JP7067203B2 - 化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は化粧材に関し、従来とは異なる質感を備える化粧材に関する。
化粧材における意匠表現は多岐に亘るが、表面に各種凹凸を有することにより特有の質感を出しているものがある。例えば特許文献1、特許文献2に記載のように、石材の劈開面、セメントや石膏等の左官による壁面形状(いわゆる鏝痕調)の凹凸が表現された化粧材もある。その他、木目調や石目調等もある。
実開昭61-100595号公報 特開2003-211816号公報
近年における嗜好の多様化や、より新しい視覚的、触感的な表面形態の要求があり、かかる観点から、より付加価値の高い化粧材を提供することが望まれている。
そこで本発明は、特に視覚的、触感的に従来とは異なる質感を得られる構造を具備した化粧材を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
本発明の1つの態様は、表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、凹凸模様を形成する凸部の頂部における表面粗さRaは、凹凸模様を形成する凹部の底部における表面粗さRaよりも大きい、化粧材である。
凹凸模様を形成する高さが異なる少なくとも2種類の凸部を備えた化粧材としてもよい。その際には、高い凸部の頂部における表面粗さRaの方が、低い凸部の頂部における表面粗さRaより大きくすることもできる。
また、凹凸模様を形成する凸部の縁から立設する他の凸部が設けられた化粧材とすることもできる。
本発明の化粧材によれば、視覚的に凹凸感を強調することができる。これにより例えば視覚的な凹凸に対する印象と触感的な凹凸に対する感覚との差異を与えることができる等、視覚的及び触感的にこれまでとは異なるものとなり、豊かな表現ができる。
図1は、化粧材10の表面の一部を拡大して表した平面図である。 図2は、図1の一部をさらに拡大して表した図である。 図3(a)~図3(c)はいずれも化粧材10の断面を表した図である。 図4(a)、図4(b)は粗さ測定位置を説明する図である。 図5(a)~図5(c)は、凹凸形状の他の形態を表す断面図である。 図6は、化粧材50の表面の一部を拡大して表した平面図である。 図7は、化粧材60の表面の一部を拡大して表した平面図である。 図8(a)は化粧材60の断面の一部を拡大して表した図、図8(b)は図8(a)の一部をさらに拡大して表した図である。 図9(a)、図9(b)は粗さ測定位置を説明する図である。 網状領域について説明する図である。 レーザにより型に凹凸を形成する場面を説明する図である。 図12(a)~図12(c)は、化粧材10の層構成の他の例を説明する図である。 実施例2について説明する図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1は第1の形態にかかる化粧材10の一部を拡大し、模様形成層12側から平面視した図(平面図)である。図1には便宜のため、方向を表す矢印(x、y、z)も表した。ここでxy方向は化粧材10における面内方向、z方向は厚さ方向である。従って図1は化粧材10を模様形成層12側の特にz方向から視た(平面視した)図である。
図1からわかるように本形態の化粧材10は、正六角形の領域である単位領域13が平面視で2次元的にxy方向に配列されて所謂6方最密充填構造又は正多角形の平面内タイル貼り構造をなしている。
なお、ここで言う単位領域とは、繰り返し単位、即ち、平面(xy平面)内において、並進対称性を有する方向(3対の対辺と直交する方向)に隣接して繰り返し配列することにより平面を被覆することが可能な単位となる領域を意味する。
図2には、図1のうちから一部を抜き出し、1つの単位領域13に注目して拡大した図を表した。図2からわかるように、単位領域13はさらに複数の個別領域14~個別領域23の10領域に分かれており、個別領域14~個別領域23にそれぞれの凹凸模様が形成されている。
本形態の化粧材10では繰り返し単位としての単位領域13が配列され、この単位領域13の中にそれぞれの凹凸模様を具備する個別領域14~個別領域23が形成される。ただし本発明は、このような繰り返し単位としての単位領域や、個別領域といった領域を形成する単位は必ずしも必要ではなく、表面に凹凸が形成されることにより模様を成す模様形成層を具備していればよい。
なお、本形態では2種類の領域が存在するため、わかり易さのために「単位領域」及び「個別領域」と呼んで区別するが、これらを総称して「領域」として表現することもできる。
図1、図2には一部に点線が示されている。この点線は実際には存在しない線であるが、単位領域及び個別領域の境界をわかり易くするために付した仮想の線である。図1からわかるように本形態では単位領域13は正六角形であり、単位領域13内において各個別領域14~個別領域23は三角形である。
図3(a)~図3(c)には、個別領域14~個別領域23のうち、3つの個別領域14、15、16が備える断面形状を表した。この断面はいずれも個別領域に形成される凸線条部の稜線が延びる方向に対して直交する厚さ方向(z方向)断面である。
図3(a)~図3(c)からわかるように、化粧材10は、基材11及び該基材11の一方の面に具備された模様形成層12を有して構成されている。この模様形成層12が上記単位領域13及び個別領域14~個別領域23の形状を形成している。
以下、各構成についてさらに詳しく説明する。
基材11は、模様形成層12を保持するとともに化粧材10に強度を付与する機能を有するシート状の部材である。基材11は従来公知の化粧材と同様の機能を有するものであればよいので、その材料は特に限定されない。例えば、基材の材料としては、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、ラジカル重合型のアクリレート系やカチオン重合型のエポキシ系等で電離放射線(紫外線、電子線等)で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。なお、基材の材料が樹脂の場合、公知の着色剤で着色しても良い。この他、紙、不織布、金属、木等もシート、板、立体物等の形状で、適宜上記樹脂材料と積層させて、使用することもできる。
基材の厚さには特に制限は無いが、シート状基材又はフィルム状基材の場合は、例えば、厚さ20μm以上1000μm以下程度、板状基材の場合は、例えば、1mm以上20mm以下程度のものが使用される。
模様形成層12は、基材11の一方の面に積層され、化粧材に模様を付与するする層であり、本形態では単位領域13及び個別領域14~個別領域23のように所定の凹凸形状を有して凹凸模様を構成している。本形態で模様形成層12は次のような形態を備えている。
模様形成層12と基材11とを分けて表しているが、これに限らず、例えば後で図12(a)に示して説明するように、基材の一方の面に模様形成層が区別なく一体に具備されている態様であってもよい。
上記したように、本形態の模様形成層12は、化粧材10の平面視で正六角形の単位領域13を有し、複数の単位領域13が2次元的にxy平面内に配列されて基材11を被覆している。そして、各々の単位領域13が複数の個別領域14~個別領域23に分かれており、個別領域ごとにそれぞれの凹凸形状が形成されている。以下個別領域14、15、16を例に説明する。
個別領域14は図2、及び図3(a)からわかるように、凹凸模様が形成されており、この凹凸模様は凸線条部14aと凹線条部14bとが交互に配列してなる。
この凸線条部14aは凸部として機能し、図3(a)に表れる断面において高さH14a、幅W14aの長方形とされている。凸線条部14aはこの断面を有して、その稜線が配列方向とは異なる方向(例えば配列方向に直交する方向)に延びるように構成されている。凸線条部14aが延びる長さは個別領域14の輪郭形状により決まる。
同様に凹線条部14bは凹部として機能し、図3(a)に表れる断面において深さD14b、及び幅W14bの長方形とされている。凹線条部14bはこの断面を有して配列方向とは異なる方向(例えば配列方向に直交する方向、凸線条部14aに平行)に延びるように構成されている。凹線条部14bが延びる長さは個別領域14の輪郭形状により決まる。なお、凹線条部14bの形状はその性質上、凸線条部14aの形状に基づくものとなる。
凸線条部14a及び凹線条部14bのピッチP14はW14aとW14bとの和により得ることができる。
さらに模様形成層12は次のように構成されていることが好ましい。図4(a)及び図4(b)に説明のための図を示した。図4(a)は基材11、凸線条部14a及び凹線条部14bの一部を拡大して表した斜視図、図4(b)は図4(a)を矢印IVbの方向から平面視した図である。
Aで示したように、凸線条部14aの頂部のうち稜線Cに近い部位で稜線Cに沿った方向における所定の長さLの直線範囲における表面粗さRaをRaとする。
また、Bで示したように、Aに近い稜線C及びこれに隣接する谷線Dを挟んで当該谷線Dに近い部位の凹線条部14bの底部で谷線Dに沿った方向における所定の長さLの直線範囲における表面粗さRaをRaとする。
そして、Ra>Raであることが好ましい。すなわち、基材11に対して厚さ方向に離隔した位置の面における表面粗さRaが、これよりも基材11に近い位置の面における表面粗さRaよりも大きい。言い換えると、凹凸模様を形成する凸部の頂部における表面粗さRaは、凹凸模様を形成する凹部の底部における表面粗さRaよりも大きいことを意味する。
これにより、視覚的に凹凸感を強調することができる。そして例えば視覚的に持った印象で当該凹凸に触れたときに触感的な凹凸感との差異を感じ、これまでとは異なる印象を与えることができる。かかる観点から、視覚的及び触感的にこれまでとは異なるものとなり、豊かな表現ができる。
ここで、表面粗さRaを測定する位置及び範囲は、凸線条部14a及び凹線条部14bの稜線C、及び谷線Dに形成される円弧状の丸み(いわゆるR)となる部分を避けて平坦となった部位において測定長(図4(b)のL)が4mm、カットオフ値0.8mmで測定を行う。
なお、ここで表面粗さRa(μm)は、JIS B 0601-1994における算術平均粗さを意味する。
具体的なRa及びRaの大きさは特に限定されることはないが、Raは0.02μm以上0.10μm以下であることが好ましい。また、Raは0.005μm以上0.05μm以下であることが好ましい。
また、RaとRaとの差は特に限定されることはないが、大きい方が視覚及び触感の観点からその効果が大きくなる。好ましくはその差は0.02μm以上である。
上記した、W14a、W14b、H14a、D14bの大きさは特に限定されることはないが、化粧材の模様を形成するという観点から微細なものであることが好ましい。より好ましくは、本形態ではそれぞれ、1μm≦W14a≦1000μm、1μm≦W14b≦1000μm、3μm≦H14a≦3000μm、3μm≦D14a≦3000μmである。
また、凸線条部14aにおける高さと幅の比であるH14a/W14a(アスペクト比とも言う。)は1よりも大きいことが好ましい。これによれば化粧材の質感をさらに新しいものとすることができる。但し、アスペクト比が大き過ぎると、型製造の難度が上がり、又、型及び化粧材において外力が加わった際に凹凸模様への応力が集中しては損傷し易くなる。そのため、通常は、H14a/W14aは5以下、好ましくは3以下とされる。
なお、本形態の凸線条部14aの断面形状は長方形であるが、これに限定されることなく他の形態であってもよい。これには例えば台形、先端が半円形である形状、及び、出隅部、入隅部に円弧(いわゆるR)が形成され形状等を挙げること等ができ、適宜変更することは可能である。凹線条部14bは隣り合う2つの凸線条部14aの間に形成されるため、その断面形状は凸線条部14aの形状により決まる。他の個別領域における凸線条部及び凹線条部も同様である。
ここで凸線条部の幅はその高さ方向中央における幅を凸線条部の幅とする。同様に凹線条部の幅はその深さ方向中央における幅を凹線条部の幅とする。
模様形成層12を形成する材料は、化粧材に用いられる通常の材料を適宜用いることができる。基材を加熱軟化させて型(エンボス版)を押圧するのであれば模様形成層12は基材11と同じ材料により形成される。また模様形成層12を基材11と別層として基材11に積層するのであれば、溶融した組成物を成形後に硬化させる観点から、基材11とは別に準備した、上記挙げたような基材11と同様の樹脂を用いることができる。
個別領域15は、個別領域14に隣り合う個別領域であり、図2、及び図3(b)からわかるように、凹凸模様が形成されている。この凹凸模様は凸線条部15aと凹線条部15bとが交互に配列してなる。
凸線条部15aは凸部として機能し、図3(b)に表れる断面において高さH15a、及び幅W15aの長方形とされている。凸線条部15aはこの断面を有してその稜線が配列方向とは異なる方向(例えば配列方向に直交する方向)で、かつ、個別領域14の凸線条部14aが延びる方向とは異なる方向に延びるように構成されている。凸線条部15aが延びる長さは個別領域15の輪郭形状により決まる。
凹線条部15bは凹部として機能し、図3(b)に表れる断面において深さD15b、及び幅W15bの長方形とされている。凹線条部15bはこの断面を有して配列方向とは異なる方向(例えば配列方向に直交する方向、凸線条部15aに平行)に延びるように構成されている。凹線条部15bが延びる長さは個別領域15の輪郭形状により決まる。なお、凹線条部15bの形状はその性質上、凸線条部15aの形状に基づくものとなる。
従って凸線状部15a及び凹線条部15bのピッチP15はW15aとW15bとの和により得ることができる。
個別領域15でも凸線条部15aの頂部と凹線条部15bの底部との上記した表面粗さの関係は個別領域14と同様に考えることができる。
個別領域15における高さH15a、深さD15b、幅W15a、幅W15bの好ましい大きさの範囲についても個別領域14と同様に考えることができる。これに加えて個別領域15では、個別領域14との関係で、H14a=H15aである。さらに、本形態で個別領域15は、D14b=D15b、W14a=W15a、W14b<W15b、及び、P14<P15とされている。
個別領域16も個別領域14に隣り合う個別領域であり、図2、及び図3(c)からわかるように、凹凸模様が形成されている。この凹凸模様は凸線条部16aと凹線条部16bとが交互に配列してなる。
凸線条部16aは凸部として機能し、図3(c)に表れる断面において高さH16a、及び幅W16aの長方形とされている。凸線条部16aはこの断面を有してその稜線が配列方向とは異なる方向(例えば配列方向に直交する方向)で、かつ、個別領域14の凸線条部14aが延びる方向とは異なる方向に延びるように構成されている。凸線条部16aが延びる長さは個別領域16の輪郭形状により決まる。
凹線条部16bは凹部として機能し、図3(c)に表れる断面において深さD16b、及び幅W16bの長方形とされている。凹線条部16bはこの断面を有して配列方向とは異なる方向(例えば配列方向に直交する方向、凸線条部16aに平行)に延びるように構成されている。凹線条部16bが延びる長さは個別領域16の輪郭形状により決まる。なお、凹線条部16bの形状はその性質上、凸線条部16aの形状に基づくものとなる。
従って凸線状部16a及び凹線条部16bのピッチP16はW16aとW16bとの和により得ることができる。
個別領域16でも、凸線条部16aの頂部と凹線条部16bの底部との上記した表面粗さの関係は個別領域14と同様に考えることができる。
また、個別領域16における高さH16a、深さD16b、幅W16a、幅W16bの好ましい大きさの範囲は個別領域14と同様に考えることができる。これに加えて個別領域16ではH14a>H16aであることが好ましい。さらに、本形態で個別領域16は、D14b>D16a、W14a<W16a、W14b<W16b、及び、P15=P16とされている。
他の個別領域17~個別領域23についても同様に考えることができ、凸部としての凸線条部の高さ、幅、ピッチ及び延びる向きの少なくとも1つにおいて隣の個別領域と異なっていることが好ましい。
この中でも、複数存在する領域(単位領域及び個別領域を問わず模様形成層に存在する領域の総称としての領域。)の間で、例えば個別領域14と個別領域16との関係のように、凸線条部の高さが異なる関係にある領域が含まれることが好ましい。このように高さが異なる関係にある複数の領域を含むことで、上記Ra>Raの関係を例示して示したような、高さ位置で異なる表面粗さによる質感の違いと相まってさらに従来と異なる質感の表現の多様性を高めることができる。
ここで、このように凸線条部における高さを領域間で異なるものとする際には、次のようにしてもよい。すなわち、凸線条部の幅をW、凹線条部の幅をWとしてW/Wをデューティー比としたとき、凸線条部の高さHによらずデューティー比W/Wが同じ、又は、凸線条部の高さHが高いものほどデューティー比W/Wが小さくなるように構成することができる。これにより従来に対してさらに異なる質感の表現をすることができる。因みに、従来の化粧材に於いては、金属の版材上に版下画像からの露光でパターニングされた感光性レジスト膜を介してしての腐蝕により製造したエンボス版により賦形する為、所謂サイドエッチング現象により必然的にデューティー比W/Wは高さHの増大と共に増大するものしか製造し得無い。
なお、ここまで示した各領域の凸線条部はその稜線が直線状に延びる形態であるが、これに限らず、平面視に於いて、凸線条部は稜線が延びる方向に対して放物線、双曲線、正弦波曲線、双曲線正弦関数曲線、楕円関数曲線、サイクロイド曲線等の曲線状乃至は波型状など他の形態となるようにすることもできる。
図5(a)、図5(b)、図5(c)には変形例を説明する図を示した。変形例では凸線条部及び凹線条部の形態が異なる。図5(a)、図5(b)、図5(c)には代表して個別領域14についてのみ示した。
図5(a)で示した例は、個別領域14に属する複数の凸線条部14aは基材側(基端部側)とは反対側(頂部側)において全体として凹凸を有している。この凹凸は、図5(a)に符号Sで表した点線のように、凸線条部14aの頂部の稜線を含むような仮想の包絡面を模様頂部包絡面Sとしたとき、この仮想包絡面Sが凹凸を有するように形成されている。すなわち、xy方向位置において凸線条部14aの高さが一定でなく、xy方向の位置により当該高さが変わるような凹凸面とされている。尚、図5(a)は断面図である為、図示されているものは該模様頂部包絡面Sのzx平面で切断された曲線となる。
そしてこの例でも、凸部としての凸線条部14aの頂部における表面粗さRaは、凹部としての凹線条部14bの底部における表面粗さRaよりも大きいものとなる。
個別領域の凸線条部及び凹線条部をこのように形成することによりさらに、外観上及び触感上、質感の異なる模様を提供することができる。
なお、このような場合において、隣り合う個別領域で凸線条部の高さが異なるとは、1つの個別領域に属する凸線条部の平均高さを代表高さとし、隣り合う個別領域と当該代表高さが異なることを意味する。
図5(b)に示した例は、凸線条部14aと凹線条部14bとの間に、凸部としての凸線条部14cが配置された例である。凸線条部14cは凸部として機能し、凸線条部14aよりも基材11に近い(低い)凸線条部であり、これにより階段状の凹凸が繰り返される態様となる。従ってこの例では、高さが異なる2種対の凸部が設けられている。
そしてこの例でも、凸線条部14a、及び凸線条部14cの頂部における表面粗さRaは、凹線条部14bの底部における表面粗さRaよりも大きいものとなる。
さらには基材11からより離隔した位置における頂部ほど表面粗さRaが大きいことが好ましい。すなわち、凸線条部14aの頂部における表面粗さRaが凸線条部14cの頂部における表面粗さRaよりも大きく、凸線条部14cの頂部における表面粗さRaは、凹線条部14bの底部の表面粗さRaよりも大きいことがより好ましい。
個別領域の凸線条部及び凹線条部をこのように形成することによりさらに、外観上及び触感の観点から質感の異なる模様を提供することができる。
図5(c)に示した例は、凸線条部14aの縁に、さらなる凸部としての凸線条部14dが配置された例である。従って凸線条部14dは凸線条部14aよりも高い凸線条部(凸部)であり、これにより図5(c)に表れる特有の凹凸が繰り返される態様となる。
そしてこの例でも、凸線条部14a、及び凸線条部14dの頂部における表面粗さRaは、凹線条部14bの底部における表面粗さRaよりも大きいものとなる。
さらには基材11からより離隔した位置における頂部ほど表面粗さRaが大きいことが好ましい。すなわち、凸線条部14dの頂部における表面粗さRaが凸線条部14aの頂部における表面粗さRaよりも大きく、凸線条部14aの頂部における表面粗さRaは、凹線条部14bの底部の表面粗さRaよりも大きいことがより好ましい。
個別領域の凸線条部及び凹線条部をこのように形成することによりさらに、外観上及び触感の観点から質感の異なる模様を提供することができる。
図6には、第2の形態にかかる化粧材50を平面視した図を表した。図6は、図1に相当する図である。この化粧材50では、模様形成層52において、領域53~領域57がx方向に順次配列されている。各領域53~領域57には上記個別領域の例に倣って凸部としての凸線条部及び凹部としての凹線条部が具備されている。
このような化粧材50によっても上記効果を奏するものとなる。
次に第3の形態について説明する。図7は当該第3の形態にかかる化粧材60の一部を拡大し、模様形成層62側から平面視した図(平面図)である。図7からわかるように本形態の化粧材60は、いわゆる左官による鏝痕調の模様により凹凸が付された化粧材であり、より詳しくは左官による壁塗り調の模様が付されたものである。
図8(a)には、図7にVIIIa-VIIIaで示した線に沿った化粧材60の厚さ方向断面を示した。この図は模様形成層62における凹凸形状のうち凸部63の頂部が形成する稜線63aを横切るように一直線で切断した断面である。
また、図8(b)には図8(a)の一部であり、1つの凸部63の頂部が形成する稜線63a、及び1つの凹部64の底部が形成する谷線64bの周辺に注目して拡大した図である。
図7、図8からわかるように、本形態の化粧材60では、その表面において凸部63及び凹部64が繰り返される凹凸形状を有するとともに、凸部63の頂部が形成する稜線63a及び凹部64の底部が形成する谷線64aにより、スコッタ調の模様が表現されている。
具体的に化粧材60は、基材11及び該基材11に積層されてなる模様形成層62を有している。基材11は化粧材10を同様に考えることができる。
図8(a)、図8(b)からわかるように、模様形成層62では、凸部63及び凹部64が繰り返してなる。
凸部63は、第一傾斜面65の一端と第二傾斜面66の一端とが頂部で接続することで形成され、この頂部が稜線63aを成している。一方、凹部64は、第一傾斜面65の他端と第二傾斜面66の他端とが底部で接続することで形成され、この底部が谷線64aを成している。これにより凸部63と凹部64とが交互に繰り返され、頂部である稜線63aと底部である谷線64aとが交互に繰り返されている。
そして、この稜線63a及び谷線64aが所定の形状で延びることにより、所望の模様を有する形態となる。本形態では、図7のように稜線63a及び谷線64aが延びることにより鏝痕調の模様とされている。
ここで本形態では、表面粗さに対して次のような構成を備えている。図9(a)及び図9(b)に説明のための図を示した。図9(a)は図7にIXaで示した範囲を拡大して表した図、図9(b)は図8(b)と同じ視点による図である。
化粧材10で説明したときと同様に、基材11から離隔した頂部位置における部位について、Aで示したように、第一傾斜面65のうち稜線63aに近い部位で稜線63aに沿った方向における所定の長さの直線範囲における表面粗さRaをRaとする。
また、基材11に近い底部位置における部位について、Bで示したように、Aに近い稜線63a及びこれに隣接する谷線64aを挟んで当該谷線64aに近い部位の第一傾斜面65で谷線64aに沿った方向における所定の長さの直線範囲における表面粗さRaをRaとする。
そして、Ra>Raとされている。これにより、上記したように特有の効果を有し視覚的及び触感的観点からこれまでとは異なるものとなり、豊かな表現ができる。
ここで、A、Bについては図4(a)及び図4(b)に表したA、Bと同様に考えることができる。
具体的なRa及びRaの大きさは特に限定されることはないが、Raは0.02μm以上0.10μm以下であることが好ましい。また、Raは0.005μm以上0.05μm以下であることが好ましい。
また、RaとRaとの差は特に限定されることはないが、大きい方が視覚及び触感の観点からその効果が大きくなる。好ましくはその差は0.02μm以上である。
また本形態では模様形成層62が次のような形状を有していることが好ましい。第一傾斜面65は、図8(b)に示したようにシート面内方向に平行である方向に対してθの傾斜角を有している。一方、第二傾斜面66は、図8(b)に示したようにシート面内方向に平行である方向に対してθの傾斜角を有している。そして本形態ではθ<θの関係を有して構成されていることが好ましい。これにより従来のように凹凸形状における高さの諧調が限定的であるため単調となることが避けられ、より実際の左官によるセメントや石膏等の鏝痕に近い違和感が少なく、豊かな外観の化粧材を得ることができる。また、触感の観点からも同様の観点からこれまでとは異なる化粧材となる。
具体的なθ及びθの大きさは特に限定されることはないが、θは0°より大きく10°以下であることが好ましい。また、θは10°より大きく45°以下であることが好ましい。
また、θとθとの差は特に限定されることはないが、大きい方が視覚及び触感の観点からその効果が大きくなる。好ましくはその差は5°以上である。
ここで、隣り合う凸部63のピッチは、表現しようとする模様により異なるため特にその好ましい範囲はなく、表現に必要な大きさを適宜設定可能であり、規則的であっても不規則であっても良い。
図8(b)にH63で示した稜線63aと谷線64aとの厚さ方向(z方向)の差も特に限定されることはなくθや凸部63のピッチにより決まる。その中でも化粧材に模様が形成される観点から1μm以上1000μm以下程度であることが好ましい。
次に化粧材10を例に、化粧材の製造方法の例を説明する。ただし、化粧材10を製造する方法がこれに限定されることはない。
以下に説明する製造方法には、原稿画像を作製する工程、版下画像を作製する工程、版を作製する工程、模様形成層を形成する工程を含んでいる。
原稿画像を作製する工程では、模様形成層12に表現すべき平面視に於ける模様を取得してこれを原稿画像とする。原稿画像はデジタルデータであることが好ましいため、デジタルデータでない場合には写真やスキャナ等を用いることによりデジタルデータ化する。また、初めから模様をCAD等を用いてデジタルデータを利用して設計していた場合にはそのデジタルデータを用いることができる。
これで、デジタルデータとして原稿画像が得られる。
版下画像を作製する工程では、得られた原稿画像を、濃度-凹凸変換プログラムによって、模様の階調画像に対応して二値画像としての凹凸パターンを二次元仮想平面上に生成して配置し、デジタルデータとして版下画像を得る。
ここでは、予め設定しておいた、凸線条部の周期、凸線条部の形状、線が延びる方向、凸線条部の幅の可変レンジ等の凸線条部の生成条件に従い、二値画像として図1の如き凹凸形状の平面視画像を生成する。このようにして生成された凹凸形状は、その線分部分が、化粧材における凸線条部に該当し、線分と線分との間の部分が化粧材における凹線条部に該当する。このようにして版下画像が得られる。
版を作製する工程では、版下画像に基づいて図1の如き平面視形状の模樣を表面に有するエンボス版(化粧材用成形型)の作製を行う。
該模樣は、閉領域からなる各個別領域14~23、14~23、14~23、…が相互に隣接して連結することで平面を区画して被覆した個別領域の集合体を有する。
ここで、このような凹凸模様は、図1に対応する図10に示したように、各領域の輪郭形状のみからなり凸線条部及び凹線条部を具備しない画像である網状領域12’に対して、各個別領域に相当する領域内14~23、14~23、…内に凸線条部14a、15a、16a・・・及び凹線条部14b、15b、16b、…を交互に配列してなるものと考える。
そして具体的には凹凸模様の製造工程は以下の手順(1)~(5)からなる。
〔(1)濃淡階調版下画像作成工程〕
以下の画像作成工程(1)-1~(1)-3を、アドビシステムズ社製のグラフィックデザイン描画ソフトウエア「Photoshop」を用い、TIFF形式で8bitの画像濃淡階調(256階調)で2540dpiの解像度の画像データ(網状領域、凹凸形状、及び両者の合成画像)を作成した。
(1)-1
先ず、図1の模様の平面視画像から、各個別領域の凹凸形状を除いた図10に示した画像に相当する網状領域12’の画像を作成した。
(1)-2
描画ソフトウエア「Photoshop」を用い、各個別領域14、15、…、22、23に嵌め込むべき凸線条部及び凹線条部14a及び14b、15a及び15b、…、22a及び22b、23a及び23bの形状に対応するデジタルの濃淡画像データを作成した。該濃淡画像は、後述の金属ロール表面の一座標毎に画像濃度を対応させたものである。
(1)-3
描画ソフトウエア「Photoshop」を用い、以上で得られた網状領域内の各個別領域内に以上で得られた各個別領域用の凹凸形状を嵌め込み、図10の凹凸模様に対応する濃淡画像データを得た。この濃淡画像データを凹凸模様画像データともいう。
〔(2)金属ロール準備工程〕
上記工程(1)と並行して、図11に示したようなエンボス版彫刻用の金属ロール70を準備した。金属ロール70は、軸方向両端部に回転駆動軸(shaft)71を有する中空の鉄製の円筒の表面に銅層をメッキ形成したものである。砥石で金属ロール70の表面を研磨して粗面化し、彫刻用レーザ光の鏡面反射による彫刻効率の低下を防止する処理をした。
〔(3)レーザ光彫刻工程〕
図11に模式的に示したように、レーザ光直接彫刻機を用い、工程(2)で用意した金属ロール70の表面を工程(1)で作成した凹凸模様画像データに基づき彫刻する。これによりその表面に図1のような化粧材表面の凹凸模様と同一平面視形状で且つ逆凹凸(化粧材の凸に対応する部分がエンボス版面上では凹となる関係)の凹凸形状を形成した。
従ってエンボス版における凹凸模様が備えるべき形状は、上記した化粧材における凹凸模様の凹凸関係が反転した態様であり、同様に考えることができる。
金属ロール70をその回転駆動軸71を介して電動機で駆動し、回転駆動軸71を中心軸として回転する。レーザーヘッド72から出射される発振波長1024nm、レーザスポット径10μm、出力360Wのファイバーレーザ光Pで金属ロール70の表面の全面を走査する。その際には工程(1)で作成した凹凸模様画像データの濃度値に応じてレーザ光をON-OFF切換(照射又は非照射の切換)を行い、照射位置には1回のレーザ光照射による金属の蒸発で深さ10μmの凹部を形成する。かかるレーザ光による金属ロール表面に対する走査を10回繰り返した。また、蒸発した金属が粉体となって金属ロール70の表面に残留又は付着することを防止するため、彫刻液吐出口73から彫刻液Tを金属ロール70の表面のレーザ光照射領域に吹き付けた状態でレーザ光照射を行った。
その際に、例えば、凹凸模様画像データ上で版深50μmに対応する画像濃度の位置座標においては、合計10回の走査のうち、最初の5回分のみレーザ光を照射(ON)し、残り5回分についてはレーザ光は非照射(OFF)となるよう制御する。
かかるレーザ光の走査を完了させ、金属ロール30の表面に所望の凹凸形状を形成した。
〔(4)電界研磨工程〕
彫刻液を洗浄した後、電解研磨を行い、金属ロール70の表面に付着した金属の残渣を除去した。
〔(5)クロムメッキ工程〕
工程(4)の後、該金属ロール表面にメッキにより厚さ10μmのクロム層を形成した。
以上により粗面形成層12の表面に形成された凹凸模様の凹凸が反転した凹凸形状を表面に備える版(化粧材用成形型、本形態ではエンボス版)を得ることができる。
次に、模様形成層を形成する工程で、作製された版(エンボス版)を用いて、基材11にエンボス加工を行えば化粧材10が得られる。エンボス加工は、適宜な公知の方法によれば良く、特に制限はない。エンボス加工の代表的な方法例えば次のようなものである。
基材としては、上記した通りであるが、ポリエステル、EVA、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、MF、ABSなどを用いることができる。また、紙の上にポリ塩化ビニル、ポリエステル、EVAをラミネートしているものなども用いることが可能である。全体の厚さは建具などの垂直面に使う表面化粧材であれば0.05mm以上0.15mm以下であることが好ましい。また、床材やテーブル天板などの水平面に使う表面化粧材であれば0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。壁紙などの発泡化粧材は紙(裏打ち紙)の厚みを含めて0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
この基材を加熱軟化させ、その表面にエンボス版を押圧して該樹脂シート表面にエンボス版表面の凹凸模樣を賦形する。そして樹脂シートを冷却して固化させて樹脂シート上の凹凸模様を固定する。その後に凹凸模様が賦形された樹脂シートをエンボス版から離型する。
ここで、各種エンボス加工法について、さらに説明すると例えば次の(A)~(E)のような方法がある。
(A)基材となる樹脂シートを加熱軟化させ、エンボス版を押圧して、エンボス加工する。
(B)エンボス版を押圧する時の熱圧で表面シートとなる樹脂シート(基材)とベースシートとする樹脂シート(第2の基材)とを熱融着することにより、エンボス加工とラミネートとを同時に行うダブリングエンボス法によりエンボス加工する。
(C)表面シートとする樹脂シート(基材)を、Tダイから溶融押出しをし、冷却ローラを兼ねるシリンダ状のエンボス版上に接触させて表面シートの成膜と同時にエンボス加工する。このとき、さらに表面シートの裏面側に挿入したベースシートとする樹脂シート(第2の基材)を熱融着させてダブリングエンボスを成膜と同時に行う。
(D)特開昭57-87318号公報、特開平7-32476号公報等に開示の如く、シリンダ状のエンボス版の表面に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状物を塗工する。さらにその上に、樹脂シート等からなるベースシートを重ねた状態で電離放射線を照射して未硬化液状物を硬化させて硬化物とする。その際、該硬化物をベースシートと接着させた後、エンボス版から離型して、ベースシートと該ベースシート上の硬化物とからなる基材とすることで、基材にエンボス加工する。
(E)チタン紙等の紙にメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の未硬化物を含浸した含浸紙を、コア紙、木材合板上等の裏打材上に載置して、これら載置した複数層を熱プレス成形することによって各層を積層一体化して熱硬化性樹脂化粧材を作製する。そのとき、含浸紙表面側にエンボス版を挿入することによって、熱硬化性樹脂を含浸硬化させて化粧材とする際にその表面に熱プレスと同時にエンボス加工する。
なお、(A)~(C)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱可塑性樹脂が使用され、(D)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には電離放射線硬化性樹脂が使用され、(E)のエンボス加工法で用いる基材の材料としては代表的には熱硬化性樹脂が使用される。
以上のようにして化粧材10を得ることができる。化粧材50、化粧材60も、基本的には、以上説明した化粧材10と同様の製造方法により得ることができる。
次に、化粧材10の変形例を説明する。図12(a)~図12(c)に層構成を示した。ここで図12(a)~図12(c)では代表して模様形成層12の一部として領域14が表れているが、他の部分は上記した通りである。
図12(a)の構成の化粧材10’は単層からなる化粧材である。このような化粧材10’は、例えば、熱可塑性樹脂シートからなる基材11を、加熱軟化してエンボス版を押圧するエンボス加工を行えば良い。この結果、基材11の表面には、所望の凹凸形状の凸線条部14a及び凹線条部14bを具備する模様形成層12が賦形される。この構成では付加的な装飾層は無いが、基材11を透明なものとした場合でも、他の素材に積層することで、当該他の素材の模様を活かして表面化粧することができる。また、基材11は適宜着色剤で茶色や灰色等に着色してもよく、この場合には基材自体が装飾層となる。
図12(b)の構成の化粧材10’’は、図12(a)の構成に対して、基材11の裏側に装飾層11aを形成した構成である。この様な構成の化粧材10’’を作製するには、例えば、基材11としては装飾層11aが透視できる様に透明な樹脂シートを使用し、この基材11の裏側とする面に装飾層11aを印刷形成した後、加熱軟化させてエンボス版を表側とする面に押圧するエンボス加工を行えば良い。
図12(c)の構成の化粧材10’’’は、図12(b)の構成に対して、さらに装飾層11aの面のうち模様形成層12が配置される側とは反対側にもベースシートとする他の基材11bを積層した例である。この様な構成の化粧材10’’’を作製するには、ベースシートとする着色した不透明な熱可塑性樹脂シートからなる基材11bの表側とする面に、装飾層11aを印刷形成した後、このベースシートと、表面シートとする透明な熱可塑性樹脂シートからなる基材11とを、ダブリングエンボス法で熱融着によって積層すると同時に基材11の表面に所望の凹凸模様をエンボス加工すれば良い。
以上説明した化粧材の用途は特に制限は無いが、例えば、壁、床、天井等の建築物の内装材、建築物の外壁、屋根、門扉、塀、柵等の外裝材、扉、窓枠、扉、扉枠等の建具、廻り縁、幅木、手摺等の造作部材の表面材、テレビ受像機、冷蔵庫等の家電製品の筐体の表面材、箪笥等の家具の表面材、箱、樹脂瓶等の容器の表面材、車両等の内装材又は外裝材、船舶の内装材又は外裝材等である。
[実施例1]
実施例1では図5(b)の例に倣って、高さが異なる2つの凸部(凸線条部)と凹部(凹線条部)を備える化粧材を作製した。
<化粧材の作製>
ここでは、建具用化粧材を作製する方法に倣って、着色したポリプロピレン原反を基材として、易接着プライマー、絵柄印刷を施し、クリアポリプロピレン樹脂をTダイ押し出し後、クリアポリプロピレン層に樹脂をコーティング架橋し、この樹脂面に対して、加熱(100℃~150℃)しエンボスロールにて凹凸模様を付与する。
<表面粗さの測定>
表面粗さは上記のようにして測定長4mm、カットオフ値0.8mm、測定速度0.6mm/秒で測定した。
<光沢度>
本実施例では、質感の1つである光沢度を測定した。光沢度は、測定角度20°、60°、85°で光沢計を用いて測定した。
<結果>
以上より表1のような結果を得ることができた。「凸部(高)」は頂部が基材から最も離隔した高い凸部、「凸部(低)」は凸部(高)よりも低い凸部、及び「凹部」は凹部をそれぞれ表している。
Figure 0007067203000001
表1からわかるように、高い凸部、低い凸部、凹部の順で表面粗さRaが大きい。そしてこの順にグロス値が大きくなっている。
[実施例2]
実施例2では、化粧材60(図7、図8参照)の例に倣って化粧材を作製して傾斜面の傾斜角、凸部の頂部における表面粗さ及び凹部の底部における表面粗さを測定した。図13に測定部分を拡大して表した。本例では図13にJ、Kで示した部位を測定対象とした。
<化粧材の作製>
これは、テーブル天板用化粧材にならって、着色ポリ塩化ビニル原反を基材として、絵柄印刷を施し、クリアポリ塩化ビニル樹脂をラミネートし、これを加熱(100℃~150℃)しエンボスロールにて凹凸模様を付与した。凹凸付与後、クリアポリ塩化ビニルの上に艶調整、耐汚染付与のアクリルコートをおこなった。
<傾斜角の測定>
第一傾斜面の傾斜角θ、及び第二傾斜面の傾斜角θは、3次元形状測定機(VR-3000、KEYENCE)にて三次元形状を入力し、稜線に直交する向きで断面を取り、頂点から緩斜面側に1mmの位置で水平線を引き、その角度をθとした。また、上記水平線と急斜面が交わる角度をθとした。
<表面粗さの測定>
凸部(浅部)は測定長4mm(カットオフ値0.8mm)とし、稜線から2mm以内となるよう定めた直線により表面粗さRaを測定した。一方、凹部(深部)は測定長4mm(カットオフ値0.8mm)とし、谷線から2mm以内となるよう定めた直線により表面粗さRaを測定した。
<結果>
以上より、表2のような結果を得ることができた。
Figure 0007067203000002
表2からわかるように、本実施例でも凸部よりも凹部の方が表面粗さRaが大きい。
10、50、60 化粧材
11 基材
12、52、62 模様形成層
14a、15a、16a 凸線条部(凸部)
14b、15b、16b 凹線条部(凹部)
63 凸部
64 凹部

Claims (4)

  1. 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
    前記凹凸模様を形成する凸部の頂部における表面粗さRaは、前記凹凸模様を形成する凹部の底部における表面粗さRaよりも大き
    前記凹凸模様を形成する高さが異なる少なくとも2種類の前記凸部を備えており、
    前記少なくとも2種類の前記凸部では、高い前記凸部の頂部における表面粗さRaの方が、低い前記凸部の頂部における表面粗さRaより大きい、化粧材。
  2. 前記凹凸模様を形成する前記凸部の縁から立設する他の凸部が設けられている、請求項1に記載の化粧材。
  3. 表面に凹凸模様が形成されてなる化粧材であって、
    前記凹凸模様を形成する凸部の頂部における表面粗さRaは、前記凹凸模様を形成する凹部の底部における表面粗さRaよりも大きく、
    前記凹凸模様を形成する前記凸部の縁から立設する他の凸部が設けられている、化粧材。
  4. 前記凹凸模様を形成する高さが異なる少なくとも2種類の前記凸部を備えている請求項3に記載の化粧材。
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