JP7060787B2 - 製氷システムとこれに用いる蒸発温度の制御方法 - Google Patents

製氷システムとこれに用いる蒸発温度の制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、氷スラリーの製造に適した製氷システムとこれに用いる蒸発温度の制御方法に関する。
例えば、海水を原料とする製氷システムとして、冷媒回路で冷却されるアイスジェネレータの内管の内周面に付着した氷をブレード(スクレーパーともいう。)で掻き取り、海水と混ぜることで氷スラリーを製造するものがある。
特許文献1には、上記の製氷システムにおいて、製氷運転中にブレード機構の駆動源の電流値を検出し、所定の電流値を超えた場合に、蒸発圧縮式の冷媒回路の冷凍サイクルを逆サイクルに切り替えることにより、定常運転に復旧する方法が記載されている。
特開2011-85388号公報
この種の製氷システムにおいて、氷層がアイスジェネレータの内管の内周面に付着し、ブレード機構の各部に過大な荷重がかかる現象のことを「アイスロック」という。
特許文献1のように、ブレード機構の駆動源の電流値に基づいて運転モードを切り替える方法では、電流値の上昇を検出した時点で既にアイスロックが発生している。従って、アイスロックが発生するごとに、ブレード機構の各部に過大な荷重が加わって疲労が蓄積し、ブレード機構の寿命が短くなるという欠点がある。
本開示は、氷が出来始めの時点でブレード機構に荷重がかかる現象を回避し、製氷システムの信頼性を向上することを目的とする。
(1) 本開示の一態様に係る製氷システムは、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路と、前記冷媒回路の冷却対象である溶液の循環回路と、前記冷媒回路の冷媒の蒸発温度制御を実行する制御装置とを備える。
前記循環回路は、アイスジェネレータの溶液流路と、溶液を貯める溶液タンクと、前記溶液流路に溶液を圧送するポンプとを含み、前記冷媒回路は、前記アイスジェネレータの蒸発器と、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁とを含む。
また、前記制御装置は、前記アイスジェネレータにおける溶液の過冷却度が所定の閾値よりも大きい場合に、前記蒸発温度制御に用いる目標蒸発温度を定常運転の場合よりも高めに切り替える切替制御を実行する。
本開示の製氷システムによれば、制御装置が上記の切替制御を実行するので、溶液の過冷却度が所定の閾値よりも大きくなると、蒸発温度制御に用いる目標蒸発温度が定常運転の場合よりも高めに設定される。
このため、アイスロックの予兆と考えられる過冷却度の増加を契機として、事前に製氷能力を落とす運転が可能となり、アイスロックの発生を未然に回避できる。従って、ブレード機構に対する負荷を軽減でき、製氷システムの信頼性を向上することができる。
(2) 本開示の製氷システムにおいて、前記制御装置は、システム起動時から所定時間が経過するまでの第1期間に、前記切替制御を実行することが好ましい。
その理由は、システム起動時には未だ製氷が行われていないため、起動時から所定時間が経過するまでに、氷ができ始める時点(過冷却度の上昇時点)が存在する可能性が高いからである。
(3) 本開示の製氷システムにおいて、前記制御装置は、溶液の追加投入を通知する操作入力の検出時点から所定時間が経過するまでの第2期間に、前記切替制御を実行することが好ましい。
その理由は、溶液が追加投入された場合には、未だ製氷が行われていない溶液が循環回路を流れるため、追加投入時から所定時間が経過するまでに、氷ができ始める時点(過冷却度の上昇時点)が存在する可能性が高い
(4) 本開示の製氷システムにおいて、前記制御装置は、溶質濃度と理論氷結温度との関係式を記憶しており、記憶した前記関係式を用いて算出した理論氷結温度に基づいて、溶液の過冷却度を算出することが好ましい。
このようにすれば、溶液の過冷却度を正確に算出できるので、目標蒸発温度の切り替え時点を適切に判定できるようになる。
(5) 本開示の制御方法は、上述の(1)~(4)に記載の製氷システムにおいて実行される蒸発温度の制御方法に関する。
従って、本開示の制御方法は、上述の(1)~(4)に記載の製氷システムと同様の作用効果を奏する。
本開示によれば、溶液を冷却対象とする製氷システムにおいて、製氷システムの信頼性を向上することができる。
本開示の実施形態に係る製氷システムの概略構成図である。 アイスジェネレータの構成例を示す側面図である。 海水の塩分濃度と凝固点及び蒸発温度との関係を示すグラフである。 塩分濃度に基づく蒸発温度制御の一例を示すフローチャートである。 アイスロックの発生時点を含む所定時間内のブレード電流、海水入口温度、及び海水出口温度の時間的変化の一例を示すグラフである。 過冷却度に基づくモード切替制御の一例を示すフローチャートである。 氷結温度に基づくモード切替制御の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態の詳細を説明する。
〔製氷システムの全体構成〕
図1は、本開示の実施形態に係る製氷システム50の概略構成図である。
本実施形態の製氷システム50は、海水タンク8に貯めた海水を原料として製氷機1U,1Lにより氷スラリーを連続的に生成し、生成した氷スラリーを海水タンク8に戻すシステムである。
本実施形態の製氷機(以下、「アイスジェネレータ」ともいう。)1U,1Lは、例えば二重管式製氷機よりなる。
本実施形態において、複数(図例では2つ)の製氷機(アイスジェネレータ)を総称する場合は参照符号「1」を用い、それらを区別する場合は参照符号「1U」及び「1L」を用いる。「第1膨張弁」の場合も同様である。
氷スラリーとは、水または水溶液に微細な氷が混濁したシャーベット状の氷のことをいう。氷スラリーは、アイススラリー、スラリーアイス、スラッシュアイス、リキッドアイスとも呼ばれる。
本実施形態の製氷システム50は、海水をベースとした氷スラリーを連続的に生成可能である。このため、本実施形態の製氷システム50は、例えば漁船や漁港などに設置され、海水タンク8に戻された氷スラリーは鮮魚の保冷などに利用される。
図1に示すように、製氷システム50は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路60と、海水タンク8とアイスジェネレータ1U,1Lとの間で冷媒回路60の冷却対象である海水を循環させる循環回路70と、を備える。
製氷システム50は、更に、当該製氷システム50に含まれる各機器の動作を制御する制御装置(コントローラ)80と、制御装置80と通信可能に接続された入出力装置90と、を備える。
冷媒回路60は、アイスジェネレータ1の熱交換部20(図2参照)、圧縮機2、熱源側熱交換器3、四路切換弁4、第1膨張弁5、過熱器6、第2膨張弁11、及びレシーバ7などを備える。冷媒回路60は、これらの各機器を図示の経路で配管することにより構成されている。
アイスジェネレータ1の熱交換部20は、冷媒回路60の利用側熱交換器として機能する。圧縮機2は、インバータ制御により容量が可変のインバータ圧縮機よりなる。
第1膨張弁5は、利用側の膨張弁であり、制御信号に応じて開度の調整が可能な電子膨張弁よりなる。第2膨張弁11は、熱源側の膨張弁であり、制御信号に応じて開度の調整が可能な電子膨張弁よりなる。
循環回路70は、アイスジェネレータ1の海水流路12A(図2参照)、海水タンク8、及びポンプ9などを備える。循環回路70は、これらの各機器を図示の経路で配管することにより構成されている。
アイスジェネレータ1の海水流路12Aは、循環回路70においてシャーベット状の氷スラリーの生成区間として機能する。
ポンプ9は、海水タンク8から海水を吸い込んでアイスジェネレータ1の海水流路12Aに海水を圧送する。海水流路12Aで生成された氷スラリーは、ポンプ圧によって海水とともに海水タンク8に戻される。
本実施形態の循環回路70は、複数のアイスジェネレータ1U,1Lを備える。アイスジェネレータ1U,1Lの海水流路12Aは直列に接続されている。
従って、ポンプ9から圧送された海水は、下段側のアイスジェネレータ1Lでの製氷が行われたあと、上段側のアイスジェネレータ1Uに供給され、更に上段側のアイスジェネレータ1Uでの製氷が行われてから、海水タンク8に戻される。
冷媒回路60の第1膨張弁5U,5L及び過熱器6は、アイスジェネレータ1U,1Lごとに設けられている。図1の冷媒回路60では、アイスジェネレータ1Uに第1膨張弁5Uが対応し、アイスジェネレータ1Lに第1膨張弁5Lが対応している。
過熱器6は、例えば二重管式熱交換器よりなり、各アイスジェネレータ1U,1Lに対して複数(図例では2つ)設けられている。アイスジェネレータ1U,1Lに対応する複数の過熱器6は、それぞれ外管と内管とを備える。
製氷運転においてレシーバ7から冷媒が供給される吐出側の配管には、アイスジェネレータ1U,1Lの台数分だけ分岐する吐出側分岐管が含まれる。
過熱器6の外管は、吐出側分岐管に対して直列に接続されている。吐出側分岐管に対して直列に並ぶ複数の過熱器6のうち、製氷運転において冷媒進行方向の下流側となる過熱器6の外管は、第1膨張弁5U,5Lに通じている。
製氷運転において圧縮機2に冷媒を戻す戻り側の配管には、アイスジェネレータ1U,1Lの台数分だけ分岐する戻り側分岐管が含まれる。
過熱器6の内管は、戻り側分岐管に対して直列に接続されている。戻り側分岐管に対して直列に並ぶ複数の過熱器6のうち、製氷運転において冷媒進行方向の上流側となる過熱器6の内管は、アイスジェネレータ1の冷媒の流出口19(図2参照)に通じている。
〔アイスジェネレータの構成〕
図2は、アイスジェネレータ1の構成例を示す側面図である。
図2に示すように、本実施形態のアイスジェネレータ1は、内管12及び外管13を含む横置き型の二重管式製氷機よりなる。
内管12は、軸方向(図2では左右方向)の両端が封止された金属製の円筒部材よりなる。内管12の内部スペースは、海水及び氷スラリーが通過する海水流路12Aを構成する。内管12の海水流路12Aには、ブレード機構15が設けられている。
ブレード機構15は、内管12の内周面に生成された氷粒子を内側に掻き取って内管12の内部に分散させる。内管12の軸方向一端側(図2の右端側)には、海水の流入口16が設けられている。内管12の軸方向他端側(図2の左端側)には、海水の流出口17が設けられている。
外管13は、内管12よりも直径が大きくかつ長さが短い金属製の円筒部材よりなる。外管13は、内管12と同軸心の状態で内管12の外周面を覆っている。外管13の軸方向両端は、ドーナツ状の封止壁(図示せず)により、内管12の外周面に対して封止されている。
内管12の外周面と外管13の内周面とで区画される、横断面形状がドーナツ状の環状スペースは、冷媒が通過する冷媒流路13Aを構成する。アイスジェネレータ1の熱交換部20は、冷媒流路13Aを構成する内管12及び外管13の周壁部分よりなる。
外管13の下部には、複数(図例では3つ)の冷媒の流入口18が設けられている。外管13の上部には、複数(図例では2つ)の冷媒の流出口19が設けられている。
図2に示すように、氷粒子を掻き取るためのブレード機構15は、回転軸21、支持バー22、及びブレード23を備える。
回転軸21は、内管12と同軸心の状態で海水流路12Aに収容されている。回転軸21の軸方向両端部は、内管12の軸方向両端を封止する封止壁24の中心部に回転自在に取り付けられている。
回転軸21の軸方向一端部(図2の左端部)には、モータ25が接続されている。モータ25は、ブレード機構15を所定方向に回転させる駆動部として機能する。
支持バー22は、回転軸21の外周面から径方向外側に突出する棒状部材よりなる。支持バー22は、回転軸21の軸方向に所定間隔おきに配置されている。ブレード23は、各支持バー22の先端に固定されている。ブレード23は、例えば樹脂製の帯板部材よりなる。ブレード23の回転方向の前側の端縁は鋭利な先細り形状となっている。
アイスジェネレータ1は、一対のブレード23,23よりなるスクレーパーアセンブリ(以下、「アセンブリ」と略記する。)を有する。
1つのアセンブリを構成する一対のブレード23,23は、軸方向位置が同じでかつ回転方向位置が180度ずれている。アセンブリは、回転軸21の軸方向に沿って複数組(図例では6組)設けられている。
〔製氷システムの運転モード〕
本実施形態の製氷システム50の運転モードには、通常時の製氷運転と、異常発生時に行われるデフロスト運転とが含まれる。
製氷運転では、四路切換弁4が図1の実線の状態に保持される。この場合、圧縮機2が吐出する高温高圧のガス冷媒は、製氷運転において凝縮器として機能する熱源側熱交換器3に流入する。
熱源側熱交換器3に流入したガス冷媒は、送風ファン10が送風する空気と熱交換して凝縮・液化する。熱源側熱交換器3において液化した冷媒は、第2膨張弁11(製氷運転では全開)、レシーバ7及び過熱器6の外管を経由して、第1膨張弁5U,5Lにそれぞれ流入する。
液化した冷媒は、第1膨張弁5U,5Lにより所定の低圧に減圧され、アイスジェネレータ1の流入口18(図2参照)から、製氷運転において蒸発器として機能するアイスジェネレータ1U,1Lの熱交換部20に流入する。
アイスジェネレータ1の熱交換部20に流入した冷媒は、ポンプ9により内管12の海水流路12Aに圧送された海水と熱交換して蒸発する。冷媒の蒸発により海水が冷却されると、内管12の内面及びその近傍に氷粒子が生成される。
生成された氷粒子は、ブレード機構15により掻き取られ、海水流路12Aの内部で海水と混合して氷スラリーとなる。氷スラリーは、内管12の流出口17から流出して海水タンク8に戻る。アイスジェネレータ1U,1Lの熱交換部20で蒸発して気化した冷媒は、過熱器6の内管及び四路切換弁4を経由して、圧縮機2に戻される。
上述の通り、循環回路70は、内管12が直列接続された2台のアイスジェネレータ1U,1Lを有する。従って、循環回路70における処理は、以下の順序となる。
1)ポンプ9から下段側のアイスジェネレータ1Lへの原料供給
2)下段側のアイスジェネレータ1Lにおける氷スラリーの生成
3)下段側のアイスジェネレータ1Lから上段側のアイスジェネレータ1Uへの氷スラリー及び海水の移送
4)上段側のアイスジェネレータ1Uにおける氷スラリーの生成
5)上段側のアイスジェネレータ1Uから海水タンク8への氷スラリー及び海水の返送
アイスジェネレータ1の内管12内で氷が蓄積して海水の流れが悪化する現象(アイスアキュムレーション)が発生すると、製氷運転を継続できなくなる。そこで、海水流路12Aに滞留した氷を溶かすためのデフロスト運転が行われる。
デフロスト運転では、四路切換弁4が図1の破線の状態に保持される。この場合、圧縮機2が吐出する高温高圧のガス冷媒は、四路切換弁4及び過熱器6の内管を経由して、デフロスト運転において凝縮器として機能するアイスジェネレータ1U,1Lの熱交換部20に流入する。
熱交換部20に流入したガス冷媒は、内管12内の氷を含む海水と熱交換して凝縮・液化する。これにより、海水流路12Aに蓄積した氷が溶かされる。熱交換部20において液化した冷媒は、第1膨張弁5U,5L(デフロスト運転では全開)及びレシーバ7を経由して第2膨張弁11に流入する。
液化した冷媒は、第2膨張弁11により所定の低圧に減圧され、減圧された冷媒は、デフロスト運転において蒸発器として機能する熱源側熱交換器3に流入する。熱源側熱交換器3に流入した冷媒は、送風ファン10の作動により空気と熱交換して気化し、圧縮機2に吸入される。
〔制御装置の構成〕
図1に示すように、制御装置80は、CPUなどを含む制御部81と、揮発性メモリなどを含む記憶部82とを有する。記憶部82には、コンピュータプログラムを格納するHDD又はSSDなどのストレージも含まれる。
制御部81は、記憶部82から読み出したコンピュータプログラムを実行することにより、製氷システム50の運転に関する各種の制御を実現する。
例えば、制御装置80の制御部81は、冷媒回路60の随所に設けられた圧力センサ、温度センサ、及び電流センサなどの計測値に基づいて、四路切換弁4の切換操作、第1及び第2膨張弁5,11の開度調整制御、及び圧縮機2の容量制御などを実行可能である。
制御装置80の制御部81は、製氷運転中に実施する制御として、以下の制御を実行可能である。なお、以下の説明では、製氷運転の場合を想定して、アイスジェネレータ1の「熱交換部20」を「蒸発器20」という。
1)蒸発温度制御(図4)
この制御は、製氷運転中に蒸発器20の冷媒の蒸発温度を調整する制御である。本実施形態では、塩分濃度が変化しても、安定した製氷運転と所望の製氷能力とが両立する関係式を用いて、冷媒の蒸発温度を調整する制御が行われる。
2)過冷却度に基づくモード切替制御(図6)
この制御は、アイスジェネレータ1U,1Lにおける海水の過冷却度が所定値を超える場合に、製氷運転の制御モードを信頼性優先運転モードに設定する制御である。
3)海水温度に基づくモード切替制御(図7)
この制御は、アイスジェネレータ1U,1Lにおける海水の温度がほぼ氷結温度相当になった場合に、製氷運転の制御モードを定常運転モードに戻す制御である。
上記の3種類の制御に必要なセンサは、製氷システム50に設けられる以下のセンサ31~35である。
吸入圧力センサ31:圧縮機2の吸入配管に取り付けられ、吸入配管を流れる冷媒の圧力を計測する圧力センサである。吸入圧力センサ31の計測値は、冷媒回路60で行われる冷凍サイクルの低圧と実質的に等しい。
第1濃度センサ32:下段側のアイスジェネレータ1Lの海水の入口配管に取り付けられ、当該入口配管を流れる海水の塩分濃度を計測するセンサである。
第1濃度センサ32の計測値は、下段側のアイスジェネレータ1Lに流入する海水の塩分濃度と実質的に等しい。
第1温度センサ33:下段側のアイスジェネレータ1Lの海水の出口配管に取り付けられ、当該出口配管を流れる海水の温度を計測するセンサである。
第1温度センサ33の計測値は、下段側のアイスジェネレータ1Lによる製氷直後の氷スラリーを含有する海水の温度と実質的に等しい。
第2濃度センサ34:上段側のアイスジェネレータ1Uの海水の入口配管に取り付けられ、当該入口配管を流れる海水の塩分濃度を計測するセンサである。
第2濃度センサ34の計測値は、上段側のアイスジェネレータ1Uに流入する海水の塩分濃度と実質的に等しい。
第2温度センサ35:上段側のアイスジェネレータ1Uの海水の出口配管に取り付けられ、当該出口配管を流れる海水の温度を計測するセンサである。
第2温度センサ35の計測値は、上段側のアイスジェネレータ1Uによる製氷直後の氷スラリーを含有する海水の温度と実質的に等しい。
制御装置80の記憶部82は、上記の各制御に用いる制御情報を記憶している。制御情報には、塩分濃度Cと海水の理論氷結温度Tiとの関係式(Ti=Ai×C)と、塩分濃度Cと蒸発温度T1.T2との複数種類の関係式(T1=A1×C,T2=A2×C)と、過冷却度の判定に用いる閾値Thsとが含まれる。
上記の関係式及び閾値は、入出力装置90又はこれに通信可能に接続されたユーザ端末にユーザが所定の操作入力を行うことにより、記憶部82に記録される。
入出力装置90は、制御装置80と通信可能なユーザインタフェースよりなる。制御装置80と入出力装置90の通信は、有線通信及び無線通信のいずれであってもよい。
入出力装置90は、制御装置80と別体の通信装置(例えば、リモコン、ノートPC、タブレット型PC或いは携帯端末など)であってもよいし、制御装置80とともに単一の筐体に収納された操作用インタフェースであってもよい。
入出力装置90は、操作入力を受け付けるタッチパネル又は各種の入力ボタンなどを含む入力部、制御装置80から受信した情報をユーザに表示するディスプレイなどの表示部、及びその所定の情報を音声で出力するスピーカなどを備える。
入出力装置90は、ノートPCなどのユーザ端末と通信するための通信ポート(例えば、USBポート又はRS-232ポートなど)を備える。この場合、ユーザ端末を入出力装置90に接続すれば、ユーザ端末と制御装置80との通信が可能となる。
〔制御情報の具体例〕
図3は、海水の塩分濃度と凝固点及び蒸発温度との関係を示すグラフである。
図3において、横軸は海水の塩分濃度(重量%)を示し、縦軸は温度(℃)を示す。
図3の直線L0は、海水の理論凝固点(℃)を表すグラフである。
海水の塩分濃度をCとし、海水の理論上の氷結温度をTiとすると、両者の相関関係を表す直線Liは、Ti=Ai×Cの一次関数となる。Aiは、塩分濃度Cに対する海水の凝固点降下の度合いを表す係数(傾き)である。
直線Liより上側の温度範囲R0は、海水からの氷結が不能な温度範囲R1を示す。直線L0より下側は、海水からの氷結が可能な温度範囲を示す。
図3の直線Lmは、安定した製氷が可能な温度範囲R1とアイスロックが発生する可能性がある温度範囲R2との境界を定めるグラフである。
海水の塩分濃度をCとし、冷媒の蒸発温度をTmとすると、直線Lmは、Tm=Am×Cの一次関数で定義される。直線Lmは、製氷量を最大にした場合の塩分濃度Cごとの蒸発温度Tmを表す直線である。係数Amの値は、試験運転又はシミュレーション試験などによりアイスジェネレータ1U,1Lごとに予め決定される。
図3の関数L1は、「定常運転モード」において使用する塩分濃度Cと蒸発温度T1の関係性を表している。関数L1は、T1=A1×Cの相関式で定義される。
直線L1では、製氷運転中のアイスロックをなるべく回避するため、係数A1は係数Amより大きい値(絶対値が小さい値)に設定されている。係数A1の値は、試験運転又はシミュレーション試験などによりアイスジェネレータ1U,1Lごとに予め決定される。
図3の関数L2は、「信性優先運転モード」において使用する塩分濃度Cと蒸発温度T2の関係性を表している。関数L2は、例えばT2=A2×Cの相関式で定義される。
直線L2では、定常運転モードよりもアイスロックを確実かつ未然に回避するため、係数A2は係数A1より大きい値(絶対値が小さい値)に設定されている。係数A2の値は、試験運転又はシミュレーション試験などによりアイスジェネレータ1U,1Lごとに予め決定される。
〔塩分濃度に基づく蒸発温度制御〕
図4は、塩分濃度に基づく蒸発温度制御の一例を示すフローチャートである。
制御装置80の制御部81は、製氷運転中において、図4のフローチャートに示す蒸発温度制御を、所定の制御周期D1(例えば20~60秒)ごとに実行する。
また、制御装置80の制御部81は、図4のフローチャートに示す蒸発温度制御を、循環回路70に含まれるアイスジェネレータ1U,1Lごとに実行する。
図4に示すように、制御部81は、まず、現時点における海水の塩分濃度Cを計測する処理を実行する(ステップS10)。
海水の塩分濃度Cの計測値Cdは、アイスジェネレータ1U,1Lの入口配管の第1及び第2濃度センサ32,34による計測値である。
次に、制御部81は、塩分濃度Cの計測値Cdから目標蒸発温度Tgを算出する(ステップS11)。具体的には、制御部81は、現時点の制御モードが「定常運転モード」である場合は、次の式(1)により算出される蒸発温度T1を目標蒸発温度Tgとする。また、制御部81は、現時点の制御モードが「信頼性優先運転モード」である場合は、次の式(2)により算出される蒸発器温度T2を目標蒸発温度Tgとする。
Tg:T1=A1×Cd ……(1) 定常運転モードの場合
Tg:T2=A2×Cd ……(2) 信頼性優先運転モードの場合
次に、制御部81は、冷媒の物性に応じて定まる、目標蒸発温度Tgに相当する飽和圧力(以下、「目標飽和圧力」という。)Psgを算出する(ステップS12)。
次に、制御部81は、吸入圧力センサ31の計測値Pdを読み込み(ステップS13)、計測値Pdが目標飽和圧力Psgに等しいか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14の判定結果が肯定的(Pd=Psg)である場合は、制御部81は、第1膨張弁5U,5Lの開度を維持する(ステップS15)。
ステップS14の判定結果が否定的(Pd≠Psg)である場合は、制御部81は、吸入圧力センサ31の計測値Pdが目標飽和圧力Psgよりも大きいか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16の判定結果が肯定的(Pd>Psg)である場合は、制御部81は、第1膨張弁5U,5Lの開度を所定量だけ拡大する(ステップS17)。
ステップS15の判定結果が否定的(Pd<Psg)である場合は、制御部81は、第1膨張弁5U,5Lの開度を所定量だけ縮小する(ステップS18)。
このように、本実施形態の製氷システム50では、制御部81が、現時点の制御モードに応じた関係式(T1=A1×C,T2=A2×C)に塩分濃度Cの計測値Cdを適用して目標蒸発温度Tgを算出し、算出した目標蒸発温度Tgとなるように第1膨張弁5U,5Lの開度を調整する。
従って、制御モードの種別ごとに異なる目標蒸発温度Tgにより、アイスジェネレータ1U,1Lの蒸発器20の蒸発温度を調整することができる。
〔アイスロックに伴う問題点とその解決策〕
図5は、アイスロックの発生時点を含む所定時間内のブレード電流、海水入口温度、及び海水出口温度の時間的変化の一例を示すグラフである。図5において、横軸は時間を表し、縦軸は電流値又は温度を表す。
図5において、「ブレード電流」は、ブレード機構15のモータ25の駆動電流である。「海水入口温度」は、アイスジェネレータ1U,1Lの入口配管の海水温度である。「海水出口温度」は、アイスジェネレータ1U,1Lの出口配管の海水温度である。
「過冷却度」は、アイスジェネレータ1U,1Lに供給される海水の塩分濃度に対する理論氷結温度(図5の破線)から、アイスジェネレータ1U,1Lの海水出口温度を減算した温度である。
図5に示すように、ブレード電流は、氷のでき始め時点で僅かに増加し、図示の例では概ね3分後に急激に上昇する。この上昇時点でアイスロックの発生を検知できる。
特許文献1(以下、「従来例」という。)では、電流値の上記の異常な上昇をアイスロックの発生とみなし、冷媒回路の冷凍サイクルを逆サイクルに切り替える。
しかし、従来例のように、実際にアイスロックが発生してから何らかの対応策を講じる方法では、アイスロックが発生するごとに、ブレード機構15の各部に過大な荷重が加わって疲労が蓄積し、ブレード機構15の寿命が短くなる。
一方、図4の海水出口温度のグラフに示すように、アイスロックの発生から概ね3分前の氷ができ始める時点では、過冷却度が0.5℃以上高くなる。また、過冷却度が高いほど、一気に生成される氷量が多くなるため、ブレード23に対する負荷が急激に高まる。
そこで、本実施形態では、過冷却度の上昇をアイスロックの予兆と推定し、過冷却度が所定の閾値を超えた時点で、冷媒の蒸発温度を上げて製氷能力を落とす制御モード(信頼性優先運転モード)に切り替えることにより、アイスロックの発生を未然に回避する。
このように、アイスロックを未然に回避する制御モードを実行すれば、ブレード機構15に対する負荷を軽減でき、ブレード機構15の耐久性を向上することができる。
ところで、ブレード機構15を保護する構造面の対策として、ブレード23を壁面に押圧するバネ部材(図示せず)の弾性力を弱める(対策1)、ブレード23に所定数の穴を空けて前後圧力差を小さくする(対策2)、などを採用することがある。
しかし、対策1では、ブレード23が壁面から浮いた状態になり、氷が即座に厚くなり易い。このため、ブレード23の支持バー22が直接氷と接触して曲げ応力が加わり、破損の要因となる場合がある。
また、対策2では、穴から氷が逃げるために氷の掻き取り量が減少し、製氷能力が低下する原因になり得る。
この点、本実施形態のように、アイスロックそのものを回避する製氷運転を行えば、上記の対策1又は2を講じなくても、ブレード機構15にかかる負荷を軽減できるので、対策1又は2を採用する場合の欠点を回避できる。
〔過冷却度に基づくモード切替制御〕
図6は、過冷却度に基づくモード切替制御の一例を示すフローチャートである。
制御装置80の制御部81は、製氷運転中において、図6のフローチャートに示すモード切替制御を、蒸発温度制御(図4)の制御周期D1よりも短い所定の制御周期D2(例えば10~30秒)ごとに実行する。
また、制御装置80の制御部81は、図5のフローチャートに示すモード切替制御を、循環回路70に含まれるアイスジェネレータ1U,1Lごとに実行する。
図6に示すように、制御部81は、現時点が所定の判定期間内であること(ステップS20でYes)を条件として、ステップS21以降の処理を実行する。所定の判定期間には、例えば次の第1及び第2期間が含まれる。
第1期間:システム起動時点から所定時間(例えば30分)が経過するまでの期間
第2期間:海水(例えば常温の海水)の追加投入を通知する操作入力の検出時点から所定時間(例えば30分)が経過するまでの期間
第1期間のシステム起動時点は、例えば、製氷システム50を構成するすべての機器の電源オンが完了した時刻とすればよい。
第1期間を条件とする理由は、システム起動時には未だ製氷が行われていないため、起動時から所定時間が経過するまでに、氷ができ始める時点(過冷却度の上昇時点)が存在する可能性が高いからである。
第2期間の操作入力の検出時点は、例えば、入出力装置90に対してユーザが行った海水の追加投入の操作入力を、制御装置80が受信した時点とすればよい。
第2期間を条件とする理由は、海水が追加投入された場合には、未だ製氷が行われていない海水が循環回路70を流れるため、追加投入時から所定時間が経過するまでに、氷ができ始める時点(過冷却度の上昇時点)が存在する可能性が高いからである。
現時点が所定の判定期間内である場合、制御部81は、現時点の制御モードを読み出す(ステップS21)。本実施形態では、制御部81が実行するデフォルトの制御モードは「定常運転モード」であるとする。従って、ステップS21における現時点の制御モードは「定常運転モード」である。
前述の通り、定常運転モードでは、蒸発温度制御(図4)で用いる目標蒸発温度Tgは、Tg=T1=A1×Cdの関係式により算出される。
次に、制御部81は、アイスジェネレータ1U,1Lの出口側の海水温度Twと、アイスジェネレータ1U,1Lの入口側の塩分濃度Cを計測する(ステップS22)。
海水温度Twの計測値Twdは、第1又は第2温度センサ33,35による計測値である。海水の塩分濃度Cの計測値Cdは、第1又は第2濃度センサ32,34による計測値である。
次に、制御部81は、濃度別の理論氷結温度Tiを算出する(ステップS23)。
具体的には、制御部81は、Ti=Ai×Cdの算出式により求まる理論氷結温度Tiを、アイスジェネレータ1U,1Lにおける氷結温度とする。
次に、制御部81は、過冷却度SCを算出する(ステップST24)。
具体的には、制御部81は、SC=Ti-Twdの算出式により求まる温度を、アイスジェネレータ1U,1Lにおける過冷却度とする。
次に、制御部81は、算出した過冷却度SCが所定の閾値Ths(例えば0.5℃)を超えるか否かを判定する(ステップS25)。
ステップ25の判定結果が肯定的(SC>Ths)である場合は、制御部81は、制御モードを信頼性優先運転モードに設定して(ステップS26)、処理を終了する。これにより、蒸発温度制御(図4)における目標蒸発温度Tgが、Tg=T2=A2×Cdの関係式により算出されるようになる。
ステップ25の判定結果が否定的(SC≦Ths)である場合は、制御部81は、ステップS26の制御モードの切り替えを実行せずに、処理を終了する。すなわち、現状の制御モード(定常運転モード)が維持される。
以上の通り、本実施形態の製氷システム50によれば、制御部81が、アイスジェネレータ1U,1Lの出口側の海水の過冷却度が所定の閾値Thsよりも大きい場合に、製氷運転の制御モードをアイスロックの発生を未然に回避する信頼性優先運転モードに切り替える。
従って、ブレード機構15に対する負荷を軽減でき、製氷システム50の信頼性を向上することができる。
〔氷結温度に基づくモード切替制御〕
図7は、氷結温度に基づくモード切替制御の一例を示すフローチャートである。
制御装置80の制御部81は、製氷運転中において、図7のフローチャートに示すモード切替制御を、蒸発温度制御(図4)の制御周期D1よりも短い所定の制御周期D2(例えば10~30秒)ごとに実行する。
また、制御装置80の制御部81は、図7のフローチャートに示すモード切替制御を、循環回路70に含まれるアイスジェネレータ1U,1Lごとに実行する。
図7に示すように、制御部81は、現時点の制御モードが「信頼性優先運転モード」であること(ステップS30でYes)を条件として、ステップS31以降の処理を実行する。
現時点の制御モードが信頼性優先運転モードである場合、制御部81は、アイスジェネレータ1U,1Lの出口側の海水温度Twと、アイスジェネレータ1U,1Lの入口側の塩分濃度Cを計測する(ステップS31)。
海水温度Twの計測値Twdは、第1又は第2温度センサ33,35による計測値である。海水の塩分濃度Cの計測値Cdは、第1又は第2濃度センサ32,34による計測値である。
次に、制御部81は、濃度別の理論氷結温度Tiを算出する(ステップS32)。
具体的には、制御部81は、Ti=Ai×Cdの算出式により求まる理論氷結温度Tiを、アイスジェネレータ1U,1Lにおける氷結温度とする。
次に、制御部81は、海水温度Twの計測値Twdが算出した氷結温度Tiと同等であるか否かを判定する(ステップS33)。なお、「同等」とは、両温度の差分が所定の誤差範囲(例えば±0.02℃)に収まる場合も含む意味である。
ステップ33の判定結果が肯定的(Twd≒Ti)である場合は、制御部81は、制御モードを定常運転モードに設定して(ステップS34)、処理を終了する。これにより、蒸発温度制御(図4)における目標蒸発温度Tgが、Tg=T1=A1×Cdの関係式により算出されるようになる。
ステップ33の判定結果が否定的(Twd≠Ti)である場合は、制御部81は、ステップS34の制御モードの切り替えを実行せずに、処理を終了する。すなわち、現状の制御モード(信頼性優先運転転モード)が維持される。
以上の通り、本実施形態の製氷システム50によれば、制御部81が、アイスジェネレータ1U,1Lの出口側の海水温度が氷結温度Tiと同等になった場合に、製氷運転の制御モードを通常の定常運転モードに切り替える。
従って、信頼性優先運転モードの実行によっていったん製氷能力が落ちても、その後に切り替わる定常運転モードによって製氷能力を回復することができる。
〔第1の変形例〕
上述の実施形態では、海水の塩分濃度Cと冷媒の蒸発温度T1,T2との相関関係を、所定の関係式(T1=A1×C,T2=A2×C)で定義しているが、両者の関係式は一次関数に限定されるものではなく、二次関数や三次関数でもよい。また、両者の相関関係は参照テーブルで定義してもよいし、図3のようなグラフ形式で定義してもよい。
すなわち、記憶部82は、塩分濃度Cと蒸発温度T1,T2との相関関係を、関係式、テーブル形式、及びグラフ形式のうちのいずれかで記憶すればよい。理論氷結温度の算出式(Ti=Ai×C)についても同様である。
〔その他の変形例〕
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本開示の権利範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上述の実施形態では、「横型」の二重管式製氷機よりなるアイスジェネレータ1を例示しているが、アイスジェネレータ1は「縦型」或いは「傾斜型」の二重管式製氷機であってもよい。
上述の実施形態では、アイスジェネレータ1を2台備えた製氷システム50を例示したが、アイスジェネレータ1は1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
上述の実施形態では、冷媒回路60の冷却対象が「海水」である製氷システム50を例示したが、冷媒回路60の冷却対象は、海水に限定されるものではなく、海水を含む「溶液」に一般化することができる。
冷却対象を溶液に一般化する場合には、上述の実施形態に記載の「海水」を「溶液」と読み替えればよい。また、上述の実施形態に記載の海水の「塩分濃度」を溶液の「溶質濃度」と読み替えればよい。
1 二重管式製氷機(アイスジェネレータ)
1U 上段側の二重管製氷機(アイスジェネレータ)
1L 下段側の二重管製氷機(アイスジェネレータ)
2 圧縮機
3 熱源側熱交換器(凝縮器)
4 四路切換弁
5 第1膨張弁
5U 上段側の第1膨張弁
5L 下段側の第1膨張弁
7 レシーバ
8 海水タンク(溶液タンク)
9 ポンプ
10 送風ファン
11 第2膨張弁
12A 海水流路(溶液流路)
12 内管
13 外管
13A 冷媒流路
15 ブレード機構
16 流入口(海水用)
17 流出口(海水用)
18 流入口(冷媒用)
19 流出口(冷媒用)
20 熱交換部(蒸発器)
20A 満液式蒸発器
21 回転軸
22 支持バー
23 ブレード
24 封止壁
25 モータ
31 吸入圧力センサ
32 第1濃度センサ
33 第1温度センサ
34 第2濃度センサ
35 第2温度センサ
50 製氷システム
60 冷媒回路
70 循環回路
80 制御装置
81 制御部
82 記憶部
90 入出力装置
Ths 過冷却度の閾値

Claims (6)

  1. 蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(60)と、前記冷媒回路(60)の冷却対象である溶液の循環回路(70)と、前記冷媒回路(60)の冷媒の蒸発温度制御を実行する制御装置(80)とを備える製氷システム(50)であって、
    前記循環回路(70)は、
    アイスジェネレータ(1)の溶液流路(12A)と、溶液を貯める溶液タンク(8)と、前記溶液流路(12A)に溶液を圧送するポンプ(9)とを含み、
    前記冷媒回路(60)は、
    前記アイスジェネレータ(1)の蒸発器(20)と、圧縮機(2)と、凝縮器(3)と、膨張弁(5)とを含み、
    前記溶液流路(12A)には、前記溶液流路(12A)の内周面に生成された氷粒子を掻き取るブレード機構(15)が設けられ、
    前記制御装置(80)は、
    溶質濃度と理論氷結温度との関係式を記憶しており、
    記憶した前記関係式を用いて算出した理論氷結温度に基づいて、溶液の過冷却度を算出し、
    算出した溶液の過冷却度が所定の閾値(Ths)よりも大きい場合に、前記蒸発温度制御に用いる目標蒸発温度を定常運転の場合よりも高めに切り替える切替制御を実行する製氷システム(50)。
  2. 前記制御装置(80)は、
    システム起動時から所定時間が経過するまでの第1期間に、前記切替制御を実行する請求項1に記載の製氷システム(50)。
  3. 前記制御装置(80)は、
    溶液の追加投入を通知する操作入力の検出時点から所定時間が経過するまでの第2期間に、前記切替制御を実行する請求項1又は請求項2に記載の製氷システム(50)。
  4. 蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(60)と、前記冷媒回路(60)の冷却対象である溶液の循環回路(70)と、前記冷媒回路(60)の冷媒の蒸発温度制御を実行する制御装置(80)とを備える製氷システム(50)であって、
    前記循環回路(70)は、
    アイスジェネレータ(1)の溶液流路(12A)と、溶液を貯める溶液タンク(8)と、前記溶液流路(12A)に溶液を圧送するポンプ(9)とを含み、
    前記冷媒回路(60)は、
    前記アイスジェネレータ(1)の蒸発器(20)と、圧縮機(2)と、凝縮器(3)と、膨張弁(5)とを含み、
    前記制御装置(80)は、
    溶質濃度と理論氷結温度との関係式を記憶しており、
    記憶した前記関係式を用いて算出した理論氷結温度に基づいて、前記アイスジェネレータ(1)における溶液の過冷却度を算出し、
    算出した溶液の過冷却度が所定の閾値(Ths)よりも大きい場合に、前記蒸発温度制御に用いる目標蒸発温度を定常運転の場合よりも高めに切り替える切替制御を実行する製氷システム(50)。
  5. 溶液を冷却対象とする蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(60)に含まれる、アイスジェネレータ(1)の蒸発器(20)の蒸発温度を制御する方法であって、
    前記アイスジェネレータ(1)の溶液流路(12A)の内周面に生成された氷粒子を、前記溶液流路(12A)に設けられているブレード機構(15)によって掻き取るステップと、
    溶質濃度と理論氷結温度との関係式を用いて算出した理論氷結温度に基づいて、前記アイスジェネレータ(1)における溶液の過冷却度を算出するステップと、
    算出した過冷却度が所定の閾値(Ths)よりも大きい場合に、目標蒸発温度を定常運転の場合よりも高めに切り替えるステップと、を含む蒸発温度の制御方法。
  6. 溶液を冷却対象とする蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(60)に含まれる、アイスジェネレータ(1)の蒸発器(20)の蒸発温度を制御する方法であって、
    溶質濃度と理論氷結温度との関係式を用いて算出した理論氷結温度に基づいて、前記アイスジェネレータ(1)における溶液の過冷却度を算出するステップと、
    算出した過冷却度が所定の閾値(Ths)よりも大きい場合に、目標蒸発温度を定常運転の場合よりも高めに切り替えるステップと、を含む蒸発温度の制御方法。
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