JP7096789B2 - 斜面の遮水構造及びその構築方法 - Google Patents

斜面の遮水構造及びその構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7096789B2
JP7096789B2 JP2019123027A JP2019123027A JP7096789B2 JP 7096789 B2 JP7096789 B2 JP 7096789B2 JP 2019123027 A JP2019123027 A JP 2019123027A JP 2019123027 A JP2019123027 A JP 2019123027A JP 7096789 B2 JP7096789 B2 JP 7096789B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slope
slag
water
impermeable
blast furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019123027A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021008748A (ja
Inventor
貴樹 松丸
武斗 佐藤
有三 赤司
陽介 山越
健二郎 開
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute, Nippon Steel Corp filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2019123027A priority Critical patent/JP7096789B2/ja
Publication of JP2021008748A publication Critical patent/JP2021008748A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7096789B2 publication Critical patent/JP7096789B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

本発明は、斜面の表層として設けられる斜面の遮水構造及びその構築方法に関するものである。
特許文献1,2に開示されているように、切土や盛土によって形成される斜面には、斜面崩壊の原因となる雨水の浸透などを防ぐために、コンクリートなどを使用して安定化を図ることが行われている。
例えば、特許文献1では、斜面にコンクリートを吹き付けることによって、表層に遮水構造が設けられることが開示されている。また、特許文献2には、鉄筋コンクリートによって縦梁を構築し、その縦梁間に露出する斜面を緑化吹付材によって被覆する斜面安定工が開示されている。
一方、特許文献3,4には、道路の簡易舗装材料として、製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合した材料が使用されることが記載されている。ここで、道路の舗装として使用するためには、車両の走行によって轍や摩耗が起き難いように、セメントやアスファルトなどの結合力の高い材料が添加されて、強度が高められる。
特開2017-197934号公報 特開2004-52533号公報 特許第5765125号公報 特開2017-48625号公報
しかしながら、セメントやアスファルトなどの結合材は、材料費が高く、特に斜面の表面積が広くなる長大のり面に施工する場合には、工事費が増大することになる。
そこで、本発明は、比較的安価な材料のみで構築できるうえに、遮水性能の高い斜面の遮水構造及びその構築方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の斜面の遮水構造は、斜面の表層として設けられる斜面の遮水構造であって、製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材を、締固め密度比が90%以上となるように締め固めたことを特徴とする。
ここで、前記スラグ材の締固め密度比が95%以上となるように締め固めることが好ましい。
例えば、前記製鋼スラグは粒径が40mm以下であって、前記高炉水砕スラグは前記スラグ材の全量に対する含有量が5質量%以上25質量%以下とすることができる。また、前記スラグ材によって形成される前記表層の厚さは、100mm-200mmとすることができる。さらに、前記スラグ材によって形成される前記表層の透水係数が3.0×10-6m/s以下となるようにすることが好ましい。
また、斜面の遮水構造の構築方法の発明は、斜面の表層として設けられる斜面の遮水構造の構築方法であって、製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材を前記斜面に敷き均して、締固め密度比が90%以上となるように締め固めることを特徴とする。
このように構成された本発明の斜面の遮水構造は、製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材を、締固め密度比が90%以上となるように締め固めたことによって構築される。
要するに、製鋼工程で発生する製鋼スラグと高炉水砕スラグとを使用するだけなので、比較的安価な材料費にすることができる。また、締固め密度比が90%以上となるように締め固めることによって、高い遮水性能を確保することができる。特に、締固め密度比を95%以上とすることで、雨水の斜面への浸透率を大幅に低減させることができる。
本実施の形態の斜面の遮水構造の構成を示した説明図である。 本実施の形態の斜面の遮水構造の効果を確認するために行った散水実験の地盤模型の概要を示した説明図である。 含水比と乾燥密度と透水係数との関係を説明する図である。 比較例とともに散水実験の結果を説明する図であって、(a)は降雨強度20mm/hrの場合の浸透率の時刻歴を示したグラフ、(b)は降雨強度90mm/hrの場合の浸透率の時刻歴を示したグラフである。 降雨強度20mm/hrの場合の散水実験の結果を説明する図であって、(a)は斜面の下流地点における飽和度の時刻歴を示したグラフ、(b)は斜面の中央地点における飽和度の時刻歴を示したグラフ、(c)は斜面の上流地点における飽和度の時刻歴を示したグラフである。 降雨強度90mm/hrの場合の散水実験の結果を説明する図であって、(a)は斜面の下流地点における飽和度の時刻歴を示したグラフ、(b)は斜面の中央地点における飽和度の時刻歴を示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態で説明する斜面の遮水構造の構成を、部分的に拡大して示した説明図である。
まず図1を参照しながら全体的な構成を説明すると、斜面Sには、地山を掘削する切土の際に発生する傾斜面や、基礎地盤上に土を盛り上げて堤体や造成地などを構築する盛土の際に発生する傾斜面などが該当する。
以下では、1:2.0勾配の斜面、すなわち水平に対して約26°の傾斜角で傾く斜面Sの表層として設けられる、斜面の遮水構造となる遮水層1を例に説明する。このような斜面Sには、斜面崩壊の原因となる雨水の斜面Sの内部への浸透や表面の侵食などを防ぐために、遮水層1が設けられる。
この遮水層1に最も求められる性能は遮水性能であり、透水係数が小さくなるほど好ましい。さらに、遮水層1には、セメントやアスファルトなどの高価な材料を使用せずに、比較的に安価な材料だけで構築できることが好ましい。
そこで、本実施の形態では、遮水層1を製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材によって形成することとする。製鋼スラグや高炉水砕スラグなどの鉄鋼スラグは、製鋼工程で発生する産業副産物であり、比較的安価に入手できるうえに、有効に利用することで環境負荷の低減にも貢献できるようになる。
製鋼スラグ及び高炉水砕スラグは、酸化カルシウム、けい酸カルシウム、酸化鉄(II)、アルミナ等を主成分とする複合材料であって、潜在水硬性を有する。また、製鋼スラグ単体でも弱い水硬性があり強度を発現するが、製鋼スラグに高炉水砕スラグを混合することによって、強アルカリである製鋼スラグが更に強い水硬性を有する高炉水砕スラグを刺激し、水和物が生成して強度の高い固結体になる。
さらに詳細に説明すると、高炉水砕スラグが製鋼スラグのアルカリ刺激を受け、シリカ(Si)とアルミニウム(Al)とが水分に溶け出し、製鋼スラグから溶け出すカルシウム(Ca)とポゾラン反応を起こして石灰シリカアルミナ(C-S-A-H:C=CaO,S=SiO2,A=Al2O3,H=H2O)系水和物が生成されると、粒子間隙を繋いでいくと同時に粒子間空隙が充填されることで固結が起きる。また、水中の過剰なCaイオンが空気中の炭酸イオンと反応して、炭酸カルシウム(CaCO3)も同時に生成して固結することになる。
このような製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材によって遮水層1を構築するには、斜面Sにスラグ材を敷き均し、その上から水硬性を促進させるための水を散布し、転圧機などで転圧して締め固めることで形成することになる。
製鋼スラグとしては、例えば目開き40mmの篩でふるって網目を通り抜けた粒径が40mm以下の製鋼スラグを使用することができる。また、高炉水砕スラグとしては、溶融した高炉スラグに加圧水を噴射するなどして、急激に冷却したままのガラス質の粒状スラグが使用できる。
高炉水砕スラグは、例えばスラグ材の全量に対する含有量が5質量%以上25質量%以下となるように混合される。これに対して、製鋼スラグのスラグ材の全量に対する含有量は、95質量%以下75質量%以上となる。要するに、製鋼スラグと高炉水砕スラグとを併せたものが、スラグ材の全量となる。
一方において、遮水層1として要求される遮水性能を発揮させるためには、道路舗装以上の締め固めが必要となる。すなわち、道路舗装においては、透水性舗装のように積極的に雨水を基盤側に浸透させる舗装が存在するように、遮水性能はそれほど重要視されないこともあるが、斜面Sを安定化させるためには、所定以上の遮水性能を備えていることが要求される。
そこで、以下では、締固め度合と透水性との関係について説明するとともに、斜面Sの表層として設ける遮水層1に適した遮水構造について説明する。まず、図2-図6を参照しながら、遮水性能を確認するために行った散水実験について説明する。
この散水実験では、上記したスラグ材を使用した斜面S(のり面)の施工条件(含水比,乾燥密度)による遮水性能の違いを把握するために、のり面付近を模擬した傾斜地盤の地盤模型(図2参照)を作製して実施した。
この散水実験を実施するにあたり、含水比と密度(乾燥密度)を変えたスラグ材の供試体の透水試験を行い、含水比及び乾燥密度の大きさによる透水係数の変化を把握することにした。まず、図3に示すように、含水比7%-11%の範囲で締固め密度比が90%-99%の供試体の透水試験を行った。ここで、締固め密度比(Dc)とは、試料の乾燥密度と最大乾燥密度との比で、「締固め度」と言われることもある締固め度合を表す指標である。
一連の試験の結果、含水比が大きくなり最適含水比の11%に近くなるほど透水係数が小さくなること、また締固め密度比(乾燥密度)が大きくなるほど小さな透水係数が得られることがわかった。特に、最適含水比が11%に近くで締固め密度比が99%と大きい場合には、透水係数は1.0×10-8m/s以下の極めて小さな値になることを確認した。
また、最適含水比より大きな含水比の供試体に対して、含水比を変えたスラグ材の供試体の透水試験を行い、最適含水比より大きな範囲での含水比の大きさによる透水係数の変化を把握することにした。この供試体の作製密度は、締固め密度比を90%とし、含水比が11%、12%、13%となる3種類の供試体を用意した。
これらの3種類の供試体に対して透水試験をした結果、含水比が11%の供試体では1.11×10-5(m/s)、含水比が12%の供試体では1.76×10-5(m/s)、含水比が13%の供試体では2.24×10-5(m/s)という透水係数kの結果が得られた。要するに、いずれの含水比としても、ほぼ同程度の透水係数kとなり、最適含水比より大きな範囲では含水比が透水係数kに与える影響は小さいことがわかった。
図2は、本実施の形態の斜面の遮水構造の効果を確認するために行った散水実験で使用した地盤模型の概要を示している。この地盤模型は、120mmの層厚で斜面Sを模したのり面地盤(東北硅砂6号で作製)に、スラグ材を使用したのり面工を敷設した構造である。
遮水層1は、150mmの層厚とし、斜面長は約1700mmとした。実際の斜面Sに遮水層1として施工する場合の層厚は、100mm-200mm程度となるように形成するのが好ましい。また、斜面Sののり尻側(表流水の下流側)となる位置には、透水平板を設置し、その近辺はのり面地盤ではない開口として、表流水量を測定できるようにした。さらに、斜面Sを模したのり面地盤には、複数の排水経路を下面に直交する方向で設け、浸透量を測定できるようにした。
そして、地盤模型の構築後、1:2.0の斜面S(図1参照)を模擬するために、土槽ごと26度に傾けた。また、のり面地盤には、300mm間隔で土壌水分計と間隙水圧計とを設置した。ここで、土壌水分計にはのり尻側(表流水の下流側)から順にPWP01,PWP02,・・・という符号を付け、間隙水圧計にはのり尻側から順にM01,M02,・・・という符号を付けた。
散水実験は、降雨強度を変えて複数のパターンで行った。詳細には、降雨強度20mm/hrの場合と降雨強度90mm/hrの場合の散水実験を行った。また、遮水層1の模擬は、材料となるスラグ材の配合は同一とし、締固め度合を変えた複数のケース(Case1-Case3)で行った。
スラグ材の配合は、全量に対する製鋼スラグの含有量が80質量%(粒径25mm以下)、高炉水砕スラグの含有量が20質量%(粒径2mm)とした。また、初期含水比は、いずれのケースも11.0%とした。
そして、Case1は、乾燥密度が2.263(g/cm3)となるように締め固めたケースである。この締固め度合は、最大乾燥密度との比で表す締固め密度比(Dc)で99%となる。このCase1の室内透水試験によって測定された透水係数kは、9.04×10-9(m/s)となった。
また、Case2は、乾燥密度が2.057(g/cm3)となるように締め固めたケースである。この締固め度合は、最大乾燥密度との比で表す締固め密度比(Dc)で90%となる。このCase2の室内透水試験によって測定された透水係数kは、1.11×10-5(m/s)となった。
さらに、Case3は、乾燥密度が2.171(g/cm3)となるように締め固めたケースである。この締固め度合は、最大乾燥密度との比で表す締固め密度比(Dc)で95%となる。このCase3の室内透水試験によって測定された透水係数kは、3.19×10-6(m/s)となった。
散水実験では、傾斜させた地盤模型の上から、降雨強度20mm/hr又90mm/hrとなる散水を行い、透水平板位置から排出される表流水量、のり面地盤の下面側から排出される浸透量、土壌水分計及び間隙水圧計の検出値を測定した。
図4-図6に、降雨強度毎の実験結果を示した。ここで、比較のために、遮水層1を設けない場合(無対策)の実験結果も示した。まず図4は、降雨強度20mm/hrの場合(図4(a))と降雨強度90mm/hrの場合(図4(b))の浸透率の時刻歴を示している。
ここで、浸透率(%)とは、表流水量と浸透量の合計に対する浸透量の割合を示す値で、浸透率=浸透量/(表流水量+浸透量)の式によって算定される。これらの結果を見ると、いずれの降雨強度においても、Case1では浸透率がほとんど見られず、斜面Sの内部への浸透が起きないことが確認された。
その一方で、Case2は遮水効果がほとんど見られず、浸透率は無対策と同程度であった。これに対して、締固め密度比を95%としたCase3では、完全な遮水は実現できなかったが、かなりの降雨が浸透せずに表面水(表流水)として流下したと言える。
そこで、降雨強度を20mm/hrとして、各ケースの斜面Sの位置による違いについて検証することとした。ここで、降雨強度20mm/hrは、気象庁の「雨の強さと降り方」の分類によれば、予報用語で「強い雨」、人の受けるイメージで「どしゃ降り」の雨となる。
図5は、飽和度(%)の時刻歴を示したグラフであり、図5(a)は斜面Sの下流地点(図2のPWP01地点)における飽和度を示し、図5(b)は斜面Sの中央地点(図2のPWP03地点)における飽和度を示し、図5(c)は斜面Sの上流地点(図2のPWP06地点)における飽和度を示している。
これらの結果を見ると、下流地点(図5(a))では、無対策のケースで飽和度が低く、スラグ材による遮水層1を設けたのり面工を施工したケース(Case1-Case3)では、比較的飽和度が高くなっていることがわかる。
これは、無対策では、ほぼ均等に降雨が斜面Sの内部(盛土内)に浸透するのに対して、遮水層1を施工したケースでは、遮水層1の表面を流下する表流水が多くなり、下流地点(のり尻)付近でその一部が浸透するためと考えられる。要するに、のり尻における流入量が、無対策のケースよりも多くなると考えられる。
一方、中央地点(図5(b))では、無対策とCase2の飽和度は同様の時刻歴となり、Case1とCase3では、ほとんど飽和度の増加が見られずに、図4で示した浸透率の結果と同様に、時間の経過による増加が見られない結果となった。
そして、上流地点(図5(c))では、Case1,Case3,Case2,無対策の順に飽和度の増加が確認され、下流地点及び中央地点では無対策と同程度かそれ以上の浸透が確認されていたCase2についても、上流地点においては一定の遮水効果が見られることが確認された。
図6は、降雨強度を90mm/hrとして、各ケースの斜面Sの位置による違いについて、飽和度(%)の時刻歴によって検証した結果を示している。ここで、降雨強度90mm/hrは、気象庁の「雨の強さと降り方」の分類によれば、予報用語で「猛烈な雨」、人の受けるイメージで「息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる。」という雨になる。
そして、飽和度の時刻歴を示した図6のグラフにおいて、図6(a)は斜面Sの下流地点(図2のPWP01地点)における飽和度を示し、図6(b)は斜面Sの中央地点(図2のPWP03地点)における飽和度を示している。
これらの結果を見ると、下流地点(図6(a))では、降雨強度20mm/hrの場合と同様の結果になったが、中央地点(図6(b))では、Case2においても飽和度の増加が抑制されていることが確認された。
「猛烈な雨」に分類される降雨強度90mm/hrの場合のように、流入量が非常に大きくなる場合には、一定量が表流水として排水されて、斜面S内部の飽和度の増加が抑制されたものと考えられる。
ところでスラグ材は、アルカリ性を示すため、参考までに各ケースのpHも測定した。いずれのケースにおいても、表流水のpHは平均値で7.8-8.5程度となり、浸透水のpHは8.2-11.7程度となった。但し、スラグ材の炭酸化が表面から進むことにより、これらのpHは時間の経過とともに徐々に低下していくことになる。
次に、本実施の形態の斜面の遮水構造及びその構築方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の斜面の遮水構造は、製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材を斜面Sに敷き均して、締固め密度比が90%以上となるように締め固めることによって構築される。
要するに、製鋼工程で発生する製鋼スラグと高炉水砕スラグとを使用するだけなので、比較的安価な材料費にすることができる。また、締固め密度比が90%以上となるように締め固めることによって、少なくとも斜面Sののり肩付近(表流水の上流側)の飽和度が増加することのない高い遮水性能を確保することができる。
また、降雨強度が大きい場合には、斜面Sののり肩付近だけでなく、中央付近においても飽和度が増加するのを抑えることができる。さらに、締固め密度比を95%以上とすることで、雨水の斜面Sへの浸透率を大幅に低減させることができる。
このような遮水層1は、製鋼スラグの粒径が40mm以下であって、全量に対する高炉水砕スラグの含有量を5質量%以上25質量%以下にしたスラグ材を、転圧によって締め固めることで構築することができる。
また、スラグ材によって形成される遮水層1の厚さは、100mm-200mm程度にすることで、材料費を抑えたうえで、所望する遮水性能が得られるようになる。要するに、遮水層1の透水係数kが3.0×10-6m/s以下となるように締め固めることで、盛土や地山などの斜面Sの内部に雨水が浸透して崩壊を誘発することを防ぐことができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、1:2.0の勾配の斜面Sを例に説明したが、これに限定されるものではなく、任意の勾配の斜面を有する盛土や切土に対しても本発明を適用することができる。
S 斜面
1 遮水層(斜面の遮水構造)

Claims (10)

  1. 斜面の表層として設けられる斜面の遮水構造であって、
    製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材を、締固め密度比が90%以上となるように締め固めたことを特徴とする斜面の遮水構造。
  2. 前記スラグ材の締固め密度比が95%以上となるように締め固めたことを特徴とする請求項1に記載の斜面の遮水構造。
  3. 前記製鋼スラグは粒径が40mm以下であって、前記高炉水砕スラグは前記スラグ材の全量に対する含有量が5質量%以上25質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の斜面の遮水構造。
  4. 前記スラグ材によって形成される前記表層の厚さが100mm-200mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の斜面の遮水構造。
  5. 前記スラグ材によって形成される前記表層の透水係数が3.0×10-6m/s以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の斜面の遮水構造。
  6. 斜面の表層として設けられる斜面の遮水構造の構築方法であって、
    製鋼スラグと高炉水砕スラグとを混合したスラグ材を前記斜面に敷き均して、締固め密度比が90%以上となるように締め固めることを特徴とする斜面の遮水構造の構築方法。
  7. 前記スラグ材の締固め密度比が95%以上となるように締め固めることを特徴とする請求項6に記載の斜面の遮水構造の構築方法。
  8. 前記製鋼スラグは粒径が40mm以下であって、前記高炉水砕スラグは前記スラグ材の全量に対する含有量が5質量%以上25質量%以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の斜面の遮水構造の構築方法。
  9. 前記スラグ材によって形成される前記表層の厚さが100mm-200mmとなることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の斜面の遮水構造の構築方法。
  10. 前記スラグ材によって形成される前記表層の透水係数が3.0×10-6m/s以下となることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の斜面の遮水構造の構築方法。
JP2019123027A 2019-07-01 2019-07-01 斜面の遮水構造及びその構築方法 Active JP7096789B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019123027A JP7096789B2 (ja) 2019-07-01 2019-07-01 斜面の遮水構造及びその構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019123027A JP7096789B2 (ja) 2019-07-01 2019-07-01 斜面の遮水構造及びその構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021008748A JP2021008748A (ja) 2021-01-28
JP7096789B2 true JP7096789B2 (ja) 2022-07-06

Family

ID=74199486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019123027A Active JP7096789B2 (ja) 2019-07-01 2019-07-01 斜面の遮水構造及びその構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7096789B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003146724A (ja) 2001-11-14 2003-05-21 Hoshino Sansho:Kk 吹付けコンクリート層
JP2003306677A (ja) 2002-02-12 2003-10-31 Katsunobu Demura 土壌安定用混和材料およびそれを用いた土壌安定化工法
JP2004060261A (ja) 2002-07-29 2004-02-26 Ohbayashi Corp 法面遮水工の施工方法および施工装置、ならびに機器搬送装置
JP2005201037A (ja) 2003-12-15 2005-07-28 Tajima Gijutsu:Kk 土木用表面被覆材及びその製造方法
JP2016000919A (ja) 2014-06-11 2016-01-07 新日鐵住金株式会社 簡易舗装体
JP2016112540A (ja) 2014-12-18 2016-06-23 五洋建設株式会社 遮水材
JP2017061815A (ja) 2015-09-25 2017-03-30 新日鐵住金株式会社 簡易舗装体の製造方法
JP2017137624A (ja) 2016-02-01 2017-08-10 新日鐵住金株式会社 スラグ系土木材料の褐色化方法および簡易舗装路の施工方法
JP2018127794A (ja) 2017-02-07 2018-08-16 株式会社大林組 製鋼スラグを用いた地盤改良工法および製鋼スラグを用いた地盤構築工法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5575027A (en) * 1978-11-30 1980-06-06 Sumitomo Metal Ind Ltd Protection method of acid soil slope

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003146724A (ja) 2001-11-14 2003-05-21 Hoshino Sansho:Kk 吹付けコンクリート層
JP2003306677A (ja) 2002-02-12 2003-10-31 Katsunobu Demura 土壌安定用混和材料およびそれを用いた土壌安定化工法
JP2004060261A (ja) 2002-07-29 2004-02-26 Ohbayashi Corp 法面遮水工の施工方法および施工装置、ならびに機器搬送装置
JP2005201037A (ja) 2003-12-15 2005-07-28 Tajima Gijutsu:Kk 土木用表面被覆材及びその製造方法
JP2016000919A (ja) 2014-06-11 2016-01-07 新日鐵住金株式会社 簡易舗装体
JP2016112540A (ja) 2014-12-18 2016-06-23 五洋建設株式会社 遮水材
JP2017061815A (ja) 2015-09-25 2017-03-30 新日鐵住金株式会社 簡易舗装体の製造方法
JP2017137624A (ja) 2016-02-01 2017-08-10 新日鐵住金株式会社 スラグ系土木材料の褐色化方法および簡易舗装路の施工方法
JP2018127794A (ja) 2017-02-07 2018-08-16 株式会社大林組 製鋼スラグを用いた地盤改良工法および製鋼スラグを用いた地盤構築工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021008748A (ja) 2021-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Negi et al. Soil stabilization using lime
KR101673838B1 (ko) 복합 투수 기능을 구비한 하이브리드형 보차도용 바닥포장 구조물 및 그 제조 방법
CN107059573A (zh) 一种利用土体固化作为道路水稳层的施工方法
JP2007284974A (ja) 土質ブロック
KR100621963B1 (ko) 수재 슬래그를 이용한 흙포장재용 조성물 및 그를 이용한바닥 포장방법
JP6477390B2 (ja) 簡易舗装体の製造方法
JP7096789B2 (ja) 斜面の遮水構造及びその構築方法
JP2002013102A (ja) 土壌改良方法
CN100406538C (zh) 土木工程材料及其施工方法
JP2001262141A (ja) 土壌固化剤、地盤改良剤等の土質改良剤及びその改良剤を使用した土壌固化法、地盤改良法等の土質改良法並びにその改良地盤
CN103693877B (zh) 一种混凝土表面的防渗方法及其中使用的包括活性硅外加剂的防渗混凝土
KR101279752B1 (ko) 친환경 현장토양 흙 콘크리트 조성물 및 이의 제조방법
KR101185626B1 (ko) 고화재를 이용한 친환경 방재댐 산간 저류지 축조공법
JP2022010747A (ja) ブロック、表層の遮水構造及び斜面の遮水構造の構築方法
JP4387995B2 (ja) 瓦舗装材
JPS60229984A (ja) 土質改良工法
JP3862706B2 (ja) 法面施工法
KR100789877B1 (ko) 순환자원형 무기계바인더를 이용한 마사토 경도로 포장재의제조 방법 및 이를 이용한 포장체 제조 방법
JP4130596B2 (ja) 路面温度上昇抑制舗装体
CN110776280A (zh) 一种路基材料及其制备方法
KR100424453B1 (ko) 석분을 이용한 투수성 시멘트콘크리트 도로포장방법
JP6455691B2 (ja) 石炭灰を用いた法面保全工法
JP4572437B2 (ja) 遮水性舗装材料及び舗装方法
KR100360452B1 (ko) 임팩팅 골재를 이용한 투수성 콘크리트
KR100981266B1 (ko) 흙 포장용 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7096789

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150