JP7080372B1 - 半導体圧力センサ及び圧力センサ装置 - Google Patents

半導体圧力センサ及び圧力センサ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素ガスの圧力測定を高精度化した半導体圧力センサを得ること。【解決手段】第1の半導体基板と、第1の半導体基板の一方の面に酸化膜を介して接合された第2の半導体基板と、第2の半導体基板の一方の面に設けられた第1のピエゾ抵抗素子及び第2のピエゾ抵抗素子とを備え、第1の半導体基板の一方の面に第1の凹部及び第1の凹部を取り囲んだ第2の凹部が形成され、第1の凹部と第2の半導体基板とにより囲まれた第1のキャビティ、第2の凹部と第2の半導体基板とにより囲まれた第2のキャビティが形成され、第1のピエゾ抵抗素子は第1のキャビティの外周に重複する位置または第1のキャビティの外周よりも内側の位置に形成され、第2のピエゾ抵抗素子は第2のキャビティの外周に重複する位置、または第2のキャビティの内周に重複する位置、または第2のキャビティの外周よりも内側で内周よりも外側の位置に形成されている。【選択図】図1

Description

本願は、半導体圧力センサ及び圧力センサ装置に関するものである。
燃料電池車等に搭載されるタイプの燃料電池システムにおいては、高電圧の発生が可能な燃料電池スタックが用いられている。燃料電池スタックは、燃料電池セル積層体を、絶縁板、集電板、エンドプレート等で挟み込むように構成される。燃料電池セル積層体は、燃料電池セルを多数積層したものである。1組の燃料電池セルは、一般的には、アノード側電極、電解質膜、カソード側電極から成る膜電極アセンブリ(MEA:Membrane Electrode Assembly)とセパレータから構成される。
燃料電池スタックにおいては、アノード側に燃料ガス(例えば水素ガス)を、カソード側に酸素ガス(例えば空気)を供給することによって、電池反応が起こり、起電力が発生して、カソード側に水が生成される。この発電を効率的に行うためには、燃料電池スタックに供給される水素ガス、及び空気の量を的確に測定し、過不足なく制御した上で供給する必要がある。水素ガスの制御には、圧力センサが利用されている。
しかしながら、燃料電池スタックに供給される水素ガスの圧力を測定する圧力センサには、改善すべき課題が多い。水素ガスの分子径は、共有結合半径が約37pm、ファンデルワールス半径が約120pmであり、非常に小さい。水素ガスはガス分子のまま、あるいはイオン化して圧力センサに浸入した後に再結合する等するため、容易に種々の材料を透過するという特性がある。この特性が、高精度な圧力測定を困難にしている。
また、燃料電池システムを構成する各種部品は、仕様、価格とも未だ適正化が十分になされておらず、燃料電池車の普及の上で低価格化が喫緊の課題である。そのため、大量生産が可能で安価な半導体圧力センサを燃料電池システムに用いることが望ましい。測定媒体が空気であることを想定した従来の半導体圧力センサは、例えば、ダイヤフラムを単結晶シリコン基板で形成し、キャビティを封止する台座にはガラス基板が用いられている。そのため、従来の半導体圧力センサは、安価、高精度、高信頼性という特徴を有している。しかしながら、従来の半導体圧力センサは燃料電池システムでの使用を想定していないため、半導体圧力センサにおける水素透過の課題に対して十分な対策が取られていない。
従来の半導体圧力センサを燃料電池システムにおける水素ガスの圧力測定に用いた場合、水素ガスがシリコン酸化膜及びガラス基板を容易に透過してしまうため、高精度な圧力測定は行えない。多くの材料の水素拡散係数は、室温の大気圧下に比べて、燃料電池システムのような高温高圧下において指数関数的に増大する。そのため、このような現象は水素ガスの温度、圧力が高くなれば一層顕著になる。さらに、キャビティは絶対圧の測定を行うために内部を真空にしていることから、キャビティ内部と外部には圧力差があるため水素ガスはキャビティに浸入し易い。キャビティの内部に水素が浸入すると、キャビティの内部の圧力が上昇し、圧力センサの出力が変動する。そのため、従来の半導体圧力センサでは、水素ガスの圧力を高精度に測定することは困難である。また、近年の半導体圧力センサの高精細化、高集積化に伴い、キャビティの容積も一層小型化している。そのため、キャビティへ浸入した水素ガスの量が極めてわずかであっても、キャビティの圧力上昇は著しく大きなものとなってしまうので、水素透過の影響がより一層深刻となっている。
半導体基板を接合して作製された半導体圧力センサにおいて、半導体基板の接合時に発生する水素、酸素等のガスをトラップする構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。開示された半導体圧力センサでは、ダイヤフラムを有する第1の半導体基板と、第2の半導体基板とを真空中で接合することによってキャビティが形成される。半導体圧力センサは、第1の半導体基板と第2の半導体基板との接合界面にトラップ室を備えている。このトラップ室において、第1の半導体基板と第2の半導体基板との接合時に発生する水素、酸素等のガスをトラップする。
特開2000-133817号公報
上記特許文献1における半導体圧力センサの構造では、第1の半導体基板と第2の半導体基板との接合界面にトラップ室を備えているため、熱処理工程において発生した水素ガスが双方の基板の界面を伝わることによる水素ガスのキャビティ内への浸入を防ぐことはできる。しかしながら、開示された単結晶シリコン材で構成された半導体圧力センサを燃料電池システムにおける水素ガスの圧力測定に用いた場合、水素透過現象を完全になくせるものではないため、キャビティ内への水素の浸入を防ぐことは難しい。以下、その理由を述べる。
開示された半導体圧力センサにおいて、第1の半導体基板と第2の半導体基板とが接合されることで生じた接合部は、半導体圧力センサの側面で外部に露出している。単結晶シリコン基板であるウエハに複数の半導体圧力センサが製造され、ダイシングによって半導体圧力センサは個片化される。半導体プロセスを利用した半導体圧力センサの製造においては、接合部の外部への露出は避けられない。2枚のウエハの接合を促進させるために接合部に形成されるシリコン酸化膜は、シリコンと比較して水素ガスを透過し易い材料である。そのため、半導体圧力センサの接合部は、分子径の小さい水素ガスが側面からキャビティの内部に浸入する透過経路になる。
開示された半導体圧力センサは、透過経路における水素透過に対して対策がなされていない。絶対圧を測定するために真空状態を維持すべきキャビティ内に透過経路から水素ガスが浸入してキャビティの真空度が低下すると、半導体圧力センサは高精度に水素ガスの圧力を測定することができなくなるという課題があった。高精度に圧力を測定できないので、測定の信頼性は低下することになる。
そこで、本願は、水素ガスの圧力測定を高精度化した半導体圧力センサを得ることを目的とする。
本願に開示される半導体圧力センサは、第1の半導体基板と、第1の半導体基板の一方の面に、酸化膜を介して接合された第2の半導体基板と、第1の半導体基板とは反対側の第2の半導体基板の一方の面に設けられた第1のピエゾ抵抗素子及び第2のピエゾ抵抗素子とを備え、第1の半導体基板の一方の面に、第1の凹部、及び第1の凹部を取り囲んだ第2の凹部が形成され、第1の凹部と第2の半導体基板の他方の面とにより囲まれた空間である第1のキャビティが形成され、第2の凹部と第2の半導体基板の他方の面とにより囲まれた空間である第2のキャビティが形成され、第1のピエゾ抵抗素子は、第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、第2の半導体基板の一方の面における、第1のキャビティの外周に重複する位置または第1のキャビティの外周よりも内側の位置に形成され、第2のピエゾ抵抗素子は、第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、第2の半導体基板の一方の面における、第2のキャビティの外周に重複する位置、または第2のキャビティの内周に重複する位置、または第2のキャビティの外周よりも内側で内周よりも外側の位置に形成されているものである。
本願に開示される半導体圧力センサによれば、第1の半導体基板の一方の面に、第1の凹部、及び第1の凹部を取り囲んだ第2の凹部が形成され、第1の凹部と酸化膜を介して接合された第2の半導体基板の他方の面とにより囲まれた空間である第1のキャビティが形成され、第2の凹部と第2の半導体基板の他方の面とにより囲まれた空間である第2のキャビティが形成され、第1のピエゾ抵抗素子が第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、第2の半導体基板の一方の面における、第1のキャビティの外周に重複する位置または第1のキャビティの外周よりも内側の位置に形成され、第2のピエゾ抵抗素子が第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、第2の半導体基板の一方の面における、第2のキャビティの外周に重複する位置、または第2のキャビティの内周に重複する位置、または第2のキャビティの外周よりも内側で内周よりも外側の位置に形成されているため、酸化膜から透過した水素ガスにより、第1のキャビティと第2のキャビティの内部の圧力に差が生じ、第1のピエゾ抵抗素子と第2のピエゾ抵抗素子の出力から第1のキャビティと第2のキャビティの内部の圧力差が検出できるので、水素ガスの圧力測定を高精度化することができる。
実施の形態1に係る半導体圧力センサを模式的に示す平面図である。 図1のA-A断面位置で切断した半導体圧力センサの概略を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体圧力センサを模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る別の半導体圧力センサを模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る別の半導体圧力センサを模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る半導体圧力センサの出力変動量を示す図である。 実施の形態1に係る半導体圧力センサの第1のキャビティ及び第2のキャビティの内圧変化の関係を示す図である。 実施の形態1に係る半導体圧力センサの補正の処理について説明する図である。 実施の形態1に係る圧力センサ装置の構成を示す図である。 圧力センサ装置のハードウエアの一例を示す構成図である。 実施の形態1に係る半導体圧力センサの製造工程を示す図である。 実施の形態2に係る半導体圧力センサを模式的に示す平面図である。
以下、本願の実施の形態による半導体圧力センサを図に基づいて説明する。なお、各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る半導体圧力センサ1を模式的に示す平面図で、配線を省略して示した図、図2は図1のA-A断面位置で切断した半導体圧力センサの概略を示す断面図、図3は半導体圧力センサ1を模式的に示す平面図で、配線を説明する図、図4は実施の形態1に係る別の半導体圧力センサ1を模式的に示す平面図で、配線を説明する図、図5は実施の形態1に係る別の半導体圧力センサ1を模式的に示す平面図で、配線を説明する図、図6は半導体圧力センサ1の出力変動量を示す図、図7は半導体圧力センサ1の第1のキャビティ5及び第2のキャビティ7の内圧変化の関係を示す図、図8は半導体圧力センサ1の補正の処理について説明する図、図9は圧力センサ装置100の構成を示す図、図10は圧力センサ装置100のハードウエアの一例を示す構成図、図11は半導体圧力センサ1の製造工程を示す図である。半導体圧力センサ1は、半導体プロセスで作製され、水素ガス、または水素ガスを含む気体の圧力を測定するセンサである。
<半導体圧力センサ1>
半導体圧力センサ1は、第1の半導体基板である第1のシリコン基板2と、第1のシリコン基板2の一方の面である主面2aに、シリコン酸化膜4を介して接合された第2の半導体基板である第2のシリコン基板3と、第1のシリコン基板2とは反対側の第2のシリコン基板3の一方の面である主面3aに設けられた第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8とを備える。第1のシリコン基板2の主面2aに、第1の凹部2b、及び第1の凹部2bを取り囲んだ第2の凹部2cが形成される。第1の凹部2b及び第2の凹部2cは、第1のシリコン基板2の厚さ方向に形成される。第2のシリコン基板3は、第1の凹部2b及び第2の凹部2cを覆って接合される。本実施の形態では、第1の凹部2bは、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、矩形状に形成される。また、第2の凹部2cは、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、矩形環状に形成される。第1の凹部2b及び第2の凹部2cの形状はこれに限るものではなく、例えば円形及び円環状であっても構わない。第1の凹部2b及び第2の凹部2cを矩形状及び矩形環状に形成した場合、第1の凹部2b及び第2の凹部2cを半導体プロセスで容易に精度よく形成することができる。
第2のシリコン基板3の主面3aは、半導体圧力センサ1の圧力を受ける面である。第1のシリコン基板2及び第2のシリコン基板3には単結晶シリコン基板を用い、第2のシリコン基板3は変形可能な厚みが薄い基板である。第1のキャビティ5は、第1の凹部2bと第2のシリコン基板3の他方の面である主面3bとにより囲まれた空間により形成される。第2のキャビティ7は、第2の凹部2cと第2のシリコン基板3の主面3bとにより囲まれた空間により形成される。図1において、第1のキャビティ5は中央の破線で囲まれた部分に形成され、第2のキャビティ7は斜線で示された部分に形成される。半導体圧力センサ1がこのような2つのキャビティを備えることで、水素ガスの圧力測定を高精度化することができる。水素ガスの圧力測定の高精度化についての詳細は後述する。
第1のピエゾ抵抗素子6は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板3の主面3aにおける、第1のキャビティ5の外周に重複する位置または第1のキャビティ5の外周よりも内側の位置に形成される。第2のピエゾ抵抗素子8は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板の主面3aにおける、第2のキャビティ7の外周に重複する位置、または第2のキャビティ7の内周に重複する位置、または第2のキャビティ7の外周よりも内側で内周よりも外側の位置に形成される。
本実施の形態では、第1のピエゾ抵抗素子6は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板3の主面3aにおける、第1のキャビティ5の外周よりも内側で、第1のキャビティ5の外周に隣接した位置に形成される。第2のピエゾ抵抗素子8は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板3の主面3aにおける、第2のキャビティ7の外周よりも内側で、第2のキャビティ7の外周に隣接した位置に形成される。図1に示すように、第1のピエゾ抵抗素子6は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、矩形状の第1のキャビティ5の外周の各辺のそれぞれの上述した位置に第1のピエゾ抵抗素子6a、6b、6c、6dが設けられる。第2の凹部2cは、第1の凹部2bの各辺の外側に位置し、第1の凹部2bの各辺と対応する長さを有する第2の凹部2cの4つの領域部分2c1を有する。図1において、一点鎖線で囲まれた部分が領域部分2c1である。4つの領域部分2c1は、互いに同じ幅(図1において矢印で示した幅)である。第2のピエゾ抵抗素子8は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板3の主面3aにおける、4つの領域部分2c1のそれぞれの外周よりも内側で、4つの領域部分2c1のそれぞれの外周に隣接した位置に第2のピエゾ抵抗素子8a、8b、8c、8dが設けられる。
図2において、第1のキャビティ5と対向した第2のシリコン基板3の部分(図2において破線で囲まれた部分)は、ダイヤフラム9aの断面を構成する。第2のキャビティ7と対向した第2のシリコン基板3の部分(図2において一点鎖線で囲まれた部分)は、ダイヤフラム9bの断面を構成する。ダイヤフラム9a、9bは変形可能な受圧部であり、受けた圧力に応じて撓み、特に第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8が配置された箇所において歪が生じる。ダイヤフラム9a、9bの大きさ、厚さで歪の程度、すなわち感圧特性が決定される。ダイヤフラム9a、9bは、主に第2のシリコン基板3の厚さが、ダイヤフラム9a、9bの厚さとなる。図1において、第1のキャビティ5の形成された部分がダイヤフラム9aになり、第2のキャビティ7が形成された部分がダイヤフラム9bになる。
第2のシリコン基板3の主面3aに圧力が印加されると、ダイヤフラム9aは第1のキャビティ5と外部の圧力の差圧に応じて撓む。同様に、ダイヤフラム9bは第2のキャビティ7と外部の圧力の差圧に応じて撓む。それに伴い、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の配置された箇所に歪が生じる。生じた歪の程度に応じて、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8のそれぞれの抵抗値が変化する。この抵抗値は電気信号に変換して出力され、出力された電気信号は拡散抵抗である拡散配線層10及び金属である金属配線層11aを介して電極パッドである金属パッド11bから外部に取り出される。図1に示した第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の位置は、大きい歪が得られる位置である。
<半導体圧力センサ1の配線構成>
図3を用いて、半導体圧力センサ1の配線について説明する。半導体圧力センサ1は、第2のシリコン基板3の主面3aに複数の金属パッド11bを備える。金属パッド11bは、半導体圧力センサ1が備えた配線と外部とを接続する部分である。第1のピエゾ抵抗素子6と金属パッド11bとは、拡散配線層10からなる第1の配線で接続される。第2のピエゾ抵抗素子8と金属パッド11bとは、拡散配線層10または金属配線層11aからなる第2の配線で接続される。図3において、拡散配線層10からなる配線を破線で示し、金属配線層11aからなる配線を実線で示した。本実施の形態では、第2のピエゾ抵抗素子8と金属パッド11bとを金属配線層11aからなる第2の配線で接続したがこれに限るものではない。図4に示すように、第2のピエゾ抵抗素子8と金属パッド11bとの間を部分的に拡散配線層10からなる第2の配線で接続しても構わない。金属配線層11aで配線を形成した場合、半導体プロセスで配線を容易に形成することができる。
半導体圧力センサ1のサイズを小さくする観点から、ダイヤフラム9aとダイヤフラム9bとの間の領域に金属パッド11bを設けることができない場合、ダイヤフラム9bの領域に第1のピエゾ抵抗素子6と金属パッド11bとを接続する配線層を形成することになる。配線層の種類を任意に選択して、半導体圧力センサ1の配線を設計することは可能である。ダイヤフラム9bの領域に金属配線層11aを設けた場合、ダイヤフラム9bの変形により金属配線層11aに応力がかかるため、配線にダメージを与えることが懸念される。配線へのダメージを回避するためには、応力の影響を受けにくい拡散配線層10で配線を形成することが好適である。
図4に示した配線は、第1のピエゾ抵抗素子6と金属パッド11bとの間は拡散配線層10で、第2のピエゾ抵抗素子8と金属パッド11bとの間は拡散配線層10と金属配線層11aである。拡散配線層10で配線を設けた場合、ダイヤフラム9a、9bの変形に起因した応力の影響を受けにくくすることができる。配線が応力の影響を受けにくいため、配線の耐久性を向上させ、配線の経年劣化を抑制することができる。
図3に示した金属パッド11b及び配線のレイアウトは一例であり、ワイヤボンディング等の製造工程の簡易化等を考慮して、これらは自由に配置できる。図4に示すように、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の電源とGNDについての金属パッド11bを共通化しても構わない。第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の電源とGNDを共通化することにより、金属パッド11bの数を減らすことできる。金属パッド11bの数が減るため、設計の自由度が向上し、製造工数を削減することが可能になる。
第1の配線である拡散配線層10と第2の配線である金属配線層11aの少なくとも一部が、絶縁膜を介して積層される構成でも構わない。図5において、絶縁膜を介して積層された箇所は積層部12である。絶縁膜を介してそれぞれの配線は積層されているため、一方の配線が他方の配線から電気的な影響を受けることはない。また、積層して配線しているため、半導体圧力センサ1のサイズをより小さくすることができる。
<圧力センサ装置100>
圧力センサ装置100は、図9に示すように、上述した構成の半導体圧力センサ1と、信号処理回路50とを備える。信号処理回路50は、第1のピエゾ抵抗素子6の出力と第2のピエゾ抵抗素子8の出力に基づいて、第1のピエゾ抵抗素子6の出力を処理する。信号処理回路50が、予め定められたプログラムに基づいて第1のピエゾ抵抗素子6の出力を補正する処理を行うことで、水素ガスの圧力測定を高精度化することができる。処理の詳細については後述する。
信号処理回路50は、ハードウエアの一例を図10に示すように、プロセッサ111と記憶装置112から構成される。記憶装置112は、図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ111は、記憶装置112から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ111にプログラムが入力される。また、プロセッサ111は、演算結果等のデータを記憶装置112の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
<補正処理の概要>
水素ガスの圧力測定を高精度化するための補正処理の概要について説明する。第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合部であるシリコン酸化膜4は、半導体圧力センサ1の側面で露出している。そのため、半導体圧力センサ1を用いて水素ガスまたは水素ガスを含む気体の圧力測定を行うと、測定時間が長くなるに従い、水素が透過経路であるシリコン酸化膜4を透過して第2のキャビティ7の内部に浸入する。続いて第2のキャビティ7の内部の水素が第1の凹部2bと第2の凹部2cとの間の接合部のシリコン酸化膜4を通って第1のキャビティ5の内部に浸入する。水素の浸入に伴い、圧力測定の基準となるキャビティ内の真空度が低下すると、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の出力にオフセットがかかり、測定精度が低下する。補正の処理は、水素の透過により、第1のキャビティ5と第2のキャビティ7の内部の圧力に差が生じることを利用する。圧力差を検出して補正することで、水素ガスの絶対圧を高精度に測定することが可能となる。
半導体圧力センサ1を用いた水素ガスの圧力測定において、第1のピエゾ抵抗素子6の出力結果を第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の出力結果に基づいて補正した場合と補正しない場合について、図6を用いて説明する。図6は半導体圧力センサ1の出力について初期からの変動量を示す図であり、外部環境の水素圧力が600kPa、水素濃度100%、温度100℃のときの結果である。図6に示した圧力測定において、許容できるセンサ出力の変動量の範囲を破線で示す。水素ガスがキャビティの内部に浸入してセンサ出力の変動量が許容範囲を超えるほどキャビティの内部の圧力が上昇した場合、センサ出力の補正が必要になる。図6の補正なしの場合において、半導体圧力センサ1の側面から透過経路を通って水素ガスが透過することにより、第1のキャビティ5の内部の圧力が上昇して、センサ出力である第1のピエゾ抵抗素子6の出力の変動量が時間の経過とともに大きくなっていく。一方、信号処理回路50において、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の出力結果を用いて第1のキャビティ5の内部の圧力変化量を見積もることができる。図6の補正ありの場合のように、第1のキャビティ5の内部の圧力変化量を見積もることでセンサ出力を補正して、センサ出力の変動を抑制した結果を得ることができる。
<第1の凹部2bと第2の凹部2c>
本実施の形態では、図1に示すように、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第1の凹部2bは各辺の長さが等しい矩形状に形成され、第2の凹部2cは外周と内周のそれぞれの各辺の長さが等しい矩形環状に形成される。ダイヤフラム9a、9bを形成する第2のシリコン基板3の厚さが20μmの場合、例えば、第1の凹部2bは一辺の長さが400μm、第2の凹部2cの領域部分2c1の幅(図1に示した矢印の幅)が300μmで形成される。つまり4つの領域部分2c1のそれぞれの幅は、第1の凹部の一辺の長さの0.75倍である。このとき、第1のピエゾ抵抗素子6が形成された領域のダイヤフラム9aと第2のピエゾ抵抗素子8が形成された領域のダイヤフラム9bは、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8のそれぞれの抵抗値変化が同じ程度に利用できる十分な歪を得ることができる。そのため、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8による出力電圧を検出し易くなる。
第2の凹部2cの領域部分2c1の幅を半分にすると、0.75倍の場合と比較して、第2のピエゾ抵抗素子8が配置された箇所のダイヤフラム9bの歪の程度は約1/10になる。領域部分2c1の幅を第1の凹部2bの一辺の長さと同じにすると、0.75倍の場合と比較して、第2のピエゾ抵抗素子8が配置された箇所のダイヤフラム9bの歪の程度は約2倍になる。第2の凹部2cの領域部分2c1の幅が大きいほど、ダイヤフラム9bの感圧性を大きくすることができる。しかしながら、半導体圧力センサ1のサイズを小さくする観点から、領域部分2c1の幅は第1の凹部2bの各辺の長さ(例えば400μm)以下で形成することが適している。
第2のピエゾ抵抗素子8の抵抗値変化が第1のピエゾ抵抗素子6と同じ程度以上に利用できる十分な歪を得るためには、4つの領域部分2c1のそれぞれの幅が第1の凹部の一辺の長さの0.75倍より大きいことが望ましい。このように構成することで、第2のシリコン基板3の主面3aが外部の圧力を受けた場合において、第2のシリコン基板3の主面3aにおける第2のピエゾ抵抗素子8が形成された部分の歪み量は、第1のピエゾ抵抗素子6が形成された部分の歪み量よりも大きくすることができる。第2のピエゾ抵抗素子8が形成された部分の歪み量を大きくすることで、水素ガスが透過経路から半導体圧力センサ1の内部で最初に浸入する第2のキャビティ7の内部の圧力を高精度に検出することができる。第2のキャビティ7の内部の圧力を高精度に検出することで、水素ガスの絶対圧を高精度に測定することができる。
ダイヤフラム9bの歪の大きさは、領域部分2c1の幅によりおおよそ決まるが、第1の凹部2bと第2の凹部2cとの間の距離が小さすぎるとダイヤフラム9aとダイヤフラム9bの歪が干渉する。本実施の形態において用いた第1の凹部2bと第2の凹部2cの寸法では、第1の凹部2bと第2の凹部2cとの間の距離を10μm以上開けることで、ダイヤフラム9aとダイヤフラム9bの歪の干渉を抑制することができた。
<水素ガスの透過>
水素ガスの透過と半導体圧力センサ1の各部位との関係について説明する。図7は水素ガスの透過による第1のキャビティ5及び第2のキャビティ7の内圧の変化の関係を示す図であり、外部環境の水素圧力が600kPa、水素濃度100%、温度100℃のときの結果である。図7の縦軸の左側は、第1のキャビティ5に隣接して設けた第1のピエゾ抵抗素子6の出力から換算した第1のキャビティ5の内圧の値を示している。図7の横軸は、第2のキャビティ7に隣接して設けた第2のピエゾ抵抗素子8の出力から換算した第2のキャビティ7の内圧の値を示している。図7の縦軸の右側は、第1のキャビティ5と第2のキャビティ7の内圧の比を示している。
水素ガスが半導体圧力センサ1の側面から透過経路を通って、第2のキャビティ7、そして第1のキャビティ5の順に半導体圧力センサ1の内部に浸入する。水素ガスの浸入により、第2のキャビティ7の内圧の変化量が大きくなるに従い、それに遅れて第1のキャビティ5の内圧が変化していく関係が図7から得られる。図7の関係は、キャビティの容積、第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合面積、シリコン酸化膜4の厚さ等の各パラメータを変えることで任意に調整することができる。これらの関係は使用される外部の環境及び測定する圧力範囲に応じて適切に設定する必要がある。各パラメータについて説明する。
キャビティの容積においては、水素ガスの浸入によるキャビティの内圧の変化を小さく抑えるという観点からは、第1のキャビティ5及び第2のキャビティ7の容積は大きい方が好ましい。さらに第2のキャビティ7の容積を大きくすることで、外部環境からの水素透過に対して第2のキャビティ7の内部の水素濃度の変化が小さくなるため、第1のキャビティ5への水素透過量を低減できる。一方、キャビティ内への水素透過量が少ない場合は、例えば、第2のキャビティ7の容積を小さくすることで、水素透過量に対する第2のキャビティ7の内圧の変化の感度を向上させることができる。第2のキャビティ7の内圧の変化の感度が向上するので、より少ない水素ガスの透過を精度よく検出することができる。そのため、少量の水素ガスの透過でも、より高精度にセンサ出力の変動を補正することが可能になる。容積を小さくするには、キャビティの深さ、または第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見たキャビティの外形を小さくする必要がある。なお、キャビティの大きさはダイヤフラムの歪の大きさに影響するため、極端にキャビティの大きさを小さくすることはできない。
第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合面積においては、接合面積が大きいほど、水素が透過する透過経路の経路長が長くなるため、キャビティの内圧の変化は小さくなる。一方、第2のキャビティ7より外側の第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合部の面積を小さくすることにより、上述したキャビティの容積の場合と同様に、水素透過量に対する第2のキャビティ7の内圧の変化の感度を向上させることができる。第2のキャビティ7の内圧の変化の感度が向上するので、より少ない水素ガスの透過を精度よく検出することができる。そのため、少量の水素ガスの透過でも、より高精度にセンサ出力の変動を補正することが可能になる。
シリコン酸化膜4の厚さにおいては、第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3の接合の信頼性の観点から、1μm程度の厚さが用いられる。接合された部分の面内均一性が損なわれない範囲で、シリコン酸化膜4の厚さを薄くすることにより、水素透過量を低減することができる。
以上のように、キャビティの容積、または第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合面積、またはシリコン酸化膜4の厚さといった各パラメータを変化させることにより、水素ガスの透過に起因したキャビティの内圧変化は調整可能である。各パラメータは、ダイヤフラムの厚さ、半導体圧力センサ1の使用される外部の環境、及び測定する圧力範囲を考慮して、適切に設計することが好ましい。
<補正処理>
水素ガスが透過経路から浸入した場合の第1のピエゾ抵抗素子6の出力の補正について説明する。まず、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8のそれぞれの出力が、予め定めた出力初期値となるように基準圧力を用いてトリミングする。トリミングにより、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8のそれぞれの出力は一致する。トリミングは、例えば、信号処理回路50において電気的に行われるがこれに限るものではない。トリミングは、レーザを用いて第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の抵抗値を調整するレーザトリミングで行っても構わない。
半導体圧力センサ1を水素雰囲気に置いた場合、水素ガスの拡散係数(透過レート)は、第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合部及びダイヤフラム等の材料及び形状に依存する。水素ガスの透過は、第2のキャビティ7から始まる。続いて第2のキャビティ7の内部の水素ガスが第1のキャビティ5の内部に浸入することで、第1のキャビティ5と第2のキャビティ7のそれぞれの内圧が変化する。本実施の形態においては、シリコン酸化膜4が主たる水素ガスの透過経路であることから、第2のキャビティ7の水素ガスの透過量が第1のキャビティ5の水素ガスの透過量より常に多くなる。その結果、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8のそれぞれは、図7に示したように、水素ガスの透過量に起因して異なる内圧に対応した値を出力する。
第1のピエゾ抵抗素子6と第2のピエゾ抵抗素子8の出力の比、及び第1のピエゾ抵抗素子6の出力から換算した第1のキャビティ5の内圧の値から、第1のキャビティ5における水素ガスに起因した内圧の変動量を見積もることができる。見積もった内圧の変動量を用いて圧力の測定値を補正することで、透過した水素ガスによる内圧の変動を打ち消すことができる。水素ガスによる内圧の変動を打ち消すことで、水素ガスの圧力測定を高精度化することができる。
以下、補正の具体例を説明する。図8は、図7を基にして、第1のキャビティ5と第2のキャビティ7の内圧の比に対して第1のキャビティ5の内圧の変動量をプロットした図であり、外部環境の水素圧力が600kPa、水素濃度100%、温度100℃のときの結果である。半導体圧力センサ1を上記の水素雰囲気に10000時間置いた場合、第1のキャビティ5に隣接して設けた第1のピエゾ抵抗素子6の出力から換算した第1のキャビティ5の内圧の値は600.65kPa、第2のキャビティ7に隣接して設けた第2のピエゾ抵抗素子8の出力から換算した第2のキャビティ7の内圧の値は606.1kPaであった。第1のピエゾ抵抗素子6と第2のピエゾ抵抗素子8の出力の比は1.009であった。図8より出力の比が1.009のときの第1のキャビティ5の内圧の変動量を0.65kPaと見積もることができるため、圧力測定における真の圧力の値は600kPaであると算出できる。
外部環境の水素圧力が600kPaの一定の場合の例について示したが、水素圧力が変動する場合においても、第1のキャビティ5の内圧の変動量を図8の縦軸から同様に見積もることができる。ここで示した第1のピエゾ抵抗素子6と第2のピエゾ抵抗素子8の出力の比は一例である。キャビティの容積、または第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合面積等を任意に設定して、目標とする圧力の測定精度(変動量)に対して、出力の比の変化量を最大化することで補正の精度をさらに高めることができる。本実施の形態の構成によれば、半導体圧力センサの従来の設計を流用できるため、材料及び製造に係るコストの増大を抑制することができる。さらにダイヤフラム及びピエゾ抵抗素子を用いた簡素な構成で、センサ出力の補正が可能となり、水素ガス等の圧力を高精度に測定する半導体圧力センサ1を得ることができる。
<半導体圧力センサ1の製造方法>
半導体圧力センサ1の製造方法の概略について、図11を用いて説明する。なお単結晶シリコン基板であるウエハに複数の半導体圧力センサ1が同時に製造されるが、ここでは、一つの半導体圧力センサ1の製造について説明する。半導体圧力センサ1は、平面視で1辺が1~1.6mm程度の正方形である。ダイヤフラム9aは、1辺が400μm程度の正方形である。半導体圧力センサ1の製造方法は、凹部形成工程(S11)、酸化膜形成工程(S12)、基板接合工程(S13)、ダイヤフラム形成工程(S14)、抵抗形成工程(S15)、配線形成工程(S16)、及びダイシング工程(S17)を備える。
凹部形成工程は、第1のシリコン基板2の主面2aに、エッチングにより第1の凹部2b及び第2の凹部2cを形成する工程である。第1のキャビティ5及び第2のキャビティ7の形状、つまりはダイヤフラム9a、9bの形状を精度よく形成するためには、ボッシュプロセスを利用した誘導結合型の反応性イオンエッチング(ICP-RIE:Inductive Coupled Plasma-Reactive Ion Etching)を用いることが好ましい。ただし、エッチング方法はこれに限定されるものではなく、水酸化カリウム(KOH)またはテトラメチル水酸化アンモニウム(TMAH)等のエッチング液を用いたウェット異方性エッチングによって形成しても構わない。
第1の凹部2b及び第2の凹部2cの深さは、第1のキャビティ5及び第2のキャビティ7の容積に係る。万一、水素等何らかのガスがキャビティに浸入することがあってもキャビティの内圧の変化を小さく抑えるという観点からは、キャビティの容積は大きい方が好ましく、可能な限り第1の凹部2b及び第2の凹部2cを深くエッチングする方が良い。キャビティを深くすることにより、キャビティの容積が増え、水素ガスの浸入によるキャビティの内圧の変化とそれに伴う第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8の出力の変動を小さくすることができる。しかし深いエッチングはウエハの加工負荷が増大すると共に、第1のシリコン基板2の機械的強度が低下する。一方、キャビティを浅くするとウエハの加工負荷は低減し、第1のシリコン基板2の機械的強度の低下の程度は小さくなる。しかしながら、水素透過に対するキャビティの内圧の変化は相対的に大きくなる。本実施の形態においては、第1の凹部2b及び第2の凹部2cの深さを50μmとした。なお、上述したメリットとデメリットを考慮して、第1の凹部2b及び第2の凹部2cの深さは自由に設定することができる。
酸化膜形成工程は、第1のシリコン基板2の主面2aに、熱酸化よってシリコン酸化膜4を形成する工程である。シリコン酸化膜4は、第1の凹部2b及び第2の凹部2cの表面にも形成される。一般的にSOI(Silicon on Insulator)ウエハではウエハ接合面に0.1μm~1μmの酸化膜が用いられる。シリコン酸化膜4の厚さが厚いほど水素等のガスの透過経路の透過断面積が増大するため、第2のキャビティ7及び第1のキャビティ5の内部にガスが浸入し易くなる。一方、シリコン酸化膜4の厚さが薄い場合、第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3の接合部分の面内均一性が損なわれる可能性がある。本願の構成はシリコン酸化膜4の厚さに制約を受ける構成ではないため、一般的なSOIウエハで用いられる厚さとして構わない。本実施の形態においては、シリコン酸化膜4の厚さを0.5μmとした。なお、本実施の形態においてはシリコン酸化膜4を第1のシリコン基板2の主面2aに形成する例を示したが、第2のシリコン基板3の主面3bに形成しても構わない。
基板接合工程は、第1のシリコン基板2の主面2aと第2のシリコン基板3の主面3bとを接合する工程である。接合は、シリコン酸化膜4を介して真空中で行われる。接合により、第1のキャビティ5及び第2のキャビティ7が形成される。接合は、1100℃程度の高温下で酸化雰囲気中において行うのが好ましい。なお、第1の凹部2b及び第2の凹部2cが形成されたウエハの面に垂直な方向に見て、第1の凹部2b及び第2の凹部2cを足し合わせた面積がウエハ全体の面積に占める割合によっては、1200℃程度まで接合の温度を上げることにより、さらに接合強度を向上させてもよい。
ダイヤフラム形成工程は、第2のシリコン基板3の厚みを調整してダイヤフラム9a、9bを形成する工程である。第2のシリコン基板3の一部の第1の凹部2b及び第2の凹部2cを覆う領域は、ダイヤフラム9a、9bとなる。そのため、第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3とを接合した後、測定する圧力の範囲に応じて第2のシリコン基板3の厚みを調整する。具体的には、第2のシリコン基板3の主面3aの全体を研削、及び研磨することにより、所定の厚さ、例えば20μm程度とする。接合時に20μm程度の薄い厚さの第2のシリコン基板3を取り扱うことが困難なため、ダイヤフラム形成工程が必要になる。本工程により、予め定めた厚さを有した、ダイヤフラム9a、9bが形成される。
抵抗形成工程は、第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8を第2のシリコン基板3の主面3aに形成する工程である。第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8は、ダイヤフラム9a、9bの外周部にそれぞれ形成される。本実施の形態では、第1のピエゾ抵抗素子6は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、矩形状の第1のキャビティ5の外周の各辺のそれぞれに第1のピエゾ抵抗素子6a、6b、6c、6dが形成される。第2のピエゾ抵抗素子8は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板3の主面3aにおける、4つの領域部分2c1のそれぞれの外周よりも内側で、4つの領域部分2c1のそれぞれの外周に隣接した位置に第2のピエゾ抵抗素子8a、8b、8c、8dが形成される。第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8は、第2のシリコン基板3の主面3aの上述した位置にボロンなどの不純物がイオン注入され、その後の熱処理等を経て形成される。
配線形成工程は、拡散配線層10、金属配線層11a、及び金属パッド11bを第2のシリコン基板3の主面3aに形成する工程である。拡散配線層10は、イオン注入及びその後の熱処理によって形成される。金属配線層11a及び金属パッド11bは、スパッタリングまたは電子ビーム蒸着等の方法により、Al、Al-Si、Al-Si-Cu等を成膜することで形成される。
ダイシング工程は、半導体圧力センサ1を個片化する工程である。配線形成工程までで、図1に示した半導体圧力センサ1を得ることができる。半導体圧力センサ1はウエハに複数製造されるため、ダイシングにより個片化される。
なお、本願の半導体圧力センサ1の用途は、燃料電池システムを搭載した車両に限定されるものではない。従来のエンジンを搭載した自動車においても、燃料改質等の手法を用いて吸入空気に微量の水素ガスを混入させる等の方法によって燃焼効率を改善する取り組みが図られているため、このような水素ガスを含む空気の圧力を測定する用途にも適している。
以上のように、実施の形態1による半導体圧力センサ1において、第1のシリコン基板2の主面2aに、第1の凹部2b、及び第1の凹部2bを取り囲んだ第2の凹部2cが形成され、第1の凹部2bと第2のシリコン基板3の主面3bとにより囲まれた空間である第1のキャビティ5が形成され、第2の凹部2cと第2のシリコン基板3の主面3bとにより囲まれた空間である第2のキャビティ7が形成され、第1のピエゾ抵抗素子6が第1のキャビティ5の外周に重複する位置または第1のキャビティ5の外周よりも内側の位置に形成され、第2のピエゾ抵抗素子8が第2のキャビティ7の外周に重複する位置、または第2のキャビティ7の内周に重複する位置、または第2のキャビティ7の外周よりも内側で内周よりも外側の位置に形成されているため、シリコン酸化膜4から透過した水素ガスにより、第1のキャビティ5と第2のキャビティ7の内部の圧力に差が生じ、第1のピエゾ抵抗素子6と第2のピエゾ抵抗素子8の出力から第1のキャビティ5と第2のキャビティ7の内部の圧力差が検出できるので、水素ガスの圧力測定を高精度化することができる。また、キャビティ、ダイヤフラム、及び配線層等の構成について、従来の構成から大きく変更することがなく、材料及び製造のコストが増加することがないため、安価で高い信頼性を維持した半導体圧力センサ1を得ることができる。
第1のピエゾ抵抗素子6が第1のキャビティ5の外周よりも内側で、第1のキャビティ5の外周に隣接した位置に形成され、第2のピエゾ抵抗素子8が第2のキャビティ7の外周よりも内側で、第2のキャビティ7の外周に隣接した位置に形成されている場合、大きな歪を得られる位置に第1のピエゾ抵抗素子6及び第2のピエゾ抵抗素子8を配置することができるので、水素ガスの圧力測定を高精度化することができる。第2のシリコン基板3の主面3aが外部の圧力を受けた場合において、第2のシリコン基板3の主面3aにおける第2のピエゾ抵抗素子8が形成された部分の歪み量は、第1のピエゾ抵抗素子6が形成された部分の第2のシリコン基板3の歪み量よりも大きい場合、水素ガスが透過経路から半導体圧力センサ1の内部で最初に浸入する第2のキャビティ7の内部の圧力を高精度に検出することができる。
第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第1の凹部2bが矩形状に形成され、第1の凹部2bの各辺の外側に位置し、各辺と対応する長さを有する第2の凹部2cの4つの領域部分2c1は互いに同じ幅であり、第2のピエゾ抵抗素子8が第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板3の主面3aにおける、4つの領域部分2c1のそれぞれの外周よりも内側で、4つの領域部分2c1のそれぞれの外周に隣接した位置に形成され、4つの領域部分2c1のそれぞれの幅が第1の凹部2bの一辺の長さの0.75倍より大きい場合、第2のシリコン基板3の主面3aが外部の圧力を受けた場合において、第2のシリコン基板3の主面3aにおける第2のピエゾ抵抗素子8が形成された部分の歪み量を、第1のピエゾ抵抗素子6が形成された部分の第2のシリコン基板3の歪み量よりも大きくすることができる。
第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2の凹部2cが矩形環状に形成されている場合、第2の凹部2cを半導体プロセスで容易に精度よく形成することができる。
第1のピエゾ抵抗素子6と金属パッド11bとが拡散配線層10で接続されている場合、ダイヤフラム9bの領域に形成された拡散配線層10はダイヤフラム9bの変形に起因した応力の影響を受けにくいので、第1のピエゾ抵抗素子6と金属パッド11bとの間の配線の耐久性を向上させ、配線の経年劣化を抑制することができる。第2のピエゾ抵抗素子8と金属パッド11bとが金属配線層11aで接続されている場合、ダイヤフラム9bの領域に形成されない金属配線層11aを半導体プロセスで配線を容易に形成することができる。
第2のピエゾ抵抗素子8と金属パッド11bとが拡散配線層10で接続されている場合、第2のピエゾ抵抗素子8はダイヤフラム9bの領域に形成されており、第2のピエゾ抵抗素子8の周囲の配線部分はダイヤフラム9bの変形に起因した応力の影響を受けやすいので、第2のピエゾ抵抗素子8と金属パッド11bとの間の配線の耐久性を向上させ、配線の経年劣化を抑制することができる。また、第1の配線である拡散配線層10と第2の配線である金属配線層11aの少なくとも一部が絶縁膜を介して積層されている場合、半導体圧力センサ1のサイズをより小さくすることができる。
圧力センサ装置100が半導体圧力センサ1と信号処理回路50とを備え、信号処理回路50が第1のピエゾ抵抗素子6の出力と第2のピエゾ抵抗素子8の出力に基づいて、第1のピエゾ抵抗素子6の出力を処理する場合、第1のピエゾ抵抗素子6の出力を補正する処理が行えるので、水素ガスの圧力測定を高精度化することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る半導体圧力センサ1について説明する。図12は実施の形態2に係る半導体圧力センサ1を模式的に示す平面図である。実施の形態2に係る半導体圧力センサ1は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、実施の形態1とは第2の凹部2cの形状が異なる構成になっている。
第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第1の凹部2bは矩形状に形成され、第2の凹部2cは矩形環状に形成されている。第2の凹部2cは、第1の凹部2bの各辺のそれぞれの外側に位置し、矩形環状の部分から外側に突出した形状を含む4つの突出部分13を有する。4つの突出部分13のそれぞれは、4つの突出部分13の幅(図12において矢印で示した幅)と少なくとも同じ長さで形成される。第2のピエゾ抵抗素子8は、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2のシリコン基板3の主面3aにおける、4つの突出部分13のそれぞれの外周よりも内側で、4つの突出部分13のそれぞれの外周に隣接した位置に形成される。4つの突出部分13のそれぞれの幅は、第1の凹部2bの一辺の長さの0.75倍よりも大きい。本実施の形態では、4つの突出部分13を除く矩形環状の部分の幅は、第1の凹部2bの一辺の長さの0.75倍以下である。
ダイヤフラム9bにおいて十分な大きさの歪を得るべき領域は、第2のピエゾ抵抗素子8が形成される領域及びその周囲の領域である。第2の凹部2cの4つの突出部分13の幅と少なくとも同じ長さの外側部分を矩形環状の部分から外側に突出した形状とすることで、ダイヤフラム9bに十分な大きさの歪を得るべき領域を確保することができる。そのため、4つの突出部分13を除く矩形環状の部分の幅を第2のピエゾ抵抗素子8を設けた4つの突出部分13の部分の幅よりも小さくすることができる。この構成によれば、矩形環状の部分の幅を狭めた箇所の外側に、金属配線層11a及び金属パッド11bのスペースを十分に確保できる。そのため、柔軟な設計が可能になり、且つ半導体圧力センサ1のサイズを大きくすることなく水素ガスを高精度に測定することができる。
4つの突出部分13を除く矩形環状の部分の幅を第2のピエゾ抵抗素子8を設けた4つの突出部分13の幅よりも小さくすることができるので、第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合面積を拡大することができる。第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合面積が拡大するので、第1のシリコン基板2と第2のシリコン基板3との接合強度が向上すると共に、接合部からの水素透過量を低減することができる。
4つの突出部分13を除く矩形環状の部分の幅を第2のピエゾ抵抗素子8を設けた4つの突出部分13の幅よりも小さくすることで、第2のキャビティ7の容積を減らすことができる。第2のキャビティ7の容積が減るので、水素透過量に対して第2のキャビティ7の内部の圧力が変化し易くなり、より少ない水素ガスの透過を検出することができる。より少ない水素ガスの透過が検出できるため、水素ガスの測定精度を向上することができる。ただし、第2のピエゾ抵抗素子8が形成された領域の第2のキャビティ7が小さすぎると、ダイヤフラム9bで十分な歪の大きさを得ることができなくなるため、少なくとも第2のキャビティ7の幅と同程度以上の長さを設けることが好ましい。本実施の形態において、所望の歪の大きさが得られることが重要であり、特にキャビティ及びダイヤフラムの形状に対称性等の制約はない。また、ピエゾ抵抗素子の位置についても同様に、十分な出力が得られるならば任意の位置に配置することは可能である。
以上のように、実施の形態2による半導体圧力センサ1において、第2のシリコン基板3の主面3aに垂直な方向に見て、第2の凹部2cは第1の凹部2bの各辺のそれぞれの外側に位置し、矩形環状の部分から外側に突出した形状を含む4つの突出部分13を有し、4つの突出部分13のそれぞれは4つの突出部分13の幅と少なくとも同じ長さで形成され、4つの突出部分13の幅が第1の凹部の一辺の長さの0.75倍より大きいため、ダイヤフラム9bに十分な大きさの歪を得るべき領域を確保することができるので、4つの突出部分13を除く矩形環状の部分の幅を第2のピエゾ抵抗素子8を設けた4つの突出部分13の幅よりも小さくすることができる。4つの突出部分13を除く矩形環状の部分の幅を第2のピエゾ抵抗素子8を設けた4つの突出部分13の幅よりも小さくすることができるため、矩形環状の部分の幅を狭めた箇所の外側に金属配線層11a及び金属パッド11b配置できるので、半導体圧力センサ1のサイズを小型化することができる。
4つの突出部分13の幅が第1の凹部の一辺の長さの0.75倍より大きく、4つの突出部分13を除く矩形環状の部分の幅が第1の凹部の一辺の長さの0.75倍以下の場合、第2のシリコン基板3の主面3aにおける第2のピエゾ抵抗素子8が形成された部分の歪み量を第1のピエゾ抵抗素子6が形成された部分の第2のシリコン基板3の歪み量よりも大きくしつつ、半導体圧力センサ1を小型化することができる。
また本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 半導体圧力センサ、2 第1のシリコン基板、2a 主面、2b 第1の凹部、2c 第2の凹部、2c1 領域部分、3 第2のシリコン基板、3a 主面、3b 主面、4 シリコン酸化膜、5 第1のキャビティ、6 第1のピエゾ抵抗素子、7 第2のキャビティ、8 第2のピエゾ抵抗素子、9a ダイヤフラム、9b ダイヤフラム、10 拡散配線層、11a 金属配線層、11b 金属パッド、12 積層部、13 突出部分、50 信号処理回路、100 圧力センサ装置

Claims (11)

  1. 第1の半導体基板と、
    前記第1の半導体基板の一方の面に、酸化膜を介して接合された第2の半導体基板と、
    前記第1の半導体基板とは反対側の前記第2の半導体基板の一方の面に設けられた第1のピエゾ抵抗素子及び第2のピエゾ抵抗素子と、を備え、
    前記第1の半導体基板の一方の面に、第1の凹部、及び前記第1の凹部を取り囲んだ第2の凹部が形成され、前記第1の凹部と前記第2の半導体基板の他方の面とにより囲まれた空間である第1のキャビティが形成され、前記第2の凹部と前記第2の半導体基板の他方の面とにより囲まれた空間である第2のキャビティが形成され、
    前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、前記第2の半導体基板の一方の面における、前記第1のキャビティの外周に重複する位置または前記第1のキャビティの外周よりも内側の位置に形成され、
    前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、前記第2の半導体基板の一方の面における、前記第2のキャビティの外周に重複する位置、または前記第2のキャビティの内周に重複する位置、または前記第2のキャビティの外周よりも内側で内周よりも外側の位置に形成されている半導体圧力センサ。
  2. 前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、前記第2の半導体基板の一方の面における、前記第1のキャビティの外周よりも内側で、前記第1のキャビティの外周に隣接した位置に形成され、
    前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、前記第2の半導体基板の一方の面における、前記第2のキャビティの外周よりも内側で、前記第2のキャビティの外周に隣接した位置に形成されている請求項1に記載の半導体圧力センサ。
  3. 前記第2の半導体基板の一方の面が外部の圧力を受けた場合において、前記第2の半導体基板の一方の面における前記第2のピエゾ抵抗素子が形成された部分の歪み量は、前記第1のピエゾ抵抗素子が形成された部分の前記第2の半導体基板の歪み量よりも大きい請求項1または2に記載の半導体圧力センサ。
  4. 前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、
    前記第1の凹部は矩形状に形成され、
    前記第1の凹部の各辺の外側に位置し、前記第1の凹部の各辺と対応する長さを有する前記第2の凹部の4つの領域部分は、互いに同じ幅であり、
    前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、前記第2の半導体基板の一方の面における、前記4つの領域部分のそれぞれの外周よりも内側で、前記4つの領域部分のそれぞれの外周に隣接した位置に形成され、
    前記4つの領域部分のそれぞれの幅は、前記第1の凹部の一辺の長さの0.75倍よりも大きい請求項3に記載の半導体圧力センサ。
  5. 前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、
    前記第2の凹部は、矩形環状に形成されている請求項4に記載の半導体圧力センサ。
  6. 前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、
    前記第1の凹部は矩形状に形成され、前記第2の凹部は矩形環状に形成され、
    前記第2の凹部は、前記第1の凹部の各辺のそれぞれの外側に位置し、矩形環状の部分から外側に突出した形状を含む4つの突出部分を有し、
    前記4つの突出部分のそれぞれは、前記4つの突出部分の幅と少なくとも同じ長さで形成され、
    前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第2の半導体基板の一方の面に垂直な方向に見て、前記第2の半導体基板の一方の面における、前記4つの突出部分のそれぞれの外周よりも内側で、前記4つの突出部分のそれぞれの外周に隣接した位置に形成され、
    前記4つの突出部分のそれぞれの幅は、前記第1の凹部の一辺の長さの0.75倍よりも大きい請求項3に記載の半導体圧力センサ。
  7. 前記4つの突出部分を除く矩形環状の部分の幅は、前記第1の凹部の一辺の長さの0.75倍以下である請求項6に記載の半導体圧力センサ。
  8. 前記第2の半導体基板の一方の面に、複数の電極パッドを備え、
    前記第1のピエゾ抵抗素子と前記電極パッドとは、拡散抵抗からなる第1の配線で接続され、
    前記第2のピエゾ抵抗素子と前記電極パッドとは、金属からなる第2の配線で接続されている請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  9. 前記第2の半導体基板の一方の面に、複数の電極パッドを備え、
    前記第1のピエゾ抵抗素子と前記電極パッドとは、拡散抵抗からなる第1の配線で接続され、
    前記第2のピエゾ抵抗素子と前記電極パッドとは、拡散抵抗からなる第2の配線で接続されている請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  10. 前記第1の配線と前記第2の配線の少なくとも一部は、絶縁膜を介して積層されている請求項8または9に記載の半導体圧力センサ。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載した半導体圧力センサと、
    前記第1のピエゾ抵抗素子の出力と前記第2のピエゾ抵抗素子の出力に基づいて、前記第1のピエゾ抵抗素子の出力を処理する信号処理回路と、を備えた圧力センサ装置。
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