JP7063033B2 - 粉体形状の分析方法、および、粉体の流動性評価方法 - Google Patents

粉体形状の分析方法、および、粉体の流動性評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、粉体形状の分析方法、粉体の流動性評価方法、および粉体が分散された樹脂の流動性評価方法に関する。
微細な粉体の製造では、粉体製品の流動性が品質管理の一項目となる場合がある。流動性に係わる因子は多く、各因子が複雑に影響して粉体の流動性が特徴付けられる。その因子の一つとして粉体形状がある。
粉砕により粉体製品を製造する場合、粉砕方法・条件によって形状が変化し、結果的に流動性が大きく変化してしまうことがある。その際、粉体形状を評価する必要が生じるが、一般的には光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(以下、SEMともいう)を用いて観察し、感覚的な評価が行われる。一方、形状を数値化する方法としては、観察像を二値化して画像解析をすることで、例えば円形度やアスペクト比を求める方法などがある(例えば特許文献1を参照)。その他には、画像解析式粒度分布計を用いて測定し、各種形状指標を得て評価する方法もある(例えば、特許文献2を参照)。
特許第4822826号公報 特開平11-326177号公報
しかし、光学顕微鏡や画像解析式粒度分布計では分解能が不十分であるため、対象となる粉体のサイズが数ミクロンとなると、粉体の形状を精度よく分析することが困難となる。
また、SEMは分解能が高く微細な粉体の形状を分析できるものの、その分析は感覚的なものであり、粉体流動性に影響を及ぼすような形状についての微小な違いを数値化して評価することが困難である。
一方、SEMによって得た反射電子像を画像解析することにより微細な粉体の形状を数値化して評価することが考えられる。画像解析では、反射電子像を二値化処理によって粉体部と背景部とに切り分けて粉体像を抽出した後に粉体の形状を解析することができる。
しかし、一般的に微細な粉体は凝集しやすく、SEMで得られる観察像でも凝集した状態で観察されてしまうため、粉体の形状を正確に評価することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、粉体が凝集を形成するような場合であっても、粉体形状を正確に解析する技術を提供することを一目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために検討を行い、粉体を樹脂に埋め込み樹脂包埋試料を作製し、その断面に電子線を照射して反射電子像を取得したときに、反射電子像における樹脂部分を取り除いて粉体部分を抽出するとともに二値化して画像処理を行うことに着目した。このような画像処理によれば、粉体が凝集した状態で観察される反射電子像を、粉体が単一分散するような粉体粒子像に変換することができる。そして粉体粒子像について形状を分析することにより粉体形状を正確に分析することができる。
すなわち、本発明の第1の態様は、
粉体の形状を分析する方法であって、
粉体を樹脂に埋め込み樹脂包埋試料を形成する樹脂包埋工程と、
前記樹脂包埋試料に対して前記粉体が露出する断面を形成する断面形成工程と、
前記断面に電子線を照射し、複数のグレイレベルを有する反射電子像を取得する取得工程と、
前記反射電子像について、画像処理により樹脂部分を取り除いて粉体部分を抽出することで粉体粒子像を得る画像処理工程と、
前記粉体粒子像を画像解析して前記粉体の形状を解析する解析工程と、を有する、粉体形状の分析方法が提供される。
本発明の第2の態様は、第1の態様の粉体形状の分析方法において、
前記画像処理工程では、グレイレベルの閾値として、前記樹脂部分よりも大きく、かつ前記粉体が単一分散して示されるような値を求め、前記閾値未満の部分を取り除き、前記閾値以上の部分を抽出する。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の粉体形状の分析方法において、
前記画像処理工程では、前記グレイレベルの閾値を20以上250以下とする。
本発明の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれかの粉体形状の分析方法において、
前記取得工程では、前記反射電子像における前記樹脂部分のグレイレベルが0、前記粉体部分のグレイレベルが255となるように輝度およびコントラストを調整する。
本発明の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれかの粉体形状の分析方法において、
前記解析工程では、前記粉体の円形度および角張度を算出して形状を解析する。
本発明の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれかの粉体形状の分析方法において、
全自動鉱物分析装置を用いて、前記樹脂包埋試料に含まれる前記粉体の平均形状を解析する。
本発明の第7の態様は、第5の態様の粉体形状の分析方法で算出された前記円形度および前記角張度に基づき、前記粉体の流動性を評価する、粉体流動性の評価方法が提供される。
本発明の第8の態様は、第5の態様の粉体形状の分析方法で算出された前記円形度および前記角張度に基づき、前記粉体が分散された樹脂の流動性を評価する、粉体が分散された樹脂の流動性評価方法が提供される。
本発明によれば、粉体が凝集を形成するような場合であっても、粉体形状を正確に解析することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる粉体形状の分析方法の工程図である。 図2は、樹脂包埋試料の断面の反射電子像である。 図3は、図2の反射電子像から粉体部分を抽出するとともに2値化した粉体粒子像である。 図4は、角張度を説明するための図である。
<本発明の一実施形態>
本発明の一実施形態にかかる粉体形状の分析方法について、全自動鉱物分析装置(Mineral Liberation Analyzer、以下、単に「MLA」ともいう)を用いて分析する場合を例に説明する。
MLAは、鉱物粒子等の無機化合物粒子の同定を行う分析装置であって、エネルギー分散型X線分析器(以下、単に「EDS」ともいう)が2基備えられた走査電子顕微鏡(以下、単に「SEM」ともいう)がプラットフォームとなっている。そして、SEM・EDSを全自動制御し、画像処理やスペクトルマッチングを行い、鉱物粒子等の無機化合物粒子の同定操作を実施する制御PCを備えた分析装置である。
MLAの測定原理について簡単に説明する。
MLAでは、測定対象の粉体と樹脂とを混合して固結した樹脂包埋試料の表面を研磨し、得られた断面に対して測定を行う。MLAの測定では、まず断面へ電子線を照射して反射電子像(以下、単に「BSE像」ともいう)を取得し、画像処理によって樹脂部分を除去し、断面に現れた鉱物粒子等の粉体の位置、大きさ、断面形状のデータを取得する。そして、異なる場所の断面の反射電子像を取得して画像処理を行うことを繰り返して、自動で測定を行うものである。例えば、MLAでは、100万個といった極めて多数の粉体粒子を対象に、これらの作業を全自動で実行させることが可能なため、作業が開始されれば、人的な工数は殆ど不要となり、粉体の形状のデータ測定を完了してしまうことが可能である。
次に、本実施形態の粉体形状の分析方法について図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる粉体形状の分析方法の工程図である。図1に示すように、本実施形態の粉体形状の分析方法は、樹脂包埋工程S1、断面形成工程S2、取得工程S3、画像処理工程S4および解析工程S5を有する。以下、各工程について詳述する。
(樹脂包埋工程S1)
まず、形状分析の対象となる粉体を準備する。粉体としては、例えば、金属粉、金属酸化物粉、複合酸化物粉がある。
また、粉体を包埋する樹脂としては液状または固形の樹脂を用いることができる。
液状樹脂としては、熱硬化性または光硬化性の樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば常温硬化型または加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができる。光硬化性樹脂としては、例えばアクリル樹脂やエポキシアクリレート樹脂などを用いることができる。
固形樹脂としては、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
樹脂包埋工程S1では、液状樹脂を用いる場合、液状樹脂に粉体を添加混合して光や熱により液状樹脂を硬化させるとよく、固形樹脂を用いる場合、固形樹脂に粉体を添加混合して熱により溶融硬化させるとよい。これにより、樹脂中に粉体が分散して埋め込まれる樹脂包埋試料を作製する。
(断面形成工程S2)
続いて、樹脂包埋試料の断面出しを行う。例えばバフ研磨機を用いて樹脂包埋試料に粗研磨、中間研磨および鏡面研磨を行い、粉体が露出する平滑な断面を形成する。バフ研磨の他にクロスセクションポリッシャーや集束イオンビーム加工等のイオン研磨を行ってもよい。この断面は後述の取得工程にて電子線を照射して観察する観察面となる。なお、断面には電子線照射によるチャージアップを抑制するために必要に応じてカーボン等の導電性物質を蒸着させて導電膜を設けてもよい。
(反射電子像の取得工程S3)
続いて、樹脂包埋試料の断面に電子線を照射し、断面の反射電子像(以下、BSE像ともいう)を取得する。BSE像は断面における組成分布をグレイレベルの濃淡で反映しており、複数のグレイレベルを有する。BSE像では、樹脂部分はグレイレベルが比較的小さな暗部として、粉体部分はグレイレベルの比較的大きな明部としてそれぞれ観察される。なお、電子線の照射条件は反射電子像を取得できれば特に限定されない。
取得工程S3では、後述の画像処理工程S4での処理効率を高める観点からは、反射電子像を取得する際、反射電子像における樹脂部分のグレイレベルが0(黒)、粉体部分のグレイレベルが255(白)となるように輝度およびコントラストを調整することが好ましい。これにより樹脂部分と粉体部分のグレイレベル差を明確にし、画像処理工程S4での粉体部分を効率的に抽出することができる。
(反射電子像の画像処理工程S4)
続いて、得られたBSE像に画像処理を施す。具体的には、BSE像において、グレイレベルの比較的小さな暗部(樹脂部分)を取り除き、グレイレベルの比較的大きな明部(粉体部分)を抽出するとともに、二値化する。すなわち、反射電子像の各画素について、所定のグレイレベルを満たさない画素は除去して白で表示する一方、所定のグレイレベルを満たす画素は黒に置き換えることで、各画素をモノクロ二値化する。これにより、粉体形状を正確かつ鮮明に反映する粉体粒子像を得る。
画像処理工程S4では、粉体部分の抽出の際、グレイレベルの閾値として、樹脂部分よりも大きく、かつ粉体が単一分散して表示されるようなグレイレベルを求め、閾値未満の部分を取り除き、閾値以上の部分を抽出することが好ましい。取得工程S3で得られるBSE像では、例えば図2に示すように粉体を構成する複数の粉体粒子が密集して、各粉体粒子から形状を正確に分析しにくいことがある。一方、グレイレベルとして所定の閾値を求め、その閾値に基づいて画像処理することで、例えば図3に示すように粉体が単一分散したように表示される粉体粒子像を得ることができる。このような粉体粒子像によれば、粉体の各粉体粒子から形状を正確に解析することができる。なお、反射電子像から粉体粒子像へ画像処理する際に、粉体粒子の一部も抜け落ちてしまうが、粉体形状の解析精度には影響しない。
グレイレベルの閾値としては、少なくとも樹脂部分を取り除く観点からは20以上とすることが好ましく、さらに粉体が単一分散するように表示する観点からは100以上とすることがより好ましい。一方、閾値の引き上げにともなって画像処理による粉体の抜け落ちが増えるが、閾値を250以下とすることにより、粉体の抜け落ちを抑制しつつ、十分な解析精度を維持することができる。すなわち、閾値を好ましくは20以上250以下、より好ましくは100以上250以下として、この閾値以上のグレイレベルを有する画素を抽出することにより、粉体が単一分散して粉体形状をより正確に分析しやすい粉体粒子像が得られる。
(粉体粒子像の解析工程S5)
続いて、画像処理工程で得られた粉体粒子像を画像解析する。これにより粉体粒子の大きさや形状のデータを得る。本実施形態では、MLAを用いて、樹脂包埋試料の断面における異なる領域について形状のデータを繰り返し取得することで、粉体の平均的な形状のデータを得ることができる。
形状としては、例えば円形度や角張度を求めるとよい。円形度および角張度は以下のように定義される。
粉体粒子像における粉体粒子の円形度をC、その周囲長をL、その面積をSとしたとき、円形度Cは、下記式(1)で求められる。本実施形態では、MLAにより全ての粉体粒子の円形度を総計して粒子数で除することで、粉体の平均的な球形度を算出することができる。
Figure 0007063033000001
粉体粒子像における粉体粒子の角張度は、図4に示すように、粉体粒子に外接する長方形に対して内接する楕円を置き、その中心から楕円までの距離(D)と粉体粒子の外周までの距離(D)との差について着目した値である。具体的には、角張度(Angularity)は、下記式(2)に示すように、楕円までの距離Dと粉体粒子の外周までの距離Dとの差を二乗した値を楕円までの距離Dを二乗した値で割り、それを1°~360°まで楕円の全周にわたって求めて総和することで算出される。本実施形態では、MLAにより全ての粉体の角張度を総計して粒子数で除することで、粉体の平均的な角張度を算出することができる。
Figure 0007063033000002
以上により、樹脂包埋試料に含まれる粉体の形状を正確に分析することができる。
また、粉体の形状について得られた解析結果、例えば、粉体の円形度および角張度などに基づいて、粉体の流動性を評価することができる。更には、粉体が分散された樹脂の流動性も評価することができる。流動性は、粉体もしくは粉体が分散された樹脂に対して、単位重量もしくは単位体積当たりに加えた力に相関するものである。定性的には、粉体そのものの流動性の場合、粉体に力を与えたときに、その力に対応して粉体が流動すれば流動性が高く、反対に、加えた力の一部のみが粉体の流動に寄与するものの、残りの力は粉体の凝集に寄与するようであれば流動性が低いと評価される。また、粉体が分散された樹脂の場合、樹脂を流動させるときに要する力が小さければ流動性が高く、要する力が大きければ流動性が低いと評価される。
例えば、円形度および角張度により流動性を評価する場合、以下に示す式(3)に基づいて粉体の流動性または、粉体が分散された樹脂の流動性を評価する。式(3)において、係数AおよびBは、流動性を表す指標と円形度や角張度との相関から予め求めておく。流動性を表す指標は、例えば、加える力が所定の一定値の場合の単位時間単位重量当たりの粉体が移動した距離であり、粉体が分散された樹脂の場合には樹脂が移動した距離であるが、これに限定されるものではない。対象となる粉体について、円形度および角張度を算出したら、下記式(3)に基づいて、流動性を表す指標を求め、粉体の流動性、または粉体が分散された樹脂の流動性の程度を評価する。
(粉体の流動性、粉体が分散された樹脂の流動性を表す指標)=係数A×(円形度)+係数B×(角張度)・・・(3)
上記式(3)中の係数A値は、粉体の流動性に対応する場合と、粉体が分散された樹脂の流動性に対応する場合とにおいて必ずしも同じ値ではない。係数Bについても同様に、粉体の流動性に対応する場合と、粉体が分散された樹脂の流動性に対応する場合とにおいて必ずしも同じ値ではない。
なお、粉体、樹脂の流動性はこれらの製造過程における加工性にも相関するものと考えられることから、上記式(3)で求めた流動性を表す指標は、粉体もしくは粉体が分散された樹脂の製造過程における加工性を表す指標としも使用することが可能である。
<本実施形態に係る効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態では、樹脂包埋試料の断面から取得できる複数のグレイレベルを有するBSE像について、画像処理により樹脂部分を取り除いて粉体部分を抽出するとともに二値化することで粉体粒子像を得て、この粉体粒子像の画像解析から粉体形状を分析している。粉体粒子像では、粉体が分散した状態で観察され、また二値化により粉体形状が明確に反映されているため、画像解析により各粉体粒子の形状を正確に分析することができる。しかも、MLAを用いることにより、すべての粉体粒子について形状データを採取して、粉体の平均的な形状を正確に分析することができる。
また、画像処理において粉体部分を抽出する際には、樹脂部分よりも大きく、かつ粉体が単一分散して示されるようなグレイレベルを閾値として求め、閾値未満の部分を取り除き、閾値以上の部分を抽出することが好ましい。これにより、粉体が凝集しているような場合であっても、粉体粒子像において粉体を単一分散した状態で表示し、それを画像解析することにより、各粉体粒子について形状をより正確に分析することができる。
また、反射電子像を取得する際には、反射電子像における樹脂部分のグレイレベルが0、粉体部分のグレイレベルが255となるように輝度およびコントラストを調整することが好ましい。このように抽出したい部分と取り除きたい部分との間でコントラストをつけることで、画像処理の効率を高めることができる。
また、粉体の形状としては、粉体の円形度および角張度を算出して形状を分析することが好ましい。これまで、粉体流動性の評価では円形度が採用されるのが一般的であったが、本発明者の検討によると、同じような円形度であっても角張度の違いによって粉体流動性が大きく相違することから角張度も重要であることが見出された。ただし、角張度は粉体粒子を分散した状態で分析する必要があり、これまで精度よく分析することが困難となっていた。一方、本実施形態では、粉体部分を抽出するように画像処理して画像解析することで、粉体の円形度とともに角張度を求めて精度よく分析することができる。
また、本実施形態によれば、粉体について算出された円形度および角張度に基づき、粉体の流動性または、粉体が分散された樹脂の流動性を評価することができる。これにより、円形度だけでは十分に評価しきれなかった流動性を、円形度および角張度により評価することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例1)
まず、流動性が異なる粉体を3種類準備した。この粉体をNo.1~No.3の粉体とする。なお、粉体に含まれる粉体粒子の粒径はおおよそ2~3μmであった。
続いて、粉体を0.5cc、2液混合の常温硬化型のエポキシ樹脂を3cc計り取って、直径25mmの円筒状の型の中で混合し、静置して硬化させた。そして、硬化物の上におよそ7ccのエポキシ樹脂を追加して硬化させ、直径25mm、高さがおよそ15mmの円柱状の樹脂包埋試料を得た。No.1~No.3の粉体を用いてNo.1~No.3の樹脂包埋試料(以下、単に試料ともいう)をそれぞれ作製した。
次に、得られた試料へ、バフ研磨機を用いて断面研磨を施し、粉体が露出する断面(研磨面)を得た。この研磨面にカーボン蒸着を施し、これをMLA内に導入した。MLAにて、まず、SEMを用いてBSE像に粉体粒子が鮮明に写し出されるように加速電圧、観察倍率と解像度を調整した。ここでは、加速電圧を5kV、観察倍率を6000倍、解像度を1000×1000とした。次に、BSE像のグレイレベルにおいて、粉体部分が255、樹脂部分が0となるように輝度とコントラストを調整してBSE像を取得した。続いて、得られたBSE像について、MLA制御ソフトウェアのバックグラウンド除去機能を活用して、粉体が単一分散して抽出されるようにバックグラウンドとして除去されるグレイレベルの範囲を調整した。本実施例では、閾値を200として、グレイレベル0以上200未満を取り除き、200以上を抽出するように調整した。さらに二値化することで、粉体粒子像を得た。そして、粉体粒子像についてMLAの自動測定を実行し、1万個の粒子分の形状データを得て、円形度と角張度を算出した。本実施例では、試料について異なる断面で2回の測定を行った。
各試料について2回の測定で求められた円形度および角張度を以下の表1に示す。これらの数値は1万個の粒子の平均値である。
Figure 0007063033000003
また、No.1~No.3の試料のそれぞれから薄片試料を作製し、透過電子顕微鏡で観察した。その結果、No.1は、No.2およびNo.3と比較して、角張の度合いが小さく、円形の度合いが大きいと判断されたが、これらの観察結果は表1の角張度及び円形度と相関していること分かった。また、No.1の試料の流動性は、No.2およびNo.3の流動性に比較し大であることが確認された。従って、流動性と角張度及び円形度が相関していることが分かった。
以上説明したように、樹脂包埋試料の断面の反射電子像から粉体部分を抽出して二値化することで粉体粒子像を得て、それを画像解析することにより、円形度や角張度など粉体流動性に影響を及ぼす粉体形状を正確に分析することができる。

Claims (3)

  1. 粉体の形状を分析する方法であって、
    粉体を樹脂に埋め込み樹脂包埋試料を形成する樹脂包埋工程と、
    前記樹脂包埋試料に対して前記粉体が露出する断面を形成する断面形成工程と、
    前記断面に電子線を照射し、複数のグレイレベルを有する反射電子像を取得する取得工程と、
    前記反射電子像について、画像処理により樹脂部分を取り除いて粉体部分を抽出することで粉体粒子像を得る画像処理工程と、
    前記粉体粒子像を画像解析して前記粉体の形状を解析する解析工程と、を有し、
    前記取得工程では、前記反射電子像における前記樹脂部分のグレイレベルが0、前記粉体部分のグレイレベルが255となるように輝度およびコントラストを調整し、
    前記画像処理工程では、グレイレベルの閾値として、20以上250以下の範囲内で、前記樹脂部分よりも大きく、かつ前記粉体が単一分散して示されるような値を求め、前記閾値未満の部分を取り除き、前記閾値以上の部分を抽出し、
    前記解析工程では、下記式(1)に基づき前記粉体の円形度を、下記式(2)に基づき前記粉体の角張度を算出して形状を解析する、
    粉体形状の分析方法。
    Figure 0007063033000004
    なお、式中、Cは円形度を、Lは前記粉体の粒子の周囲長を、Sは前記粉体の粒子の面積をそれぞれ示す。
    Figure 0007063033000005
    なお、式中、Angularityは角張度を、D p は、前記粉体の粒子に外接する長方形に内接する楕円において中心から楕円までの距離を、D e は、前記楕円の中心から前記粒子の外周までの距離を、それぞれ示す。
  2. 全自動鉱物分析装置を用いて、前記樹脂包埋試料に含まれる前記粉体の平均形状を解析する、請求項に記載の粉体形状の分析方法。
  3. 請求項1又は2に記載の粉体形状の分析方法で算出された前記円形度および前記角張度に基づき、前記粉体の流動性を評価する、粉体の流動性評価方法。
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