JP7050579B2 - フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法に関する。
近年の省エネルギーの意識向上や次世代省エネ基準の義務化などにより、住宅の高い断熱性、気密性が求められてきている。このような中、発泡プラスチック系断熱材が注目されており、中でも高い断熱性能を持つフェノール樹脂発泡体積層板が、難燃性、耐熱性を持ち合わせていることから建築材料や産業資材として好ましく利用されている。
ところでこのような発泡体積層板は、壁や床に沿って施工するため、厚み方向に反りが発生することは好ましくない。しかしながら、高温下に一定期間にわたって保管されるような環境においては、反りが発生してしまうことがある。特に、表面に紙面材が積層された発泡体積層板においては、その吸湿性の高さから、高温時に、フェノール樹脂発泡体積層板の上下表層間の乾燥収縮差が発生しやすく反り易かった。
フェノール樹脂発泡体積層板の反りに対する解決方法としては、例えば、一方の面からの加熱によって発生する反りを抑制する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、フェノール樹脂発泡体積層板が高温下で保管された場合には、この方法では反りの抑制が不十分であった。
特許第6159468号
本発明は高温下で保管しても反りが抑制されるフェノール樹脂発泡体積層板を提供するものである。
即ち本発明は以下の[1]~[4]を提供する。
[1]密度が20kg/m以上100kg/m以下、独立気泡率が80%以上、平均気泡径が50μm以上300μm以下である板状のフェノール樹脂発泡体と、前記フェノール樹脂発泡体の厚み方向の互いに対向する両面にそれぞれ設けられた第1の面材及び第2の面材とを備えたフェノール樹脂発泡体積層板であって、
前記第1の面材及び前記第2の面材が紙類であり、前記第1の面材及び前記第2の面材と、前記フェノール樹脂発泡体とが共存する部分が存在し、かつ、前記フェノール樹脂発泡体と前記第1の面材との剥離強度P1、前記フェノール樹脂発泡体と前記第2の面材との剥離強度P2とが下記の式を満たすフェノール樹脂発泡体積層板。
0.70≦P1/P2≦1.43
[2]前記第1の面材及び前記第2の面材の目付量は、15~200g/m である[1]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[3]前記フェノール樹脂発泡体の10℃の環境下における熱伝導率が0.0180W/m・K以下であり、23℃の環境下における熱伝導率が0.0190W/m・K以下である[1]又は[2]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[4]フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒及び発泡剤を含む発泡性フェノール樹脂組成物を挟む上面材および下面材間で発泡及び硬化させる発泡硬化工程を含み、
前記発泡硬化工程において、吐出された前記発泡性フェノール樹脂組成物が前記下面材に接触する第1の時点t1と、前記上面材に接触する第2の時点t2と、の差が100秒以下であり、前記下面材において第1の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が第1のコンベアに接する第3の時点t3と、前記上面材において第2の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が前記第1のコンベアに対向する第2のコンベアに接する第4の時点t4と、の差が450秒以下である、[1]~[3]のいずれか一つのフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
本発明によれば、高い断熱性能を有すると共に高温下で保管した際の厚み方向の反り量を抑制したフェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法に含まれる発泡硬化工程を行う製造装置の一部の概略構成を示す構成図である。 図1におけるノズルから吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が下面材に接触してから上面材に接触するまでの時間経過を説明するためのノズル及びローラー周辺の拡大図である。 図1における第1のコンベア及び第2のコンベア間において、積層体が第1のコンベアに接触してから第2のコンベアに接触するまでの時間経過を説明するための、第1のコンベア及び第2のコンベアの入口近傍の拡大図である。 反り評価試験における評価方法を説明するための、対角頂点を糸で結んだフェノール樹脂発泡体積層板の厚さ方向に沿った断面図である。
以下、本発明のフェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法の実施形態について説明する。
(フェノール樹脂発泡体積層板)
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、フェノール樹脂と、界面活性剤と、硬化触媒と、発泡剤とを含有する発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させた、板状のフェノール樹脂発泡体と、当該フェノール樹脂発泡体の互いに対向する両面にそれぞれ設けられた第1の面材と第2の面材とを備えた積層板である。なお、本願明細書における、発泡性フェノール樹脂組成物の一成分としてのフェノール樹脂は、特に区別しない限り、フェノール類及びアルデヒド類の合成により、純粋なフェノール樹脂と共に生成され、脱水後も残留する水分などを含むフェノール樹脂原料である。
(フェノール樹脂)
本実施形態におけるフェノール樹脂は、典型的には、フェノール類とホルムアルデヒド類との縮合重合体である。係るフェノール樹脂は、例えば、フェノール類とホルムアルデヒド類を原料として、アルカリ触媒により40℃以上、100℃以下の温度範囲で加熱してこれらを重合させることによって得られる。
ここで、本実施形態においてフェノール樹脂合成の際に好ましく使用されるフェノール類は、フェノール自体、及び他のフェノール類であり、他のフェノール類の例としては、レゾルシノール、カテコール、o-、m-及びp-クレゾール、キシレノール類、エチルフェノール類、p-tertブチルフェノール等が挙げられる。また、2核フェノール類も使用できる。
また、アルデヒド類は、アルデヒド源となり得る化合物であればよく、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド自体、及び他のアルデヒド類やその誘導体を用いることが好ましい。他のアルデヒド類の例としては、グリオキサール、アセトアルデヒド、クロラール、フルフラール、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
(フェノール樹脂の重量平均分子量)
重合によって得られるフェノール樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量(Mw)は、通常400以上3000以下であることが好ましく、より好ましくは500以上2500以下であり、更に好ましくは700以上2500以下であり、特に好ましくは1000以上2000以下であり、最も好ましくは1500以上2000以下である。
(フェノール樹脂の分子量分布)
本実施形態におけるフェノール樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以上6.0以下であることが好ましく、2.0以上5.5以下であることがより好ましく、2.2以上5.0以下であることが更に好ましく、2.7以上4.5以下であることが特に好ましく、3.0以上4.0以下が最も好ましい。
(フェノール樹脂粘度)
本実施形態における発泡性フェノール樹脂組成物の一成分としてのフェノール樹脂の粘度は、40℃において5000mPa・s以上50000mPa・s以下であることが好ましい。粘度は、より好ましくは7000mPa・s以上40000mPa・s以下であり、更に好ましくは7000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、特に好ましくは7000mPa・s以上20000mPa・s以下である。
(界面活性剤)
界面活性剤は一般にフェノール樹脂発泡体の製造に使用されるものを使用できるが、中でもノニオン系の界面活性剤が効果的である。界面活性剤は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体であるポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド)、アルキレンオキサイドとヒマシ油との縮合物、アルキレンオキサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合物、アルキルエーテル部分の炭素数が14~22のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン化合物、及びポリアルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。これらの化合物は単独で用いられてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いられてもよい。界面活性剤の量は、特に制限はないが、好ましくは、フェノール樹脂100質量部に対して0.3以上、10質量部以下である。
(硬化触媒)
硬化触媒としては、フェノール樹脂を硬化できる酸性の硬化触媒であればよいが、無水酸硬化触媒が好ましい。無水酸硬化触媒としては、無水リン酸及び無水アリールスルホン酸が好ましい。無水アリールスルホン酸としては、トルエンスルホン酸やキシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、置換フェノールスルホン酸、キシレノールスルホン酸、置換キシレノールスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。これらを一種類で用いても、二種類以上組み合わせてもよい。また、硬化助剤として、レゾルシノール、クレゾール、サリゲニン(o-メチロールフェノール)、p-メチロールフェノール等を添加してもよい。また、これらの硬化触媒を、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒で希釈してもよい。硬化触媒の量は、特に制限はないが、好ましくは、フェノール樹脂と界面活性剤との合計量100質量部に対して3以上、30質量部以下である。
(発泡剤)
本実施形態のフェノール樹脂発泡体中の発泡剤としては、塩素化ハイドロフルオロオレフィン又は非塩素化ハイドロフルオロオレフィン、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを用いることができる。
塩素化又は非塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、及び1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン等が使用できる。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば塩素化炭化水素として、ジクロロエタン、プロピルクロライド、イソプロピルクロライド、ブチルクロライド、イソブチルクロライド、ペンチルクロライド、イソペンチルクロライド等、炭素数が2~5であるものが好ましく用いられる。
この他にも、例えばフッ素化炭化水素としてジフルオロメタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン、1,1,1-トリフルオロエタン、1,1,2,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1-ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン等が使用できる。その中で、オゾン破壊係数が低く、環境適合性に優れるイソプロピルクロライドは特に好ましく用いられる。
炭化水素としては、例えば、炭素数が3~7の環状または鎖状のアルカン、アルケン、アルキンを発泡剤として用いることができる。具体的には、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、シクロヘキサン等が好ましく用いられる。その中でも、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン及びネオペンタン等のペンタン類、並びにノルマルブタン、イソブタン及びシクロブタン等のブタン類から選ばれる化合物が好ましい。
(発泡性フェノール樹脂組成物中の発泡剤添加量)
本実施形態の発泡性フェノール樹脂組成物における発泡剤の添加量は、フェノール樹脂と界面活性剤の合計量100質量部に対して、好ましくは3.0質量部以上、25.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以上、20.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以上、15.0質量部以下、特に好ましくは7.0質量部以上、13.0質量部以下である。
(発泡核剤)
本実施形態においては、発泡性フェノール樹脂組成物に、発泡核剤を含有させることが好ましい。発泡核剤としては、主に、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気などの、発泡剤よりも沸点が50℃以上低い低沸点物質のような気体発泡核剤を用いることができる。また、水酸化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、炭酸カルシウム粉、タルク、はくとう土(カオリン)、珪石粉、珪砂、マイカ、珪酸カルシウム粉、ワラストナイト、ガラス粉、ガラスビーズ、フライアッシュ、シリカフューム、石膏粉、ホウ砂、スラグ粉、アルミナセメント、ポルトランドセメント等の無機粉、および、フェノール樹脂発泡体の粉砕粉のような有機粉のような固体発泡核剤を添加することもできる。これらは、単独で使用してもよいし、気体及び固体の区別なく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。発泡核剤の添加タイミングは、発泡性フェノール樹脂組成物を混合する混合機内に供給されていればよく、任意に決めることができる。
本実施形態における気体発泡核剤の発泡剤に対する添加量は、発泡剤の量を100質量%として、0.2質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。また、固体発泡核剤の発泡剤に対する添加量は、フェノール樹脂および界面活性剤との合計100質量部に対して、3.0質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以上8.0質量部以下であることがより好ましい。
(その他、添加物)
本実施形態の発泡性フェノール樹脂組成物は、説明した成分の他に、添加剤を含有していてもよい。添加剤として尿素を添加する場合は、一般的に知られているようにフェノール樹脂の反応の途中または終点付近のタイミングで尿素を反応液に直接添加してもよいし、予めアルカリ触媒でメチロール化した尿素をフェノール樹脂と混合してもよい。尿素以外の添加剤としては、例えば、可塑剤として一般的に用いられているフタル酸エステル類、及び、グリコール類であるエチレングリコール、ジエチレングリコールなどを用いることができる。また、脂肪族炭化水素、高沸点の脂環式炭化水素、またはそれらの混合物を添加剤として用いてもよい。添加剤の含有量はフェノール樹脂100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下が望ましい。これら添加剤が20質量部以下であると、フェノール樹脂の粘度が最適となり、発泡、硬化時の破泡を防ぐ傾向にある。添加剤が0.5質量部以上であると添加剤の効果が現れる傾向にある。
(面材)
フェノール樹脂発泡体を挟む第1の面材および第2の面材は、シート状の基材であり、生産時の面材破断を防止する目的で、可撓性を有していることが好ましい。可撓性を有する面材としては、合成繊維不織布、合成繊維織布、ガラス繊維紙、ガラス繊維織布、ガラス繊維不織布、ガラス繊維混抄紙、紙類、金属フィルムが挙げられる。
発泡時の発泡性フェノール樹脂組成物の面材への滲み出し、及び発泡性フェノール樹脂組成物と面材との接着性の観点から、面材に紙面材を用いる場合、その目付け量は好ましくは15~200g/m2、より好ましくは15~150g/m2、更に好ましくは15~100g/m2、特に好ましくは15~80g/m2、最も好ましくは15~60g/m2である。
なお、フェノール樹脂発泡体の互いに対向する両面にそれぞれ設けられた第1の面材と第2の面材の種類、厚さ、目付量が全て同様の場合は、発泡性フェノール樹脂組成物の面材への染み込みの程度に差が生じ難いため、面材内に保持される量をコントロールしやすくなるため、好ましい。
[製造方法]
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、吐出工程、被覆工程、及び発泡硬化工程を含む。吐出工程において、発泡性フェノール樹脂組成物をノズルより吐出する。被覆工程において、吐出された発泡性フェノール樹脂組成物に上方から面材により被覆する。その後、発泡硬化工程において、上下面材に挟まれた発泡性フェノール樹脂組成物をコンベアと雰囲気温度の加温によって発泡、及び硬化させる。以下、図面に従って説明する。
(吐出工程)
吐出工程において、下面材上に発泡性フェノール樹脂組成物を吐出する方法は、特に限定されない。例えば、本実施形態における吐出工程では、図1に示すように、下面材10を走行させている製造ラインのTD方向に並んだ複数のノズル11から発泡性フェノール樹脂組成物12を吐出させる。
(被覆工程)
被覆工程において、例えば、以下の方法により、発泡性フェノール樹脂組成物12に上面材13を被覆させる。下面材10の走行方向におけるノズル11の下流には、下面材10に平行かつ当該走行方向に垂直な方向を軸に回動可能なロール14が設けられている。製造装置15において、上面材13は、下面材10及びロール14の間を通過した後、下面材10と同じ走行方向に走行する。ノズル11から吐出された発泡性フェノール樹脂組成物12は、最初に、走行している下面材10に接触する。下面材10に接触した発泡性フェノール樹脂組成物12は、下面材10とともに、ロール14の位置に進行する。ロール14は、上面材13を発泡性フェノール樹脂組成物12の上に被覆させる。下面材10及び上面材13を発泡性フェノール樹脂組成物12に被覆することにより、下面材10、上面材13、及び発泡性フェノール樹脂組成物12からなる積層体が形成される。なお、下面材10及び上面材13の一方及び他方は、それぞれフェノール樹脂発泡体積層板の第1の面材及び第2の面材に対応する。
図2に示すように、連続的に吐出され続ける発泡性フェノール樹脂組成物12の中の任意の時点で吐出された部分16は、第1の時点t1で下面材10に接触する。当該部分16は、下面材10によって、走行方向に移動して、第1の時点t1より後の第2の時点t2において、走行方向におけるロール14の位置近傍で上面材13に接触する。
本実施形態において、第1の時点t1及び第2の時点t2の差は100秒以下である。好ましくは70秒以下、より好ましくは40秒以下、更に好ましくは20秒以下である。上述の時間差が100秒を超えると、下面材10側に浸透する発泡性フェノール樹脂組成物12が多くなりすぎてしまう。またその一方で、上面材13が接触する時には発泡性フェノール樹脂組成物12の硬化反応が進行し、粘度が高くなりすぎているために発泡性フェノール樹脂組成物12が上面材13に十分に浸透しなくなる。その結果、下面材10及び上面材13の間で面材内に共存するフェノール樹脂発泡体に偏りが生じてしまう。それゆえ、上述の時間差が100秒を超えることは好ましくない。
(発泡硬化工程)
被覆工程にて、下面材10及び上面材13に挟まれた発泡性フェノール樹脂組成物12は、続いて発泡硬化工程へと送られる。発泡硬化工程では、例えば、以下の方法により、積層体内の発泡性フェノール樹脂組成物12を発泡及び硬化させる。
図1に示すように、発泡硬化工程では、積層体が、第1のコンベア17及び第2のコンベア18の間に送られる。本実施形態においては、走行方向におけるロール14の位置から搬送される積層体における下面材10が第1のコンベア17に接触し、上面材13が第2のコンベア18に接触するように、第1のコンベア17及び第2のコンベア18は構成されている。なお、第1のコンベア17及び第2のコンベア18は、定められた間隔で互いに平行でかつ対向している。本実施形態において、第1のコンベア17及び第2のコンベア18は同じ長さであり、両者の間の積層体を走行方向に搬送する。更に、後述するように、第1のコンベア17及び第2のコンベア18は加熱されており、下面材10及び上面材13に挟まれた発泡性フェノール樹脂組成物12は、ロール14から、第1のコンベア17及び第2のコンベア18に近付くに連れて、雰囲気温度の上昇により発泡して厚みを増していく。
積層体の厚みは、第1のコンベア17及び第2のコンベア18の間に搬送される直前において、第1のコンベア17及び第2のコンベア18の間隔未満である。そのため、本実施形態では、図3に示すように、積層体19の任意の部分20は、第3の時点t3で、下面材10において第1のコンベア17に接触する。第3の時点より後の第4の時点t4で、当該部分20の厚みが第1のコンベア17及び第2のコンベア18の間隔に到達する。
本実施形態において、第3の時点t3及び第4の時点t4の差は450秒以下であり、好ましくは200秒以下、より好ましくは100秒以下、更に好ましくは50秒以下である。上述の時間差が450秒を超えると、先に第1のコンベア17と接触した面材側の発泡性フェノール樹脂組成物12は加熱されて硬化が始まる一方、上面材13内の発泡性フェノール樹脂組成物は、第2のコンベア18と接触するまで増え続けるため、下面材10及び上面材13の間で面材内の発泡性フェノール樹脂組成物12に偏りが生じてしまう。
また、第1のコンベア17及び第2のコンベア18周囲の雰囲気温度は、60℃以上、95℃以下である。雰囲気温度が60℃未満だと、発泡性フェノール樹脂組成物12が必要な発泡倍率を得ることが困難となり、目的としているフェノール樹脂発泡体積層板を得ることができない。また、第1のコンベア17に接触した面材の発泡に伴う厚みの増加により他方の面材が第2のコンベア18に接触するまでに時間を要し、下面材10及び上面材13の間で面材とそれぞれのコンベア17、18が接触するまでの時間差が生じる傾向にある。雰囲気温度が95℃を超えると、発泡性が強まり、破泡を誘発し、気泡径の粗大化を招いて熱伝導率が低下する傾向にある。
本実施形態においては、その後、積層体19は後硬化オーブン、ポストキュアオーブンへと送られ、加熱が行われる。後硬化オーブンでは、80℃以上、110℃以下の雰囲気下で発泡性フェノール樹脂組成物12の硬化が行われる。後硬化オーブン内は全域に渡って均一な温度でなくてよく、複数の温度ゾーンが設けられていてもよい。
ポストキュアオーブンは、90℃以上、120℃以下の熱風を発生させ、後硬化オーブンで部分硬化したフェノール樹脂発泡体の硬化反応を更に進行させるものであることが好ましい。部分硬化したフェノール樹脂発泡体積層板はスペーサー又はトレイを用いて一定の間隔で重ねてもよい。ポストキュアオーブン内の温度が120℃より高いと、発泡体の気泡内部の発泡剤の圧力が高くなり、破泡を誘発する可能性がある。また、ポストキュアオーブンの温度が70℃未満だと、フェノール樹脂の反応を進ませるのに時間がかかるおそれがある。そのため、ポストキュアオーブン内の温度(熱風温度)は80℃以上、110℃以下がより好ましい。
(密度)
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の密度は、20kg/m3以上100kg/m3以下であり、好ましくは20kg/m3以上70kg/m3以下であり、より好ましくは20kg/m3以上40kg/m3以下であり、更に好ましくは20kg/m3以上35kg/m3以下であり、特に好ましくは20kg/m3以上28kg/m3以下である。
密度が20kg/m3よりも低いと強度が低く、運搬又は施工時に発泡体が破損しやすい。また、加熱による収縮応力に耐えることが出来ず、反りが強くなる傾向にある。また、気泡膜が薄くなる傾向にある。気泡膜が薄いと発泡体中の発泡剤が空気と置換し易くなり、発泡時に気泡膜が破れやすくなることから高い独立気泡構造を得ることが困難となり、断熱性能が低下する傾向にある。一方、密度が100kg/m3より高いと、フェノール樹脂をはじめとする固形成分由来の固体の熱伝導が大きくなるために、断熱性能が低下する傾向にある。
(独立気泡率)
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、80%以上であり、好ましくは85%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上である。独立気泡率が80%未満では、気泡に内包された発泡剤が空気と置換しやすくなることから長期間経過後の熱伝導率が高くなったり、気泡膜が破れ易くなることから圧縮強度が低くなったりする傾向がある。また、強度低下により加熱による収縮応力に耐えることが出来ず、反りが強くなる傾向にある。
(平均気泡径)
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の平均気泡径は、50μm以上300μm以下、好ましくは50μm以上250μm以下、より好ましくは60μm以上200μm以下、更に好ましくは80μm以上170μm以下、特に好ましくは100μm以上170μm以下である。平均気泡径が300μmより大きいと気泡内のガスの対流及び気泡膜による熱の遮断が少なくなるため、初期の断熱性能が低下する傾向にある。平均気泡径が50μm未満だと、個々の気泡膜が薄くなることから、圧縮強度が低下する傾向にある。
(熱伝導率)
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の熱伝導率は10℃の環境下で0.0180W/m・K以下であることが好ましく、より好ましくは0.0175W/m・K以下であり、更に好ましくは0.0170W/m・K以下である。なお、下限は特に制限されないが、通常0.014W/m・K程度である。本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体積層板の、23℃の環境下で測定された熱伝導率は、0.0190W/m・K以下であることが好ましく、より好ましくは0.0185W/m・K以下であり、更に好ましくは0.0180W/m・K以下である。下限は特に制限されないが、通常0.015W/m・K程度である。熱伝導率の測定方法に関しては、後述する実施例において具体的に説明される。
(剥離強度比)
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体積層板の面材剥離強度比、すなわちフェノール樹脂発泡体と第1の面材との剥離強度P1と、フェノール樹脂発泡体と第2の面材との剥離強度P2との比(P1/P2)は、0.70以上1.43以下であり、好ましくは0.80以上1.30以下、より好ましくは0.90以上1.10以下である。
面材と接触したフェノール樹脂組成物では、面材内に滲み込んで、発泡体となった際には、面材と発泡体が共存する部分が生じる。発泡体は完成時に内部に収縮する応力を有しているので面材は収縮する側に引っ張られるが、第1の面材と第2の面材の内部に共存するフェノール樹脂発泡体が同量であればこの収縮応力に対する抵抗が同等となり、反りも生じ難くなると考えられる。面材剥離強度は面材内に共存するフェノール樹脂発泡体量の指標となり、P1/P2が1に近づくほど、第1の面材と第2の面材とで面材内に共存するフェノール樹脂発泡体が同量に近づき、反りにくくなると考えられる。
(反り量)
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、後述する反り評価試験による反り量が10mm未満であり、好ましくは5mm以下あり、より好ましくは3mm以下である。反り量が10mm以上であると、フェノール樹脂発泡体積層板からなる断熱材を施工する際に、断熱材の寸法通りの施工や柱等へのビス留めが困難となる不具合が生じ、気密性を確保するためのシーリング材や気密テープが剥がれてしまうため好ましくない。また、金属サンドイッチパネル等の複合板においてはフェノール樹脂発泡体積層板と金属が剥離してしまうおそれがあるため、このような観点からも好ましくない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例中のフェノール樹脂、フェノール樹脂発泡体積層板の組成、構造、特性に関して、以下の項目の測定及び評価を行った。
(1)発泡体密度
フェノール樹脂発泡体積層板の発泡密度は、JIS-K-7222に従い測定した。得られたフェノール樹脂発泡体積層板から切り出した20cm角の積層板を試料として用いた。この試料から面材、サイディング材等の表面材を取り除き、残った発泡体試料の質量と見かけ容積を測定し、これらの値から発泡体密度を求めた。
(2)平均気泡径
JIS-K-6402記載の方法を参考に、以下の方法でフェノール樹脂発泡体積層板の平均気泡径を測定した。
フェノール樹脂発泡体積層板の厚み方向におけるほぼ中央を表裏面に平行に切削し、切削断面を50倍に拡大した写真を撮影した。得られた写真の任意の位置に9cmの長さ(実際の発泡体断面における1,800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数の平均値を求めた。平均気泡径は横切った気泡の数の平均値で1,800μmを除すことで算出される値である。
(3)独立気泡率
ASTM-D-2856-94(1998)A法を参考に以下の方法でフェノール樹脂発泡体積層板の独立気泡率を測定した。
発泡体の厚み方向における中央部から、約25mm角の立方体試片を切り出した。発泡体の厚みが薄いために25mmの均質な厚みの試片が得られない場合は、発泡体を25mm角の正方形形状で厚み方向に切出し、切出した立方体の板面の両表面を約1mmずつスライスして、均質な厚みを有する試片を作製した。各辺の長さをノギスにより測定し、見かけ体積(V1:cm3)を計測すると共に試片の質量(W:有効数字4桁,g)を測定した。引き続き、エアーピクノメーター(東京サイエンス社、商品名「MODEL1000」)を使用し、ASTM-D-2856のA法に記載の方法に従い、試片の閉鎖空間体積(V2:cm3)を測定した。また、上述の平均気泡径の測定法に従い気泡径(t:cm)を計測した。既に測定した各辺の長さより、試片の表面積(A:cm3)を算出した。求められたt及びAを式:VA=(A×t)/1.14に代入して、試片表面にある切断された気泡の開孔体積(VA:cm3)を算出した。また、固形フェノール樹脂の密度を1.3g/mlとみなして、試片に含まれる気泡壁を構成する固体部分の体積(VS:cm3)を、式:VS=試片質量(W)/1.3により、算出した。
下記式により独立気泡率を算出した。
独立気泡率(%)=[(V2-VS)/(V1-VA-VS)]×100
同一製造条件で得られた発泡体について6回、独立気泡率を測定し、それらの平均値をその製造条件により得られる発泡体の独立気泡率とした。
(4)初期熱伝導率
JIS A 1412-2:1999に準拠し、以下の方法で10℃と23℃の環境下におけるフェノール樹脂発泡体積層板の初期熱伝導率を測定した。
フェノール樹脂発泡体積層板を600mm角に切断した。切断により得られた試片を23±1℃、湿度50±2%の雰囲気に入れ、24時間ごとに質量の経時変化を測定した。24時間経過での質量変化率が0.2質量%以下になるまで、試片の状態を調節した。状態を調節された試片は、発泡体を傷つけないように面材を剥がしてから、同環境下に置かれた熱伝導率の測定装置に導入された。
熱伝導率の測定は、試験体1枚、熱流計法を用いた測定装置(英弘精機社、商品名「HC-074/600」)を用い行った。10℃の環境下における熱伝導率は、低温板が0℃、高温板が20℃の条件で、23℃の環境下における熱伝導率は、低温板が13℃、高温板が33℃の条件で、それぞれ測定した。
(5)フェノール樹脂またはフェノール樹脂原料の粘度
回転粘度計(東機産業(株)製、R-100型、ローター部は3°×R-14)を用い、40℃で3分間安定させた後の粘度の値を、測定値とした。
(6)重量平均分子量Mw及び、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比Mw/Mn(分子量分布)
以下の条件でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定を行った。得られたクロマトグラムと、後に示す3つの標準物質の溶出時間と分子量の関係によって得られた検量線より、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを求めた。また、これらの値から分子量分布Mw/Mnを算出した。
前処理:
フェノール樹脂約10mgをN,Nジメチルホルムアミド(和光純薬工業株製、高速液体クロマトグラフ用)1mlに溶解し、0.2μmメンブレンフィルターろ過したものを測定溶液として用いた。
測定条件:
測定装置:Shodex System21(昭和電工株式会社社製)
カラム:Shodex asahipak GF-310HQ(7.5mmI.D.×30cm)
溶離液:臭化リチウムを濃度0.1質量%でN,Nジメチルホルムアミド(和光純薬工業株製、高速液体クロマトグラフ用)に溶解した溶液を溶離液として使用した。
流量:0.6ml/分
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
標準物質:標準ポリスチレン(昭和電工株式会社製 Shodex standard SL-105)、2-ヒドロキシベンジルアルコール(シグマアルドリッチ社製 99%品)、フェノール(関東化学株式会社製 特級)
(7)面材剥離強度
島津製作所製のAG-Xplusを用いて測定を行った。得られたフェノール樹脂発泡体積層板を幅25mm、長さ150mmとなるように厚み方向に平行に切り出し、200mm/分の速度で面材の90度剥離試験を85mm剥離長さで実施し、その最大値を測定した。
(8)反り評価
図4に示すように、1000mm×1000mmの大きさに切り出したフェノール樹脂発泡体積層板22を90℃で48時間静置して、その後に常温下で2日間養生した。養生したフェノール樹脂発泡体積層板22の一つの対角頂点間に糸23を張り、糸23からフェノール樹脂発泡体積層板22の板面に向かって垂線24を下した時の最大距離を読み取り、記録した。更にもう一方の対角頂点間にも糸23を張り同様に測定し記録した。上下反転させ同様の測定を行い、これら4つの測定値のうち、最も大きな値を、反りと定義した。なお、対角頂点間に糸を張った際、糸が直線とならなかった場合には、反りは算出しなかった(フェノール樹脂発泡体積層板22が上に凸の状態で測定された場合には対角線間の糸は直線とはならない)。
<フェノール樹脂の合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液(52質量%ホルマリン)3500kgと99質量%フェノール2510kg(不純物として水を含む)を仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで48質量%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.7になるまで加えた後85℃まで昇温して、反応を行わせた。反応液のオストワルド粘度が160平方ミリメートル毎秒(=160mm2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、フェノール樹脂中の尿素含有量が4.6質量%となるように尿素を添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.3になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理し、40℃における粘度が9,800mPa・s、のフェノール樹脂を得た。
(実施例1)
<フェノール樹脂発泡体積層板の製造>
合成したフェノール樹脂100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体とポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルを質量比率でそれぞれ50%ずつ含有する組成物を3.0質量部の割合で、フェノール樹脂に混合した。
その後、フェノール樹脂100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド40質量%と1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン60質量%との混合物6.3質量部、発泡核剤として窒素を発泡剤に対して0.40質量%、更に、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を10質量部を、上述のフェノール樹脂及び界面活性剤の混合物に添加し、30℃に温調した回転数可変式のミキシングヘッドに供給した。最終的な混合物である発泡性フェノール樹脂組成物をトーナメント配管で分配し、移動する面材上に吐出した。吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が上下面材に被覆されるまでの時間差を20秒となるようにし、その後に上下面材、それぞれがコンベアに接触するまでの時間差を50秒となるようにスラッド式ダブルコンベアに送り込んだ。この時の第1のコンベアと第2のコンベアの間隔は50mm、コンベア温度と雰囲気温度は80℃として、15分の滞留時間で発泡、硬化させた。その後、110℃のオーブンで2時間の加熱によりフェノール樹脂組成物を後硬化させて、板状のフェノール樹脂発泡体積層板を得た。面材としては、紙面材、目付量30g/m2を使用した。実施例1のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
(実施例2)
吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が上下面材を被覆されるまでの時間差を90秒としたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。実施例2のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
(実施例3)
第1のコンベアと第2のコンベアの間隔を95mmとしたこと、上下面材がコンベアにそれぞれ接触するまでの時間差を440秒にしたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。実施例3のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
(比較例1)
吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が上下面材を被覆されるまでの時間差を110秒としたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。比較例1のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
(比較例2)
第1のコンベアと第2のコンベアの間隔を100mmとしたこと、上下面材がコンベアにそれぞれ接触するまでの時間差を470秒としたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。比較例2のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
Figure 0007050579000001
10 下面材
11 ノズル
12 発泡性フェノール樹脂組成物
13 上面材
14 ロール
15 製造装置
16 連続的に吐出され続ける発泡性フェノール樹脂組成物中で任意の時点で吐出された部分
17 第1のコンベア
18 第2のコンベア
19 積層体
20 積層体の任意の部分
22 フェノール樹脂発泡体積層板
23 糸
24 垂線

Claims (4)

  1. 密度が20kg/m以上100kg/m以下、独立気泡率が80%以上、平均気泡径が50μm以上300μm以下である板状のフェノール樹脂発泡体と、前記フェノール樹脂発泡体の厚み方向の互いに対向する両面にそれぞれ設けられた第1の面材及び第2の面材とを備えたフェノール樹脂発泡体積層板であって、
    前記第1の面材及び前記第2の面材が紙類であり、前記第1の面材及び前記第2の面材と、前記フェノール樹脂発泡体とが共存する部分が存在し、かつ、前記フェノール樹脂発泡体と前記第1の面材との剥離強度P1、前記フェノール樹脂発泡体と前記第2の面材との剥離強度P2とが下記の式を満たすフェノール樹脂発泡体積層板。
    0.70≦P1/P2≦1.43
  2. 前記第1の面材及び前記第2の面材の目付量は、15~200g/m である、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
  3. 前記フェノール樹脂発泡体の10℃の環境下における熱伝導率が0.0180W/m・K以下であり、23℃の環境下における熱伝導率が0.0190W/m・K以下である、請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
  4. フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒及び発泡剤を含む発泡性フェノール樹脂組成物を挟む上面材及び下面材間で発泡及び硬化させる発泡硬化工程を含み、
    前記発泡硬化工程において、吐出された前記発泡性フェノール樹脂組成物が前記下面材に接触する第1の時点t1と、前記上面材に接触する第2の時点t2と、の差が100秒以下であり、前記下面材において第1の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が第1のコンベアに接する第3の時点t3と、前記上面材において第2の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が前記第1のコンベアに対向する第2のコンベアに接する第4の時点t4と、の差が450秒以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
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