(第1実施形態)
以下、本発明の視標表示装置及びこの視標表示装置を備える眼科装置の一例としての自覚式の検眼装置(以下、単に「検眼装置」という。)の第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第1実施形態に係る検眼装置は、被検者が左右の両眼を開放した状態で、斜位検査、融像検査、立体視機能検査等の両眼視機能検眼を実行可能な検眼装置である。なお、本実施形態の検眼装置では、両眼同時に検査するだけでなく、片眼ずつ検査することも可能となっている。
[検眼装置100の構成]
第1実施形態に係る検眼装置100の構成を、図1~図5Bを参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る検眼装置100の外観構成を表す模式図である。図2は、第1実施形態に係る検眼装置100の構成を表すブロック図である。図3は、検眼装置本体1の光学部材10とその駆動機構13、及び視標表示装置2の概略を表す図である。
図4、図5A、図5Bは、検眼装置100を用いた両眼視機能検眼の際の光路と眼位の状態を説明するための説明図である。図4~図5Bでは、検眼装置100を上から観た平面図(上面図)で表しているが、説明を容易にするため、視標表示装置2のディスプレイ20のみは、正面図で表している。また、図4、図5A、図5Bは、説明を容易とするために模式的に表現した図であり、実際のスケールとは異なっている。
本実施の形態の検眼装置100は、図1に示すように、検眼装置本体1と、視標表示装置2と、コントローラ3と、を主に備えて構成される。検眼装置本体1は、例えば、検眼テーブル4に備えられる。
なお、本明細書を通じて図1に記すようにX軸、Y軸及びZ軸を取り、被検者Sから見て、左右方向をX方向とし、上下方向(鉛直方向)をY方向とし、X方向及びY方向と直交する方向(検眼装置本体1から見て視標表示装置2の方向、奥行き方向)をZ方向とする。
検眼テーブル4は、検眼装置本体1の支持やコントローラ3の載置のための机である。例えば、検眼テーブル4には、支柱5が立った状態で設けられる。支柱5は、その長手方向に伸縮可能に構成される。支柱5は、横方向に延びる支持アーム6を支持する。支持アーム6には、支柱5と反対側の端部(先端部)に支持部材7が取り付けられている。この支持部材7に、検眼装置本体1が吊り下げられることで、支持アーム6が検眼装置本体1を支持する。また支持アーム6の先端部には、操作アーム8が、この先端部から突出するように設けられている。操作アーム8は、検者Tによる操作を受け、支持アーム6及び検眼装置本体1と共に、支柱5の軸回り方向(矢印a,b方向)に回動可能である。また、検眼テーブル4の近傍には、被検者S用の椅子9aが備えられているが、検者T用の椅子9bを備えていてもよい。
〔検眼装置本体1〕
検眼装置本体1は、左右の被検眼E(左眼EL,右眼ER)に対応するように、左右に一対設けられた左眼用及び右眼用の検眼光学系としての検眼ユニット10L,10Rを備えている。各検眼ユニット10L,10Rは、左右方向(X方向)にスライド可能に支持部材7に取り付けられ、相対接近及び離反が可能となっている。以下、「左眼用及び右眼用」を、単に「左右眼用」、又は「左右の」と省略することがある。
左右眼用の検眼ユニット10L,10Rには各々左右眼用の検眼窓11L,11Rが設けられている。各検眼ユニット10L,10R内には、左右眼用の検眼窓11L,11Rに選択的に配置して検眼に用いる左右眼用の複数の光学部材12L,12Rが配置されている。また、各検眼ユニット10L,10R内には、各検眼窓11L,11Rに配置されて各検眼窓11L,11Rをそれぞれ開閉(遮蔽・開放)する左右眼用の遮光部材が設けられている。左右眼用の光学部材12L,12R及び遮光部材は、左右眼用の駆動機構13L,13Rによって個別に動作可能に構成されている。
左右眼用の複数の光学部材12L,12Rは、被検眼Eの視機能を矯正するために用いられる各種レンズ及び偏光部材からなる集合体である。各光学部材12L,12Rは、例えば、偏光フィルタ、球面レンズ、円柱レンズ、プリズムを含んでいる。複数の光学部材12L,12Rは、検眼パラメータの種別ごとに組分けされる。本実施形態では、左右眼用の光学部材12L,12Rの各偏光部材は、光学部材(偏光部材)としての左右眼用の被検眼側偏光フィルム(フィルタ)FL,FRを含み、各プリズムは、光偏向部材としての左右眼用のプリズムPL,PRを含んでいる(図4参照)。左右眼用の偏光フィルム(以下、「被検眼側偏光フィルム」という。)FL,FRは、直線偏光フィルムから構成され、互いの偏光軸(偏波面)が直交するように設けられている。
検眼パラメータは、被検眼Eの視機能を検査するための検査条件を示すものである。例えば、検眼パラメータの種別は、球面度数、乱視度数、乱視軸角度、加入度数、瞳孔間距離、プリズム度数及びプリズム基底方向のうち少なくとも1つを含む。検眼パラメータの種別ごとの組分けとして、球面度数の組は、複数の球面レンズを含み、それぞれ異なる球面度数の球面レンズにより構成される。乱視度数の組は、複数の円柱レンズを含み、それぞれ異なる乱視度数の円柱レンズにより構成される。なお、乱視度数の組は、さらに乱視軸角度に応じて個々のレンズを回転可能に構成されている。プリズム度数の組は、複数のプリズムを含み、それぞれ異なるプリズム度数のプリズムにより構成される。なお、プリズム度数の組は、さらに個々のプリズムが回転可能に構成されてもよい。瞳孔間距離は、被検眼E(左眼EL,右眼ER)の瞳孔間距離PDに合わせて設定される検査条件である。瞳孔間距離は、検眼ユニット10L,10Rの一方又は双方が、水平方向(X方向)にスライドすることにより設定される。なお、本実施形態では、プリズム屈折力の異なる複数のプリズムを配置する構成としているが、これに限定されるものではなく、2枚のプリズム組からなる可変プリズム(ロータリープリズム)を用いる構成としてもよい。
左右眼用の駆動機構13L,13Rは、左右眼用の複数の光学部材12L,12Rのそれぞれを左右の検眼窓11L,11Rに配置させ、かつ、検眼窓11L,11Rから退避させることが可能に構成されている。例えば、各駆動機構13L,13Rは、左右眼用の複数の円板形状のターレット板14L,14Rを有している。各ターレット板14L,14Rは、各駆動機構13L,13Rによって、円の中心を軸として円周回りに回転可能に構成される。各ターレット板14L,14Rは、外周縁の近傍に複数の孔hを有する。孔hには、光学部材12L,12Rがそれぞれ嵌め込まれている。駆動機構13L,13Rは、ターレット板14L,14Rを回転させることにより、複数の光学部材12L,12Rのそれぞれを検眼窓11L,11Rに配置させ、かつ、検眼窓11L,11Rから退避させる。駆動機構13L,13Rは、例えば、アクチュエータと、複数の歯車組やラック・アンド・ピニオン等の駆動力伝達機構と、等から構成される。
〔視標表示装置2〕
視標表示装置2は、図3に示すように、検眼装置本体1を介して被検眼Eの前方の所定距離Dの位置に配置される。視標表示装置2は、視標表示部としてのディスプレイ20を備え、その表示面(表示領域)20aに視標を表示することによって、被検眼Eに視標を呈示する。視標表示装置2は、コントローラ3からの制御信号を受けることによって、視力検査視標、赤緑検査視標、乱視検査視標、両眼視機能検眼視標等の視標をディスプレイ20の表示面20aに表示する。
ディスプレイ20は、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機EL)等の電子表示デバイスによって構成される。表示面20aは、ピクセル(画素)がアレイ状に配列されている。表示する視標に応じて、表示面20aの所定の領域に視標を表示することができる。
また、本実施形態では、両眼視機能検眼視標を表示するべく、図1、図4に示すように、表示面20aを中央から左右に2分割して、左眼用の表示領域21Lと右眼用の表示領域21Rを設けられるようになっている。
なお、左眼用の表示領域21Lと右眼用の表示領域21Rが、本実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、表示面20aの一部(例えば、上部側)に、左右に並べて左眼用の表示領域21Lと右眼用の表示領域21Rを設けてもよく、表示面20aが大きい場合や、縦長の場合などに好適である。また、プリズムやミラー等の光学部材によって光路を調整すれば、表示面20aに、左眼用の表示領域21Lと右眼用の表示領域21Rを上下方向(Y方向)に並べて設けることもできる。
この左眼用の表示領域21Lと右眼用の表示領域21Rに対応して、被検者S側(手前側)に、それぞれ左眼用の偏光フィルム(以下、「視標側偏光フィルム」という)fLと右眼用の偏光フィルムfRが配置されている。ここで、「偏光フィルム」とは位相を変更するλ/2板などの位相板も含んでいる。この視標側偏光フィルムfL,fRは、左眼用の表示領域21Lと右眼用の表示領域21Rに固定的に設けてもよいが、本実施形態では各表示領域21L,21Rに対して着脱自在に設けている。このように着脱自在とすることで、偏光の必要がない検査の際に、視標側偏光フィルムfL,fRを光路中から退避させることができ、より明るい視標を提示可能であるなど、検査の自由度を高めることができる。
左眼用の視標側偏光フィルムfL透過後は、所定の偏光軸(「第1の偏光軸」という。)に偏光した光のみとなる。右眼用の視標側偏光フィルムfR透過後は、第1の偏光軸に直交する偏光軸(「第2の偏光軸」という。)に偏光した光のみとなる。
第1の偏光軸は、左眼用の被検眼側偏光フィルムFLの偏光軸に平行である。第2の偏光軸は、右眼用の被検眼側偏光フィルムFRの偏光軸に平行である。これにより、検査が行われているとき、左眼用の視標側偏光フィルムfLが設けられた左眼用の表示領域21Lからの光は、左眼用の被検眼側偏光フィルムFLを透過し、プリズムPLによって偏向されて左眼ELに到達する。同様に、右眼用の視標側偏光フィルムfRが設けられた右眼用の表示領域21Rからの光は、右眼用の被検眼側偏光フィルムFRを透過し、プリズムPRによって偏向されて右眼ERに到達する。
ここで、左右眼用の表示領域21L,21R、視標側偏光フィルムfL,fL、被検眼側偏光フィルムFL,FR及びプリズムPL,PRとの関係について、図4、図5A、図5Bを参照しながら説明する。
図5Aには、左右眼用の各偏光フィルムFL,FR,fL,fLとプリズムPL,PRが光路中に配置されていない状態で、表示面20aの表示された1つの視標Oを注視したときの眼位の状態が示されている。この図5Aに示すように、両眼視で5m先の視標Oを注視する場合、例えば、左眼EL及び右眼ERの瞳孔間距離PDが、平均的な64mmの被検者Sであれば、左眼EL及び右眼ERは、Z軸に対してそれぞれθ=0.37°内側に回旋(内方視)する。これは0.64Δ(プリズムディオプタ)に相当する。こちらが、本来の自然視状態の眼位での自然な(違和感のない)両眼視の状態である。
これに対して、図5Bに示すように、左眼用及び右眼用の異なる表示領域21L,21Rに、視標OL及び視標ORを各々呈示する場合、視標OL及び視標ORの中心は5m先で、表示面20aの幅方向の中心からL1=150mm離れて呈示される。つまり、視標OL及び視標ORの中心は、L2=300mm離れて呈示される。したがって、PD=64mmの被検者Sの左眼EL及び右眼ERが、対応する左眼用及び右眼用の視標OL,ORの中心を注視した場合、逆にZ軸に対してθ’=1.35°外側に回旋する。これは2.36Δとなり、図5Aの本来の回旋(内方視)に比べて、3Δ(0.64Δ+2.36Δ)外側に回旋することになるため、被検者Sが違和感を覚える。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、左右眼用の検眼ユニット10L,10Rに備えられた光学部材12L,12RのプリズムPL,PRを、左眼EL及び右眼ERの前方に配置している。この構成により、左眼EL及び右眼ERが、自然視に近い眼位となるように、プリズムPL,PRを透過した後の光線(図4に示す光線B)が偏向される。
図4の例では、3ΔBO(プリズムベースアウト)のプリズムPL,PRを配置している。しかし、プリズムPL,PRによる偏光量(プリズム度数)が図4の例に限定されるものではなく、被検眼Eと視標表示装置2との距離、左右眼用の視標OL,ORの中心間隔、被検者Sの瞳孔間距離PDなどの条件に応じて適宜変更することができる。本実施形態では、左右の検眼ユニット10L,10Rに備えられた光学部材12L,12Rの中のプリズムを利用する構成であるため、条件に対応した適切な偏光量のプリズムPL,PRを選択して配置することができる。
なお、左右眼用の視標OL,ORとして、図4では十字型の視標を表示しているが、これに限定されるものではない。例えば、ランドルト環、スネレン視標、Eチャート等であってもよいし、ひらがなやカタカナ等の文字、動物や指等の絵等を用いた視標であってもよいし、両眼検査用の特定の図形や風景画や風景写真等であってもよく、様々な視標を用いることができる。また、視標OL,ORが静止画であってもよいし動画であってもよい。視標表示部として、LCD等のディスプレイ20を用いているため、所望の形状及び形態の視標を表示することができ、多様な両眼視機能検眼が可能となる。
〔コントローラ3〕
コントローラ3は、検者Tが検眼装置100を操作するために用いられる。コントローラ3は、検者Tによる操作を受け付け、この操作に応じた制御信号を検眼装置本体1又は視標表示装置2又はこれら双方へ出力する。コントローラ3と検眼装置本体1とは、一般的な通信インターフェイス(I/F)によって、通信可能に接続される。コントローラ3は、この通信I/Fを介して、制御信号を検眼装置本体1へ出力する。また、コントローラ3と視標表示装置2とは、一般的な通信I/Fによって、通信可能に接続される。コントローラ3は、この通信I/Fを介して、制御信号を視標表示装置2へ出力する。
コントローラ3は、図2に示すように、検眼装置100全体の動作を制御する制御部30と、検者Tからの操作指示を受け付ける受付部31と、検眼パラメータ、検査情報又は検査結果等を表示する表示部32と、などを有して構成される。
受付部31として、例えば、キーボードやマウスを備えている。また、表示部32は、LCDや有機EL等により構成することができる。表示部32がタッチパネル式であれば、表示部32の表示面が受付部31としても機能する。受付部31は、表示面20aに表示する各種視標の選択指示、プリズム度数、球面度数(S)、円柱度数(C)、軸角度(A)、瞳孔間距離(PD)、加入度(ADD)等を設定するための指示、被検眼Eを左眼EL、右眼ER又は両眼に設定するため指示等を受け付ける。
本実施形態では、コントローラ3を、受付部31や表示部32を備えたノート型パーソナルコンピュータで構成しているが、これに限定されるものではなく、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末(情報処理装置)で構成することもできる。なお、コントローラ3が、これらに限定されるものではなく、検眼専用のコントローラであってもよい。
制御部30は、マイクロプロセッサと、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等の記憶部30aと、を有して構成される。制御部30は、記憶部30aに、検眼装置100の各部の制御を行うためのコンピュータプログラムを予め記憶する。制御部30は、このコンピュータプログラムを、例えばRAM上に展開して実行することにより、検眼装置100の動作を統括的に制御する。また、記憶部30aには、コンピュータプログラムのほかに、検眼のための各種検眼パラメータ、検眼結果などが記憶される。
制御部30は、受付部31で受け付けた操作指示に応じて、検眼パラメータや検査情報を表示部32に表示させる。また、タッチパネル式の表示部32の場合は、操作キーなどを表示部32に表示させる。また、制御部30は、操作指示に応じて、駆動機構13L,13Rを駆動してターレット板14L,14Rを回転させ、検眼窓11L,11Rに配置される屈折レンズの度数やプリズムの度数を変更する。また、駆動機構13L,13Rを駆動して遮蔽部材を作動させ、検眼窓11L,11Rを開閉する。
また、制御部30は、受付部31で受け付けた呈示対象視標の選択指示によって選択された視標を、表示面20aに表示するように視標表示装置2を制御する。この選択指示により、両眼視機能検眼視標の表示が選択された場合、制御部30は、表示面20aの左眼用の表示領域21L及び右眼用の表示領域21Rに、左眼用の視標OL及び右眼用の視標ORをそれぞれ表示し、かつ、各表示領域21L,21Rに、視標側偏光フィルムfL,fRを配置するように視標表示装置2を制御する。このとき、駆動機構13L,13Rを駆動して対応するターレット板14L,14Rを回転させ、被検眼E(左眼EL,右眼ER)の前方であって検眼窓11L,11Rに、予め決められているか又は瞳孔間距離PD等の条件に応じて選択されたプリズムPL,PRを配置する。
上述のような構成の第1実施形態の検眼装置100を用いて、両眼視機能検眼を実行するとき動作の一例を、図6のフローチャートに従って説明する。
まず、準備作業として検眼装置100(検眼装置本体1、視標表示装置2及びコントローラ3)を電源オンして起動させる。次いで、被検者を椅子9aに座らせて、検眼装置本体1と対峙させ、左眼EL及び右眼ERの前方に左眼用の検眼ユニット10L及び右眼用の検眼ユニット10Rを配置する。このとき、検者Tがコントローラ3を操作して駆動機構13L,13Rを駆動するか又は手動で、被検眼Eの瞳孔間距離PDに応じて、検眼ユニット10L,10Rを左右方向にスライドさせ、左眼EL及び右眼ERに臨んで検眼窓11L,11Rが配置されるように調整する。
そして、検者Tがコントローラ3を操作して、両眼視機能検眼視標の呈示を指示すると、この指示に従って、制御部30が視標表示装置2を制御する。視標表示装置2は、図4に示すように、ディスプレイ20の表示面20aの左眼用及び左眼用の表示領域21L,21Rに、左眼用及び右眼用の視標OL,ORをそれぞれ表示する(ステップS1)。次いで、左眼用及び左眼用の表示領域21L,21Rの前方に、左眼用及び左眼用の視標側偏光フィルムfL,fRを配置する(ステップS2)。
次に、制御部30は、検眼ユニット10L,10Rの駆動機構13L,13Rを駆動し、対応するターレット板14L,14Rを回転させる。これにより、左眼用及び左眼用の検眼窓11L,11Rに、左眼用及び左眼用の被検眼側偏光フィルムFL,FRを配置し(ステップS3)、左眼用及び左眼用のプリズムPL,PRを配置する(ステップS4)。
このとき、例えば3ΔBOのプリズムPL,PRを配置してもよい。また、検眼ユニット10L,10Rのスライド移動によって制御部30が取得した瞳孔間距離PD、斜位の有無、その他の被検眼Eの状態に基づいて、偏向角及び偏向量を算出し、算出した偏向角及び偏向量に対応するプリズムPL,PRを光学部材12L,12Rの中から選択して配置することがより望ましく、被検眼Eの状態に対応したより高精度な検査が可能となる。なお、プリズムPL,PRの偏向角及び偏向量は、計算による取得に限定されるものではなく、瞳孔間距離PD等の被検眼Eの状態とプリズムPL,PRの偏向角及び偏向量とを対応付けたテーブルを予め記憶部30aに記憶しておき、このテーブルから、被検眼Eの状態に応じて偏向角及び偏向量を取得してもよい。
以上により、両眼視機能検眼のための検眼装置100の設定が完了する。なお、上記ステップS1~S4の工程は、この順に実行してもよいが、順不同で実行してもよいし、実質同時に実行してもよい。
そして、被検者Sは、左右の検眼窓11L,11R及び被検眼側偏光フィルムFL,FRを通して、視標表示装置2から呈示されて視標側偏光フィルムfL,fRによって左眼用及び右眼用の互いに偏光軸が異なる光に偏光された視標OL,ORの像を注視することができる。このとき、左右眼の前方に配置したプリズムPL,PRによって視標OL,ORの像の光が偏向されていることから、被検者Sは自然視状態と同様の眼位で、違和感のない両眼視機能検眼が可能となる。さらに、この自然視状態で、視標の見え方などに応じて、ターレット板14L,14Rを回転させて、プリズムPL,PRに重ね合わせて、別のプリズムを検眼窓11L,11Rに配置していくことにより、斜位等の矯正を行うことができる。
プリズムPL,PRと矯正用のプリズムは共通のものを使用してもよい。この場合、プリズムPL,PRのプリズム度数、ベース角度と処方される矯正用プリズムのプリズム度数、ベース角度が合成されたプリズムが被検眼Eの眼前に配置される。プリズム度数、軸角度の合成はコントローラ3内で計算され、検者TはプリズムPL,PRの度数、ベース角度を意識せずに検眼をすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る視標表示装置2を備えた検眼装置100について説明する。第2実施形態に係る視標表示装置2及び検眼装置100は、左眼EL及び右眼ERに対応して配置される左眼用及び右眼用の一対の光学部材として、被検眼側偏光フィルムFL,FRに代えて、異なる波長の光を透過する左右眼用の一対のフィルタ(カラーフィルタ)を有し、視標側偏光フィルムfL,fRを有していないこと以外は、図1~4に示す第1実施形態に係る視標表示装置2及び検眼装置100と同様の基本構成を備えている。そのため、第1実施形態と同様の部材については、詳細な説明は省略する。
異なる波長の光を透過するフィルタとして、例えば、一対のフィルタの一方(例えば、左眼用のフィルタ)を、緑色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタで構成し、他方(例えば、右眼用のフィルタ)を、赤色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタで構成する。
このような構成の第2実施形態の検眼装置100で両眼視機能検眼を行う際には、図6に示す第1実施例のステップS1、S3、S4と略同様の動作を実行する。つまり、ディスプレイ20の左右の各表示領域21L,21Rに、緑色の視標OLと赤色の視標ORを表示し(ステップS1)、検眼窓11L,11Rへ左右眼用のフィルタを配置し(ステップS3)、同様にプリズムPL,PRを配置する(ステップS4)。これにより、緑色の視標OLからの光は、左眼用のフィルタのみを透過した後、プリズムPLによって偏向されて左眼ELに導かれる。赤色の視標ORからの光は、右眼用のフィルタのみを透過した後、プリズムPRによって偏向されて右眼ERに導かれる。したがって、第2実施形態においても、被検者Sは自然視状態と同様の眼位で、違和感のない両眼視機能検眼が可能となる。また、視標側偏光フィルムfL,fRが不要で、より簡易な構成の視標表示装置2及び検眼装置100を提供することができる。
なお、上記では、左眼用及び右眼用の視標OL,ORの波長及びフィルタが透過させる波長を、それぞれ緑色、赤色としているが、これに限定されるものではない。左眼用の波長を赤色とし、右眼用の波長を緑色としてもよい。また、左眼用と右眼用とで波長が異なれば、緑色及び赤色以外の波長としてもよい。
また、第1、第2実施形態の変形例として、第1実施形態のように偏光フィルムFL,FR,fL,fRを用いて偏光特性で視標OL,ORからの光を分離する構成と、第2実施形態のようにカラーフィルタを用いて波長によって視標OL,ORからの光を分離する構成とを組み合わせた視標表示装置2及び検眼装置100としてもよい。両眼視機能検眼の種別や被検眼Eの状態等に応じて、偏光を利用した検眼を行ってもよいし、色(波長)の違いを利用した検眼を行ってもよく、視標表示装置2及び検眼装置100の機能性を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る視標表示装置2Aを備えた検眼装置100Aを、図7(a)を参照しながら説明する。上記第1実施形態では、被検眼Eの5m先に視標表示装置2を設置した構成であるが、第3実施形態の検眼装置100Aは、凹面鏡やミラー等の光学部材を利用して光学的に近距離に設置した視標の像を提示することで、検眼距離を確保できる、省スペース型の検眼装置である。
図7(a)に示すように、第3実施形態の検眼装置100Aは、視標表示装置2Aと、被検眼Eの前方に着脱自在に配置される被検眼側偏光フィルムFと、プリズムPと、を備え、さらに検眼装置100Aを制御する制御部等も備えて構成されている。
視標表示装置2Aは、凹面鏡22、ハーフミラー23及びディスプレイ20Aを主に有する光学部材が、筺体内に収容されて構成されている。ディスプレイ20Aは、第1実施形態と同様に、左眼用及び右眼用の視標をそれぞれ表示する左眼用及び右眼用の表示領域が設けられている。各表示領域には、左眼用及び右眼用の視標側偏光フィルムfが着脱自在に設けられている。
図7(a)には、右眼用の被検眼側偏光フィルムFRと、プリズムPRと、表示領域21Rと、視標側偏光フィルムfRとが図示されているが、第3実施形態でも、左眼用のこれらが設けられている。後述する第4実施形態でも同様である。第3、第4実施形態でも、被検眼側偏光フィルムF、プリズムP及び視標側偏光フィルムfとして、第1実施形態と同様の光学特性を有するものを用いることができる。また、第3、第4実施形態でも、第1実施形態と同様の検眼装置本体1を備え、この検眼装置本体1の偏光フィルムとプリズムのいずれかを被検眼側偏光フィルムFとプリズムPとして兼用してもよい。または、検眼装置本体1を備えなくても、検眼時に一派的に使用されるメガネ型の検眼試験枠に、検眼用の偏光フィルムとプリズムを装着して使用してもよい。
第2実施形態の検眼装置100Aでは、ディスプレイ20Aに表示される視標からの光は、ハーフミラー23を透過して凹面鏡22に導かれ、この凹面鏡22で反射された後、ハーフミラー23によって反射されて、被検眼Eに導かれる。ハーフミラー23によって反射された光は、被検眼Eの前方の、例えば5mの位置に検眼用の視標像として虚像を形成する。これにより、5m先に設置した視標を用いたときと同様の検査が可能となる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る視標表示装置2Bを備えた検眼装置100Bを、図7(b)を参照しながら説明する。第4実施形態の検眼装置100Bも、第3実施形態と同様に、レンズ等の光学部材を利用して光学的に検眼距離を確保できる、省スペース型の検眼装置である。
図7(b)に示すように、第4実施形態の検眼装置100Bは、視標表示装置2Bと、被検眼Eの前方に着脱自在に配置される被検眼側偏光フィルムFと、プリズムPと、を備え、さらに検眼装置100Bを制御する制御部等も備えて構成されている。
視標表示装置2Bは、ミラー24、凸レンズ系25及びディスプレイ20Bを主に有する光学部材が、筺体内に収容されて構成されている。ディスプレイ20Bは、第1実施形態と同様に、左眼用及び右眼用の視標をそれぞれ表示する左眼用及び右眼用の表示領域21が設けられている。各表示領域21には、左眼用及び右眼用の視標側偏光フィルムfが着脱自在に設けられている。
第3施形態の検眼装置100Bでは、ディスプレイ20Bに表示される視標からの光は、凸レンズ系25に導かれる。凸レンズ系25は、被検眼Eの、例えば5m先の位置に検眼用の視標像として虚像を形成する。凸レンズ系25を通過した光は、ミラー24によって反射されて被検眼Eに導かれる。
以上のような構成の第3、第4実施形態の視標表示装置2A,2B及び検眼装置100A,100Bでは、第1実施形態と同様に、両眼視機能検+眼を行うときに、左右眼用の表示領域21に左右眼用の視標をそれぞれ表示し、各表示領域に、左右眼用の視標側偏光フィルムfを配置する。また、被検眼Eの前方に、左右眼用の被検眼側偏光フィルムFとプリズムPとを配置する。これにより、被検者Sが自然視状態と同様の眼位での両眼視機能検眼が可能となる。また、簡易な構成であるだけでなく、コンパクトで省スペース型の視標表示装置2A,2B及び検眼装置100A,100Bを提供することができる。
なお、第3、第4実施形態でも、第2実施形態と同様に、各表示領域21L,21Rに波長の異なる視標OL,ORを表示し、左眼EL及び右眼ERに対応させて配置する光学部材として、各視標OL,ORからの波長の光のみを透過させるフィルタを用いる構成としてもよい。また、偏光特性で視標からの光を分離する構成と、波長によって視標Oからの光を分離する構成とを組み合わせた視標表示装置2A,2B及び検眼装置100A,100Bとしてもよい。
以下、本発明の作用効果を説明する。本発明に係る第1~第4実施形態の視標表示装置2,2A,2Bは、1つの表示面20aに、左眼用及び右眼用の視標OL,OR視標が表示される左眼用及び右眼用の2つの表示領域21L,21Rを有する視標表示部としてのディスプレイ20,20A,20Bを備え、左眼用及び右眼用の各表示領域21L,21Rからの光は、互いに異なる光学特性を有している。左眼EL及び右眼ERに対応して配置されて左眼用及び右眼用の各表示領域21L,21Rからの光学特性を有する光のみを各々透過させる左眼用及び右眼用の一対の光学部材(被検眼側偏光フィルムFL,FR又はフィルタ)と、左眼EL及び右眼ERに対応して配置されて左眼用及び右眼用の光学部材を透過した光を偏向して左眼EL及び右眼ERに導く左眼用及び右眼用の光偏向部材としてのプリズムPL,PRと、を備える。ディスプレイ20,20A,20Bの左眼用及び右眼用の表示領域21L,21Rに視標OL,ORを表示した両眼視機能検眼の際に、左眼EL及び右眼ERに対応させて、左眼用及び右眼用のプリズムPL,PRを配置するように構成されている。また、本発明に係る第1~第4実施形態の眼科装置としての検眼装置100,100A,100Bは、上述のような視標表示装置2,2A,2Bを備えて構成される。
以上の構成により、ディスプレイ20,20A,20Bの左眼用の表示領域21Lに表示された左眼用の視標OLからの所定の光学特性を有する光が、左眼用の光学部材のみを透過した後、左眼用のプリズムPLによって偏向されて左眼ELに導かれる。一方、右眼用の表示領域21Rに表示された右眼用の視標ORからの、視標OLからの光とは異なる光学特性を有する光が、右眼用の光学部材のみを透過した後、右眼用のプリズムPRによって偏向されて右眼ERに導かれる。したがって、簡易な構成によって両眼視機能検眼視標の提示ができ、被検者が自然視状態と同様の眼位での両眼視機能検眼が可能となる。
また、第2実施形態においては、光学特性が波長であり、左眼用及び右眼用の各表示領域21L,21Rには、互いに異なる波長の左眼用及び右眼用の各視標OL,ORが表示され、左眼用及び右眼用の各光学部材は、左眼用及び右眼用の各視標からの波長の光のみを透過するフィルタから構成されている。この構成により、部材点数がより少なく、より簡易な構成の視標表示装置2及び検眼装置100を提供できる。
また、第1、第3、第4実施形態では、光学特性が偏光特性であり、ディスプレイ20,20A,20Bの左眼用及び右眼用の表示領域21L,21Rに対応して配置されて各表示領域21L,21Rからの光から偏光特性が異なる偏光光を得る左眼用及び右眼用の一対の視標側偏光部材としての視標側偏光フィルムfL,fRをさらに備えている。左眼用及び右眼用の各表示領域21L,21Rからの光は、左眼用及び右眼用の視標側偏光フィルムfL,fRによって互いに異なる偏光特性を有するものとされる。左眼用及び右眼用の各光学部材は、左眼用及び右眼用の視標側偏光フィルムfL,fRにより得られた各偏光光を透過させる被検眼側偏光部材としての被検眼側偏光フィルムFL,FRから構成されている。
この構成により、ディスプレイ20,20A,20Bの左眼用及び右眼用の異なる表示領域21L,21Rに表示された左眼用及び右眼用の視標OL,ORからの光が、左眼用及び右眼用の視標側偏光フィルムfL,fRによって異なる偏光光に変換され、各偏光光が、左眼用及び右眼用の被検眼側偏光フィルムFL,FRをそれぞれ透過した後、左眼用及び右眼用のプリズムPL,PRによって偏向されて左眼EL及び右眼ERに導かれる。したがって、簡易な構成によって両眼視機能検眼視標の提示ができ、被検者が自然視状態と同様の眼位での両眼視機能検眼が可能となる。
また、ディスプレイを用いて左右眼に異なる視標を呈示する従来の手法では、画素のラインごとに偏光特性の異なる偏光部材を配置していたため、片眼に提示する画像は1ラインおきとなり、解像度が1/2と低下していた。逆に解像度を上げるために画素ピッチの細かいディスプレイを用いる場合、画素ピッチに合わせて偏光部材を配置することは困難であるため、高解像化に限界があった。
これに対して、上記各実施形態では、左眼用及び右眼用の表示領域21L,21Rは、表示面20aを上下又は左右に2分するように設けられている。そのため、画素のラインごとに偏光部材を配置する必要がなく、第1、第3、第4実施形態のように左右眼用の表示領域21L,21Rに対応して、偏光特性の異なる視標側偏光フィルムfL,fRを配置すればよい。そして、これらによって偏光された偏光光を、それぞれ左右眼に対応して配置された被検眼側偏光フィルムFL,FRで透過させて左右眼に導くことができる。また、第2実施形態のように、波長によって左眼用及び右眼用の視標OL,ORを分離する場合には、視標側偏光フィルムfL,fRを配置する必要もない。したがって、高解像度のディスプレイ20,20A,20Bにもこれらを適用することができ、その結果、視標表示装置2,2A,2Bの高解像度化も可能となる。
また、上記各実施形態では、左眼用及び右眼用のプリズムPL,PRは、左眼EL及び右眼ERの眼位が、自然視状態となるように、左眼用及び右眼用の各光学部材(被検眼側偏光フィルムFL,FR又はフィルタ)を透過した光を偏向させる構成である。これにより、被検者Sは違和感のない検査が可能となるとともに、被検眼Eの視機能を、より高精度に検査することができる。
また、上記各実施形態では、左眼用及び右眼用の光学部材(視標側偏光フィルムfL,fL又はフィルタ)は、左眼用及び右眼用の表示領域21L,21Rからの光の光路中への配置及び光路外への退避が自在に設けられている。そのため、光学特性(偏光特性又は波長)の違いを利用して両眼視機能検眼等を行う検査以外の各種検査にも好適に用いられる視標表示装置2,2A,2B及び検眼装置100,100A,100Bを提供することができる。
また、上記各実施形態において、左眼用及び右眼用のプリズムPL,PRの偏向角及び偏向量は、左眼EL及び右眼ERの状態に応じて変更されるものとすれば、左眼EL及び右眼ERの状態に対応した、より高精度な検査が可能となる。
また、上記第1、第2実施形態では、左眼EL及び右眼ERの視機能を矯正するための複数の光学部材12L,12Rを有する左眼用及び右眼用の検眼ユニット10L,10Rを備えている。この左眼用及び右眼用の検眼ユニット10L,10Rが、光学部材として1つ又は複数の検眼用光偏向部材を有し、視標表示装置2の左眼用及び右眼用のプリズムPL,PRとして、検眼ユニット10L,10Rの検眼用光偏向部材を用いる構成とすれば、視標表示装置2用に別個にプリズムPL,PRを備える必要がなく、視標表示装置2及び検眼装置100をより簡易なものとすることができる。
また、上記各実施形態のように、制御部30と、光学部材(被検眼側偏光フィルムFL,FR又はフィルタ)及びプリズムPL,PRの駆動機構13L,13Lを備える構成とすることができる。また、視標側偏光フィルムfL,fRを有する場合は、その駆動機構を備える構成とすることができる。この構成により、両眼視機能検眼の際に、制御部30は、左右眼用の表示領域21L,21Rに左右眼用の視標OL,ORを表示し、駆動機構13L,13Rを駆動して、左右眼に対応させて、光学部材(被検眼側偏光フィルムFL,FR又はフィルタ)及びプリズムPL,PRを配置するように制御する。さらには、駆動機構を駆動して各表示領域21L,21Rに対応させて、視標側偏光フィルムfL,fRを配置する。これにより、両眼視機能検眼の際に自然視状態の眼位とするための光学部材の調整を、自動で迅速かつ高精度に実施することが可能となる。
以上、本発明の眼科装置を実施形態に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、上記各実施形態では、左右眼で偏光軸が交差する直線偏光を用いているが、これに限定されるものではない。各偏光フィルムFL,FR,fL,fRを、左右眼で回転方向が異なる円偏光によって構成することもできる。円偏光とすることで、検眼ユニット10L,10Rが傾いた場合等でも、偏光状態が維持されることから、クロストークが起こりにくく、より安定した検査を行うことができる。
また、上記各実施携帯では、視標表示装置2の視標表示部として、LCDや有機EL等の電子表示デバイスから構成されるディスプレイ20,20A,20Bを用いているが、これに限定されるものではない。例えば、紙や樹脂等に各種視標が印刷等された視標表示部を用いることもでき、消費者等のニーズに応じた様々なタイプの視標表示装置及び検眼装置を提供することができる。