JP7091386B2 - 酸素バーナ - Google Patents

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Description

本発明は、超音速で酸素を噴出し、火炎を形成する酸素バーナに関するものである。
従来から、工業炉における炉内の加熱には、例えば、燃料ガスと酸化剤とによって火炎を発生させるバーナが用いられている。バーナに供給する酸化剤としては、一般的には空気が用いられるが、加熱効率の向上や省エネルギー等の観点から、空気に酸素を混合した酸素富化空気、あるいは、酸素からなる支燃性ガスが用いられることがある。
例えば、製鋼分野における電気炉を用いたプロセスでは、鉄屑等の冷鉄源からなる原料をアークで加熱して溶解させるにあたり、これを補助するために、炉内に酸素を噴出させるか、あるいは、酸素バーナによる火炎を噴出させることで、原料の加熱溶解を促進している。このとき、酸素の噴出速度は、できる限り高い方が加熱効果を高められることから、従来から、酸素を超音速で炉内に吹き込む処理等が行われている。
一般に、酸素を超音速で噴出させる場合には、例えば、流路の断面を一旦収縮させた後、再び断面が拡大するように構成した、所謂ラバールノズルと呼ばれるものが広く用いられている(例えば、特許文献1,2を参照)。
ここで、ラバールノズルによる流体の速度(マッハ数M)は、ノズルの一次圧力P、二次圧力P及び比熱比γで表され、下記(1)式で表される関係を有する。
Figure 0007091386000001
上記(1)式中、M:マッハ数(-)、γ:酸素ガスの比熱比(-)、P:ノズルの一次圧力(供給側の酸素ガスの圧力:Pa)、P:ノズルの一次圧力(供給側の酸素ガスの圧力:Pa)である。
また、酸素のマッハ数、及び、噴出先の圧力が既知である場合には、必要な供給圧力が一義的に求められる。ここで、音速α(m/s)は、気体定数R、ガス温度Tを用いて、下記(2)式で求められる。
Figure 0007091386000002
上記(2)式中、α:音速(m/s)、γ:酸素ガスの比熱比(-)、R:気体定数(J/(kg・K))、T:酸素ガス温度(K)である。
図5に、一般的なラバールノズルの構造を示す。
図5中において、ガスの流れ方向は、図5の横幅方向で右側から左側となる(図5中の矢印を参照)。図5に示すようなラバールノズルにおいては、流路断面積を収縮させることにより、速度を音速まで上昇させ、その後、流路断面積を拡大させることで、断熱膨張現象を利用して酸素の超音速流を生成する。図5に示すラバールノズルにおいて、最も流路が絞られる内径Dの位置がスロートと呼ばれ、その下流側における膨張したガスの圧力が、ノズルの出口における雰囲気圧力と等しくなる位置の径をDとすると、このDの位置における膨張の度合いを適正膨張と呼ぶ。そして、Dの位置の断面積をA=πD /4、Dの位置の断面積をA=πD /4とすると、各断面積の関係は、マッハ数M及び比熱比γを用いて、下記(3)式で表される。
Figure 0007091386000003
上記(3)式中、A:図5中に示すDの位置の断面積(m)、A:図5中に示すDの位置の断面積(m)、M:マッハ数(-)、γ:酸素ガスの比熱比(-)である。
また、このときの質量流量mは、ガス流入時の圧力P及び温度Tから、下記(4)式で求められる。
Figure 0007091386000004
上記(4)式中、m:質量流量(kg/s)、A:図5中に示すDの位置の断面積(m)、P:酸素ガス流入時の圧力(Pa)、R:気体定数(J/(kg・K))、T:酸素ガス温度(K)、γ:酸素ガスの比熱比(-)である。
従って、上記(1)~(4)式を用いて、設計マッハ数、設計流量、ガス種、流入温度を決定すると、ラバールノズルの内径D,Dが決定する。
特開2004-093110号公報 特開2003-194307号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載されたようなラバールノズルを用いた場合、ノズルの内径が上記各式で決定されると、設計時の定格流量及び設計圧力以外では、適正膨張を達成することができないという問題がある。即ち、設計値よりも流量が小さいか、あるいは、雰囲気圧力が低い場合には、ノズル内においてガスが膨張し過ぎる、所謂過膨張の状態になるという問題があった。一方、設計値よりも流量が大きいか、あるいは、雰囲気圧力が高い場合には、ガスが十分に膨張しないままで噴出する、所謂不足膨張の状態となり、エネルギーロスが生じるという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、設計値とは異なるガスの流量や圧力で運転条件が変動した場合であっても、エネルギーロスを抑制しながら超音速噴流を達成でき、且つ、噴流速度が減衰するのを抑制することが可能な酸素バーナを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の態様を包含する。
即ち、請求項1に係る発明は、少なくとも、中心軸と同軸で配置され、下流端側に設けられた支燃性ガス噴出口から酸素を含む支燃性ガスを噴出する支燃性ガス流路と、前記支燃性ガス流路よりも外周側に、該支燃性ガス流路を取り囲むように平行に配置され、前記下流端側に設けられた燃料ガス噴出口から燃料ガスを噴出する複数の燃料ガス流路とを備える酸素バーナであって、前記支燃性ガス流路の内部に、前記支燃性ガス流路と同軸となるように配置されたプラグを有し、前記プラグは、前記支燃性ガスの噴出方向における下流側の少なくとも一部に、前記支燃性ガスの噴出方向に向かうに従って外径が漸次縮小する第1テーパ部が設けられ、前記支燃性ガス噴出口は、前記支燃性ガス流路の内面と前記プラグとの隙間からなり、且つ、前記下流端側から見た平面視形状が環状である、酸素バーナである。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の酸素バーナであって、前記プラグは、さらに、前記支燃性ガスの噴出方向における上流側に、下流側に向かうに従って外径が漸次拡大する第2テーパ部が設けられており、前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との間が、外径が一定の直胴部とされている、酸素バーナである。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の酸素バーナであって、前記支燃性ガス流路における内面は、前記支燃性ガスの噴出方向における下流側が、該下流側に向かうに従って内径が漸次縮小する縮径部とされるとともに、前記支燃性ガスの噴出方向における上流側が、下流側に向かうに従って内径が漸次拡大する拡径部とされ、さらに、前記縮径部と前記拡径部との間が、内径が一定の大径部とされている、酸素バーナである。
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の酸素バーナであって、前記支燃性ガス流路と前記プラグとは、前記縮径部と前記第1テーパ部とが対向するように配置されるとともに、前記拡径部と前記第2テーパ部とが対向するように配置され、さらに、前記大径部と前記直胴部とが対向するように配置されている、酸素バーナである。
また、請求項5に係る発明は、請求項1~請求項4の何れかに記載の酸素バーナであって、前記支燃性ガス噴出口は、前記支燃性ガスを超音速で噴出する、酸素バーナである。
また、請求項6に係る発明は、請求項1~請求項5の何れかに記載の酸素バーナであって、前記燃料ガス噴出口は、前記下流端側から見た平面視で前記支燃性ガス噴出口を取り囲むように複数で配置されている、酸素バーナである。
また、請求項7に係る発明は、請求項6に記載の酸素バーナであって、さらに、前記複数の燃料ガス流路よりも外周側に、該複数の燃料ガス流路を取り囲むように平行に配置され、前記下流端側に設けられた周囲支燃性ガス噴出口から前記支燃性ガスを噴出する複数の周囲支燃性ガス流路を備え、前記周囲支燃性ガス噴出口は、前記下流端側から見た平面視で前記燃料ガス噴出口を取り囲むように複数で配置されている、酸素バーナである。
また、請求項8に係る発明は、請求項1~請求項7の何れかに記載の酸素バーナであって、前記プラグは、前記第1テーパ部が前記中心軸に対してなす角度θが30°未満である、酸素バーナである。
本発明に係る酸素バーナによれば、上記のように、支燃性ガス流路の内部に、支燃性ガスの噴出方向に向かうに従って外径が漸次縮小する第1テーパ部を有するプラグを配置し、支燃性ガス流路の内面と前記プラグとの隙間からなる支燃性ガス噴出口から支燃性ガスを噴出する構成を採用している。これにより、超音速で酸素を含む支燃性ガスを噴出させる際、設計値とは異なるガスの流量や圧力で運転条件が変動した場合であっても、従来のラバーノズルを使用した場合と比較して、エネルギーロスを抑制しながら超音速噴流を達成できる。また、エネルギーロスを抑制することで、噴流速度が減衰することも抑制できる。
従って、工業炉内を加熱する用途、例えば、鉄屑等の冷鉄源からなる原料を加熱して溶解させるプロセス等において、炉内に酸素を噴出させるか、あるいは、酸素バーナによる火炎を噴出させる際、安定した超音速噴流によって原料の加熱溶解を効果的に促進することが可能になる。
本発明に係る酸素バーナの作用について説明するための模式図であり、酸素バーナの中心軸を含むエアロスパイクノズルの基本構造の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態である酸素バーナについて模式的に説明する図であり、図2(a)は燃焼ガス流路を備えた酸素バーナの一例を示す平面図、図2(b)は図2(a)中に示したA-A断面図、図2(c)は燃焼ガス流路を含まない例の酸素バーナの断面図、図2(d),(e)は支燃性ガス流路内に設けられるプラグの形状の一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態である酸素バーナについて模式的に説明する図であり、酸素バーナの他の例を示す断面図である。 本発明の一実施形態である酸素バーナについて模式的に説明する図であり、図4(a)は燃焼ガス流路及び周囲支燃性ガス流路を備えた酸素バーナの一例を示す平面図、図4(b)は図4(a)中に示したB-B断面図である。 従来からバーナに用いられているラバールノズルの構造について説明する断面図である。 従来からバーナ用いられているラバールノズルの構造について説明する断面図である。 本発明に係る酸素バーナの実施例について説明する図であり、酸素バーナの各噴出口からの距離をノズルの口径で除した値と、支燃性ガスの噴流のマッハ数との関係を示すグラフである。 本発明に係るバーナの実施例について説明する図であり、支燃性ガスの流量と火炎長との関係を示すグラフである。
以下、本発明を適用した一実施形態である酸素バーナについて、図1~図4を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係る酸素バーナは、例えば、転炉や電気炉等の金属の溶解・製錬炉において、金属を加熱用途等に適用することが可能なものである。
図1は、本発明に係る酸素バーナの作用について説明するための模式図であり、酸素バーナの中心軸を含むエアロスパイクノズル1を示す断面図である。
図2(a)~(e)は、それぞれ、本発明の第1実施形態である酸素バーナ1Aの構造を説明する図であり、図1に示したエアロスパイクノズル1に対し、さらに燃焼ガス流路を備えたバーナの例を示す図である。
図3は、本発明の第1実施形態において、燃焼ガス流路を備えた他の例の酸素バーナ1Bの構造を説明する断面図である。
図4(a),(b)は、本発明の第2実施形態である酸素バーナ1Cの構造を説明する図であり、さらに周囲支燃性ガス流路を備えた例の構造を示す断面図である。
なお、本明細書において参照する各図面は、それぞれ、各ガス流路及び噴出口の配置関係等を示すための模式図であることから、バーナノズルとしての構成の図示を一部省略している。また、以下の説明においては、酸素バーナを構成する各部の位置関係を規定するにあたり、バーナ中を流れる流体(ガス)の流れる方向を利用する。即ち、例えば、下流側といえば、バーナの先端側(下流端側)のことをいう。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る第1実施形態の酸素バーナの構成について詳述する。
以下の説明においては、まず、図2(a),(b)に示すような酸素バーナ1A内に備えられる、図1に示したエアロスパイクノズル1を参照して、本発明に係る酸素バーナで採用する、所謂エアロスパイクノズルの構成及び作用について説明する。
図1に示すエアロスパイクノズル1は、少なくとも、中心軸Jと同軸で配置され、下流端1a側に設けられた支燃性ガス噴出口21から酸素を含む支燃性ガスG2を噴出する支燃性ガス流路2を備える。また、エアロスパイクノズル1は、支燃性ガス流路2の内部に、この支燃性ガス流路2と同軸となるように配置されたプラグ3を有している。このプラグ3は、支燃性ガスG2の噴出方向における下流側の少なくとも一部に、支燃性ガスG2の噴出方向に向かうに従って外径が漸次縮小する第1テーパ部31が設けられている。そして、本実施形態のエアロスパイクノズル1は、支燃性ガス噴出口21が、支燃性ガス流路2の内面22とプラグ3との隙間からなり、且つ、下流端1a側から見た平面視形状が環状とされている。
図1に示すエアロスパイクノズル1は、上記構成を備えることで、下流端1a側に設けられた支燃性ガス噴出口21から酸素を含む支燃性ガスG2を超音速噴流で噴出するものであり、エアロスパイクノズル構造としての最も基本的な構造を有するものである。
エアロスパイクノズルとは、上述したようなエネルギーロスを抑制するため、特に航空宇宙分野で研究が続けられてきたノズル形状であり、図1に示す例のエアロスパイクノズル1のように、流路(支燃性ガス流路2)内の中央(中心軸Jと同軸)に、プラグ(プラグ3)と称され、突起を有する構造部材を有する。
そして、図示例のエアロスパイクノズル1は、図5に示した従来から用いられているラバールノズルの場合と同様、下記(1)~(4)式を満たすものである。
Figure 0007091386000005
Figure 0007091386000006
Figure 0007091386000007
Figure 0007091386000008
上記(1)式中、M:マッハ数(-)、γ:酸素ガスの比熱比(-)、P:ノズルの一次圧力(供給側の酸素ガスの圧力:Pa)、P:ノズルの一次圧力(供給側の酸素ガスの圧力:Pa)である。
また、上記(2)式中、α:音速(m/s)、γ:酸素ガスの比熱比(-)、R:気体定数(J/(kg・K))、T:酸素ガス温度(K)である。
また、上記(3)式中、A:図1中に示すAの位置の断面積(m)、A:図1中に示すAの位置の断面積(m)、M:マッハ数(-)、γ:酸素ガスの比熱比(-)である。
また、上記(4)式中、m:質量流量(kg/s)、A:図1中に示すAの位置の断面積(m)、P:酸素ガス流入時の圧力(Pa)、R:気体定数(J/(kg・K))、T:酸素ガス温度(K)、γ:酸素ガスの比熱比(-)である。
図1に例示するようなエアロスパイクノズル1によれば、支燃性ガスG2がプラグ3の表面3aに沿って流れながら膨張し、流速が加速的に増大し、支燃性ガス噴出口21から外部に向けて支燃性ガスG2を超音速噴流で噴出する。これにより、仮に、支燃性ガスG2の流量が変化するか、あるいは、支燃性ガスG2は一定で雰囲気圧力が変化した場合であっても、常に、適正膨張を保持できる超音速噴流が形成される。
より詳細には、本実施形態のエアロスパイクノズル1によれば、まず、支燃性ガスG2がプラグ3における第1テーパ部31の表面3a近傍で膨張するとともに、この支燃性ガスG2のジェットの圧力が低下し、雰囲気圧とジェットの内圧が等しくなったところで、支燃性ガス噴出口21における支燃性ガス流路2側の先端部からジェットが離れる。そして、支燃性ガス噴出口21から噴出した環状のジェットがプラグ3の先端32近傍で合流することで、中実のジェットからなる支燃性ガスG2が外部に噴出される。このようなジェットの噴出速度は、支燃性ガスG2の流量が変化した場合でも何ら影響を受けず、また、支燃性ガスG2の流量が一定で雰囲気圧力が変化した場合も何ら影響を受けない。つまり、従来から用いられているラバールノズルは、ガス流体を末広がり形態で強制拡大する構造であるのに対し、本実施形態の酸素バーナ1Aに用いられるエアロスパイクノズル1においては、支燃性ガスG2が自由に拡大可能な構造、即ち、雰囲気圧力等に応じて膨張し、支燃性ガスG2の流速が加速される構造とされている。
なお、支燃性ガスG2がプラグ3の表面3aに沿って流れながら膨張する作用を得るためには、支燃性ガス流路2(支燃性ガス噴出口21)は、径方向で内側、即ち、中心軸J側に向かうように開口していることがより好ましい。
より具体的には、プラグ3における第1テーパ部31が、中心軸Jに対してなす角度θが30°未満となるように構成されていることがより好ましい。
上記のように、第1テーパ部31と中心軸Jとがなす角度θを30°未満とすることにより、支燃性ガスG2がプラグ3の表面3aに沿って断熱膨張する際の、流れの剥離や不要な乱れが生じるのを抑制できる。また、エアロスパイクノズル1の製作過程で生じる誤差等に起因する、流速の理論値からのずれが生じるのを抑制することが可能となる。これにより、支燃性ガスG2の噴流が乱れることなく超音速化する作用が安定的に得られる。
一方、第1テーパ部31と中心軸Jとがなす角度θが30°以上だと、支燃性ガスG2の流路が急激に広がるため、計算上で意図した超音速流が得られ難くなる場合がある。また、軸方向における僅かな製作過程で生じる誤差等により、支燃性ガス噴出口21の断面積に大きなずれが生じるおそれがあるため、実用上好ましくない。
なお、第1テーパ部31が中心軸Jに対してなす角度θの下限は、支燃性ガスG2の流れの観点からは、特に設定すべきものではない。しかしながら、プラグ3の長さ等を考慮した場合、上記角度θの下限値は、例えば、5°であり、好ましくは10°とすることができる。一方、上記角度θが大きめである方が、プラグ3の軸方向長さを短く設計でき、エアロスパイクノズルを有する酸素バーナの全体長さをコンパクトにできるだけでなく、プラグ3がバーナの火炎や炉からの熱の影響を受け難くなる観点から好ましい。
但し、支燃性ガスG2がプラグ3の表面3aで膨張できるようであれば、第1テーパ部31と中心軸Jとがなす角度θ、即ち、支燃性ガス噴出口21の開口方向は上記には限定されず、例えば、支燃性ガスG2の噴出方向が中心軸Jと平行となるように開口していても構わない。
なお、支燃性ガス流路2は、図示例のようなスリット状(円筒状)であることが好ましい。即ち、下流端1a側から支燃性ガス噴出口21を見た時の形状が円管状であることが好ましい。これにより、酸素を含む支燃性ガスG2がプラグ3の表面3a上で膨張し、超音速で流れやすくなる。
一方、支燃性ガス流路は、上記のような構成には限定されず、例えば、複数の孔から支燃性ガス流路を構成してもよい。この場合、プラグ3に発生する熱は、エアロスパイクノズル1における支燃性ガス流路2の無い部分を効果的に伝播してゆくので、プラグ3が劣化し難くい。
なお、支燃性ガス流路2(支燃性ガス噴出口21)の数、口径及び配置形態は、エアロスパイクノズルが備えられる酸素バーナのサイズ等に応じて適宜決定すればよい。
図1に示すエアロスパイクノズルによれば、プラグ3に上記のような第1テーパ部31が設けられていることで、上記のような、支燃性ガスG2の流量や雰囲気圧力の変化に影響を受けることなく、超音速噴流で支燃性ガスG2を噴出することが可能となる。
一方、本実施形態では、図示例のように、プラグ3として、支燃性ガスG2の噴出方向における下流側に第1テーパ部31が設けられるとともに、さらに、支燃性ガスG2の噴出方向における上流側に、下流側に向かうに従って外径が漸次拡大する第2テーパ部33が設けられ、第1テーパ部31と第2テーパ部33との間が、外径が一定の直胴部34とされたものを採用することがより好ましい。このような構成を採用することにより、上述したようなエアロスパイクノズル構造による、支燃性ガスG2の流量や雰囲気圧力の変化に影響を受けることなく、超音速噴流で支燃性ガスG2を噴出できる効果がより顕著に得られる。
また、図示例のエアロスパイクノズル1は、支燃性ガス流路2における内面22は、支燃性ガスG2の噴出方向で下流側が、この下流側に向かうに従って内径が漸次縮小する縮径部23とされるとともに、支燃性ガスG2の噴出方向で上流側が、下流側に向かうに従って内径が漸次拡大する拡径部25とされ、さらに、縮径部23と拡径部25との間が、内径が一定の大径部24とされている。
さらに、図示例のエアロスパイクノズル1は、支燃性ガス流路2とプラグ3とが、縮径部23と第1テーパ部31とが対向するように配置されるとともに、拡径部25と第2テーパ部33とが対向するように配置され、さらに、大径部と直胴部34とが対向するように配置されている。
本実施形態のエアロスパイクノズル1は、上記構成を採用することで、上述したエアロスパイクノズル構造によって得られる効果がさらに顕著となる。
次に、本発明を適用した一実施形態として、図2(a)~(e)に示すような、火炎を生成する酸素バーナ1Aについて説明する。
図2(a),(b)に示す酸素バーナ1Aは、図1に示したエアロスパイクノズル1、即ち、酸素を含む支燃性ガスG2を超音速噴流で噴出するエアロスパイクノズル構造を、火炎を生成する酸素バーナに適用したものである。
即ち、図2(a),(b)に示す酸素バーナ1Aは、図1に示したエアロスパイクノズル1に対し、さらに、支燃性ガス流路2よりも外周側に、この支燃性ガス流路2を取り囲むように平行に配置され、下流端1a側に設けられた燃料ガス噴出口41から燃料ガスG1を噴出する複数の燃料ガス流路4を備えている。また、図示例の燃料ガス噴出口41は、下流端1a側から見た平面視で支燃性ガス噴出口21を取り囲むように複数で配置されており、図示例では、燃料ガス噴出口41が、16箇所で均等な間隔で環状に配置されている。
図示例の酸素バーナ1Aは、上記構成を備えることにより、下流端1a側に設けられた支燃性ガス噴出口21から支燃性ガスG2を噴出するとともに、複数の燃料ガス噴出口41から燃料ガスG1を噴出することで、火炎を形成させる。
図2(a),(b)に示す例の酸素バーナ1Aによれば、酸素を含む支燃性ガスG2が支燃性ガス噴出口21から超音速で噴出するのと同時に、この支燃性ガスG2を外周側から包み込むように、燃料ガス噴出口41から燃料ガスG1が噴出することにより、火炎に包まれた酸素噴流が形成される。これにより、より安定して火炎を維持できる。
燃料ガス流路4は、酸素バーナ内部の冷却効率の観点から、図示例のように複数で設けられていることが好ましい。これは、酸素バーナ1Aにおいて熱が伝導するのは、貫通孔からなる燃料ガス流路4が無い部分となるため、このような部分ができるだけ少ないことが好ましいためである。一方、燃料ガス流路4は、支燃性ガス流路2と同様、スリット状(円筒状)に構成してもよい。
なお、燃料ガス流路4(燃料ガス噴出口41)の数、口径及び配置形態は、酸素バーナのサイズ等に応じて適宜決定すればよい。
なお、支燃性ガス流路2内においてプラグ3を固定する方法としては、特に限定されない。例えば、図2(c)の部分図面に示すように、支燃性ガス流路2の上流端1b側において、プラグ3の他端35がフランジ状とされ、この他端35が支燃性ガス流路2の内面22に接合されることで、プラグ3が固定される構成を採用してもよい。
また、図2(c)に示す例では、フランジ状とされた他端35に、支燃性ガスG2を流通させるための孔部35aが複数で設けられている。
また、図2(b),(c)中に示すプラグ3は、表面3a(第1テーパ部31)が先端32に向けて直線的に縮径する円錐形状とされており、加工性の観点からはこのような形状がこのましいが、プラグの先端形状は、このような形状には限定されない。
例えば、図2(d)に示すプラグ3Aのように、表面3aが凹むような断面円弧状の曲面からなる第1テーパ部31Aを有した形状であってもよい。あるいは、図2(e)に示すプラグ3Bのように、表面3aが膨らむような断面円弧状の曲面からなる第1テーパ部31Bを有した形状であってもよい。
中でも、図2(d)に示す表面形状のプラグ3Aだと、支燃性ガスG2の噴流がプラグ3Aの表面3aから流れ出すときに、噴流の向きが軸方向に揃うと考えられることから、特に好ましい。
あるいは、本実施形態においては、図3に示す例の酸素バーナ1Bのように、プラグ3Cの先端32Cが、鋭角な部分が切り落とされた平坦形状を有するものであってもよい。このような形状のプラグ3Cを採用した場合においても、上述したエアロスパイクノズル構造による作用が効果的に得られる。
また、安全性や酸素バーナの設置の自由度等の観点からは、図3中に示す例のプラグ3Cのように、先端32Cが平坦形状であることが好ましい。即ち、酸素バーナ1Bに備えられるプラグ3Cは、先端32Cが鋭利な形状ではないため、安全に取り扱うことが可能である。
一般的に、本実施形態で説明するような酸素バーナを、例えば、電気炉等の補助熱源として設置する場合、電気炉の熱源(電極)からの一定の距離を確保しながら酸素バーナを設置する必要がある。図3に示す酸素バーナ1Bのように、プラグ3Cの先端32Cが平坦であると、先端が鋭利な形状である場合に比べて軸方向の寸法が短いため、炉内における設置自由性が高められるというメリットがある。
なお、支燃性ガス流路2及び燃料ガス流路4の横断面形状、並びに、支燃性ガス噴出口21及び燃料ガス噴出口41の平面視形状は、超音速噴流を得る観点から円形状であることが好ましいが、これに限定されるものではない。即ち、プラグに上述した第1テーパ部が設けられていれば、支燃性ガス流路及び燃料ガス流路の横断面形状、並びに、支燃性ガス噴出口及び燃料ガス噴出口の平面視形状は、例えば矩形状等であってもよい。
本実施形態の酸素バーナのように、酸素を含む支燃性流体が供給される支燃性ガス流路の軸心に、プラグのような先細り形状の構造物を備え、この構造物の外周部の隙間から支燃性ガスを噴出することにより、噴出速度を超音速とする場合に、従来から用いられているラバールノズルと比較して、定格よりも流量が低い場合や、雰囲気圧力が変動する条件において、エネルギーロスの小さな超音速噴流を形成できる。このように、超音速噴流を形成する際のエネルギーロスを抑制することで、噴流の速度が減衰することも抑制できる。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態の酸素バーナの構成について、主として図4(a),(b)を参照しながら詳述する。
図4(a),(b)に示す酸素バーナ1Cは、図2(a),(b)に示した酸素バーナ1Aに対し、さらに、複数の燃料ガス流路4よりも外周側に、これら複数の燃料ガス流路4を取り囲むように平行に配置され、下流端1a側に設けられた周囲支燃性ガス噴出口51から支燃性ガスG2を噴出する複数の周囲支燃性ガス流路5を備えている。また、周囲支燃性ガス噴出口51は、下流端1a側から見た平面視で燃料ガス噴出口41を取り囲むように複数で配置されている。
また、周囲支燃性ガス噴出口51は、下流端1a側から見た平面視で、燃料ガス噴出口41及び支燃性ガス噴出口21を取り囲むように複数で配置されており、図示例では、周囲支燃性ガス噴出口51が、燃料ガス噴出口41と対応するように、16箇所で均等な間隔で環状に配置されている。
図示例の酸素バーナ1Cは、上記構成を備えることにより、下流端1a側に設けられた支燃性ガス噴出口21から支燃性ガスG2を噴出するとともに、複数の燃料ガス噴出口41から燃料ガスG1を噴出し、さらに、複数の周囲支燃性ガス噴出口51から支燃性ガスG2を噴出することで、火炎を形成させる。
図4(a),(b)に示す例の酸素バーナ1Cによれば、酸素を含む支燃性ガスG2が支燃性ガス噴出口21から超音速で噴出するのと同時に、この支燃性ガスG2を外周側から包み込むように、複数の燃料ガス噴出口41から燃料ガスG1が噴出する。さらに、燃料ガスG1を外周側から包み込むように、複数の周囲支燃性ガス噴出口51から酸素を含む支燃性ガスG2を噴出させることにより、支燃性ガスG2によって燃料ガスG1を両側から包み込むような(挟み込むような)ガス流れを形成させることで、さらに安定して火炎を維持できる。
さらに、図示例の酸素バーナ1Cは、酸素バーナ1C全体を冷却することが可能な冷却ジャケット6を備えている。
冷却ジャケット6は、図示例においては円筒状とされており、上述した周囲支燃性ガス流路5を、環状空間を介して覆う二重管構造とされている。そして、この環状空間は、冷却水Wが通水される冷却水流路6aとされており、冷却水Wの通水によって酸素バーナ1C全体を冷却可能に構成されている。
図示例の冷却ジャケット6は、入口61側から冷却水Wが通水され、この冷却水Wが冷却水流路6aを通過して出口62から排出される。本実施形態の酸素バーナ1Cにおいては、冷却水Wが冷却水流路6aを通過する際に酸素バーナ1Cを冷却することで、酸素バーナ1C全体を冷却できるように構成されている。
冷却ジャケット6は、例えば、溶銑又は溶鋼からの輻射熱等の負荷の大きさを考慮して設けられるものであり、この輻射熱や、火炎による高温雰囲気から酸素バーナ1Cの各構成部品を保護するとともに、形成される火炎による過渡な加熱を抑制する。
ここで、一般に、流体(ガス)の速度が超音速で大きい場合、火炎を維持することが難しくなるが、燃料ガス流路4の外周側に配置した周囲支燃性ガス流路5から酸素を含む支燃性ガスG2を噴出することにより、安定して火炎を形成し続けることが可能になる。このような作用が得られるメカニズムとしては、以下のような点が挙げられる。
一般的に、火炎面は、燃え広がる速度と、流体(ガス)自体が流れる速度とが釣り合う位置に形成される。ここで、火炎が燃え広がる速度が流体自体の速度よりも高速である場合、火炎は流体の上流側に燃え広がってゆく。一方、火炎が燃え広がる速度よりも流体自体の速度の方が大きい場合、流体の下流側に火炎面が移動してゆき、最終的には火炎を保持できなくなり失火する。このような現象は、通常、火炎が浮き上がる、等と呼ばれることがある。
本実施形態の酸素バーナ1Cは、支燃性ガスG2が超音速で噴出するため、この支燃性ガスG2自体が流れる速度が大きいことから、火炎を保持しにくいバーナとも言える。このような問題を解決するためには、例えば、支燃性ガスの流れを意図的に淀ませる領域が形成可能な構造を採用するか、あるいは、別途、支燃性ガスを供給する方法等が考えられる。本実施形態においては、上記のように、周囲支燃性ガス流路5を設け、支燃性ガス流路2から供給するガスとは別に、支燃性ガスG2を供給することで、安定的に火炎を保持できる。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の酸素バーナ1A,1B,1Cによれば、支燃性ガス流路2の内部に、支燃性ガスG2の噴出方向に向かうに従って外径が漸次縮小する第1テーパ部31を有するプラグ3を配置し、支燃性ガス流路2の内面22とプラグ3との隙間からなる支燃性ガス噴出口21から支燃性ガスG2を噴出する構成を採用している。これにより、超音速で酸素を含む支燃性ガスG2噴出させる際、設計値とは異なるガスの流量や圧力で運転条件が変動した場合であっても、従来のラバーノズルを使用した場合と比較して、エネルギーロスを抑制しながら超音速噴流を達成できる。また、エネルギーロスを抑制することで、噴流速度が減衰することも抑制できる。
従って、工業炉内を加熱する用途、例えば、鉄屑等の冷鉄源からなる原料を加熱して溶解させるプロセス等において、炉内に酸素を噴出させるか、あるいは、酸素バーナによる火炎を噴出させる際、安定した超音速噴流によって原料の加熱溶解を効果的に促進することが可能になる。
以下、本発明の酸素バーナの実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
本実施例においては、図4に示すような、支燃性ガス流路2と、支燃性ガス流路の内部に配置され、第1テーパ部31が設けられたプラグ3と、支燃性ガス流路2を取り囲むように配置された複数の燃料ガス流路4と、燃料ガス流路4を取り囲むように配置された複数の周囲支燃性ガス流路5と、火炎の熱からバーナノズルを保護する冷却ジャケット6とを有する、本発明に係る構成を備えた酸素バーナ1Cを準備し、以下に示す条件で燃焼試験を行った。ここで、プラグ3の第1テーパ部31と中心軸Jとの角度θは20°とした。また、この酸素バーナ1Cの定格噴出速度はマッハ2である。
そして、本実施例では、支燃性ガスG2の流量を定格流量に対して100%の条件とし、また、支燃性ガスG2から噴出される支燃性ガスG2の速度をマッハ2として火炎を形成して挙動(燃焼状態)を観察し、結果を下記表1に示した。
なお、火炎の安定性については、定常的に燃焼が継続するか、又は、火炎が安定して保持し続ける状態が「安定」と定義され、また、運転を継続した際に失火するか、又は、バーナが損傷するおそれがある状態が「不安定」と定義される。
上記に基づき、本実施例では、下記表1において、火炎の安定性について以下の定義に基づいて示した。
(1)安定:火炎面のゆらぎ及び酸素バーナ内部での燃焼等がほとんど見えない。
(2)不安定:火炎面のゆらぎ及び酸素バーナ内部での燃焼等が見える。
(3)失火:火炎が消える。
また、酸素バーナ1Cの各噴出口からの距離をノズルの口径で除した値と、支燃性ガスG2のマッハ数との関係を図7のグラフに示した。
なお、本実施例においては、燃料ガスG1として天然ガスを用いた。
また、支燃性ガスG2として酸素ガスを用いた。
さらに、本実施例においては、支燃性ガスG2の流量を定格流量の条件から段階的に減らし、80%、60%、50%、45%、40%、35%、30%及び25%としたときの燃焼状態を観察し、このときの支燃性ガスG2の流量と火炎長との関係を図8のグラフに示した。
この際、燃料ガスG1の流量は、支燃性ガスG2に含まれる酸素に比例するように調整し、上記、支燃性ガスG2の流量の1/10となるように調整した。
また、燃焼に供される酸素を含む支燃性ガスG2の流量は、支燃性ガス流路2の定格流量に対して2.5%の流量で常時一定とした。
[比較例]
比較例においては、図6に示すような構造のラバールノズル130を有する従来の構成の酸素バーナ100を用い、実施例と同様の条件で燃焼試験を実施して火炎の挙動を観察し、結果を下記表1に示した。
これとともに、比較例における、酸素バーナ100の各噴出口からの距離をノズルの口径で除した値と、支燃性ガスのマッハ数との関係についても、図7のグラフに示した。
なお、比較例で用いた酸素バーナ100は、中央の支燃性ガス流路がラバールノズル構造とされている点を除き、図4に示した酸素バーナ1Cと同様の構造を有するものである。
[参考例1,2]
プラグの第1テーパ部と中心軸Jとの角度θを下記表2に示す角度とした点を除き、実施例と同様の構成を有する酸素バーナを用い、実施例と同様に燃焼試験を実施した。即ち、参考例1,2においては、支燃性ガスの流量を定格流量の条件から段階的に減らし、80%、60%、50%、45%、40%、35%、30%及び25%としたときの燃焼状態を観察し、このときの支燃性ガスの流量と火炎長との関係を図8のグラフに示した。
Figure 0007091386000009
Figure 0007091386000010
[評価結果]
表1及び図7のグラフに示すように、従来のラバールノズル構造からなる酸素バーナを用いた比較例においては、流量が定格の45%以下になると、中央の支燃性ガス流路からの支燃性ガス(酸素ガス)の流れが不安定となり、また、燃焼状態も不安定になった。また、流量が定格の40%以下では失火してしまうことから、それ以下の試験は未実施であった。
これに対し、本発明に係る構成のエアロスパイクノズル構造を有する酸素バーナを用いた実施例においては、燃焼試験の酸素流量の下限である20%まで、常時安定した燃焼状態を維持することができた。
また、図7のグラフに示すように、実施例と比較例は、支燃性ガスの流量が定格流量に対して100%の流量の場合には、ほぼ互角のマッハ数分布を示しているが、定格流量に対して50%の流量の場合には、実施例は、比較例に比べて高速噴流を維持できることが確認できた。
また、図8のグラフに示すように、実施例においては、支燃性ガスの流量に関わらず、一定の長さ以上の火炎長が得られることが確認できた。
さらに、プラグの第1テーパ部と中心軸Jとの角度θを10°とした参考例1においては、実施例とほぼ同等の火炎長となっているものの、上記角度θを30°とした参考例2においては、実施例に比べて火炎長が短くなる結果となった。このように、火炎長が短いと、超音速流の減衰が早くなるとともに、火炎によって加熱可能な距離が短くなることから好ましくない。
図8のグラフに示した結果より、参考例2のように上記の角度θが大きすぎると、支燃性ガスがプラグの表面に沿って断熱膨張する際に、断面積の変化が急峻となるため、不安定な状態となることが要因として考えられる。
また、上記の角度θが大きすぎると、酸素バーナの組立時に誤差が生じた場合に、図1中に示すAの断面積の設計値からのずれが大きくなることも要因として考えられる。従って、プラグの第1テーパ部の角を適切な範囲におさめることがより好ましいことが確認できた。
本発明の酸素バーナは、設計値とは異なるガスの流量や圧力で運転条件が変動した場合であっても、エネルギーロスを抑制しながら超音速噴流を達成でき、且つ、噴流速度が減衰するのを抑制できる。従って、例えば、例えば、金属を溶解・精錬する用途の他、バーナを用いて被加熱物を加熱する幅広い用途において非常に好適である。
1A,1B,1C…酸素バーナ
1…エアロスパイクノズル
1a…下流端
1b…上流端
2…支燃性ガス流路
21…支燃性ガス噴出口
22…内面
23…縮径部
24…大径部
25…拡径部
3…プラグ
31…第1テーパ部
32…先端
33…第2テーパ部
34…直胴部
35…他端
4…燃料ガス流路
41…燃料ガス噴出口
5…周囲支燃性ガス流路
51…周囲支燃性ガス噴出口
6…冷却ジャケット
6a…冷却水流路
61…入口
62…出口
J…中心軸
G1…燃料ガス
G2…支燃性ガス
W…冷却水

Claims (7)

  1. 少なくとも、中心軸と同軸で配置され、下流端側に設けられた支燃性ガス噴出口から酸素を含む支燃性ガスを噴出する支燃性ガス流路と、前記支燃性ガス流路よりも外周側に、該支燃性ガス流路を取り囲むように平行に配置され、前記下流端側に設けられた燃料ガス噴出口から燃料ガスを噴出する複数の燃料ガス流路とを備える酸素バーナであって、
    前記支燃性ガス流路の内部に、前記支燃性ガス流路と同軸となるように配置されたプラグを有し、
    前記プラグには、前記支燃性ガスの噴出方向における下流側の少なくとも一部に位置し、前記支燃性ガスの噴出方向に向かうに従って外径が漸次縮小する第1テーパ部と、
    前記第1テーパ部の上流側に位置し、前記支燃性ガスの噴出方向に向かうに従って外径が漸次拡大する第2テーパ部と、
    前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との間に位置し、外径が一定の直胴部と、が設けられ、
    前記支燃性ガス噴出口は、前記支燃性ガス流路の内面と前記プラグとの隙間からなり、且つ、前記下流端側から見た平面視形状が環状である、酸素バーナ。
  2. 前記支燃性ガス流路における内面は、前記支燃性ガスの噴出方向における下流側が、該下流側に向かうに従って内径が漸次縮小する縮径部とされるとともに、前記支燃性ガスの噴出方向における上流側が、下流側に向かうに従って内径が漸次拡大する拡径部とされ、さらに、前記縮径部と前記拡径部との間が、内径が一定の大径部とされている、請求項に記載の酸素バーナ。
  3. 前記支燃性ガス流路と前記プラグとは、前記縮径部と前記第1テーパ部とが対向するように配置されるとともに、前記拡径部と前記第2テーパ部とが対向するように配置され、さらに、前記大径部と前記直胴部とが対向するように配置されている、請求項に記載の酸素バーナ。
  4. 前記支燃性ガス噴出口は、前記支燃性ガスを超音速で噴出する、請求項1~請求項の何れか一項に記載の酸素バーナ。
  5. 前記燃料ガス噴出口は、前記下流端側から見た平面視で前記支燃性ガス噴出口を取り囲むように複数で配置されている、請求項1~請求項の何れか一項に記載の酸素バーナ。
  6. さらに、前記複数の燃料ガス流路よりも外周側に、該複数の燃料ガス流路を取り囲むように平行に配置され、前記下流端側に設けられた周囲支燃性ガス噴出口から前記支燃性ガスを噴出する複数の周囲支燃性ガス流路を備え、
    前記周囲支燃性ガス噴出口は、前記下流端側から見た平面視で前記燃料ガス噴出口を取り囲むように複数で配置されている、請求項に記載の酸素バーナ。
  7. 前記プラグは、前記第1テーパ部が前記中心軸に対してなす角度θが30°未満である、請求項1~請求項の何れか一項に記載の酸素バーナ。
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