JP7054476B2 - 車両のバックドア構造 - Google Patents
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Description
一方、車両のバックドア構造においては、入力される外部荷重によるバックドアの変形モードを抑制することが求められている。そのため、車両のバックドア構造の中には、バックドアがインナパネルとアウタパネルとにより構成されている場合に、ラッチ取付部付近の高い剛性を利用するため、インナパネルとアウタパネルに補強部材を連結し、低剛性パネルであるインナパネルへの入力荷重が補強部材を用いてラッチ取付部付近に伝達されるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、本発明に係る車両のバックドア構造においては、高剛性部である膨出部及び前側屈曲部と後側屈曲部とが第1補強部によって連結されることになる。したがって、本発明に係る車両のバックドア構造では、インナパネルの車体接触部から加わる車両前後方向の荷重など、インナパネルに入力された荷重が第1補強部から高剛性部に伝達されることになるので、インナパネルを含むバックドアの剛性を向上させることができるとともに、車室内の振動、騒音などの乗り心地に影響を及ぼすバックドアの変形モードを効果的に抑制することができる。
図1~図5は本発明の実施形態に係る車両のバックドア構造を示すものである。なお、図において、矢印I方向は車室内側を示し、矢印O方向は車両外側を示し、矢印X方向は車両幅方向を示している。
また、バックドア1の下部であって、車両幅方向中央部分には、車体と連結可能なラッチ(図示せず)を取付けるラッチ取付部5が設けられており、該ラッチ取付部5は、バックドア1が閉じられた状態で車両下側に膨出する膨出部51有している。膨出部51は、ラッチ取付部5の周囲に位置する上部及び左右両側部を囲むような形状に形成されている。なお、図外のラッチは、バックドア1の閉時において、車体側のストライカ(図示せず)と係合することにより、バックドア1の閉状態を確保するために設けられるものである。
第1補強部21は、インナパネル2の表面から車両下側へ向かって突出する湾曲した凸形状に形成されている。そして、前側屈曲部22は、インナパネル3の前側部分を屈曲させることにより車両下側へ向かって湾曲した形状に形成され、後側屈曲部23は、インナパネル3の後側部分を屈曲させることにより車両上側へ向かって湾曲した形状に形成されている。
これにより、第1補強部21がインナパネル2に入力された荷重を前側屈曲部22へ伝達する際に、膨出部51との連結部及び後側屈曲部23との連結部の付け根部B1,B2に荷重が集中しても、この荷重は第1補強部21を介して高剛性部の前側屈曲部22に伝達されるため、連結部の付け根部B1,B2への局所的な応力集中が避けられ、インナパネル2の破断が抑制されるようになっている。
そのため、本実施形態のバックドア構造では、第1補強部21の内側端部21aが高剛性部であるラッチ取付部5の膨出部51及びインナパネル2の前側屈曲部22と連結され、第1補強部21の外側端部21bがインナパネル2の後側屈曲部23と連結されることになる。したがって、本実施形態のバックドア構造によれば、バックドア1の閉時等において、インナパネル2に入力された荷重が第1補強部21から膨出部51及び前側屈曲部22の高剛性部に伝達されることになるので、バックドア1の剛性、特にインナパネル2の剛性を向上させることができ、車室内の振動、騒音などの乗り心地に影響を及ぼすバックドア1の変形モードを抑制することができる。
そのため、本実施形態のバックドア構造では、第1補強部21がインナパネル2に入力された荷重を前側屈曲部22へ伝達する際に、膨出部51との連結部及び後側屈曲部23との連結部の付け根部B1,B2に荷重が集中する場合でも、当該箇所の荷重を第1補強部21によって高剛性部の前側屈曲部22に伝達することが可能となり、これら付け根部B1,B2への局所的な応力集中を回避でき、インナパネル2の破断を抑制することができる。したがって、本実施形態のバックドア構造によれば、インナパネル2に入力された荷重の高剛性部への集中が容易となり、インナパネル2を含むバックドア1に対する荷重の伝達が促進されるので、バックドア1の車両前後方向に対する剛性の向上を図ることができるとともに、変形モードの発生を低減させることができる。
2 インナパネル
3 アウタパネル
5 ラッチ取付部
6 緩衝部材
7 リンフォースメント
7a 前側端部
7b 後側端部
21 第1補強部
21a 内側端部
21b 外側端部
22 インナパネルの前側屈曲部
23 インナパネルの後側屈曲部
24,25 曲面部
26 第1平面部
27 第2平面部
51 膨出部
Claims (5)
- 車体後部に設けられる開閉可能なバックドアであって、該バックドアは、インナパネルとアウタパネルを備え、前記バックドアの下部には、車体と連結可能なラッチを取付けるラッチ取付部が設けられ、該ラッチ取付部は、前記バックドアが閉じられた状態で車両下側に膨出する膨出部を有している車両のバックドア構造において、
前記ラッチ取付部が位置する前記インナパネルには、車両幅方向へ延びる第1補強部が設けられ、該第1補強部の内側端部は、前記膨出部及び前記インナパネルの前側屈曲部と連結し、前記第1補強部の外側端部は、前記インナパネルの後側屈曲部と連結するように配置されていることを特徴とする車両のバックドア構造。 - 前記第1補強部の外側端部は、前記ラッチ取付部の車両幅方向外側に位置する曲面部まで延出されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のバックドア構造。
- 前記ラッチ取付部が位置する前記インナパネルの車両幅方向外側には、緩衝部材が設けられ、前記第1補強部の外側端部は、前記緩衝部材の車両幅方向内側に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のバックドア構造。
- 前記インナパネルは、前記第1補強部によって区切られた第1平面部と第2平面部を有し、前記第1平面部は車両前方側に配置され、前記第2平面部は車両後方側に配置されているとともに、前記第2平面部は、前記バックドアが閉じられた状態で、前記ラッチ取付部と前記第1平面部との車両上下方向の間に位置していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の車両のバックドア構造。
- 前記ラッチ取付部が位置する前記インナパネルの車両後方側には、リンフォースメントが設けられ、前記インナパネルの前側屈曲部と前記リンフォースメントとは、車両下側方向視で重なり合った位置に配置され、前記リンフォースメントは、前側端部が前記前側屈曲部を跨いで前記ラッチ取付部の上部に連結されているとともに、後側端部が前記ラッチ取付部の下部に連結されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の車両のバックドア構造。
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WO2011058658A1 (ja) | 2009-11-16 | 2011-05-19 | トヨタ自動車株式会社 | 上ヒンジドア構造 |
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