JP7077401B2 - 多極子レンズ及びそれを用いた収差補正器、荷電粒子線装置 - Google Patents

多極子レンズ及びそれを用いた収差補正器、荷電粒子線装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子線応用技術に係り、特に、収差補正器を搭載した走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡等の荷電粒子線装置に関する。
走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)や走査透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)などに代表される荷電粒子線装置では、分解能を向上するために収差補正器が導入されている。収差補正器のタイプの一つに、多段に設置された多極子レンズから構成され、電場ないし磁場を発生することにより複数の多極子場を合わせた多極子レンズとして、内部を通過する荷電粒子線に含まれる収差を除去するものがある。複数の電流線からの磁場を用いて多極子場を発生させる巻線型の収差補正器として特許文献1が開示されている。
また、特許文献2には偏向コマ収差を低減するため、対物レンズ内にレンズ内偏向器を設置することが開示されており、このレンズ内偏向器として、リング状のフェライトコアにトロイダルコイルを巻いたトロイダル型の偏向器を用いる例が開示されている。
特開2009-54581号公報 特開2013-229104号公報
特許文献1では電流線を用いて多極子場を形成することにより、比較的安価な多極子補正系の収差補正器を実現可能であるが、高い機械的な位置精度、この場合は電流線の配置に高い位置精度が要求される。
特許文献2は、トロイダルコイルを用いた偏向器を開示しているが、多極子場を発生させる多極子レンズを構成するものではない。
一実施の形態である多極子レンズは、複数の溝が内壁に設けられた磁性体コアと、磁性体コアに設けられた溝と同数である複数の電流線とを有し、複数の溝の数をkとするとき、複数の溝は、上面視において、隣接する溝の中心のそれぞれと磁性体コアの中心軸とを結んでなす角が(360°/k)となるように配置されており、複数の電流線の主線部はそれぞれ、磁性体コアの複数の溝のいずれかに配置される。また、かかる多極子レンズを用いて収差補正器、荷電粒子線装置を構成する。
多極子場を発生させる巻線型の収差補正器において、電流線を配置するために要求される機械的な位置精度を緩和することができる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
多極子レンズの鳥瞰断面図(模式図)である。 多極子レンズの上面図(模式図)である。 磁性体コアに設けられる溝の中心位置の鳥瞰図(模式図)である。 電流線の鳥瞰図(模式図)である。 電流線(主線部)の位置と励起される6極子場の強度との関係を示す図である。 磁性体コアの溝の幅と励起される6極子場の強度との関係を示す図である。 磁性体コアの内径と励起される6極子場の強度との関係を示す図である。 電流線の巻線数と励起される6極子場の強度との関係を示す図である。 磁性体コアに設けられる溝の形状の一例である。 磁性体コアに設けられる溝の形状例である。 電流線(接続部)により励起される6極子場の強度を示す図である。 磁性体コアに非磁性スペーサを設けた多極子レンズの例である。 磁性体コアの鳥瞰断面図である。 磁性体コアの断面図(A0面)である。 磁性体コアの断面図(A1面)である。 磁性体コアの断面図(B面)である。 上下蓋付き磁性体コアを用いた多極子レンズの効果を説明する図である。 電極付磁性体コアを示す図である。 電極付磁性体コアを示す図である。 収差補正器を組み込んだ走査電子顕微鏡全体の構成例を示す概略図である。
収差補正器は多段の多極子レンズを有して構成される。本実施例の多極子レンズは、電流線が磁性体コアの内壁に設けられた溝に配置される構成を有している。図1Aは巻線収差補正器の1段分の多極子レンズの鳥瞰断面図(模式図)であり、図1Bは巻線収差補正器の1段分の多極子レンズの上面図(模式図)であり、図1Cは磁性体コアに設けられる溝の中心位置の鳥瞰図(模式図)である。磁性体コア150は純鉄やパーマロイなどの磁性材料でつくられ、円筒形状を有し、その内壁にはZ方向に延在する溝151~162が設けられている。図1Cに示されるように、各溝の中心位置151a~162aは、磁性体コア150の中心軸150aに対して軸対称に設けられている。すなわち、中心軸150aに対して、同一平面上に軸対称となるように溝151の中心位置151a及び溝157の中心位置157aが配置されている。溝の中心位置152a及び溝の中心位置158a、溝の中心位置153a及び溝の中心位置159a、溝の中心位置154a及び溝の中心位置160a、溝の中心位置155a及び溝の中心位置161a、溝の中心位置156a及び溝の中心位置162aについてもそれぞれ同様である。なお、この例では12の溝が設けられているが、溝の数に限定されない。隣接する溝の間の角度は、溝の数をkとすると、磁性体コア150の中心軸150aを回転軸として溝の数kで分割した角度(360°/k)となっている。
電流線101~112はそれぞれ、その主線部が磁性体コア150に設けられた溝151~162の中に配置されている。図2は電流線101~112だけを抜き出して、鳥瞰図(模式図)として示したものである。荷電粒子線の光軸100を中心として、電流線101~電流線112からなる12の電流線が配置される。荷電粒子線の光軸100は、磁性体コア150の中心軸150aに一致する。
図1Aに示される電流線101を例に電流線の構造を説明する。電流線101は四角形の回路形状をしており、図示しない電源から電流が供給される。電流線に付されている矢印は流れる電流の向きである。以下、図1Aに示す通り、電流線をその四角形の辺にそれぞれ対応する4つの区間に分け、それぞれを主線部121、接続部122、接続部123、戻り線部124と称する。主線部121は電流線のうち磁性体コアの溝内に配置される部分、接続部122,123は主線部121を磁性体コアの外部から溝内に導入する、または主線部121を溝内から磁性体コア外部に導出する部分、戻り線部124は電流線のうち磁性体コアの外部に配置される部分をいう。
多極子場は主線部からの磁場で形成される。図2に示した巻線レンズ(多極子レンズ)には電源を省略しているが、多極子場の励起には特定の配分で電流を流す必要がある。例えば2N極子場(Nは1以上の整数)を励起するための一つの組合せとして、電流線101~112のそれぞれに印加する電流をI1~I12とすると、基準電流ANに対して(数1)で求まる電流値の組合せをとる。
Figure 0007077401000001
(数1)は単一の多極子場を励起する電流配分を示すものである。これに対して、異なる複数の多極子場を重畳することもでき、その場合、電流線101~112はそれぞれ異なる電源に接続される。
磁性体コアを有しない従来の巻線レンズでは、主線部と戻り線部とでは電流の向きが逆になることから、戻り線部による多極子場が主線部による多極子場を弱めてしまう作用を有していた。これに対して、本実施例の巻線レンズでは、主線部121と戻り線部124との間に磁性体コア150が配置されていることにより、磁性体コアが磁気シールドの役割を果たし、戻り線部は主線部による多極子場に対して影響を与えない。発明者らは、さらに本実施例の多極子レンズが収差補正器を構成するために優れた特性を有していることを見出した。
図3は、磁性体コアの径方向に電流線の位置を少しずつ変えた本実施例の多極子レンズについて6極子場を励起させ、電流線の位置と励起される6極子場の強度(規格化して示している)との関係を調べたものである。なお、電流線の配置位置以外の磁性体コアの形状は同一である。図に示すように、電流線位置(横軸)が大きくなるほど、電流線の主線部が磁性体コアの内径寄りから外径寄りにずれた位置にあることを意味している。この結果より、電流線位置が3mm~3.1mmの場合のように、電流線の主線部が磁性体コアの径方向にずれても、励起される6極子場の強度にはほぼ影響を受けない領域があることが分かる。
図4は、溝の幅Wを少しずつ変えた磁性体コアを用いた本実施例の多極子レンズについて6極子場を励起させ、溝の幅Wと励起される6極子場の強度(規格化して示している)との関係を調べたものである。なお、溝の幅以外の磁性体コアの形状は、電流線の配置位置を含めて同一である。この結果より、溝幅が0.3mm~0.5mmの場合のように、溝の幅が変化しても励起される6極子場の強度にはほぼ影響を受けない領域があることが分かる。
これらの結果より、本実施例の多極子レンズにより励起される磁場強度は、磁性体コアの溝内に配置される電流線の主線部の位置精度の影響をほぼ受けないようにすることができることが分かる。従来の磁性体コアを用いない巻線収差補正器では、所望の磁場を発生させるために、電流線の配置位置には高い精度が要求されていた。これに対して、本実施例の巻線収差補正器では磁性体コアの溝の中心位置が周方向及び径方向に精度高く製作されていれば、溝の中における電流線の配置位置のずれは多極子レンズが発生させる磁場強度への影響をほとんど有しないこととなり、これは実際に多極子レンズを作製して、収差補正器を構成するときに非常に有利な特徴である。
一方、多極子レンズが発生させる多極子場強度は、磁性体コアの内径、電流線の巻線数により調整することができる。図5は、内径を少しずつ変えた磁性体コアを用いた本実施例の多極子レンズについて6極子場を励起させ、内径と励起される6極子場の強度(規格化して示している)との関係を調べたものである。このように、内径が小さくなるほど多極子レンズにより励起される磁場強度が大きくなっていることが分かる。また、図6は、電流線の巻線数を変えた本実施例の多極子レンズについて6極子場を励起させ、巻線数と励起される6極子場の強度(規格化して示している)との関係を調べたものである。このように、巻線数が多くなる、すなわち磁性体コアの溝内に配置される電流線の主線部の多重数が多くなるほど多極子レンズにより励起される磁場強度が強くなっていることが分かる。
このように、本実施例の多極子レンズでは、磁性体コアの内径及び電流線を配置する溝の中心位置が精度よく(例えば、周方向の位置のずれであれば1度以内)作製され、対向する溝の中心位置が磁性体コアの中心軸に対して軸対称に配置されているようになっていればよいため、溝の形状は巻きやすさを考慮して定めることが可能である。図7に磁性体コアに設けられる溝の形状の例を示す。この例では、溝200に内壁に向かって広がるテーパー部201、電流線を配置する内室202を設けている。
図8に磁性体コアに設けられる溝の変形例を示す。(A)~(E)において、それぞれ中心軸300a~300eを原点として、第1の溝の中心位置301a~301e、第2の溝の中心位置302a~302e、第3の溝の中心位置303a~303eは周方向C、径方向Rに同じ位置にあるとする。例示するように、溝の形状につき、テーパー部の広がりの大きさを変えても、(E)のように、テーパー部に屈曲部を設けても問題ない。
また、磁性体コアの上面及び下面に電流線の接続部を位置決めするための配線ガイド(溝)を設けてもよい。図9に示すように、電流線の接続部同士は磁性体コア150を介して対向しているため、電流線の接続部によって発生する磁場強度は磁性体コアがない場合に比べて大きくなる。すなわち、磁性体コア150が存在しない巻線レンズの場合、接続部401、402により励起される6極子場強度は波形410であるのに対して、磁性体コア150が存在する巻線レンズの場合、接続部401、402により励起される6極子場強度は波形420となり、波形410に比べて著しく大きくなる。このため、Z方向の溝の位置についても高い精度が必要とされる。このため、図10に示すように、磁性体コア150に対してZ方向に非磁性スペーサを設け、非磁性スペーサ上に電流線の接続部が配置されることで、接続部により励起される6極子場強度を低下させ、Z方向の溝の位置に求められる精度を緩和させることができる。なお、図10では磁性体コア150の上面に非磁性スペーサを設けた例であるが、上下面双方に非磁性スペーサを設けてもよい。
以上の例では、磁性体コアの内壁に上下面に達する溝を設けている。これに対して、磁性体コアの溝をスリット状にしてもよい。いわば、図1Aに示した磁性体コア150に対してその上下に磁性体蓋を追加した形状に相当する。図11A~Dを用いて、磁性体コアに設けられるスリットの形状について説明する。図11Aは磁性体コアの鳥瞰断面図であり、図11Bは図11Aに示すA0面における磁性体コアの断面図であり、図11Cは図11Aに示すA1面における磁性体コアの断面図であり、図11Dは図11Aに示すB面における磁性体コアの断面図である。ここで、A0面は磁性体コア550のスリット501の中央付近を通るXY面であり、A1面はスリット501の端部を通るXY面であり、B面はスリット501を通るYZ面である。スリット501の両端部にはそれぞれ貫通孔502,503が設けられており、図11C、図11Dに示すように、貫通孔502,503を通してスリット501内に電流線511が配置される。
図11A~Dに示した上下蓋付きの磁性体コアを用いて多極子レンズを構成する効果について図12を用いて説明する。図12は横軸を電流線の中心を原点としたZ方向の位置を示し、縦軸は多極子レンズに励起させた6極子場の強度を示している。波形603が上下蓋付きの磁性体コアを用いた多極子レンズに励起させた6極子場の強度である。これに対し、比較例として、電流線の主線部のみで励起させる6極子場の強度を波形601に、電流線の主線部及び接続部で励起される6極子場の強度を波形602に示している。波形602は、図1Aに示した磁性体コアを用いた多極子レンズで励起した6極子場の強度に相当する。波形602では両端部において電流線の接続部の励起する磁場の影響が現れ、波形601との乖離が生じている。これに対して、波形603では波形602にみられる接続部の影響がなくなり、波形601とほぼ同様の6極子場強度が得られていることが分かる。このように、上下蓋付きの磁性体コアを用いた多極子レンズによって、電流線の接続部の位置ずれの影響をなくし、理想的な巻線レンズによる多極子場を励起させることができる。
なお、図11A~Dに示した上下蓋付きの磁性体コアは、前述したように磁性体コアに対してZ方向に延在し、上下面までは達しないスリット構造を設けてもよいし、図1Aに示した磁性体コアに対して、同じ内径と外径を有する円筒形状の磁性体蓋を磁性体コアの上下に配置することで、図11A~Dに示した上下蓋付きの磁性体コアとすることも可能である。この場合には、磁性体コアと磁性体蓋とが接する面に電流線の接続部を通すための貫通孔が設けられる必要がある。本実施例では、上下蓋付きの磁性体コアを1パーツで構成した場合であっても、別パーツの組み合わせで構成した場合であっても、電流線の主線部が配置されている部分を磁性体コアと称し、磁性体コアよりも上または下の磁性体部分を蓋または磁性体蓋と称している。
図13A、図13Bに磁性体コアに対して電極を設ける例を示す。電極は、例えば、本実施例の多極子レンズを用いた収差補正器を組み込んで電子線装置を構成する際に、1次電子線の色収差を補正するための電界を発生させるために用いる。上述のように、磁性体コア750に電流線711が配置される溝(またはスリット)701が設けられている。図13Aの例では、電極731は溝701に挿入される。このとき、磁性体コア750と電極731とは異なる電位となるため、電極731は絶縁体721を介して溝701内に配置する。ここで、絶縁体721のチャージアップを防止するため、絶縁体721が光軸に対してできるだけ露出しないようにすることが望ましい。図13Bは、絶縁体が光軸からみえないようにする配置例である。すなわち、絶縁体722は磁性体コア750の内壁に沿うように溝701に設けられ、絶縁体722を覆うように電極732が配置されている。
以上説明した巻線型多極子レンズを用いた収差補正器を組み込んだ電子線装置の構成例を図14に示す。本装置では、電子銃801から1次電子線が放出され、コンデンサレンズ802で平行ビームに形成され、多極子レンズ803を通過する。多極子レンズ803を通過した1次電子線は、コンデンサレンズ804とコンデンサレンズ805によって多極子レンズ806へ転写される。その後、1次電子線はコンデンサレンズ807および対物レンズ808で収束作用を受けて試料809上に照射される。真空容器800内は真空にされており、電子線は電子銃801から試料809に到達するまで真空状態が維持された中を進む。多極子レンズ803および多極子レンズ806はそれぞれ、本実施例として説明した巻線型多極子レンズで構成され、球面収差補正を行うために6極子場が励起される。本球面収差光学系は、STEMなどで用いられる一般的な収差補正器と同一の光学系である。違いは、多極子レンズ803および806がくさび型の磁性体でできた多極子でなく、前述の通り巻線による多極子レンズを用いることである。なお、巻線型の多極子レンズは6極子場を用いた収差補正器以外にも、4極子場と8極子場を用いた4段の収差補正器にも適用可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100…光軸、101~112,511,711…電流線、121…主線部、122,123…接続部、124…戻り線部、150,550,750…磁性体コア、151~162,701…溝、400…非磁性スペーサ、501…スリット、502,503…貫通孔、721,722…絶縁体、731,732…電極、800…真空容器、801…電子銃、802,804,805,807…コンデンサレンズ、803,806…多極子レンズ、808…対物レンズ、809…試料。

Claims (10)

  1. 複数の溝が内壁に設けられた磁性体コアと、
    前記磁性体コアに設けられた溝と同数である複数の電流線とを有し、
    前記複数の溝の数をkとするとき、前記複数の溝は、上面視において、隣接する溝の中心のそれぞれと前記磁性体コアの中心軸とを結んでなす角が(360°/k)となるように配置されており、
    前記複数の電流線の主線部はそれぞれ、前記磁性体コアの前記複数の溝のいずれかに配置される多極子レンズ。
  2. 請求項1において、
    前記複数の溝のそれぞれは、前記内壁に向かって広がるテーパー部と、前記電流線の主線部を配置する内室とを有する多極子レンズ。
  3. 請求項1において、
    前記電流線は、前記主線部を前記磁性体コアの外部から前記溝内に導入する、または前記主線部を前記溝内から前記磁性体コアの外部に導出する接続部を有し、
    前記電流線の接続部と前記磁性体コアとの間に非磁性スペーサが配置される多極子レンズ。
  4. 請求項1において、
    前記電流線は、前記主線部を前記磁性体コアの外部から前記溝内に導入する、または前記主線部を前記溝内から前記磁性体コアの外部に導出する接続部を有し、
    前記磁性体コアの前記溝の長手方向に対向する磁性体蓋を有し、
    前記電流線の接続部は、前記磁性体コアと前記磁性体蓋との間に設けられた貫通孔内に配置される多極子レンズ。
  5. 請求項1において、
    前記電流線は、前記磁性体コアの外部に配置される戻り線部を有し、
    前記電流線の主線部は、前記磁性体コアの前記溝内に多重化されて配置される多極子レンズ。
  6. 請求項1において、
    電界を発生させる複数の電極を有し、
    前記複数の電極はそれぞれ、絶縁体を介して前記磁性体コアの前記複数の溝のいずれかに配置される多極子レンズ。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の多極子レンズを多段に有する収差補正器。
  8. 1次電子線を放出する電子銃と、
    前記1次電子線が入射され、多段の多極子レンズを有する収差補正器と、
    前記収差補正器を通過した1次電子線が入射される対物レンズとを有し、
    前記多極子レンズは、複数の溝が内壁に設けられた磁性体コアと、前記磁性体コアに設けられた溝と同数である複数の電流線とを有し、前記複数の溝の数をkとするとき、前記複数の溝は、上面視において、隣接する溝の中心のそれぞれと前記磁性体コアの中心軸とを結んでなす角が(360°/k)となるように配置されており、前記複数の電流線の主線部はそれぞれ、前記磁性体コアの前記複数の溝のいずれかに配置される荷電粒子線装置。
  9. 請求項8において、
    前記収差補正器は6極子場を用いた収差補正器である荷電粒子線装置。
  10. 請求項8において、
    色収差を補正する電界を発生させる複数の電極を有し、
    前記複数の電極はそれぞれ、絶縁体を介して前記磁性体コアの前記複数の溝のいずれかに配置される荷電粒子線装置。
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