JP7050579B2 - フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 - Google Patents
フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7050579B2 JP7050579B2 JP2018106155A JP2018106155A JP7050579B2 JP 7050579 B2 JP7050579 B2 JP 7050579B2 JP 2018106155 A JP2018106155 A JP 2018106155A JP 2018106155 A JP2018106155 A JP 2018106155A JP 7050579 B2 JP7050579 B2 JP 7050579B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phenol resin
- resin foam
- less
- face material
- foam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
[1]密度が20kg/m3以上100kg/m3以下、独立気泡率が80%以上、平均気泡径が50μm以上300μm以下である板状のフェノール樹脂発泡体と、前記フェノール樹脂発泡体の厚み方向の互いに対向する両面にそれぞれ設けられた第1の面材及び第2の面材とを備えたフェノール樹脂発泡体積層板であって、
前記第1の面材及び前記第2の面材が紙類であり、前記第1の面材及び前記第2の面材と、前記フェノール樹脂発泡体とが共存する部分が存在し、かつ、前記フェノール樹脂発泡体と前記第1の面材との剥離強度P1、前記フェノール樹脂発泡体と前記第2の面材との剥離強度P2とが下記の式を満たすフェノール樹脂発泡体積層板。
0.70≦P1/P2≦1.43
[2]前記第1の面材及び前記第2の面材の目付量は、15~200g/m 2 である[1]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[3]前記フェノール樹脂発泡体の10℃の環境下における熱伝導率が0.0180W/m・K以下であり、23℃の環境下における熱伝導率が0.0190W/m・K以下である[1]又は[2]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[4]フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒及び発泡剤を含む発泡性フェノール樹脂組成物を挟む上面材および下面材間で発泡及び硬化させる発泡硬化工程を含み、
前記発泡硬化工程において、吐出された前記発泡性フェノール樹脂組成物が前記下面材に接触する第1の時点t1と、前記上面材に接触する第2の時点t2と、の差が100秒以下であり、前記下面材において第1の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が第1のコンベアに接する第3の時点t3と、前記上面材において第2の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が前記第1のコンベアに対向する第2のコンベアに接する第4の時点t4と、の差が450秒以下である、[1]~[3]のいずれか一つのフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、フェノール樹脂と、界面活性剤と、硬化触媒と、発泡剤とを含有する発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させた、板状のフェノール樹脂発泡体と、当該フェノール樹脂発泡体の互いに対向する両面にそれぞれ設けられた第1の面材と第2の面材とを備えた積層板である。なお、本願明細書における、発泡性フェノール樹脂組成物の一成分としてのフェノール樹脂は、特に区別しない限り、フェノール類及びアルデヒド類の合成により、純粋なフェノール樹脂と共に生成され、脱水後も残留する水分などを含むフェノール樹脂原料である。
本実施形態におけるフェノール樹脂は、典型的には、フェノール類とホルムアルデヒド類との縮合重合体である。係るフェノール樹脂は、例えば、フェノール類とホルムアルデヒド類を原料として、アルカリ触媒により40℃以上、100℃以下の温度範囲で加熱してこれらを重合させることによって得られる。
重合によって得られるフェノール樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量(Mw)は、通常400以上3000以下であることが好ましく、より好ましくは500以上2500以下であり、更に好ましくは700以上2500以下であり、特に好ましくは1000以上2000以下であり、最も好ましくは1500以上2000以下である。
本実施形態におけるフェノール樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以上6.0以下であることが好ましく、2.0以上5.5以下であることがより好ましく、2.2以上5.0以下であることが更に好ましく、2.7以上4.5以下であることが特に好ましく、3.0以上4.0以下が最も好ましい。
本実施形態における発泡性フェノール樹脂組成物の一成分としてのフェノール樹脂の粘度は、40℃において5000mPa・s以上50000mPa・s以下であることが好ましい。粘度は、より好ましくは7000mPa・s以上40000mPa・s以下であり、更に好ましくは7000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、特に好ましくは7000mPa・s以上20000mPa・s以下である。
界面活性剤は一般にフェノール樹脂発泡体の製造に使用されるものを使用できるが、中でもノニオン系の界面活性剤が効果的である。界面活性剤は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体であるポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド)、アルキレンオキサイドとヒマシ油との縮合物、アルキレンオキサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合物、アルキルエーテル部分の炭素数が14~22のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン化合物、及びポリアルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。これらの化合物は単独で用いられてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いられてもよい。界面活性剤の量は、特に制限はないが、好ましくは、フェノール樹脂100質量部に対して0.3以上、10質量部以下である。
硬化触媒としては、フェノール樹脂を硬化できる酸性の硬化触媒であればよいが、無水酸硬化触媒が好ましい。無水酸硬化触媒としては、無水リン酸及び無水アリールスルホン酸が好ましい。無水アリールスルホン酸としては、トルエンスルホン酸やキシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、置換フェノールスルホン酸、キシレノールスルホン酸、置換キシレノールスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。これらを一種類で用いても、二種類以上組み合わせてもよい。また、硬化助剤として、レゾルシノール、クレゾール、サリゲニン(o-メチロールフェノール)、p-メチロールフェノール等を添加してもよい。また、これらの硬化触媒を、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒で希釈してもよい。硬化触媒の量は、特に制限はないが、好ましくは、フェノール樹脂と界面活性剤との合計量100質量部に対して3以上、30質量部以下である。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体中の発泡剤としては、塩素化ハイドロフルオロオレフィン又は非塩素化ハイドロフルオロオレフィン、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを用いることができる。
本実施形態の発泡性フェノール樹脂組成物における発泡剤の添加量は、フェノール樹脂と界面活性剤の合計量100質量部に対して、好ましくは3.0質量部以上、25.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以上、20.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以上、15.0質量部以下、特に好ましくは7.0質量部以上、13.0質量部以下である。
本実施形態においては、発泡性フェノール樹脂組成物に、発泡核剤を含有させることが好ましい。発泡核剤としては、主に、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気などの、発泡剤よりも沸点が50℃以上低い低沸点物質のような気体発泡核剤を用いることができる。また、水酸化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、炭酸カルシウム粉、タルク、はくとう土(カオリン)、珪石粉、珪砂、マイカ、珪酸カルシウム粉、ワラストナイト、ガラス粉、ガラスビーズ、フライアッシュ、シリカフューム、石膏粉、ホウ砂、スラグ粉、アルミナセメント、ポルトランドセメント等の無機粉、および、フェノール樹脂発泡体の粉砕粉のような有機粉のような固体発泡核剤を添加することもできる。これらは、単独で使用してもよいし、気体及び固体の区別なく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。発泡核剤の添加タイミングは、発泡性フェノール樹脂組成物を混合する混合機内に供給されていればよく、任意に決めることができる。
本実施形態の発泡性フェノール樹脂組成物は、説明した成分の他に、添加剤を含有していてもよい。添加剤として尿素を添加する場合は、一般的に知られているようにフェノール樹脂の反応の途中または終点付近のタイミングで尿素を反応液に直接添加してもよいし、予めアルカリ触媒でメチロール化した尿素をフェノール樹脂と混合してもよい。尿素以外の添加剤としては、例えば、可塑剤として一般的に用いられているフタル酸エステル類、及び、グリコール類であるエチレングリコール、ジエチレングリコールなどを用いることができる。また、脂肪族炭化水素、高沸点の脂環式炭化水素、またはそれらの混合物を添加剤として用いてもよい。添加剤の含有量はフェノール樹脂100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下が望ましい。これら添加剤が20質量部以下であると、フェノール樹脂の粘度が最適となり、発泡、硬化時の破泡を防ぐ傾向にある。添加剤が0.5質量部以上であると添加剤の効果が現れる傾向にある。
フェノール樹脂発泡体を挟む第1の面材および第2の面材は、シート状の基材であり、生産時の面材破断を防止する目的で、可撓性を有していることが好ましい。可撓性を有する面材としては、合成繊維不織布、合成繊維織布、ガラス繊維紙、ガラス繊維織布、ガラス繊維不織布、ガラス繊維混抄紙、紙類、金属フィルムが挙げられる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、吐出工程、被覆工程、及び発泡硬化工程を含む。吐出工程において、発泡性フェノール樹脂組成物をノズルより吐出する。被覆工程において、吐出された発泡性フェノール樹脂組成物に上方から面材により被覆する。その後、発泡硬化工程において、上下面材に挟まれた発泡性フェノール樹脂組成物をコンベアと雰囲気温度の加温によって発泡、及び硬化させる。以下、図面に従って説明する。
吐出工程において、下面材上に発泡性フェノール樹脂組成物を吐出する方法は、特に限定されない。例えば、本実施形態における吐出工程では、図1に示すように、下面材10を走行させている製造ラインのTD方向に並んだ複数のノズル11から発泡性フェノール樹脂組成物12を吐出させる。
被覆工程において、例えば、以下の方法により、発泡性フェノール樹脂組成物12に上面材13を被覆させる。下面材10の走行方向におけるノズル11の下流には、下面材10に平行かつ当該走行方向に垂直な方向を軸に回動可能なロール14が設けられている。製造装置15において、上面材13は、下面材10及びロール14の間を通過した後、下面材10と同じ走行方向に走行する。ノズル11から吐出された発泡性フェノール樹脂組成物12は、最初に、走行している下面材10に接触する。下面材10に接触した発泡性フェノール樹脂組成物12は、下面材10とともに、ロール14の位置に進行する。ロール14は、上面材13を発泡性フェノール樹脂組成物12の上に被覆させる。下面材10及び上面材13を発泡性フェノール樹脂組成物12に被覆することにより、下面材10、上面材13、及び発泡性フェノール樹脂組成物12からなる積層体が形成される。なお、下面材10及び上面材13の一方及び他方は、それぞれフェノール樹脂発泡体積層板の第1の面材及び第2の面材に対応する。
被覆工程にて、下面材10及び上面材13に挟まれた発泡性フェノール樹脂組成物12は、続いて発泡硬化工程へと送られる。発泡硬化工程では、例えば、以下の方法により、積層体内の発泡性フェノール樹脂組成物12を発泡及び硬化させる。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の密度は、20kg/m3以上100kg/m3以下であり、好ましくは20kg/m3以上70kg/m3以下であり、より好ましくは20kg/m3以上40kg/m3以下であり、更に好ましくは20kg/m3以上35kg/m3以下であり、特に好ましくは20kg/m3以上28kg/m3以下である。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、80%以上であり、好ましくは85%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上である。独立気泡率が80%未満では、気泡に内包された発泡剤が空気と置換しやすくなることから長期間経過後の熱伝導率が高くなったり、気泡膜が破れ易くなることから圧縮強度が低くなったりする傾向がある。また、強度低下により加熱による収縮応力に耐えることが出来ず、反りが強くなる傾向にある。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の平均気泡径は、50μm以上300μm以下、好ましくは50μm以上250μm以下、より好ましくは60μm以上200μm以下、更に好ましくは80μm以上170μm以下、特に好ましくは100μm以上170μm以下である。平均気泡径が300μmより大きいと気泡内のガスの対流及び気泡膜による熱の遮断が少なくなるため、初期の断熱性能が低下する傾向にある。平均気泡径が50μm未満だと、個々の気泡膜が薄くなることから、圧縮強度が低下する傾向にある。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体の熱伝導率は10℃の環境下で0.0180W/m・K以下であることが好ましく、より好ましくは0.0175W/m・K以下であり、更に好ましくは0.0170W/m・K以下である。なお、下限は特に制限されないが、通常0.014W/m・K程度である。本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体積層板の、23℃の環境下で測定された熱伝導率は、0.0190W/m・K以下であることが好ましく、より好ましくは0.0185W/m・K以下であり、更に好ましくは0.0180W/m・K以下である。下限は特に制限されないが、通常0.015W/m・K程度である。熱伝導率の測定方法に関しては、後述する実施例において具体的に説明される。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体積層板の面材剥離強度比、すなわちフェノール樹脂発泡体と第1の面材との剥離強度P1と、フェノール樹脂発泡体と第2の面材との剥離強度P2との比(P1/P2)は、0.70以上1.43以下であり、好ましくは0.80以上1.30以下、より好ましくは0.90以上1.10以下である。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、後述する反り評価試験による反り量が10mm未満であり、好ましくは5mm以下あり、より好ましくは3mm以下である。反り量が10mm以上であると、フェノール樹脂発泡体積層板からなる断熱材を施工する際に、断熱材の寸法通りの施工や柱等へのビス留めが困難となる不具合が生じ、気密性を確保するためのシーリング材や気密テープが剥がれてしまうため好ましくない。また、金属サンドイッチパネル等の複合板においてはフェノール樹脂発泡体積層板と金属が剥離してしまうおそれがあるため、このような観点からも好ましくない。
フェノール樹脂発泡体積層板の発泡密度は、JIS-K-7222に従い測定した。得られたフェノール樹脂発泡体積層板から切り出した20cm角の積層板を試料として用いた。この試料から面材、サイディング材等の表面材を取り除き、残った発泡体試料の質量と見かけ容積を測定し、これらの値から発泡体密度を求めた。
JIS-K-6402記載の方法を参考に、以下の方法でフェノール樹脂発泡体積層板の平均気泡径を測定した。
ASTM-D-2856-94(1998)A法を参考に以下の方法でフェノール樹脂発泡体積層板の独立気泡率を測定した。
独立気泡率(%)=[(V2-VS)/(V1-VA-VS)]×100
同一製造条件で得られた発泡体について6回、独立気泡率を測定し、それらの平均値をその製造条件により得られる発泡体の独立気泡率とした。
JIS A 1412-2:1999に準拠し、以下の方法で10℃と23℃の環境下におけるフェノール樹脂発泡体積層板の初期熱伝導率を測定した。
回転粘度計(東機産業(株)製、R-100型、ローター部は3°×R-14)を用い、40℃で3分間安定させた後の粘度の値を、測定値とした。
以下の条件でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定を行った。得られたクロマトグラムと、後に示す3つの標準物質の溶出時間と分子量の関係によって得られた検量線より、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを求めた。また、これらの値から分子量分布Mw/Mnを算出した。
フェノール樹脂約10mgをN,Nジメチルホルムアミド(和光純薬工業株製、高速液体クロマトグラフ用)1mlに溶解し、0.2μmメンブレンフィルターろ過したものを測定溶液として用いた。
測定装置:Shodex System21(昭和電工株式会社社製)
カラム:Shodex asahipak GF-310HQ(7.5mmI.D.×30cm)
溶離液:臭化リチウムを濃度0.1質量%でN,Nジメチルホルムアミド(和光純薬工業株製、高速液体クロマトグラフ用)に溶解した溶液を溶離液として使用した。
流量:0.6ml/分
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
標準物質:標準ポリスチレン(昭和電工株式会社製 Shodex standard SL-105)、2-ヒドロキシベンジルアルコール(シグマアルドリッチ社製 99%品)、フェノール(関東化学株式会社製 特級)
島津製作所製のAG-Xplusを用いて測定を行った。得られたフェノール樹脂発泡体積層板を幅25mm、長さ150mmとなるように厚み方向に平行に切り出し、200mm/分の速度で面材の90度剥離試験を85mm剥離長さで実施し、その最大値を測定した。
図4に示すように、1000mm×1000mmの大きさに切り出したフェノール樹脂発泡体積層板22を90℃で48時間静置して、その後に常温下で2日間養生した。養生したフェノール樹脂発泡体積層板22の一つの対角頂点間に糸23を張り、糸23からフェノール樹脂発泡体積層板22の板面に向かって垂線24を下した時の最大距離を読み取り、記録した。更にもう一方の対角頂点間にも糸23を張り同様に測定し記録した。上下反転させ同様の測定を行い、これら4つの測定値のうち、最も大きな値を、反りと定義した。なお、対角頂点間に糸を張った際、糸が直線とならなかった場合には、反りは算出しなかった(フェノール樹脂発泡体積層板22が上に凸の状態で測定された場合には対角線間の糸は直線とはならない)。
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液(52質量%ホルマリン)3500kgと99質量%フェノール2510kg(不純物として水を含む)を仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで48質量%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.7になるまで加えた後85℃まで昇温して、反応を行わせた。反応液のオストワルド粘度が160平方ミリメートル毎秒(=160mm2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、フェノール樹脂中の尿素含有量が4.6質量%となるように尿素を添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.3になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理し、40℃における粘度が9,800mPa・s、のフェノール樹脂を得た。
<フェノール樹脂発泡体積層板の製造>
合成したフェノール樹脂100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体とポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルを質量比率でそれぞれ50%ずつ含有する組成物を3.0質量部の割合で、フェノール樹脂に混合した。
吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が上下面材を被覆されるまでの時間差を90秒としたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。実施例2のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
第1のコンベアと第2のコンベアの間隔を95mmとしたこと、上下面材がコンベアにそれぞれ接触するまでの時間差を440秒にしたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。実施例3のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が上下面材を被覆されるまでの時間差を110秒としたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。比較例1のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
第1のコンベアと第2のコンベアの間隔を100mmとしたこと、上下面材がコンベアにそれぞれ接触するまでの時間差を470秒としたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。比較例2のフェノール樹脂発泡体積層板を用いた、上述の測定及び評価結果を表1に記載した。
11 ノズル
12 発泡性フェノール樹脂組成物
13 上面材
14 ロール
15 製造装置
16 連続的に吐出され続ける発泡性フェノール樹脂組成物中で任意の時点で吐出された部分
17 第1のコンベア
18 第2のコンベア
19 積層体
20 積層体の任意の部分
22 フェノール樹脂発泡体積層板
23 糸
24 垂線
Claims (4)
- 密度が20kg/m3以上100kg/m3以下、独立気泡率が80%以上、平均気泡径が50μm以上300μm以下である板状のフェノール樹脂発泡体と、前記フェノール樹脂発泡体の厚み方向の互いに対向する両面にそれぞれ設けられた第1の面材及び第2の面材とを備えたフェノール樹脂発泡体積層板であって、
前記第1の面材及び前記第2の面材が紙類であり、前記第1の面材及び前記第2の面材と、前記フェノール樹脂発泡体とが共存する部分が存在し、かつ、前記フェノール樹脂発泡体と前記第1の面材との剥離強度P1、前記フェノール樹脂発泡体と前記第2の面材との剥離強度P2とが下記の式を満たすフェノール樹脂発泡体積層板。
0.70≦P1/P2≦1.43 - 前記第1の面材及び前記第2の面材の目付量は、15~200g/m 2 である、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
- 前記フェノール樹脂発泡体の10℃の環境下における熱伝導率が0.0180W/m・K以下であり、23℃の環境下における熱伝導率が0.0190W/m・K以下である、請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
- フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒及び発泡剤を含む発泡性フェノール樹脂組成物を挟む上面材及び下面材間で発泡及び硬化させる発泡硬化工程を含み、
前記発泡硬化工程において、吐出された前記発泡性フェノール樹脂組成物が前記下面材に接触する第1の時点t1と、前記上面材に接触する第2の時点t2と、の差が100秒以下であり、前記下面材において第1の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が第1のコンベアに接する第3の時点t3と、前記上面材において第2の時点で前記発泡性フェノール樹脂組成物と接触した場所の裏側が前記第1のコンベアに対向する第2のコンベアに接する第4の時点t4と、の差が450秒以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018106155A JP7050579B2 (ja) | 2018-06-01 | 2018-06-01 | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018106155A JP7050579B2 (ja) | 2018-06-01 | 2018-06-01 | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019209543A JP2019209543A (ja) | 2019-12-12 |
JP7050579B2 true JP7050579B2 (ja) | 2022-04-08 |
Family
ID=68846232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018106155A Active JP7050579B2 (ja) | 2018-06-01 | 2018-06-01 | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7050579B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101890848B1 (ko) | 2011-10-07 | 2018-08-22 | 후지 덴키 기기세이교 가부시끼가이샤 | 접점 장치 및 이것을 사용한 전자 접촉기 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015157937A (ja) | 2014-01-24 | 2015-09-03 | 旭化成建材株式会社 | フェノール樹脂発泡体及びその製造方法 |
JP2016047613A (ja) | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 旭化成建材株式会社 | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 |
JP6159468B1 (ja) | 2016-12-20 | 2017-07-05 | 積水化学工業株式会社 | フェノール樹脂発泡体およびその製造方法 |
-
2018
- 2018-06-01 JP JP2018106155A patent/JP7050579B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015157937A (ja) | 2014-01-24 | 2015-09-03 | 旭化成建材株式会社 | フェノール樹脂発泡体及びその製造方法 |
JP2016047613A (ja) | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 旭化成建材株式会社 | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 |
JP6159468B1 (ja) | 2016-12-20 | 2017-07-05 | 積水化学工業株式会社 | フェノール樹脂発泡体およびその製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101890848B1 (ko) | 2011-10-07 | 2018-08-22 | 후지 덴키 기기세이교 가부시끼가이샤 | 접점 장치 및 이것을 사용한 전자 접촉기 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019209543A (ja) | 2019-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6505644B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体及びその製造方法 | |
KR102190552B1 (ko) | 페놀 수지 발포체 및 그 제조 방법 | |
JP6550415B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 | |
RU2540308C2 (ru) | Ламинированный лист вспененной фенольной смолы и способ его производства | |
TW201641582A (zh) | 酚樹脂發泡體及其製造方法 | |
JP7011048B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体積層板およびその製造方法 | |
JP7050579B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 | |
JP7075878B2 (ja) | 耐火システム用フェノール樹脂発泡体 | |
JP6946038B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 | |
JP7014566B2 (ja) | フェノール樹脂発泡板およびその製造方法 | |
KR20230095122A (ko) | 난연성 페놀 수지 발포체 | |
JP7045169B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 | |
JP7026468B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 | |
JP7027078B2 (ja) | フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210908 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210914 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7050579 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |