JP7049745B2 - 車両用空調装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内の左右の運転席側(運転者側)と同乗者側を各々独立して温度調和することができる車両用空調装置を用いた車両用空調装置の制御方法に関するものである。
従来、車室内の運転者側と同乗者側に対して、それぞれ異なる温度に調和された空気を吹き出すことができる左右独立温調機能を備えた車両用空調装置が知られている。斯かる車両用空調装置において、特許文献1には、乗員が運転者のみである場合には、運転者側空間を急速に温度調節する運転モード(集中吹出モード)として、複数の吹出口のうち、運転者側空間以外に開口する吹出口を全て閉じて空調運転を行うことが提案されている。このような空調運転を行うことによって、運転者側空間だけに温調空気を吹き出すことができるため、運転者側空間を急速に且つ効率良く設定温度に近づけることができるとともに、蒸発器(エバポレータ)の冷房負荷や圧縮機(コンプレッサ)の消費電力を低く抑えることができる。
ところで、車両用空調装置においては、蒸発器の温度を温度センサによって検出し、検出された温度に基づいて圧縮機の駆動を制御することによって空調温度を設定温度に近づけるようにしている。具体的には、空調温度が設定値に達したために圧縮機を停止し或いは冷媒の吐出量を減少させるときの蒸発器の温度を閾値温度として設定し、温度センサによって検出される蒸発器の温度が閾値温度に達するまで冷却されると圧縮機を停止或いは冷媒の吐出量を減少させるようにしている。
このため、温度センサによって蒸発器の温度が正確に検出されない場合、例えば、検出される温度が蒸発器の実際の温度よりも高い場合には、蒸発器の温度が閾値温度より低下しても圧縮機が運転され続けるために圧縮機が過剰運転され、結果として蒸発器の凍結等を招くという問題が発生する。ここで、蒸発器の凍結とは、空気に含まれる水蒸気が蒸発器によって露点温度以下に冷却されることによって発生する凝縮水が蒸発器の外表面で凍結することを言う。
又、逆に検出される温度が蒸発器の実際の温度よりも低い場合には、蒸発器が閾値温度にまで冷却されたものと判断され、車室内に吹出される調和空気の温度が設定値まで冷却されていないにも関わらず圧縮機が停止され或いは冷媒の吐出量が減少してしまうという問題が発生する。
従って、蒸発器の実際の温度を温度センサによって高精度に検出することが必要となるが、特許文献2には、温度センサを固定クリップによって蒸発器の熱交換フィンに接触させて取り付ける構成(フィン感熱式)が提案されており、これによれば熱交換フィンの温度を直接正確に検出することができる。
又、特許文献3には、温度センサを蒸発器の下流側に熱交換フィンから離して風向クリップによって固定する構成(空気感熱式)が提案されており、これによれば熱交換フィンによって冷却された空気の温度を正確に検出することができる。
特開2008-296717号公報 特開平10-291414号公報 特開平10-207272号公報
ところで、左右独立温調機能を備える車両用空調装置のうち、特許文献1において提案されたような運転モードとして集中吹出モードが選択可能な車両用空調装置においては、吹出モードとして通常吹出モードが選択された場合には、送風機からケース内に供給される空気は、蒸発器の下流の運転者側空間と同乗者側空間を通流するが、集中吹出モードが選択された場合には、空気は主に運転者側空間を流れ、同乗者側空間には殆ど流れない(全く流れないか、流れても僅かである)。このため、蒸発器においては、空気が殆ど流れない同乗者側空間に面する部分の温度が、他の部分(空気が流れる運転者側空間に面する部分)の温度よりも低くなる。
従って、例えば、特許文献2において提案されたフィン感熱式センサを蒸発器の運転者側空間に設置し、蒸発器の温度を制御すると、集中吹出しモードが選択されたときには、蒸発器のうち同乗者側空間に位置する部分は結露水が凍結するおそれが高まる。そしてその後、集中吹出しモードから通常吹出しモードに変更するよう選択されると、同乗者側空間を通流しようとする空気が凍結した蒸発器によって通流が阻害されて、同乗者が適切に冷風を得ることができないおそれもある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、熱交換フィンに接触させて蒸発器の温度を高い精度で検出できるフィン感熱式センサを用いて蒸発器の温度が制御され、かつ左右独立温調機能を備える車両用空調装置を用いて、蒸発器での凝縮水の凍結を防ぐことのできる車両用空調装置の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置は、圧縮機(10)、凝縮器(11)、膨張装置(12)、蒸発器(8)を配管(13)で接続し冷媒が循環する冷凍サイクル(C)と、送風機(5)、該送風機により送風された空気が流れる通風路に前記蒸発器を収容するケース(3)、前記蒸発器の下流側の通風路を運転者側通風路(20)と運転者側通風路以外の同乗者側通風路(30)とに仕切る仕切部(14)、前記運転車側通風路と連通し運転者に供給する空気を吹出す運転者側吹出口(23、24)、前記同乗者側通風路と連通し同乗者に供給する空気を吹出す同乗者側吹出口(33、34)、前記運転者側吹出口を開閉する運転者側ドア(23d、24d)、前記同乗者側吹出口を開閉する同乗者側ドア(33d、34d)を有する温度調和ユニット(1)と、車室内の空調状態を制御して、前記運転者側ドアを開放し且つ前記同乗者側ドアを開放する通常吹出モードと前記運転者側ドアを開放し且つ前記同乗者側ドアを閉塞する集中吹出モードとを選択可能な制御装置(2)と、前記蒸発器の下流側の前記同乗者側通風路に面する領域に該蒸発器に接触して配置され、前記蒸発器の温度を検出する温度センサ(50A)と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置は、前記温度調和ユニット(1)について、前記運転車側通風路および/または前記同乗者側通風路と連通し車両のフロントウインドウに供給する空気を吹出すデフロスト吹出口(40)、前記デフロスト吹出口を開閉するデフロストドア(40d)を有することが好ましい。デフロストドアを開くことで、フロントウインドウが結露した場合にフロントウインドウに空気を供給し、結露を解消して、窓の曇りを防ぐことができる。また、デフロストドアを閉じることで、集中吹出しモードが選択されたときに、効率的に車室内の運転者周囲の空間を効率的に温度調和することができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置は、圧縮機(10)、凝縮器(11)、膨張装置(12)、蒸発器(8)を配管(13)で接続し冷媒が循環する冷凍サイクル(C)と、送風機(5)、該送風機により送風された空気が流れる通風路に前記蒸発器を収容するケース(3)、前記蒸発器の下流側の通風路を運転者側通風路(20)と運転者側通風路以外の同乗者側通風路(30)とに仕切る仕切部(14)、前記運転車側通風路と連通し運転者に供給する空気を吹出す運転者側吹出口(23、24)、前記同乗者側通風路と連通し同乗者に供給する空気を吹出す同乗者側吹出口(33、34)、前記運転者側吹出口を開閉する運転者側ドア(23d、24d)、前記同乗者側吹出口を開閉する同乗者側ドア(33d、34d)を有する温度調和ユニット(1)と、車室内の空調状態を制御して、前記運転者側ドアを開放し且つ前記同乗者側ドアを開放する通常吹出モードと前記運転者側ドアを開放し且つ前記同乗者側ドアを閉塞する集中吹出モードとを選択可能な制御装置(2)と、前記蒸発器の下流側の前記運転者側通風路に面する領域に該蒸発器に接触して配置され、前記蒸発器の温度を検出する温度センサ(50B)と、を備え、制御装置(2)は、前記通常吹出モードが選択されたときは、前記温度センサ(50B)により検出された検出温度(T8a)が閾値温度(Tsd)の下限値(Tsd)minに達すると前記圧縮機(10)の作動を停止又は冷媒の吐出量を減少させ、その後、前記検出温度(T8a´)が前記閾値温度(Tsd)の上限値(Tsd)maxに達すると前記圧縮機(10)の作動を開始又は冷媒の吐出量を増加させ、前記集中吹出モードが選択されたときは、閾値温度(Tsp)を前記通常吹出モードが選択されたときの前記閾値温度(Tsd)よりも高い値に設定する。集中吹出モードが選択されたときは、蒸発器のうち同乗者側通風路に位置する部分は、高温の空気が通流せずに温度が下がりやすく、凍結しやすい。しかし、集中吹出モードが選択されたときの閾値温度(Tsp)を、通常吹出モードが選択されたときの閾値温度(Tsd)よりも高い値に設定することで、凍結することが防止される。
本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置の制御装置(2)は、集中吹出モードが選択されたとき、更に、前記送風機(5)により送風される空気の量が多いほど高い値に設定するように、車両用空調装置を制御することが好ましい。送風される空気の量が多いときは、一般に冷媒の循環量も多く、蒸発器のうち同乗者側通風路に位置する部分は、より凍結しやすいところ、集中吹出モードが選択されたときの閾値温度(Tsp)を送風される空気の量が多いほど高い値に設定することで、凍結することが防止される。
本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置の制御装置(2)でも、前記温度調和ユニット(1)について、前記運転車側通風路および/または前記同乗者側通風路と連通し車両のフロントウインドウに供給する空気を吹出すデフロスト吹出口(40)、前記デフロスト吹出口を開閉するデフロストドア(40d)を有することが好ましい。デフロストドアを開くことで、フロントウインドウが結露した場合にフロントウインドウに空気を供給し、結露を解消して、窓の曇りを防ぐことができる。また、デフロストドアを閉じることで、集中吹出しモードが選択されたときに、効率的に車室内の運転者周囲の空間を温度調和することができる。
蒸発器での凝縮水の凍結を防ぐことができる左右独立温調機能を備える車両用空調装置を用いた車両用空調装置の制御方法を提供することができる。
本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置の基本構成を模式的に示す平断面図である 本発明に係る第1の実施形態における車両用空調装置の蒸発器およびその近傍の構成を、風下側から風上側に向けて見た斜視図である。 本発明に係る第1の実施形態における車両用空調装置の制御手順を示すフローチャートである。 (a),(b)は本発明に係る第1の実施形態における車両用空調装置の制御方法において通常吹出モードと集中吹出モードが選択された場合の蒸発器の検出温度と閾値温度との関係を示す図である。 本発明に係る第2の実施形態における車両用空調装置の蒸発器およびその近傍の構成を、風下側から風上側に向けて見た斜視図である。 本発明に係る第2の実施形態における車両用空調装置の制御手順を示すフローチャートである。 (a),(b)は本発明に係る第2の実施形態における車両用空調装置の制御方法において通常吹出モードと集中吹出モードが選択された場合の蒸発器の検出温度と閾値温度との関係を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[車両用空調装置]
先ず、本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置の基本構成を図1に基づいて以下に説明する。
即ち、図1は本発明に係る車両用空調装置の制御方法で用いられる車両用空調装置の基本構成を模式的に示す平断面図であり、図示の車両用空調装置は、車室内の運転席側(運転者側)と同乗者側に対してそれぞれ異なる温度に調和された空気を吹き出すことができる左右独立温調機能を備えるものであって、冷凍サイクルCと、温度調和ユニット1と、該温度調和ユニット1および後述する圧縮機10を制御する制御装置2を有して構成される。
冷凍サイクルCは、圧縮機10、凝縮器11、膨張装置12、蒸発器8を配管13で接続したもので、圧縮機10を駆動することで、内部を冷媒が循環できるように構成されている。
圧縮機10は、内燃機関や電気モータなどの駆動源に機械的に接続されて、駆動される。駆動源と連結されたクラッチと冷媒圧縮部とを機械的に連結、または切断することが可能とされている。所定の電気信号が付与されるとクラッチと冷媒圧縮部とが機械的に連結し、冷媒を圧縮する。圧縮された冷媒は、高温高圧の気相となって、冷凍サイクルCの内部に吐出される。また、圧縮機10は、別に付与される信号に応じて、冷媒の吐出量を変更することができる可変容量型圧縮機と、冷媒の吐出量を変更できない固定容量型とに大別される。
圧縮機10から吐出された冷媒は、凝縮器11に流入する。凝縮器11は、内部に流入した冷媒と、外部を通流する空気との熱を交換する熱交換器である。冷媒が内部を通流する複数のチューブと、各チューブの間に設けられた放熱用の複数のフィンを有して構成される。冷媒は、外気によって冷却され、液相または気液混合相となって、凝縮器11から流出する。凝縮器11は、コンデンサと呼ばれることもある。凝縮器11は、外気との熱交換の効率を向上するために、一般に、乗員が搭乗する車室内よりも車両前方に設けられた車両前室(図示せず)に配置される。車両前室は、内燃機関が配置される車両においては、エンジンルームと呼ばれることもある。車両前室と車室内とは、隔壁(図示せず)により区画されている。隔壁は、ファイヤウォール、またはダッシュパネルと呼ばれることがある。
凝縮器11から流出した冷媒は、膨張装置12に流入する。膨張装置12は、内部に絞り部を有し、液相または気液混合相の冷媒を断熱膨張する。ここで、凝縮器11と膨張装置12との間に、周知の気液分離機(図示せず)を設けることが好ましい。気液分離機により冷媒を気相と液相に分離し、液相のみを膨張装置12に供給することで、冷媒を安定して断熱膨張することができる。膨張装置により断熱膨張された冷媒は、気液混合相となって流出する。
膨張装置12を流出した冷媒は、蒸発器8に流入する。蒸発器8は、内部に流入した冷媒と、外部を通流する空気との熱を交換する熱交換器である。冷媒が内部を通流する複数のチューブと、各チューブの間に設けられた放熱用の複数のフィンを有して構成される。冷媒は空気から熱を吸収し、気相となって蒸発器8から流出する。空気は冷媒によって冷却される。このとき、蒸発器8の外表面では、通流する空気が冷却される際に結露水が発生する。結露水は、蒸発器8の温度が零度を大きく下回るほど、そして零度を下回る時間が長いほど、凍結するおそれが高まる。仮に凍結が発生した場合、蒸発器8の空気の通流が阻害される。
蒸発器8を流出した冷媒は、再び圧縮機10に流入する(吸入される)。そして、圧縮機10の駆動が継続されていると、圧縮され高温高圧の気相となり、吐出される。
圧縮機10は、車両前室に配置される。凝縮器11は、述べたように車両前室に配置される。気液分離機は、車両前室に配置される。膨張装置は、車両前室あるいは車室内に配置される。蒸発器8は、車室内に配置される。
温度調和ユニット1は、車室内の運転席側(運転者側)と同乗者側に対してそれぞれ異な温度に調和された空気を供給可能に構成されている。温度調和ユニット1は、送風機5、該送風機により送風された空気が流れる通風路に蒸発器を収容するケース3、蒸発器の下流側の通風路を運転者側通風路20と運転者側通路以外の同乗者側通風路30とに仕切る仕切部14、前記運転車側通風路と連通し運転者に供給する空気を吹出す運転者側吹出口23、24、前記同乗者側通風路と連通し同乗者に供給する空気を吹出す同乗者側吹出口33、34、前記運転者側吹出口を開閉する運転者側ドア23d、24d、前記同乗者側吹出口を開閉する同乗者側ドア33d、34d、を有する。
また、温度調和ユニット1は、図1に示すように、空気の流れにおいて送風機5の上流側に、インテーク部を有する。インテーク部は、車室内の空気(内気AR)を吸込む内気吸込口6、車両の外部の空気(外気AF)を吸込む外気吸込口7、吸込む内気と外気との比率を変更する内外気切替ドア4、を有する。
送風機5は、電動モータMの回転軸にシロッコファンFが回転可能に組みつけられており、シロッコファンFを回転することでインテーク部から空気を吸込み、ケース3の通風路に吹出す。
ケース3は、内部に、送風機5により送風された空気が流れる通風路を有する。通風路には、冷凍サイクルCの一部である蒸発器8が配置されている。送風機5のモータMを駆動し、かつ、圧縮機10を駆動することで、送風機5により送風された空気を冷却できる。
通風路には、空気の流れにおいて蒸発器8の下流側に、加熱用熱交換器9が配置されている。加熱用熱交換器9は、周知のものが利用される。例えば、いずれも図示しない内燃機関を冷却する温水の熱を利用して空気を加熱する温水式熱交換器、冷媒の熱を利用して空気を加熱する冷媒放熱式熱交換器、電力により素子を発熱させて空気を加熱する電気発熱式熱交換器、などが適宜利用される。
本実施の形態では、ケース3の通風路のうち、蒸発器8の下流側は、仕切部14によって運転者側通風路20と同乗者側空間30とに区画されている。図1、図2および図3では、運転者側通風路20と同乗者側空間30とは、板状部材により区画されて運転者側通風路20と同乗者側空間30とが隣接する構成が示されているが、これに限らない。例えば、運転者側通風路20と同乗者側空間30とが図示しない構成の仕切部により仕切られて、離間する構成であってもよい。
加熱用熱交換器9は、運転者側通風路20と同乗者側空間30との両方に、その一部が露出するように配置されている。これにより、運転者側通風路20と同乗者側空間30との双方で、加熱用熱交換器9を通流した空気は加熱されて温風とされ、加熱用熱交換器9を迂回した空気は加熱されずに冷風のままとされる。なお加熱用熱交換器9は、図示しないが、運転者側通風路20と同乗者側通風路30のそれぞれに、別個に設けられていてもよい。
運転者側通風路20のうち、蒸発器8と加熱用熱交換器9との間には、運転者側ミックスドア21が配置される。同乗者側通風路30のうち、蒸発器8と加熱用熱交換器9との間には、同乗者側ミックスドア31が配置される。運転者側ミックスドア21と同乗者側ミックスドア31とは、それぞれ、その位置を適宜変更することで、加熱用熱交換器9に向かう空気と加熱用熱交換器9を迂回する空気との比率を変更するもので、図1では片持ち式のドアとして示したがこれに限定されず、いずれも周知のバタフライ式ドア、スライド式ドア、ロータリ式ドアであってもよい。また、運転者側ミックスドア21と同乗者側ミックスドア31とが、異なる形態のミックスドアであってもよい。
加熱用熱交換器9を通流した温風と加熱用熱交換器9を迂回した冷風とは運転者側混合空間22、同乗者側混合空間32でそれぞれ混合して、温度調和された空気となる。以上の構造により、運転者側通風路20で温度調和された空気と、同乗者側通風路30で温度調和された空気とは、それぞれ異なる温度に調和可能となっている。
運転者側通風路20の混合空間22は、空気流れ方向の下流側に、車両のフロントウインドウ(図示せず)に供給する空気を吹出すデフロスト吹出口40、運転者の上半身に供給する空気を吹出す運転者側ベント吹出口23、運転者の足元に供給する空気を吹出す運転者側フット吹出口24、と連通している。なお、運転者側混合空間22とデフロスト吹出口40とは、運転者側デフロストダ通路25により連通している。デフロスト吹出口40の近傍には、これを開閉するデフロストドア40dが設けられている。運転者側ベント吹出口23の近傍には、これを開閉する運転者側ベントドア23dが設けられている。運転者側フット吹出口24の近傍には、これを開閉する運転者側フットドア24dが設けられている。
同乗者側通風路30の混合空間32は、空気流れ方向の下流側に、車両のフロントウインドウ(図示せず)に供給する空気を吹出すデフロスト吹出口40、同乗者の上半身に供給する空気を吹出す同乗者側ベント吹出口33、同乗者の足元に供給する空気を吹出す同乗者側フット吹出口34、と連通している。なお、同乗者側混合空間32とデフロスト吹出口40とは、同乗者側デフロスト通路35により連通している。同乗者側ベント吹出口33の近傍には、これを開閉する同乗者側ベントドア33dが設けられている。同乗者側フット吹出口34の近傍には、これを開閉する同乗者側フットドア34dが設けられている。
運転者側ベント吹出口23と運転者側フット吹出口24とは、いずれも、運転者側吹出口である。同乗者側ベント吹出口33と同乗者側フット吹出口34とは、いずれも、同乗者側吹出口である。
運転者側デフロスト通路25と同乗者側デフロスト通路35とは、デフロスト吹出口40の上流側で合流し、合流地点よりも下流側にデフロストドア40dが設けられている。なお、本開示では運転者側デフロスト通路25と同乗者側デフロスト通路35をいずれも有する形態を示したが、いずれか一方のみを有する形態であってもよい。
以上の構成により、運転者側吹出口に設けられた各ドア(運転者側ベントドア23d、運転者側フットドア24d)を適宜開閉することで、運転者側通風路20の混合空間22で温度調和された空気の運転者への供給、あるいは供給の停止を行うことが出来る。また、同乗者側吹出口に設けられた各ドア(同上者側ベントドア33d、同乗者側フットドア34d)を適宜開閉することで、同乗者側通風路20の混合空間32で温度調和された空気の同乗者への供給、あるいは供給の停止を行うことが出来る。デフロストドア40dを適宜開閉することで、運転者側通風路20の混合空間22で温度調和された空気および同乗者側通風路20の混合空間32で温度調和された空気の混合空気のフロントウインドウへの供給、あるいは供給の停止を行うことが出来る。
制御装置2は、温度調和ユニット1と冷凍サイクルCとを制御可能であれば特に限定しないが、例えば車両のエンジンを制御するECU(Engine Control Unit)、車両用空調装置のみを制御する空調用制御アンプ(図示せず)等である。図示されない周知の情報(運転者や同乗者による車室内の設定温度f1や送風量f2、外気温度f3、車室内の温度f4、日射量f5、同乗者の有無f6、運転者や同乗者による内外気吸込み空気の設定比率f7、f8)や接触式の温度センサ50により検知された空気の温度T8a、T8b、等が入力されて、所定の計算式や条件マップに応じて計算し、電動モータMの回転作動の有無、圧縮機10の駆動の有無(圧縮機10の駆動と停止)や冷媒の吐出量、運転者側吹出口に設けられた各ドア23d、24dの開閉を変更するアクチュエータ(図示せず)の回転位置、同乗者側吹出口に設けられた各ドア33d、34dの開閉を変更するアクチュエータ(図示せず)の回転位置、を制御するよう、出力する。この他にも、更に、内外気切換ドア4の位置を変更するアクチュエータ(図示せず)の回転位置、電動モータMの回転速度、ミックスドア21、31の位置を変更するアクチュエータ(図示せず)の回転位置、デフロストドア40dの開閉の開閉を変更するアクチュエータ(図示せず)の回転位置、等のいずれか、または複数の要素を制御するように出力すると好ましい。加熱用熱交換器9について、電気発熱式熱交換器が用いられる場合、電気発熱素子の発熱量を制御すると好ましい。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、図2に示すように、蒸発器8の下流側の同乗者側通風路20に面する領域に、従来周知の接触式の温度センサ50(50B)が、該蒸発器8のフィンと温度センサの温度検知部とが接触するように配置されており、この温度センサ50Bによって、蒸発器8自体の温度が検出される。より詳しくは、蒸発器8のうち同乗者側通風路30に配置された部分8bの温度T8b、T8b´が検出される。この温度センサ50Bは、フィン感熱式サーモセンサと呼ばれることもある。
本発明に係る車両用空調装置の制御方法を吹出モードとして通常吹出モードが選択された場合と集中吹出モードが選択された場合に分けて説明する。以下においては、車両用空調装置が夏季において冷房運転される場合について図3、図4を参照しながら説明する。尚、図3は本発明に係る車両用空調装置の制御手順を示すフローチャート、図4(a),(b)は本発明に係る第1の実施形態における車両用空調装置の制御方法において通常吹出モードと集中吹出モードが選択された場合の蒸発器の検出温度と閾値温度との関係を示す図である。
<通常吹出モードが選択された場合>
先ず、車両用空調装置が冷房運転されると、制御装置2による制御が開始され、送風機5の電動モータMを回転してケース3の通風路に空気を送風する(ステップS1)。
次に、吹出モードとして通常吹出モードと集中吹出しモードとのいずれかを選択する(図3のステップS2)。このとき、同乗者側の乗員の存在の有無を、座席に設けた着座センサ、車室内の天井やインストルパネルに設けた赤外線センサ、或いはシートベルトの嵌着信号、各席のドアの開閉信号等(いずれも図示せず)の検知手段により検知することが好ましい。検知手段により検知された同乗者の有無の情報は、情報f6として、制御手段2に入力される。
吹出モードとして通常吹出モードが選択された場合(ステップS2:Yes)には、運転者側吹出口に設けられた各ドア(運転者側ベントドア23d、運転者側フットドア24d)の少なくとも1つと、同乗者側吹出口に設けられた各ドア(同乗者側ベントドア33d、同乗者側フットドア34d)の少なくとも1つを、それぞれ開く(ステップS3)。このとき、運転者側吹出口に設けられた各ドアと、同乗者側吹出口に設けられた各ドアのすべてを開いてもよい。制御装置2の出力に応じて、吹出しモードは適宜選択される。
次に、圧縮機10のクラッチと冷媒圧縮部とを機械的に連結して、圧縮機10を駆動する(ステップS4)。これにより冷凍サイクルCを冷媒が循環し、蒸発器8にて、ここを通過する空気の冷却が開始される。図1および図2の符号Rは、冷媒の循環方向を示している。
空気の冷却が開始されると、同乗者側通風路30に面する領域に設置された温度センサ50Bによって、蒸発器8により冷却された空気の温度(T8b)が検知される(ステップS5)。
本実施の形態では、温度センサ50Bによって検出された温度T8bが、図4(a)に示す所定の閾値温度Tsdの下限値(Tsd)min(=Tsd-α)と比較される(ステップS6)。閾値温度Tsdとしては、0.5℃~2.5℃が選択されることが好ましい。また、閾値温度Tsdに対する上限値と下限値との差(±α)は、0.5℃~1.5℃が選択されることが好ましい。
そして、温度T8bが閾値温度Tsdの下限値(Tsd)minよりも低温であると判定されると、圧縮機10の作動が停止或いは冷媒の吐出量(循環量)が減少される(ステップS7)。温度T8bが閾値温度Tsdの下限値(Tsd)minと同等か、より高温であると判定されると、圧縮機10の作動が継続され或いは冷媒の吐出量(循環量)が増加された状態で維持されて(ステップS8)、ステップS5、S6、S8の処理が繰り返される。
ステップS7にて、圧縮機10の作動が停止或いは冷媒の吐出量(循環量)が減少された後、温度センサ50Bにより蒸発器8を通過した空気の温度(T8b´)が検知される(ステップS9)。
本実施の形態では、温度センサ50Bによって検出された温度T8b´が、図4(a)に示す所定の閾値温度Tsdの上限値(Tsd)max(=Tsd+α)と比較される(ステップS10)。温度T8b´が閾値温度Tsdの上限値(Tsd)maxよりも高温であると判定されると、圧縮機10の作動が復帰或いは冷媒の吐出量(循環量)が増加される(ステップS11)。温度T8b´が閾値温度Tsdの上限値(Tsd)maxと同等か、より低温であると判定されると、圧縮機10の停止が継続され或いは冷媒の吐出量(循環量)が減少された状態で維持されて(ステップS12)、ステップS9、S10、S12の処理が繰り返される。
ステップS11により圧縮機10の作動が復帰或いは冷媒の吐出量(循環量)が増加されたのちは、再びステップS5に戻り、S5からS11までの処理が状況に応じて選択され、繰り返される。
図4(a)は、温度センサ50Bによって検出された温度T8b、T8b´だけでなく、蒸発器8の運転者側通風路20に配置された部分8aの推定温度E8aが示されている。通常吹出モードでは、部分8aの温度と蒸発器8のうち同乗者側通風路30に配置された部分8bの温度とは、いずれも送風機5からの空気が供給されるため、略同等となっている。
<集中吹出モードが選択された場合>
吹出モードとして集中吹出しモードが選択された場合(ステップS2:No)には、運転者側吹出口に設けられた各ドア(運転者側ベントドア23d、運転者側フットドア24d)の少なくとも1つを開くとともに、同乗者側吹出口に設けられた各ドア(同乗者側ベントドア33d、同乗者側フットドア34d)のすべてを閉塞する(ステップS13)。このとき、運転者側吹出口に設けられた各ドアのすべてを開いてもよい。制御装置2の出力に応じて、運転者側吹出口の吹出しモードは適宜選択される。そして、同乗者側吹出口(33、34)はすべて閉塞されるから、図2に示されるように蒸発器8のうち、同乗者側通風路30に位置する部分8bには空気が流れず、または流れたとしても僅かであり、熱量を有する送風空気が十分には供給されない。
次に、圧縮機10のクラッチと冷媒圧縮部とを機械的に連結して、圧縮機10を駆動する(ステップS4)が、ステップ4からステップ12までは、通常吹出モードが選択された場合と同様の制御が行われる。
集中吹出モードでは、圧縮機10は、蒸発器8のうち同乗者側通風路30に配置された部分8bに配置された温度センサ50Bで検知された温度T8b、T8b´を、閾値温度Tsdを中心とした温度範囲(上限値Tsd maxと下限値Tsd min)と比較して、制御される。ここで、閾値温度Tsdを中心とした温度範囲について、通常吹出モードの制御(特にステップS6とS10)と同等としているので、部分8bの温度は、図4(b)に示されるように、通常吹出モードにおける蒸発器8の温度と同等に制御される。すなわち、吹出モードに関わらず、部分8bは、同じ温度となるように制御される。
一方、集中吹出モードのときに、蒸発器8のうち運転者側通風路20に配置された部分8aの推定温度は、図4(b)にて符号E8aで示されるように、蒸発器8のうち同乗者側通風路30に配置された部分8bよりも高い温度となる。このように、集中吹出モードのときでも、蒸発器8の全ての部分は、通常吹出モードにおける蒸発器8の温度よりも下がることがなく、凍結することが防止される。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、図5に示すように、蒸発器8の下流側の同乗者側通風路20に面する領域に、従来周知の接触式の温度センサ50(50A)が、該蒸発器8のフィンと温度センサの温度検知部とが接触するように配置されており、この温度センサ50Aによって、蒸発器8自体の温度が検出される。より詳しくは、蒸発器8のうち運転者側通風路20に配置された部分8aの温度T8a、T8a´が検出される。
本発明に係る車両用空調装置の制御方法を吹出モードとして通常吹出モードが選択された場合と集中吹出モードが選択された場合に分けて説明する。以下においては、車両用空調装置が夏季において冷房運転される場合について図6、図7を参照しながら説明する。尚、図6は本発明に係る車両用空調装置の制御手順を示すフローチャート、図7(a),(b)は本発明に係る第2の実施形態における車両用空調装置の制御方法において通常吹出モードと集中吹出モードが選択された場合の蒸発器の検出温度と閾値温度との関係を示す図である。
<通常吹出モードが選択された場合>
先ず、車両用空調装置が冷房運転されると、制御装置2による制御が開始され、第1実施例と同様に、送風機5の電動モータMを回転してケース3の通風路に空気を送風する(ステップS1)。以下、基本的に第1実施例のステップS2乃至S12と同様のステップにて、制御が行われる。厳密には、ステップS6´にて、T8bに代えてT8aを用いてTsd minと比較する点、ステップS12´にて、T8b´に代えてT8a´を用いてTsd maxと比較する点が、異なる。
このため、図7(a)で示される蒸発器8の温度(T8a、T8a´)は、図4(a)で示される蒸発器8の温度(T8b、T8b´)と同じとなるように制御される。
<集中吹出モードが選択された場合>
吹出モードとして集中吹出しモードが選択された場合(ステップS2:No)には、運転者側吹出口に設けられた各ドア(運転者側ベントドア23d、運転者側フットドア24d)の少なくとも1つを開くとともに、同乗者側吹出口に設けられた各ドア(同乗者側ベントドア33d、同乗者側フットドア34d)のすべてを閉塞する(ステップS23)。このとき、運転者側吹出口に設けられた各ドアのすべてを開いてもよい。制御装置2の出力に応じて、運転者側吹出口の吹出しモードは適宜選択される。そして、同乗者側吹出口(33、34)はすべて閉塞されるから、図5に示されるように蒸発器8のうち、同乗者側通風路30に位置する部分8bには空気が流れず、または流れたとしても僅かであり、熱量を有する送風空気が十分には供給されない。
ステップ24以降ステップ32までについては、ステップS26とS30を除いて、第1実施例のステップ14以降ステップ22までと同様のフローとなっている。ステップS26では、温度センサ50により検知される温度T8a、T8a´の比較対象が、閾値温度Tsdを中心とした温度範囲ではなく、閾値温度Tspを中心とした温度範囲である。ここで閾値温度Tspは、図7に示されるように閾値温度Tspよりも高い温度であり、温度差Gを有する。
この結果、運転者側通風路20に位置する部分8aは、図7(b)にて二重線で示される温度範囲となるように制御されるから、図7(a)で示される通常吹出モードでの蒸発器8の温度よりも高い温度となり、凍結することが防止される。
同乗者側通風路30に位置する部分8bは、集中吹出モードのとき、部分8aよりも温度が下がる。しかしながら、予め温度差Gを有するように運転者側通風路20に位置する部分8aが高い温度で制御されるから、図7(b)での推定温度E8b(実線で示された温度)となるよう制御され、温度が零度よりも大幅に下がることがなく、凍結することが防止される。また、凍結のおそれの低い運転者側通風路に面する部分8aで確実に蒸発器8の温度を検出できるから、圧縮機10の過剰運転による蒸発器8の冷房負荷や圧縮機10の消費電力を低く抑えることができる。
ここで、閾値温度Tsdと閾値温度Tspとの温度差Gは1℃乃至5℃であることが好ましい。蒸発器8は、運転者側通風路20に面する領域8aを基準として温度が制御される。このため、温度差Gの値が大きすぎると、集中吹出しモードが選択されたときに、通常吹出モードに対して運転者に供給される冷風の温度が大きく上昇し、快適性が損なわれるおそれがある。温度差Gの値が小さすぎると、同乗者側通風路30に面する領域8bの温度が零度よりも大きく低下し、凍結が発生するおそれが高まる。
[第2の実施形態の変形例]
図7にて、通常吹出モードでの閾値温度Tsdに対して、集中吹出モードでの閾値温度Tspを高めに設定し、温度差Gを有するようにしたが、各種条件に応じて、温度差Gの値を変更することが好ましい。例えば、送風機5から供給される風量が増加した場合、送風機5から供給される空気の温度が上昇した場合、圧縮機10からの冷媒の吐出量が増加した場合、車両の走行速度が上昇して凝縮器11の放熱量が増加した場合などは、同乗者側通風路30に位置する部分8bの凍結が発生しやすい。このため、これら項目のいずれか、または複数に応じて温度差Gを拡大し、閾値温度Tspを高めに設定することが好ましい。
[その他の実施形態]
集中吹出しモードにおけるステップS13(図3)、およびステップ23(図6)において、運転者側吹出口に設けられた各ドア(運転者側ベントドア23d、運転者側フットドア24d)の少なくとも1つを開くとともに、同乗者側吹出口に設けられた各ドア(同乗者側ベントドア33d、同乗者側フットドア34d)のすべてを閉塞する(ステップS12)としたが、ここで更に、デフロストドア40dを閉塞してもよい。送風機5がケース3に送風し温度調和された空気は、すべて運転者側吹出口(23、24)から吹出されることになり、効率的に車室内の運転者周囲の空間を温度調和することができる。
1 温度調和ユニット
2 制御装置
3 ケース
4 内外気切替ドア
5 送風機
6 内気吸込口
7 外気吸込口
8 蒸発器
9 加熱用熱交換器
10 圧縮機
11 凝縮器(コンデンサ)
12 膨張装置
13 冷媒配管(配管)
14 仕切板(仕切部)
20 運転者側通風路
21 運転者側ミックスドア
22 運転者側混合空間
23 運転者側ベント吹出口
23d 運転者側ベントドア
24 運転者側フット吹出口
24d 運転者側フットドア
25 運転者側デフロスト通路
30 同乗者側通風路
31 同乗者側ミックスドア
32 同乗者側混合空間
33 同乗者側ベント吹出口
33d 同乗者側ベントドア
34 同乗者側フット吹出口
34d 同乗者側フットドア
35 同乗者側デフロスト通路
40 デフロスト吹出口
40d デフロストドア
50(50A、50B) 温度センサ(フィン接触式温度センサ)
C 冷凍サイクル
F シロッコファン
G 温度差
M 電動モータ

Claims (3)

  1. 圧縮機(10)、凝縮器(11)、膨張装置(12)、蒸発器(8)を配管(13)で接続し冷媒が循環する冷凍サイクル(C)と、
    送風機(5)、該送風機により送風された空気が流れる通風路に前記蒸発器を収容するケース(3)、前記蒸発器の下流側の通風路を運転者側通風路(20)と運転者側通風路以外の同乗者側通風路(30)とに仕切る仕切部(14)、前記運転車側通風路と連通し運転者に供給する空気を吹出す運転者側吹出口(23、24)、前記同乗者側通風路と連通し同乗者に供給する空気を吹出す同乗者側吹出口(33、34)、前記運転者側吹出口を開閉する運転者側ドア(23d、24d)、前記同乗者側吹出口を開閉する同乗者側ドア(33d、34d)を有する温度調和ユニット(1)と、
    車室内の空調状態を制御して、前記運転者側ドアを開放し且つ前記同乗者側ドアを開放する通常吹出モードと前記運転者側ドアを開放し且つ前記同乗者側ドアを閉塞する集中吹出モードとを選択可能な制御装置(2)と、
    前記蒸発器の下流側の前記運転者側通風路に面する領域に該蒸発器に接触して配置され、前記蒸発器の温度を検出する温度センサ(50A)と、
    を備え、
    前記制御装置(2)は、
    前記通常吹出モードが選択されたときは、前記温度センサ(50)により検出された検出温度(T8a)が閾値温度(Tsd)の下限値(Tsd)minに達すると前記圧縮機(10)の作動を停止又は冷媒の吐出量を減少させ、その後、前記検出温度(T8a´)が前記閾値温度(Tsd)の上限値(Tsd)maxに達すると前記圧縮機(10)の作動を開始又は冷媒の吐出量を増加させ、
    前記集中吹出モードが選択されたときは、閾値温度(Tsp)を前記通常吹出モードが選択されたときの前記閾値温度(Tsd)よりも高い値に設定する、
    ことを特徴とする車両用空調装置の制御方法。
  2. 前記閾値温度(Tsp)は、前記送風機(5)により送風される空気の量が多いほど高い値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の制御方法。
  3. 前記温度調和ユニット(1)は、
    前記運転車側通風路および/または前記同乗者側通風路と連通し車両のフロントウインドウに供給する空気を吹出すデフロスト吹出口(40)、前記デフロスト吹出口を開閉するデフロストドア(40d)を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置の制御方法。
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