JP7099816B2 - 潤滑油の劣化診断方法、回転機械の潤滑油の監視システムおよび方法 - Google Patents

潤滑油の劣化診断方法、回転機械の潤滑油の監視システムおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、潤滑油の劣化診断方法、回転機械の潤滑油の監視システムおよび方法に係り、特に、風力発電機などの回転機械で用いられる潤滑油の劣化診断技術に関する。
回転機械の保全・保守を行う上で、潤滑油の劣化診断は重要な技術である。
潤滑油の劣化としては、基油の酸化による劣化、汚染物質による劣化、水分混入による劣化、添加剤の劣化などがある。従来、潤滑油の劣化診断としては、例えば、特許文献1~5に記載のものがある。
特許文献1には、流体について、LCR共振器の共振インピーダンススペクトル応答を測定し、水、煤、摩耗生成物などの含有を検出するシステムが開示されている。
特許文献2には、各種の機械または設備で使用された潤滑油などをフィルタでろ過し、汚染物を捕捉したフィルタから油分を除去し、油分が除去されたフィルタに光を投射し、油分が除去されたフィルタを透過した透過光の色成分を検出することにより油の劣化の状態を監視する方法が開示されている。
特許文献3には、潤滑油中の汚染物質の種類を光学センサで検出した色に基づき特定することが開示されている。
特許文献4には、静電容量検出手段により潤滑油中の混入水分濃度の監視することが開示されている。
特許文献5には、風力タービンからの潤滑オイルについて初期理想残存寿命を決定し、風力タービンからの潤滑オイルの温度測定値に基づいて潤滑オイルについての温度ベースの残存寿命を決定し、潤滑オイルの汚染サンプルに基づいて潤滑オイルの汚染係数を計算し、汚染係数、初期理想残存寿命及び温度ベースの残存寿命に基づいて潤滑オイルについての更新した理想残存寿命を決定し、更新した理想残存寿命及び寿命損失係数に基づいて潤滑オイルについての実際の残存寿命を決定することによって、風力タービンからの潤滑オイルを監視することが開示されている。汚染サンプルに基づく汚染係数は、潤滑オイルの特性(鉄粒子数、含水量、誘電率及び国際標準化機構(ISO)レベル粒子数の内の少なくとも1つの測定値)に基づき計算されている。
また、特許文献6には、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて求めた潤滑油中の酸化防止剤含有量から潤滑油の劣化度合いを判定する方法(判定方法a)、及び、潤滑油をフィルターでろ過した捕捉物または潤滑油の色差を色差計で測定し、色差から劣化度合いおよび異物混入度合いを判定する方法(判定方法b)の二つの判定方法a,bの双方を用いて酸化防止剤を含む潤滑油の劣化度合いを判定することにより潤滑油を管理する方法が記載されている。
特開2016-126007号公報 WO2010/150526号公報 特開2012-117951号公報 特開2012-181168号公報 特開2016-044681号公報 WO2016/114302号公報
潤滑油には、潤滑性能を維持するために種々の添加剤が含まれる。例えば、潤滑条件が過酷で、接触部分の圧力が高い場合や、すべり速度が小さかったり、油の粘度が低すぎたりする場合は、摩擦面の間の潤滑油の膜が薄くなり、摩擦抵抗が大きくなり摩耗が起こる。この状態を境界潤滑と呼び、極端な場合には焼付が起こる。このような境界潤滑の状態で摩擦や摩耗を減少させる働きをするのが、油性剤,摩耗防止剤,極圧添加剤(極圧剤)であり、これらを総称して耐荷重添加剤と呼ぶこともある。また、他の添加剤として、例えば酸化防止剤や消泡剤のようなものもある。
添加剤は潤滑油に対して所定の割合(濃度)含まれていることが、所望の潤滑性能の維持のために必要である。従来、潤滑油の劣化診断としては、特許文献1~5に記載のように、汚染物質による劣化、水分混入による劣化などを検出するものが多く提案されているが、潤滑油の添加剤の劣化(添加剤の減少)を診断する方法について有効なものが提案されていない。
また、特許文献6では、酸化防止剤を含む潤滑油の劣化の判定方法を提案しているが、フーリエ変換赤外分光光度計を用いる判定のため、簡易な診断であるとは言い難い。また、添加剤として極圧剤を含む潤滑油の劣化診断については考慮されていない。さらに、山間部や洋上に設置された風力発電機などに用いられる潤滑油のオンライン遠隔診断に用いることができない。
本発明の目的は、潤滑油の添加剤の劣化を診断することが可能な潤滑油の劣化診断方法、回転機械の潤滑油の監視システムおよび方法を提供することにある。
本発明は、光学式センサの計測データに基づき求められる色度データを用いて潤滑油の添加剤の劣化を診断する。
本発明によれば、潤滑油の添加剤の劣化を診断することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用される装置の一例である風力発電機の概略全体構成図。 ICP元素分析による潤滑油中のリン濃度測定結果を示すグラフ図。 LC測定によって得られた潤滑油中のリン系極圧添加剤濃度測定結果を示すグラフ図。 潤滑油中の極圧剤濃度と色度の相関を示すグラフ図。 潤滑油中の酸化防止剤濃度と色度の相関を示すグラフ図。 潤滑油中の二種の添加剤濃度と色度の相関を示すグラフ図。 潤滑油中の添加剤が消耗(添加剤が分解して酸化生成物を生成)した際のR,G,Bの各値の変化の様子を示すグラフ図。 潤滑油中に摩耗粉が生成した際のR,G,Bの各値の変化の様子を示すグラフ図。 潤滑油供給系統を有する風力発電機の潤滑油の監視システムの概略図。 潤滑油用センサを備えた回転部品の概念図。 潤滑油診断フロー図。 潤滑油余寿命推定の概念を示すグラフ図。 潤滑油余寿命推定の概念を示すグラフ図。 潤滑油余寿命推定の概念を示すグラフ図。 光学式センサによる潤滑油中の摩耗粉検出の一例を示すグラフ図。 光学式センサによる潤滑油中への水混入検出の一例を示すグラフ図。 他の実施例における潤滑油余寿命推定の概念を示すグラフ図。 他の実施例の中央サーバの一例を示すブロック図。 他の実施例における潤滑油余寿命推定の概念を示すグラフ図。 他の実施例における潤滑油余寿命推定の概念を示すグラフ図。
先ず、本発明の実施の形態を詳細に説明する前に、本発明に至った経緯について説明する。
近年、部品の余寿命評価技術などの進歩により、回転部品を有する機械(以下、回転機械と称する)の予防的保全,計画的な保守が普及している。潤滑油の酸化劣化による潤滑機能低下や、潤滑油中の摩耗粉および塵埃などの汚染粒子は、回転機械の故障に繋がる軸受,歯車などの回転部品の摩耗損傷を誘起するため、潤滑油の監視技術は特に重要である。
本発明が適用される装置の一例である、風力発電機では、構成要素間の機械的な摩擦係数を低減するために潤滑油等を使用している。以下、風力発電機の潤滑油を例として潤滑油の監視技術を説明する。
図1に、ダウンウインド型の風力発電機の概略全体構成図を示す。図1では、ナセル3内に配される各機器を点線にて示している。図1に示すように、風力発電機1は、風を受けて回転するブレード5、ブレード5を支持するハブ4、ナセル3、及びナセル3を水平面内に回動可能に支持するタワー2を備える。
ナセル3内に、ハブ4に接続されハブ4と共に回転する主軸31、主軸31に連結されるシュリンクディスク32、シュリンクディスク32を介して主軸31に接続され回転速度を増速する増速機33、及び、カップリング38を介して増速機33により増速された回転速度で回転子を回転させて発電運転する発電機34を備えている。
ブレード5の回転エネルギーを発電機34に伝達する部位は、動力伝達部と呼ばれ、本実施例では、主軸31、シュリンクディスク32、増速機33及びカップリング38が動力伝達部に含まれる。そして、増速機33及び発電機34は、メインフレーム35上に保持されている。また、メインフレーム35上には、動力伝達部の潤滑用に潤滑油を貯留するオイルタンク37が一つまたは複数設置されている。また、ナセル3内には、ナセル隔壁30よりも風上側にラジエータ36が配置されている。外気を用いてラジエータ36で冷却された冷却水を発電機34や増速機33に循環させて発電機34や増速機33を冷却している。
風力発電機では、多くの回転部品で潤滑油が使用されている。たとえば、図1において、主軸31、増速機33、発電機34、図示しないヨー、ピッチなどの軸受には潤滑油が供給される。風速に応じてブレードのピッチ角を変え出力を制御するのがブレードのピッチ制御であり、ナセルの方位制御がヨー制御である。
このような可動部分については潤滑油を供給する必要がある。潤滑油は回転部分の摩擦を低減し、部品の磨耗や破損、あるいはエネルギーロスを防止する。しかし、潤滑油の経時的な劣化による潤滑性能の低下や、摩耗粒子,塵埃などの潤滑油への混入による汚染が起こると、摩擦係数が増加し、風力発電機の故障リスクが増大する。
風力発電機が故障すると、故障部品交換のコスト・停電中の発電収入減など、多大なロスコストが発生するため、余寿命予測・予兆検知による早期部品手配、停電期間短縮などの対策が望まれている。特に、重要部品である増速機は、潤滑油の性能が低下すると故障リスクが増大するため、潤滑油の余寿命や交換時期を可能な限り早期に推定するための技術が重要である。
潤滑油の特性を評価するための監視対象パラメータとしては、粘度、全酸価測定、成分元素分析など種々のものが考えられる。
しかし、監視対象として風力発電機の潤滑油を想定した場合、例えば、粘度による特性の評価では、風車発電機の増速機の潤滑油は化学的に非常に安定な合成油が使用されており、粘度はほとんど変化しないため、これのみでは余寿命推定の指標として適していない。また、酸化による劣化を示す全酸価の測定では、風車発電機の増速機の潤滑油は、酸化に対して非常に安定な合成油が使用されており、全酸価はほとんど変化しないため、これのみでは余寿命推定の指標として適していない。
また、潤滑油に含有される微粒子粉や水分を測定する手法も考えられるが、潤滑油中にこれらの含有物が検出されている時点で、すでに磨耗やリークが生じている可能性があり、さらに早期に予兆を検出することが望まれる。また、風車発電機の増速機の潤滑油は粘度が高く、気泡が多数混入した状態で循環しており、パーティクルカウンタや鉄粉濃度計を設置して粒子計測を行う粒子計測法では気泡と粒子の識別が難しい。また、パーティクルカウンタや鉄粉濃度計によって、後述の潤滑油の添加剤の消耗を計測することは原理的に不可能である。
これらのようなことから、風力発電機の潤滑油余寿命を早期推定するためには、風力発電機の潤滑油の新たな性能評価方法が必要である。
ところで、上述したように、潤滑油には潤滑性能を維持するために種々の添加剤が含まれる。例えば、油性剤,摩耗防止剤,極圧添加剤(極圧剤)などの耐荷重添加剤や、酸化防止剤や消泡剤などである。風力発電機の増速機の潤滑油には、これらの添加剤が単独または複数含まれる。
油性剤は、金属表面に吸着して吸着膜を作り、この吸着膜が境界潤滑状態にある金属と金属の直接の接触を妨げ、摩擦、摩耗を減少させる働きをする。油性剤としては、金属表面に対して吸着力の大きい高級脂肪酸、高級アルコールおよびアミン、エステル、金属せっけんなどが使われる。
油性剤より厳しい荷重の条件下での摩耗防止に効果のあるのが摩耗防止剤で、一般にリン酸エステル、亜リン酸エステル、チオリン酸塩がよく使われる。摩耗防止剤は、タービン油,耐摩耗性作動油などに使用されるが、とくにジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP:Zinc Dialkyldithiophosphate,ZDDPとも呼ばれる)は、酸化防止性能も持っている。
境界潤滑状態のもっとも厳しい条件の高荷重の状態の接触面では、摩擦面は温度が非常に高くなり、油性剤による吸着膜は脱着して効果がなくなるが、極圧添加剤は硫黄、塩素、リンなどを含む化学的に活性な物質なので、金属面と反応して硫黄、塩素、リンなどを含む化合物を作り、せん断力の小さい被膜となって摩耗、焼付、融着を防止する。
極圧添加剤としては、一般に硫黄、塩素、リンなどを含んでいる物質で、硫化油脂、硫化エステル、サルファイド、塩素化炭化水素などのほか、ナフテン酸鉛や、同一分子内に硫黄、リン、塩素の中の二つ以上の元素を含む化合物も使用される。具体的な極圧添加剤としては、硫化スパーム油、硫化脂肪エステル、ジベンジルジサルファイド、アルキルポリサルファイド、オレフィンポリサルファイド、ザンチックサルファイド、塩素化パラフィン、メチルトリクロロステアレート、ナフテン酸鉛、アルキルチオリン酸アミン、クロロアルキルザンテート、フェノールチオカルバメート、トリフェニルフォスフォロチオネート(TPPT:Triphenyl Phosphorothionate)、4,4’-メチレンビス(ジチオカルバメート)、などがある。
酸化防止剤は、基油の酸化による劣化を防止するために用いられる。酸化防止剤には3種類ある。酸化の初期における遊離基(ラジカル)の生成を抑制し、炭化水素の酸化反応の連鎖を止める、遊離基抑制剤(Free Radical Inhibitor)、生成した過酸化物を分解し、安定な非遊離基化合物に変えてしまう役割をする過酸化物分解剤(Peroxide Decomposer)、および、強靭な吸着膜(不活性防食皮膜)を作る金属不活性化剤(Metal Deactivator)である。金属不活性化剤の役割は、潤滑油が酸化して生成した過酸化物の金属腐食性によって鉄や銅を溶解させないようにすることである。
具体的な酸化防止剤としては、フェノール誘導体(2,6-ジ-tert-ブチル p-クレゾール (BHT)、2,6-ジ-tert-ブチル p-フェノール (DBP)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジアルキルフェノール)など)、アミン誘導体(2,6-ジアルキル-α-ジメチルアミノパラクレゾール、4,4’-テトラメチルジアミノジフェニルメタン、オクチル化フェニルナフチルアミン、ジ-オクチル-ジフェニルアミン、ジノニル-ジフェニルアミン、フェノチアジン、2,2,4-トリメチルジヒドロキシキニリン、など)、金属ジチオフォスフェート、アルキル硫化物、など、1,4-ジオキシジアントラキノン (別名:キニザリン)、1,2-ジオキシジアントラキノン (別名:アリザリン)、ベンゾトリアゾール、アルキルベンゾトリアゾール、などがある。
消泡剤の例としては、シリコーン系消泡剤、界面活性剤、ポリエーテル、高級アルコールが知られている。ギヤ油のような高粘度の潤滑油中では、気泡が発生すると消滅しにくく、潤滑性能低下による部品損傷発生、キャビテーション発生、油圧効率低下、冷却能力低下などの影響をおよぼす。
これらの添加剤は、潤滑油に対して所定の割合(濃度)含まれていることが、所望の潤滑性能の維持のために必要である。しかしながら、上述したように、従来は、特許文献1~5に記載のように、汚染物質による劣化、水分混入による劣化などを検出するものが多く提案されているが、潤滑油自体の成分、特に潤滑油の添加剤濃度などの変化を直接計測するものがなかった。
そこで発明者らは、潤滑油に含まれる添加剤の状態、特に濃度の推移をモニタすることにより潤滑油の劣化について予兆診断を行う手法について、比較検討した。
図2に、成分分析の手法の一つとして知られているICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)元素分析により、潤滑油中の極圧添加剤の成分であるリン濃度測定を行った結果を示す。横軸が経過時間(月数)であり、縦軸はリン(P)濃度(ppm)である。この結果では、経過時間とリン濃度との間に有意な関係が見られない。これは元素分析精度が、予兆診断のための精度に不十分である可能性を示唆する。
図2に示す測定結果によれば、一度減少したリン濃度が再び増加することになるが、極圧添加剤の濃度が自然に増加することは考えられない。このような測定結果となる原因としては、ICP元素分析では極圧添加剤の分解生成物であるリン酸も含めて測定してしまうことが考えられる。また、ICP元素分析では、試料をプラズマ化するため、液体成分(潤滑油、添加剤、添加剤の分解物など)と固形成分(摩耗粉など)を一緒に分析してしまい、潤滑油中の添加剤の成分定量に適していないと考えられる。
図3は、LC/MS(Liquid Chromatography - Mass Spectrometry)によって得られた、風車運転に伴う潤滑油中のリン系極圧添加剤の消耗挙動(減少)の結果を示すグラフである。この例では、リン系極圧添加剤は具体的にはTPPTである。横軸が経過時間(月数)であり、縦軸はTPPT濃度(新油に対する相対値)である。この結果では、経過時間と濃度との間に有意な関係が見られ、経過月数に伴って濃度が線形に低下している。
LC測定では、液体状のサンプルをクロマトグラフィーの原理により成分の分離を行う。次いで、ここで分離された成分の検出を、UV検出器、屈折率検出器、質量分析計で行う。LC測定は有機化合物の定性・定量を行うのに適している。特に、検出器に質量分析計を用いると、高精度かつ高感度に潤滑油中の添加剤のみを定量可能である。
以上の検討により、潤滑油中の添加剤の濃度の変化を経時的にモニタして、添加剤の機能を維持管理するためには、LC測定のように潤滑油中の添加剤の濃度を直接測定できる測定方法が適していることが分かった。また、このとき潤滑油中の添加剤の濃度が所定閾値を下回ると、潤滑油の性能が不十分となり装置の故障につながることが分かった。
これらのことから、風力発電機の潤滑油余寿命を早期推定するための風力発電機の潤滑油の新たな性能評価方法として、潤滑油中の添加剤の濃度測定が有効である。
LC測定以外に、潤滑油中の添加剤の濃度を正確に直接測定可能な方法としては、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)、核磁気共鳴(NMR)、などがある。
LC/MSや、FT-IR、NMRなどにより、潤滑油中の添加剤の濃度を正確に直接測定することにより、潤滑油の添加剤の劣化(減少)を監視することができる。しかしながら、これらの分析方法では、分析に時間を要することから、簡易に潤滑油の添加剤の濃度を正確に測定できるようにすることが望ましい。また、風力発電機は、山間部や洋上に設置されることが多いことから、オンライン遠隔監視により潤滑油の添加剤濃度を測定できるようにすることが望ましい。
発明者は種々検討した結果、光学式センサの計測データに基づき求められる色度データを用いて潤滑油の添加剤の濃度を測定できることを見出した。
潤滑油の劣化を監視するセンサとして、特許文献3などに記載の光学式センサがある。光学式センサは、可視光を放射する白色LEDのような光源と、可視光受光素子(RGBカラーセンサ)を備え、潤滑油を透過する可視光の透過度を計測することにより、潤滑油の色度を計測するものである。
発明者による検討の結果、LC測定などによって求められる潤滑油中の添加剤の濃度と、潤滑油の着色度(色度)には、図4に示すような相関があることが判明した(図4では線形相関となっているが線形相関に限定されるものではない。)。図4は潤滑油中の極圧剤濃度と色度の相関を示す図である。縦軸はLC測定などによって求められる潤滑油中の添加剤の濃度を示し、横軸は光学式センサの計測データに基づき求められる色度を示す。ここで、図4において色度はRGBの組み合わせから構成される色空間で計算される色差(ΔE)で表示している。図4中のΔEの定義は、
ΔE=(R+G+B1/2
であり、R、G、B、は、加法混合における光の三原色(Red, Green, Blue)を意味し、色座標の数値表示では、(R,G,B)と表現する。なお、24bpp(24 bit per pixel, ピクセルあたり24ビット)でエンコードされたRGB色度は、赤・緑・青の輝度を示す3つの8ビット符号なし整数(0から255まで)で表わされる。たとえば、(0, 0, 0)は黒、(255, 255, 255)は白、(255, 0, 0)は赤、(0, 255, 0)は緑、(0, 0, 255)は青、をそれぞれ示す。なお、色度の表示としては、RGB表色系の他に、XYZ表色系、L*a*b*表色系、L*u*v*表色系等々多くの種類があり、これらは数学的に変換されて各種の表色系に展開することができるので、他の表色系で色度を表示しても良い。
添加剤毎に、図4のように、LC測定などによって求められる潤滑油中の添加剤の濃度と、光学式センサの測定データに基づき求められる潤滑油の色度の関係を予め求めておけば、潤滑油の監視の際には、光学式センサの測定データに基づき求められる潤滑油の色度に基づき、潤滑油の添加剤の濃度を測定することができる。このように、潤滑油の劣化の指標となる、潤滑油中の添加剤の減少(消耗度)は、光学式センサによって計測される色度より求められることが明らかになった。これにより、LC/MSや、FT-IR、NMRなどによる分析と比して潤滑油の添加剤濃度を簡易に測定することが可能となる。また、光学式センサをナセル内に設置すれば、風力発電機の潤滑油のオンライン遠隔監視も可能となる。
図4では、潤滑油に添加剤として極圧剤を含む場合について示したが、図5に示すように、潤滑油に添加剤として酸化防止剤を含む場合にも同様に添加剤濃度と色度の相関がある。図5は、潤滑油中の酸化防止剤濃度と色度の相関を示す図である。
潤滑油の劣化の指標である添加剤の消耗度が、色度と相関がある理由は以下のように説明される。添加剤が歯車や軸受の摺動面で作用すると分解するが、添加剤の分解生成物が、フェノール系の酸化物やキノンのような酸化生成物であり、それらは黄色~赤褐色に着色している。たとえば、酸化防止剤であるBHTや、極圧剤であるTPPTが分解すると、着色化合物が生じる。BHT、TPPTは、ほぼ無色である。これらのことから、潤滑油の劣化は、分解生成物である着色化合物の増加と正の相関がある。したがって、色度計測により、潤滑油の劣化度が求められる。
潤滑油には複数の添加剤が含まれる場合がある。この場合もLC測定などによって求められる潤滑油中のそれぞれの添加剤の濃度と、光学式センサの測定データに基づき求められる潤滑油の色度の関係を予め求めておけば、潤滑油の監視の際には、光学式センサの測定データに基づき求められる潤滑油の色度に基づき、潤滑油中のそれぞれの添加剤の濃度を測定することができる。図6は、添加剤として極圧剤(ZDDP)と酸化防止剤(BHT)の二種の添加剤を潤滑油に含ませた場合のそれぞれの添加剤濃度と色度との相関を示す図である。この図から分かるように、極圧剤と酸化防止剤の消耗速度が異なる。このような消耗速度が異なる添加剤の濃度も光学式センサの測定データに基づき求められる色度に基づき測定することができる。
さらに、本発明者は、光学式センサの計測データに基づき、潤滑油の添加剤の消耗(劣化)と潤滑油の汚染を識別することができることを見出した。
図7は、潤滑油中の添加剤が消耗、すなわち、添加剤が分解して酸化生成物を生成した際のR,G,Bの各値の変化の様子を示す図ある。横軸が経過時間(月数)であり、縦軸はR、G、Bの値である。図7に示すように、添加剤の消耗では、R、G、B、のうち、主に、B値が大きく低下している。
一方、図8は、潤滑油中に摩耗粉が生成した際のR,G,Bの各値の変化の様子を示す図である。図7と同様に、横軸が経過時間(月数)であり、縦軸はR、G、Bの値である。図8に示すように、汚染の場合には、R、G、B、のすべての値が大きく低下する。これは、摩耗粉や塵埃による潤滑油汚染が起こるとそれらの固形分が潤滑油中を浮遊するために可視光透過率は低下する。同様に、水混入が起こると潤滑油が濁ることから可視光透過率が低下する。したがって、潤滑油を光学式センサで計測することにより、潤滑油の添加剤の濃度測定に加えて、摩耗粉や塵埃による潤滑油汚染、水混入のような汚染を検出することが可能であり、RGBのそれぞれの値の変化より、潤滑油の添加剤の劣化と汚染を識別することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。
同一あるいは同様な機能を有する要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、複数の要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
本実施例は風力発電機の潤滑油の監視システム及び方法に適用したものである。
本実施例は、風力発電機の機械的駆動部に供給される潤滑油の監視システムである。このシステムは、入力装置、処理装置、記憶装置、および出力装置を備える。記憶装置は、潤滑油の添加剤の濃度を時系列的に格納した添加剤濃度データを記憶し、処理装置は、潤滑油中の添加剤濃度を定量可能な、潤滑油の色度を計測する光学式センサデータに基づいて、潤滑油の色度特性より求められる潤滑油中の添加剤濃度が所定閾値となる時間を推測する。
また、本実施例は、処理装置、記憶装置、入力装置、および出力装置を備えたサーバを用いる、光学式潤滑油センサを用いた風力発電機の潤滑油の監視方法である。この方法は、風力発電機の潤滑油の色度データを取得する第1のステップ、サンプルに含まれる添加剤の濃度を測定する第2のステップ、測定した添加剤の濃度を、記憶装置に時系列に格納して添加剤濃度データとする第3のステップ、処理装置が添加剤濃度データを処理することにより、添加剤の濃度が所定閾値となる時間を推測する第4のステップを実行する。
(1.システム全体構成)
図9に潤滑油供給系統を有する風力発電機の潤滑油の監視システムの概略図を示す。図には説明のため、図1の風力発電機1のナセル3部分を抽出して示している。ナセル3内部には、主軸31、増速機33、発電機34、図示しないヨー、ピッチなどの軸受があり、これらにはオイルタンク37から潤滑油が供給される。
図9に示すように、風力発電機1は通常複数が同一敷地内に設置され、これらをまとめてファーム200aなどと呼ぶ。それぞれの風力発電機1には、潤滑油の供給系統に各種センサ(図示せず)が設置され、潤滑油の状態を反映したセンサ信号は、ナセル3内のサーバ210に集約される。また、各風力発電機1のサーバ210から得られるセンサ信号は、ファームごとに配置される集約サーバ220に送られる。集約サーバ220からのデータは、ネットワーク230を介して中央サーバ240へ送られる。中央サーバ240へは、他のファーム200bや200cからのデータも送られる。また、中央サーバ240は、集約サーバ220やサーバ210を介して、各風力発電機1に指示を送ることができる。
(2.センサ配置)
図10は、潤滑油用センサを備えた回転部品の概念図である。潤滑油は、ポンプなどの潤滑油供給デバイス301から回転部品302に供給される。潤滑油供給デバイス301は、オイルタンク37に接続されて潤滑油の供給を受ける。回転部品302は、例えば増速機33その他の機械的な接触が生じる部位一般であり、特に限定するものではない。
センサ群304は潤滑油の状態を検知するために潤滑油の流路等に配置される。本実施例では、回転部品302の潤滑油の排油口に接続する潤滑油の流路から分岐した流路(潤滑油経路の末端付近)に測定部303を設け、この測定部303に潤滑油の一部を導入する。そして、測定部303にセンサ群304を設置している。測定部303を潤滑油のメインの流路に設けていないのは測定部303における潤滑油の流速を潤滑油の状態を検知するのに適した流速に調整するためである。回転部品302から排出した潤滑油はフィルタ305を経由してオイルタンク37に戻る。なお、フィルタ305は必須ではない。センサ群304は、潤滑油の各種のパラメータを測定する。例えば、物理量としては、温度、油圧などがある。これらは例えば特許文献1~特許文献5に開示されるような、公知のセンサを用いて測定することができる。これらのパラメータの時間的な変化に基づいて、潤滑油の状態を評価することができる。これらの温度などのセンサは本発明を実施する上で必須ではないが、潤滑油の状態をより詳しく検知するために設けるのが好ましい。また、例えば、センサ群304に潤滑油に含まれる汚染粒子に関する情報、例えば粒子濃度を測定するセンサを含ませることもできる。粒子は部品の磨耗由来のものである可能性が大きく、潤滑油の劣化あるいは装置の異常を検出することができる。汚染粒子を測定するセンサで検知される異常は、すでに始まっている異常である可能性があるが、センサの情報はリアルタイムで取得可能であるため、モニタすることは有用である。
そして、本実施例では、センサ群304には、可視光源と受光素子を備えた、光学式センサが含まれる。光学式センサにより、潤滑油の色度情報(R,G,Bの値)を取得する。取得した色度データより、潤滑油中の残存添加剤量を求め、劣化度診断と余寿命診断を行う。センサデータによる診断では、光学式センサによるセンサデータまたは光学式センサと他の一つまたは複数の種類のセンサデータに基づいて診断を行う。
潤滑油は、使用により品質が劣化し、初期の機能を果たさなくなる。このため、品質の劣化状況に応じて、交換等のメンテナンスを行う必要がある。このようなメンテナンスのタイミングを知るために、現地に設置したセンサ群304で収集し得るデータを、遠隔地でモニタできるようにすることは、保守管理の効率上有用である。センサ群304で収集したデータは、例えばナセル3内のサーバ210に集められ、その後ファーム200内でデータを集約する集約サーバ220を経て、複数ファームのデータを集約する中央サーバ240に送られる。
ただし、LC測定やFT-IR測定、NMR測定のように、測定のための設備が必要な分析については、適宜潤滑油のサンプルを収集し、別途設けられた設備により分析を行う必要がある。これらのLC測定、FT-IR測定、NMR測定で測定された結果も、別途中央サーバ240にデータとして格納し、データの集約を行い、これらのデータも考慮して潤滑油の性状を把握することが望ましい。
また、集約されるデータとしては、潤滑油に関するデータだけでなく、風力発電機の稼動状況を示すデータを含めてもよい。例えば、風車出力値(大きいほど潤滑油の劣化速度大)、実稼働時間(長いほど潤滑油の劣化速度大)、機械温度(高いほど潤滑油の劣化速度大)、軸の回転速度(速いほど潤滑油の劣化速度大)等である。これらは、風力発電機の各所に設置された公知の構成のセンサや、装置の制御信号から収集することができる。
(3.潤滑油診断のフロー)
図11は、本実施例による潤滑油診断処理を示すフロー図である。図11で示す処理は、図9のサーバ210,集約サーバ220,中央サーバ240のいずれかのコントロール下で行われる。以下の例では中央サーバ240が行うものとする。計算や制御等の機能は、サーバの記憶装置に格納されたソフトウェアがプロセッサによって実行されることで、定められた処理を他のハードウェアと協働して実現される。なお、ソフトウェアで構成した機能と同等の機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアでも実現できる。
中央サーバ240が制御を行う場合、配下に複数の風力発電機1を持つため、以下の処理は風力発電機ごとに行うものとする。この処理は基本的に繰り返し処理であり、開始タイミングはタイマーなどで設定され、例えば、毎日0時に処理を開始する(S601)。また、中央サーバ240が、オペレータの指示により任意のタイミングで行うこともできる。
処理S602では、中央サーバ240は、潤滑油の交換時期をチェックする。交換時期の初期値は、例えば潤滑油が設計温度で動作しているという前提で、アレニウス反応速度を用いることにより物性的に計算し、余寿命を初期設定しておくことができる。このような計算方法については、例えば特許文献5に説明がある。この交換時期は、実測データに基づいて、後に処理S610で更新され得る。
潤滑油の交換時期であった場合には、処理S603で潤滑油交換を行う。潤滑油交換は通常は、作業員による作業となるため、中央サーバ240は交換を行うべき時期と対象を作業員に指示するための表示や通知を行う。
潤滑油の交換時期でない場合には、処理S604で、中央サーバ240はセンサデータによる診断を行う。センサデータとしては光学式センサで得られる潤滑油の色度情報に加えて、温度、油圧、潤滑油に含まれる粒子の濃度等を用いることができる。センサ群304で収集されたデータは、中央サーバ240に送られ、例えば中央サーバが、センサから得られたパラメータを事前に定めた閾値と比較することにより、潤滑油の特性を評価する。
処理S605、S606で診断の結果が異常であれば、処理S603で潤滑油交換を行う。異常がなければ、処理S609を行う。処理S605では、例えば、光学式センサのR、G、B、のすべての値が所定の閾値よりも低下している場合には汚染異常有りと判断する。ただし、汚染異常については従来のセンサを用いる手法で判断しても良い。S606では、図4~図6に示す添加剤濃度と色度の相関を用いて、光学式センサで測定した色度により求められる添加剤濃度が所定の閾値よりも低下した場合に添加剤劣化度異常有りと判断する。なお、色度により添加剤濃度を求めることなく、色度が所定の閾値よりも小さくなった場合に添加剤劣化度異常有りと判断することも可能である。
処理S609では、中央サーバ240に色度測定データなどを入力し、当該データは時系列的に保存される。
風力発電機の予防的保全,計画的な保守という観点からすれば、異常有りと判断される前に、潤滑油に含まれる添加剤の濃度の推移に基づき潤滑油の劣化について予兆診断を行うことが望ましい。
図12は、時系列的に保存された潤滑油の色度データ取得結果の概念を示すグラフ図である。横軸が時間(月)であり、縦軸は色度(ΔE)を示している。例えば、色度を定点観測しているものとし、30ヶ月経過時までの色度データ700がプロットされている。図3と同様に、経過時間と色度の間には有意な関係が認められ、例えば時間に伴い線形に色度が減少する。色度データ((R,G,B)の値)より、図4~図6に示すような、色度(ΔE)と添加剤濃度の相関関係を用いて、潤滑油中の極圧剤などの添加剤濃度を求めることができる。従って、時系列的に保存された色度測定結果からは、添加剤の消耗速度を計算することができる。ここで、添加剤濃度が新品の約半分になると、潤滑油の性能が許容範囲を下回るとする。このような閾値は実験的に求めることができる。
本例では処理S610で、閾値を50に設定しておき、時系列的に保存された添加剤濃度測定結果から推定される濃度が50になる時点を交換時期として推定する。推定方法としては、公知の種々の方法を採用してよい。図3のような実測値を得ている場合であれば、濃度が単調に減少することを前提に、データを外挿する公知の手法を用いることができる。また、さらに濃度が複雑に推移する場合には、関数フィッティング(曲線当てはめ)のような公知の手法を用いることができる。
なお、本実施例では、光学式センサで計測した時系列的な色度データを保存してそれに基づき潤滑油の劣化度を推定しているが、言い換えれば、色度データにおけるR,G,Bそれぞれの経時変化の相対的な比較に基づき、潤滑油の劣化度を推定しているとも言える。
処理S610による交換時期推定結果は潤滑油診断結果として表示することができる(処理S611)。図13及び図14には、縦軸には色度から求めた添加剤濃度を示し、添加剤濃度と経過時間との関係を示している。図12~図14は、処理S610による結果の表示例を示す。
図12の例では、添加剤がTPPTを示す。約50ヶ月後に色度が300に到達すると見積もられた。色度300のときに、TPPT濃度が50になるので、その前(例えば半月前)を新たな交換時期に設定すればよい。処理S613で1サイクルの処理が終了し、次のサイクルの処理S602では、新たな交換時期に従って判定処理を行う。
図13の例では、添加剤がZnDTPであり、新油への交換から約10ヶ月後に濃度が50になるので、その前(例えば1ケ月前)を新たな交換時期に設定すればよい。処理S613で1サイクルの処理が終了し、次のサイクルの処理S602では、新たな交換時期に従って判定処理を行う。
図14の例では、添加剤がBHTであり、BHTの閾値は30である。新油への交換から約20ヶ月後に濃度が30になるので、その前(例えば1ケ月前)を新たな交換時期に設定すればよい。処理S613で1サイクルの処理が終了し、次のサイクルの処理S602では、新たな交換時期に従って判定処理を行う。
なお、例えば、S611の後に、光学式センサで測定された色度データを、潤滑油の診断結果の表示画面に色に変換して表示することができる。このように表示画面に潤滑油の劣化状態を色で表示することにより、作業員は潤滑油の劣化状態を視覚的に認識することができる。これにより、例えば、作業員が現地で潤滑油の状態を目視した際に潤滑油の劣化状態を大まかに把握することの一助となる。
以上のように、本実施例によると、添加剤濃度測定結果を用いて潤滑油中の添加剤の消耗速度を知ることにより、潤滑油の寿命を早期検出できる。このため、適切な潤滑油交換等のメンテナンスにより、風力発電機の異常を未然に防止することができる。また、潤滑油の交換周期を最適化することも可能である。また、添加剤濃度を簡易な方法により測定することができ、光学式センサをナセル内に設置すれば潤滑油中の添加剤の劣化をオンライン遠隔監視することも可能となる。
なお、本実施例では、光学式センサで測定された色度に基づき、オンラインにより、摩耗粉による汚染の予兆診断や、水混入の予兆診断も可能である。
図15に光学式センサによる潤滑油中の摩耗粉検出の一例を示し、図16に光学式センサによる潤滑油中への水混入検出の一例を示す。それぞれ縦軸に色度(ΔE)を示し、横軸に経過月数を示す。これらの図及び図8から分かるように、添加剤の劣化のようなΔEの単調な減少と異なり、摩耗粉や水混入はΔEの急激な変化を呈する。すなわち、ΔEが単調な減少から逸脱すると、その後に、摩耗粉や水混入が急激に増大する。したがって、ΔEが単調な減少から逸脱した場合には、潤滑油の早期交換を検討する。これにより、本実施例では、潤滑油の添加剤の劣化と汚染の両方を計測して潤滑油の予兆診断を行うことが可能となる。また、ΔEが単調な減少から逸脱した際に、他のセンサの出力も併せて、摩耗粉や水混入の急激な増大について予兆診断することも有効である。
本実施例では、回転部品の潤滑油中に光学式センサを設置して監視する方法およびシステムについて述べたが、回転部品内の潤滑油を点検時などの採取し、回転部品外で光学式センサによる測定を行い、同様の診断を行なうこともできる。
実施例2では、センサから得られたデータを用いて、潤滑油の寿命推定の補正を行う例を示す。実施例1では、風力発電機1の運転状況が一定不変であることを前提としている。しかし、実際には風力発電機1の運転状況は一定ではなく、さまざまな要因で状況が変化する。
例えば、人為的な運転状況の変動としては、点検のための装置の停止期間や、発電量調整のための運転調整がある。これらの変動パラメータは、風力発電機1の運転パラメータとして取得することができる。
また、自然界に起因する運転状況の変動要因としては、風速をはじめとする天候、温度、湿度、など風力発電装置の内外のものがある。これらの運転状況の変動要因は、それぞれ各種センサで測定することができる。従って、これらをセンサデータとして反映することで、より正確に潤滑油の状態を判定および予測することができる。
図9及び図10で説明したように、風力発電機には各種のセンサを設置することができる。センサ群304からのセンサデータは、サーバ210を介して、集約サーバ220や中央サーバ240に送信される。また、風力発電機1の運転パラメータは、当該制御を行う、サーバ210、集約サーバ220あるいは中央サーバ240から得ることができる。
図11を再度用いて、運転状況を反映した潤滑油の監視方法を説明する。基本的な処理は図11と同様であるが、センサデータによる診断処理(S604)において、センサデータあるいは運転パラメータを時系列的に記憶しておき、交換時期推定及び更新処理(S610)で利用する。
説明を単純化するために、この例では、軸受け部への潤滑油の供給機構を対象とし、運転状況を示す運転パラメータとしては、軸の回転数R(rpm)の制御パラメータを用いることにした。センサデータや運転パラメータはこれに限定されるものではなく、他の種々のものを利用可能である。本実施例では、各種センサのデータは中央サーバ240へ集約し、ここで一括処理することにしたが、これに限るものではない。
中央サーバ240では、交換時期推定及び更新処理(S610)において、処理S609で入力された添加剤濃度測定結果と、処理S604で記憶された軸の回転数Rの制御パラメータを取得する。これらのデータは、記憶装置に時間データとともに時系列に格納する。
いま、簡単な例として極圧剤の濃度低下、すなわち消耗には軸の回転数R(rpm)が関連しているとする。この前提では、極圧剤の濃度C(t)は時間tと軸の回転数Rの関数と把握できるので、
f(t,R)=C(t)
となる。実験あるいはシミュレーションによって、あるいは過去のt、R,極圧剤の濃度のデータを元に関数f(t,R)をモデル化することが可能である。そこで、交換時期推定及び更新処理(S610)において、C(t)の将来予測を行う場合、軸の回転数Rの変化を反映する。結果は例えば表示装置に表示する。
図17は、風力発電機1の過去1年のデータ1001を元に、将来の値1002を予測して表示する例を示すグラフ図である。1年分の過去データ1003は実測値である。将来のデータ1004A,1004Bは予測値である。
図17(a)では、将来の運転状況は変わらず、回転数Rは常に一定とした。この場合には、極圧剤濃度の将来の値(予測データ)1002は過去1年のデータ1001と同様に推移する。この場合には、極圧剤の濃度限界はt1の時点に到来すると予測される。
図17(b)では、将来の運転状況が変化し、1年経過以降の回転数Rは過去1年の2倍とした。ここで、極圧剤の消費速度は回転数Rに比例するとすれば、極圧剤濃度の予測データは過去1年と同様に推移せず、たとえば図17(b)の1004Bに示すように、減少割合が大きくなる。この場合には、極圧剤の濃度限界はt1よりも短いt2の時点に到来すると予測される。
上記では運転パラメータとして軸の回転数Rを用いて添加剤の推定消耗速度を補正したが、センサデータを用いることもできる。例えば、極圧剤の濃度低下には潤滑油の温度T(℃)が関連していると考えられる。この前提では、極圧剤の濃度C(t)は時間tと温度Tの関数と把握でき、軸の回転数Rの場合と同様に極圧剤の推定消耗速度を補正することができる。
図17に示す実施例のように、予測データに風力発電機の運転状況を表す運転パラメータやセンサデータを反映することにより、極圧剤濃度等の潤滑油品質を示すパラメータが閾値を超えるタイミングをより正確に判断することが可能となる。すなわち、過去の極圧剤濃度、過去の運転パラメータ(あるいはセンサデータ)、および将来の運転パラメータ(あるいは予測センサデータ)に基づいて、将来の極圧剤濃度をより正確に判断できる。
運転状況を表すパラメータのうち、例えば運転時間や発電目標値のように、人為的にコントロールができるものについては、運転スケジュール等に従って、将来のデータを準備することができる。このため、運転状況を表すパラメータを、潤滑油品質を示す添加剤濃度の予測に用いることにより、予測精度を高めることができる。
また、天候や温度のように人為的にコントロールができないものについては、過去の実績データから将来のデータを予想することができる。このため、同様に運転状況を表すパラメータを、潤滑油品質を示す添加物濃度の予測に用いることにより、予測精度を高めることができる。
図18は、本実施例の中央サーバ240の構成例を示すブロック図である。中央サーバ240は、基本的なサーバの構成である処理装置2401、記憶装置2402(磁気ディスク装置や半導体メモリなど)、入出力装置2403を備える。入出力装置2403には、一般的なキーボードやマウスなどの入力装置や、画像表示装置やプリンタなどの出力装置を含む。また入出力装置2403は、ネットワーク230経由で風力発電機1やそのサーバ210,集約サーバ220、あるいは、液体クロマトグラフ質量分析計などの添加剤定量分析システム(図示省略)とデータのやり取りをするネットワークインタフェースを含む。
風力発電機1およびそのセンサ群304からは、各種の運転パラメータやセンサデータが直接あるいは、サーバ210や集約サーバ220を経由して中央サーバ240に入力される。あるいは、ネットワーク経由でなく、可搬性の記録媒体経由で中央サーバ240に入力してもよい。これらのデータは記憶装置2402に時系列の運転パラメータデータ901として、あるいは、時系列のセンサデータ902として格納される。また、本実施例では、センサ群304の一つとして、たとえば、可視光源と受光素子を備え、潤滑油の色度を計測する、光学式センサが用いられている。
光学式センサによって得られる潤滑油の色度より、図4~図6に示すような色度(ΔE)と添加剤濃度の相関関係を用いて、潤滑油中の添加剤濃度を定量する。
定量を行う添加剤は、具体的には、高級脂肪酸、高級アルコールおよびアミン、エステル、金属せっけんなどの油性剤,ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP:Zinc Dialkyldithiophosphate,ZDDPとも呼ばれる)のような摩耗防止剤、ナフテン酸鉛、硫化パーム油、硫化脂肪エステル、ジベンジルジサルファイド、アルキルポリサルファイド、オレフィンポリサルファイド、ザンチックサルファイド、塩素化パラフィン、メチルトリクロロステアレート、アルキルチオリン酸アミン、クロロアルキルザンテート、トリフェニルフォスフォロチオネート(TPPT:Triphenyl Phosphorothionate)などの極圧剤、フェノール誘導体(2,6-ジ-tert-ブチル p-クレゾール (BHT)、2,6-ジ-tert-ブチル p-フェノール (DBP)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジアルキルフェノール)など)、アミン誘導体(2,6-ジアルキル-α-ジメチルアミノパラクレゾール、4,4’-テトラメチルジアミノジフェニルメタン、オクチル化フェニルナフチルアミン、ジ-オクチル-ジフェニルアミン、ジノニル-ジフェニルアミン、フェノチアジン2,2,4-トリメチルジヒドロキシキニリン、など)、金属ジチオフォスフェート、アルキル硫化物、など、1,4-ジオキシジアントラキノン (別名:キニザリン)、1,2-ジオキシジアントラキノン (別名:アリザリン)、ベンゾトリアゾール、アルキルベンゾトリアゾール、などの酸化防止剤、の中から選ばれた1種以上の添加剤である。
たとえば、図6に示すような色度(ΔE)と添加剤濃度の相関関係を用いて、ZnDTP(ZDDP)とBHTのような異なる機能を有する添加剤を定量し、その結果を診断に用いると、より正確な診断を行うことができる。
処理装置2401は、記憶装置2402に記憶された添加剤濃度データ903と、必要に応じて運転パラメータデータ901およびセンサデータ902を用いて、添加剤濃度の消耗速度を予測し、出力装置に出力する。本実施例によれば、運転状況を表す運転パラメータやセンサデータを反映することにより、極圧剤濃度等の潤滑油品質を示すパラメータが閾値を超えるタイミングをより正確に判断することが可能となる。
図17に示す実施例では、運転状況を表す運転パラメータなどにより極圧剤などの推定消耗速度を補正しているが、横軸を経過期間に代えて、風車運転情報である発電機総回転数(図19)や、総発電量(図20)として表しても良い。本実施例によっても極圧剤濃度等の潤滑油品質を示すパラメータが閾値を超えるタイミングをより正確に判断することが可能となる。
以上のように、本実施例では風力発電機の主軸、発電機、ヨー、ピッチなどの重要な回転部品(軸受)や増速機で使用される潤滑油の適切な監視を行うため、添加剤の濃度を測定している。また、潤滑油の自動供給機構が備わる回転部品の排油口の付近にセンサを設置することで、定常的に監視(オンライン監視)ができるようにしている。また、風力発電機の運転状況のパラメータをモニタすることで、より正確な予測診断が可能としているこれらにより、早期に潤滑油の交換時期の予測が可能となり、その結果、風力発電機の停止時間が短縮するため、保守コストが低減し、発電量が向上する。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加,削除,置換をすることが可能である。
例えば、上述の実施例では、回転機械として風力発電機を例にとり説明したが、原子力発電機,火力発電機、ギヤードモータ,鉄道車両車輪フランジ,圧縮機,変圧器,可動プラント機械,大型ポンプ機械などの回転機械の潤滑油の添加剤の劣化診断にも本発明は適用できる。
1・・・風力発電機、2・・・タワー、3・・・ナセル3、4・・・ハブ、5・・・ブレード、33・・・増速機、34・・・発電機、37・・・オイルタンク、210・・・サーバ、220・・・集約サーバ、230・・・ネットワーク、240・・・中央サーバ、301・・・潤滑油供給デバイス、302・・・回転部品、303・・・測定部、304・・・センサ群、運転パラメータデータ901、センサデータ902、添加剤濃度データ903。

Claims (17)

  1. 添加剤として極圧剤を含む潤滑油の劣化診断方法であって、
    極圧剤の劣化度合が異なる潤滑油に含まれる極圧剤の濃度と、前記劣化度合が異なる潤滑油について光学式センサの計測データに基づき求められる色度データとの相関関係を予め求めておき、
    潤滑油の劣化診断の際に、前記光学式センサにより劣化診断対象の潤滑油の色度データを得て、前記劣化診断対象の潤滑油の色度データと前記予め求めておいた相関関係に基づき、前記劣化診断対象の潤滑油に含まれる極圧剤の濃度を定量し、
    さらに前記色度データに基づいて、前記極圧剤の消耗と汚染粒子または水の混入による前記潤滑油の汚染とを識別して診断し、前記劣化診断対象の潤滑油の色度データにおけるR及びGの値に比べてBの値が大きく低下している場合には、前記劣化診断対象の潤滑油に含まれる極圧剤の消耗と判断することを特徴とする潤滑油の劣化診断方法。
  2. 請求項1の潤滑油の劣化診断方法において、
    前記添加剤として極圧剤を含む潤滑油は風力発電機の回転部品の潤滑に用いられ、
    前記光学式センサを前記風力発電機のナセル内に設置して、前記光学式センサにより前記回転部品内の潤滑油を測定し、測定データを前記予め求めておいた関係を格納する前記風力発電機の外部のサーバに送信し、前記外部のサーバにおいて劣化診断対象の潤滑油に含まれる極圧剤の濃度を定量することを特徴とする潤滑油の劣化診断方法。
  3. 請求項1に記載の潤滑油の劣化診断方法において、
    前記劣化診断対象の潤滑油の色度データにおけるR,G,Bの全ての値が、新品潤滑油のRGB値に対して低下している場合には、前記劣化診断対象の潤滑油が汚染されていると判断することを特徴とする潤滑油の劣化診断方法。
  4. 回転機械の駆動部に供給される添加剤として極圧剤を含む潤滑油の監視システムであって、
    潤滑油の色度に関するデータを測定する光学式センサ、入力装置、処理装置、記憶装置および出力装置を備え、
    前記処理装置は、前記光学式センサにより得られる監視対象の潤滑油の色度データに基づき、前記監視対象の潤滑油に含まれる極圧剤の濃度を推定し、
    前記記憶装置は、前記処理装置で定量された前記監視対象の潤滑油に含まれる極圧剤の濃度データを時系列的に格納し、
    前記処理装置は、前記記憶装置に時系列的に格納された極圧剤の濃度データに基づいて前記監視対象の潤滑油に含まれる極圧剤の濃度が所定閾値となる時期を推測し、
    前記出力装置は前記処理装置で推測して得られた前記所定閾値となる時期を出力し、
    さらに前記処理装置は、前記光学式センサにより得られる監視対象の潤滑油の色度データに基づいて、前記極圧剤の消耗と汚染粒子または水の混入による前記潤滑油の汚染とを識別して診断し、前記監視対象の潤滑油の前記光学式センサの色度データにおけるR及びGの値に比べてBの値が大きく低下している場合には、前記監視対象の潤滑油に含まれる極圧剤の消耗と判断することを特徴とする回転機械の潤滑油の監視システム。
  5. 請求項4の回転機械の潤滑油の監視システムにおいて、
    前記処理装置は、添加剤の劣化度合が異なる潤滑油に含まれる添加剤の濃度と前記劣化度合が異なる潤滑油の光学式センサによる色度データとの予め求めておいた関係、及び、前記光学式センサにより得られる監視対象の潤滑油の色度データに基づき、前記監視対象の潤滑油に含まれる添加剤の濃度を定量することを特徴とする回転機械の潤滑油の監視システム。
  6. 請求項4または5の回転機械の潤滑油の監視システムにおいて、
    前記回転機械は風力発電機であり、
    前記光学式センサは、前記風力発電機のナセル内の回転部品の潤滑油を計測するように前記ナセル内に設置されていることを特徴とする回転機械の潤滑油の監視システム。
  7. 請求項4から6の何れかの回転機械の潤滑油の監視システムにおいて、
    前記処理装置は、前記監視対象の潤滑油の前記光学式センサの色度データにおけるR,G,Bの全ての値が、新品潤滑油のRGB値に対して低下している場合には、前記監視対象の潤滑油が汚染されていると判断することを特徴とする回転機械の潤滑油の監視システム。
  8. 請求項4から7の何れかの回転機械の潤滑油の監視システムにおいて、
    前記記憶装置は、前記回転機械の運転パラメータを時系列的に格納し、
    前記処理装置は、前記記憶装置に時系列的に格納された運転パラメータに基づき、前記監視対象の潤滑油に含まれる添加剤の濃度を所定閾値となる時期を補正して推測することを特徴とする回転機械の潤滑油の監視システム。
  9. 請求項の回転機械の潤滑油の監視システムにおいて、
    前記回転機械は風力発電機であり、
    前記運転パラメータは、前記回転機械の総運転時間、総発電量、総回転数から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする回転機械の潤滑油の監視システム。
  10. 請求項4から9の何れかの回転機械の潤滑油の監視システムにおいて、
    前記出力装置は、表示装置を含み、前記光学式センサにより得られる監視対象の潤滑油の色度データを変換して監視対象の潤滑油の色を前記表示装置に表示することを特徴とする回転機械の潤滑油の監視システム。
  11. 請求項1~3の何れかに記載の潤滑油の劣化診断方法を用いた回転機械の潤滑油の監視方法であって、
    前記光学式センサにより監視対象の潤滑油に含まれる添加剤の濃度を測定する第1のステップ、
    前記第1のステップで測定した前記添加剤の濃度を、記憶装置に時系列に格納して時系列の添加剤濃度データとする第2のステップ、
    前記第2のステップで格納した時系列の添加剤濃度データに基づき前記添加剤の濃度が所定閾値となる時間を推測する第3のステップを有することを特徴とする回転機械の潤滑油の監視方法。
  12. 請求項11の回転機械の潤滑油の監視方法において、
    前記回転機械の運転パラメータを前記記憶装置に時系列に格納して、時系列の運転パラメータデータとする第4のステップを備え、
    前記第3のステップでは、前記添加剤濃度データの過去のデータと、前記運転パラメータデータの過去データおよび将来予測データに基づいて、前記添加剤濃度データの将来のデータを予測することを特徴とする回転機械の潤滑油の監視方法。
  13. 請求項1に記載の潤滑油の劣化診断方法において、
    前記色度データにおけるBの値に基づき、前記潤滑油に含まれた添加剤の濃度を推定することを特徴とする潤滑油の劣化診断方法。
  14. 請求項1に記載の潤滑油の劣化診断方法において、
    前記色度データにおけるR,G,Bに基づき、前記潤滑油の汚染度と前記潤滑油に含まれた添加剤の濃度とを推定することを特徴とする潤滑油の劣化診断方法。
  15. 請求項1に記載の潤滑油の劣化診断方法において、
    前記色度データに基づき、前記潤滑油に含まれた色度変化の特性が異なる複数種類の添加剤の濃度を推定することを特徴とする潤滑油の劣化診断方法。
  16. 請求項1から3および13から15の何れかに記載の潤滑油の劣化診断方法において、
    前記極圧剤はリン系極圧添加剤である潤滑油の劣化診断方法。
  17. 請求項4から10の何れかに記載の回転機械の潤滑油の監視システムを備えた回転機械のシステム。
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