JP7050482B2 - オイル昇温装置 - Google Patents

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Description

本発明は、オイル昇温装置に関し、特に、車両に搭載されたモータ・ジェネレータに供給されるオイルの昇温を促進するオイル昇温装置に関する。
近年、エンジンとモータ・ジェネレータ(電動モータ)とを併用することで車両の燃料消費率(燃費)を効果的に向上させることができるハイブリッド自動車(HEV)が広く実用化されている。また、モータ・ジェネレータのみを動力源とし、排気ガスを排出しない電気自動車(EV)も実用化されている。このような、HEVやEVでは、モータ・ジェネレータなどの冷却や潤滑のためにオイル(ATF)が用いられている。
ところで、オイルは、低温時(冷態始動時)には粘度が高く(すなわち攪拌抵抗が大きく)、スピンロス(撹拌ロス)が増大するため、車両の燃費が悪化する。そのため、オイルを早く昇温してオイルの粘度を低下させ、スピンロスを低減したいという要望がある。
ここで、特許文献1には、エンジンと、モータジェネレータと、モータジェネレータと駆動輪との間の動力伝達を遮断可能なクラッチと、モータジェネレータを潤滑するオイルをモータジェネレータのロータに供給する油圧回路と、エンジン、モータジェネレータ、およびクラッチの制御を行なう制御装置とを備え、オイルの温度がしきい値より低い場合には、制御装置が、クラッチを切り離した状態で油圧回路を駆動しつつ、ロータを所定の回転速度以上の回転速度で回転させるハイブリッド車両が開示されている。
特許文献1に記載の技術(ハイブリッド車両)によれば、ユーザの駆動力要求が変化したり、車速が変化したりした場合であっても、モータジェネレータのロータを安定して回転させることができる。そのため、ロータの回転によってオイルが攪拌され、オイルの温度が早期に上昇する。よって、オイルの粘度を早期に低下させて、回転系の回転抵抗を低下することができる。
特開2016-124522号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術(ハイブリッド車両)では、オイルの温度がしきい値より低い場合には、クラッチを切り離した状態で油圧回路を駆動しつつ、モータジェネレータのロータを所定の回転速度以上で回転させるため、オイルの昇温中はモータ・ジェネレータを使用することができない。すなわち、モータ・ジェネレータを用いたHEV走行や、EV走行を行うことができなくなる。そのため、車両の運転状態によっては、オイルのスピンロス低減による燃費向上効果よりもモータ・ジェネレータを使用できないことによる損失(全体効率の低下)の方が大きくなり、かえって燃費が悪化するおそれがある。また、この技術(ハイブリッド車両)では、オイルを昇温する際に、クラッチが完全に切り離されるため、クラッチの回転による昇温効果があまり期待できない。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、車両に搭載されたモータ・ジェネレータに供給されるオイルの昇温を促進するオイル昇温装置において、車両の運転状態にかかわらず、燃料消費率(燃費)を悪化させることなく、冷態時におけるオイルの昇温をより促進することが可能なオイル昇温装置を提供することを目的とする。
本発明に係るオイル昇温装置は、車両に搭載されたモータ・ジェネレータと、モータ・ジェネレータと駆動輪との間に介装され、モータ・ジェネレータと駆動輪との間のトルク伝達を調節するクラッチと、モータ・ジェネレータに供給するオイルの量とクラッチに供給するオイルの量との配分を調節する配分調節手段と、クラッチに供給するオイルの油圧を調節する油圧調節手段と、オイルの温度を検出する温度検出手段と、配分調節手段の駆動、及び油圧調節手段の駆動を制御する制御手段とを備え、制御手段が、オイルの温度が所定温度未満の場合に、クラッチがスリップするように油圧調節手段を制御するとともに、オイルをクラッチにより多く供給するように配分調節手段を制御することを特徴とする。
本発明に係るオイル昇温装置によれば、オイルの温度が所定温度未満の場合に、クラッチがスリップするように油圧調節手段が制御されるとともに、オイルをクラッチにより多く供給するように配分調節手段が制御される。そのため、より多くのオイルをクラッチ側に供給し、クラッチがスリップすることによる発熱を使ってオイルが昇温される。また、その際に、クラッチは完全には解放されていないため、モータ・ジェネレータを用いたHEV走行や、EV走行を行うことができる。その結果、車両の運転状態にかかわらず、燃料消費率(燃費)を悪化させることなく、冷態時におけるオイルの昇温をより促進することが可能となる。
本発明に係るオイル昇温装置では、上記制御手段が、オイルの温度が所定温度以上の場合に、クラッチを締結させるように油圧調節手段を制御するとともに、オイルをモータ・ジェネレータにより多く供給するように配分調節手段を制御することが好ましい。
この場合、オイルの温度が所定温度以上の場合に、クラッチを締結させるように油圧調節手段が制御されるとともに、オイルをモータ・ジェネレータにより多く供給するように配分調節手段が制御される。そのため、オイルの昇温が完了したとき(暖機が完了したとき)には、クラッチのスリップが停止され、クラッチによる発熱(昇温)が停止される。また、モータ・ジェネレータに対してより多くのオイルが供給されるようにオイル配分が可変されることによって、モータ・ジェネレータの冷却が促進される。よって、低温時のオイルの昇温促進と、高温時におけるモータ・ジェネレータの冷却とを両立することが可能となる。
本発明に係るオイル昇温装置は、モータ・ジェネレータに電力を供給するバッテリの充電状態を検知する充電状態検知手段を備え、上記制御手段が、バッテリの充電状態が所定値未満の場合には、オイルの温度が所定温度未満であっても、クラッチを締結させるように油圧調節手段を制御することが好ましい。
この場合、バッテリの充電状態が所定値未満の場合には、オイルの温度が所定温度未満であっても、クラッチが締結されるように油圧調節手段が制御される。よって、例えば、エンジン出力や駆動輪からの駆動力(回生時)を用いてモータ・ジェネレータを駆動して発電する(バッテリを充電する)ことができる。
本発明に係るオイル昇温装置は、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、上記制御手段が、車両の速度が所定速度未満の場合には、バッテリの充電状態が所定値未満であっても、オイルの温度が所定温度未満のときに、クラッチがスリップするように油圧調節手段を制御することが好ましい。
この場合、車両の速度が所定速度未満の場合には、記バッテリの充電状態が所定値未満であっても、オイルの温度が所定温度未満のときに、クラッチがスリップするように油圧調節手段の駆動が制御される。すなわち、車両が減速して車速が所定速度未満となった場合(例えば停止直前など)には、回生量が低下するため(回生が取り切れないため)、クラッチをスリップさせてオイルを昇温し、スリップロスを低減することにより、全体的な効率(燃費)を向上させることができる。
本発明に係るオイル昇温装置では、上記制御手段が、クラッチがスリップするように油圧調節手段を制御する場合に、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチのスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力を調節することが好ましい。
この場合、クラッチがスリップするように油圧調節手段が制御される場合に、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチのスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力が調節される。すなわち、クラッチのスリップによって熱に変換される出力分、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力が調節(増大)されるため、運転者の要求駆動力を満足させつつ、オイルの昇温を促進することができる。
本発明に係るオイル昇温装置では、上記制御手段が、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチのスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力を調節する際に、モータ・ジェネレータの運転効率、及び/又は、エンジンの運転効率に基づいて、車両全体として効率を最大化するように、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力を調節することが好ましい。
この場合、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチのスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力が調節される際に、モータ・ジェネレータの運転効率、及び/又は、エンジンの運転効率に基づいて、車両全体として効率を最大化するように、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力が調節される。そのため、クラッチをスリップさせてオイルを昇温する際に、運転者の要求駆動力を満足させつつ、車両全体として効率を最大化することができる。よって、車両の運転状態にかかわらず、燃料消費率(燃費)を向上させることができる。
本発明に係るオイル昇温装置では、上記制御手段が、クラッチをスリップさせてオイルを昇温することによるスピンロスの低減量と、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチのスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力を調節することによる損失量とを比較して、損失量が低減量を上回る場合には、オイルの温度が所定温度未満であっても、クラッチを締結させるように油圧調節手段を制御することが好ましい。
この場合、クラッチをスリップさせてオイルを昇温することによるスピンロスの低減量と、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチのスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力を調節することによる損失量(燃費悪化量)とが比較されて、損失量(燃費悪化量)がスピンロス低減量を上回る場合には、オイルの温度が所定温度未満であっても、クラッチが締結されるように油圧調節手段が制御される。クラッチをスリップさせてオイルを昇温させることにより、車両全体として、効率が低下(燃費が低下)すると予測される場合には、クラッチが締結される(すなわち、クラッチのスリップによるオイル昇温が禁止される)。よって、オイルの昇温動作により燃料消費率(燃費)が悪化することを防止できる。
本発明に係るオイル昇温装置は、オイルの温度とオイルのスピンロスとの関係を予め記憶した記憶手段を備え、上記制御手段が、記憶手段に記憶されているオイルの温度とオイルのスピンロスとの関係に基づいて、上記低減量と上記損失量とを比較することが好ましい。
この場合、予め記憶されているオイルの温度と、オイルのスピンロスとの関係(すなわち、油温上昇∝クラッチの発熱量∝スリップ率とスピンロスの低減量との関係)に基づいて、スピンロスの低減量と損失量(燃費悪化量)とが比較される。よって、より適確に、車両全体として最も効率のよい運転(制御)を行うことができる。
本発明に係るオイル昇温装置では、上記制御手段が、クラッチがスリップするように油圧調節手段を制御する場合に、オイルの温度に応じて、クラッチのスリップ率を可変することが好ましい。
この場合、オイルの温度に応じて、クラッチのスリップ率が可変される。そのため、オイルの温度(昇温)に応じ、クラッチを最適なスリップ率で制御することができる。
本発明に係るオイル昇温装置では、上記制御手段が、オイルの温度に基づいて、クラッチの目標スリップ率を設定し、該目標スリップ率と、実際のスリップ率とが一致するように、油圧調節手段を制御することが好ましい。
この場合、オイルの温度に基づいてクラッチの目標スリップ率が設定され(例えば、油温が低いほど目標スリップ率が大きくなるように設定され)、該目標スリップ率と実際のスリップ率とが一致するように油圧調節手段が制御される。そのため、より適切にクラッチの締結力(スリップ率)を設定し、制御することができる。
本発明によれば、車両に搭載されたモータ・ジェネレータに供給されるオイルの昇温を促進するオイル昇温装置において、車両の運転状態にかかわらず、燃料消費率(燃費)を悪化させることなく、冷態時におけるオイルの昇温をより促進することが可能となる。
実施形態に係るオイル昇温装置の構成を示すブロック図である。 各運転モードにおけるクラッチ(第2電磁弁)やオイル流量配分(第1電磁弁)等の動作状態を示す一覧表である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係るオイル昇温装置1の構成について説明する。図1は、オイル昇温装置1の構成を示すブロック図である。
エンジン10は、どのような形式のものでもよいが、例えば、高膨張比サイクルによって圧縮比を高めることにより、熱効率の向上を図ったエンジンなどが好適に用いられる。エンジン10は、エンジン・コントロールユニット(以下「ECU」という)80によって制御される。
ECU80には、クランクシャフトの回転位置(エンジン回転数)を検出するクランク角センサ81、及びエンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ83等の各種センサが接続されている。
ECU80は、取得したこれらの各種情報、及び後述するハイブリッド車・コントロールユニット(以下「HEV-CU」という)50からの制御情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、並びに電子制御式スロットルバルブ等の各種デバイスを制御することによりエンジン10を制御する。また、ECU80は、CAN(Controller Area Network)100を介して、エンジン回転数や冷却水温度などの各種情報をHEV-CU50に送信する。
エンジン10のクランクシャフトは減速機等から構成されるドライブトレーン14(ドライブギヤ14a)と接続されている。ドライブトレーン14(ドライブギヤ14a)には、モータ・ジェネレータ(電動モータ)12もトルク伝達可能に接続されている。このように構成されているため、この車両では、エンジン10とモータ・ジェネレータ12の2つの動力で駆動輪16(車両)を駆動することができる。また、走行条件に応じて、エンジン10による走行と、エンジン10及びモータ・ジェネレータ12による走行とを切替えることができる。さらに、モータ・ジェネレータ12で発電することもできる。
モータ・ジェネレータ12とドライブトレーン14(ドライブギヤ14a)との間(すなわち、モータ・ジェネレータ12と駆動輪16との間)には、モータ・ジェネレータ12とドライブトレーン14(ドライブギヤ14a)との間のトルク伝達を調節する湿式多板クラッチ(以下、単に「クラッチ」という)15が介装されている。クラッチ15は、複数のクラッチディスクとプレッシャープレートを交互に重ねて構成され、オイルの中に浸されている。
モータ・ジェネレータ12は、例えば、三相交流タイプの交流同期モータである。モータ・ジェネレータ12では、ロータに永久磁石を用い、ステータにコイルを用いた。また、モータ・ジェネレータ12は、オイルによって冷却される油冷式の電動モータである。なお、モータ・ジェネレータ12では、ロータにコイルを用い、ステータに永久磁石を用いてもよい。また、モータ・ジェネレータ12として、交流同期モータに代えて、例えば、交流誘導モータや直流モータ等を用いてもよい。
モータ・ジェネレータ12のステータ(コイル12a)には、モータ・ジェネレータ12のステータ(コイル12a)の温度を検出する第1温度センサ21が取り付けられている。第1温度センサ21としては、例えば、温度によって抵抗値が変化するサーミスタが好適に用いられる。第1温度センサ21は、HEV-CU50に接続されており、温度に応じた電気信号(電圧値)がHEV-CU50で読み込まれる。
また、オイルパン30(又はオイルストレーナ31とオイルポンプ32と連通する配管)には、オイルパン30に貯留されているオイルの温度(油温)を検出する第2温度センサ22が取り付けられている。第2温度センサ22は、特許請求の範囲に記載の油温検出手段として機能する。第2温度センサ22としては、例えば、温度によって抵抗値が変化するサーミスタが好適に用いられる。第2温度センサ22も、HEV-CU50に接続されており、温度に応じた電気信号(電圧値)がHEV-CU50で読み込まれる。
オイルパン30には、モータ・ジェネレータ12の潤滑・冷却、及びドライブトレーン14等の潤滑を行うためのオイル(ATF)が貯留されている。オイルパン30に貯留されているオイルを、モータ・ジェネレータ12などに供給するために、機械式オイルポンプ(以下、単に「オイルポンプ」という)32が設けられている。なお、機械式のオイルポンプに代えて/又は加えて、電動オイルポンプを用いてもよい。
オイルポンプ32は、エンジン10によって駆動され、オイルパン30に貯留されているオイルをオイルストレーナ31を介して吸い上げ、昇圧して吐出する。吐出されたオイルはオイルクーラ40に圧送される。なお、オイルポンプ32としては、例えば、同軸式の内接ギヤ・トロコイドタイプや、チェーン駆動式のベーンタイプのものなどが好適に用いられる。
オイルポンプ32の下流側には、オイルポンプ32から吐出されたオイルと冷却媒体との間で熱交換を行いオイルを冷却するオイルクーラ40が設けられている。本実施形態では、オイルクーラ40として、オイルと外気との間で熱交換を行う空冷式のオイルクーラを用いた。なお、オイルクーラ40として、空冷式のオイルクーラに代えて、例えば、オイルと冷却水(エンジン冷却水)との間で熱交換を行う水冷式のオイルクーラを用いてもよい。
オイルクーラ40の下流側には、モータ・ジェネレータ12に供給するオイルの量(流量)とクラッチ15に供給するオイルの量(流量)との配分を調節する第1電磁弁41が設けられている。第1電磁弁41は、特許請求の範囲に記載の配分調節手段として機能する。第1電磁弁41は、例えば、直接、又は間接的に(すなわち供給する制御圧を調圧して)、スプールバルブを軸方向に動かして、油路の開度を調節し、モータ・ジェネレータ12に供給するオイルの量とクラッチ15に供給するオイルの量との配分を調節する。第1電磁弁41としては、例えば、印加される電流値に応じてバルブの移動量が調節されるリニアソレノイドや、印加されるデューティ信号(デューティ比=0~100%)に応じてバルブが軸方向に変位されるデューティソレノイドが用いられる。
また、第1電磁弁41とクラッチ15とを連通する油路には、クラッチ15に供給するオイルの油圧(スリップ率)を調節する第2電磁弁42が設けられている。第2電磁弁42は、特許請求の範囲に記載の油圧調節手段として機能する。第2電磁弁42は、例えば、直接、又は間接的に(すなわち供給する制御圧を調圧して)、スプールバルブを軸方向に動かして、クラッチ15に供給するオイルの油圧を調節(調圧)する。第2電磁弁42としては、例えば、印加される電流値に応じてバルブの移動量が調節されるリニアソレノイドや、印加されるデューティ信号(デューティ比=0~100%)に応じてバルブが軸方向に変位されるデューティソレノイドが用いられる。第1電磁弁41及び第2電磁弁42それぞれは、HEV-CU50によって駆動が制御される。
車両の駆動力源であるエンジン10、及び、モータ・ジェネレータ12は、HEV-CU50によって総合的に制御される。
HEV-CU50は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、その記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。なお、ROMなどには、オイルの温度(油温)と、オイルのスピンロスとの関係(すなわち、油温上昇∝クラッチの発熱量∝スリップ率とスピンロスの低減量との関係)を示すデータが予め記憶されている。すなわち、ROMなどは、特許請求の範囲に記載の記憶手段に相当する。
HEV-CU50には、例えば、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセルペダルの開度を検出するアクセルペダルセンサ58、車両の速度を検出する車速センサ59(特許請求の範囲に記載の車速検出手段に相当)などを含む各種センサが接続されている。また、HEV-CU50は、CAN100を介して、エンジン10を制御するECU80、ビークルダイナミック・コントロールユニット(以下「VDCU」という)、及び、モータ・ジェネレータ12に電力を供給する高電圧バッテリ70(特許請求の範囲に記載のバッテリに相当)の充電量/充電状態(SOC:State Of Charge)を検知するバッテリコントロールユニット(以下「BCU」という)71等と相互に通信可能に接続されている。HEV-CU50は、CAN100を介して、ECU80やBCU71、VDCUから、例えば、エンジン回転数、冷却水温度、及び高電圧バッテリ70のSOC等の各種情報を受信する
BCU71は、高電圧バッテリ70の電圧値・電流値を読込み、例えば電流積分法などを用いて高電圧バッテリ70の充電量(SOC)を検出する。すなわち、BCU71は、特許請求の範囲に記載の充電状態検知手段として機能する。
HEV-CU50は、取得したこれらの各種情報に基づいて、エンジン10、及びモータ・ジェネレータ12の駆動を総合的に制御する。HEV-CU50は、例えば、アクセルペダル開度(運転者の要求駆動力)、車両の運転状態、高電圧バッテリ70の充電状態(SOC)、及びエンジン10のBSFCなどに基づいて、エンジン10の要求出力、及びモータ・ジェネレータ12のトルク指令値を求めて出力する。ECU80は、上記要求出力に基づいて、例えば、電子制御式スロットルバルブの開度を調節する。また、後述するパワーコントロールユニット(以下「PCU」という)60は、上記トルク指令値に基づいて、インバータ61を介して、モータ・ジェネレータ12を駆動する。
特に、HEV-CU50は、第1電磁弁41及び第2電磁弁42の駆動を制御して、冷態時に、オイルの昇温を促進する機能(オイル昇温促進機能)を有している。そのため、HEV-CU50は、制御部51を機能的に有している。HEV-CU50では、ROMなどに記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、制御部51の機能が実現される。なお、制御部51は、特許請求の範囲に記載の制御手段として機能する。
制御部51は、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)未満の場合には、オイルの昇温を促進するために、クラッチ15がスリップするように第2電磁弁42(クラッチ15の締結力)を制御するとともに、オイルをクラッチ15により多く供給するように第1電磁弁41を制御する。一方、制御部51は、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)以上の場合には、モータ・ジェネレータ12の冷却を優先するために、クラッチ15を完全に締結させるように第2電磁弁42を制御するとともに、オイルをモータ・ジェネレータ12により多く供給するように第1電磁弁41を制御する。
ただし、制御部51は、高電圧バッテリ70の充電状態(SOC)が所定値(例えば50%)未満の場合には、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)未満であっても、高電圧バッテリ70の充電を優先するために、クラッチ15を締結させるように第2電磁弁42を制御する。しかしながら、制御部51は、車両の速度が所定速度(例えば5km/h)未満の場合には、高電圧バッテリの充電状態(SOC)が所定値(例えば50%)未満であっても、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)未満のときに、クラッチ15がスリップするように第2電磁弁42の駆動(クラッチ15の締結力)を制御する。すなわち、回生を取れない低速ではオイルの昇温が優先される。
制御部51は、クラッチ15がスリップするように第2電磁弁42(クラッチ15の締結力)を制御する場合に、オイルの温度(油温)に応じて、クラッチ15のスリップ率を可変する。より具体的には、制御部51は、オイルの温度に基づいて、クラッチ15の目標スリップ率を設定し(例えば油温が低いほど目標スリップ率が大きくなるように設定し)、該目標スリップ率と、実際のスリップ率とが一致するように、第2電磁弁42の駆動(すなわち、クラッチ15に供給する油圧(クラッチ15の締結力))を制御する。
また、制御部51は、クラッチ15がスリップするように第2電磁弁42(クラッチ15の締結力)を制御する場合に、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチ15のスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力を調節する(例えば、スリップ率が大きくなるほど、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力を増大する)。その際に、制御部51は、モータ・ジェネレータ12の運転効率、及び/又は、エンジン10の運転効率(BSFC)に基づいて、車両(パワーユニット)全体として最適な効率となるように(効率を最大化するように)、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力を調節する。
より具体的には、制御部51は、クラッチ15をスリップさせてオイルを昇温することによるスピンロスの低減量と、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチ15のスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力を調節(増大)することによる損失量(燃費悪化量)とを比較して、損失量(燃費悪化量)がスピンロスの低減量を上回る場合には、オイルの温度が所定温度未満であっても、クラッチ15を完全に締結させるように第2電磁弁42を制御する。その際に、制御部51は、ROMなどに記憶されているオイルの温度(油温)とオイルのスピンロスとの関係(すなわち、油温上昇∝クラッチ15の発熱量∝スリップ率とスピンロスの低減量との関係)に基づいて、スピンロスの低減量と損失量(燃費悪化量)とを比較する。
PCU60は、高電圧バッテリ70の直流電力を三相交流の電力に変換してモータ・ジェネレータ12に供給するインバータ61を有している。PCU60は、上述したように、HEV-CU50から受信したトルク指令値に基づいて、インバータ61を介して、モータ・ジェネレータ12を駆動する。なお、インバータ61は、モータ・ジェネレータ12で発電した交流電圧を直流電圧に変換して高電圧バッテリ70を充電する。また、PCU60は、補機類や各ECUの電源として使用するために、高電圧バッテリ70の直流高電圧を12Vまで降圧するDC-DCコンバータ62を有している。
ここで、上述したように構成されることにより実現される各運転モード(油温、SOC、力行/回生)での、クラッチ15(第2電磁弁42)及びオイル流量配分(第1電磁弁41)等の動作状態について説明する。図2は、各運転モード(油温、SOC、力行/回生)での、クラッチ15(第2電磁弁42)及びオイル流量配分(第1電磁弁41)等の動作状態を示す一覧表である。
(1)モード1
油温が所定温度(例えば20℃)未満(冷態時)であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)以上であり、モータ・ジェネレータ12が駆動(力行)状態である場合には、クラッチ15がスリップ状態とされるように(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を下げるように)第2電磁弁42が制御される。また、モータ・ジェネレータ12(表中ではMGと表記する)よりもクラッチ15側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてクラッチ15側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、冷態時にはオイルの昇温が促進される。
(2)モード2
油温が所定温度(例えば20℃)未満(冷態時)であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)以上であり、モータ・ジェネレータ12が回生状態である場合には、クラッチ15がスリップ状態とされるように(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を下げるように)第2電磁弁42が制御される。また、モータ・ジェネレータ12よりもクラッチ15側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてクラッチ15側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、冷態時(回生時)にはオイルの昇温が促進される。
(3)モード3
油温が所定温度(例えば20℃)未満(冷態時)であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)未満であり、モータ・ジェネレータ12が駆動(力行)状態である場合には、クラッチ15が締結状態とされる(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を上げるように)第2電磁弁42が制御される。また、クラッチ15よりもモータ・ジェネレータ12側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてモータ・ジェネレータ12側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、冷態時であっても、高電圧バッテリ70のSOCが低下している場合には、エンジン出力でモータ・ジェネレータ12が駆動されて発電された電力を用いて高電圧バッテリ70が充電され、SOCの回復が図られる。
(4)モード4
油温が所定温度(例えば20℃)未満(冷態時)であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)未満であり、モータ・ジェネレータ12が回生状態である場合には、クラッチ15が締結状態とされる(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を上げるように)第2電磁弁42が制御される。また、クラッチ15よりもモータ・ジェネレータ12側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてモータ・ジェネレータ12側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、冷態時であっても、高電圧バッテリ70のSOCが低下している場合には、回生発電が優先され、高電圧バッテリ70のSOCの回復が図られる。
(5)モード5
油温が所定温度(例えば20℃)以上であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)以上であり、モータ・ジェネレータ12が駆動(力行)状態である場合には、クラッチ15が締結状態とされるように(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を上げるように)第2電磁弁42が制御される。また、クラッチ15よりもモータ・ジェネレータ12側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてモータ・ジェネレータ12側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、暖機完了後は、モータ・ジェネレータ12の冷却が優先される。
(6)モード6
油温が所定温度(例えば20℃)以上であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)以上であり、モータ・ジェネレータ12が回生状態である場合には、クラッチ15が締結状態とされるように(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を上げるように)第2電磁弁42が制御される。また、クラッチ15よりもモータ・ジェネレータ12側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてモータ・ジェネレータ12側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、暖機完了後は、回生時もモータ・ジェネレータ12の冷却が優先される。
(7)モード7
油温が所定温度(例えば20℃)以上であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)未満であり、モータ・ジェネレータ12が駆動(力行)状態である場合には、クラッチ15が締結状態とされるように(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を上げるように)第2電磁弁42が制御される。また、クラッチ15よりもモータ・ジェネレータ12側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてモータ・ジェネレータ12側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、暖機完了後に、高電圧バッテリ70のSOCが低下している場合には、エンジン出力でモータ・ジェネレータ12が駆動されて発電された電力を用いて高電圧バッテリ70が充電され、SOCの回復が図られる。また、モータ・ジェネレータ12の冷却が促進される。
(8)モード8
油温が所定温度(例えば20℃)以上であり、高電圧バッテリ70のSOCが所定値(例えば50%)未満であり、モータ・ジェネレータ12が回生状態である場合には、クラッチ15が締結状態とされるように(すなわち、クラッチ15に供給されるオイルの圧力(油圧)を上げるように)第2電磁弁42が制御される。また、クラッチ15よりもモータ・ジェネレータ12側により多くのオイルが供給されるように配分が調節される(すなわち、主としてモータ・ジェネレータ12側にオイルが流れるように第1電磁弁41が制御される)。そのため、回生により発電された電力で高電圧バッテリ70が充電され、SOCの回復が図られる。また、モータ・ジェネレータ12の冷却が促進される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)未満の場合に、クラッチ15がスリップするように第2電磁弁42が制御されるとともに、オイルをクラッチ15により多く供給するように第1電磁弁41が制御される。そのため、より多くのオイルをクラッチ15側に供給し、クラッチ15がスリップすることによる発熱を使ってオイルが昇温される。また、その際に、クラッチ15は完全には解放されていないため、モータ・ジェネレータ12を用いたHEV走行などを行うことができる。その結果、冷態時におけるオイルの昇温をより促進することができ、車両の運転状態にかかわらず、燃料消費率(燃費)を向上させることが可能となる。
本実施形態によれば、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)以上の場合に、クラッチ15を完全に締結させるように第2電磁弁42が制御されるとともに、オイルをモータ・ジェネレータ12により多く供給するように第1電磁弁41が制御される。そのため、オイルの昇温が完了したとき(暖機が完了したとき)には、クラッチ15のスリップが停止され、クラッチ15による発熱(昇温)が停止される。また、モータ・ジェネレータ12に対してより多くのオイルが供給されるようにオイル配分が可変されることによって、モータ・ジェネレータ12の冷却が促進される。よって、低温時のオイルの昇温促進と、高温時におけるモータ・ジェネレータ12の冷却とを両立することが可能となる。
本実施形態によれば、高電圧バッテリ70の充電状態(SOC)が所定値(例えば50%)未満の場合には、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)未満であっても、クラッチ15が締結されるように第2電磁弁42が制御される。よって、例えば、エンジン出力や駆動輪16からの駆動力(回生時)を用いてモータ・ジェネレータ12を駆動して発電する(高電圧バッテリ70を充電する)こともできる。
本実施形態によれば、車両の速度が所定速度(例えば5km/h)未満の場合には、高電圧バッテリ70の充電状態(SOC)が所定値(例えば50%)未満であっても、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)未満のときに、クラッチ15がスリップするように第2電磁弁42が制御される。すなわち、車両が減速して車速が所定速度未満となった場合(例えば停止直前など)には、回生量が低下するため(回生が取り切れないため)、クラッチ15をスリップさせてオイルを昇温し、スリップロスを低減することにより、全体的な効率(燃費)を向上させることができる。
本実施形態によれば、クラッチ15がスリップするように第2電磁弁42が制御される場合に、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチ15のスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力が調節される。すなわち、クラッチ15のスリップによって熱に変換される出力分、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力が調節(増大)されるため、運転者の要求駆動力を満足させつつ、オイルの昇温を促進することができる。
本実施形態によれば、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチ15のスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力が調節される際に、モータ・ジェネレータ12の運転効率、及び/又は、エンジン10の運転効率に基づいて、車両(パワーユニット)全体として効率を最大化するように、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力が調節される。そのため、クラッチ15をスリップさせてオイルを昇温する際に、運転者の要求駆動力を満足させつつ、車両全体として効率を最大化することができる。よって、車両の運転状態にかかわらず、燃料消費率(燃費)を向上させることができる。
本実施形態によれば、クラッチ15をスリップさせてオイルを昇温することによるスピンロスの低減量と、運転者の要求駆動力を満足させるように、クラッチ15のスリップ率に基づいて、モータ・ジェネレータ12、及び/又は、エンジン10の出力を調節(増大)することによる損失量(燃費悪化量)とが比較されて、損失量(燃費悪化量)がスピンロスの低減量を上回る場合には、オイルの温度が所定温度(例えば20℃)未満であっても、クラッチ15が完全に締結されるように第2電磁弁42が制御される。そのため、クラッチ15をスリップさせてオイルを昇温させることにより、車両(P/U)全体として、効率が低下(燃費が低下)すると予測される場合には、クラッチ15が締結される(すなわち、クラッチ15のスリップによるオイル昇温が禁止される)。よって、オイルの昇温動作により燃料消費率(燃費)が悪化することを防止できる。
本実施形態によれば、予め記憶されているオイルの温度(油温)と、オイルのスピンロスとの関係(すなわち、油温上昇∝クラッチ15の発熱量∝スリップ率とスピンロスの低減量との関係)に基づいて、スピンロスの低減量と損失量(燃費悪化量)とが比較される。よって、より適確に、車両(パワーユニット)全体として最も効率のよい運転(制御)を行うことができる。
本実施形態によれば、オイルの温度(油温)に応じて、クラッチ15のスリップ率が可変される。そのため、オイルの温度(昇温)に応じて、クラッチ15を最適なスリップ率で制御することができる。
すなわち、本実施形態によれば、オイルの温度(油温)に基づいて、クラッチ15の目標スリップ率が設定され(例えば、油温が低いほど目標スリップ率が大きくなるように設定され)、該目標スリップ率と、実際のスリップ率とが一致するように、第2電磁弁42(クラッチ15に供給する油圧)が制御される。そのため、より適切にクラッチ15の締結力(スリップ率)を設定し、制御することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係るオイル昇温装置1を、ハイブリッド車(HEV)に適用した場合を例にして説明したが、上記実施形態とは形式が異なる種々のハイブリッド車(HEV)にも適用することができる。また、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)などにも適用することができる。
また、上記実施形態では、モータ・ジェネレータ12が1つの場合を例にして説明したが、モータ・ジェネレータ12の数は2個以上であってもよい。また、第1電磁弁41(スプールバルブ)と第2電磁弁42(スプールバルブ)を一体的(例えば、1つの電磁弁とスプールバルブ)に構成してもよい。
また、上記実施形態では、オイルの温度(油温)に応じてモータ・ジェネレータ12とクラッチ15に供給するオイル量の配分を可変するために第1電磁弁41(スプールバルブ)を用いたが、第1電磁弁41に代えて、例えば、オイルの温度によって開度が変化するサーモスタットを用いる構成としてもよい
1 オイル昇温装置
10 エンジン
12 モータ・ジェネレータ(電動モータ)
15 湿式多板クラッチ
21 第1温度センサ
22 第2温度センサ(油温センサ)
30 オイルパン
32 オイルポンプ
40 オイルクーラ
41 第1電磁弁
42 第2電磁弁
50 HEV-CU
51 制御部
58 アクセルペダルセンサ
59 車速センサ
60 PCU
70 高電圧バッテリ
71 BCU
80 ECU
100 CAN

Claims (9)

  1. 車両に搭載されたモータ・ジェネレータと、
    前記モータ・ジェネレータと駆動輪との間に介装され、前記モータ・ジェネレータと前記駆動輪との間のトルク伝達を調節するクラッチと、
    前記モータ・ジェネレータに供給するオイルの量と前記クラッチに供給するオイルの量との配分を調節する配分調節手段と、
    前記クラッチに供給するオイルの油圧を調節する油圧調節手段と、
    前記オイルの温度を検出する温度検出手段と、
    前記配分調節手段の駆動、及び前記油圧調節手段を制御する制御手段と、
    前記モータ・ジェネレータに電力を供給するバッテリの充電状態を検知する充電状態検知手段と、
    前記車両の速度を検出する車速検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記オイルの温度が所定温度未満の場合に、前記クラッチがスリップするように前記油圧調節手段制御するとともに、前記オイルを前記クラッチにより多く供給するように前記配分調節手段を制御し、
    かつ、前記バッテリの充電状態が所定値未満の場合には、前記オイルの温度が所定温度未満であっても、前記クラッチを締結させるように前記油圧調節手段を制御し、
    かつ、前記車両の速度が所定速度未満の場合には、前記バッテリの充電状態が所定値未満であっても、前記オイルの温度が所定温度未満のときに、前記クラッチがスリップするように前記油圧調節手段を制御する
    ことを特徴とするオイル昇温装置。
  2. 前記制御手段は、前記オイルの温度が所定温度以上の場合に、前記クラッチを締結させるように前記油圧調節手段を制御するとともに、前記オイルを前記モータ・ジェネレータにより多く供給するように前記配分調節手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のオイル昇温装置。
  3. 車両に搭載されたモータ・ジェネレータと、
    前記モータ・ジェネレータと駆動輪との間に介装され、前記モータ・ジェネレータと前記駆動輪との間のトルク伝達を調節するクラッチと、
    前記モータ・ジェネレータに供給するオイルの量と前記クラッチに供給するオイルの量との配分を調節する配分調節手段と、
    前記クラッチに供給するオイルの油圧を調節する油圧調節手段と、
    前記オイルの温度を検出する温度検出手段と、
    前記配分調節手段の駆動、及び前記油圧調節手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記オイルの温度が所定温度未満の場合に、前記クラッチがスリップするように前記油圧調節手段制御するとともに、前記オイルを前記クラッチにより多く供給するように前記配分調節手段を制御し、
    前記クラッチがスリップするように前記油圧調節手段を制御する場合に、運転者の要求駆動力を満足させるように、前記クラッチのスリップ率に基づいて、前記モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力を調節し、
    かつ、運転者の要求駆動力を満足させるように、前記クラッチのスリップ率に基づいて、前記モータ・ジェネレータ、及び/又は、前記エンジンの出力を調節する際に、前記モータ・ジェネレータの運転効率、及び/又は、前記エンジンの運転効率に基づいて、前記車両全体として効率を最大化するように、前記モータ・ジェネレータ、及び/又は、前記エンジンの出力を調節する
    ことを特徴とするオイル昇温装置。
  4. 前記制御手段は、前記クラッチがスリップするように前記油圧調節手段を制御する場合に、運転者の要求駆動力を満足させるように、前記クラッチのスリップ率に基づいて、前記モータ・ジェネレータ、及び/又は、エンジンの出力を調節することを特徴とする請求項1又は2に記載のオイル昇温装置。
  5. 前記制御手段は、運転者の要求駆動力を満足させるように、前記クラッチのスリップ率に基づいて、前記モータ・ジェネレータ、及び/又は、前記エンジンの出力を調節する際に、前記モータ・ジェネレータの運転効率、及び/又は、前記エンジンの運転効率に基づいて、前記車両全体として効率を最大化するように、前記モータ・ジェネレータ、及び/又は、前記エンジンの出力を調節することを特徴とする請求項に記載のオイル昇温装置。
  6. 前記制御手段は、前記クラッチをスリップさせて前記オイルを昇温することによるスピンロスの低減量と、運転者の要求駆動力を満足させるように、前記クラッチのスリップ率に基づいて、前記モータ・ジェネレータ、及び/又は、前記エンジンの出力を調節することによる損失量と、を比較して、前記損失量が前記低減量を上回る場合には、前記オイルの温度が所定温度未満であっても、前記クラッチを締結させるように前記油圧調節手段を制御することを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載のオイル昇温装置。
  7. オイルの温度とオイルによるスピンロスとの関係を予め記憶した記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されているオイルの温度とオイルによるスピンロスとの関係に基づいて、前記低減量と前記損失量とを比較することを特徴とする請求項に記載のオイル昇温装置。
  8. 前記制御手段は、前記クラッチがスリップするように前記油圧調節手段を制御する場合に、前記オイルの温度に応じて、前記クラッチのスリップ率を可変することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のオイル昇温装置。
  9. 前記制御手段は、前記オイルの温度に基づいて、前記クラッチの目標スリップ率を設定し、該目標スリップ率と、実際のスリップ率とが一致するように、前記油圧調節手段を制御することを特徴とする請求項に記載のオイル昇温装置。
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