JP7053169B2 - プロコラーゲンプロセッシング促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、プロコラーゲンのプロセッシングを促進するプロコラーゲンプロセッシング促進剤に関する。
皮膚の老化は、主として加齢に伴う生理的老化と、紫外線暴露より生ずる光老化に代別される。これらの老化に伴って生じる代表的な皮膚の形態変化として、ハリの喪失、シワ、たるみ等が挙げられ、真皮の構成成分であるコラーゲンの量的・質的な変化が要因の1つと考えられている。
コラーゲンは、我々の身体を構成するタンパク質の1/3を占める最も多量に存在する生体成分である。I型コラーゲンは、腱や骨をはじめとして広く結合組織に分布し、身体の形態や強度を維持する機能を有している。皮膚重量の70%を占めるI型コラーゲンは皮膚真皮の主要な構成成分である。
線維芽細胞内で合成されたコラーゲンの前駆体プロコラーゲンは、両末端に親水性のドメインを持っているが、細胞外でプロセッシング酵素のADAMTS2及びBMP1により切断される(非特許文献1)。この切断酵素によるプロセッシングの過程はコラーゲン線維形成に必須の過程であることが知られている。
ADAMTS2は、a disintegrin-like and metalloprotease reprolysin type with thrombospondin type 1 motif, 2(GeneID:9509)を、BMP1は、bone morphogenetic protein1(GeneID:649)を指し、プロコラーゲンのプロセッシング酵素として知られている(非特許文献1)。ここで、GeneIDは、「NCBI Entrez Gene」における遺伝子IDを表す 。
ADAMTS2の遺伝子変異は、皮膚・関節の過伸展性を特徴とするエーラスダンロス症候群の原因の1つとして知られており(非特許文献2)、またBMP1の遺伝子変異は、進行性の骨変性等を示す先天性疾患である骨形成不全症の原因の1つとして報告されている(非特許文献3)。いずれの病態においても不定形なコラーゲンの蓄積が起こることから、ADAMTS2及びBMP1はコラーゲンの質を保つ上では重要な因子であることが推測される。
コラーゲンは、生理的老化及び光老化に伴い合成量が低下すること、また紫外線や活性酸素によりダメージを受けて変性し、線維構造に乱れが生じることが報告され(非特許文献4、5、6、7)、結果としてシワ、タルミに至ると考えられる。従来、コラーゲンを補うことを目的として、コラーゲンを配合した化粧料もしくはコラーゲン合成促進剤が数多く提案されているが、プロコラーゲンのプロセッシングに着目したコラーゲン線維の形成促進については知られていなかった。
オウバク(黄柏)は、ミカン科のキハダ又はその他同族植物の樹皮を乾燥したものであり、消炎、健胃等の効能を持つ生薬として古くから知られている。また、近年、オウバクのエタノール抽出物には、繊維芽細胞におけるコラーゲン分子(プロコラーゲン)の合成促進活性があることが報告されている(特許文献1)。
しかしながら、オウバクの抽出物の活性炭処理物に、プロコラーゲンのプロセッシング促進作用、コラーゲン線維形成促進作用があることはこれまでに知られていない。
特開2001-206835号公報
J Cell Sci. 2005 Apr 1;118(Pt 7):1341-53. J Invest Dermatol. 2004 Oct;123(4):656-63 Hum Mutat. 2012 Feb;33(2):343-50 Am J Pathol. 2006 Jun;168(6):1861-8. Am J Pathol. 2004 Sep;165(3):741-51. Br J Dermatol. 1987 Oct;117(4):419-28. Am J Pathol. 2009 Jan;174(1):101-14 Arch Histol Cytol. 2008 May;71(1):37-44.
本発明は、プロコラーゲンのプロセッシングを促進し、コラーゲン線維の形成促進に有用な医薬品、医薬部外品、化粧品又はこれらに配合する素材を提供することに関する。
本発明者らは、安全性の高い植物素材の中から、オウバク抽出物の活性炭処理物がプロコラーゲンのプロセッシング酵素であるADAMTS2及びBMP1の発現を促進して、コラーゲン線維の形成を促進する作用を有し、これが皮膚のタルミやハリの改善、皮膚のシワの改善のために有用であることを見出した。
すなわち、本発明は以下の1)~6)に係るものである。
1)活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするプロコラーゲンプロセッシング促進剤。
2)活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするBMP1発現促進剤。
3)活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするADAMTS2発現促進剤。
4)活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするコラーゲン線維形成促進剤。
5)活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とする皮膚のタルミ予防又は改善剤。
6)活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とする皮膚のシワ予防又は改善剤。
本発明によれば、コラーゲン線維の形成を促進しコラーゲンの質的低下を防ぐことができ、皮膚弾力性の向上、皮膚のタルミの抑制又は回復、ハリの維持又は回復、皮膚引き締め効果、皮膚のシワ改善効果等の効果を発揮する、医薬品、医薬部外品、化粧品又はこれらに配合する素材が提供される。
活性炭処理オウバク抽出物のコラーゲン線維形成促進作用。
本発明の「オウバク」は、キハダ(学名:Phellodendoron amurense Ruprecht)又はその他同族植物(ミカン科;Rutaceae)の周皮を除いた乾燥樹皮である。尚、本発明では乾燥前の樹皮も「オウバク」に準ずるものとして使用することが可能である。
本発明のオウバク抽出物としては、オウバクを常温又は加温下にて抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出すること等、公知の抽出方法により得られる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液又はその乾燥末が挙げられる。
公知の抽出方法としては、例えば、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界抽出、超音波抽出及びマイクロ波抽出等が挙げられる。
当該抽出物を得るために用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類等が挙げられ、これらは単独又は混合物として用いることができる。このうち、水、アルコール系(アルコール類及び/又は多価アルコール類)溶剤、及び水-アルコール系混合溶剤を用いるのが好ましく、水-アルコール系混合溶剤が好ましい。さらに、アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールがより好ましく、エタノールがさらに好ましい。また、多価アルコール類としてはブチレングリコールがより好ましい。
より好適な水-アルコール系混合溶剤としては、20%(v/v)以上、好ましくは30%(v/v)以上、そして95%(v/v)以下、80%(v/v)以下のエタノール水溶液が挙げられる。例えば、20~95%(v/v)エタノール水溶液、好ましくは30~80%(v/v)エタノール水溶液が挙げられる。
本発明のオウバク抽出物は、例えば、乾燥樹皮1質量部に対して1~50質量部の抽出溶剤を用い、4~100℃にて0.5時間~30日間抽出することにより行うことができる。より具体的には、抽出溶剤として水を用いる場合には、乾燥樹皮1質量部に対して5~30質量部、40~100℃にて1時間~1日間が好ましい。また、抽出溶剤として水-エタノール混合溶剤を用いる場合には、乾燥樹皮1質量部に対して5~30質量部、室温~還流下で1時間~20日間が好ましい。また、これらの作業を繰り返し行っても良い。
上記の抽出物は、そのまま用いることもできるが、当該抽出物を希釈、濃縮若しくは凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。また、前記抽出処理物の他、市販品を用いても良い。
本発明において、オウバク抽出物は、以上の抽出条件による抽出処理の後、活性炭処理が施される。
活性炭処理に用いる活性炭としては、松等の木、竹、椰子殻、胡桃殻等の植物質のほか、石炭質、石油質等を原材料としても良い。また、上記活性炭の原材料に水蒸気や二酸化炭素、空気等のガスを使う高温炭化法等の物理的な方法や塩化亜鉛等の化学薬品を使って処理した上で加熱し、多孔質にしたものや、化学的な方法による活性化処理を施して得られるもの等を利用しても良い。本発明では、安全性の観点から、植物質を原材料とする活性炭が好ましく用いられる。
活性炭の形状としては顆粒状~微粉末まで様々の粒子径のものがあるが、吸着能力から微粉末が望ましい。その細孔構造の直径ピークは、0.01nm~500nm付近が好ましく、より好ましくは0.1nm~50nm付近、さらに好ましくは1nm~10nm付近である。
活性炭の使用量は、抽出物の固形分1質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、且つ20質量部以下が好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。また、抽出物の固形分1質量部に対して0.01~20質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.1~10質量部、さらに好ましくは1~5質量部である。
活性炭による処理時間は、1分~10時間が好ましく、より好ましくは10分~5時間、さらに好ましくは30分~3時間である。また、処理温度は、一般的には5~80℃の範囲が好ましく、より好ましくは10~50℃の範囲である。
活性炭処理の方法は、特に限定されないが、粉末状又は粒状の活性炭をオウバク抽出物に添加、撹拌した後、当該活性炭を除去する方法、オウバク抽出物を活性炭カラムに流して処理する方法、あるいは活性炭を含む濾紙やカートリッジフィルターにオウバク抽出物を通す方法等が通常用いられるが、吸着効率の観点から、抽出物に活性炭を添加して、撹拌する処理が好ましい。
また、本発明の活性炭処理オウバク抽出物を調製するに当たっては、上記活性炭処理に加えて、イオン交換樹脂等を用いた吸着処理、及び限外濾過処理等の処理を組み合わせて不活性な夾雑物を除去して用いることができる。
後記実施例で示すとおり、本発明の活性炭処理オウバク抽出物は、培養線維芽細胞において、プロコラーゲンのプロセッシング酵素であるADAMTS2及びBMP1のmRNAの発現を促進し、コラーゲン線維形成を促進する作用を有する。また、コラーゲン線維形成が促進されることにより、真皮結合組織を収縮させ、引き締め、弾力性を増加させることができると考えられる(非特許文献8)。
したがって、活性炭処理オウバク抽出物に、ADAMTS2及びBMP1の発現促進作用、コラーゲン線維形成促進作用があったことは、活性炭処理オウバク抽出物が、真皮結合組織をより収縮させ、引き締め強度を増加させることができ、老化等により低下した皮膚の弾力性を向上させ、皮膚のタルミやシワの抑制や回復、ハリの維持又は回復に有効であると云える。
よって、本発明の活性炭処理オウバク抽出物は、プロコラーゲンプロセッシング促進剤、BMP1発現促進剤、ADAMTS2発現促進剤、コラーゲン線維形成促進剤、皮膚のタルミ予防又は改善剤、皮膚のシワ予防又は改善剤(「プロコラーゲンプロセッシング促進剤等」と称する)となり得、また、プロコラーゲンプロセッシング促進剤等を製造するために使用することができる。すなわち、本発明のプロコラーゲンプロセッシング促進剤等は、皮膚の弾力性やハリが低下し、タルミやシワが気になるヒトに適用して、皮膚弾力性改善、皮膚のタルミの予防又は改善、皮膚引き締め、皮膚のシワの予防又は改善、或いは皮膚老化の予防又は改善のために使用することができる。
ここで、ヒトに対する使用は、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
当該プロコラーゲンプロセッシング促進剤等は、それ自体、皮膚の弾力性改善、皮膚のタルミの予防又は改善、皮膚引き締め、皮膚のシワの予防又は改善、或いは皮膚老化予防又は改善のための、化粧品、医薬品部外品、医薬品であってもよく、又は当該化粧品、医薬部外品、医薬品等に配合して使用される素材又は製剤であってもよい。
本明細書において、「プロコラーゲンプロセッシング」とは、コラーゲンの前駆体であるプロコラーゲンがプロセッシング酵素(ADAMTS2、BMP1)によって、その両末端に存在する親水性ドメインが切断される過程を意味する。
また、「ADAMTS2の発現促進」とはADAMTS2 mRNAへのADAMTS2遺伝子の転写を誘導又は促進すること、ADAMTS2タンパク質へのADAMTS2 mRNAの翻訳を誘導又は促進することが挙げられ、「BMP1の発現促進」とは、BMP1 mRNAへのBMP1遺伝子の転写を誘導又は促進すること、BMP1タンパク質へのBMP1 mRNAの翻訳を誘導又は促進することが挙げられる。
本明細書において、「コラーゲン線維の形成」とは、プロセッシングによってプロコラーゲンの両末端に存在する親水性ドメインが切断されたコラーゲン分子同士が一定間隔ごとに規則的にずれて結合することによりできる線維(コラーゲン細線維)の形成を意味する。
本明細書において、「皮膚弾力性改善」には、皮膚の弾性の向上や加齢等による皮膚の弾性低下の抑制が包含され、「皮膚のタルミ予防又は改善」には、皮膚の弾性低下に伴って生じる皮膚のタルミの抑制や回復、ハリの回復や維持、シワの減少やシワの増加の抑制が包含される。
活性炭処理オウバク抽出物を含有する化粧品、医薬部外品又は医薬品は、好適には皮膚外用剤の形態で、具体的には、軟膏、乳化化粧料、クリーム、乳液、ローション、ジェル、エアゾール等の種々の形態で用いることができる。
斯かる製剤は、それぞれ一般的な製造法により、直接又は製剤上許容し得る担体、例えば、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、アルコール、水、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、乳化安定剤、pH調整剤、色素、香料等とともに混合、分散した後、所望の形態に加工することによって得ることができる。また、これらの化粧品、医薬部外品又は医薬品等には、それぞれの製剤に応じて、適宜、植物抽出物、殺菌剤、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、清涼剤、抗脂漏剤等を本発明の効果を妨害しない範囲で適宜配合することができる。
当該化粧品、医薬部外品又は医薬品における製剤中の活性炭処理オウバク抽出物の含有量は、一般的に固形分濃度として、0.0000001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.000001質量%以上、さらに好ましくは0.000005質量%以上であり、そして1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。また、固形分濃度として、0.0000001~1質量%の範囲とするのが好ましく、0.000001~0.1質量%とするのがより好ましく、0.000005~0.05質量%とするのがさらに好ましい。
上記化粧品、医薬部外品又は医薬品の外用塗布による投与量は、効果が得られる量であれば特に限定されず、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、成人の皮膚100cm当たり1回の塗布による活性炭処理オウバク抽出物(固形分換算)の投与量として、例えば、好ましくは0.001μg以上、より好ましくは0.005μg以上であり、そして好ましくは100μg以下、より好ましくは20μg以下である。また、0.001~100μgとするのが好ましく、0.005~20μgとするのがより好ましい。また、当該製剤は、任意の塗布計画に従って投与され得るが、1日1回~数回に分け、数週間~数カ月間継続して塗布することが好ましい。このうち、1日2回に分け、6週間以上継続して塗布することがより好ましい。
また、上記化粧品、医薬品又は医薬部外品の適用対象者としては、それを必要とするヒトであれば特に限定されないが、皮膚の弾力性改善、皮膚のタルミやハリの予防又は改善、皮膚のシワの予防又は改善、或いは皮膚引き締めを望むヒトの皮膚部位が好ましく、特に顔面の皮膚が好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするプロコラーゲンプロセッシング促進剤。
<2>活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするBMP1発現促進剤。
<3>活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするADAMTS2発現促進剤。
<4>活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするコラーゲン線維形成促進剤。
<5>活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とする皮膚のタルミ予防又は改善剤。
<6>活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とする皮膚のシワ予防又は改善剤。
<7>プロコラーゲンプロセッシング促進剤を製造するための、活性炭処理オウバク抽出物の使用。
<8>BMP1発現促進剤を製造するための、活性炭処理オウバク抽出物の使用。
<9>ADAMTS2発現促進剤を製造するための、活性炭処理オウバク抽出物の使用。
<10>コラーゲン線維形成促進剤を製造するための、活性炭処理オウバク抽出物の使用。
<11>皮膚のタルミ予防又は改善剤を製造するための、活性炭処理オウバク抽出物の使用。
<12>皮膚のシワ予防又は改善剤を製造するための、活性炭処理オウバク抽出物の使用。
<13>プロコラーゲンプロセッシング促進に使用するための、活性炭処理オウバク抽出物。
<14>BMP1発現促進に使用するための、活性炭処理オウバク抽出物。
<15>ADAMTS2発現促進に使用するための、活性炭処理オウバク抽出物。
<16>コラーゲン線維形成促進に使用するための、活性炭処理オウバク抽出物。
<17>皮膚のタルミ予防又は改善に使用するための、活性炭処理オウバク抽出物。
<18>皮膚のシワ予防又は改善に使用するための、活性炭処理オウバク抽出物。
<19>活性炭処理オウバク抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取するBMP1発現促進方法。
<20>活性炭処理オウバク抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取するADAMTS2発現促進方法。
<21>活性炭処理オウバク抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取するコラーゲン線維形成促進方法。
<22>活性炭処理オウバク抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する皮膚のタルミ予防又は改善方法。
<23>活性炭処理オウバク抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する皮膚のシワ予防又は改善方法。
<24>前記<7>~<12>及び<19>~<23>において、使用又は方法は非治療的な使用又は非治療的な方法である。
<25>前記<1>~<24>において、オウバク抽出物を得るための抽出溶剤が、水、アルコール系溶剤(好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、又は水-アルコール系混合溶剤であり、好ましくは水-エタノール混液である。
<26>前記<1>~<25>において、活性炭処理は、粉末状又は粒状の活性炭をオウバク抽出物に添加、撹拌した後、当該活性炭を除去するものである。
<27>前記<1>~<12>のBMP1発現促進剤、ADAMTS2発現促進剤、コラーゲン線維形成促進剤、皮膚のタルミ予防又は改善剤又は皮膚のシワ予防又は改善剤において、製剤中の活性炭処理オウバク抽出物の含有量は、一般的に固形分濃度として、好ましくは0.0000001質量%以上、より好ましくは0.000001質量%以上、さらに好ましくは0.000005質量%以上であり、そして好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。また、固形分濃度として、好ましくは0.0000001~1質量%、より好ましくは0.000001~0.1質量%、さらに好ましくは0.000005~0.05質量%である。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
製造例1 活性炭処理オウバク抽出物の製造
オウバク(キハダ樹皮)1.0kgに50%(v/v)エタノール水溶液10Lを加え、室温で7日間抽出後、濾過してオウバク抽出液(活性炭未処理オウバク抽出物)を得た(蒸発残分:1.2(w/v%))。得られた抽出液に、固形分の3倍量の活性炭(大阪ガスケミカルズ社、白鷲A(細孔構造のピーク直径2nm))を加え、室温下で1時間撹拌処理した後ろ過した。得られたろ液を冷温(4℃前後)下で1週間静置し、析出した不溶成分を除去してオウバク抽出物の活性炭処理品(活性炭処理オウバク抽出物)を得た(蒸発残分:0.19(w/v%))。
実施例1 プロコラーゲンプロセッシング促進作用
ウシ胎児血清(FBS)を10%含む最少必須培地(MEM)を用いて37℃、5%CO条件下で定法に従い培養した新生児由来皮膚線維芽細胞を、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物(以降、アスコルビン酸と表記)含有MEMにて12ウェルプレートに2.5×10cells/mL/ウェルの細胞密度で播種した。翌日、FBS濃度を0.6%に減じた培地にて培地交換するとともに、製造例1で調製したオウバク抽出物の活性炭処理品(活性炭処理オウバク抽出物)を添加した。添加48時間後(ADAMTS2の場合は添加72時間後)、培地を除き、RNeasy kit(QIAGEN社)の細胞溶解bufferを用いて細胞を溶解し、同kit添付のプロトコルに従いtotal RNAを抽出した。次にHigh-Capacity cDNA Archive kit(Applied Biosystems社)を用いて、逆転写反応により(反応条件:25℃-10分、37℃-120分)cDNAを得た。得られたcDNAを用い、リアルタイムPCRによりADAMTS2 mRNA、BMP1 mRNA及びI型コラーゲン遺伝子(COL1A1)mRNAの発現解析を行った。具体的には、Taqman probeの目的遺伝子を用いてアプライドバイオシステムズ社StepOnePlusのプロトコルに従い発現解析を行った。使用したTaqman probe(Life technologies社製)は以下の通りである。
ADAMTS2:Hs01029111_mL
BMP1:Hs00241807_mL
COL1A1:Hs00164004_mL
これらのmRNA発現量は内部標準遺伝子(ADAMTS2及びBMPIではGAPDHを、COL1A1では18Sを内部標準遺伝子として使用)の発現量で補正し数値化した。
結果を表1に示す。抽出物添加群における各遺伝子のmRNA発現量は、コントロールの発現量を100としたときの相対値として示した。
Figure 0007053169000001
上記の通り、活性炭処理オウバク抽出物に、プロコラーゲンのプロセッシングに係るADAMTS2及びBMP1の発現亢進作用が認められた。一方、活性炭処理オウバク抽出物はプロコラーゲンの合成に係るCOL1A1の発現には影響しなかった。
比較例1
FBSを10%含むMEMを用いて37℃、5%CO条件下で定法に従い培養した新生児由来皮膚線維芽細胞を、アスコルビン酸含有MEMにて12ウェルプレートに2.5×10cells/mL/ウェルの細胞密度で播種した。翌日、FBS濃度を0.6%に減じた培地にて培地交換するとともに、製造例1で得た活性炭未処理オウバク抽出物を添加した。添加後48時間後、培地を除き、実施例1と同様にtotal RNAを抽出し、逆転写反応によりcDNAを得た。得られたcDNAを用い、実施例1と同様にリアルタイムPCRによりADAMTS2 mRNA、BMP1 mRNAの発現解析を行った。これらのmRNA発現量は内部標準遺伝子(RPLP0を内部標準遺伝子として使用)の発現量で補正し数値化した。
結果を表2に示す。抽出物添加群における各遺伝子のmRNA発現量は、コントロールの発現量を100としたときの相対値として示した。
Figure 0007053169000002
表2より、活性炭未処理オウバク抽出物は、プロコラーゲンのプロセッシングに係るADAMTS2及びBMP1共にその発現を促進しなかった。
実施例2 コラーゲン線維形成促進作用
アスコルビン酸含有DMEMを用い、4ウェルチャンバーに新生児由来皮膚線維芽細胞を1.2×10cells/mL/ウェルの密度で播種した。翌日、FBS濃度を2%に減じた培地にて培地交換するとともにオウバク活性炭処理品を0.1v/v%添加し培養した。適宜培地交換を行い、添加6日後に培地を吸引除去しPBSで細胞表面を洗浄後、4%パラホルムアルデヒド/PBSで細胞を固定した。固定した細胞の表面をPBSで洗浄した後、DAKO Protein Block Serum-Freeで10分間処理した。1%ウシ血清アルブミン(BSA)/PBSで100倍希釈したヒト1型コラーゲン抗体(Purified Rabbit anti-Human Collagen Type1;CEDARLANE社)を60分間反応させた後、細胞表面をPBSで洗浄し、次いで1%BSA/PBSで100倍希釈した蛍光標識2次抗体(Goat anti-Rabbit Secondary Antibody,Dylight488;ThermoFisher SCIENTIFIC社)を60分間反応させた。PBS洗浄、褪色防止用封入剤とカバーガラスで細胞を封入した。共焦点顕微鏡による観察を行い(励起波長:488nm、観察波長:521nm)、同時にウェル内5か所をランダムに撮影し、それぞれの蛍光強度を数値化(算術平均輝度)することで半定量的な評価を実施した。結果を図1に示す。
図1に示すとおり、活性炭処理オウバク抽出物により細胞表面のコラーゲン線維形成の促進が認められた。

Claims (4)

  1. 活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするプロコラーゲンプロセッシング促進剤。
  2. 活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするBMP1発現促進剤。
  3. 活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするADAMTS2発現促進剤。
  4. 活性炭処理オウバク抽出物を有効成分とするコラーゲン線維形成促進剤。
JP2017111739A 2017-06-06 2017-06-06 プロコラーゲンプロセッシング促進剤 Active JP7053169B2 (ja)

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