(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の***口と対向する中央域と、前記中央域よりも後方に位置する後側域と、少なくとも前記中央域と前記後側域に配置される吸収コアと、を有し、前記吸収コアには、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部が設けられており、着用物品に取り付けられて使用される吸収性物品であって、前記低坪量部は、前記吸収コアの幅方向の中央において前記中央域と前記後側域を跨がって前記前後方向に延びる第1低坪量部と、前記後側域において前記幅方向に延びる第2低坪量部と、を有し、前記第1低坪量部と前記第2低坪量部は、繋がっており、前記第2低坪量部の前記前後方向の長さは、前記吸収コアの厚みよりも長い。
本態様によれば、中央域の吸収コアは、着用者の脚によって挟まれることによって幅方向の外側から内側に向かう力を受けることにより、第1低坪量部を基点として変形する。第1低坪量部を頂点として吸収コアが凸状に変形することにより、着用者の***口に吸収コアがフィットする。第1低坪量部と第2低坪量部が繋がっているため、第1低坪量部を頂点とした凸状の変形が少なくとも第2低坪量部の前端縁まで伝わる。そして、後側域の吸収コアは、幅方向に延びる第2低坪量部を基点として前後方向に変形する。第2低坪量部の前後方向の長さが吸収コアの厚みよりも長いため、第2低坪量部を基点とした変形時に第2低坪量部を前後方向に挟んだ吸収コア同士がぶつかり難い。よって、第2低坪量部を基点にして吸収コアが大きく変形し易く、第1低坪量部を頂点とした凸形状を維持しつつ、前後方向に延びる身体の丸みに沿い易い。着用物品によって身体側に押圧する力がかからない場合であっても、後側域の吸収コアが臀部の丸みに沿って配置されやすい。よって、***口に対するフィット性と臀部に対するフィット性を両立できる。
好ましい一態様によれば、前記第1低坪量部よりも前記幅方向の外側かつ前記第2低坪量部よりも前側には、前記第1低坪量部及び前記第2低坪量部よりも吸収材料の坪量が高い高坪量部が、前記第2低坪量部の前端縁から前記中央域の前記前後方向の中心まで連続してよい。
本態様によれば、高坪量部が第2低坪量部から中央域の前記前後方向の中心まで連続しているため、第2低坪量部よりも前側に身体の前後方向に吸収コアを大きく曲げる変形基点が形成され難い。そのため、幅方向の外側から幅方向の内側に向かって力がかかった際に、当該力が分散せずに第1低坪量部に集中し易い。よって、第1低坪量部を頂点とした凸形状を形成し易い。また、第1低坪量部を頂点とした凸形状が形成された後は、第1低坪量部を頂点とした変形を高坪量部によって支持でき、身体に対する凸形状を維持し易い。よって、***口に対向する領域近傍では、第1低坪量部を頂点とした凸形状を連続して形成するとともに、吸収コアを前後方向に連続して当てて体液を吸収できる。
好ましい一態様によれば、前記第2低坪量部は、前記吸収コアの前記幅方向の中央から前記幅方向の両方の外側に向かって延びており、前記第2低坪量部の前記幅方向の中央は、前記第2低坪量部の外側縁よりも後側に位置してよい。
臀部の幅方向に沿った断面は、幅方向の中央が幅方向の側部よりも膨らんでいる。そのため、臀部の丸みに対向する領域では、幅方向の中央よりも幅方向の側部の方をより前側で変形させることが好ましい。本態様によれば、第2低坪量部を基点とした変形が幅方向の中央よりも幅方向の側部が前側に位置するため、吸収コアが身体の形状により沿い易くなり、第1低坪量部を基点とした凸形状を維持しつつ、第2低坪量部を基点に変形できる。
好ましい一態様によれば、前記第2低坪量部は、前記吸収コアの前記幅方向の中央から前記幅方向の両方の外側に向かって延びており、前記第2低坪量部の前記幅方向の中央は、前記第2低坪量部の外側縁よりも前側に位置してよい。
第1低坪量部を頂点とした凸状の変形は、中央域から後側域に向かって伝わり、少なくとも第2低坪量部の前端縁まで伝わる。本態様によれば、第2低坪量部は、幅方向の中央が前側に突出しているため、第1低坪量部を頂点とした凸状の変形は、まず第2低坪量部の幅方向の中央に伝わり、第2低坪量部の幅方向の外側に向かって伝わる。そのため、第1低坪量部を基点とした凸状の変形は、第2低坪量部を基点として幅方向の外側かつ後側にスムーズに伝達できる。よって、吸収コアを***させる力が弱い場合であっても、第1低坪量部及び第2低坪量部を基点とした変形を実現しやすい。
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品の肌面側を内側にして折り畳むための折り線が、前記幅方向に沿って設けられており、前記折り線は、前記第2低坪量部に重なってよい。
肌面側を内側にして折り畳むための折り線による折り癖が強い場合には、当該折り癖によって吸収性物品が身体から離れるように変形し易い。折り線が第2低坪量部に重なっていることにより、折り線による折り癖を弱くし、身体から吸収性物品が離れるような変形を抑制できる。また、折り線による折り癖が強い場合には、第1低坪量部を基点とした凸状の変形が分断され、当該凸状の変形が後側に伝達し難くなるおそれがある。しかし、折り線による折り癖が弱くなることにより、第1低坪量部を基点とした凸状の変形を分断せずに、前後方向に伝達し易くなる。
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品の外側縁には、前記幅方向の内側に凹んだくびれ部が形成されており、前記第2低坪量部は、前記中央域の前後方向の中心よりも後側において最も前記幅方向の内側に位置するくびれ部よりも後側に位置してよい。
本態様によれば、最も前記幅方向の内側に位置するくびれ部よりも前側やくびれ部において第2低坪量部による変形基点が形成されると、くびれ部近傍が身体から離れ、横漏れが発生し易い。しかし、中央域の前後方向の中心よりも後側において最も前記幅方向の内側に位置するくびれ部よりも後側に第2低坪量部による変形基点が形成されるため、くびれ部近傍における横漏れを抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記第1低坪量部に対する前記幅方向の両側には、前記吸収コアを厚み方向に圧搾したサイド圧搾部が形成されており、前記サイド圧搾部は、前記前後方向に延び、前記第2低坪量部に繋がってよい。
本態様によれば、比較的剛性が高いサイド圧搾部が第1低坪量部に向けて力を伝達し、比較的剛性が低い第1低坪量部を基点とした凸形状を形成し易い。また、第1低坪量部を頂点とした凸形状が形成された後は、第1低坪量部を頂点とした変形をサイド圧搾部によって支持でき、身体に対する凸形状を維持し易い。サイド圧搾部が第2低坪量部に繋がっているため、第1低坪量部を頂点とした凸形状を第2低坪量部まで連続して形成し易い。
好ましい一態様によれば、前記低坪量部は、前記第1低坪量部に対する前記幅方向の両側において前記前後方向に延びるサイド低坪量部を有し、前記サイド低坪量部は、前記第2低坪量部に繋がってよい。
本態様によれば、サイド低坪量部が設けられていることにより、第1低坪量部とサイド低坪量部が協働して変形し、幅方向に沿った断面において吸収コアがW字状に変形し易い。また、サイド低坪量部が第2低坪量部に繋がっているため、第1低坪量部を頂点とした凸形状を第2低坪量部まで連続して形成できる。
好ましい一態様によれば、前記第2低坪量部の前記前後方向の長さは、前記第1低坪量部の前記幅方向の長さよりも長くてよい。
本態様によれば、本態様によれば、第2低坪量部を基点にして吸収コアが大きく変形し易くなる。一方、第1低坪量部を基点にして吸収コアが大きく変形し難く、第1低坪量部を基点とした吸収コアの変形が緩やかになる。第1低坪量を基点として吸収コアが大きく変形すると、***口に対する違和感が発生したり、中央域における吸収コアの幅を確保できず横漏れが発生したりする不具合のおそれがある。第1低坪量部を基点とした吸収コアの変形が緩やかにすることができ、当該不具合を抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記低坪量部は、前記第2低坪量部よりも後側において前記幅方向に延びる第3低坪量部を有し、前記第3低坪量部の前記前後方向の長さは、前記第2低坪量部の前記前後方向の長さよりも短くてよい。
本態様によれば、第2低坪量部よりも後側に、前後方向に延びる身体の丸みに沿わせる変形基点を設けることができ、後側域における臀部に対するフィット性をより向上できる。また、第3低坪量部の前後方向の長さが短いため、第3低坪量部を基点に大きく変形せず、第3低坪量部が身体から離れすぎず、後漏れを抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアよりも肌面側に配置されたコアラップを有し、前記第1低坪量部と重なる領域には、少なくとも前記吸収コア及び前記コアラップを圧縮した第1圧搾部が形成されており、前記第2低坪量部と重なる領域には、前記第1圧搾部が形成されずに、接着剤を介して前記コアラップと前記吸収コアが接合された接着部が設けられてよい。
本態様によれば、第1低坪量部は、第2低坪量部よりも脚によって強い力を受けやすい。第1圧搾部によって第1低坪量部の剛性を高め、脚によって強い力を受けた場合であっても、第1低坪量部の形状を維持し、第1低坪量部を頂点とした凸形状を維持し易い。また、第2低坪量部に作用する力は、第1低坪量部よりも弱くなり易い。第2低坪量部に第1圧搾部が形成されていないことにより、第2低坪量部の剛性を高めすぎずに違和感を抑制しつつ、コアラップと吸収コアを接合することにより、吸収コアに体液を引き込み、伝え漏れを抑制できる。
(2)第1実施形態に係る吸収性物品
以下、図面を参照して、第1実施形態に係る吸収性物品ついて説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー及び、大人用失禁パッドを含む。吸収性物品は、下着等の着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
図1は、第1実施形態における肌面側から見た吸収性物品の平面図である。図2は、第1実施形態における非肌面側から見た吸収性物品の平面図である。図3は、図1に示す3A-3A線に沿った断面図である。図4は、図1に示す4A-4A線に沿った断面図である。ここで、「肌面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
吸収性物品1は、前後方向Lと幅方向Wと厚み方向Tとを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。厚み方向Tは、着用者の肌面側T1から非肌面側T2へ延びる方向であり、前後方向L及び幅方向Wに直交する方向である。肌面側T1は、使用時に、着用者の肌に面する側に相当する。非肌面側T2は、使用時に、肌面側T1とは反対側、すなわち着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
吸収性物品1は、中央域S1、前側域S2及び後側域S3を有する。中央域S1は、着用者の***口(例えば膣口)に対向する領域である。吸収性物品が下着に装着されたときに、中央域S1は、下着の股下部に位置する。つまり、中央域S1は、着用者の股下、すなわち着用者の両足の間に配置される領域である。前側域S2は、中央域S1よりも前側に位置する。前側域S2の前端縁は吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S3は、中央域S1よりも後側に位置する。後側域S3の後端縁は吸収性物品1の後端縁を規定する。後側域S3の前後方向Lの長さは、中央域S1の前後方向Lの長さよりも長くなってよい。
中央域S1には、後述するウイング3が設けられてよい。また、後側域S3には、幅方向Wの外側に膨らんだヒップフラップ4が設けられてよい。ウイング3の前端縁は、ウイング3の付け根によって規定されており、最も幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分に相当する。ウイング3の前端縁は、中央域S1と前側域S2との境界を規定してもよい。ウイング3の後端縁は、ウイング3の付け根によって規定されており、最も幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、後側に位置する部分に相当する。ウイング3の後端縁は、中央域S1と後側域S3との間に位置してよい。ここで、前後方向Lにおけるウイング3の前端縁とウイング3の後端縁との間の領域を「ウイング域」と称する。ウイングを有する吸収性物品では、中央域S1は、ウイング域と実質的に同じ領域となる。したがって、本明細書において、「中央域S1」との語は、「ウイング域」と読み替えることができることに留意すべきである。
吸収性物品1は、肌面シート10、非肌面シート20及び吸収コア30を有する。肌面シート10は、吸収コア30よりも肌面側T1に設けられる。非肌面シート20は、吸収コア30よりも非肌面側T2に設けられる。吸収コア30は、肌面シート10と非肌面シート20との間に設けられる。
肌面シート10は、体液等の液体を透過する液透過性のシートであり、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成される。また、肌面シート10は、吸収コア30の幅方向の中央を覆う表面シートと、表面シートの外側縁を覆い、かつ表面シートから幅方向の外側に延びるサイドシートによって構成されよい。表面シートは、少なくとも吸収コアの幅方向の中央を覆い、サイドシートは、幅方向Wにおける表面シートの外側縁を覆い、表面シートよりも幅方向Wの外側へ延びてよい。サイドシートは、防漏性の観点から疎水性のシートを用いてもよい。
非肌面シート20は、液不透過性のシートである。非肌面シート20は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
吸収コア30は、少なくとも中央域S1及び後側域S3に配置される。また、吸収コア30は、中央域S1から前側域S2まで延びてもよい。吸収コア30は、液体を吸収する吸収材料が積層されており、コアラップ31によって覆われてよい。吸収コア30を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。吸収コア30は、熱可塑性樹脂繊維を含んでいてよい。コアラップ31は、例えば不織布やティッシュから構成することができる。コアラップ31は、吸収コア30よりも肌面側T1と吸収コア30よりも非肌面側T2にそれぞれ配置されてよく、肌面側T1に配置されたコアラップ31と非肌面側T2に配置されたコアラップ31とは、同じシートによって構成されていてもよいし、別々のシートによって構成されていてもよい。変形例として、吸収コア30は、コアラップを有していなくてもよい。この場合、吸収コア30は、肌面シート10と非肌面シート20とによって覆われていればよい。
前述したように、吸収性物品1は、ウイング3及びヒップフラップ4を有する。ウイング3及びヒップフラップ4は、中央域S1における吸収コア30の外側縁よりも幅方向Wの外側に延出している。ウイング3及びヒップフラップ4は、肌面シート10と非肌面シート20との積層によって構成されてよい。ウイング3は、非肌面シート20側に折り返し可能に構成されている。ウイング3は、使用時に下着のクロッチ部の非肌面側に折り返される。
ヒップフラップ4は、ウイング3よりも後側に位置し、後側域S3に設けられている。ヒップフラップ4は、使用時に折り返されず、下着と着用者の臀部との間に配置される。本実施形態では、ヒップフラップ4には吸収材料が設けられていない。この代わりに、ヒップフラップ4には、吸収材料が設けられてもよい。
図2に示すように、吸収性物品1は、吸収性物品1を下着等の着用物品に接合するための粘着剤が設けられた粘着部を有する。粘着部は、吸収コア30と重なる領域に配置された本体粘着部61、ウイング3に配置されたウイング粘着部63、及びヒップフラップ4に配置されたフラップ粘着部64と、を有してよい。本体粘着部61は、前後方向Lに延び、かつ幅方向Wに間隔を空けて配置されている。本体粘着部61は、吸収性物品の幅方向Wの中心である物品幅中心1CWに配置されてなく、物品幅中心1CWの幅方向Wの両側にそれぞれ2列ずつ配置されている。これらの粘着部は、非肌面シート20の非肌面側に設けられている。粘着部60は、使用前の状態において、被覆シートによって覆われてもよい。被覆シートは、使用前に粘着部の粘着剤の劣化を防止し、吸収性物品の使用時に着用者によって取り外される。
吸収性物品1は、少なくとも吸収コア30を厚み方向に圧縮した圧搾部80が形成されてよい。圧搾部80は、少なくとも吸収コア30が厚み方向に圧縮されていればよく、吸収コア30と肌面シートが厚み方向に圧縮されてもよいし、吸収コア30とコアラップ31が厚み方向に圧縮されていてもよいし、吸収コア30、コアラップ31及び肌面シート10が厚み方向に圧縮されていてもよい。圧搾部80は、サイド圧搾部85と、第1圧搾部81と、を有してよい。サイド圧搾部85は、第1低坪量部41に対する幅方向Wの両側に設けられ、前後方向Lに延びている。第1圧搾部81は、第1低坪量部41と重なる領域に配置されてよい。
吸収性物品1は、使用前に折り線を基点に折り畳まれてよく、吸収性物品1を前後方向Lに折り畳むための折り線が設けられてよい。折り線は、前後方向Lに間隔を空けて設けられてよい。折り線は、幅方向Wに沿って延びており、第1折り線FL1及び第2折り線FL2を有してよい。第1折り線FL1は、吸収性物品1の前後方向Lの後端縁に最も近く、第2折り線FL2は、吸収性物品1の前後方向Lの前端縁に最も近い。第1折り線FLは、後述する第2低坪量部42に重なっており、本発明の折り線を構成する。なお、変形例において、第1折り線FL1と第2折り線FL2の間に、幅方向Wに延びる他の折り線が配置されてもよい。第1折り線FL1及び第2折り線FL2は、吸収性物品の包装時(使用前)に、吸収性物品1の肌面側T1を内側にして吸収性物品1を折り畳むためのラインである。折り線は、折り癖の位置によって特定することができ、吸収性物品1の折り癖が特定しにくい形態にあっては、吸収性物品と共に折り畳まれる被覆シート等の折り癖を基準に折り線の位置を特定してよい。また、吸収性物品1を折り畳む際は、ウイング3及びヒップフラップ4を吸収コア30の肌面側を覆うように折り畳んだ後に、第1折り線FL1及び第2折り線FL2を基点に折り畳む。よって、ウイング3及びヒップフラップ4を折り畳んだ状態で、ウイング3及びヒップフラップ4が重なる領域(例えば、第2低坪量部42)は、折り癖が付きやすくなる。
(3)吸収コアの詳細構成
次に、図1~図5を参照し、吸収コア30の構成についてより具体的に説明する。図5は、吸収コア30の平面図である。吸収コア30には、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部が設けられている。低坪量部は、第1低坪量部41、第2低坪量部42、第3低坪量部43及びサイド低坪量部45を有してよい。ここで、「低坪量部」は、その周囲の吸収コア30よりも低い坪量の吸収材料を有する領域、又は吸収材料を有していない領域を意味する。このように、「低坪量部」は、吸収コア30の坪量が零である領域を含む概念である。「低坪量部」が吸収材料を有していない領域である場合でも、コアラップは、低坪量部を跨いで吸収コア全体を包んでいてよい。この場合、吸収コア30が複数の領域に分断されていたとしても、吸収コア30は、コアラップによって一体的に形成される。
低坪量部における吸収コア30の坪量は、好ましくは180g/m2以下、より好ましくは、120g/m2以下である。低坪量部を基点とした変形を促すとともに、***口から流れ出た体液を吸収コア30内に速やかに引き込み、吸収性物品1の肌面を伝うことを抑制できる。また、低坪量部における吸収コア30の坪量は、実質的に0g/m2であってよい。低坪量部の坪量が0g/m2である場合には、伝い漏れを防ぐために、コアラップとしてティッシュを用いることが好ましい。また、低坪量部における吸収コア30の坪量は、低坪量部のまわりの吸収コア30の坪量との差が100g/m2以上であってよく、好ましくは、200g/m2以上であってよい。また、低坪量部における吸収コア30の坪量は、低坪量部のまわりの吸収コア30の坪量の80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。低坪量部の坪量が高くなりすぎると、圧搾部が形成された際に硬くなりすぎ、変形しにくくなるおそれがあるため、上記範囲であることが好ましい。第1低坪量部41、第2低坪量部42、第3低坪量部43及びサイド低坪量部45は、吸収コア30の剛性が変化する境目となる。したがって、第1低坪量部41、第2低坪量部42、第3低坪量部43及びサイド低坪量部45は、吸収コア30が変形し易い領域に相当する。
第1低坪量部41は、吸収コア30の幅方向Wの中央において中央域S1と後側域S3を跨がって前後方向Lに延びている。第1低坪量部41は、物品幅中心1CWをまたがってよい。第1低坪量部41は、第2低坪量部42と繋がっている。第1低坪量部41は、中央域S1の前後方向Lの中心S1CLと第2低坪量部42の間に配置されていればよく、第1低坪量部41の前端縁は、吸収コア30の前端縁30Fに位置してもよい。第1低坪量部41は、第2低坪量部42を超えて後側まで延びてもよい。第1低坪量部41の後端縁は、前後方向Lにおける後側域S3の中心よりも後側に位置してよいし、吸収コア30の後端縁30Rに位置してもよい。特に、第1低坪量部41を基点とした凸状の変形を吸収コア30の前後方向Lの全域に伝えるためには、第1低坪量部41が吸収コア30の前端縁30F及び後端縁30Rまで延びていることが好ましい。なお、変形例において、第2低坪量部42よりも後側において、第1低坪量部41と異なる低坪量部が吸収コア30の幅方向Wの中央において前後方向Lに延びてもよい。第1低坪量部41と異なる低坪量部とは、第1低坪量部41の幅と異なる幅を有する低坪量部、第1低坪量部41のように前後方向Lに連続してなく、前後方向Lに間隔を空けて配置された低坪量部を例示できる。
サイド低坪量部45は、第1低坪量部41に対する幅方向Wの両側において前後方向Lに延びてよい。サイド低坪量部45は、中央域S1と後側域S3を跨がってよい。サイド低坪量部45は、第1低坪量部41と幅方向Wに離間してよく、その離間している距離は、少なくとも吸収コア30の厚さよりも長くてよく、好ましくは、10mm以上であってよい。サイド低坪量部45の前後方向Lの位置及び長さは、第1低坪量部41と同じであってよい。すなわち、サイド低坪量部45の前端縁は、吸収コア30の前端縁に位置してもよい。サイド低坪量部45は、第2低坪量部42と繋がってよく、第2低坪量部42を超えて後側まで延びてもよい。サイド低坪量部45の後端縁は、前後方向Lにおける後側域S3の中心よりも後側に位置してよいし、吸収コア30の後端縁30Rに位置してもよい。また、第1低坪量部41の幅方向Wにおける長さ及びサイド低坪量部45の幅方向Wの長さは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。サイド低坪量部45の幅方向Wの長さは、第1低坪量部41の幅方向Wの長さ以下であってよい。
第2低坪量部42は、後側域S3において幅方向Wに延びている。第2低坪量部42は、中央域S1に配置されず、中央域S1よりも後側に配置されてよい。第2低坪量部42の前後方向Lにおける長さは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。第2低坪量部42の前後方向Lの長さL42は、吸収コア30の厚みT30(図3参照)よりも長い。なお、ここにおける「吸収コアの厚み」は、第2低坪量部42に隣接する領域における吸収コア30の厚みである。また、第2低坪量部42の前後方向Lの長さが変化する形態にあっては、第2低坪量部42の前後方向Lの最大長さが、当該部分に隣接する吸収コア30の厚みよりも長ければよい。
なお、本明細書における「吸収コアの坪量及び厚み」の測定は、以下の測定方法によって行われるものとする。吸収性物品1がパッケージなどに封入されている場合には、パッケージから取り出し、その状態にて20℃±2℃、相対湿度60%±5%RHの雰囲気下において12時間放置したサンプルを用いる。包装シート等によって包装された吸収性物品においては包装体を開封し、折り畳まれた吸収性物品を展開して、吸収性物品の坪量を測定する部分の厚みを測定する。次いで、坪量を測定する部分を吸収性物品から切り出し、切り出した部分の重量を測定する。次いで、切り出した部分から吸収コアを取り除き、表面シート及び裏面シート等、吸収コア以外の厚み及び重量を測定する。なお、吸収コアが接着剤等で残っている場合には、トルエン等ですべて取り除き、24時間常温で乾燥させた後に測定する。最初に測定した吸収性物品の厚みから吸収コア以外の厚みを除き、吸収コアの厚みを測定する。また、切り出した部分の重量から吸収コア以外の重量を除き、坪量を測定する部分の面積に基づいて坪量を算出する。
第3低坪量部43は、後側域S3において幅方向Wに延びている。第3低坪量部43は、第2低坪量部42よりも後側に位置し、第2低坪量部42と離間している。第3低坪量部43の前後方向Lにおける長さは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。第2低坪量部42及び第3低坪量部43は、吸収コア30の外側縁に到達してもよいし、吸収コア30の外側縁よりも幅方向Wの内側に位置してもよい。第2低坪量部42及び第3低坪量部43が吸収コア30の外側縁に到達していることにより、第2低坪量部42及び第3低坪量部43を基点として、吸収コア30がより変形し易くなる。
(4)吸収性物品の着用時の変形態様
次いで、図6等に基づいて、このように構成された吸収性物品の着用時の変形態様について説明する。図6は、使用中の吸収性物品を模式的に示した図である。中央域S1は、幅方向Wの外側から内側に向かう力を受ける。より詳細には、吸収性物品が取り付けられた状態の着用物品を引き上げる際には、着用物品及び吸収性物品が脚に内側に引っかかりつつ引き上げられるため、中央域S1には、幅方向Wの外側から内側に向かう力がかかる。また、着用物品が装着された状態では、着用者の脚によって挟まれるため、中央域S1には、幅方向Wの外側から内側に向かう力がかかる。このとき、中央域S1の吸収コア30は、第1低坪量部41を基点として変形する。第1低坪量部41を頂点として吸収コア30が凸状に変形することにより、着用者の***口に吸収コア30がフィットする。
第1低坪量部41が中央域S1及び後側域S3に跨がって設けられ、かつ第1低坪量部41と第2低坪量部42が繋がっているため、第1低坪量部41を頂点とした凸状の変形が少なくとも第2低坪量部42の前端縁まで伝わる。そして、後側域S3の吸収コア30は、幅方向Wに延びる第2低坪量部42を基点として前後方向Lに変形し、前後方向Lに延びる身体のラインに沿うように変形する。具体的には、着用物品の引き上げ時に、第1低坪量部41を頂点とした凸形状が形成されると、既に凸形状が形成された吸収性物品が着用者の股下に配置され、着用物品が身体を覆うように着用されることにより、第2低坪量部42を基点として前後方向Lに変形し、前後方向Lに延びる身体のラインに沿うように変形する。第2低坪量部42の前後方向Lの長さL42が吸収コア30の厚みT30よりも長いため、第2低坪量部42を基点とした変形時に第2低坪量部42を前後方向Lに挟んだ吸収コア30同士がぶつかり難い。よって、第2低坪量部42を基点にして吸収コア30が大きく変形し易く、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を維持しつつ、前後方向Lに延びる身体の丸みに沿い易い。すなわち、第1低坪量部41を頂点とした凸形状が第2低坪量部42によって分断され難い。密着性の低い着用物品を着用した場合等、着用物品によって身体側に押圧する力がかからない場合であっても、中央域S1の吸収コア30が***口にフィットしつつ、後側域S3の吸収コア30が臀部の丸みに沿って配置されやすい。よって、***口に対するフィット性と臀部に対するフィット性を両立できる。好ましくは、第1低坪量部41は、第2低坪量部42の前端縁42Fから中央域S1の前後方向Lの中心S1CLまで連続してよい。幅方向Wの外側から内側に向かう力がかかった際に、第1低坪量部41を頂点とした凸形状が中央域S1の前後方向Lの中心S1CLから第2低坪量部42まで連続して形成される。また、第1低坪量部41が第2低坪量部42よりも後側まで延びていることにより、第1低坪量部41を頂点とした凸形状が第2低坪量部42を超えて後側まで伝わりやすくなる。
第2低坪量部42よりも前側には、幅方向Wに延びる低坪量部が形成されていない。第1低坪量部41よりも幅方向Wの外側かつ第2低坪量部42よりも前側には、第1低坪量部41及び第2低坪量部42よりも吸収材料の坪量が高い高坪量部48が、第2低坪量部42の前端縁42Fから中央域S1の前後方向Lの中心S1CLまで連続している。高坪量部48は、第1低坪量部41の幅方向Wにおける両側にそれぞれ配置されてよく、図1において、一方の高坪量部48に斜線を付して示す。高坪量部48は、幅方向Wにおいて第1低坪量部41とサイド低坪量部45の間に配置されてよく、サイド低坪量部45を有しない形態にあっては、幅方向Wにおいて第1低坪量部41と吸収コア30の外側縁30Eの間に配置されてよい。高坪量部48は、前後方向Lにおいて少なくとも第2低坪量部42と中央域S1の前後方向Lの中心S1CLの間に配置されていればよく、第2低坪量部42と吸収コア30の前端縁30Fの間に配置されてもよい。なお、高坪量部48は、第1低坪量部41及び第2低坪量部42よりも吸収材料の坪量が高ければよく、第2低坪量部42と第3低坪量部43の間の領域、サイド低坪量部45よりも幅方向Wの外側の領域等、他の領域と同じ坪量であってもよく、吸収コア30において最も坪量が高い領域でなくてよい。
高坪量部48が第2低坪量部42から中央域S1の前後方向Lの中心まで連続しているため、第2低坪量部42よりも前側に身体の前後方向Lに吸収コア30を大きく曲げる変形基点が形成され難い。そのため、幅方向Wの外側から幅方向Wの内側に向かって力がかかった際に、当該力が分散せずに第1低坪量部41に集中し易い。よって、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を形成し易い。また、第1低坪量部41を頂点とした凸形状が形成された後は、第1低坪量部41を頂点とした変形を高坪量部48によって支持でき、身体に対する凸形状を維持し易い。よって、***口に対向する領域近傍では、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を連続して形成するとともに、吸収コア30を前後方向Lに連続して当てて体液を吸収できる。
第2低坪量部42は、吸収コア30の幅方向Wの中央から幅方向Wの両方の外側に向かって延びてよい。第2低坪量部42は、幅方向Wに沿って直線的に延びてもよいし、幅方向Wに沿って曲線的に延びてもよい。第2低坪量部42の幅方向Wの中心は、第2低坪量部42の外側縁よりも後側に位置してよい。すなわち、第2低坪量部42は、第2低坪量部42の幅方向Wの中央が後方に突出した曲線形状であってよい。第2低坪量部42を基点とした吸収コア30の変形は、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を維持しつつ、前後方向Lに延びる身体の丸みに沿わせることが好ましい。臀部の幅方向Wに沿った断面は、幅方向Wの中央が幅方向Wの側部よりも膨らんでいる。そのため、臀部の丸みに対向する領域では、幅方向Wの中央よりも幅方向Wの側部の方をより前側で変形させることが好ましい。第2低坪量部42を基点とした変形が幅方向Wの中央よりも幅方向Wの側部が前側に形成され、吸収コア30が身体の形状により沿い易くなり、第1低坪量部41を基点とした凸形状を維持しつつ第2低坪量部42を基点に変形できる。よって、臀部の前後方向Lの丸み及び幅方向Wの丸みにそれぞれ沿うように吸収コア30が変形し、丸みを帯びた形状の吸収性物品1によって臀部を覆うことができる。
第2低坪量部42よりも後側には、吸収コア30の幅方向Wの中央において前後方向Lに延びる低坪量部が設けられてよい。本実施の形態では、第2低坪量部42よりも後側においても、第1低坪量部41が、吸収コア30の幅方向Wの中央において前後方向Lに延びている。このような構成によれば、第2低坪量部42よりも後側にも、吸収コア30の幅方向Wの中央を頂点とした凸状の変形を形成でき、臀部間の隙間に対するフィット性をより高め、体液の漏れを抑制できる。
吸収性物品を折り畳むための第1折り線FLは、第2低坪量部42に重なってよい。第1折り線FL1の少なくとも一部が第2低坪量部42に重なっていればよい。肌面側を内側にして折り畳むための折り線による折り癖が強い場合には、当該折り癖によって吸収性物品が身体から離れるように変形し易い。折り線が第2低坪量部42に重なっていることにより、折り線による折り癖を弱くし、身体から吸収性物品1が離れるような変形を抑制できる。また、折り線による折り癖が強い場合には、第1低坪量部41を基点とした凸状の変形が分断され、当該凸状の変形が後側に伝達し難くなるおそれがある。しかし、折り線による折り癖が弱くなることにより、第1低坪量部41を基点とした凸状の変形を分断せずに、前後方向Lに伝達し易くなる。また、第1低坪量部41から前後方向Lに延長した領域と第2低坪量部42が重なる領域に、第1折り線FL1が形成されてよい。第1折り線FL1による折り癖が弱くなり、第1折り線FL1の影響を受けずに、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を前後方向に連続して形成し易くなる。
図1に示すように、吸収性物品の外側縁1Eには、幅方向Wの内側に凹んだくびれ部が形成されている。くびれ部は、前後の領域よりも幅方向Wの内側に凹んだ部分である。くびれ部は、ウイング3の前端縁に位置する第1くびれ部71、ウイング3の後端縁に位置する第2くびれ部72、及びヒップフラップ4の前後方向Lの中央近傍に位置する第3くびれ部73が設けられている。中央域S1の前後方向Lの中心よりも後側には、第2くびれ部72及び第3くびれ部73が設けられている。第2くびれ部72は、第3くびれ部よりも幅方向Wの内側に凹んでおり、本発明の「中央域S1の前後方向Lの中心よりも後側において最も幅方向Wの内側に位置するくびれ部」を構成する。第2低坪量部42は、中央域S1の前後方向Lの中心よりも後側において最も幅方向Wの内側に位置する第2くびれ部72よりも後側に位置してよい。最も幅方向Wの内側に位置する第2くびれ部72よりも前側や第2くびれ部72において第2低坪量部42による変形基点が形成されると、第2くびれ部72近傍が身体から離れ、横漏れが発生し易い。しかし、第2くびれ部72よりも後側に第2低坪量部42による変形基点が形成されるため、第2くびれ部72近傍における横漏れを抑制できる。
第1低坪量部41に対する幅方向Wの両側には、前後方向Lに延びるサイド圧搾部85が形成されてよい。サイド圧搾部85が第1低坪量部41に向けて力を伝達し、比較的剛性が低い第1低坪量部41を基点とした凸形状を形成し易い。また、第1低坪量部41を頂点とした凸形状が形成された後は、第1低坪量部41を頂点とした変形をサイド圧搾85部によって支持でき、身体に対する凸形状を維持し易い。また、サイド圧搾部85は、第2低坪量部42に繋がってよい。サイド圧搾部85が第2低坪量部42に繋がっているため、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を第2低坪量部42まで連続して形成し易い。
第1低坪量部41の幅方向Wの両方の外側には、サイド低坪量部45が設けられている。吸収コア30は、サイド低坪量部45と第1低坪量部41を基点に変形する。より詳細には、幅方向Wの外側から内側に向かう力がかかると、一対のサイド低坪量部45を基点に吸収コア30が変形し、サイド低坪量部45間の領域が着用者側に***する。このとき、サイド低坪量部45間に第1低坪量部41が設けられているため、サイド低坪量部45間の領域は、第1低坪量部41を頂点として変形する。サイド低坪量部45が設けられていることにより、第1低坪量部41とサイド低坪量部が協働して変形し、幅方向に沿った断面において吸収コアがW字状に変形し易い。また、第1低坪量部41を頂点とした変形が安定する。また、サイド低坪量部45は、第2低坪量部42に繋がってよい。サイド低坪量部45が第2低坪量部42に繋がっているため、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を第2低坪量部42まで連続して形成できる。
また、サイド低坪量部45よりも幅方向の外側にも第2高坪量部49が設けられていてよい。第2高坪量部49は、サイド低坪量部45と吸収コアの外側縁の間に配置されてよい。第2高坪量部49の幅方向の長さは、高坪量部48の幅方向の長さよりも長くてよい。なお、高坪量部48及び第2高坪量部49は、第1低坪量部41及び第2低坪量部42よりも吸収材料の坪量が高ければよく、高坪量部内の坪量が一定でなくてよい。また、高坪量部48の坪量と第2高坪量部49の坪量は、異なっていてもよい。
サイド低坪量部45よりも幅方向Wの外側には、圧搾部80が配置されてよい。サイド低坪量部45よりも幅方向Wの外側の領域の剛性が高くなり、剛性差によってサイド低坪量部を基点に変形し易くなり、サイド低坪量部45間の領域が着用者側により***し易くなる。加えて、サイド低坪量部45よりも幅方向Wの外側の領域は、圧搾部80によって剛性が高くなり、吸収コアのW字状の変形後によれにくく、横漏れを抑制できる。
本体粘着部61は、第1低坪量部41及びサイド低坪量部45と重ならない領域に配置されてよい。すなわち、本体粘着部61は、幅方向において第1低坪量部41とサイド低坪量部45の間に配置され、本体粘着部61どうしの幅方向の間に第1低坪量部41が配置されてよい。本体粘着部61が配置された領域と第1低坪量部41との剛性差によって第1低坪量部41を基点により変形し易くなる。同様に、本体粘着部61が配置された領域とサイド低坪量部45との剛性差によってサイド低坪量部45を基点により変形し易くなる。また、第1低坪量部41及びサイド低坪量部45に重なる領域は、本体粘着部61を介して着用物品に接合されていないため、柔軟に変形し易く、より吸収コアの変形基点として機能し易い。
第2低坪量部42の前後方向Lの長さL42は、第1低坪量部41の幅方向Wの長さW41よりも長くてよい。本態様によれば、第2低坪量部42を基点にして吸収コア30が大きく変形し易くなる。一方、第1低坪量部41を基点にして吸収コア30が大きく変形し難く、第1低坪量部41を基点とした吸収コア30の変形が緩やかになる。第1低坪量を基点として吸収コア30が大きく変形すると、***口に対する違和感が発生したり、中央域S1における吸収コア30の幅を確保できず横漏れが発生したりする不具合のおそれがある。第1低坪量部41を基点とした吸収コア30の変形が緩やかにすることができ、当該不具合を抑制できる。
第2低坪量部42よりも後側には第3低坪量部43が設けられてよい。第2低坪量部42よりも後側に、前後方向Lに延びる身体の丸みに沿わせる変形基点を設けることができ、後側域における臀部に対するフィット性をより向上できる。第3低坪量部43の前後方向Lの長さは、第2低坪量部42の前後方向Lの長さよりも短くてよい。第2低坪量部42よりも後側に、前後方向Lに延びる身体の丸みに沿わせる変形基点を設けることができ、後側域における臀部に対するフィット性をより向上できる。また、第3低坪量部43の前後方向Lの長さが短いため、第3低坪量部43を基点に吸収コアが大きく変形し難く、第3低坪量部43が身体から離れすぎずに後漏れを抑制できる。また、夜用の生理用ナプキン等、後側域の前後方向の長さが長い吸収性物品にあっては、第3低坪坪量部よりも後側に、幅方向に延びる低坪量部が設けられていてもよい。すなわち、第2低坪量部42よりも後側に、複数の低坪量部が設けられてよい。後側域の前後方向の長さが長い吸収性物品において、後側域を臀部の丸みに沿って配置し易くなる。
なお、第3低坪量部43の形状は、第2低坪量部42に沿う形状であることが好ましい。例えば、第2低坪量部42は、第2低坪量部42の幅方向Wの中央が後方に突出した曲線形状の形態にあっては、第3低坪量部43も、第3低坪量部43の幅方向Wの中央が後方に突出した曲線形状であってよい。吸収コア30の変形時に、第2低坪量部42と第3低坪量部43が干渉し難くなり、それぞれを基点とした変形を実現しやすい。
第1低坪量部41と重なる領域には、第1圧搾部81が形成され、第2低坪量部42と重なる領域には、第1圧搾部81が形成されずに、接着剤を介してコアラップ31と吸収コア30が接合された接着部35が設けられてよい。本実施の形態の第1圧搾部81は、吸収コア30よりも肌面側に位置するコアラップと、吸収コア30と、吸収コア30よりも非肌面側に位置するコアラップと、が圧縮されている。第1低坪量部41は、第2低坪量部42よりも脚によって強い力を受けやすい。第1圧搾部81によって第1低坪量部41の剛性を高め、脚によって強い力を受けた場合であっても、第1低坪量部41の形状を維持し、第1低坪量部41を頂点とした凸形状を維持し易い。また、第2低坪量部42に作用する力は、第1低坪量部41よりも弱くなり易い。第2低坪量部42に第1圧搾部が形成されていないことにより、第2低坪量部42の剛性を高めすぎずに違和感を抑制しつつ、コアラップ31と吸収コア30を接合することにより、吸収コア30に体液を引き込み、伝え漏れを抑制できる。
(5)第2実施形態に係る吸収性物品
次いで、図7に基づいて、第2実施形態に係る吸収性物品1Xについて説明する。なお、以下の第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。第2実施形態に係る吸収性物品1Xは、第2低坪量部42の形状が、第1実施形態に係る吸収性物品の第2低坪量部42Xと異なる。第2実施形態に係る第2低坪量部42Xは、第2低坪量部42Xの幅方向Wの中央が前方に突出した曲線形状である。
第1低坪量部41を頂点とした凸状の変形は、中央域S1から後側域S3に向かって伝わり、少なくとも第2低坪量部42Xの前端縁まで伝わる。第2低坪量部42Xは、幅方向Wの中央が前側に突出しているため、第1低坪量部41を頂点とした凸状の変形は、まず第2低坪量部42の幅方向Wの中央に伝わり、第2低坪量部42Xの幅方向Wの外側に向かって伝わる。第1低坪量部41を基点とした凸状の変形は、第2低坪量部42Xを基点として幅方向Wの外側かつ後側にスムーズに伝達される。よって、吸収コア30を***させる力が弱い場合であっても、第1低坪量部41及び第2低坪量部42Xを基点とした変形を実現しやすい。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。