以下、本発明の弾性体付き光コネクター、光配線部品および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<光配線部品>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の光配線部品の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の光配線部品の第1実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す光配線部品のうち他の光学部品に対向する面の平面図であり、図3は、図1のA1-A1線断面図であり、図4は、図3の部分拡大図であり、図5は、図2のB1-B1線断面図である。また、図6は、図1に示す光配線部品に含まれる光コネクターのみを示す斜視図であり、図7は、図6に示す光コネクターのうち他の光学部品に対向する面の平面図であり、図8は、図6のC-C線断面図である。また、図9は、図5に示す光配線部品に含まれる光導波路の一部を示す部分拡大斜視図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2、3の上方を「上」、下方を「下」という。
図1に示す光配線部品10は、光導波路1と、光導波路1の端部に設けられた光コネクター5と、弾性体7と、を有している。このうち、光導波路1と光コネクター5とにより、コネクター付き光導波路4が構成されている。また、光コネクター5と弾性体7とにより、弾性体付き光コネクター6(本発明の弾性体付き光コネクターの実施形態)が構成されている。これらの光コネクター5、コネクター付き光導波路4および弾性体付き光コネクター6については、のちに詳述するが、光配線部品10を容易に製造し得るものとして有用である。
図1に示す光導波路1は、長尺状をなし、かつ幅よりも厚さが小さい横断面形状を有する帯状(シート状)をなしている。この光導波路1では、長手方向の一端と他端との間で光信号を伝送することができる。
ここで、光導波路1は、光ファイバーのような光導波路以外の光伝送路で代替されてもよい。本願では、光導波路や光ファイバーのような光信号を伝送し得る媒体を「光伝送路」という。
なお、以下では、一例として、光導波路1を用いた形態について説明する。光導波路1によれば、薄型化を図りつつ、可撓性に優れた光配線部品10を実現することができる。その結果、実装性および取り扱い性が良好な光配線部品10が得られる。
また、本願の各図では、光配線部品10のうち、光導波路1の一端に対応する部位のみを図示しており、その他の部位の図示は省略している。光配線部品10のうち、光導波路1の一端に対応する部位以外の構成は、特に限定されないが、例えば一端に対応する部位と同様の構成とすることができる。また、本明細書では、図3における光導波路1の左端部を「先端部101」、左端の端面を「先端面102」ともいう。さらには、図3における光導波路1の互いに表裏の関係にある上下面のうち、下面を「下面103(第1主面)」、上面を「上面104(第2主面)」ともいう。
このような光導波路1は、図9に示すように、クラッド層11、コア層13およびクラッド層12が下方からこの順で積層された積層体を備えている。また、コア層13には、図5に示すように、並列に設けられた8本の長尺状のコア部14と、各コア部14の側面に隣接する側面クラッド部15と、が形成されている。
これらのコア部14が、光導波路1において光信号を伝送する伝送路として機能する。各コア部14の先端面102は、下面103と上面104とを繋ぐ外側面の一部であり、各コア部14に対して光結合可能な光入出射面でもある。
光導波路1の先端部101には、図3に示すように、この先端部101を覆うようにして光コネクター5が設けられている。すなわち、光コネクター5は、コネクター本体51と、コネクター本体51に形成された貫通孔50(貫通部)と、を備えており、この貫通孔50内に光導波路1の先端部101が挿入されている。
図3および図8におけるこの光コネクター5の左端面は、光配線部品10を他の光学部品と光接続するときにこの光学部品に対向する面となる。本明細書では、図3および図8における光コネクター5の左端面を「対向面52」といい、図3および図8における光コネクター5の右端面を「非対向面53」という。換言すれば、光コネクター5は、コネクター本体51と、コネクター本体51に設けられた対向面52と、コネクター本体51に設けられた非対向面53と、コネクター本体51に形成された貫通孔50と、を備えている。
貫通孔50は、コネクター本体51の対向面52(第1外面)と、非対向面53(第2外面)と、を貫通するように形成されている。また、貫通孔50は、その長手方向に直交する方向に沿って切断されたとき、長方形をなす切断面を有するように構成されている。
また、本実施形態では、光導波路1の先端面102から対向面52にかけて連続して覆うとともに、光導波路1の先端面102から下面103および上面104にかけて連続して覆うように、弾性体7が設けられている。弾性体7は、透光性および弾性を有しており、光入出射面である先端面102を保護する機能を有する。このため、光配線部品10と他の光学部品とを光学的に接続する際、光導波路1の先端面102が大きく傷つくのを防止することができる。加えて、弾性体7を他の光学部品と接触させたとしても、他の光学部品が傷つき難くなるので、光配線部品10と他の光学部品とを互いに十分な力で押し付け合うことが可能になる。
さらには、弾性体7が他の光学部品に密着し、その形状に追従して変形し易くなるため、弾性体7と他の光学部品との間には隙間が生じ難くなる。その結果、隙間におけるフレネル反射の発生が抑えられることとなり、反射損失による光結合効率の低下を抑制することができる。同様に、弾性体7と光導波路1との間にも隙間が生じ難くなり、フレネル反射の発生が抑えられる。このため、光配線部品10は、他の光学部品との間で安定した光結合効率を実現し得る。
以下、光配線部品10の構成についてさらに詳述する。
(光コネクター)
光コネクター5は、前述したように、コネクター本体51と、コネクター本体51に形成された貫通孔50と、を備えている。
光導波路1は、弾性体7を介して貫通孔50の下面501および上面502にそれぞれ支持されている。これにより、光導波路1は、貫通孔50に挿入された状態で固定される。その結果、光導波路1を外力等から保護することができるので、光導波路1を把持し易くなるとともに、光配線部品10と他の光学部品との光結合効率の低下をより確実に抑制することができる。
貫通孔50は、コネクター本体51を貫通するように形成されており、光コネクター5の対向面52(第1外面)内および非対向面53(第2外面)内にそれぞれ開口している。すなわち、貫通孔50は、対向面52と非対向面53とを繋ぐように貫通している。
貫通孔50の横断面形状(開口同士を結ぶ線と直交する方向での切断面形状)は、前述したような長方形に限定されず、正方形であってもよく、平行四辺形、六角形、八角形、長円形のようなその他の形状であってもよい。
また、貫通孔50の幅は、光導波路1の幅より広く設定されるのが好ましい。これにより、光導波路1の先端部101の側面と貫通孔50の内面との間に隙間を設けることができる。そして、この空間へ弾性体7を充填させることができる。これにより、弾性体7と光コネクター5および光導波路1との間をより強固に固定することができる。
この場合、貫通孔50の幅は、光導波路1の幅の1.01~3倍程度であるのが好ましく、1.1~2倍程度であるのがより好ましい。これにより、上述した効果をより高めることができる。また、光配線部品10が置かれた環境の変化によって、弾性体7や光導波路1に体積変化が生じた場合でも、光導波路1と貫通孔50との間の隙間に充填された弾性体7によって、その体積変化による応力の増加を抑制することができる。このため、応力集中に伴う光導波路1の伝送効率の低下等を防止することができる。
また、コネクター本体51の外形状は、特に限定されず、図1、6に示すような直方体に準じた形状であっても、それ以外の形状であってもよい。また、コネクター本体51は、各種コネクター規格に準拠した部位を含んでいてもよい。かかるコネクター規格としては、例えば小型(Mini)MTコネクター、JIS C 5981に規定されたMTコネクター、16MTコネクター、2次元配列型MTコネクター、MPOコネクター、MPXコネクター等が挙げられる。
本実施形態に係る光コネクター5のコネクター本体51には、図1、6に示すように、2つのガイド孔511が形成されている。このガイド孔511は、コネクター本体51のうち、対向面52(第1外面)内および非対向面53(第2外面)内にそれぞれ開口している。すなわち、2つのガイド孔511は、それぞれ対向面52と非対向面53とを繋ぐように貫通している。
これらのガイド孔511には、光配線部品10を他の光学部品と接続する際、図示しないガイドピンが挿入される。これにより、光配線部品10と他の光学部品とを位置合わせする際に、互いの位置をより正確に合わせることができ、かつ、両者を互いに固定することができる。すなわち、ガイド孔511は、光配線部品10を他の光学部品と接続するための接続機構として機能する。
なお、ガイド孔511は、コネクター本体51を貫通せず、非対向面53を含む平面内に開口していなくてもよい。
また、上記接続機構に代えて、爪による係止を利用した係止機構や接着剤等を用いるようにしてもよい。
また、貫通孔50の形状は、図示した形状に限定されない。例えば、図3、8に示す光コネクター5の貫通孔50では、対向面52側から非対向面53側に向かうにつれて徐々に高さが高くなる部位を含んでいるが、貫通孔50の高さや幅が一定であってもよい。
コネクター本体51の構成材料としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂のような各種樹脂材料、ステンレス鋼、アルミニウム合金のような各種金属材料等が挙げられる。
ここで、光コネクター5は、図1に示すように、対向面52から非対向面53とは反対側へ突出する2つの突出部541、542を備えている。これらの突出部541、542は、対向面52から突出するように設けられていることから、光配線部品10を他の光学部品と接続する際、他の光学部品に優先的に接触する。このため、接続完了後の対向面52と他の光学部品との間には、突出部541、542の突出長さに相当する距離の隙間が生じることとなる。
一方、対向面52には、前述したように弾性体7が設けられている。光配線部品10を他の光学部品と接続する際、対向面52と他の光学部品との離間距離を徐々に詰めるにしたがって、これらの間で弾性体7が圧縮される。このとき、突出部541、542の先端と他の光学部品とが接触した時点で、それ以上、両者の離間距離を詰めることはできない。よって、弾性体7が圧縮されたとしても、その最も圧縮されたときの厚さは、突出部541、542の突出長さに等しい厚さに留まることとなる。これにより、弾性体7が必要以上に圧縮されるのが防止され、それに伴う不具合の発生を防止することができる。
すなわち、弾性体7が必要以上に圧縮されると、弾性体7やそれに付随する光導波路1に応力が集中し、それらの屈折率が不本意に変化してしまうおそれがある。これに対し、突出部541、542が設けられていることにより、弾性体7が必要以上に圧縮されないため、屈折率の著しい変化を抑制することができる(スペーサー効果)。つまり、突出部541、542は、弾性体7の圧縮幅を制御するスペーサーとして機能する。その結果、光配線部品10と他の光学部品とを接続したとき、意図しない屈折率の変化に伴う光結合損失の増大が抑えられる。したがって、光配線部品10は、他の光学部品との間で安定した光結合効率を実現することができる。
その一方、突出部54の突出長さが長すぎると、他の光学部品の形状等によっては弾性体7が全く圧縮されなくなるため、弾性体7がその機能を果たせなくなる場合も出てくる。そこで、光導波路1の延在方向において、突出部54の端面は弾性体7の端面よりも、より基端側に位置しているのが好ましい。換言すれば、突出部54の端面が弾性体7の端面よりも、対向面52側に位置しているのが好ましい。これにより、弾性体7が突出部54よりもさらに突出していることになるため、突出部54が設けられていたとしても多くの光学部品との接続に際して弾性体7が圧縮され易くなる。その結果、弾性体7が圧縮されることによる効果を享受し易くなるとともに、突出部54によるスペーサー効果も併せて享受することができる。このため、光結合効率を特に高めることができる。
突出部54の突出長さL3(図4参照)は、突出部54の端面が弾性体7の端面よりも基端側に位置するような長さであれば、特に限定されないものの、突出部54の突出長さL3が弾性体7の厚さL2の5~99%程度に設定されるのが好ましく、10~90%程度に設定されるのがより好ましい。これにより、弾性体7の圧縮幅が最適化され、弾性体7や光導波路1における応力の増加幅も最適化されることになる。このため、応力の増加に伴う意図しない屈折率の変化を抑えつつ、弾性体7が他の光学部品に追従して変形することによる光結合効率の向上という効果を享受することができる。その結果、全体として光結合効率を特に高めることができる。
また、突出部54の突出長さL3は、0.02~0.3mmであるのが好ましく、0.04~0.1mmであるのがより好ましい。
一方、光コネクター5の全長は、例えば、3.0~30.0mmであるのが好ましく、7.9~8.1mmであるのがより好ましく、7.95~8.05mmであるのがさらに好ましい。
なお、突出部54の突出長さL3および弾性体7の厚さL2は、それぞれ、対向面52から突出部54の端面までの距離および対向面52から弾性体7の端面までの距離として求められる。また、光コネクター5の全長は、非対向面53から突出部54の端面までの距離として求められる。
また、本実施形態では、突出部541と突出部542の2つで一群の突出部54が構成されている。この突出部54の形状は、特に限定されず、例えば1つの部位で構成されていてもよいし、3つ以上の部位で構成されていてもよい。
なお、突出部54の突出長さL3は、他の光学部品の形状に応じて適宜設定されるが、他の光学部品の形状によっては弾性体7の厚さL2より大きくてもよい。すなわち、例えば他の光学部品の光入出射部が突出している場合等には、弾性体7が突出部54よりも後退していても、弾性体7がその機能を十分に発揮することができるため、前述したような効果を奏することができる。
上記の場合を加味すれば、突出部54の突出長さL3は、弾性体7の厚さL2の5~200%程度であるのが好ましく、5~150%程度であるのがより好ましく、5~100%程度であるのがさらに好ましい。これにより、他の光学部品の形状によらず、良好な光結合効率を実現することができる。
また、図2に示す光コネクター5では、対向面52が平面視されたとき、突出部541および突出部542が、貫通孔50を挟んで互いに反対である関係を満たす領域に位置している。すなわち、図2に示す光コネクター5では、対向面52を平面視したとき、突出部541が図2の左端に位置し、突出部542が図2の右端に位置している。このような位置関係が満たされることにより、突出部54をバランスよく配置することができる。その結果、光配線部品10と他の光学部品とを接続する際、複数の接点ができるとともにその接点が互いに十分に離間することになる。このため、他の光学部品と突出部54とを安定的に当接させることができる。その結果、接続状態の信頼性をより高めるとともに、光結合効率のさらなる向上を図ることができる。
なお、この位置関係は必須ではなく、他の光学部品と突出部54とを安定的に当接させることができれば、この位置関係が満たされていなくてもよい。
すなわち、突出部54の配置は、図2に示すものに限定されず、例えば、図2に示す対向面52の上端と下端とにそれぞれ突出部54が設けられている配置であってもよいし、対向面52の四隅にそれぞれ突出部54が設けられている配置であってもよい。
また、図2では、対向面52のうち、貫通孔50の左方および右方にそれぞれ突出部54が設けられている一方、貫通孔50の上方または下方には突出部54が設けられていない。このような配置によれば、1つの光コネクター5に複数の貫通孔50が形成されているような場合にも、十分な効果を奏する。すなわち、光コネクター5において2つの貫通孔50を上下方向に重ねるように設けた場合、そのために必要なスペースを確保することができる。換言すれば、2つの貫通孔50を設けるにあたって必要なスペースが、突出部54によって狭められることが防止され、またその反対に、かかるスペースを確保するために光コネクター5が大型化するのを防止することができる。その結果、2つあるいはそれ以上の貫通孔50を有し、2つあるいはそれ以上の光導波路1が挿通された光コネクター5においても、大型化が防止された光コネクター5が得られる。
一方、図2に示す突出部54は、ガイド孔511よりも外側(貫通孔50側とは反対側)に設けられているが、ガイド孔511よりも内側(貫通孔50側)には設けられないことが好ましい。ガイド孔511よりも貫通孔50側に突出部54が設けられると、その分、弾性体7を配置し得る領域が狭くなるため、弾性体7の配置の自由度が低くなるおそれがある。これに対し、ガイド孔511よりも外側に設けられることで、その分、弾性体7が対向面52を覆う面積をより大きく確保することができるので、弾性体7の配置をより安定化させることができる。
また、突出部54の構成材料は、好ましくはコネクター本体51の構成材料と同様とされる。突出部54の構成材料の曲げ強度は、特に限定されないが、20~150MPa程度であるのが好ましく、30~140MPa程度であるのがより好ましく、40~130MPa程度であるのがさらに好ましい。これにより、突出部54の曲げ強度が十分に高いものとなるため、例えば、光配線部品10と他の光学部品とを接続するとき、突出部54に大きな荷重が加わっても、突出部54の損傷を抑制することができる。一方、曲げ強度が前記上限値を上回ってもよいが、その場合、突出部54の耐衝撃性が低下するといった副作用が懸念されるため、前記上限値以下であることが好ましい。
また、光コネクター5は、必要に応じて、図6~8に示す構成に任意の構成が付加されたものであってもよい。
図10は、図1~5に示す光配線部品および光コネクターの変形例を示す図である。なお、本変形例は、下記の事項が異なる以外、図1~5に示す光配線部品および光コネクターと同様である。
変形例に係る光コネクター5は、図10に示すように、コネクター本体51が、基体51aと蓋体51bとを組み立ててなる組立体で構成されている。なお、図10では、図示の便宜上、弾性体7の図示を省略している。
本変形例では、図10に破線の矢印で示すように、基体51aに設けられた溝内に蓋体51bが収まるようになっている。すなわち、溝の上方の開口を蓋体51bによって塞ぐことにより、貫通孔50を形成するようになっている。
基体51aと蓋体51bとの間は、例えば接着剤等を用いて固定される。
なお、この蓋体51bは、必要に応じて用いられればよく、省略されてもよい。その場合、貫通孔50の上方が開放されることになるため、基体51に設けられた溝の底面に光導波路1が載置されることとなる。すなわち、溝の底面が光導波路1を載置するための載置面となる。
以上のような変形例においても、前述した効果が得られる。
(光導波路)
前述したように、図9は、図5に示す光配線部品に含まれる光導波路の一部を示す部分拡大斜視図である。図9では、説明の便宜のため、図5に示す光導波路1のうち2本のコア部14の近傍を拡大して図示している。
図9に示す2本のコア部14は、それぞれクラッド部(側面クラッド部15および各クラッド層11、12)で囲まれており、コア部14に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
コア部14の横断面における屈折率分布は、いかなる分布であってもよい。この屈折率分布は、屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
また、光導波路1やその中に形成されているコア部14は、それぞれ平面視で直線状であっても曲線状であってもよい。さらに、光導波路1やその中に形成されているコア部14は、それぞれ途中で分岐または交差していてもよい。
なお、コア部14の横断面形状は特に限定されず、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形であってもよいが、四角形(矩形状)であることにより、コア部14を形成し易い利点がある。
コア部14の幅および高さ(コア層13の厚さ)は、特に限定されないが、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、5~100μm程度であるのがより好ましく、10~70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1の伝送効率の低下を抑えつつコア部14の高密度化を図ることができる。
一方、図9に示すように複数のコア部14が並列しているとき、コア部14同士の間に位置する側面クラッド部15の幅は、5~250μm程度であるのが好ましく、10~200μm程度であるのがより好ましく、10~120μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア部14同士の間で光信号が混在(クロストーク)するのを防止しつつコア部14の高密度化を図ることができる。
上述したようなコア層13の構成材料(主材料)は、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料の他、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス材料等を用いることができる。なお、樹脂材料は、異なる組成のものを組み合わせた複合材料であってもよい。
また、クラッド層11、12の構成材料としては、例えば、前述したコア層13の構成材料と同様の材料を用いることができるが、特に(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
なお、光導波路1は、その全体が樹脂材料で構成されているのが好ましい。これにより、光導波路1は、可撓性に富んだものとなり、実装作業の容易化が図られる。
光導波路1の幅は、特に限定されないが、1~100mm程度であるのが好ましく、2~10mm程度であるのがより好ましい。
また、光導波路1中に形成されるコア部14の数は、特に限定されないが、1~100本程度であるのが好ましい。なお、コア部14の数が多い場合は、必要に応じて、光導波路1を多層化してもよい。具体的には、図9に示す光導波路1の上に、さらにコア層とクラッド層とを交互に重ねることにより多層化することができる。
また、図2等では図示を省略しているものの、光導波路1は、図9に示すように、さらに、最下層として支持フィルム2を、最上層としてカバーフィルム3を、それぞれ備えていてもよい。
支持フィルム2およびカバーフィルム3の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂材料が挙げられる。
また、支持フィルム2およびカバーフィルム3の平均厚さは、特に限定されないが、5~500μm程度であるのが好ましく、10~400μm程度であるのがより好ましい。これにより、支持フィルム2およびカバーフィルム3は、適度な剛性を有するものとなるため、コア層13を確実に支持するとともに、外力や外部環境からコア層13およびクラッド層11、12を確実に保護することができる。
なお、支持フィルム2やカバーフィルム3は、それぞれ必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
また、図4に示す光導波路1の先端面102は、対向面52よりも右側(非対向面53側)に位置している。換言すれば、図4に示す光導波路1の先端面102は、対向面52から右側へ後退している。これにより、先端面102に隣接する弾性体7の厚さがより厚くなるため、弾性体7が他の光学部品に密着したとき、他の光学部品の形状に対してより追従し易くなる。このため、弾性体7と他の光学部品との間にはより隙間が生じ難くなる。その結果、隙間におけるフレネル反射の発生がより小さく抑えられることとなり、反射損失による光結合効率の低下をさらに抑制することができる。同様に、弾性体7と光導波路1との間にもより隙間が生じ難くなり、フレネル反射の発生がさらに抑えられる。このため、光配線部品10は、他の光学部品との間で特に安定した光結合効率を実現し得る。
なお、先端面102の後退長さL4は、特に限定されないが、光導波路1の厚さの0.1~500%程度であるのが好ましく、0.5~200%程度であるのがより好ましい。これにより、弾性体7に十分な厚さが確保されるため、弾性体7が他の光学部品の形状に対して追従し易くなるという効果をより大きく享受することができる一方、光導波路1と他の光学部品との離間距離が大きくなり過ぎることによる結合損失の増大を抑制することができる。その結果、光配線部品10と他の光学部品との間で特に安定した光結合効率を実現することができる。
なお、光導波路1の先端面102は、上記の位置に限定されず、光コネクター5の対向面52よりも非対向面53とは反対側に位置していてもよいし、対向面52が含まれる平面上に位置していてもよい。
また、前述したように、光導波路1に代えて光ファイバーを用いるようにしてもよい。
光ファイバーとしては、例えばポリマー製光ファイバー、ガラス製光ファイバー等が挙げられる。なお、貫通孔50には、複数本の光ファイバーが挿入されていてもよい。
また、光導波路1に代えて、複数本の光ファイバーを帯状に束ねてなる光ファイバーアレイを用いるようにしてもよい。
(弾性体)
弾性体7は、前述したように、透光性および弾性を有し、光導波路1の先端面102から下面103および上面104にかけて連続して覆っている。
ここで、透光性とは、光導波路1に入射される光の波長において、透過性を有する性質のことをいう。本発明では、弾性体7に対して波長850nmの光を入射させたとき、挿入損失が2dB以下である状態を指して、「透光性を有する」という。
また、弾性体7は、透光性に加えて弾性を有しているのが好ましい。ここでの弾性とは、外力が与えられたときに変形し、外力が除かれると原形に回復する性質のことをいう。具体的には、引張強さが0.3MPa以上であり、かつ、弾性率が0.01~1000MPaである状態を指して、「弾性を有する」という。
このように弾性体7が透光性と弾性とを有していることにより、光配線部品10と他の光学部品とを光学的に接続する際、光導波路1の先端面102が弾性体7によって保護されることになるので、光導波路1の先端面102が大きく傷つくのを防止することができる。このため、光配線部品10と他の光学部品とを十分な力で互いに押し付け合うことができ、接続の安定性を高めることができる。
また、弾性体7が他の光学部品に密着し、かつ、その形状に追従して変形し易くなるため、弾性体7と他の光学部品との間や弾性体7と光導波路1との間に隙間が生じ難くなる。これにより、隙間におけるフレネル反射の発生が抑えられることとなり、反射損失による光結合効率の低下を抑制することができる。このため、光配線部品10は、他の光学部品との間で安定した光結合効率を実現することができる。
さらに、図4に示す弾性体7は、貫通孔50の内側に入り込んでいる。これにより、弾性体7は、貫通孔50の内面に接する(内面を覆う)ことになるため、より広い面積において光コネクター5に固定されることとなる。その結果、外力や環境変化等が付加されたとしても、弾性体7と光導波路1との間に隙間が生じ難くなり、光配線部品10と他の光学部品との間でより安定した光結合効率が実現される。そして、光配線部品10と他の光学部品との接続体に落下衝撃が加わったり、接続体が温度サイクル試験に供されたりしても、光結合損失が増大し難くなる。
ところで、弾性体7が貫通孔50の内部に入り込んでいる位置は、特に限定されないが、図3、4に示す例では、貫通孔50の内面全体を覆うように(上下面および側面の全てを覆う筒状に)入り込んでいる。これにより、弾性体7を光コネクター5や光導波路1に対してより確実に固定することができる。
弾性体7の入り込み長さL1(対向面52を含む平面と弾性体7のうち最も非対向面53側の部分との距離)は、特に限定されないが、光導波路1の厚さの10%以上であるのが好ましく、100%以上であるのがより好ましく、500%以上であるのがさらに好ましい。これにより、弾性体7が入り込む長さが必要かつ十分な長さになるため、弾性体7を光導波路1に対してより確実に固定することができる。
なお、入り込み長さL1が前記下限値を下回ると、弾性体7が入り込む長さが不十分になるため、例えば弾性体7と対向面52との接触面積等、他の固定領域の状況によっては、弾性体7を特に大きな強度で固定することができないおそれがある。
一方、入り込み長さL1の上限値は、特に設定されていなくてもよいが、入り込み長さL1が長くなる分だけ弾性体7の全長も長くなり、熱膨張の影響を受け易くなることを考慮すれば、貫通孔50の長さの95%以下程度に抑えられているのが好ましい。これにより、弾性体7によって光結合効率の向上を図る効果をより安定的に享受することができる。
また、弾性体7は、図4に示すように、対向面52を覆うように設けられているのが好ましい。これにより、弾性体7は、光コネクター5に対してより強固に、かつ、より安定して固定される。
また、弾性体7は、図4に示すように、コネクター本体51の対向面52を含む平面から左側に突出する(非対向面53とは反対側に突出する)ように成形されている。これにより、弾性体7は、光配線部品10と他の光学部品とを接続する際、光コネクター5よりも先に他の光学部品と接触することになる。そして、双方の距離を徐々に詰めることで弾性体7が変形しながら両者の隙間が徐々に埋められていく。このとき、弾性体7は圧縮され、追従して変形することになるため、接続界面に空気が残存し難くなり、フレネル反射に伴う光結合効率の低下(反射損失の増大)を抑制することができる。
弾性体7の厚さL2(弾性体7の先端と対向面52を含む平面との距離)は、特に限定されないが、光導波路1の厚さの1~5000%程度であるのが好ましく、5~2000%程度であるのがより好ましい。これにより、弾性体7は他の光学部品に当たったとき、その形状に追従して変化するのに十分な変形量が確保されることとなる。このため、接続界面に空気が残存するのをより抑制することが可能になり、光結合効率の低下をより確実に抑制することができる。
なお、厚さL2が前記下限値を下回ると、弾性体7の突出長さが小さくなるため、弾性体7の物性や他の光学部品の形状等によっては、他の光学部品へ追従する機能が低下するおそれがある。一方、厚さL2が前記上限値を上回ると、弾性体7の物性や他の光学部品の形状等によっては、自重の影響等によって弾性体7の形状が不安定化し易くなるおそれがある。
弾性体7の構成材料としては、例えば、透明ポリアミド、ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリエステル、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネートのような可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、透明ポリイミドのような硬化性樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を含む材料が用いられる。
また、弾性体7の構成材料には、必要に応じて、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが含まれていてもよい。
また、弾性体7の構成材料には、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂のような硬化性樹脂が好ましく用いられる。このような材料は、弾性体7を形成する際、短時間で効率よく形成することができる。このため、高温時における寸法精度に優れた弾性体7が得られる。
弾性体7の透光性は、前述したように、弾性体7に対して波長850nmの光を入射させたとき、挿入損失が2dB以下を満足するが、好ましくは1.5dB以下を満足する。このような弾性体7は、光導波路1と他の光学部品との間に介在した場合でも、伝送効率の低下を抑制することができる。このため、光配線部品10と他の光学部品との間の光結合効率を十分に高めることができる。
なお、弾性体7の挿入損失は、例えば、社団法人 日本電子回路工業会が作成した規格である高分子光導波路の試験方法(JPCA-PE02-05-01S-2008)における4.6.1挿入損失の測定方法に準じて測定することができる。
また、弾性体7は、所定の荷重で押圧されたときに所定の変形量を呈するような圧縮変形性を有しているのが好ましい。具体的には、弾性体7は、常温(25℃)下で面積7.4mm2の領域を荷重15Nで押圧するときの圧縮変形量が0.005mm以上であるという特性を呈するのが好ましい。このような弾性体7は、光配線部品10を他の光学部品と接続する際、他の光学部品(例えば光ファイバー等)が押し当てられることとなるが、このとき、弾性体7が他の光学部品に追従して適度に凹むことになる。このため、他の光学部品と弾性体7との間に隙間がさらに生じ難くなる。その結果、隙間によるフレネル反射の発生が抑えられることとなり、反射損失による光結合効率の低下をさらに抑制することができる。
また、弾性体7が適度に凹むことによって、他の光学部品と弾性体7との位置がずれ難くなる。これにより、光結合効率の低下をより確実に抑制することができる。
なお、圧縮変形量が前記下限値を下回ると、他の光学部品が押し当てられたとしても、弾性体7がほとんど凹まないおそれがある。このため、他の光学部品の形状によっては、弾性体7が他の光学部品に対して追従し難くなり、隙間が生じ易くなったり、位置ずれが生じ易くなったりするおそれがある。
また、圧縮変形量は、好ましくは0.01mm以上とされ、より好ましくは0.015mm以上とされる。
また、圧縮変形量の下限値は、弾性体7の厚さの5%以上であるのが好ましく、10%以上であるのがより好ましく、15%以上であるのがさらに好ましい。
一方、圧縮変形量の上限値は、特に限定されないものの、弾性体7の厚さの50%以下であるのが好ましく、40%以下であるのがより好ましく、30%以下であるのがさらに好ましい。圧縮変形量が前記上限値を上回ると、他の光学部品の形状によっては、弾性体7が変形し過ぎることによって他の光学部品と光導波路1との接続が不安定になるおそれがある。
なお、圧縮変形量を測定するとき、前記の荷重は、ステンレス鋼のような鉄系合金製の四角柱棒を用いて加えられる。したがって、弾性体7が押圧される面は、縦4mm横3mmの長方形である。そして、押圧によって形成される凹部の最大深さを圧縮変形量とする。また、弾性体7の厚さは、光導波路1と他の光学部品とを繋ぐ光路上における弾性体7の長さである。
また、圧縮変形量は、弾性体7を構成する材料の組成、弾性率、硬度、分子量、密度、弾性体7の構造、形状等に応じて調整可能である。例えば、弾性率、硬度、分子量および密度をそれぞれ高めることにより、圧縮変形量を小さくする方向へ調整可能である。反対に、弾性率、硬度、分子量および密度をそれぞれ低くすることにより、圧縮変形量を大きくする方向へ調整可能である。
また、弾性体7では、85℃におけるポアソン比が0.4~0.5程度であるのが好ましく、0.425~0.495程度であるのがより好ましい。このような弾性体7は、いわゆるゴム弾性に近い性質を示すものとなるため、高温時に他の光学部品や光導波路1が押し付けられたときでも、その痕が残り難いものとなる。仮に高温時に痕が残ると、その痕、すなわち凹部が低温時においても残り易くなる。その結果、高温から低温に降温するとともに弾性体7が熱膨張率に応じて収縮したとき、弾性体7の形状がその収縮に追従し切れなくなって他の光学部品と弾性体7との間に隙間が生じるおそれがある。
これに対し、高温時に痕が残り難くなると、高温の温度履歴を経た後でも、温度変化に伴う隙間の発生が抑制される。その結果、他の光学部品との間で安定した光結合効率を実現することができる。
また、85℃におけるポアソン比が前記下限値を下回ると、弾性体7に他の光学部品が押し付けられて凹んだとき、付随的に押し付け方向と直交する方向へ膨張し難くなるおそれがある。このため、内部応力が高くなり、他の光学部品が押し付けられることによる痕が残るおそれがある。
なお、このようなポアソン比は、JIS K 7161-1:2014、JIS K 7161-2:2014およびJIS K 7127:1999に規定されているポアソン比の測定方法に準じて測定される。このとき、試験温度を85±2℃、相対湿度を50±10%とする。
また、弾性体7のショアD硬度は、特に限定されないが、10~60程度であるのが好ましく、15~55程度であるのがより好ましく、20~50程度であるのがさらに好ましい。ショアD硬度が前記範囲内であることにより、他の光学部品によって弾性体7が押圧されるとき、形状追従性がより高くなるとともに適度な深さの凹みが形成されることによって、前述したような効果が得られる。すなわち、弾性体7が他の光学部品に追従して凹むことにより、他の光学部品と弾性体7との間に隙間が生じ難くなる(反射損失が抑制される)という効果と、弾性体7が凹むことによって他の光学部品と弾性体7との位置ずれが抑えられ、光結合効率の低下が抑制されるという効果と、をより確実に奏することができる。
なお、弾性体7のショアD硬度は、例えばJIS K 6253:2012のタイプDデュロメーターやASTM D2240のタイプDデュロメーターにより測定される。
弾性体7の弾性とは、前述したように、引張強さが0.3MPa以上であり、かつ、弾性率が0.01~1000MPaを満足する特性のことをいうが、好ましくは引張強さが1MPa以上であり、かつ、弾性率が0.1~300MPaを満足する特性のことをいい、より好ましくは引張強さが5MPa以上であり、かつ、弾性率が0.5~100MPaを満足する特性のことをいう。このような弾性体7は、光導波路1と他の光学部品との間に介在し、双方から圧縮力を受けた場合に、比較的容易に変形して双方の形状に追従するとともに、塑性変形を生じ難いものとなる。
なお、弾性体7の引張強さが前記下限値を下回ると、弾性体7に荷重が加わったとき、荷重の大きさによっては弾性体7が損傷を受けるおそれがある。また、弾性体7の弾性率が前記下限値を下回ると、弾性体7が極めて変形し易くなり、自重でも変形してしまうおそれがある。一方、弾性体7の弾性率が前記上限値を上回ると、弾性体7が変形し難くなり、他の光学部品に対して形状が追従し難くなるおそれがある。
なお、弾性体7の引張強さは、例えば、JIS K 7127:1999に規定されたプラスチックの引張特性の試験方法に準じて測定することができる。
また、弾性体7の弾性率は、例えば、縦20mm×横20mm×厚1mmの試験片を用い、動的粘弾性測定装置により、周波数1Hz、測定温度23℃で測定された貯蔵弾性率E’として求められる。なお、動的粘弾性測定装置としては、例えば、ティー・エイ・インスツルメンツ社製のRSAIIIや、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製のDMS210、DMS6100等が挙げられる。
また、弾性体7の屈折率は、光導波路1のコア部14の屈折率と1.4との間であることが好ましい。弾性体7の屈折率がこのような範囲内にあることで、光導波路1と弾性体7との間、および、弾性体7と他の光学部品(例えば光ファイバー)との間で、屈折率差に伴う反射損失を抑制することができる。これにより、光配線部品10と他の光学部品との間の光結合効率をより高めることができる。
なお、光ファイバーのコアの屈折率は、通常、1.46程度であるので、弾性体7の屈折率が、好ましくはコア部14の屈折率と1.46との間になるようにすればよい。
また、他の光学部品が光ファイバー以外の場合には、弾性体7の屈折率が、光導波路1のコア部14の屈折率と他の光学部品の屈折率との間になるようにするのが好ましい。これにより、光配線部品10と他の光学部品との間の光結合効率をより高めることができる。
また、光コネクター5の突出部54と弾性体7とは、互いに接していてもよいが、好ましくは図2に示すように互いに離れるように配置されている。これにより、弾性体7が圧縮されたときの変形自由度が確保されることとなる。すなわち、弾性体7が一方向に圧縮されたときには、それと直交する方向に伸張することによって変形自由性が発現するが、このとき、直交する方向への伸張が突出部54によって妨げられると、自由な変形が妨げられることとなる。これに対し、突出部54と弾性体7とが離れていることにより、弾性体7の形状追従性がより良好になり、光配線部品10と他の光学部品との間の光結合効率をより高めることができる。
また、弾性体7は、ガイド孔511に被さらないように設けられていることが好ましい。これにより、ガイド孔511に図示しないガイドピンが挿入されるとき、その挿入を弾性体7が阻害することが防止される。その結果、光配線部品10と他の光学部品とを位置合わせする際に、互いの位置をより正確に合わせることができる。
なお、弾性体7の表面には、必要に応じて表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理のような表面改質処理、撥液処理、低反射コーティング、保護コーティングのような成膜処理等が挙げられる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の光配線部品の第2実施形態を示す断面図であり、図12は、図11の部分拡大図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図11、12において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
第2実施形態に係る光配線部品10は、光コネクター5に対する光導波路1の配置が異なる以外、第1実施形態に係る光配線部品10と同様である。
図11、12に示す光導波路1の先端面102は、光コネクター5の対向面52よりも左側(非対向面53とは反対側)に位置している。換言すれば、図11、12に示す光導波路1の先端面102は、対向面52から左側へ突出している。これにより、弾性体7が先端面102に対して押し付けられた状態を維持し易くなる。その結果、弾性体7と光導波路1との間に隙間が生じ難くなるため、光配線部品10と他の光学部品との光結合効率を特に高めることができる。
なお、先端面102の突出長さL5は、特に限定されないが、光導波路1の厚さの0.1~500%程度であるのが好ましく、0.5~200%程度であるのがより好ましい。これにより、弾性体7が先端面102に対して十分な強さで押し付けられるとともに、先端面102が突出し過ぎることによる光導波路1の曲がり、折れ等の不具合の発生を抑制することができる。その結果、接続体の信頼性を確保しつつ、光結合効率をより高めることができる。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第3実施形態について説明する。
図13は、本発明の光配線部品の第3実施形態を示す斜視図であり、図14は、図13に示す光配線部品のうち他の光学部品に対向する面の平面図であり、図15は、図13のA2-A2線断面図であり、図16は、図15の部分拡大図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図13~16において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
第3実施形態に係る光配線部品10は、光コネクター5および弾性体7の形状が異なる以外、第1、第2実施形態に係る光配線部品10と同様である。
本実施形態に係る貫通孔50の上面502は、光導波路1を載置する載置面になっており、この上面502には、図示しない接着剤を介して光導波路1が接着されている。
また、本実施形態に係る貫通孔50の下面501は、光導波路1と離間している。すなわち、本実施形態に係る貫通孔50は、光導波路1の下面103と貫通孔50の下面501とが十分に離間し得るように、その高さが大きく設定されている。これにより、接着剤や光導波路1に体積変化が生じた場合でも、光導波路1と下面501との隙間によって、その体積変化を吸収することができる。
また、図13~16に示す例では、貫通孔50の内面全体を覆うように(上下面および側面の全てを覆う筒状に)弾性体7が入り込んでいる。これにより、弾性体7が筒状(図13、14では四角筒状)になるため、弾性体7を光コネクター5や光導波路1に対してより確実に固定することができる。
さらに、弾性体7は、少なくとも先端面102を覆っていればよいが、図16に示すように、光導波路1の表面(図16では下面103)を覆うように設けられているのが好ましい。これにより、光導波路1は、弾性体7とコネクター本体51の上面502とで挟まれることとなる。その結果、光導波路1に対して弾性体7をより確実に固定することができ、弾性体7と光導波路1との間により隙間が生じ難くなる。
なお、弾性体7は、光導波路1の上面104を覆うように設けられていてもよい。すなわち、図16においては図示していないものの、光導波路1の上面104と貫通孔50の上面502との間に弾性体7が入り込んでいてもよい。これにより、弾性体7が光コネクター5や光導波路1に対してより強固に固定されることとなるため、光配線部品10の信頼性をより高めることができる。
また、図14では、弾性体7が筒状になっているが、弾性体7の形状はそれに限定されず、いかなる形状であってもよい。例えば、筒の内側も埋められることによって、貫通孔50を塞ぐように弾性体7が設けられていてもよい。
このような第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第4実施形態について説明する。
図17は、本発明の光配線部品の第4実施形態のうち他の光学部品に対向する面の平面図である。また、図18は、図17に示す光配線部品に含まれる光コネクターのみを示す斜視図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図17、18において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
第4実施形態に係る光配線部品10は、光コネクター5の形状が異なる以外、第3実施形態に係る光配線部品10と同様である。
図17、18に示す光コネクター5は、1つの突出部54を備えている。図17に示す突出部54は、対向面52が平面視されたとき、対向面52の縁部に沿って設けられた枠状をなしている。このような形状によれば、突出部54がよりバランスよく配置されることになる。このため、光配線部品10と他の光学部品とを接続する際、他の光学部品と突出部54とをより安定的に当接させることができ、接続状態の信頼性をより高めるとともに、光結合効率のさらなる向上を図ることができる。
なお、このような第4実施形態においても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
≪第5実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第5実施形態について説明する。
図19は、本発明の光配線部品の第5実施形態を示す断面図である。
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図19において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態に係る光配線部品10は、弾性体7の構成が異なる以外、第3実施形態に係る光配線部品10と同様である。
図19に示す弾性体7は、弾性を有する弾性体本体71と、弾性体本体71の表面に設けられ弾性体本体71よりも粘着性が低い表面層72と、を備えている。このような弾性体7によれば、弾性体本体71によって全体の弾性が確保され、他の光学部品に対して弾性体7が追従し得るようになる一方、弾性体7が他の光学部品に圧着されてしまうのを抑制することができる。これにより、光配線部品10と他の光学部品との接続操作と解除操作とを容易に行うことができるようになり、取り扱い性が良好な光配線部品10が得られる。
表面層72の構成材料は、表面層72の粘着性が弾性体本体71よりも低い材料であれば、特に限定されない。一例として、弾性体本体71を改質してなる材料が挙げられる。この他、成膜法等によって追加形成した材料であってもよく、一例として、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、各種ガラスのような無機材料、ポリプロピレンのようなポリアルキレン、ポリイミド、フッ化ポリイミド、ポリエステル、ナイロン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂のような有機材料、無機材料と有機材料の双方を含む複合材料等が挙げられる。
また、弾性体本体71の粘着性および表面層72の粘着性は、それぞれ各種の粘着力試験法によって測定される。かかる粘着力試験法としては、例えば、ピール粘着力試験法、傾斜式ボールタック試験法、ローリングボールタック試験法、プローブタック試験法等が挙げられる。
なお、表面層72の粘着性(粘着力)は、弾性体本体71の粘着性(粘着力)の95%以下であるのが好ましく、90%以下であるのがより好ましい。これにより、弾性体7に他の光学部品が押し付けられたとき、弾性体7に対して他の光学部品が不本意に圧着されてしまうのを防止することができる。その結果、取り扱い性が良好な光配線部品10が得られる。
また、表面層72は、さらに、弾性体本体71よりも硬度が高いことが好ましい。このような弾性体7によれば、弾性体7の表面にキズが付き難くなる。その結果、仮に他の光学部品が硬度の高いものであっても、弾性体7が奏する効果を長期にわたって維持することができる。そして、例えば光配線部品10と他の光学部品とを接続する操作と接続を解除する操作とを繰り返したときでも、光結合損失が増大し難くなる。
一方、表面層72の硬度は、弾性体本体71の硬度より高ければよいが、具体的にはモース硬度が3以上であるのが好ましく、4以上であるのがより好ましく、5以上であるのがさらに好ましい。このような硬度の表面層72であれば、他の光学部品等が接触したとしても、よりキズが付き難くなる。
表面層72の厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上5μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上1μm以下であるのがさらに好ましい。表面層72の厚さを前記範囲内に設定することにより、表面層72が剥離し難くなるとともに、弾性体本体71に対して表面層72が追従し易くなる。このため、弾性体7の表面における他の光学部品の追従性も良好になる。
なお、表面層72の厚さが前記上限値を上回ると、表面層72が厚くなり過ぎるため、表面層72の機械的強度が弾性体7全体の機械的強度に影響を及ぼし易くなり、弾性体7の表面における追従性が低下するおそれがある。また、表面層72が厚くなり過ぎると、結合損失が悪化するおそれがある。
また、表面層72の形成方法としては、前述したように、弾性体本体71を改質する方法や弾性体本体71の表面に表面層72を成膜する方法等が挙げられる。
改質方法としては、例えば、プラズマ処理、アーク放電処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理等が挙げられる。
一方、成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法のような気相成膜法、ゾルゲル法、塗布法のような液相成膜法等が挙げられる。
なお、表面層72は、弾性体本体71の表面全体を覆っている必要はなく、少なくとも一部に存在していればよい。
また、表面層72を設けた場合であっても、弾性体7の特性、例えば圧縮変形量、弾性率、ショア硬度、ポアソン比等の機械的特性や屈折率等の光学的特性は、弾性体本体71のそれら特性とほぼ同程度であるため、弾性体本体71の特性を弾性体7の特性としてみなすことができる。
以上のような第5実施形態においても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
≪第6実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第6実施形態について説明する。
図20は、本発明の光配線部品の第6実施形態のうち他の光学部品に対向する面の平面図である。
以下、第6実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図20において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態に係る光配線部品10は、弾性体7の構成が異なる以外、第1実施形態に係る光配線部品10と同様である。
図20に示す弾性体7は、対向面52が平面視されたとき形状が丸みを帯びている。すなわち、図20に示す弾性体7の平面視形状は、角部が丸められた長方形である。このように丸みを帯びた形状になっていると、弾性体7が対向面52から剥離しにくくなる。その結果、より信頼性の高い光配線部品10が得られる。
なお、弾性体7の平面視形状における最小の曲げ半径は、2mm以上であるのが好ましく、4mm以上であるのがより好ましい。これにより、弾性体7の剥離しにくさがより顕著になる。
以上のような第6実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
<光配線部品の接続方法>
次に、図13~16に示す光配線部品10を他の光学部品と接続する方法の一例について説明する。
図21は、図13~16に示す光配線部品10と光ファイバー9(他の光学部品)とを接続する方法の一例を説明するための図である。
本接続方法では、光配線部品10の弾性体7に対して8本の光ファイバー9を押し付けた状態で、両者を固定する。具体的には、図21(a)に示すように、光導波路1の一端に装着された光コネクター5と、8本の光ファイバー9の一端に装着された光コネクター91とを、互いに近づける。そして、図21(b)に示すように、弾性体7に対して8本の光ファイバー9を押し付ける。これにより、弾性体7には光ファイバー9から圧力が付与され、弾性体7は光ファイバー9の形状に追従して変形する。この状態で、図示しないガイドピンやクリップ等を用いて光コネクター5と光コネクター91とを互いに固定する。これにより、光配線部品10と光ファイバー9とが光学的および機械的に接続される。
なお、光ファイバー9は、他の光学部品の一例である。他の光学部品としては、例えば、光導波路、発光ダイオード、半導体レーザー、レンズ、プリズム等の各種光学要素が挙げられる。
<光配線部品の製造方法>
次に、図13~16に示す光配線部品10を製造する方法の一例について説明する。
図22、23は、それぞれ図13~16に示す光配線部品を製造する方法を説明するための図である。なお、図22は、図15と同様の断面図である。また、以下の説明では、説明の便宜上、図22、23の上方を「上」、下方を「下」という。また、図22、23において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
光配線部品10の製造方法は、[1]光導波路1と光コネクター5とを備えるコネクター付き光導波路4を準備する準備工程と、[2]光導波路1の少なくとも先端面102(光入出射面)に対して樹脂組成物70を接触させつつ、樹脂組成物70を成形型8で成形する成形工程と、[3]樹脂組成物70を硬化させ、弾性体7を得る硬化工程と、[4]成形型8を離型する離型工程と、を有する。以下、各工程について詳述する。
[1]準備工程
まず、光導波路1と光コネクター5とを準備する。そして、図22(a)に示すように、接着剤等を用いて光導波路1と光コネクター5とを接着、固定する。これにより、図22(a)に示すコネクター付き光導波路4を得る。
また、それとともに、図22(a)に示す成形型8を用意する。そして、コネクター付き光導波路4に対して成形型8を配置する。この成形型8は、樹脂組成物70を成形することにより、目的とする形状の弾性体7を形成するための成形型である。具体的には、図22(a)に示す成形型8は、形成しようとする弾性体7の形状に対応したキャビティー81を備えている。このキャビティー81によって樹脂組成物70が成形されることにより、弾性体7を目的とする形状に成形することができる。
[2]成形工程
次に、図22(b)に示すように、光導波路1の先端面102と成形型8との間に樹脂組成物70を供給する。これにより、樹脂組成物70が光コネクター5の貫通孔50内やキャビティー81内に貯留され成形されるとともに、光導波路1の先端面102に接触する。
なお、樹脂組成物70の供給方法としては、特に限定されないが、例えばディスペンサー等の供給装置を用いる方法が挙げられる。また、供給経路は、特に限定されず、例えば貫通孔50の非対向面53側の開口を介する経路であってもよく、成形型8に設けられた孔を介する経路であってもよい。なお、図22(b)では、一例として、成形型8を貫通する経路を介して樹脂組成物70を供給する様子を図示している。
[3]硬化工程
次に、成形した樹脂組成物70を硬化させる。これにより、図13~16に示す弾性体7が得られる。また、樹脂組成物70が光硬化性を有している場合には、成形型8として光透過性を有するものを使用し、図23(a)に示すように、樹脂組成物70に対して成形型8越しに光Lを照射すればよい。これにより、成形型8によって樹脂組成物70を成形した状態を維持しながら、樹脂組成物70を硬化させることができる。その結果、寸法精度の高い弾性体7を得ることができる。
なお、樹脂組成物70の硬化方法は、上記の方法に限定されず、例えば樹脂組成物70が熱硬化性を有している場合には、加熱により硬化させることができる。
[4]離型工程
次に、図23(b)に示すように、弾性体7から成形型8を離型する。これにより、図13~16に示す光配線部品10が得られる。
以上のような製造方法によれば、成形型8によって弾性体7を成形しつつ、同時に弾性体7と光導波路1との位置合わせを行うことができる。これにより、例えば弾性体7の中心部と光導波路1の光軸とをより正確に合わせることができる。その結果、他の光学部品との間で安定した光結合効率を実現可能な光配線部品10を効率よく製造することができる。
なお、上記の製造方法は一例であり、他の製造方法が採用されてもよい。例えば、光コネクター5に対して弾性体7を形成し、弾性体付き光コネクター6を製造した後、光導波路1を接着、固定して光配線部品10を得るようにしてもよい。これにより、製造過程で光導波路1に付与される熱影響等を抑えつつ、光配線部品10を製造することができる。そして、弾性体付き光コネクター6は、他の光学部品との間で安定した光結合効率を実現可能な光配線部品10を実現し得るものとなる。
<電子機器>
上述したような本発明の光配線部品は、前述したように、他の光学部品と接続しても光接続に伴う光結合効率の低下が抑えられる。したがって、本発明の光配線部品を備えることにより、高品質の光通信を行い得る信頼性の高い電子機器(本発明の電子機器)が得られる。
本発明の光配線部品を備える電子機器としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器類が挙げられる。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が本発明の光配線部品を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消され、その性能の飛躍的な向上が期待できる。
また、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
以上、弾性体付き光コネクター、光配線部品および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、光導波路の一端部に光コネクターが装着されているが、他端部にも同様の光コネクターが装着されていてもよく、これとは異なる光コネクターが装着されていてもよい。また、他端部には、光コネクターに代えて、各種の受発光素子が実装されていてもよい。また、前記実施形態に任意の要素が付加されていてもよい。