JP6293340B1 - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 遮蔽部材がなく、気温が低い環境下においても、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクを提供すること。【解決手段】 本発明のマスクは、不織布を含むマスク本体と、マスク本体を耳に固定できる耳掛け部材とを有するマスクであり、次の式から算出される通気係数(Ca)が50〜200である。Ca=Ap×Se(ここで、Apはマスク本体の通気度(単位:cm3/cm2・sec.)、Seは耳掛け部材を95mm伸長した時の応力(単位:N)、をそれぞれ意味する)。【選択図】 図1

Description

本発明はマスクに関する。より具体的には、気温が低い場合にマスクを着用しても、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクに関する。特に、視界を遮りにくいプリーツ型マスクに関する。
従来より、気温が低い場合にマスクを着用すると、眼鏡が曇り、視界を遮ってしまうという問題があった。このような問題を解決する方法の1つとして、鼻梁と密着するように変形し、その形状を維持できる密着部材、例えば、軟鋼やアルミニウム等の金属からなる密着部材(ノーズクリップと呼ばれることもある)を、マスクの鼻梁側端部に設ける方法がある。しかしながら、このような密着部材を設けたとしても、呼気によるマスク内圧上昇によりマスクと鼻梁との間に隙間が発生し、呼気が漏れてメガネが曇るという問題を充分に解決できるものではなかった。
前記問題を解決する別の方法として、呼気が眼鏡に到達しないように、マスクと顔面との間に遮蔽部材を設けることが行なわれている。例えば、特開2012−135598号公報(特許文献1)には、マスク本体と上部が開口したポケット部を備え、ポケット部に機能性シートを収納可能なマスクであり、ポケット部の開口を閉じることのできる蓋部を有し、この蓋部が吸水性不織布から構成されていると、呼気の水分を吸着し、眼鏡の曇りを有効に防止できることを開示している。
しかしながら、特許文献1で開示されているような蓋部を始めとする遮蔽部材を、顔面と接触できるようにマスクの内側に設けても、呼気によるマスク内圧上昇によりマスクと鼻梁との間に隙間が発生し、呼気が漏れてメガネが曇るという問題を充分に解決できなかった。また、遮蔽部材を設けるというマスクの加工を複雑化するという問題もあった。そのため、遮蔽部材を設けることなく、眼鏡曇りの問題を改善できるマスクが待望されていた。
特開2012−135598号公報
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、遮蔽部材がなく、気温が低い環境下においても、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクを提供することを目的とする。
本発明は「不織布を含むマスク本体と、マスク本体を耳に固定できる耳掛け部材とを有するマスクであり、次の式から算出される通気係数(Ca)が50〜200であることを特徴とするマスク。
Ca=Ap×Se
ここで、Apはマスク本体の通気度(単位:cm/cm・sec.)、Seは耳掛け部材を95mm伸長した時の応力(単位:N)、をそれぞれ意味する。」である。
本発明のマスクは、「マスク本体の通気度が50cm/cm・sec.以上」、「マスク本体を構成する不織布として、帯電不織布を有する」、「マスク本体が2枚以上の不織布からなる」、及び/又は「マスク本体が襞折りされたプリーツ型マスクである」のが好ましい。
本発明の発明者らは、マスク本体の通気度と耳掛け部材の応力の積である通気係数が50〜200であると、遮蔽部材がなくても、気温が低い環境下においても、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクであることを見出した。この通気係数は、マスク本体の通気度が高ければ、呼気はマスク本体を通気し、外部環境へ拡散して、眼鏡が曇りにくいという点と、マスク本体の通気度が高くても、マスク本体と顔面との密着性が不充分であると、呼気によるマスク内圧の上昇により、呼気がマスク本体内部と顔面(特に、鼻梁)との間の隙間を通気して眼鏡が曇るという点から、見出した係数である。
つまり、マスク本体の通気度が高い場合には、通気度の数字が大きくなるが、この場合、通気性に優れており、呼気によりマスク内圧が上昇しにくいため、マスク本体を顔面へ密着させるための耳掛け部材の応力は小さくて良い。一方で、マスク本体の通気度が比較的低い場合には、通気度の数字が小さくなるが、この場合、通気性に劣り、呼気によりマスク内圧が上昇し、呼気がマスク本体内部と顔面(特に、鼻梁)との間の隙間を通気しやすくなるため、マスク本体を顔面へ密着させるための耳掛け部材の応力を大きくする必要がある。このように、マスク本体の通気度と耳掛け部材の応力との間には反比例の関係があることから、マスク本体の通気度と耳掛け部材の応力の積がある一定の範囲内に収まると、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクであることを見出した。
本発明のマスク本体の通気度が50cm/cm・sec.以上と通気度が高いと、耳掛け部材の応力が小さくても眼鏡が曇りにくいため、耳への負担が小さく、耳が痛くなりにくいため、長時間、着用しやすいマスクである。
本発明のマスク本体を構成する不織布として、帯電不織布を有すると、マスク本体の通気度が高くても、塵埃、花粉等の有害物質の除去性に優れているため、人体へ与える影響を小さくすることができるマスクである。
本発明のマスク本体が2枚以上の不織布からなると、濾過性能、肌あたり性、耐磨耗性などの各種機能を各不織布が有することができるため、機能性に優れるマスクであることができる。
本発明のマスク本体が襞折りされたプリーツ型マスクであり、マスクと顔面(特に、鼻梁)との間に隙間ができやすいマスクであったとしても、通気係数が50〜200であることによって、遮蔽部材がなくても、気温が低い環境下においても、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクである。
本発明のマスクの一例であるプリーツ型マスクの外部環境側の正面図 図1におけるA−A線切断面図 本発明のマスク本体の断面図の一例 図2におけるB部におけるマスク本体の断面図 耳掛け部材を95mm伸長した時の応力の測定方法を示す概念図 実施例のマスク本体の断面図 実施例のマスク本体の外部環境側正面図
本発明のマスクについて、本発明のマスクの一例であるプリーツ型マスクについて、その外部環境側の正面図を示す図1、図1におけるA−A線切断面図である図2、マスク本体の断面図の一例である図3、及び図2におけるB部におけるマスク本体の断面図である図4をもとに説明する。なお、図1において、上側が鼻梁側であり、下側が顎側であり、左側が右耳側であり、右側が左耳側である。
本発明のマスクは図1に示すように、長方形状の外形を有する、不織布を含むマスク本体1と、マスク本体1を耳に固定できるように、マスク本体1の左耳側と右耳側の両端部にそれぞれ固定された、一対の耳掛け部材2a、2bとを有するマスクであることができる。
図1におけるマスク本体1は基本的に3枚の不織布が積層された積層不織布16が、図2に示すように、鼻梁側から顎側へ向かって、順に、谷折り襞19a、山折り襞17a、山折り襞17b、谷折り襞19b、山折り襞17c、谷折り襞19cを有するように、襞折りされた状態にある。そのため、マスク着用時に、マスク本体1を鼻梁側及び/又は顎側に向かって引張ることによって、谷折り襞19a、19b、19cが外部環境側Oへ向かって押し出され、ドーム状の立体的空間を形成できるため、顔面との接触が少ない状態で装着できる、着用感の優れるマスクとなる。
また、図1におけるマスク本体1の鼻梁側の端部近傍と顎側端部近傍には、左耳側から右耳側へ向かって、断続的に伸びる融着部11a、13を、それぞれ有する。このように、断続的に伸びる融着部11a、13を有することによって、マスク本体1を構成する積層不織布16の個々の不織布同士が固定されており、マスク使用時における積層不織布16の不織布同士の剥離が生じない。
なお、鼻梁側の端部近傍において断続的に伸びる融着部11aと少し離間した顎側に、融着部11aと平行に、左耳側から右耳側へ向かって、断続的に伸びる融着部11bを有する。このように、融着部11aと融着部11bとによって、小さな空間が形成され、この小さな空間に鼻梁との密着性を向上させることのできる平板状の密着部材11が挿入され、保持されている。そのため、マスク着用時に、密着部材11を鼻梁に合わせて変形させ、マスク本体1と顔面との密着性を高めることができ、呼気がマスク本体内部と鼻梁との間の隙間を通気しにくく、眼鏡がより曇りにくい。
なお、密着部材11は手で容易に変形させることのできる材料であれば良く、特に限定するものではないが、例えば、軟鋼やアルミニウム等の金属、金属をプラスチックで被覆したような金属とプラスチックとの複合材料、ポリエチレンなどのプラスチック、ポリエチレンなどのプラスチック中にガラス繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機充填剤を含む複合材料、などを挙げることができる。
更に、マスク本体1の中央部においては、左耳側から右耳側へ向かって、断続的に、互いに平行に伸びる融着部12a、12bを有し、これら融着部12a、12bによって形成される小さな空間に、平板状の形状保持部材12が挿入されており、マスク着用時に、マスク本体1の展開により形成されるドーム状立体的空間を保持することができるため、着用感を損なうことなく、継続してマスクを着用しやすい。また、マスク本体1の展開により呼気の通気面積が広くなり、この広い通気面積を維持できることで、マスク本体1の単位面積あたりにかかる圧力を低減させることができ、マスク本体1と顔面との密着性を損ないにくいため、呼気がマスク本体内部と顔面との隙間を通気しにくく、眼鏡がより曇りにくい。
なお、形状保持部材12はマスク着用時にドーム状立体的空間を保持できる材料であれば良く、特に限定するものではないが、例えば、軟鋼やアルミニウム等の金属、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂、金属をプラスチックで被覆したような金属とプラスチックとの複合材料、ポリエチレンなどのプラスチック中にガラス繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機充填剤を含む複合材料、などを挙げることができる。
更に、マスク本体1の左耳側端部の上端部及び下端部に融着部14a、14bをそれぞれ有し、これらの融着部14a、14bに、耳掛け部材2aが固定されている。これら融着部14a、14bに加え、マスク本体中央部側に、鼻梁側から顎側へ向かって、断続的に伸びる2列の融着部15aを有する。同様に、マスク本体1の右耳側端部の上端部及び下端部に融着部14c、14dをそれぞれ有し、これらの融着部14c、14dに、耳掛け部材2bが固定されている。これら融着部14c、14dに加え、マスク本体中央部側に、鼻梁側から顎側へ向かって、断続的に伸びる2列の融着部15bを有する。このように、融着部14a、14b、14c、14d、15a、15bによって、マスク本体1における襞折り状態が維持された状態にある。
本発明のマスクは上述のようなマスク本体1に加えて、耳掛け部材2a、2bを有する。この耳掛け部材2a、2bは前述の通り、マスク本体1の左耳側端部の融着部14a、14bと、右耳側端部の融着部14c、14dのそれぞれに融着固定されているため、マスク本体1を確実に耳に固定することができる。
この耳掛け部材2a、2bはマスク本体1を耳に掛けることのできる材料であれば良く、特に限定するものではないが、例えば、丸ゴム、平ゴムなどのゴム;ポリウレタンなどのエラストマー樹脂からなる紐;エラストマー繊維含有織物、編物又は不織布;高捲縮繊維含有不織布などを挙げることができる。なお、耳掛け部材2a、2bの断面形状は特に限定するものではないが、耳への負担が少なく、マスクを長時間装着しても耳が痛くなりにくいように、長方形、長円又は楕円状であるのが好ましい。
本発明のマスクは上述のようなマスク本体1と耳掛け部材2a、2bとを有するが、次の式から算出される通気係数(Ca)が50〜200であり、好ましくは52〜190であり、より好ましくは55〜180であり、更に好ましくは58〜170であり、更に好ましくは60〜160であり、更に好ましくは60〜150であり、更に好ましくは、62〜140である。
Ca=Ap×Se
ここで、Apはマスク本体の通気度(単位:cm/cm・sec.)、Seは耳掛け部材を95mm伸長した時の応力(単位:N)、をそれぞれ意味する。
この通気係数は、マスク本体の通気度が高ければ、呼気はマスク本体を通気し、外部環境へ拡散して、眼鏡が曇りにくいという点と、マスク本体の通気度が高くても、マスク本体と顔面との密着性が不充分であると、呼気によるマスク内圧の上昇により、呼気がマスク本体内部と顔面(特に、鼻梁)との間の隙間を通気して眼鏡が曇るという点から、見出した係数である。
つまり、マスク本体の通気度が高い場合には、通気度の数字が大きくなるが、この場合、通気性に優れており、呼気によりマスク内圧が上昇しにくいため、マスク本体を顔面へ密着させるための耳掛け部材の応力は小さくて良い。一方で、マスク本体の通気度が比較的低い場合には、通気度の数字が小さくなるが、この場合、通気性に劣り、呼気によりマスク内圧が上昇し、呼気がマスク本体内部と顔面(特に、鼻梁)との間の隙間を通気しやすくなるため、マスク本体を顔面へ密着させるための耳掛け部材の応力を大きくする必要がある。このように、マスク本体の通気度と耳掛け部材の応力との間には反比例の関係があることから、マスク本体の通気度と耳掛け部材の応力の積がある一定の範囲内に収まると、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクであることを見出したのである。
本発明のマスク本体1の通気度は、呼気がマスク本体1を通気し、外部環境へ拡散して、眼鏡が曇りにくいように、50cm/cm・sec.以上であるのが好ましく、通気度が高ければ高い程、前記作用に優れているため、60cm/cm・sec.以上であるのが好ましく、70cm/cm・sec.以上であるのがより好ましく、80cm/cm・sec.以上であるのが更に好ましく、90cm/cm・sec.以上であるのが更に好ましく、100cm/cm・sec.以上であるのが更に好ましく、110cm/cm・sec.以上であるのが更に好ましく、120cm/cm・sec.以上であるのが更に好ましく、130cm/cm・sec.以上であるのが更に好ましい。なお、通気度が高ければ高い程、前記作用に優れているため、通気度の上限は特に限定するものではないが、マスクの1つの性能として、有害物質の除去性を考慮する場合には、有害物質の除去性に優れているように、300cm/cm・sec.以下であるのが好ましく、250cm/cm・sec.以下であるのがより好ましく、220cm/cm・sec.以下であるのが更に好ましい。
この通気度(Ap)はJIS L1913:2010「一般不織布試験方法」に規定される6.8.1(フラジール形法)に準じて測定される値をいう。つまり、フラジール形試験機を用い、使用するフラジール形試験機に応じた大きさの試験片を用いて測定される値をいう。なお、図1に示すマスクのようなプリーツ型である場合、着用時には展開して、呼気は1組の積層不織布を通気することになるため、上下左右の融着部等を取り除いた、1組の平板状の積層不織布の中央部から試験片を採取して通気度を測定する。また、図1に示すマスクのように、マスク本体1の中央部に形状保持部材12を備えている場合のように、試験中に空気の漏れが発生する可能性がある場合には、空気の漏れを発生させる可能性のある材料(図1の場合には、形状保持部材12)を取り除いたマスク本体1の通気度を測定する。更に、本発明におけるマスクにおいては、呼気は主として、マスク本体の中央部を通気し外部環境へと排出されるため、マスク本体の中央部に存在する材料(図1においては、積層不織布16)の通気度を測定する。例えば、後述のような低通気シート18を含むような場合であっても、低通気シート18はマスク本体の中央部を構成せず、基本的に呼気の通気を妨げないため、低通気性シート18を除いたマスク本体の中央部に存在する材料(図1においては、積層不織布16)の通気度を測定する。
一方、耳掛け部材を95mm伸長した時の応力(Se、以下、単に「伸長時応力」と表記することがある)は通気度との関係で、前述の式を満たす限り特に限定するものではないが、伸長時応力が強過ぎると、耳への負担が大きく、耳が痛くなりやすく、長時間、着用することが苦痛になる傾向があるため、1.50N以下であるのが好ましく、1.40N以下であるのがより好ましく、1.20N以下であるのが更に好ましく、1.00N以下であるのが更に好ましい。一方で、マスク本体1が顔面と密着しやすいように、伸長時応力は0.30N以上であるのが好ましく、0.35N以上であるのがより好ましく、0.40N以上であるのが更に好ましく、0.50N以上であるのが更に好ましい。
この伸長時応力は耳掛け部材を95mm伸長した時の応力である。つまり、顔面の形状は個体差があり、一概に決定することができないため、JIS T8151:2005「防じんマスク」で規定する試験用人頭を基準とした場合に、耳掛け部材が95mm伸長した状態で装着することになることから、95mm伸長した時の応力で判断した。具体的には、図5に伸長時応力の測定方法を示す概念図を示すように、引張り試験機のチャックCにマスク本体1の耳側端部を固定し、大人の耳の大きさを想定した直径50mmの円柱状フックFに、耳掛け部材2a、2bの一方を引っ掛けた後、チャックCから円柱状フックFの上端までの距離が95mmとなるまで円柱状フックFを上昇させ、この上昇させた状態における応力を測定する。この応力の測定を5回行い、その結果を算術平均し、小数点以下第三位を四捨五入して、95mm伸長時応力とする。
図1におけるマスク本体1は前述のように、3枚の不織布が積層された積層不織布16からなる。この積層状態を示す断面図である図3をもとに説明する。この図3においては、外部環境側Oに位置する外側不織布16a、口元側Iに位置する口元不織布16c、及び外側不織布16aと口元不織布16cとの間に位置し、濾過作用を奏する濾過不織布16bとを有する。この外側不織布16aは主に、濾過不織布16bが損傷するのを防止するため、マスクに耐磨耗性を付与するために有しており、口元不織布16cは主に、濾過不織布16bが損傷するのを防止し、マスクに耐磨耗性を付与することに加えて、顔面の肌を損なわず、肌あたり性に優れているように有している。一方で、濾過不織布16bは濾過性能を発揮し、塵埃、花粉等の有害物質による人体への影響を小さくできるように有している。
まず、濾過不織布16bについて説明すると、濾過不織布16bはマスク本体1の通気度が高く、呼気を外部環境側Oへ通気させ、拡散しやすいように、また、濾過作用にも優れているように、濾過不織布16bのフラジール通気度は50〜400cm/cm・sec.であるのが好ましく、70〜350cm/cm・sec.であるのがより好ましく、90〜300cm/cm・sec.であるのが更に好ましい。
また、濾過不織布16bは、有害物質による人体への影響を小さくできるように、NaCl粉じんの捕集効率は50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが更に好ましく、97%以上であることが更に好ましい。
この「NaCl粉じんの捕集効率(Fe、単位:%)」は、マスク性能試験装置(柴田科学製、マスク性能検査装置AP−9000型)を用い、濾過不織布16bを有効濾過面積124cm(直径:125.6mm)のホルダーに固定させた後、NaCl粒子含有空気(NaCl粒子中位径:0.06〜0.10μm、幾何標準偏差:1.8以下、粉じん濃度:50mg/m以下)を30L(リットル)/min.の流量で1分間供給し、濾過不織布16bの通過前のNaCl粒子濃度(Pb、単位:mg/m)及び通過後のNaCl粒子濃度(Pa、単位:mg/m)を測定し、次の式から算出した値である。この捕集効率が高いことは、有害物質に対する捕集性能が高いことを意味する。
Fe=[(Pb−Pa)/Pb]×100
このように、濾過不織布16bは通気度が高く、しかも濾過性能にも優れているのが好ましいため、帯電不織布からなるのが好ましい。物理的作用に加えて、静電気的作用によっても、塵埃、花粉等の有害物質を除去することができ、通気度と濾過性能を両立しやすいためである。このような帯電不織布16bとしては、例えば、(1)不織布構成繊維同士の摩擦を利用して帯電させた不織布、(2)不織布形成後に、コロナ放電、極性液体を介して力を作用させるなどの帯電処理によりエレクトレット化して帯電させた不織布、(3)帯電フィルムを引き裂いて形成した繊維から形成した不織布、などを挙げることができる。
これらの中でも、通気度と濾過性能を両立しやすい、(1)不織布構成繊維同士の摩擦を利用して帯電させた不織布であるのが好ましい。この好適である摩擦で帯電した不織布の構成繊維は、摩擦によって帯電しやすいように、ポリオレフィン系繊維(特にポリプロピレン系繊維)とアクリル系繊維との組合せ、ポリオレフィン系繊維(特にポリプロピレン系繊維)とポリエステル系繊維との組合せ、ポリオレフィン系繊維(特にポリプロピレン系繊維)とポリ乳酸系繊維などの組合せを含んでいるのが好ましい。なお、摩擦帯電する方法は、例えば、繊維を開繊する際のカード機等による開繊作用、繊維ウエブをニードル等により絡合させる際の絡合作用、又はローラ、気体の衝突等による繊維ウエブ又は不織布の揉み作用などを挙げることができる。
本発明の濾過不織布16bを構成する繊維としては、上述のような繊維の組合せに限定されず、例えば、レーヨン、キュプラなどの再生繊維;アセテートなどの半合成繊維;ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリウレタンなどの単一樹脂からなる、又はこれら樹脂を2種類以上含む合成繊維;綿、麻などの植物繊維;羊毛、絹などの動物繊維;などを単独で、又は2種類以上を含むことができる。
また、濾過不織布16bを構成する繊維の繊度は特に限定するものではないが、通気度が高く、しかも濾過性能に優れるように、0.8〜10.0dtexであるのが好ましく、1.0〜6.6dtexであるのがより好ましく、1.3〜3.3dtexであるのが更に好ましい。また、濾過不織布16bを構成する繊維の繊維長は特に限定するものではないが、繊維が均一に分散して濾過性能に優れるように、20〜102mmであるのが好ましく、25〜72mmであるのがより好ましく、32〜64mmであるのが更に好ましい。
なお、濾過不織布16bを構成する繊維は、例えば、バインダによる接着、構成繊維による融着、及び/又はニードルや水流などによる繊維同士の絡合、により結合していることができる。
更に、濾過不織布16bの目付は、特に限定するものではないが、有害物質の除去性に優れ、また、マスクへの加工性に優れるように、15〜300g/mであるのが好ましく、30〜200g/mであるのがより好ましく、50〜150g/mであるのが更に好ましい。また、濾過不織布16bの厚さは特に限定するものではないが、マスクへの加工性に優れるように、0.2〜4.0mmであるのが好ましく、0.4〜3.0mmであるのがより好ましく、0.6〜2.0mmであるのが更に好ましい。なお、濾過不織布の厚さを含め、本発明における不織布の厚さは、接触面積5cm、荷重0.98Nの圧縮弾性試験機にて測定された厚さを意味する。
次に、外側不織布16aについて説明すると、マスク本体1の通気度が高く、呼気を外部環境側Oへ通気させ、拡散しやすいように、外側不織布16aも通気度が高いのが好ましい。より具体的には、外側不織布16aのフラジール通気度は100〜800cm/cm・sec.であるのが好ましく、200〜700cm/cm・sec.であるのがより好ましく、300〜600cm/cm・sec.であるのが更に好ましい。
外側不織布16aは前述の通り、主に、濾過不織布16bが損傷するのを防止するため、マスクに耐磨耗性を付与する作用を奏する不織布である。このような耐磨耗性に優れる不織布としては、例えば、充分な量のバインダで接着した不織布、構成繊維の融着した不織布などを挙げることができる。これらの中でも、バインダで接着した不織布はバインダに起因する汚染物質を発生する可能性があることから、構成繊維の融着した不織布であるのが好ましい。このように、外側不織布16aは構成繊維の融着した不織布であるのが好ましいが、より耐磨耗性に優れているように、加圧により繊維同士が融着した不織布であるのが好ましい。しかしながら、外側不織布16aの全面が加圧により繊維同士が融着していると、通気度が低くなりやすいばかりでなく、風合いが硬くなり、マスク本体1の風合いを損ね、装着感を損なう傾向があるため、加圧により部分的に繊維同士が融着した不織布であるのが好ましい。より具体的には、外側不織布16aの表面が平滑平面であると仮定した時の面積の3〜50%が、部分的に繊維同士で融着した不織布であるのが好ましく、5〜30%が部分的に繊維同士で融着した不織布であるのがより好ましく、8〜20%が部分的に繊維同士で融着した不織布であるのが更に好ましい。
この外側不織布16aを構成する繊維としては、特に限定するものではないが、濾過不織布16bと同様の再生繊維、半合成繊維、合成繊維、植物繊維、及び/又は動物繊維などであることができるが、上述の通り、構成繊維の融着した不織布であるのが好ましいため、合成繊維、特に熱可塑性合成繊維を含んでいるのが好ましい。
また、外側不織布16aを構成する繊維の繊維径は特に限定するものではないが、通気度が高く、しかも耐磨耗性に優れるように、10〜40μmであるのが好ましく、12〜35μmであるのがより好ましく、15〜30μmであるのが更に好ましい。また、外側不織布16aを構成する繊維の繊維長は特に限定するものではないが、繊維の毛羽立ちが生じにくいように、連続した繊維からなるのが好ましい。
更に、外側不織布16aの目付は特に限定するものではないが、通気性の低下を抑えつつ、耐磨耗性を確保するために、10〜70g/mであるのが好ましく、15〜50g/mであるのがより好ましく、20〜30g/mであるのが更に好ましい。また、外側不織布16aの厚さは特に限定するものではないが、マスクの保型性を維持しつつ、加工性を考慮して、0.08〜1.0mmであるのが好ましく、0.1〜0.6mmであるのがより好ましく、0.15〜0.4mmであるのが更に好ましい。
そして、口元不織布16cについて説明すると、マスク本体1の通気度が高く、呼気を外部環境側Oへ通気させ、拡散しやすいように、口元不織布16cも通気度が高いのが好ましい。口元不織布16cのフラジール通気度は100〜800cm/cm・sec.であるのが好ましく、200〜700cm/cm・sec.であるのがより好ましく、300〜600cm/cm・sec.であるのが更に好ましい。
口元不織布16cは前述の通り、主に、濾過不織布16bが損傷するのを防止し、マスクに耐磨耗性を付与することに加えて、顔面の肌を損なわず、肌あたり性に優れる不織布である。このような耐磨耗性に優れる不織布としては、外側不織布16aと同様の不織布であることができるが、同様の理由で、構成繊維の融着した不織布であるのが好ましく、加圧により繊維同士が融着した不織布であるのがより好ましく、加圧により部分的に繊維同士が融着した不織布であるのが好ましい。より具体的には、口元不織布16cの表面が平滑平面であると仮定した時の面積の3〜50%が部分的に、繊維同士で融着した不織布であるのが好ましく、5〜30%が部分的に繊維同士で融着した不織布であるのがより好ましく、8〜20%が部分的に繊維同士で融着した不織布であるのが更に好ましい。
この口元不織布16cを構成する繊維としては、特に限定するものではないが、濾過不織布16bと同様の再生繊維、半合成繊維、合成繊維、植物繊維、及び/又は動物繊維などであることができるが、上述の通り、構成繊維の融着した不織布であるのが好ましいため、合成繊維、特に熱可塑性合成繊維を含んでいるのが好ましい。なお、口元不織布16cは肌への摩擦を軽減し、肌あたり性に優れているように、ポリエチレン樹脂などの摩擦係数の低い樹脂を、表面に有する繊維を含んでいるのが好ましい。
また、口元不織布16cを構成する繊維の繊維径は特に限定するものではないが、通気度が高く、耐磨耗性に優れるように、更には肌あたり性に優れているように、10〜40μmであるのが好ましく、12〜35μmであるのがより好ましく、15〜30μmであるのが更に好ましい。また、口元不織布16cを構成する繊維の繊維長は特に限定するものではないが、繊維の毛羽立ちが生じにくいように、連続した繊維からなるのが好ましい。
更に、口元不織布16cの目付は特に限定するものではないが、通気性の低下を抑えつつ、耐磨耗性を確保するために、10〜70g/mであるのが好ましく、12〜50g/mであるのがより好ましく、15〜30g/mであるのが更に好ましい。また、口元不織布16cの厚さは特に限定するものではないが、マスクの保型性を維持しつつ、加工性を考慮して、0.08〜1.0mmであるのが好ましく、0.1〜0.6mmであるのがより好ましく、0.12〜0.4mmであるのが更に好ましい。
以上は、図1のマスクのマスク本体1を構成する3枚の不織布が積層された積層不織布16についての説明であるが、図4に、図2におけるB部におけるマスク本体1の断面図を示すように、積層不織布16における外側不織布16aよりも更に外側に、低通気シート18を備えている。この低通気シート18はマスク本体1の鼻梁側端部、左耳側端部、及び右耳側端部が、それぞれ融着部11b、(14a、15a)、(14c、15b)によって融着固定されている。このように、低通気シート18は顎側端部が固定されていないため、マスク着用時にマスク本体1を展開し、ドーム状の立体的空間を形成した際に、低通気シート18の顎側端部が若干、外部環境側Oへ突出し、積層不織布16との間に隙間が形成される。そのため、マスク着用時に、低通気シート存在箇所に相当する積層不織布16を通気した呼気は低通気シート18によって、外部環境における顎側へ排出される。その結果、前記排出された呼気は眼鏡側へ向かうことがなく、しかも、前記排出された呼気が、低通気シート存在箇所よりも顎側の積層不織布16を通気した呼気と衝突し、眼鏡側への上昇を抑制できるため、眼鏡の曇りをより効率的に防ぐことができる。
このような低通気性シート18は呼気が通過しにくい通気性を有すれば良く、特に限定するものではないが、フラジール通気度が30cm/cm・sec.以下であるのが好ましく、10cm/cm・sec.以下であるのがより好ましく、0cm/cm・sec.であるのが最も好ましい。
このような低通気性シートとしては、例えば、非通気性フィルム、透湿膜、不織布、又はこれらの複合体(例えば、非通気性フィルムと不織布との複合体)などを挙げることができる。
なお、このような低通気シート18は図1のマスク本体1において、図2に示す融着部11bから、鼻梁側端部を基点として最初の谷折り襞19aまでの範囲に存在している。このように、谷折り襞19aから融着部13までの主として呼気が通気する領域には低通気シート18は存在していないため、マスク本体1における呼気の通気が阻害され、呼気がマスク本体内部と顔面(特に、鼻梁)との間の隙間を通気して眼鏡が曇りやすいということはない。
以上のような図1のプリーツ型マスクは常法により製造することができる。つまり、外側不織布16a、濾過不織布16b、口元不織布16c、低通気シート18、密着部材11、形状保持部材12、及び耳掛け部材2a、2bを用意した後、外側不織布16a、濾過不織布16b及び口元不織布16cを積層した積層不織布16を常法のヒートプレス法、ローラ法等により襞折り加工するとともに、低通気シート18、密着部材11、形状保持部材12、及び耳掛け部材2a、2bを所望箇所に配置した状態で、常法の超音波等による融着加工により、融着部11a、11b、12a、12b、13、14a、14b、14c、14d、15a、15bを形成して製造することができる。
以上は、図1のマスク本体1が襞折りされたプリーツ型マスクの説明であるが、本発明は図1のマスクに限定されるものではない。具体的には、次のような変形例であっても、通気係数(Ca)が50〜200である限り、遮蔽部材がなくても、気温が低い環境下においても、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクである。
(イ)本発明のマスクのマスク本体1の外形は長方形状である必要はない。例えば、マスク本体1の左耳側端部の上端部、下端部、右耳側端部の上端部、下端部が面取り、又は角が丸められた、樽状形状であっても良い。
(ロ)マスク本体1は不織布を含んでいれば良く、不織布以外の繊維シート(例えば、織物、編物、ガーゼなど)を含んでいても良い。また、不織布や繊維シートを構成する繊維は機能性成分を含んでいても良い。例えば、不織布や繊維シートを構成する繊維は、消臭性能を有する活性炭、精油(例えば、保湿性を有するツバキ油、清涼性を有するハッカ油など)、抗菌剤、酸化チタンなどの触媒、芳香剤などを含んでいることができる。なお、これら機能性成分は不織布や繊維シートを構成する繊維に含まれている必要はなく、繊維間、不織布等の繊維シート間に含まれていることもできる。
(ハ)耳掛け部材2a、2bはマスク本体1の左耳側端部の上端部、下端部、右耳側端部の上端部、下端部に固定されている必要はない。例えば、左耳側端部の上端部、下端部、右耳側端部の上端部、下端部よりも中央部で固定されていても良い。
(ニ)マスク本体1は3枚の不織布から構成されている必要はない。例えば、1枚、又は2枚以上の不織布から構成されていても良い。なお、2枚以上の不織布から構成されていると、濾過性能、肌あたり性、耐磨耗性などの各種機能を各不織布が有することができるため、機能性に優れるマスクであることができ、好適である。
(ホ)不織布は均一な構造である必要はなく、不均一な構造を有していても良い。例えば、繊維ウエブとスパンボンド不織布とをニードルパンチ又は水流により絡合一体化した場合、繊維ウエブに由来する繊維層と繊維ウエブとスパンボンド不織布とが一体化した複合層を有する不均一な構造を有するが、本発明において使用することができる。
(ヘ)マスク本体1が襞折りされたプリーツ型である必要はない。例えば、マスク本体が成形された成形型マスク、ガーゼマスクと同様の平型マスク、シート状の不織布を鼻梁の伸びる方向に沿って折り畳んだ折畳み型マスクであっても良い。また、図1のように、山折り襞17a、17b、17cの稜線が左耳側から右耳側へ向かって伸びるように襞折りされている必要はなく、例えば、山折り襞の稜線が鼻梁側から顎側の方向へ向かって伸びるように襞折りされていても良い。
(ト)襞折りの状態は特に限定するものではない。例えば、図2と同様の切断面における形状が、Ω形状、鋸歯形状、又はこれらの組合せ(図1)などであることができる。
(チ)融着部11a、11b、12a、12b、13、15a、15bは断続的に伸びる融着部である必要はなく、連続的に伸びていても良い。
(リ)融着部11a、11b、12a、12b、13、14a、14b、14c、14d、15a、15bに替えて、ホットメルト樹脂等の接着剤により接着していても良いし、縫合していても良い。
(ヌ)密着部材11を必ず備えている必要はない。しかしながら、マスク着用時のマスク本体1と顔面との密着性を高めることができるように、密着部材11を備えているのが好ましい。なお、密着部材11は平板状である必要はなく、例えば、断面が円形であっても良い。
(ル)形状保持部材12を必ず備えている必要はない。また、形状保持部材12は平板状である必要はなく、例えば、断面が円形であっても良い。
(ヲ)耳掛け部材2a、2bは融着により固定されている必要はなく、例えば、ホットメルト樹脂等の接着剤により接着されていても良いし、縫合されていても良い。
(ワ)低通気シート18を必ず備えている必要はない。備えていたとしても、マスク本体1の鼻梁側端部における融着部11bによって、低通気シート18の鼻梁側端部の一辺のみが融着固定されていても良い。また、低通気シート18は外側不織布16aよりも更に外側に配置されている必要はなく、口元不織布16cよりも更に口元側に配置されていても良いし、外側不織布16aと濾過不織布16bとの間、濾過不織布16bと口元不織布16cとの間のように、不織布間に配置されていても良い。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(スパンボンド不織布Aの準備)
ポリプロピレン繊維からなり、部分的に融着したスパンボンド不織布A(目付:20g/m、厚さ:0.22mm、通気度:415cm/cm・sec.、繊維径:21μm、連続繊維、融着面積:11%)を用意した。
(スパンボンド不織布Bの準備)
芯をポリプロピレン樹脂、鞘をポリエチレン樹脂とする芯鞘型複合繊維からなり、部分的に鞘成分が融着したスパンボンド不織布B(目付:15g/m、厚さ:0.12mm、通気度:523cm/cm・sec.、繊維径:21μm、連続繊維、融着面積:11%)を用意した。
(スパンボンド不織布Cの準備)
ポリプロピレン繊維からなり、部分的に融着したスパンボンド不織布C(目付:15g/m、厚さ:0.16mm、通気度:750cm/cm・sec.、繊維径:28μm、連続繊維、融着面積:22%)を用意した。
(スパンボンド不織布Dの準備)
ポリオレフィン繊維からなり、部分的に融着したスパンボンド不織布D(目付:25g/m、厚さ:0.26mm、通気度:280cm/cm・sec.、繊維径:20μm、連続繊維、融着面積:16%)を用意した。
(スパンボンド不織布Eの準備)
ポリオレフィン繊維からなり、部分的に融着したスパンボンド不織布E(目付:25g/m、厚さ:0.23mm、通気度:310cm/cm・sec.、繊維径:25μm、連続繊維、融着面積:10%)を用意した。
(帯電メルトブロー不織布Aの準備)
ポリオレフィン繊維からなるメルトブロー不織布A(目付:30g/m、厚さ:0.16mm、通気度:36cm/cm・sec.)を用意し、このメルトブロー不織布Aにコロナ放電による帯電処理を施し、帯電メルトブロー不織布Aとした。
(帯電不織布の準備)
ポリプロピレン短繊維(繊度:2.2dtex、繊維径:18μm、繊維長:51mm)40mass%と、アクリル短繊維(繊度:2.2dtex、繊維径:15μm、繊維長:51mm)60mass%とを混綿し、カード機によって開繊して繊維ウエブを形成した後、スパンボンド不織布Cに積層し、積層繊維ウエブとした。
続いて、この積層繊維ウエブに、針番手40のクロスバーブニードルを針深さ16mm、針密度34本/cmの条件でニードルパンチを行い絡合して、目付が80g/mで厚さが1.4mmの帯電不織布(通気度:215cm/cm・sec、捕集効率:97%)を作製した。この帯電不織布はカード機によって開繊して繊維ウエブを作製する際、及びニードルパンチの際に、摩擦により帯電した不織布であった。
(低通気複合シート)
低通気シートとして、ポリエチレンフィルムをポリプロピレン不織布にラミネート加工した低通気複合シート(フラジール通気度:1cm/cm・sec.以下、長さ:172mm、幅:35mm、厚さ:0.15mm、目付:20g/m)を用意した。
(密着部材)
密着部材として、長さ85mmの紐状ポリエチレン樹脂(断面:幅4mm、厚さ0.6mmの長方形状)を用意した。
(形状保持部材)
形状保持部材として、長さ140mmの紐状ポリプロピレン樹脂(断面:幅4mm、厚さ0.6mmの長方形状)を用意した。
(耳掛け部材)
耳掛け部材として、長さ17cmのポリエステル繊維とポリウレタン繊維からなる紐(断面:幅3mm、厚さ1.5mmの長方形状)を用意した。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
表1に示すように、外側不織布16a、濾過不織布16b及び口元不織布16cを積層した積層不織布16を、図6に示すように襞折り加工、及び密着部材11、形状保持部材12、耳掛け部材2a、2b、低通気複合シート18を配置し、超音波による融着加工により、図7に示す寸法で融着部11a、11b、12a、12b、13、14a、14b、14c、14d、15a、15bを形成して、長方形状のプリーツ型マスク[(鼻梁−顎)方向の長さ:88mm、(右耳−左耳)方向の長さ:172mm]を製造した。なお、耳掛け部材2a、2bに関しては、耳掛け部材2a、2bの融着位置を変え、その長さを調整することにより、表1に示す伸長時応力とした。
Figure 0006293340
(眼鏡曇り及び装着感の評価)
次の手順により、視力検査を行なった。
(1)温度摂氏4℃、相対湿度70%に設定した恒温恒湿室において、眼鏡未着用の状態で、ランドルト環を用いる視力検査を行い、視力が1.0となる位置を決める。
(2)実施例1〜5又は比較例1〜4のマスクを着用した後、眼鏡(安全ゴーグル)を着用し、3回深呼吸を行う。
(3)前記(1)の視力が1.0の位置で、ランドルト環を用いる視力検査を行う。
(4)前記(1)〜(3)の視力検査を3人について行い、眼鏡着用後の視力検査の結果を算術平均し、小数点以下第2位を四捨五入する。
前記(2)の深呼吸により、呼気によって眼鏡が曇りやすく、視界が不良となり、視力が低下しやすいことから、(4)の算術平均した視力から、マスクによる眼鏡の曇りやすさを評価した。
また、視力検査とは別に、3人の被験者による官能評価を行い、官能評価結果を算術平均し、小数点以下第2位を四捨五入して、マスクによる眼鏡の曇りやすさを評価した。なお、官能評価は曇りやすい場合を「5」、曇りにくい場合を「1」と評価する5段階とした。
更に、視力検査の際のマスクの装着感について、3人の被験者による官能評価を行い、官能評価結果を算術平均し、小数点以下第2位を四捨五入して、マスクの装着感を評価した。なお、官能評価は次の基準とした。
1:耳への負担はないものの、マスクが顔面と密着せず、マスク性能に不安を感じる
2:耳への負担はないものの、マスクと顔面との密着性にやや不安を感じる
3:マスクが顔面と密着し、耳への負担もなく、快適に着用できる
4:マスクが顔面と密着するものの、耳への負担をやや感じる
5:マスクが顔面と密着するものの、耳への負担が大きく、使用に耐えない
これらの結果は表1に示す通りであった。実施例1〜5と比較例1〜4との比較から、通気係数が50〜200であるマスクは眼鏡が曇りにくく、装着感も優れるマスクであることが分かった。
また、実施例1〜3と実施例4〜5との比較から、通気係数が60〜150であると、マスクが曇りにくいことに加えて、より装着感に優れていることが分かった。
本発明のマスクは遮蔽部材がなく、気温が低い場合に着用しても、眼鏡が曇りにくく、視界を遮りにくいマスクである。特に、視界を遮りにくいプリーツ型マスクである。
1 マスク本体
11 密着部材
12 形状保持部材
11a、11b、12a、12b、13、14a、14b、14c、14d、15a、15b 融着部
16 積層不織布
16a 外側不織布
16b 濾過不織布
16c 口元不織布
17a、17b、17c 山折り襞
18 低通気シート
19a、19b、19c 谷折り襞
2a、2b 耳掛け部材
C チャック
F 円柱状フック
O 外部環境側
I 口元側

Claims (4)

  1. 2枚以上の不織布を含むマスク本体と、マスク本体を耳に固定できる耳掛け部材と、マスク本体に、鼻梁との密着性を向上させることのできる密着部材とを有するマスクであり、次の式から算出される通気係数(Ca)が58〜182であることを特徴とするマスク。
    Ca=Ap×Se
    ここで、Apはマスク本体の通気度(単位:cm/cm・sec.)、Seは耳掛け部材を95mm伸長した時の応力(単位:N)、をそれぞれ意味する。
  2. マスク本体の通気度が50cm/cm・sec.以上であることを特徴とする、請求項1記載のマスク。
  3. マスク本体を構成する不織布として、帯電不織布を有することを特徴とする、請求項1又は2記載のマスク。
  4. マスク本体が襞折りされたプリーツ型マスクであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のマスク。
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