JP7092559B2 - マスク用耳掛け紐及びマスク - Google Patents

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Description

本発明は、マスク用耳掛け紐及びマスクに関する。
疾病時、花粉又は黄砂等の粉塵飛来時、その他の日常生活において使用されるマスクは、長時間使用しても着用者に不快感を生じさせないことが求められる。そして、マスクのうち着用者の耳に掛止される耳掛け部は、着用者の耳に掛かる部分及び頬を通過する部分において着用者の肌に直接接することから、長時間使用しても着用者に不快感を生じさせないマスクを提供するためには、このような耳掛け部によって着用者に生じる負担を軽減する必要がある。
そこで、耳掛け部を形成する紐の途中に、その長さや強さを調整するための調整部を備えたマスクが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014-210153号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように着用者が耳掛け部につきその長さや強さを調整できるようにした場合、耳への負担を軽減するためには、耳掛け部を長くかつ弱くすることとなるが、この場合、マスクの密着性が低下し、外部の有害物質に対する遮断効果を十分に発揮できなくなる可能性がある。
本発明は、マスクの密着性を低下させることなく、耳掛け部によって着用者に生じる負担を軽減できるマスク用耳掛け紐を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
マスク本体の左右に備えられるマスク用耳掛け紐であって、
複数のゴム紐が編まれており、
前記ゴム紐には巻糸が巻かれており、
前記巻糸に水酸基を一つ以上含む多価アルコールが塗布され、
複数の前記ゴム紐が束ねられて形成された組が、複数編まれていることを特徴とする。
本発明によれば、マスクの密着性を低下させることなく、耳掛け部によって着用者に生じる負担を軽減できるマスク用耳掛け紐を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマスク用耳掛け紐であって、
前記水酸基を一つ以上含む多価アルコールは、保湿剤であることを特徴とする。
本発明によれば、着用者の肌への保湿効果も得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のマスク用耳掛け紐であって、
前記保湿剤は、ヒアルロン酸であることを特徴とする。
本発明によれば着用者の肌への保湿効果も得ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク用耳掛け紐であって、
前記巻糸は、ポリエステルによって形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、さらに耳掛け部によって着用者に生じる負担を軽減できる。
請求項に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク用耳掛け紐であって、
複数のゴム紐が、前記マスク用耳掛け紐の長さ方向に対して斜めに配置されるように編まれていることを特徴とする。
本発明によれば、さらに耳掛け部によって着用者に生じる負担を軽減できる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のマスク用耳掛け紐を備えたマスクである。
本発明によれば、耳掛け部によって着用者に生じる負担を軽減できるマスクを提供することができる。
本発明によれば、マスクの密着性を低下させることなく、耳掛け部によって着用者に生じる負担を軽減できるマスク用耳掛け紐を提供することができる。
実施形態に係るマスクを示す斜視図である。 実施形態に係るマスクを示す正面図である。 図2のIII-III部における断面図である。 耳掛け紐の編み方を示す図である。 耳掛け紐を構成するゴム紐及びゴム紐に巻かれた巻糸を示す図である。
以下、本発明の実施形態であるマスク100の具体的な態様について、図1から図5に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は図示例に限定されるものではなく、あくまで特許請求の範囲の記載を基に判断される。
なお、以下においては、図1に示すように、マスクの着用者から見た方向を基準として、前後、左右及び上下を定めて説明する。
[構成の説明]
{全体構成}
マスク100は、図1及び図2に示すように、着用者の顔面の鼻、口、顎等を覆うマスク本体1と、マスク本体1を着用者の右耳に掛止するための右耳掛け部2と、マスク本体1を着用者の左耳に掛止するための左耳掛け部3と、を備えている。なお、マスク100は、マスク本体1の後面側を着用者の顔面に向けて着用される。
{マスク本体}
マスク本体1は、図2及び図3に示すように、複数のシート材によって形成されたシート部11と、シート部11の上端部付近に取り付けられた鼻部補強部材12と、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられた口部補強部材13と、を備える。
(シート部)
シート部11は、図2に示すように正面視略矩形状に形成されたシート状の部材であり、複数のシート材を積層して形成されている。
シート部11は、左右方向に120mmから210mm、好ましくは145mmから175mm、上下方向に70mmから100mm、好ましくは80mmから90mmに形成される。
シート部11は、図3に示すように、肌から遠い面から順に、シート部11の肌から最も遠い面に位置する外面側不繊布111、フィルター112、シート部11の肌から最も近い面に位置する着用者側不繊布113の順にシート材を積層して形成されている。具体的なシート材としては、例えば不繊布として、ポリプロピレンスパンボンド、ポリエチレンスパンボンド、ナイロンスパンボンド等が用いられ、フィルターとして、ポリプロピレンメルトブロー、レーヨンスパンボンド等が用いられる。また、着用者側不繊布113には、保湿剤、柔軟剤、抗菌剤等を塗布することも可能である。
最も好適には、外面側不繊布111としてポリプロピレンスパンボンドが用いられ、着用者側不繊布113として保湿剤を塗布したナイロンスパンボンドが用いられ、これらの間に挟み込まれるフィルター112としてポリプロピレンメルトブローが用いられる。
なお、外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113は、必ずしも図1から図3に示すように全て同じ大きさに形成されている必要はない。例えば、外面側不繊布111のみを上下方向に大きく形成し、これが、シート部11の上端部及び下端部を覆って、後ろ側へと巻き込まれるように形成されていてもよい。この場合、シート部11の上端部及び下端部の強度を向上することができる。
シート部11を形成する外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113は、図2及び図3に示すように、上下及び左右の端部付近において、熱・超音波等によって前後に溶着されており、上端部付近に上端部接続部11aが、下端部付近に下端部接続部11bが、右端部付近に右端部接続部11cが、左端部付近に左端部接続部11dが形成されている。
シート部11の上部には、後述の鼻部補強部材12を取り付けるため、図1から図3に示すように、鼻部補強部材12を囲むように外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、熱・超音波等によって溶着した鼻部補強部材周辺接続部11eが形成されている。
鼻部補強部材周辺接続部11eは、正面視において鼻部補強部材12の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、鼻部補強部材12の周囲に若干の間隙が存在し、鼻部補強部材12を動かすことが可能であってもよい。
シート部11の上下方向中央部付近には、後述の口部補強部材13を取り付けるため、図2及び図3に示すように、口部補強部材13を囲むようにフィルター112及び着用者側不繊布113を、熱・超音波等によって溶着した口部補強部材周辺接続部11fが形成されている。
口部補強部材周辺接続部11fは、正面視において口部補強部材13の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、口部補強部材13の周囲に若干の間隙が存在し、口部補強部材13を動かすことが可能であってもよい。
また、図1から図3においては夫々の接続部11aから11fが別個に設けられた場合について図示したが、これに限られず、複数の接続部を兼ねる部分が存在していてもよい。例えば、上端部接続部11aと鼻部補強部材周辺接続部11eの上部とが重なり、上端部接続部11aが鼻部補強部材周辺接続部11e上部を兼ねていてもよい。
また、これらの接続部は、前後にシート材が接続されていればよく、必ずしも熱・超音波等による溶着によって形成されている必要はない。
また、図1及び図2においてはこれらの接続部が実線状に形成された場合につき図示したが、これに限られず、接続部は例えば破線状に形成されていてもよい。
(プリーツ)
シート部11は、図3に示すように上下方向に折り返されており、これによって、前面側に、図1から図3に示すように、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h、11hとが形成されている。マスク100の着用時には、これらを上下方向に展開することによって、シート部11が外側に膨出する山型の立体形状となって、着用者の顔面の鼻、口、顎等が覆われるようになっている。
上部プリーツ11gは、図1から図3に示すように、シート部11前面の上下方向中央部よりも上部に形成された、上方に凸となる折り目であり、上下方向に展開することができる。本実施形態においては、上部プリーツ11gは、シート部11の1か所に備えられている。
下部プリーツ11h、11hは、図1から図3に示すように、シート部11前面の上下方向中央部よりも下部に形成された、下方に凸となる折り目であり、上下方向に展開することができる。本実施形態においては、下部プリーツ11h,11hは、シート部11の2か所に備えられている。
上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h,11hは、シート部11の上下方向中央部を含む、上部プリーツ11gと下部プリーツ11h,11hのうち上方に形成されたものとの間の部分の間隔が、最も広くなるように配置され、特に当該部分が、シート部11の上下方向の幅の3分の1以上の幅を有するように配置されていることが望ましい。これによって、着用者の口元の空間を確保し易くなる。
また、上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h,11hは、これらの配置間隔が全て異なる間隔となるように配置されていることが望ましい。これによって、プリーツごとに配置間隔を変え、適切な位置に配置することが可能となる。
なお、プリーツの配置間隔には、上部プリーツ11gとマスク上端縁との間隔及び下部プリーツ11h,11hのうち下方に形成されたものとマスク下端縁との間隔を含むものとする。
(鼻部補強部材)
鼻部補強部材12は、マスク本体1の上部が着用者の鼻付近の形状に沿って、隙間が生じないようにするためのものであり、図2に示すように、シート部11の上端縁に沿って備えられている。
鼻部補強部材12は、左右方向に長い可塑性を有する部材であり、シート部11の横幅よりも短く、左右方向に80から135mm、好ましくは90mmから120mmの長さを有し、上下方向に幅3mmから5mm、前後方向に厚み0.5mmから1.0mmとなるように形成されている。
鼻部補強部材12の材料としては、可塑性を有する任意の材料を使用可能であるが、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂等が用いられ、最も好適には、ポリプロピレン樹脂が用いられる。
鼻部補強部材12は、フィルター112と、着用者側不繊布113との間に配置され、外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、鼻部補強部材12の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させることで、鼻部補強部材12を囲むように形成された鼻部補強部材周辺接続部11eによって、シート部11に取り付けられている。
なお、鼻部補強部材12は、マスク本体1の上部に隙間が生じないようにすることが可能であれば、任意の配置及び取り付け方法によってシート部11に取り付けることができる。
例えば、後述の口部補強部材13と同様に、外面側不繊布111は溶着されないようにして鼻部補強部材周辺接続部11eを形成し、鼻部補強部材12をシート部11に取り付けてもよい。また、例えば、鼻部補強部材12は、外面側不繊布111と、フィルター112との間に配置されていてもよい。
(口部補強部材)
口部補強部材13は、マスク本体1の着用者の口元付近の形状を維持するためのものであり、図2及び図3に示すように、シート部11の、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h,11hのうち上方に形成されたものとの間の位置の、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられている。
なお、口部補強部材13の取り付け位置としては、シート部11の上下方向中央部から5mmから10mm程度下方にずれた位置に取り付けられていることが、着用者の下唇付近の空間を広く確保できるため望ましいが、マスク本体1の着用者の口元付近の形状を維持することができればよく、このような配置位置には限られない。
口部補強部材13は、左右方向に長い可塑性を有する部材であり、図2に示すようにシート部11の横幅よりも僅かに短く、左右方向に100から150mm、好ましくは115mmから145mmの長さを有し、上下方向に幅3mmから5mm、前後方向に厚み0.5mmから1.0mmとなるように形成されている。
口部補強部材13の材料としては、可塑性を有する任意の材料を使用可能であるが、例えば、鼻部補強部材12と同様、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂等が用いられ、最も好適には、ポリプロピレン樹脂が用いられる。
口部補強部材13は、図3に示すように、フィルター112と、着用者側不繊布113との間に配置され、フィルター112と着用者側不繊布113とを、口部補強部材13の上下及び左右において、熱・超音波等を用いて前後に溶着させることで、口部補強部材13を囲むように形成された口部補強部材周辺接続部11fによって、シート部11に取り付けられている。
これによって、口部補強部材13が、フィルター112と、着用者側不繊布113とに対して固定され、フィルター112、着用者側不繊布113及び口部補強部材13が、着用者の口元付近において固定されるが、外面側不繊布111については、シート部11の四辺の端部付近以外においては、他の部材に固定されていないこととなる。
なお、マスク本体1としては、着用者の対称部位を覆い、耳掛け部を取り付けた際にマスクとして機能し得るものであれば任意の構成を用いることが可能である。
{耳掛け部}
右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、いずれも耳掛け紐200をマスク本体1に取り付けることによって形成されている。
具体的には、図1及び2に示すように、右耳掛け部2はマスク本体1の右側において、耳掛け紐200の一方の端部をシート部11の右端部の上部に熱・超音波等によって溶着させ、他方の端部をシート部11の右端部の下部に熱・超音波等によって溶着させることによって形成されている。また左耳掛け部3はマスク本体1の左側において、耳掛け紐200の一方の端部をシート部11の左端部の上部に熱・超音波等によって溶着させ、他方の端部をシート部11の左端部の下部に熱・超音波等によって溶着させることによって形成されている。
右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、いずれも一端部から他端部までの長さが140mmから200mm、好ましくは160mmから180mmとなるように形成される。
(耳掛け紐)
耳掛け紐200は、図4及び図5に示すように、巻糸202が巻かれた複数のゴム紐201によって形成された組211を複数編むことによって形成されている。
(ゴム紐)
ゴム紐201は、伸縮性の材料によって形成された細い紐状の部材である。ゴム紐201の材料としては、例えば、合成ゴムの場合にはポリウレタン等が用いられる。なお、ゴム紐200の材料としては、合成ゴムを用いることが好ましいが、これに限られず、例えばラテックス等の天然ゴムを用いてもよい。また、ゴム紐201としては、全て同じ太さのものを用いてもよいし、異なる太さの複数種類のものを混合して用いてもよい。
ゴム紐201の太さとしては、材料としてポリウレタンを用いる場合、10dtexから100dtexであることが好ましく、30dtexから70dtexであることがさらに好ましい。
(巻糸)
ゴム紐201の周囲には、図4及び図5に示すように巻糸202が巻かれている。巻糸202の巻き方としては、全てのゴム紐201の周囲に、間隙が生じないように巻かれていることが好ましい。
巻糸202の材料としては、ポリエステル、ナイロン等を用いることができるが、特にポリエステルであることが好ましい。この場合、やわらかい触感を得ることができる。
巻糸202の太さとしては、40dtexから300dtexであることが好ましく、65dtexから220dtexであることがさらに好ましい。
さらに、この巻糸202には、着用者の肌との間に生じる摩擦を低減するため、グリセリン、リン酸エステル、ヒアルロン酸等の、水酸基を一つ以上含む多価アルコールが塗布されている。
塗布の方法としては、水酸基を一つ以上含む多価アルコールを巻糸202に塗布した上で、これをゴム紐201に巻いてもよいし、ゴム紐201に巻糸202を巻いた後に、水酸基を一つ以上含む多価アルコールを塗布してもよい。また、巻糸202が巻かれた複数のゴム紐201によって形成された組211を複数編むことによって耳掛け紐200の形状とした上で、最後に水酸基を一つ以上含む多価アルコールを塗布してもよい。
水酸基を一つ以上含む多価アルコールが保湿効果を有する保湿剤である場合、着用者の肌の耳掛け紐200が接する部分への保湿効果を得ることができる。上記のグリセリン、リン酸エステル及びヒアルロン酸はいずれも保湿剤の例であるが、この中でもヒアルロン酸を用いることが特に好ましい。この場合、着用者の肌への保湿効果を特に高めることができる。
水酸基を一つ以上含む多価アルコールの具体的な塗布量としては、耳かけ紐200に対し、1mごとに30gから300gの塗布量となることが好ましく、75gから150gの塗布量となることがさらに好ましい。
30gを下回ると摩擦を低減する効果が十分に得られない。
(組)
巻糸202が巻かれた所定数のゴム紐201を束ねることによって、図4に示すように組211が形成される。組211としては、複数のゴム紐201を束ねたのみでもよいし、これを捻る等してまとめてあってもよい。図4においては3本のゴム紐201によって組211が形成された場合につき図示したが、組211を形成するゴム紐201の数はこれに限られない。各組211を形成するゴム紐201は、全て同じ太さであってもよいし、異なる太さの複数種類のゴム紐201が混合されていてもよい。
耳掛け紐200は、図4に示すように、複数の組211を所謂三つ編みの要領で編むことで、各組211が、耳掛け紐200の長さ方向に対して斜めに配置され、かつ、各組211が一組ずつ交差するように編まれている。また、耳掛け紐200は、全てのゴム紐201が耳掛け紐200の長さ方向の全体に亘って延在するように形成される。これによって、組211を形成するゴム紐201が、耳掛け紐200の長さ方向に対して斜めに配置されるように編まれることとなる。
具体的には、組211は、1から4本のゴム紐201によって形成され、このような組211を3から15組編むことによって耳掛け紐200が形成されていることが望ましい。
また、耳掛け紐200は、幅5~7mm程度の扁平な帯状に形成されていることが望ましい。
なお、耳掛け紐200の具体的構成は、上記のものが好ましいが、水酸基を一つ以上含む多価アルコールを塗布できるものであればよく、必ずしもこれに限定されない。
例えば、上記においては、巻糸202が巻かれたゴム紐201を所定数束ねることによって、断面が扁平な帯状となる平紐となるように形成された場合につき説明したが、断面が略円形となる丸紐となるように形成されていてもよい。
[製造方法の説明]
(1)ゴム紐201の周りに巻糸202を巻く。
(2)ゴム紐201の周りに巻かれた巻糸202に、水酸基を一つ以上含む多価アルコールを塗布する。なお、巻糸202に水酸基を一つ以上含む多価アルコールを塗布した上で、これをゴム紐201の周りに巻いてもよい。また、(3)を経て耳掛け紐200の形状とした後に、水酸基を一つ以上含む多価アルコールを塗布してもよい。
(3)巻糸202が巻かれたゴム紐201を束ねて組211とし上で、組211を複数編み、耳掛け紐200とする。例えば、被服用の紐を製造する製紐器のボビンに糸の代わりに巻糸202が巻かれたゴム紐201を組211ごとに巻き、それを編むことで耳掛け紐200を形成する。
(4)肌から遠い面から順に、フィルター112、着用者側不繊布113の順でシート材を重ね、フィルター112と、着用者側不繊布113との間の所定の位置に、鼻部補強部材12及び口部補強部材13を配置する。
(5)フィルター112と着用者側不繊布113とを、口部補強部材13の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、口部補強部材周辺接続部11fを形成する。
(6)口部補強部材周辺接続部11fを形成したフィルター112及び着用者側不繊布113と、外面側不織布111とを、肌から遠い面から順に、外面側不繊布111、フィルター112、着用者側不繊布113の順となるように重ねる。
(7)外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、鼻部補強部材12の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、鼻部補強部材周辺接続部11eを形成する。
(8)重ねられたシート材を、上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h、11hが形成されるように折り畳む。
(9)折り畳まれたシート材の上下及び左右の端部付近を、熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、上端部接続部11a、下端部接続部11b、右端部接続部11c及び左端部接続部11dを形成する。
(10)耳掛け紐200の両端部を、シート材の右端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させ右耳掛け部2を形成し、耳掛け紐200の両端部を、シート材の左端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させ左耳掛け部3を形成する。
[効果の説明]
実施形態に係るマスク100は、右耳掛け部2及び左耳掛け部3を形成する耳掛け紐200に、水酸基を一つ以上含む多価アルコールが塗布されている。これによって、右耳掛け部2及び左耳掛け部3と、着用者の耳や頬の肌との間の摩擦が低減されることから、右耳掛け部2及び左耳掛け部3の肌触りが改善される。これによって、マスクの密着性を低下させることなく、着用者への負担を低減することができる。
また、水酸基を一つ以上含む多価アルコールであれば、これが着用者の肌に転写されても、着用者への害悪が生じることもない。
さらに、右耳掛け部2及び左耳掛け部3に何らかの別個の部品等を備えることなく上記効果を得ることができることから、生産コストの増加も最小限とすることができ、マスクの外観を損なうこともない。
また、水酸基を一つ以上含む多価アルコールが保湿剤である場合、着用者の肌の右耳掛け部2及び左耳掛け部3が接する部分への保湿効果も得ることができる。また、マスク着用中に肌に転写された保湿剤が残ることから、マスクを外した後にも、保湿効果を維持することができる。
また、水酸基を一つ以上含む多価アルコールがヒアルロン酸である場合、着用者の肌への保湿効果を特に高めることができる。
また、耳掛け紐200が、巻糸202が巻かれたゴム紐201からなり、巻糸202に水酸基を一つ以上含む多価アルコールが塗布されている場合、ゴム紐201によって、耳掛け紐200に適切な張力を付与しつつ、巻糸202によって、水酸基を一つ以上含む多価アルコールの定着性も高めることができる。
また、耳掛け紐200が、複数のゴム紐201が、長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込まれて形成されている場合、図4に示すように、各ゴム紐201の張力が掛かる方向Aと、マスク100の装着時に耳掛け紐200が伸縮する方向Bが異なるため、力が分散され、右耳掛け部2及び左耳掛け部3による着用者の耳への負担をさらに軽減させることができる。
また、所定数のゴム紐201を束ねることによって組211が形成され、複数の組211を所謂三つ編みの要領で編み込むことで、耳掛け紐200が形成されている場合、多数のゴム紐201をそのまま編み込んだ場合と比較して、耳掛け紐200に幅及び厚みを出すことができる。また、組211と同じ幅、厚みを有する太いゴム紐を用いて編み込んだ場合、耳ゴムが硬くなってしまうが、本構成によれば、耳掛け紐200に柔らかさを出すことも可能となる。
次に、本発明の実施例及び比較例について、表面測定、引張強度の測定、実使用評価及び肌への転写量の測定を行った結果について説明する。以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ゴム紐:材料ポリウレタン、太さ33dtex。
巻糸:材料ポリエステル、太さ83dtex。
構成:巻糸を間隙が生じないようにゴム紐に巻いた上で、巻糸が巻かれたゴム紐を3本束ねることによって組を形成し、このような組を13組編み込むことによって平紐状に形成した。これにヒアルロン酸を、耳かけ紐1mあたり100gの塗布量となるように塗布した。
(実施例2)
ゴム紐:材料ポリウレタン、太さ33dtex。
巻糸:材料ポリエステル、太さ83dtex。
構成:巻糸を間隙が生じないようにゴム紐に巻いた上で、巻糸が巻かれたゴム紐を3本束ねることによって組を形成し、このような組を13組編み込むことによって平紐状に形成した。これにリン酸エステル(ポリアクリル酸ホスホリルコリングリコール)を、耳かけ紐1mあたり100gの塗布量となるように塗布した。
(実施例3)
ゴム紐:材料ポリウレタン、太さ66dtex。
巻糸:材料ポリエステル、太さ198dtex。
構成:巻糸を間隙が生じないようにゴム紐に巻いた上で、巻糸が巻かれたゴム紐3本をらせん状に組み上げることによって、丸紐状に形成した。これにヒアルロン酸を、耳かけ紐1mあたり100gの塗布量となるように塗布した。
(実施例4)
ゴム紐:材料ポリウレタン、太さ66dtex。
巻糸:材料ポリエステル、太さ198dtex。
構成:巻糸を間隙が生じないようにゴム紐に巻いた上で、巻糸が巻かれたゴム紐3本をらせん状に組み上げることによって、丸紐状に形成した。これにリン酸エステル(ポリアクリル酸ホスホリルコリングリコール)を、耳かけ紐1mあたり100gの塗布量となるように塗布した。
(比較例1)
ゴム紐:材料ポリウレタン、太さ33dtex。
巻糸:材料ポリエステル、太さ83dtex。
構成:巻糸を間隙が生じないようにゴム紐に巻いた上で、巻糸が巻かれたゴム紐を3本束ねることによって組を形成し、このような組を13組編み込むことによって平紐状に形成した。水酸基を一つ以上含む多価アルコールの塗布はなし。
(比較例2)
ゴム紐:材料ポリウレタン、太さ66dtex。
巻糸:材料ポリエステル、太さ198dtex。
構成:巻糸を間隙が生じないようにゴム紐に巻いた上で、巻糸が巻かれたゴム紐3本をらせん状に組み上げることによって、丸紐状に形成した。水酸基を一つ以上含む多価アルコールの塗布はなし。
上記実施例及び比較例の耳掛け紐を用いて、以下の試験を行った。
(表面測定)
摩擦試験機としてカトーテック社製KES-SEを用い、測定端子が直線上に動いた時の平均摩擦係数(MIU)を測定した。
(引張強度の測定)
実施例及び比較例の耳掛け紐につき、チャック間距離50mm、速度300mm/分で、長さ方向に200%(100mm)伸ばした時の強度を測定した。なお、引張試験機としては、AND社のTENSILON RTG-1210を用いた。
(実使用評価)
実施例及び比較例の耳掛け紐につき、マスク本体1に取り付けて、10人の評価者が実際に2時間着用し、耳の痛み及び締め付け感について評価した。
具体的には、外面側不繊布111として秤量17gsmのポリプロピレンスパンボンド、フィルター112として秤量20gsmのポリプロピレンメルトブロー、着用者側不繊布113として秤量20gsmのナイロンスパンボンドを用い、左右方向175mm、上下方向90mmに形成されたシート部11に、鼻部補強部材12及び口部補強部材13を備えたマスク本体1を用い、その左右に、長さ160mmの耳掛け紐を取り付けて右耳掛け部2及び左耳掛け部3を形成し、実使用評価に用いるマスクを作成した。
なお、試験結果は、耳の痛みにつき、生じなかった場合に◎、少し生じた場合に○、かなり生じた場合に×と評価した。
また、締め付け感につき、変化しなかった場合に○、着用者の感じる締め付け感が時間経過と共に強くなった場合に×と評価した。
(肌への転写量の測定)
実施例及び比較例の耳掛け紐につき、上記実使用評価と同様の条件でマスク本体1に取付けて10人の評価者に実際に着用させ、マスク着用前後で重量測定を行い、使用前よりも使用後で減少している場合、肌に転写されたと評価した。
なお、耳掛け紐の重量減少量(g)の10人の平均値を肌への転写量とした。
試験の結果を表Iに示す。
Figure 0007092559000001
(評価)
実施例1から4と、比較例1及び2との比較により、巻糸に水酸基を一つ以上含む多価アルコール(リン酸エステル又はヒアルロン酸)を塗布することで、耳への痛み、締め付け感を改善できることが分かる。
また、実施例1及び3と、実施例2及び4との比較により、水酸基を一つ以上含む多価アルコールとしてヒアルロン酸を用いた場合に、リン酸エステルを用いた場合と比較して、さらに表面の滑らかさ及び保湿剤の肌への転写量を向上させることができることが分かる。
また、水酸基を一つ以上含む多価アルコールの塗布によって、僅かに引張強度が低下しているものの、大きな低下はもたらさないことが分かる。
100 マスク
1 マスク本体
200 耳掛け紐(マスク用耳掛け紐)
201 ゴム紐
202 巻糸
211 組

Claims (6)

  1. マスク本体の左右に備えられるマスク用耳掛け紐であって、
    複数のゴム紐が編まれており、
    前記ゴム紐には巻糸が巻かれており、
    前記巻糸に水酸基を一つ以上含む多価アルコールが塗布され、
    複数の前記ゴム紐が束ねられて形成された組が、複数編まれていることを特徴とするマスク用耳掛け紐。
  2. 前記水酸基を一つ以上含む多価アルコールは、保湿剤であることを特徴とする請求項1に記載のマスク用耳掛け紐。
  3. 前記保湿剤は、ヒアルロン酸であることを特徴とする請求項2に記載のマスク用耳掛け紐。
  4. 前記巻糸は、ポリエステルによって形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク用耳掛け紐。
  5. 複数のゴム紐が、前記マスク用耳掛け紐の長さ方向に対して斜めに配置されるように編まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク用耳掛け紐。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載のマスク用耳掛け紐を備えたマスク。
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