JP7090014B2 - ロータ、モータ、ブラシレスワイパーモータ及びロータの製造方法 - Google Patents
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Description
また、上記したようなロータでは、永久磁石の端部から磁石保持部材に漏れる磁束の増大によって、磁気特性及び出力特性が低下するおそれがある。このため、永久磁石から磁石保持部材への漏れ磁束の増大を抑制することが望まれている。
すなわち、本発明のロータは、回転軸線回りに回転するシャフトと、前記シャフトを保持するとともに、前記回転軸線を径方向中心として回転するロータコアと、前記ロータコアの外周面に配置された永久磁石と、前記永久磁石における周方向の端部のうちで前記回転軸線に平行な軸線方向における少なくとも一部において前記ロータコアの径方向の外側に形成された平坦面と、前記ロータコアの前記外周面の前記周方向で隣り合う前記永久磁石の間において前記径方向の外方に向かって突出する突極と、前記突極の先端部のうちで前記軸線方向における少なくとも一部において前記永久磁石の前記平坦面に向かって突出する爪部と、を備え、前記爪部は、前記永久磁石における前記軸線方向の端部よりも中央側において前記平坦面と平行であって前記平坦面に圧縮変形状態で面接触する接触面を備え、前記突極における突出方向の外側の表面には、圧縮変形状態で前記軸線方向に延びる凹部が形成されており、前記爪部の磁化率は、前記突極の磁化率よりも小さく、前記ロータコアの外周面、前記突極、及び前記接触面により、前記永久磁石における前記周方向の前記端部側の内周面、前記永久磁石の周方向側面、及び前記永久磁石の前記平坦面が覆われている。
また、突極の爪部は、永久磁石における軸線方向の端部よりも中央側において平坦面と面接触する。これにより、例えば永久磁石における軸線方向の中央側に比べて応力の作用によって破損が生じやすい端部を避けて永久磁石を適切に固定することができるとともに、永久磁石の軸線方向の端部において永久磁石の磁束が爪部を介して突極に漏れてしまうことを抑制して、磁気特性及び出力特性の低下を抑制することができる。
さらに、突極における突出方向の外側の表面と、ロータの径方向の外側に配置されるステータとの間の径方向間隔は不均一になる。これにより、突極に起因してステータに生じる磁束密度の急激な変化を抑制し、ロータコアの急激なトルク変動及びトルクリップルの増大を抑制することができる。
また、爪部の磁化率が突極の磁化率よりも小さいことに起因して、爪部は突極と比べて磁化され難くなっている。これにより、突極に隣接する永久磁石から爪部を介して突極に漏れる磁束による磁路の形成を抑制し、漏れ磁束の増大を抑制することができる。
さらに、爪部は圧縮応力の作用によって、圧縮変形されていない突極よりも磁化率が小さくなっている。これにより、突極に隣接する永久磁石から爪部を介して突極に漏れる磁束による磁路の形成を抑制し、漏れ磁束の増大を抑制することができる。
このような構成によれば、ブラシレスワイパーモータの所望の出力を確保しながら、ロータにおける永久磁石の破損を防ぐことができる。
本発明のロータの製造方法は、上記に記載のロータの製造方法であって、前記ロータコア、前記突極、及び前記突極の前記先端部において周方向両側の外方に向かって突出する一対の突出部を有するロータ部材を形成するロータ部材製造工程と、成形部材を前記突極の突出方向外方から内方に向かって、前記突極の前記先端部に押し当て、前記突極の前記先端部とともに前記一対の突出部を径方向の内方に圧縮変形させる圧縮工程と、を有し、前記ロータ部材製造工程において、前記突極の前記先端部は、径方向の内方に凹む凹部が形成されておらず平坦であり、前記圧縮工程において、前記成形部材によって前記突極の前記先端部に前記凹部が形成される。
図1は、ワイパーモータ1の斜視図である。図2は、図1のA-A線に沿う断面図である。
図1及び図2に示すように、ワイパーモータ(ブラシレスワイパーモータ)1は、例えば車両に搭載されるワイパーの駆動源である。ワイパーモータ1は、モータ部(モータ)2と、モータ部2の回転を減速して出力する減速部3と、モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4と、を備えている。なお、実施形態でのモータ部2は、特許請求の範囲におけるモータの一例である。
なお、以下の説明において、単に軸方向という場合は、モータ部2のシャフト31の回転軸線方向をいい、単に周方向という場合は、シャフト31の周方向をいい、単に径方向という場合は、シャフト31の径方向をいうものとする。
モータ部2は、モータケース5と、モータケース5内に収納されている略円筒状のステータ8と、ステータ8の径方向内側に設けられ、ステータ8に対して回転可能に設けられたロータ9と、を備えている。モータ部2は、ステータ8に電力を供給する際にブラシを必要としない、いわゆるブラシレスモータである。
モータケース5は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料から形成されている。モータケース5は、軸方向に分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、からなる。第1モータケース6及び第2モータケース7の外形は、それぞれ有底筒状に形成されている。
第1モータケース6は、底部10が減速部3のギヤケース40と接合されるように、このギヤケース40と一体成形されている。底部10の径方向略中央には、ロータ9のシャフト31を挿通可能な貫通孔10aが形成されている。
図3は、ステータ8及びロータ9を軸方向からみた平面図である。
図2、図3に示すように、ステータ8は、筒状のコア部21と、コア部21から径方向の内方に向かって突出する複数(例えば、本第実施形態では6つ)のティース22と、が一体成形された環状のステータコア20を有している。
ステータコア20は、複数の金属板を軸方向に積層することにより形成されている。なお、ステータコア20は、複数の金属板を軸方向に積層して形成される場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成されてもよい。
ロータ9は、ステータ8の径方向内側に微小隙間を介して回転自在に設けられている。ロータ9は、シャフト31と、ロータコア32と、4つの永久磁石33と、を備えている。このように、モータ部2において、例えば、永久磁石33の磁極数とスロット19(ティース22)の数との比は、4:6である。
ロータ9は、シャフト31の中心線(軸心)C1を回転軸線として、この回転軸線を径方向中心として回転する。
シャフト31は、減速部3を構成するウォーム軸44(図2参照)と一体成形されている。
ロータコア32は、シャフト31の外側に嵌め合わされるように固定されている。ロータコア32の外形は、シャフト31を軸心C1とする円柱状に形成されている。
また、ロータコア32の径方向略中央には、軸方向に貫通する貫通孔32aが形成されている。シャフト31は貫通孔32aに圧入されている。なお、ロータコア32がシャフト31の外側に嵌め合わされるように、相対的にシャフト31が貫通孔32aに挿入され、接着剤等によってシャフト31とロータコア32とが固定されてもよい。
ロータコア32において、径方向内側の内周面(つまり貫通孔32aの内周面)の円弧中心及び径方向外側の外周面32bの円弧中心は、シャフト31の軸心C1の位置と一致している。
また、突極35は、周方向で対向する2つの側面35cが突出方向に平行となるように形成されている。つまり、突極35は、周方向の幅寸法が突出方向で均一になるように形成されている。
このように形成されたロータコア32の外周面32bにおいて、周方向で隣り合う2つの突極35の間は、それぞれ磁石収納部36として構成されている。
すなわち、ロータ9は、界磁用の永久磁石33をロータコア32の外周面32bに有する表面磁石(SPM:Surface Permanent Magnet)型のロータであるとともに、周方向に並ぶ永久磁石33間においてロータコア32の径方向外方に突出する突極35を備えるインセット型のロータである。
突極35の突出方向における外側の先端部35aのうちでロータコア32の軸方向における少なくとも一部には、周方向両側の外方に向かって突出する一対の爪部37が形成されている。例えば、一対の爪部37は、突極35の先端部35aにおけるロータコア32の軸方向全体に亘って設けられている。一対の爪部37は、後述するように、突極35を周方向の両側から挟み込む2つの永久磁石33の平坦面33gに向かって突出し、平坦面33gに面接触している。例えば、各爪部37は、永久磁石33の平坦面33gと平行であって平坦面33gに面接触する接触面37aを径方向の内側に備える。
また、突極35において一対の爪部37が設けられた先端部35aの先端面35A(つまり突出方向の外側の表面)には、軸方向に延びる凹部38が形成されている。これにより、一対の爪部37における径方向の外側の表面は、凹部38の表面を介して接続されている。後述するように、凹部38は、一対の爪部37の圧縮変形によって形成されている。すなわち、一対の爪部37は、突極35と比べて、相対的に高い圧縮変形状態となるように形成されている。
なお、磁化力は、磁性材料の所望の磁化に要する磁界の強さである。磁化力比αは、磁性材料の応力がゼロである場合の磁化力に対し、引張応力又は圧縮応力によって磁性材料の応力がゼロ以外である場合の磁化力の比である。例えば、磁化力比αが1よりも小さい場合、磁性材料は応力に起因して磁化され易くなっており、磁化力比αが1よりも大きい場合、磁性材料は応力に起因して磁化され難くなっている。
図5に示すように、磁性材料は、磁界の強さBが所定強さBa未満である場合において、引張応力に起因して磁化され易くなり、圧縮応力に起因して磁化され難くなっている。
これにより、突極35と比べて相対的に高い圧縮変形状態となっている一対の爪部37は、突極35に比べて磁化され難くなっており、一対の爪部37の磁化率は、突極35の磁化率よりも小さくなっている。
永久磁石33は、例えば、フェライト磁石、ネオジムボンド磁石又はネオジム焼結磁石などである。
そして、周方向で隣り合う永久磁石33は、相互の磁化方向が反対方向となるように配置されている。4つの永久磁石33は、周方向に磁極が互い違いになるように配置されている。つまり、外周側がN極とされた永久磁石33と外周側がS極とされた永久磁石33とは周方向で隣り合うように配置されている。これにより、周方向で隣り合う永久磁石33の間に配置されるロータコア32の突極35は、磁極の境界(極境界)に位置している。
周方向側面33dは、円弧面33fを介して径方向内側の内周面33bに滑らかに接続されている。
接続面33eは、周方向側面33dよりも径方向外側に設けられ、さらに径方向外側の平坦面33gを介して外周面33aに接続されている。
また、接続面33eは、例えば、永久磁石33の周方向の中央部33cにおける径方向と平行に設けられている。
また、永久磁石33の軸方向の端部33jにおいて径方向外側の角部には、軸方向端面33hと外周面33aとに接続される傾斜面33kが形成されている。傾斜面33kは、軸方向端面33hに向かうに従って、漸次、永久磁石33の径方向の厚みが薄くなるように形成されている。傾斜面33kは、例えば、軸線に対して所定角度で傾斜する平坦面に形成されている。
図1及び図2に戻り、減速部3は、モータケース5が取り付けられているギヤケース40と、ギヤケース40内に収納されるウォーム減速機構41と、を備えている。
ギヤケース40は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料により形成されている。ギヤケース40の外形は、一面に開口部40aを有する箱状に形成されている。ギヤケース40は、内部にウォーム減速機構41を収容するギヤ収容部42を有する。また、ギヤケース40の側壁40bには、第1モータケース6が一体成形されている箇所に、この第1モータケース6の貫通孔10aとギヤ収容部42とを通じさせる開口部43が形成されている。
さらに、軸受ボス49の先端内周縁には、不図示のOリングが装着されている。これにより、軸受ボス49を介して外部から内部に塵埃や水が侵入してしまうことが防止される。
また、軸受ボス49の外周面には、複数のリブ52が設けられている。これにより、軸受ボス49の所望の剛性が確保されている。
ウォーム軸44は、モータ部2のシャフト31と同軸上に配置されている。そして、ウォーム軸44は、両端がギヤケース40に設けられた軸受46,47によって回転自在に支持されている。ウォーム軸44のモータ部2側の端部は、軸受46を介してギヤケース40の開口部43に至るまで突出している。この突出したウォーム軸44の端部とモータ部2のシャフト31との端部が接合され、ウォーム軸44とシャフト31とが一体化されている。なお、ウォーム軸44とシャフト31は、1つの母材からウォーム軸部分と回転軸部分とを成形することにより一体として形成されてもよい。
モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4は、磁気検出素子61が実装されたコントローラ基板62と、ギヤケース40の開口部40aを閉塞するように設けられたカバー63と、を有している。そして、コントローラ基板62が、ウォームホイール45のセンサ磁石側(ギヤケース40の開口部40a側)に対向配置されている。
Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子からなるパワーモジュール(不図示)が実装されている。さらに、コントローラ基板62には、このコントローラ基板62に印加される電圧の平滑化を行うコンデンサ(不図示)等が実装されている。
また、カバー63の外周部に、コネクタ11が一体成形されている。このコネクタ11は、不図示の外部電源から延びるコネクタと嵌着可能に形成されている。そして、コネクタ11の不図示の端子に、コントローラ基板62が電気的に接続されている。これにより、外部電源の電力がコントローラ基板62に供給される。
次に、ワイパーモータ1の製造方法のうち、特に、ロータ9の製造方法においてロータコア32の突極35に圧縮変形状態の一対の爪部37を形成する方法について説明する。
図6は、ロータコア32の突極35において圧縮変形状態の一対の爪部37を形成する方法を説明する図である。
先ず、例えば、複数の金属板の積層又は軟磁性粉の加圧成形などによって、ロータコア32及び4つの突極35を備えるロータ部材91を形成する。ロータ部材91は、各突極35の先端部35aにおいて周方向両側の外方に向かって突出する一対の突出部92を備える。
次に、各突極35を周方向の両側から挟み込む治具93をロータ部材91に設置する。治具93の外形は、例えば、永久磁石33の少なくとも周方向の端部33sの外形とほぼ同一形状に形成されている。
次に、治具93をロータコア32から取り外し、永久磁石33をロータコア32に装着し、例えば接着剤等によりロータコア32に固定する。
次に、ワイパーモータ1の動作について説明する。
ワイパーモータ1において、コネクタ11を介してコントローラ基板62に供給された電力は、不図示のパワーモジュールを介してモータ部2の各コイル24に選択的に供給される。
すると、各コイル24に流れる電流は、ステータ8(ティース22)に所定の鎖交磁束を形成する。この鎖交磁束は、ロータ9の永久磁石33により形成される有効磁束との間で磁気的な吸引力又は反発力(磁石トルク)を発生させる。
また、ロータコア32の突極35は、突出方向をステータ8(ティース22)からの鎖交磁束が流れやすい方向とするとともに、鎖交磁束の磁路の磁気抵抗(リラクタンス)を小さくするように、ロータコア32を回転させるリラクタンストルクを発生させる。
これらの磁石トルク及びリラクタンストルクは、ロータ9を継続的に回転させる。
ロータ9の回転は、シャフト31と一体化されているウォーム軸44に伝達され、さらにウォーム軸44に噛合されているウォームホイール45に伝達される。そして、ウォームホイール45の回転は、ウォームホイール45に連結されている出力軸48に伝達され、出力軸48は、所望の電装品を駆動させる。
また、爪部37は、ロータコア32の軸方向全体に亘って設けられていることによって、例えばロータコア32の軸方向の一部のみに設けられる場合に比べて、永久磁石33の表面に局所的な応力が集中することを抑制することができる。
これに加え、永久磁石33の軸方向の両端を、ロータコア32の軸方向の両端よりも、軸方向の外方に突出(オーバーハング)させることにより、永久磁石33の軸方向の両端からロータコア32の軸方向の両端への漏れ磁束を抑制できる。
図7は、ロータ9の突極35への磁束の流れの一例を示す平面図である。
図7に示すように、永久磁石33の配向は磁化容易方向が永久磁石33の径方向に沿って放射状となるラジアル配向であり、永久磁石33の周方向両側の端部33sと突極35との間で漏れ磁束による磁路が形成され易くなっている。しかしながら、爪部37は突極35に比べて磁化され難くなっており、爪部37を介して永久磁石33の周方向両側の端部33sと突極35との間で漏れ磁束による磁路の形成は抑制されていることが認められる。これにより、漏れ磁束の増大を抑制し、磁気特性及び出力特性の低下を抑制することができる。
以下、実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態において、一対の爪部37は、突極35の先端部35aにおけるロータコア32の軸方向全体に亘って設けられているとしたが、これに限定されない。一対の爪部37は、突極35の先端部35aにおけるロータコア32の軸方向の一部のみに設けられてもよい。
図8は、実施形態の第1変形例におけるロータ9の斜視図である。
第1変形例のロータ9は、突極35の先端部35aにおけるロータコア32の軸方向の両端部に各一対の爪部37を備える。突極35の先端部35aの先端面35Aにおいて一対の爪部37が設けられた部位には、凹部38が形成されている。
第1変形例によれば、上述した実施形態のように一対の爪部37がロータコア32の軸方向全体に亘って設けられている場合に比べて、永久磁石33に対する所望の固定安定性を確保しながら、有効磁束を増大させるとともに、磁界の歪みに起因するコギングトルク及びトルクリップルの増大を抑制することができる。
図9に示すように、外径保持率の増大に伴い、永久磁石33から爪部37を介して突極35に漏れる磁束が増大傾向に変化することによって、永久磁石33の有効磁束は減少傾向に変化する。また、図10に示すように、外径保持率の増大に伴い、永久磁石33から爪部37を介して突極35に漏れる磁束及び誘起電圧波形の歪みが増大傾向に変化することによって、磁界の歪みに起因するコギングトルク及びトルクリップルは増大傾向に変化する。これらにより、ロータコア32の軸方向の一部のみに爪部37を設けることによって外径保持率を低下させることにより、永久磁石33の有効磁束を増大させるとともに、コギングトルク及びトルクリップルを低減することができる。
この場合、突極35に隣接する永久磁石33の周方向両側の端部33s付近の磁化容易方向は突極35の突出方向と交差する。これにより、永久磁石33から爪部37を介して突極35に漏れる磁束による磁路の形成は抑制され、漏れ磁束の増大を抑制することができる。
この場合、上述した実施形態におけるワイパーモータ1の製造方法において、ロータコア32の突極35に圧縮変形状態の一対の爪部37を形成する際に、例えば、先端部に平坦面を有する成形部材94を用いて、一対の突出部92を径方向の内方に圧縮変形させてもよい。
また、上述した実施形態において、複数の金属板の積層によってロータ9を形成する場合には、プレス打ち抜き加工などによって形成された各金属板において、爪部37に相当する部位に予め圧縮加工を行って、相対的に磁化率を低下させてもよい。
また、上述した実施形態において、ロータ部材91の一対の突出部92を成形部材94によって圧縮変形させる際に、予めロータ部材91に治具93を装着するとしたが、これに限定されず、治具93の代わりに永久磁石33を装着してもよい。
例えば、永久磁石33において、径方向外側の外周面33aの円弧中心Coは、シャフト31の軸心C1と一致していてもよい。この場合、永久磁石33は、外周面33aと内周面33bとの間における径方向の厚みが周方向全体に亘って均一になる。これに伴い、永久磁石33の径方向外側の外周面33aとティース22の内周面との間の隙間は、周方向全体に亘って一定になる。
Claims (6)
- 回転軸線回りに回転するシャフトと、
前記シャフトを保持するとともに、前記回転軸線を径方向中心として回転するロータコアと、
前記ロータコアの外周面に配置された永久磁石と、
前記永久磁石における周方向の端部のうちで前記回転軸線に平行な軸線方向における少なくとも一部において前記ロータコアの径方向の外側に形成された平坦面と、
前記ロータコアの前記外周面の前記周方向で隣り合う前記永久磁石の間において前記径方向の外方に向かって突出する突極と、
前記突極の先端部のうちで前記軸線方向における少なくとも一部において前記永久磁石の前記平坦面に向かって突出する爪部と、
を備え、
前記爪部は、前記永久磁石における前記軸線方向の端部よりも中央側において前記平坦面と平行であって前記平坦面に圧縮変形状態で面接触する接触面を備え、
前記突極における突出方向の外側の表面には、圧縮変形状態で前記軸線方向に延びる凹部が形成されており、
前記爪部の磁化率は、前記突極の磁化率よりも小さく、
前記ロータコアの前記外周面、前記突極、及び前記接触面により、前記永久磁石における前記周方向の前記端部側の内周面、前記永久磁石の周方向側面、及び前記永久磁石の前記平坦面が覆われている、ことを特徴とするロータ。 - 永久磁石の前記軸線方向の両端は、前記ロータコアの前記軸線方向の両端よりも、前記軸線方向の外方に突出している、
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。 - 前記永久磁石の配向は、磁化容易方向が前記永久磁石の中央部における前記径方向と平行な方向となるパラレル配向である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロータ。 - 環状のステータコア及び前記ステータコアの内周面から前記径方向の内方に突出する複数のティースを有するステータと、
前記ティースに装着されるコイルと、
前記複数のティースに対して前記径方向の内側に配置される請求項1から請求項3の何れか1項に記載のロータと、
を備える、
ことを特徴とするモータ。 - 請求項4に記載のモータを備える、
ことを特徴とするブラシレスワイパーモータ。 - 請求項1に記載のロータの製造方法であって、
前記ロータコア、前記突極、及び前記突極の前記先端部において周方向両側の外方に向かって突出する一対の突出部を有するロータ部材を形成するロータ部材製造工程と、
成形部材を前記突極の突出方向外方から内方に向かって、前記突極の前記先端部に押し当て、前記突極の前記先端部とともに前記一対の突出部を径方向の内方に圧縮変形させる圧縮工程と、
を有し、
前記ロータ部材製造工程において、前記突極の前記先端部は、径方向の内方に凹む凹部が形成されておらず平坦であり、
前記圧縮工程において、前記成形部材によって前記突極の前記先端部に前記凹部が形成される
ことを特徴とするロータの製造方法。
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