JP2020026923A - 製氷システム - Google Patents

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東 近藤
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Abstract

【課題】製氷機内のアイスロックの発生を抑制することが可能な製氷システムを提供する。【解決手段】製氷システムAは、製氷用の溶液の流入口16及び排出口17を有しかつ内部に溶液を流動させて冷却する冷却室12、及び、冷却室12の内面で生成された氷を掻き取る掻き取り機構15を有する製氷機1と、掻き取り機構15の動作を制御する制御装置50とを備えており、制御装置50は、冷却室12内における溶液が製氷間近と想定される所定の製氷前条件を満たしたときに、掻き取り機構15の作動速度を定常運転よりも高めに切り換えるアイスロック回避運転を実行する。【選択図】図2

Description

本開示は、製氷システムに関する。
特許文献1には、海水等の製氷用の溶液を流動させる内管と、この内管を内装する外管とを有する二重管式の満液式蒸発器を備えた製氷機が開示されている。この製氷機は、内管内に導入された溶液を、内管と外管との間に導入された冷媒で冷却して内管の内面に氷を生成し、この氷を内管内で回転するブレードで掻き取ってスラリー状の氷とし、内管から排出するように構成されている。
特開平3−204578号公報
この種の製氷機は、内管の内周面に氷が固まって付着し、ブレードが氷に引っ掛かって回転負荷が大きくなる現象(以下、この現象を「アイスロック」ともいう)が生じることがある。アイスロックが生じると、ブレードを駆動するモータの電流値が上昇するため、特許文献1記載の製氷機は、検出したモータの電流値に基づいてディアイス(解氷)運転を行うように構成されている。
しかし、電流値が上昇した時点で既にアイスロックが生じているため、ブレードに過大な荷重が加わって疲労が蓄積し、ブレードの寿命が短くなる。
本開示は、製氷機内のアイスロックの発生を抑制することが可能な製氷システムを提供することを目的とする。
(1)本開示の製氷システムは、
製氷用の溶液の流入口及び排出口を有しかつ内部に溶液を流動させて冷却する冷却室、及び、前記冷却室の内面で生成された氷を掻き取る掻き取り機構を有する製氷機と、
前記掻き取り機構の動作を制御する制御装置と、を備えており、
前記制御装置は、前記冷却室内における溶液が製氷間近と想定される所定の製氷前条件を満たしたときに、前記掻き取り機構の作動速度を定常運転よりも高めに切り換えるアイスロック回避運転を実行する。
以上の構成によれば、冷却室内の溶液が製氷間近の状態になると、掻き取り機構の作動速度が定常運転よりも高めに切り換えられ、アイスロック回避運転に移行する。そのため、アイスロックが発生する前に早期に氷を掻き取ることができる。
(2)好ましくは、前記制御装置が、前記アイスロック回避運転における前記掻き取り機構の作動速度を、前記冷却室の冷却能力に応じて設定する。
冷却室は、その冷却能力によって氷の生成速度が異なるので、当該冷却能力に応じて掻き取り機構の作動速度を設定することで、アイスロックが発生する前に確実に氷を掻き取ることができる。
(3)好ましくは、前記制御装置が、前記アイスロック回避運転における前記掻き取り機構の作動速度を、アイスロックが発生すると想定される製氷量に応じて設定する。
この構成によれば、アイスロックが発生すると想定される量の氷が生成される前に掻き取り機構によって氷を掻き取ることができるように、掻き取り機構の作動速度を設定することができる。
(4)好ましくは、前記制御装置が、前記アイスロック回避運転中、前記冷却室内における溶液が所定の安定製氷条件を満たしたときに、前記掻き取り機構の作動速度を定常運転に戻す制御を実行する。
この構成によれば、アイスロック回避運転中、アイスロックが発生しないような安定した製氷に移行したときに、掻き取り機構の作動速度を定常運転に戻すことによって掻き取り機構の摩耗等を抑制することができる。
(5)好ましくは、前記安定製氷条件が、前記流入口側の溶液温度と前記排出口側の溶液温度との差が所定の閾値以下になることである。
冷却室内の全体で安定して製氷が行われると、冷却室の流入口側と排出口側との溶液温度がともに氷結温度となり、その差が小さくなるので、当該差が所定の閾値以下となることを条件として、掻き取り機構の作動速度をロック回避運転から定常運転に戻すことができる。
(6)好ましくは、前記製氷前条件が、前記排出口側の溶液温度が所定の閾値以下になることである。
冷却室内に流入した溶液は、通常、排出口から排出されるまでの間に徐々に温度が低下して過冷却状態となり、さらに排出口側から順次過冷却が解消されて氷が生成される。そのため、冷却室の排出口側の溶液温度が所定の閾値以下(例えば、氷結温度以下)となることで、製氷間近であると想定することができる。
(7)また、前記製氷前条件は、前記流入口側の溶液温度が所定の閾値以下になることであってもよい。
冷却室内を流動する溶液の速度が速い場合など、冷却室の流入口側と排出口側との溶液の温度差があまりない状況下では、冷却室の流入口側から過冷却が解消されて氷が生成される場合がある。このような場合は、冷却室の流入口側の溶液温度が所定の閾値以下(例えば、氷結温度以下)となることで、製氷間近であると判断することができる。
実施形態に係る製氷システムの概略構成図である。 製氷機の側面説明図である。 製氷機の横断面を概略的に示す説明図である。 アイスロック回避運転の流れを説明する図である。 アイスロック回避運転に係るブレード機構の動作制御手順を示すフローチャートである。 製氷機内で氷が生成される様子を示す説明図である。
以下、添付図面を参照しつつ、製氷システムの実施形態を詳細に説明する。なお、本開示は以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<製氷システムの全体構成>
図1は、実施形態に係る製氷システムAの概略構成図である。
本実施形態の製氷システムAは、タンク8に貯めた溶液を原料として製氷機1により氷スラリーを連続的に生成し、生成した氷スラリーをタンク8に貯めるシステムである。
氷スラリーとは、水または水溶液に微細な氷が混濁したシャーベット状の氷のことをいう。氷スラリーは、スラリー氷、アイススラリー、スラリーアイス、スラッシュアイス、リキッドアイスとも呼ばれる。
製氷システムAは、海水を被冷却媒体(被冷却物)とする。海水は、溶質として塩分を含む溶液である。また、本実施形態の製氷システムAは、海水をベースとした氷スラリーを連続的に生成可能である。このため、本実施形態の製氷システムAは、例えば漁船や漁港などに設置され、タンク8に貯められた氷スラリーが鮮魚の保冷などに利用される。
本実施形態の製氷システムAは、製氷機1において製氷を行う製氷運転と、製氷機1内の氷を溶かす解氷運転とを切り換えて行うように構成されている。さらに製氷システムAは、製氷運転中、状況に応じて定常運転とアイスロック回避運転とを切り替えて行うように構成されている。各運転の詳細については後述する。
製氷システムAは、製氷機1、圧縮機2、熱源側熱交換器3、四路切換弁4、利用側膨張弁(膨張機構)5、レシーバ(受液器)7、熱源側膨張弁(膨張機構)27、送風ファン10、タンク(貯氷タンク)8、及びポンプ9等を備えている。また、製氷システムAは、制御装置50を備えている。
圧縮機2、熱源側熱交換器3、熱源側膨張弁27、レシーバ7、利用側膨張弁5、及び製氷機1は、この順で冷媒配管により接続されて冷媒回路を構成している。
製氷機1、タンク8、及びポンプ9は海水配管により接続されて循環回路を構成している。
四路切換弁4は、圧縮機2の吐出側に接続されている。四路切換弁4は、圧縮機2から吐出された冷媒を熱源側熱交換器3側及び製氷機1側のいずれかに切り換えて流す機能を有する。この四路切換弁4によって、製氷運転と解氷運転とが切り換えられる。
圧縮機2は、冷媒を圧縮し、冷媒回路内で冷媒を循環させるものである。圧縮機2は、可変容量型(能力可変型)である。具体的に、圧縮機2は、内蔵されているモータをインバータ制御することによって、このモータの運転回転数を段階的又は連続的に変更することができる。ただし、圧縮機2は定量型であってもよい。
送風ファン10は、熱源側熱交換器3を空冷するものである。送風ファン10は、インバータ制御によって運転回転数が段階的又は連続的に変更されるモータを備えている。
利用側膨張弁5及び熱源側膨張弁27は、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁で構成され、開度を調整可能である。
図2は、製氷機の側面説明図である。図3は、製氷機の横断面を概略的に示す説明図である。
製氷機1は、二重管式製氷機により構成されている。この製氷機1は、利用側熱交換器である蒸発器1Aと、掻き取り機構15とを備える。蒸発器1Aは、満液式蒸発器により構成され、円筒形状に形成された内管12と外管13とを備えている。内管12は、外管13内に外管13と同心状に配置されている。また、内管12は、外管13から軸方向両側に突出している。本実施形態の蒸発器1Aは、横置き型であり、内管12及び外管13の軸心が水平に配置されている。
内管12は、内部を被冷却媒体である海水が流動し通過する要素である。内管12は、海水を冷却する「冷却室」を構成している。また、内管12の「内周面」は、冷却室の「内面」を構成している。内管12は、金属材料で形成されている。内管12の軸心方向の両端は閉止されている。
内管12の軸方向一端側(図2において右側)には、海水の流入口16が設けられている。海水は、流入口16から内管12内に供給される。内管12の軸方向他端側(図2において左側)には、海水の排出口17が設けられている。内管12内の海水は、排出口17から排出される。
内管12には掻き取り機構15が配設されている。掻き取り機構15は、内管12の内周面に生成された氷を掻き取り、内管12内に分散させる。
本実施形態の掻き取り機構15は、掻き取り用のブレード22を有するブレード機構である。このブレード機構15は、ブレード22のほか、回転軸20と、支持バー21と、駆動部24とを備えている。回転軸20は、内管12と同心状に内管12内に回転自在に支持されている。回転軸20は、内管12の軸方向一端に設けられたフランジ23から外部に突出し、駆動部24としてのモータに接続されている。
支持バー21は、回転軸20の外周面から径方向外側に突出する棒状部材よりなる。支持バー21は、回転軸20の軸方向に所定間隔おきに設けられている。ブレード22は支持バー21の先端に固定されている。ブレード22は例えば樹脂製又は金属製の帯板部材よりなる。ブレード22の回転方向の前方側の側縁は鋭利な先細り形状とされている。
ブレード機構15は、一対のブレード22よりなるスクレーパアセンブリ25を有する。1つのスクレーパアセンブリ25を構成する一対のブレード22は、軸方向位置が同じでかつ回転方向位置が180°ずれている。スクレーパアセンブリ25は、回転軸20の軸方向に沿って複数組(図示例では6組)設けられている。
外管13は、内管12の径方向外側において当該内管12と同心状に設けられている。外管13は、金属材料で形成されている。外管13の下部には1又は複数(本実施形態では3つ)の冷媒入口18が設けられている。外管13の上部には1又は複数(本実施形態では2つ)の冷媒出口19が設けられている。外管13の内周面と内管12の外周面との間の環状スペース14は、海水との間で熱交換を行う冷媒が流入する領域である。冷媒入口18から供給された冷媒は、環状スペース14を通過して冷媒出口19から排出される。
図1に示すように、製氷システムAは、制御装置50を備えている。制御装置50は、CPUとメモリとを備える。メモリには、RAM、ROMなどが含まれる。
制御装置50は、メモリに格納されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、製氷システムAの運転に関する各種の制御を実現する。
具体的に、制御装置50は、利用側膨張弁5、熱源側膨張弁27の開度を制御する。また、制御装置50は、圧縮機2及び送風ファン10の運転周波数を制御する。また、制御装置50は、ブレード機構15の駆動部24及びポンプ9の動作を制御する。なお、制御装置50は、製氷機1側と、熱源側熱交換器3側とに分けて設けられていてもよい。この場合、例えば、熱源側膨張弁27、送風ファン10、圧縮機2の動作制御を熱源側熱交換器3側の制御装置で行い、利用側膨張弁5、駆動部24、ポンプ9の動作制御を製氷機1側の制御装置で行うことができる。
製氷システムAには、複数のセンサが設けられている。具体的には、図1に示すように、圧縮機2の冷媒吸入配管には、冷媒の圧力を検出する圧力センサ31が設けられている。また、製氷機1の内管12の流入口16には、内管12に流入する海水の温度を検出する温度センサ32が設けられている。製氷機1の内管12の排出口17には、内管12から排出された海水(及び氷スラリー)の温度を検出する温度センサ33が設けられている。内管12の流入口16には、流入口16から内管12内に流入する海水の塩分濃度を計測する濃度センサ34が設けられている。流入口16に設けられた温度センサ32及び濃度センサ34の検出値は、内管12内に流入する海水の温度及び濃度と実質的に等しい。また、排出口17に設けられた温度センサ33の検出値は、内管12から排出される海水の温度と実質的に等しい。
圧力センサ31、温度センサ32,33、及び濃度センサ34の検出信号は制御装置50に入力され、各種の制御のために利用される。具体的に本実施形態では、内管12内におけるアイスロックを回避するための運転(アイスロック回避運転)を行うために各センサ31〜34の検出値が用いられる。アイスロックは、内管12の内周面に氷が固まって付着し、ブレード22が氷に引っ掛かって回転負荷が大きくなる現象をいい、アイスロック回避運転の具体的な制御方法については後述する。
<製氷システムの動作>
(製氷運転)
製氷運転を行う場合、四路切換弁4が、図1において実線で示される状態に維持される。圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は四路切換弁4を経て凝縮器として機能する熱源側熱交換器3に流入し、送風ファン10の作動により空気と熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、全開状態の熱源側膨張弁27を通り、レシーバ7を経て利用側膨張弁5に流れる。
冷媒は、利用側膨張弁5により所定の低圧に減圧され、気液二相冷媒となり、製氷機1の冷媒入口18(図2参照)から当該製氷機1を構成する内管12と外管13との間の環状スペース14内に供給される。環状スペース14内に供給された冷媒は、ポンプ9により内管12内に流入した海水と熱交換して蒸発する。製氷機1で蒸発した冷媒は、圧縮機2に吸い込まれる。
ポンプ9は、タンク8から海水を吸い込んで製氷機1の内管12内に海水を圧送する。内管12内で生成された氷スラリーは、ポンプ圧によって海水とともにタンク8に戻される。タンク8に戻された氷スラリーは、タンク8内で浮力によって上昇し、タンク8の上部に集積された状態となる。
(解氷運転)
以上のような製氷運転を行った結果、前述したように、内管12の内周面に氷が固まって付着し、ブレード機構15のブレード22が氷に引っ掛かって回転負荷が大きくなるアイスロックが生じることがある。また、内管12内に氷スラリーが蓄積され、内管内の海水の流れが滞る現象(この現象を「アイスアキュームレーション」ともいう)が生じることがある。これらの現象が生じると、製氷機1を継続して運転することが困難となるので、内管12内の氷を溶かすために解氷運転(クリーニング運転)が行われる。
制御装置50は、上記のようなアイスロックやアイスアキュームレーションが生じていることを検知すると、四路切換弁4を、図1において点線で示される状態に切り替える。圧縮機2から吐出された高温のガス冷媒は、四路切換弁4を経て蒸発器1Aの内管12と外管13との間の環状スペース14内に流入し、内管12内の氷を含む海水と熱交換して凝縮・液化する。このとき、内管12内の氷は冷媒によって加熱され解氷される。蒸発器1Aから排出された液冷媒は、全開状態の利用側膨張弁5を通過し、レシーバ7を経て熱源側膨張弁27に流入する。液冷媒は熱源側膨張弁27よって減圧された後、熱源側熱交換器3において蒸発し、圧縮機2に吸い込まれる。
続けて、制御装置50は、ブレード機構15を停止する。これにより、ブレード機構15に対する負荷を軽減し、ブレード機構15の破損等を抑制することができる。また、制御装置50は、ポンプ9を停止し、製氷機1における海水の循環を止める。これにより、タンク8内の温度上昇を抑制し、タンク8に蓄積された氷が溶けてしまうのを抑制することができる。
アイスロック及びアイスアキュームレーションの検知は、種々の方法で行うことができる。例えば、制御装置50は、ブレード機構15の駆動部24の電流値が所定の閾値よりも高いことをもってアイスロックの発生を検知することができる。また、制御装置50は、製氷機1の内管12に流入する海水の圧力と内管12から排出される海水(氷スラリー)の圧力との差圧が所定の閾値よりも高いことをもってアイスアキュームレーションの発生を検知することができる。
(アイスロック回避運転)
本実施形態の製氷システムAは、上記のような製氷運転中にアイスロックが発生するのを防止するため、「アイスロック回避運転」を実行可能に構成されている。
本実施形態の製氷システムAは、製氷運転中にブレード機構15のブレード22を所定の回転数(定常回転数)で回転させる「定常運転」を実行する。また、製氷システムAは、図4に示すように、定常運転で稼働を開始してから安定して製氷が行われるまでの間に、所定の条件を満たすことによって上記のアイスロック回避運転を実行する。アイスロック回避運転とは、定常運転よりも高い回転数でブレード22を回転させる運転である。
製氷システムAを稼働した直後、タンク8内には氷が存在しておらず、タンク8内の海水の温度は海水の氷結温度よりも高い。そして、ポンプ9によってタンク8内の海水が製氷機1に送られ、冷却されることによって海水の温度は次第に低下する。内管12内において、通常、海水は氷結温度になっても氷にはならず、氷結温度よりも低温の過冷却状態となる。そして、海水の過冷却状態が解消されることで氷の生成が開始する。しかし、海水の過冷却が解消されるときの潜熱により内管12の内面で急速に氷が生成されるので、アイスロックが生じやすくなる。本実施形態では、過冷却状態が解消されるまでの製氷間近の段階でアイスロック回避運転を行うことによって、アイスロックの発生を抑制している。
図5は、アイスロック回避運転に係るブレード機構の動作制御手順を示すフローチャートである。
製氷システムAが稼働を開始すると、制御装置50は、図5のステップS1において、温度センサ33によって計測された内管(冷却室)12の排出口17における出口温度Toutと、塩分濃度センサ34によって計測された内管12の流入口16における海水の塩分濃度とを取得する。そして、制御装置50は、ステップS2において、取得した海水の塩分濃度から、海水の氷結温度Tを算出する。
次いで、制御装置50は、ステップS3において、所定の製氷前条件を満たしているか否かを判別する。この製氷前条件は、次の2つ条件α1,α2からなり、ステップS3では、双方の条件α1及びα2を満たすか否かを判別する。
α1:ブレード機構15におけるブレード22の回転数Nが定常運転の回転数N(以下、「定常回転数」ともいう)であること。
α2:取得した海水出口温度Toutが、氷結温度T以下であること。
製氷システムAが稼働を開始するときは、ブレード22は定常回転数で運転されるので、製氷が始まるまでは条件α1が満たされる。また、製氷システムAが稼働を開始するときは、製氷機1に流入する海水の温度Tが氷結温度Tよりも高くなるが、海水が製氷機1で冷却されることによって次第に温度が低下し、製氷間近になると、海水出口温度Toutが氷結温度T以下になり、条件α2が満たされる。
制御装置50は、ステップS3において、製氷前条件が満たされていないことを判別すると処理をステップS6に進める。また、制御装置50は、ステップS3において、製氷前条件が満たされたことを判別すると、ステップS4において、アイスロックを回避するためのブレード22の目標回転数Nを演算により求める。
目標回転数Nは、製氷機1の内管12の内周面で生成される氷が、ブレード機構15のブレード22が引っ掛かる程度にまで蓄積される前に、当該ブレード22によって掻き取ることが可能な値として設定される。具体的には、図6に示すように、本実施形態のブレード機構15は各スクレーパアセンブリ25が一対(2つ)のブレード22を備えているので、各ブレード22が半回転する間に生成される氷を、各ブレード22によって掻き取ることができるように目標回転数Nが設定される。
具体的に、目標回転数Nは、内管(冷却室)12における冷却能力Qeと、その冷却能力によって生成される氷の量(製氷量)とに応じて求められる。内管12における冷却能力は、例えば環状スペース14を流れる冷媒の温度(蒸発温度)と、内管12内を流れる海水の温度との差分に基づいて求めることができる。海水の温度は、例えば、温度センサ32,33(図1参照)により計測される内管12の流入口16と排出口17とにおける海水温度の平均値とすることができる。環状スペース14を流れる冷媒の温度は、温度センサ等によって直接計測してもよいが、本実施形態では、冷媒圧力センサ31(図1参照)により計測される飽和圧力から演算によって求めることができる。
図6に示されるように、内管12内の製氷量は、ブレード機構15の各ブレード22が内管12内を半回転する間に生成される氷の量である。2つのブレード22間の距離Eや製氷される軸方向の領域(環状スペース14の軸方向長さ)は一定であるので、製氷量は、ブレード22によって掻き取られる氷の厚さtで換算することができる。
以上より、目標回転数Nは、内管12における冷却能力によって内管12内で生成される氷の厚さtが、アイスロックが生じる程度にまで増大する前に、ブレード22によって掻き取ることができる回転数に設定される。
制御装置50は、ステップS5において、ブレード22の回転数Nが、目標回転数Nとなるように、ブレード22の駆動部24の出力を上昇させる。これにより、定常運転のときよりも内管12内でブレード22が高速で回転するので、海水の過冷却が解消され氷が一気に生成されたとしても内管12の内周面で氷が堆積しなくなり、アイスロックの発生を抑制することができる。
以上のようにアイスロック回避運転が行われると、制御装置50は、ステップS6において、安定製氷条件を満たすか否かを判別する。この安定製氷条件は、内管12内で氷の生成が開始された後も、アイスロックが生じることなく安定して氷が生成されていることを判別するための条件である。本実施形態では、内管12の流入口16における海水の温度(海水入口温度)Tinと、排出口17における海水の温度(海水出口温度)Toutとの温度差ΔTが、所定の閾値ΔTth以下であることを安定製氷条件としている。
製氷システムAを稼働した後、氷が生成されるまで、流入口(海水入口)16から流入した海水は排出口(海水出口)17へ到るまでに徐々に温度が低下していき、排出口17側から流入口16側へ向けて順次過冷却状態となる。そして、排出口17側から流入口16側へ向けて順次過冷却が解消され、氷が生成される。したがって、内管12内の全体で安定して氷が生成されているときは、排出口17側と流入口16側との双方で過冷却が解消され、ともに海水温度が氷結温度Tとなる。したがって、本実施形態においては、安定製氷条件として、海水入口温度Tinと海水出口温度Toutとの差ΔTが所定の閾値ΔTth以下であることを採用している。この閾値ΔTthは、例えば内管12内の冷却能力が24kwであり、かつ流入口16における海水の濃度が6%、排出口17における海水の濃度が7%である場合に、ΔTth=1degとすることができる。
制御装置50は、ステップS6において安定製氷条件が満たされたと判別すると、ステップS7において、ブレード22の回転数Nが定常回転数Ntとなるように、ブレード22の駆動部24の出力を低下させる。このようにアイスロックが発生する可能性が低く安定して製氷が行われているときに、ブレード22の回転数を低下させることにより、ブレード22の摩耗や損傷を抑制し、耐久性を高めることができる。
[実施形態の作用効果]
以上、説明したように、上記実施形態の製氷システムAは、海水を流動させて冷却する内管(冷却室)12、及び、内管12の内周面で生成された氷を掻き取る掻き取り機構であるブレード機構15を有する製氷機1と、ブレード機構15の動作を制御する制御装置50と、を備えており、制御装置50は、内管12内における海水が製氷間近となる所定の製氷前条件を満たしたときに、ブレード機構15の作動速度、すなわちブレード22の回転数を定常運転よりも高めに切り換えるアイスロック回避運転を実行する。このような構成によって、内管12内の海水が製氷間近の状態になると、ブレード機構15の作動速度が定常運転よりも高めに切り換えられ、アイスロック回避運転に移行されるので、アイスロックが発生する前に早期に内管12の内周面から氷を掻き取ることができる。
制御装置50は、アイスロック回避運転におけるブレード機構15の目標回転数Nを、内管12における製氷能力(冷却能力)に応じて設定している。内管12内で氷が生成される速度は、内管12内の冷却能力によって異なるので、この冷却能力に応じてブレード22の目標回転数Nを設定することで、アイスロックが発生する前に確実に氷を掻き取ることができる。
制御装置50は、アイスロック回避運転におけるブレード機構15の目標回転数Nを、アイスロックが発生すると想定される製氷量に応じて設定している。つまり、アイスロックが発生すると想定される量の氷が生成される前にブレード機構15によって氷を掻き取ることができるように、ブレード機構15の作動速度を設定している。そのため、内管12内におけるアイスロックの発生を好適に抑制することができる。
制御装置50は、アイスロック回避運転中、内管12内における海水が所定の安定製氷条件を満たしたときに、ブレード機構15の回転数を定常運転の回転数に戻す制御を実行するので、アイスロック回避運転中に、アイスロックが発生しないような安定した製氷に移行したときに、ブレード機構15の作動速度を定常運転に戻すことによってブレード機構15の摩耗等を抑制することができる。
内管12内の略全体で安定して製氷が行われると、内管12の流入口16側と排出口17側との海水温度Tin,Toutがともに氷結温度となり、その差ΔTが小さくなる。そのため、本実施形態では、当該差ΔTが所定の閾値ΔTth以下となることを安定製氷条件とすることで、ブレード機構15の作動速度をアイスロック回避運転から定常運転に適切に戻すことができる。
内管12内に流入口16から流入した海水は、通常、排出口17から排出されるまでの間に徐々に温度が低下し、排出口17側から順次過冷却が解消されて氷が生成されるので、内管12の排出口17側における海水温度が所定の閾値以下(例えば、氷結温度T以下)となることを製氷前条件とすることで、製氷間近であると判断することができる。
[その他の変形例]
本開示は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、アイスロック回避運転を行う条件である製氷前条件の一つが、内管12の排出口17における海水温度が所定の閾値(氷結温度)以下になることであったが、次のような場合には、内管12の流入口16における海水温度が所定の閾値(例えば氷結温度)以下になることとしてもよい。具体的には、内管12内を流動する海水の速度が速い場合など、内管12の流入口16側と排出口17側との海水温度差があまりない状況下では、内管12の流入口16側から過冷却が解消されて氷が生成される場合がある。このような場合は、内管12の流入口16側における海水温度Tinが所定の閾値以下となることで、製氷間近であると判断することができる。
ブレード機構15は、内管12の円周方向に2枚のブレード22を有するスクレーパアセンブリ25を備えていたが、1枚又は3枚以上のブレード22を有するスクレーパアセンブリ25を備えていてもよい、また、製氷機1は、ブレード機構15に代えて、他の形式の掻き取り機構、例えばスクリューを有するオーガ式の掻き取り機構を備えていてもよい。
冷媒回路において、レシーバ7は省略することができ、この場合、膨張機構としての膨張弁5,27を熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間の液側冷媒配管に一つだけ設けてもよい。
製氷用の溶液は、海水に限らず、エチレングリコール等の他の溶液であってもよい。
また、上記実施形態の製氷システムAは、1台の製氷機1を備えていたが、複数台の製氷機1を直列に接続して備えていてもよい。また、上記実施形態では、圧縮機2が1台であったが、複数台の圧縮機2を並列に接続してもよい。
1 :製氷機
12 :内管(冷却室)
15 :ブレード機構(掻き取り機構)
16 :流入口
17 :排出口
50 :制御装置
A :製氷システム

Claims (7)

  1. 製氷用の溶液の流入口(16)及び排出口(17)を有しかつ内部に溶液を流動させて冷却する冷却室(12)、及び、前記冷却室(12)の内面で生成された氷を掻き取る掻き取り機構(15)を有する製氷機(1)と、
    前記掻き取り機構(15)の動作を制御する制御装置(50)と、を備えており、
    前記制御装置(50)は、前記冷却室(12)内における溶液が製氷間近と想定される所定の製氷前条件を満たしたときに、前記掻き取り機構(15)の作動速度を定常運転よりも高めに切り換えるアイスロック回避運転を実行する、製氷システム。
  2. 前記制御装置(50)が、前記アイスロック回避運転における前記掻き取り機構(15)の作動速度を、前記冷却室(12)の冷却能力に応じて設定する、請求項1に記載の製氷システム。
  3. 前記制御装置(50)が、前記アイスロック回避運転における前記掻き取り機構(15)の作動速度を、アイスロックが発生すると想定される製氷量に応じて設定する、請求項1又は2に記載の製氷システム。
  4. 前記制御装置(50)が、前記アイスロック回避運転中、前記冷却室(12)内における溶液が所定の安定製氷条件を満たしたときに、前記掻き取り機構(15)の作動速度を定常運転に戻す制御を実行する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製氷システム。
  5. 前記安定製氷条件が、前記流入口(16)側の溶液温度と前記排出口(17)側の溶液温度との差が所定の閾値以下になることである、請求項4に記載の製氷システム。
  6. 前記製氷前条件が、前記排出口(17)側の溶液温度が所定の閾値以下になることである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製氷システム。
  7. 前記製氷前条件は、前記流入口(16)側の溶液温度が所定の閾値以下になることである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製氷システム。
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