JP7075800B2 - 昇華型インクジェット捺染転写紙 - Google Patents

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Description

本開示は、昇華型インクジェット捺染転写紙に関するものである。
転写捺染法には、ワックス、樹脂等の熱軟化性固着剤と顔料とからなるインクを用いた溶融型転写捺染法、ポリ塩化ビニル等の粉末、可塑剤及び顔料からなるプラスチックゾルインキを用いたラバープリント型転写捺染法、熱昇華性染料を用いた昇華型捺染転写法等が存在する。
近年では、小ロットに対応できることや鮮明な印刷が高速で可能であることから、インクジェット記録方式での昇華型転写捺染法の需要が拡大している。昇華型捺染転写法には、他の転写法では困難な解像度が高く鮮明な図柄のプリントが可能であるという利点があるため、捺染物が化学繊維を主体とする布類や合成樹脂フィルム等、多岐にわたっている。
インクジェット記録方式で印刷された昇華型インクジェット捺染転写紙を巻き出し、巻き出した紙匹を熱ドラムで加熱し、被転写物に密着させてプレスすることにより転写を行う熱ドラム式転写プレス方式、若しくは、シート状にカットした転写捺染紙を平版印刷機(平台)で印刷し、印刷した捺染転写紙を被転写物に密着させて、加熱して転写を行う平台式転写プレス方式による転写工程を経て、捺染物に絵柄がプリントされる。しかし、被転写物に昇華型インクを熱により昇華転写させる昇華型転写捺染法では、用紙に加熱による影響でカール(反り)やシワが発生し、転写工程で転写不良となることがあった。特に用紙にカール(反り)やシワが発生する場合、伸縮を伴う被転写物への転写不良(印字ムラ)が顕著になることが問題となっていた。
上記のような状況から、カール(反り)やシワが発生しても、様々な捺染物への転写捺染時における転写が良好で、高速印刷可能(インク乾燥性が良好)な用紙が望まれていた。
特許文献1~3には、インクジェット記録方式用の昇華型インクジェット捺染転写紙と
して、基紙上に、平板結晶構造を有する無機微粒子やシリカ等の顔料やカルボキシメチル
セルロースナトリウムやポリビニルアルコール等の結着剤等を含有するインク受容層を設
けた昇華型インクジェット捺染転写紙が記載されている。特許文献4には、視覚的に白色度が高く、色再現性を良好とするために、支持体上に高分子化合物からなるインク受理層を設け、更に表面樹脂被覆層を設けたインクジェット記録シートが記載されている。
特許第5778366号公報 特開2002-292995号公報 特開2003-313786号公報 特開平11-058932号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載される従来の昇華型インクジェット捺染転写紙では、インクジェット印刷の際における昇華型捺染インクの吸収・乾燥性については検討がなされているが、捺染転写時の用紙にカール(反り)やシワが入りを抑制することで、様々な捺染物に対して、捺染転写が良好になることについて検討がなされていなかった。
特許文献4に記載される発明には、インク受理層の構成が近いものもあるが、用紙として求められる物性が大きく異なり、本願発明の昇華型インクジェット捺染転写紙に転用できないことが判明した。
本発明は、被転写物への密着性に優れ、転写濃度が向上し、印字ムラも低減でき、インク乾燥性が良好で高速印刷が可能な昇華型インクジェット捺染転写紙を提供することを目的とする。
本願発明に係る昇華型インクジェット捺染紙は、基紙の一方面に少なくとも第一塗工層第二塗工層が順に形成されており、第一塗工層は、少なくとも1種類以上のバインダーと無機粒子と含有した受容層塗料からなり、第二塗工層は、ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースが含有されており、ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースの配合比が、質量比で、15:85~85:15質量%であることを特徴とするものである。
本発明によれば、被転写物への密着性に優れ、転写濃度が向上し、印字ムラも低減でき、インク乾燥性が良好で高速印刷が可能な昇華型インクジェット捺染転写紙を提供できる。
本発明に係る昇華型インクジェット捺染転写紙は、基紙の一方面に第一塗工層及び第二塗工層が形成されたものであり、基紙並びに第一塗工層及び第二塗工層に以下に説明するものを使用することにより、被転写物への密着性に優れ、転写濃度が向上し、印字ムラも低減でき、インク乾燥性が良好で高速印刷が可能な昇華型インクジェット捺染転写紙を実現できる。以下、基紙並びに第一塗工層及び第二塗工層の詳細を説明する。
(基紙:原料パルプ)
基紙を構成する原料パルプとしては、例えば、バージンパルプ、古紙パルプ、これらのパルプを組み合わせたもの等を使用することができる。
バージンパルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ(MP)を単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
古紙パルプとしては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(基紙:添加剤)
基紙には、必要により添加剤を内添することができる。
添加剤としては、例えば、填料、サイズ剤、紙質向上剤、凝結剤、消泡剤、蛍光増白剤、硫酸バンド、歩留り向上剤、濾水性向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(基紙:下塗り層)
基紙には、必要により水溶性高分子を主成分とする下塗り層を設けてもよい。
水溶性高分子としては、例えば、天然高分子系を使用することができる。天然高分子系としては、例えば、コーン、小麦、タピオカ、ポテト等の生澱粉を各種製法で変性させた、酵素分解澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸化澱粉、変性酸化澱粉や、カルボキシメチル化セルロース(以下、CMCともいう)、カルボキシエチル化セルロース(CEC)等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。また、下塗り層には、例えば、サイズ剤、耐水化剤、着色染料、着色顔料、消泡剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させることができる。
(基紙:ESTサイズ度)
基紙としては、表面・サイズ度テスター(EST12、emtec製)で測定した、基紙の初期吸水特性の超音波透過強度が100%に達するまでの時間(以下、ESTサイズ度ともいう)は、0.010~3.00秒であるものを使用することが好ましい。基紙としては、ESTサイズ度が0.50~2.00秒であるものがより好ましい。表面・サイズ度テスターで測定したESTサイズ度は、インク受容層塗料の塗工直後における基紙へのインク受容層塗料の浸透性を表すパラメータである。ESTサイズ度が0.010秒未満の場合、インク受容層塗料が基紙へと過度に浸透し、インク受容層に微細な欠陥が生じ、画像再現性を若干低下させる可能性がある。一方、ESTサイズ度が3.00秒を越える場合、インク受容層塗料が基紙へと浸透しにくく、インク受容層と基紙との密着性の悪化を招く結果、画像再現性を若干低下させる可能性があるESTサイズ度は、例えば、基紙のサイズ剤等の添加剤の種類、添加量や下塗り層の塗工量や添加剤の種類、添加量を組み合わせて調整することができる。
(アンダー層)
昇華型インクジェット捺染転写紙において、昇華型捺染インク受容層と基紙との間に、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMCともいう)等を含有するアンダー層が形成されていても良い。アンダー層が形成されていることにより、混合塗料の塗工直後における湿潤塗料の馴染みがよくなるため、より少ない塗工量でピンホールのない連続被膜が得られ易くなるという効果が奏される。
なお、アンダー層を形成するためのアンダー層塗料には、CMCのほかに、例えば、澱粉、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、各種ケン化度のポリビニルアルコール(以下、PVAともいう)やそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カチオン化物等の各種PVA誘導体、カゼイン、ゼラチン、変性ゼラチン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン-無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等の水溶性合成高分子化合物といった成分が含有されていてもよく、アンダー層を設けることによる効果が阻害されない限り、特に限定はない。
また、アンダー層塗料としてインク受容層塗料と同じ塗料を用いてもよい。この場合、インク受容層塗料を1回塗工するよりも少ない塗工量で、塗工欠陥を充分に阻止することができ、塗工適性に優れる。
アンダー層を形成する場合、アンダー層塗料の塗工量(乾燥後)は、3.0g/m
下とする。アンダー層塗料の塗工量(乾燥後)が3.0g/mを越えると、透気度が高
くなり過ぎ、捺染転写時にブリスターが発生し、ブリスター発生箇所では転写した画像の再現性が低下する。
(昇華型捺染インク受容層)
昇華型捺染インク受容層(以下、インク受容層ともいう)は、少なくとも、第一塗工層及び第二塗工層から形成される。
(第一塗工層)
第一塗工層は、少なくとも1種類以上のバインダーと無機粒子と含有した塗料からなる。
(無機粒子)
本発明の昇華型インクジェット捺染転写紙は、高速印刷に適用するため、より速乾性が求められている。そこで、無機粒子は少なくとも軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムを含むことが好ましい。また、無機粒子として、軽質炭酸カルシウムのみを使用すると、乾燥性をより向上させることができるのでより好ましい。軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウム以外では、無機粒子としてクレーを使用することもできる。
シリカ粒子が主成分であるとインク吸着量が多く、昇華転写時にインクを離さず印刷濃度が悪化する可能性がある。また、カオリンが主成分であると、扁平なカオリン粒子同士を接着させるため、バインダーが増加し、結果として乾燥時のカールを悪化させる可能性がある。
軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムの1次粒子のメジアン径d50の範囲は、0.05~0.60μmであることが好ましい。軽質炭酸カルシウムを単独で使用する場合、軽質炭酸カルシウムの1次粒子のメジアン径d50は、0.05~0.30μmであることが好ましく、0.06~0.28μmがより好ましく、0.07~0.20μmがさらに好ましい。上記範囲内の軽質炭酸カルシウムを化学的に凝集させた軽質炭酸カルシウムを用いることがさらに好ましい。凝集粒子とすることで、空隙容積が大きくなり、BET比表面積を13~18m/gと高くすることができるため、インクの吸着性と放出性を高めることができる。したがって、凝集型の軽質炭酸カルシウムを用いることにより、良好なインキセット(乾燥性)と所望の透気度を得ることができる。
また、後述する第二塗工層塗液がポリオレフィン系エマルションを含むため、インク等樹脂成分の吸着性と放出性が高い軽質炭酸カルシウムを用いることで、第一塗工層が第二塗工層塗液の過度な浸透を防ぎ、膜厚が均等な層が形成することが可能である。
なお、軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムの1次粒子径(メジアン径)は、電子顕微鏡観察(SEM写真:10000倍)により求めた測定値である。また、BET比表面積は、JPCS(日本軽微性炭酸カルシウム工業組合)試験方法に準拠して測定した数値である。無機粒子の粒子径(メジアン径d50)は、レーザー回折・散乱式の粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、製品名:MT3300)を用いて測定することもできる。
軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムの1次粒子のアスペクト比は、10未満であることが好ましく、8未満がより好ましく、7未満がさらに好ましい。下限としては特に限定されないが、例えば1以上とすることができる。
昇華型インクジェット捺染転写紙の効果が奏される限り、他の無機粒子として、カオリン、シリカ粒子、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物(擬ベーマイト等)、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト等の無機顔料を含有することができる。これらは単独で又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
(バインダー:エチレン酢酸ビニル共重合体)
バインダーは少なくともエチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAともいう)を含むことが好ましい。
エチレン酢酸ビニル共重合体は、無機粒子の合計100質量部に対して、5.0~15.0質量部の割合でインク受容層塗料に含有させることがさらに好ましい。上述した軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムとEVAとを組み合わせて用いることにより、昇華型インクジェット捺染転写紙を加熱したときのカールを効果的に抑制することができ、インク乾燥性も良好である。エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量は、無機粒子の合計100質量部に対して、6.0~14.0質量部がより好ましく、7.0~13.0質量部がさらに好ましい。インク受容層塗料中のエチレン酢酸ビニル共重合体の含有量が、無機粒子の合計100質量部に対して5.0質量部未満の場合、後述する透気度が低くなり過ぎ、昇華したインキが基紙の裏面側に抜け、転写用の熱ロールまたは熱板を汚損してしまう可能性があるため、好ましくない。また、バインダーとしての接着力が弱く、用紙がカールし易くなり、第二塗工層を設けても、密着性が低下する可能性がある。一方、インク受容層塗料中のエチレン酢酸ビニル共重合体の含有量が、無機粒子の合計100質量部に対して15.0質量部を越える場合、後述する透気度が高くなり過ぎ、インク受容層内の水分が熱転写時に抜けずにブリスター等を引き起こし転写ムラの原因となるほか、昇華型インクジェット捺染転写紙への印字ムラが生じやすく、インクの乾燥性も低下する可能性があるため、好ましくない。
(バインダー:水溶性高分子)
水溶性高分子は、通常の塗料では主としてバインダーとして用いられるが、本発明においては、昇華型捺染インクを捕捉、吸収する特性を併せ持っている。そこで、顔料同士の接着力が高い、各種ケン化度のポリビニルアルコール(以下、PVAともいう)をEVAと併用することが好ましい。バインダーとしてPVAを更に含む場合、PVAは、無機粒子の合計100質量部に対して、1.0~10.0質量部の割合でインク受容層塗料に含有させることが好ましい。PVAの含有量が無機粒子の合計100質量部に対して、10.0質量部を越えると、昇華型インクジェット捺染転写紙への印刷時に滲みによる印字ムラが生じやすく、インクの乾燥性も低下するため好ましくない。
なお、PVA以外の水溶性高分子もEVAと併用することもできる。PVA以外の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、やそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カゼイン、ゼラチン、変性ゼラチン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン-無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等の水溶性合成高分子化合物が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を選択してEVAと併用することができる。
(インク定着剤)
軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムは、シリカ粒子やカオリンに比べ、インク放出性が優れる反面、インク定着性が劣る可能性があるため、インク定着剤を含有させていることが好ましい。インク定着剤としては、高粘度の塗料中でも安定性が高い観点から、ポリアミンエピクロロヒドリン系化合物であることが好ましい。
インク定着剤の含有量としては、無機粒子100質量部に対して、5.0~15.0質量部が好ましく、7.0~12.0質量部がより好ましく、8.0~11.0質量部がさらに好ましい。
(その他の添加剤)
第一塗工層には、例えば、サイズ剤、着色染料、着色顔料、消泡剤、蛍光増白剤、粘度調整剤、潤滑剤等の添加剤を含有させることができる。
(塗工方式)
第一塗工層は、40.0%以上(固形分濃度)の高濃度で塗工するため、ロッドコータ又はブレードコータの塗工液を直接掻き落とす塗工機で形成される。そうすることで、高濃度・高粘度の塗工液を均一な膜厚で形成することが可能である。
第一塗工層の塗工量としては、インクの裏抜けの抑制及びインク乾燥性を両立させる観点から、片面あたり2.0~12.0g/mが好ましく、3.0~10.0g/mがより好ましく、4.0~8.0g/mがさらに好ましい。
(第二塗工層)
第二塗工層は、ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロース類を含む塗料からなり、ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースの配合比が、固形分の質量比で、15:85~85:15である。
(ポリオレフィン系エマルション)
第二塗工層がポリオレフィン系エマルションを含むことで、昇華捺染転写時の熱により塗工層が粘着性及び可塑性を示すため、被転写体に対して密着性が向上する。したがって、用紙のカールやシワが発生した場合でも、被転写物へ捺染転写のズレを防止できる。
ポリオレフィン系エマルションとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを主成分とする樹脂成分を水に分散させたもの挙げられる。ポリオレフィン系エマルションの平均分子量としては、密着性の観点から、30000~40000程度のものを使用することが好ましい。
(ヒドロキシル化セルロース)
第二塗工層がヒドロキシル化セルロースを含むことで、第二塗工層にインク吸着性を付与することができる。ヒドロキシル化セルロースは、ノニオン性を示すことが好ましい。第二塗工層が、例えば、CMCのようにアニオン性を示す薬剤を含んだ場合、ポリオレフィン系エマルションとの相溶性が悪化し、塗液が白濁化又は凝集物が発生して、塗液が塗工できない。ヒドロキシル化セルロースの平均分子量としては、ポリオレフィン系エマルションとの相溶性及びインク吸着性の観点から、80000~100000程度のものを使用することが好ましい。
ヒドロキシル化セルロースとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。インク吸着性の観点から、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を使用することが好ましい。
ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースの配合比は、固形分の質量比で、15.0:85.0~85.0:15.0である。ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースの配合比は、固形分の質量比で、20.0:80.0~80.0:20.0であることが好ましく、30.0:70.0~70.0:30.0であることがより好ましい。ポリオレフィン系エマルションの含有量が、ポリオレフィン系エマルション及びヒドロキシル化セルロースの固形分の85.0質量%を超えると、被転写体に対する密着性が向上し過ぎるあまり、転写工程後に捺染転写紙が貼り付き、引き剥がす工程が発生するため、製造効率が悪化して、昇華型インクジェット捺染転写紙の生産が困難となる。また、ポリオレフィン系エマルションの含有量が、ポリオレフィン系エマルション及びヒドロキシル化セルロースの固形分の15.0質量%未満であると、塗工層が粘着性及び可塑性を示さないため、被転写物へ密着せず、転写ムラが発生しやすくなる。また、ヒドロキシル化セルロースの含有量が、ポリオレフィン系エマルション及びヒドロキシル化セルロースの固形分の85.0質量%を超えると、塗液がポリオレフィン系エマルションとの相溶性が低下し、白濁化又は凝集物が発生する。また、ヒドロキシル化セルロースの含有量が、ポリオレフィン系エマルション及びヒドロキシル化セルロースの固形分の15.0質量%未満であると、所望のインク受容性が得られない。
(その他の添加剤)
第二塗工層には、例えば、無機顔料、有機顔料、サイズ剤、着色染料、着色顔料、消泡剤、蛍光増白剤、粘度調整剤、潤滑剤等の添加剤を含有させることができる。
(塗工方式)
第二塗工層は、ロール塗工方式で塗料を基紙に塗布し、エアーナイフコータで塗工層を形成することが好ましい。この塗工方式をとることで、基紙に少ない塗工量でも安定した粘着力を付与でき、せん断応力が少ない状態で塗工層を形成可能なことから、塗料の凝集を防止することができる。
第二塗工層の塗工量としては、インクの裏抜けの抑制及び被転写体へ密着させることで、インク転写濃度の向上を両立させる観点から、片面あたり1.0~4.0g/mが好ましく、2.0~3.0g/mがより好ましい。塗工量が4.0g/mを超えると、捺染インクが第二塗工層以下の第一塗工層及び基紙に浸透し難く、また、1.0g/m未満であると、被転写体への密着性が低下する可能性がある。
(昇華型インクジェット捺染転写紙)
(バックコート層)
本発明に係る昇華型インクジェット捺染転写紙は、基紙の他方面、すなわち、インク受容層(第一塗工層及び第二塗工層)が形成された面とは反対側の面にバックコート層を設けても良い。バックコート層を有することで、捺染転写時の昇華ガスが紙面側へ裏抜け防止する効果を奏する。また表裏の水分差を調整することができ、カール高さをより低減できる効果も奏する。
バックコート層には、無機粒子として1.50~3.00μmの範囲にメジアン径d50を有し、アスペクト比が20を超えるデラミネートカオリンが含まれることが好ましい。ここで示す無機粒子の粒子径(メジアン径d50)は、レーザー回折・散乱式の粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、製品名:MT3300)を用いて測定されるものである。
他の無機粒子としては、昇華型インクジェット捺染転写紙の効果が奏される限り、カオリン、シリカ粒子、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物(擬ベーマイト等)、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト等の無機顔料を含有することができる。これらは単独で又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
バックコート層には、バインダーとしてタピオカ澱粉とSBラテックスが含まれることが好ましい。
さらにバックコート層には、ポリエチレングリコール(以下、PEGともいう)が含まれていることが好ましい。
(透気度)
透気度は、5000~60000秒であることが好ましく、10000~20000秒がより好ましい。透気度は、JIS P 8117(2009)に準拠して測定した測定値である。透気度の値がこの範囲内であることによって、昇華したインキをインク受容層から被転写体へと良好に転写することができると共に、昇華したインキが基紙の裏面側へと抜けることを抑制することができる。透気度が5000秒未満の場合、昇華したインキが紙の裏面側に抜け、転写用の熱ロールまたは熱板を汚損してしまうため好ましくない。一方、透気度が60000秒を越える場合、インク受容層内の水分が基紙に浸透せず乾燥性が悪化し、インク受容層内の水分が熱転写時に抜けず、ブリスター等を引き起こす可能性があるため好ましくない。
以上説明したように、本発明に係る昇華型インクジェット捺染転写紙においては、第二塗工層がポリオレフィン系エマルションを含むため、昇華捺染転写時の熱により第二塗工層が粘着性及び可塑性を示し、被転写体に対する密着性が向上する。したがって、用紙のカールやシワが発生した場合でも、被転写物へ捺染転写のズレを防止できる。第二塗工層による密着性は、特に、伸縮を伴う多様な被転写体に対する捺染転写時の作業性を向上させるのに有効である。また、捺染転写時に昇華捺染インク受理層が被転写体に密着すると、被転写体に対する昇華型インクジェット捺染転写紙の接触面積が増えるため、インク転写濃度が向上する。さらに、第一塗工層及び第二塗工層の両方がインクを受容する性能をもつため、インク乾燥性が良考で高速印刷が可能となる。
以下、本発明に係る昇華型インクジェット捺染転写紙及びその製造方法を具体的に実施した実施例を説明する。ただし、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない
<基紙の製造例>
LBKP 80質量%とNBKP 20質量%とを配合したものに、填料として、重質炭酸カルシウム及びタルクを灰分が8.0%となるように添加し、添加剤として、クラフトパルプ全量100質量%に対して、カチオン化デンプンを0.8質量%、アルキルケテンダイマー(内添サイズ剤)を0.3質量%、アニオン変性ポリアクリルアマイドを0.3質量%添加して紙料を調製した。この紙料を抄紙機で抄紙し、表面・サイズ度テスター(EST12、emtec製)で測定した初期吸水特性の超音波透過強度が100%に達するまでの時間(ESTサイズ度)が2.00秒である基紙を得た。
<第一塗工層塗料>
第一塗工層塗料の成分として、以下の材料を使用した。
(無機粒子)
・粒子A1:軽質炭酸カルシウム
1次粒子メジアン径d50:0.08μmの凝集体、アスペクト比:8、BET比表面積:15m/g
・粒子A2:軽質炭酸カルシウム
1次粒子メジアン径d50:0.15μm、アスペクト比:9
・粒子A3:軽質炭酸カルシウム
1次粒子メジアン径d50:0.30μm、アスペクト比:8
・粒子B:重質炭酸カルシウム
1次粒子メジアン径d50:0.50μm、アスペクト比:1
・粒子C:クレー
1次粒子メジアン径d0.40μm、アスペクト比:15
(バインダー)
・EVA:リカボンドBE814(ジャパンコーティングレジン(株)製)
・PVA:クラレポバール105((株)クラレ製)
・CMC:FINFIX(三晶(株)製)
(インク定着剤)
ポリアミンエピクロロヒドリン系インク定着剤:ジェットフィックスN700(里田化工(株)製)
<インク受容層塗料の調製例>
無機粒子、バインダー及びインク定着材を表1に示す割合で水(溶媒)に混合し、インク受理層塗料1~10を調製した。
Figure 0007075800000001
<第二塗工層塗料>
第二塗工層塗料の成分として、以下の材料を使用した。
・ポリオレフィン系エマルション:ザイクセンN(住友精化(株)製)
・CMC:FINFIX(三晶(株)製)
・HEC:SANHEC(三晶(株)製)
Figure 0007075800000002
<バックコート層塗料の調製例>
クレー100質量部に対して、SBラテックス15.0質量部、タピオカ澱粉7.0質量部を水(溶媒)に混合し、バックコート層塗料を調製した。より詳細には、適量の水に無機粒子を分散させた後、水溶性樹脂を添加し、水を適宜加えて最終的な固形分濃度が50.0%となるように調節し、表3に示す塗工量で塗工した。
<昇華型インクジェット捺染転写紙の製造例>
基材の一方面にロッドコータを用いて第一塗工層塗料を塗工して乾燥させ、エアーナイフコータを用いて第二塗工層塗料を塗工して乾燥させた。他方面にロッドコータを用いてバックコート層塗料を塗工して乾燥させ昇華型捺染インク受容層を形成し、昇華型インクジェット捺染転写紙を得た。各実施例及び各比較例で用いた基紙とインク受容層塗料との組み合わせ、インク受容層塗料及びバックコート層塗料の塗工量(乾燥後)を表3に示す。
Figure 0007075800000003
<評価>
得られた昇華型インクジェット捺染転写紙を以下の方法により評価した。
なお、昇華型インクジェット捺染転写紙への印刷は、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、EP704A型)及び昇華型捺染インク((株)パワーシステム製、EPSON用昇華インクSU-110シリーズ)を用い、「標準」の設定モードにて各評価用の画像を印刷した。また、被転写物には、伸縮性ポリエステル布素材(2wayニット生地)を使用した。画像の転写は、昇華型インクジェット捺染転写紙にインクジェットプリンタで印字した画像と、ポリエステル布素材とを密着させ、190℃で90秒間保持して熱転写することにより行った。
(1)透気度
透気度は、JIS P 8117:2009に準拠して、ガーレー標準型デンソメーター(ガーレー高圧型透気度試験機、熊谷理機工業(株)製)を用いて測定した。
(2)転写濃度
各昇華型インクジェット捺染転写紙にインクジェットプリンタで赤100%+黄100%のベタ印字を行い、190℃で90秒間保持して伸縮性ポリエステル布素材2wayニット生地)への熱転写を行った。その後、布素材への転写濃度を目視で観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、評価3以上が実用レベルである。
[評価基準]
5:布素材への転写濃度が高い。
4:布素材への転写濃度が「評価5」と比較すると低下しているが、十分に高い。
3:布素材への転写濃度は「評価4」と比較すると低下しているが、実用上問題ない程度の濃度である。
2:布素材への転写濃度が低く、実用上問題がある程度の濃度である。
1:布素材への転写濃度は明らかに低い。
(3)残留印字濃度
各昇華型インクジェット捺染転写紙にインクジェットプリンタで赤100%+黄100%のベタ印字を行い、190℃で90秒間保持して伸縮性ポリエステル布素材2wayニット生地)への熱転写を行った。その後、転写後の各昇華型インクジェット捺染転写紙の印字面を目視で観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、評価3以上が実用レベルである。
[評価基準]
5:紙面にインクが僅かに残っている程度である。
4:紙面にインクが残っているが、濃度は低い。
3:紙面にやや濃くインクが残っているが、実用上問題ない程度の濃度である。
2:紙面に濃くインクが残っており、実用上問題がある程度の濃度である。
1:紙面にかなり濃くインクが残っている。
(4)印字ムラ
デジタル画像を印刷した各昇華型インクジェット捺染転写紙の印字面を目視で観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、評価3以上が実用レベルである。
[評価基準]
5:印字ムラが認められない。
4:印字ムラが殆ど認められない。
3:印字ムラが僅かに認められるが、実用上問題ない程度である。
2:印字ムラが明らかに認められ、実用上問題がある程度である。
1:印字ムラが目立って認められる。
(5)転写ムラ
デジタル画像を印刷した各昇華型インクジェット捺染転写紙を、190℃で90秒間保
持してポリエステル布素材への熱転写を行った。その後、伸縮性ポリエステル布素材(2wayニット生地)に転写された画像を目視で観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、評価3以上が実用レベルである。
[評価基準]
5:転写ムラが認められない。
4:転写ムラが殆ど認められない。
3:転写ムラが僅かに認められるが、実用上問題ない程度である。
2:転写ムラが明らかに認められ、実用上問題がある程度である。
1:転写ムラが目立って認められる。
(6)密着性
デジタル画像を印刷した各昇華型インクジェット捺染転写紙を、190℃で90秒間保
持して伸縮性ポリエステル布素材(2wayニット)への熱転写を行った。その後、伸縮性ポリエステル布素材(2wayニット)に転写された画像を目視で観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、評価3以上が実用レベルである。
[評価基準]
5:被転写物との密着性に優れ、伸縮性のある生地への追従性も非常に良好で画像ずれが全くない。
4:被転写物との密着性に優れ、伸縮性のある生地への追従性も良好で画像ずれがない。
3:被転写物との密着性はあり、伸縮性のある生地への追従性があり画像ずれも僅かで問題ない。
2:被転写物との密着性に若干難があり、伸縮性のある生地への追従性が悪く、画像ずれがある。
1:被転写物との密着性に難があり、使用できない。
(7)剥離性
デジタル画像を印刷した各昇華型インクジェット捺染転写紙を、190℃で90秒間保
持して伸縮性ポリエステル布素材(2wayニット)への熱転写を行った。その後、伸縮性ポリエステル布素材(2wayニット)からの各昇華型インクジェット捺染転写紙の剥離性を評価した。
[評価基準]
5:被転写物からの剥離性に非常に優れ、熱転写機での操業性が非常に良好である。
4:被転写物からの剥離性に優れ、熱転写機での操業性も良好である。
3:被転写物からの剥離性があり、熱転写機で操業可能である。
2:被転写物からの剥離性が悪く、熱転写機での操業性に問題が有る。
1:被転写物からの剥離性が非常に悪く、熱転写機の操業性に非常に問題が有り、操業できない。
(8)乾燥性
各昇華型インクジェット捺染転写紙にインクジェットプリンタで黒100%のベタ印字をした直後、印字面をテッシュペーパーで擦り、拭取った際に、紙面上のインクの伸びの有無を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、評価3以上が実用レベルである。
(評価基準)
5:乾燥が非常に早く、拭取り後の紙面上でインクの伸びが全くない。
4:乾燥が早く、拭取り後の紙面上でインクの伸びが殆どない。
3:乾燥が若干遅く、拭取り後の紙面上でインクの伸びが僅かに認められるが、実用上問題はない。
2:乾燥が遅く、拭取り後の紙面上でインクの伸びが認められる。
1:乾燥が非常に遅く、装置汚れや印字部の汚れが認められ、拭取り後の紙面上でインクの伸びが長く、使用不可である。
実施例1~13及び比較例1~4に係る昇華型インクジェット捺染転写紙の評価結果を、上記の表3に併せて示す。
実施例1~13に係る昇華型インクジェット捺染転写紙では、基紙上に少なくとも、1種類以上のバインダーと無機粒子と含有した第一塗工層及び、ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースの配合比が、固形分の質量比で、15:85~85:15である第二塗工層を組み合わせたことにより、伸縮を伴う被転写物への転写濃度が向上し、印字ムラも低減でき、インク乾燥性も良好であった。
比較例1は、第二塗工層を有さないため、伸縮性ポリエステル布素材に対して、密着性
がなく、転写ムラが悪化した。
比較例2では、第二塗工層塗料が凝集してしまい、インク受理層を形成できなった。これは、塗料中のカルボキシルメチルセルロースの含有量が多かったこと、若しくはカルボキシルメチルセルロースがアニオン性を示すことが要因だったと考えられる。
比較例3では、第二塗工層中のポリオレフィン系エマルションの含有量が多く、剥離性が悪化して、連続操業(転写作業)ができない状況であった。
比較例4では、第二塗工層を有するものの、ポリオレフィン系エマルションの含有量が少なく、密着性が悪化して、転写ムラが悪化した。
本発明は、布素材(特に、伸縮性を示す素材に適している)に絵柄を転写するための昇華型インクジェット捺染転写紙として利用することができ、被転写物への密着性が優れるため、転写濃度が向上して、印字ムラも低減でき、高速印刷可能(インク乾燥性が良好)が可能なため、昇華型インクジェット捺染転写紙に好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 基紙の一方面に少なくとも第一塗工層第二塗工層が順に形成されており、
    前記第一塗工層は、少なくとも1種類以上のバインダーと無機粒子と含有した受容層塗料からなり、
    前記第二塗工層には、ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースが含有されており、
    ポリオレフィン系エマルションとヒドロキシル化セルロースの配合比が、質量比で、15:85~85:15であることを特徴とする、昇華型インクジェット捺染転写紙。
  2. 前記第一塗工層の無機粒子が、軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムであり、
    前記軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウムは、0.050~0.60μmの範囲に1次粒子のメジアン径d50を有し、アスペクト比が10未満である、請求項1に記載の昇華型インクジェット捺染転写紙。
  3. 前記第一塗工層のバインダーは、少なくともエチレン酢酸ビニル共重合体を含む、請求項1又は請求項2に記載の昇華型インクジェット捺染転写紙。
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