S1(第1面)を覆う粗化メッキ層30が形成されている。鋼板Sの他方の表面S2(第1面とは反対側の第2面)には、粗化メッキ層30は形成されていない。集電体11の周縁部11cにおいて、樹脂スペーサ4は、粗化メッキ層30に接するように設けられている。粗化メッキ層30は、鋼板Sと樹脂スペーサ4との間における結合強度及び液密性を確保すると共に、集電体11の表面積を大きくするために設けられている。粗化メッキ層30は、集電体11を構成する鋼板Sに対して電解ニッケルメッキ処理(電解メッキ処理)を実施することによって、鋼板Sの表面S1に形成されている。すなわち、粗化メッキ層30は、電解メッキ処理によって形成されたニッケルメッキ層に相当する。
図2(a),(b)に示されるように、一例として、粗化メッキ層30は、鋼板Sの一方の表面S1上に設けられる第1ニッケルメッキ層31と、第1ニッケルメッキ層31上に設けられる第2ニッケルメッキ層32とを有する。第1ニッケルメッキ層31と、第2ニッケルメッキ層32とは、互いに異なる条件にて電解メッキを実施することによって形成されている。
第1ニッケルメッキ層31は、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って鋼板Sの一方の表面S1上に設けられる電解メッキ層である。第2方向D2は、XY平面に沿う方向、もしくは一方の表面S1の延在方向に相当する。したがって、第2方向D2は、必ずしも第1方向D1に直交しなくてもよい。第1ニッケルメッキ層31は、一方の表面S1の全体を覆っている。これにより、粗化メッキ層30にピンホール等が形成されにくくなるので、リーク電流の発生を抑制できる。第1ニッケルメッキ層31の表面形状は、一方の表面S1の形状と異なっている。具体的には、第1ニッケルメッキ層31は、第1方向D1に沿って突出する複数の凸部33を有する。このため、第1ニッケルメッキ層31の表面形状は、鋼板Sの一方の表面S1に沿っておらず、鋼板Sの一方の表面S1の表面形状よりも粗くなっている。したがって、第1ニッケルメッキ層31は、平滑メッキ層とは異なるように設けられている。平滑メッキ層は、メッキされる対象の表面に沿った表面形状を呈するメッキ層である。
複数の凸部33は、第2方向D2に沿って不規則に設けられる。第1ニッケルメッキ層31の厚さが約1μmまたはそれ以上である場合、凸部33の平均高さは、例えば0.4μm以上であって、第1ニッケルメッキ層31の厚さの半分以下程度である。この場合、第2ニッケルメッキ層32の形状を良好にすることができる。凸部33の平均高さは、例えばレーザ共焦点光学系を用いた顕微鏡を用いて測定される。
第2ニッケルメッキ層32は、第1ニッケルメッキ層31を被成膜面として設けられる電解メッキ層であり、第1ニッケルメッキ層31よりも大きい表面粗さを有する。第2ニッケルメッキ層32は、必ずしも第1ニッケルメッキ層31の表面全体を覆うように形成されなくてもよい。例えば、第2ニッケルメッキ層32は、第1ニッケルメッキ層31から第1方向D1に突出する複数の突起34の集合体であってもよい。この場合、第2ニッケルメッキ層32は、粗化メッキ層とも呼称される。複数の突起34のそれぞれは、対応する凸部33に接する部分を基端34aとして、第1方向D1に沿って先端34bに至るように形成されている。
複数の突起34の少なくとも一部は、例えば略球形状を呈するニッケル結晶等の析出金属(付与物)を含む。このような析出金属が互いに重畳することによって、当該突起34の第2方向D2における長さ寸法が、基端34aにおける第2方向D2の長さ寸法よりも大きい拡大部34cが形成されている。すなわち、少なくとも一部の突起34は、基端34a側から先端34b側に向かって先太りとなる先太り形状を呈している。突起34における拡大部34cの位置は、必ずしも先端34bでなくてもよいが、少なくとも基端34aよりも先端34b側に位置している。換言すると、先太り形状を呈する突起34において第2方向D2の長さ寸法が最も大きい箇所は、先端34bでなくてもよいが、基端34a以外に位置している。突起34における拡大部34cの位置は、析出金属の重複態様により突起34ごとに異なってもよい。
複数の突起34において隣り合う二つの突起34であって、少なくとも一方が先太り形状を呈する当該二つの突起34間には、樹脂スペーサ4の一部4aが介在されている。例えば、樹脂スペーサ4を構成する樹脂が硬化する前に、当該樹脂の一部が突起34間に介在される。そして樹脂全体を硬化することによって、突起34間に樹脂スペーサ4の一部4aが介在される。これにより、隣り合う二つの突起34は、介在される樹脂スペーサ4の一部4aが基端34aから離れる方向へ移動することを規制する。換言すれば、隣り合う突起34の間の断面形状は、アンカー効果を奏するアンダーカット形状となっている。
バイポーラ電極3の中央部M(図1参照)においても、鋼板Sの一方の表面S1を覆う粗化メッキ層30が形成されている。中央部Mは、粗化メッキ層30を介して正極層12の正極活物質と結合されている。すなわち本実施形態では、粗化メッキ層30は、周縁部11cから中央部Mにわたって鋼板Sの一方の表面S1に連続的に形成されている。中央部Mにおいては、粗化メッキ層30によって、集電体11と正極層12との結合強度が確保されている。これにより、例えば正極層12(正極活物質層)を集電体11に塗工する際等において、集電体11からの正極層12の剥離が抑制される。
粗化メッキ層30は、複数の鋼板Sのいずれにおいても、第1方向D1の一方側(Z軸方向正方向)の表面S1を覆っている。樹脂スペーサ4は、複数の集電体11のいずれにおいても、粗化メッキ層30を介して配置されている。これにより、第1方向D1にて隣り合うバイポーラ電極3においては、集電体11の一方の面11a上に位置する樹脂スペーサ4と、集電体11の他方の面11bとが、第1方向D1において対向している。つまり、隣り合うバイポーラ電極3においては、集電体11の一方の面11aと、集電体11の他方の面11bとは、樹脂スペーサ4によって互いに離間している。このため、隣り合うバイポーラ電極3においては、集電体11の一方の面11aと、集電体11の他方の面11bとの絶縁性は、樹脂スペーサ4によって確保されている。
ここで、鋼板Sの周縁部11cにおける粗化メッキ層30の平均粗さ(ここでは一例として、SRzjis)は、鋼板Sの周縁部11cに包囲された中央部Mにおける粗化メッキ層30の平均粗さよりも大きい。すなわち、鋼板Sにおいて少なくとも樹脂スペーサ4が接合される領域(周縁部11c)には、他の領域(中央部M)と比較して平均粗さが大きい領域が形成されている。本実施形態では、周縁部11cにおけるメッキ量を中央部Mにおけるメッキ量よりも多くすることにより、周縁部11cにおける凸部33及び/又は突起34の量及び/又は高さが、中央部Mにおける凸部33及び/又は突起34の量及び/又は高さよりも大きくなっている。これにより、周縁部11c上に形成される粗化メッキ層30の平均粗さが高められている。鋼板Sの周縁部11c上に形成される粗化メッキ層30の平均粗さは、例えば4μm以上であり、鋼板Sの中央部M上に形成される粗化メッキ層30の平均粗さは、例えば4μm以下である。ここで、上述したSRzjisは、Rzjis(基準長さにおける十点平均粗さ)をある面内範囲において複数の線で平均化することにより得られる値である。なお、粗化メッキ層30の平均粗さの指標としては、SRzjis以外の指標(例えば、Rzjis等)が用いられてもよい。ただし、SRzjisを用いることにより、特異点が抽出された際に誤差が大きくなり易いというRzjisのデメリットを回避できる。
以上説明した蓄電装置1では、各バイポーラ電極3の鋼板Sにおいて樹脂スペーサ4が設けられる部分(周縁部11c)の粗化メッキ層30の平均粗さ(ここでは一例としてSRzjis)は、樹脂スペーサ4が設けられない部分(中央部M)の粗化メッキ層30の平均粗さよりも大きい。本実施形態では、周縁部11cにおいて、上述した凸部33及び/又は突起34が十分に形成されている。これにより、鋼板Sの周縁部11cと樹脂スペーサ4との密着性を向上させることができ、周縁部11cと樹脂スペーサ4との間の結合強度及び液密性を確保することができる。一方、このような液密性を確保する必要がない中央部Mにおいては、メッキ量が必要最小限に抑えられている。このように、樹脂スペーサ4が設けられない中央部Mのメッキ量を樹脂スペーサ4が設けられる周縁部11cのメッキ量よりも低減することにより、各鋼板Sにおいて必要とされるメッキの全体量を低減できる。したがって、蓄電装置1によれば、鋼板Sと樹脂スペーサ4との間の液密性を確保しつつ、メッキ(粗化メッキ層30)の全体量の低減を図ることができる。
次に、図3~図6を参照して、粗化メッキ層30の形成方法(蓄電装置の製造方法)について説明する。
(第1の例)
第1の例では、図3に示されるメッキ装置40によって粗化メッキ層30が形成される。メッキ装置40は、メッキ槽41と、陽極(アノード)としての金属板42と、陰極(カソード)としての鋼板Sと、直流電源43と、リード線43a,43bと、を備えている。メッキ槽41には、メッキ液44が貯留される。メッキ液44は、例えば、ニッケル陽イオンが存在する電解液である。メッキ液44は、例えば、塩化ニッケル水溶液、硫酸ニッケル溶液等である。メッキ液44の濃度(mol/L)及び温度(℃)は、メッキ対象となる金属及びメッキ厚等に基づいて適宜設定される。また、メッキ液44の濃度及び温度、並びに直流電源43により供給される電流(又は電圧)等の条件は、電解メッキ処理の途中で変更されてもよい。例えば、メッキ液44の濃度及び温度、並びに直流電源43により供給される電流(又は電圧)を規定した第1の条件を用いて電解メッキ処理を実行することにより、上述した第1ニッケルメッキ層31が形成されてもよい。そして、第1ニッケルメッキ層31が形成された後に、メッキ槽41内のメッキ液44の入替及び直流電源43の設定値の変更等を行い、第1の条件とは異なる第2の条件を用いて電解メッキ処理を実行することにより、上述した第2ニッケルメッキ層32が形成されてもよい。
陽極(アノード)である金属板42は、例えば、ニッケル等である。金属板42は、リード線43aを介して直流電源43の正極側に接続されている。陰極(カソード)である鋼板Sは、上述したように、例えばJIS G 3141:2005にて規定される冷間圧延鋼板(SPCC等)である。鋼板Sの厚さは、例えば、0.1μm以上1000μm以下である。鋼板Sは、リード線43bを介して直流電源43の負極側に接続されている。
続いて、メッキ装置40を用いて粗化メッキ層30を形成する方法について説明する。まず、上述した鋼板Sを準備する。次に、図3に示されるように、アノードとしての金属板42とカソードとしての鋼板Sの表面S1とが互いに対向するように、メッキ槽41に貯留されたメッキ液44内に金属板42と鋼板Sとを配置する。ここで、金属板42の鋼板S側の表面42aと鋼板Sの表面S1とは互いに略平行となるように配置される。金属板42の表面42aは、鋼板Sの表面S1と略同一の矩形状に形成されている。金属板42と鋼板Sとは、金属板42の表面42aと鋼板Sの表面S1とが対向する方向D3(対向方向)から見て互いに重なり合うように配置される。
次に、このようにして金属板42及び鋼板Sがメッキ液44に浸漬された状態で、直流電源43からリード線43a,43bを介して金属板42及び鋼板Sに電流が供給される(電圧が印可される)。これにより、鋼板Sの表面S1に粗化メッキ層30(ニッケルメッキ層)が形成される。
このような電解メッキ処理では、メッキ液44内において金属板42から鋼板Sへと向かう電流は、メッキ対象となる鋼板Sのエッジ部分(すなわち、周縁部11c)に集中し易い。すなわち、鋼板Sの周縁部11cの方が、鋼板Sの中央部Mよりも電流が集中し易い。このため、周縁部11cに形成される粗化メッキ層30のメッキ量(粗化量、粗化高さ、平均粗さ等)は、鋼板Sの中央部Mに形成される粗化メッキ層30のメッキ量よりも大きくなる。つまり、樹脂スペーサ4との間の結合強度及び液密性を確保することが求められる周縁部11cのメッキ量を、このような液密性が要求されない中央部Mのメッキ量よりも大きくすることができる。このように、周縁部11cのメッキ量を十分なものにする一方で、中央部Mのメッキ量を低減することにより、鋼板Sにおいて必要とされるメッキの全体量を低減できる。したがって、メッキ装置40を用いた粗化メッキ層30の形成方法によれば、鋼板Sの周縁部11cにおいて鋼板Sと樹脂スペーサ4との間の結合強度及び液密性を確保しつつ、メッキの全体量の低減を図ることができる。
次に、図4を参照して、比較例に係る粗化メッキ層の形成方法について説明する。図4に示されるメッキ装置100は、上述したメッキ装置40で生じる鋼板Sの周縁部11cへの電流集中を防ぐために、金属板42と鋼板Sとの間に遮蔽部材101が配置される点で、メッキ装置40と相違している。メッキ装置100は、メッキ対象となる鋼板Sの表面に略均一の(ムラのない)メッキ層を形成するためのメッキ処理に利用される装置である。遮蔽部材101は、金属板42と鋼板Sとが対向する方向D3から見て、鋼板Sの周縁部11cと重なるように形成された矩形枠状の部材である。遮蔽部材101の中央部には、方向D3から見て、鋼板Sの中央部Mを内側に含むような矩形状の開口101aが形成されている。遮蔽部材101は、方向D3から見て、金属板42に対して鋼板Sの周縁部11cを覆い隠している。
図4に示されるように、メッキ装置100では、遮蔽部材101によって鋼板Sの周縁部11cへの電流密度が下げられることにより、鋼板Sの周縁部11cへの電流集中が防止される(すなわち、鋼板Sの表面S1に対する電流密度のバラツキが抑制される)。これにより、鋼板Sの中央部M及び周縁部11cにおいて、メッキ量が略均一化された粗化メッキ層130が形成される。メッキ装置100によって形成されるメッキ量を周縁部11cにおいて必要とされるメッキ量に合わせた場合には、中央部Mに対して不必要な量のメッキ層が形成されてしまう。一方、メッキ装置100によって形成されるメッキ量を中央部Mにおいて必要とされるメッキ量(例えば、集電体11と正極層12との結合強度を確保するために必要な量)に合わせた場合には、当該メッキ量は周縁部11cにおいて必要とされるメッキ量よりも少ないため、周縁部11cにおいて樹脂スペーサ4との間の液密性を確保するために十分なメッキ量を確保できない。このような比較例に対して、上述したメッキ装置40によれば、あえて周縁部11cと中央部Mとの間でメッキ量を不均一にすることにより、上述したようなメッキ装置100を用いた場合のデメリットを解消することができる。
(第2の例)
第2の例では、図5に示されるメッキ装置40Aによって粗化メッキ層30が形成される。メッキ装置40Aは、金属板42と鋼板Sとの間に、遮蔽部材50が配置される点で、メッキ装置40と相違している。遮蔽部材50の材料は、例えば樹脂(例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂等)等である。遮蔽部材50は、金属板42及び鋼板Sよりも一回り小さい矩形状の板状部材である。金属板42と鋼板Sとが対向する方向D3から見て、遮蔽部材50は、鋼板Sの中央部Mの全体と重なる一方で、周縁部11cとは重ならないように配置される。すなわち、第2の例では、金属板42と鋼板Sとが対向する方向D3から見て、金属板42に対して鋼板Sの中央部Mが覆い隠されるように、金属板42と鋼板Sとの間に遮蔽部材50が配置される。遮蔽部材50は、中央部Mにもある程度のメッキ量(周縁部11cよりも少ないメッキ量)の粗化メッキ層30が形成されるように、鋼板Sの表面S1から離間した位置において、金属板42及び鋼板Sと略平行となるように配置される。そして、このような状態で、直流電源43からリード線43a,43bを介して金属板42及び鋼板Sに電流が供給される(電圧が印可される)。これにより、鋼板Sの表面S1に粗化メッキ層30(ニッケルメッキ層)が形成される。
第2の例では、金属板42に対して鋼板Sの中央部Mを覆い隠すように、金属板42と鋼板Sとの間に遮蔽部材50が配置された状態で電解メッキ処理が実行される。これにより、メッキ液44内において、金属板42から鋼板Sへと向かう電流を鋼板Sの中央部Mよりも周縁部11cに集中させることができる。すなわち、周縁部11cにおける電流密度を中央部Mにおける電流密度よりも大きくすることができる。その結果、単位時間当たりにおいて、鋼板Sの周縁部11cに形成される粗化メッキ層30のメッキ量を、鋼板Sの中央部Mに形成される粗化メッキ層30のメッキ量よりも大きくすることができる。また、このような遮蔽部材50を設けることにより、上述したメッキ装置40を用いる場合と比較して、鋼板Sの中央部Mのメッキ量と鋼板Sの周縁部11cのメッキ量との差を大きくすることができる。したがって、第2の例によれば、上述した蓄電装置1を適切かつ比較的簡易に製造することができる。
(第3の例)
第3の例では、図6に示されるメッキ装置40Bによって粗化メッキ層30が形成される。メッキ装置40Bは、金属板42の代わりに金属板60を備える点で、メッキ装置40と相違している。金属板60の周縁部(金属板60と鋼板Sとが対向する方向D3から見て、鋼板Sの周縁部11cと重なる部分)には、鋼板S側に突出する矩形枠状の壁部61が形成されている。壁部61における鋼板Sの表面S1に対向する表面61aは、壁部61が設けられていない本体部62(方向D3から見て、鋼板Sの中央部Mと重なる部分)における鋼板Sの表面S1に対向する表面62aよりも、鋼板S側に位置している。すなわち、方向D3における金属板60(壁部61の表面61a)と鋼板Sの周縁部11cとの間の距離は、方向D3における金属板60(本体部62の表面62a)と鋼板Sの中央部Mとの間の距離よりも短くされている。
第3の例では、金属板60と鋼板Sとが対向する方向D3において、金属板60(壁部61の表面61a)と鋼板Sの周縁部11cとの間の距離の方が、金属板60(本体部62の表面62a)と鋼板Sの中央部Mとの間の距離よりも短くされた状態で電解メッキ処理が実行される。このように、鋼板Sの周縁部11cにおける極間距離(金属板60との距離)を中央部Mにおける極間距離よりも短くすることにより、単位時間当たりにおいて、鋼板Sの周縁部11cに形成される粗化メッキ層30のメッキ量を、鋼板Sの中央部Mに形成される粗化メッキ層30のメッキ量よりも大きくすることができる。したがって、第3の例によれば、上述した蓄電装置1を適切かつ比較的簡易に製造することができる。
なお、図6の例では、鋼板Sの周縁部11cにおける極間距離を中央部Mにおける極間距離よりも短くするために壁部61が形成された金属板60が用いられたが、このような形状以外の金属板が用いられてもよい。例えば、鋼板Sの周縁部11cに対向する表面(フランジ面)が鋼板Sの中央部Mに対向する表面(底面)よりも鋼板S側に位置するように箱状に形成された金属部材等が用いられてもよい。
また、第3の例において、周縁部11cに形成される粗化メッキ層30のメッキ量をより細かく調整するために、図4に示される遮蔽部材101が併せて設けられてもよい。金属板60を用いることにより周縁部11cのメッキ量を大きくすることができる一方で、遮蔽部材101を設けることにより周縁部11cへの電流集中を抑制してメッキ量を小さくすることができる。そこで、金属板60及び遮蔽部材101の両方を設けることにより、周縁部11cのメッキ量と中央部Mのメッキ量との差を調整してもよい。例えば、遮蔽部材101の大きさ及び位置等を調整すると共に、金属板60の壁部61の高さ(すなわち、金属板60及び周縁部11c間の距離と金属板60及び中央部M間の距離との差)を調整することにより、周縁部11cのメッキ量と中央部Mのメッキ量との差を調整してもよい。このように金属板60及び遮蔽部材101の互いに背反する関係性を利用することにより、周縁部11cのメッキ量と中央部Mのメッキ量との差をより細かく調整することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、各部の形状及び材料等は、適宜に変更されてもよい。また、上述した一の実施形態又は変形例における一部の構成は、他の実施形態又は変形例における構成に任意に適用することができる。
上記実施形態では、鋼板Sの一方の表面S1にのみ粗化メッキ層30が形成されたが、鋼板Sと負極層13との結合強度を高めるために他方の表面S2にも粗化メッキ層が形成されてもよい。
鋼板Sの形状は矩形状に限られず、例えば円形状であってもよい。金属板42、金属板60、及び遮蔽部材50の形状は、鋼板Sの形状に合わせて適宜変更され得る。
1…蓄電装置、3…バイポーラ電極(電極)、4…樹脂スペーサ(樹脂部材)、7…セパレータ、11c…周縁部、30…粗化メッキ層、42,60…金属板、50,101…遮蔽部材、D1…第1方向、M…中央部、S…鋼板、S1…表面(第1面)、S2…表面(第2面)。

Claims (4)

  1. 第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有する鋼板をそれぞれ有し、セパレータを介して第1方向に沿って積層された複数の電極と、
    前記鋼板の前記第1面を覆うように設けられた粗化メッキ層と、
    前記鋼板の周縁部に沿って前記粗化メッキ層上に配置された複数の樹脂部材と、を備え、
    前記鋼板の前記周縁部における前記粗化メッキ層の平均粗さは、前記鋼板の前記周縁部に包囲された中央部における前記粗化メッキ層の平均粗さよりも大きい、蓄電装置。
  2. 請求項1に記載の蓄電装置を電解メッキ処理により製造する製造方法であって、
    前記鋼板を準備する工程と、
    アノードとしての金属板とカソードとしての前記鋼板の前記第1面とが互いに対向するように、メッキ液内に前記金属板と前記鋼板とを配置する工程と、
    前記金属板と前記鋼板とが対向する方向から見て、前記金属板に対して前記鋼板の前記中央部が覆い隠されるように、前記金属板と前記鋼板との間に遮蔽部材を配置する工程と、
    前記金属板及び前記鋼板に電流を供給することにより、前記鋼板の前記第1面に前記粗化メッキ層を形成する工程と、を含む、蓄電装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載の蓄電装置を電解メッキ処理により製造する製造方法であって、
    前記鋼板を準備する工程と、
    アノードとしての金属板とカソードとしての前記鋼板の前記第1面とが互いに対向するように、メッキ液内に前記金属板と前記鋼板とを配置する工程と、
    前記金属板及び前記鋼板に電流を供給することにより、前記鋼板の前記第1面に前記粗化メッキ層を形成する工程と、を含み、
    前記金属板と前記鋼板とが対向する対向方向における前記金属板と前記鋼板の前記周縁部との間の距離は、前記対向方向における前記金属板と前記鋼板の前記中央部との間の距離よりも短い、蓄電装置の製造方法。
  4. 前記粗化メッキ層を形成する工程の前に、前記対向方向から見て、前記金属板に対して前記鋼板の前記周縁部が覆い隠されるように、前記金属板と前記鋼板との間に遮蔽部材を配置する工程を更に含む、請求項3に記載の蓄電装置の製造方法。
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