JP7043536B2

JP7043536B2 - 内燃機関のオイルパン

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Publication number: JP7043536B2
Application number: JP2020059862A
Authority: JP
Inventors: 敬浅見
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2020-03-30
Filing date: 2020-03-30
Publication date: 2022-03-29
Anticipated expiration: 2040-03-30
Also published as: CN113464236A; CN113464236B; US20210301692A1; JP2021156254A; US11220937B2

Description

本発明は内燃機関のオイルパンに関する。

内燃機関は、内燃機関の下端部を構成し、エンジンオイルを貯容するオイルパンを有する。この種のオイルパンとして、オイルパンの、特に底部を形成する底壁の振動により生じる騒音を低減するために、底壁の主面がなす基準面より下方に突出した突出部分と前記基準面より上方に突出した引込部分とからなるビードを有するオイルパンが知られている（例えば、特許文献１）。

実開平３－６３７４６号公報

上述の如き従来のオイルパンは、ビードにより底壁の曲げ剛性は向上するが、ビードの下方への突出部分が、内燃機関の下方のスペースパフォーマンスを悪くすると共に、オイルパン内側における無用なオイル溜まり容積を増大する原因になる。

本発明が解決しようとする課題は、オイルパンの底壁の曲げ剛性を向上したうえで、内燃機関の下方のスペースパフォーマンスを悪化することが少なく、且つオイルパン内側における無用なオイル溜まり容積の増大を抑制することである。

本発明の一つの実施形態によるオイルパンは、内燃機関（１０）の下端部を構成するオイルパン（１４）であって、当該オイルパンの底部を形成する底壁１６を有し、前記底壁のクランク軸線方向（Ｘ）に直交する断面に於いて、前記底壁は、前記クランク軸線方向に沿って延在し、前記オイルパンの外側に向けて膨出する２個以上の外湾曲部（２８）と、２個の前記外湾曲部間にて前記クランク軸線方向に沿って延在し、且つ前記外湾曲部に対して連続的に形成され、前記オイルパンの内側に向けて膨出する内湾曲部（３０）とを有し、前記内湾曲部は、前記クランク軸線方向に直交する方向の幅（Ｗｂ）が、前記外湾曲部の同方向の幅（Ｗａ）よりも大きい。

この構成によれば、内燃機関の下方のスペースパフォーマンスを悪化することが少なく、且つオイルパン内側における無用なオイル溜まり容積の増大を抑制してオイルパンの底壁のクランク軸線方向の曲げ剛性が向上する。

上記オイルパンにおいて、好ましくは、前記外湾曲部及び前記内湾曲部は前記断面において円弧状に湾曲しており、前記外湾曲部の曲率半径よりも前記内湾曲部の曲率半径が大きい。

この構成によれば、外湾曲部と内湾曲部との曲率半径の違いにより、内湾曲部のクランク軸線方向に直交する方向の幅が、外湾曲部の同方向の幅よりも大きくなる。

上記オイルパンにおいて、好ましくは、前記外湾曲部及び前記内湾曲部は、前記断面で見て、互いに半径が異なり且つ互いに外接する円の一部により構成されている。

この構成によれば、外湾曲部と内湾曲部との間に平板部が存在しないので、底壁のクランク軸線方向の曲げ剛性が効果的に向上する。

上記オイルパンにおいて、好ましくは、前記底壁は、出力軸端側とチェーンケース端側との間に、浅底部と、深底部と、前記浅底部よりも深く且つ前記深底部より浅い中底部とを順に有し、前記中底部に前記外湾曲部及び前記内湾曲部が設けられている。

この構成によれば、中底部のクランク軸線方向の曲げ剛性が向上する。

上記オイルパンにおいて、好ましくは、前記外湾曲部及び前記内湾曲部が、前記中底部の前記クランク軸線方向の略全長に亘って延在している。

この構成によれば、中底部のクランク軸線方向の曲げ剛性が中底部のクランク軸線方向の全体に亘って向上する。

上記オイルパンにおいて、好ましくは、前記外湾曲部及び前記内湾曲部の前記クランク軸線方向の中間部を、当該クランク軸線方向に直交する方向に、前記外湾曲部及び前記内湾曲部を横切って延在する、前記オイルパンの外側に向けて膨出するリブ（３２）を更に有する。

この構成によれば、オイルパンの底壁のクランク軸線方向に直交する方向の曲げ剛性が向上する。

上記オイルパンにおいて、好ましくは、前記底壁の外縁から起立した側壁（１８）を有し、前記側壁は機関部品（５０）の取り付けのためのボス部（２６）を含み、前記リブは前記ボス部に連続している。

この構成によれば、リブによる底壁のクランク軸線方向に直交する方向の曲げ剛性が効果的に向上する。

本発明によるオイルパンによれば、オイルパンの底壁の曲げ剛性が向上したうえで、内燃機関の下方のスペースパフォーマンスを悪化することが少なく、且つオイルパン内側における無用なオイル溜まり容積の増大がされる。

本発明によるオイルパンの一つの実施形態を示す斜視図本実施形態によるオイルパンの正面図本実施形態によるオイルパンの中底部の縦断面図本実施形態によるオイルパンの底壁の構成を示す説明図

以下に、本発明による内燃機関のオイルパンの実施形態を、図１～図４を参照して説明する。

内燃機関１０は、機関の主要部をなすエンジンブロック１２（図２、図３参照）と、エンジンブロック１２の下端部に取り付けられたオイルパン１４とを有する。ここで、内燃機関１０のクランク軸（不図示）の延在方向、つまり、クランク軸線方向を、図１において、矢印Ｘにより示されている方向と定義する。

オイルパン１４は、底部を形成する底壁１６及び底壁１６から起立してエンジンブロック１２の下端部に接合される上端部を含む側壁１８を有する上方が開口した箱状をなし、エンジンオイルを貯容する。底壁１６及び側壁１８は、図１に示されているように、クランク軸線方向Ｘの一方の側である出力軸端側とクランク軸線方向Ｘのもう一方の側であるチェーンケース端側との間に連続して延在している。

オイルパン１４は、前記出力軸端側と前記チェーンケース端側との間に、底壁１６及び側壁１８により画定される、浅底部２０と、浅底部２０より深い深底部２２と、浅底部２０よりも深く且つ深底部２２より浅い中底部２４とを順に有する。

深底部２２には更に深底になる窪み部２２Ａが形成されている。オイルパン１４内において、窪み部２２Ａに対応する位置には、オイルパン１４内のエンジンオイルの汲み上げを行う汲上口をなすオイルストレーナ（不図示）が配置される。

中底部２４に対応する側壁１８には、機関部品５０の取り付けのためのボス部２６が側壁１８の外面から外方に向けて突出形成されている。

中底部２４に対応する底壁１６は、クランク軸線方向Ｘに直交する断面に於いて、クランク軸線方向Ｘに沿って延在し、オイルパン１４の外側に向けて下方に膨出する２個の外湾曲部２８と、両外湾曲部２８間にてクランク軸線方向Ｘに沿って延在し、且つ両外湾曲部２８に対して連続的に形成され、オイルパン１４の内側に向けて上方に膨出する内湾曲部３０とを有し、波形形状になっている。

これにより、中底部２４に対応する底壁１６のクランク軸線方向Ｘの曲げ剛性が、平底である場合に比して向上する。

外湾曲部２８は、クランク軸線方向Ｘに直交する断面に於いて、中底部２４に対応する底壁１６の最下部を通る基準線Ｌよりも下方に突出しない。

外湾曲部２８及び内湾曲部３０は中底部２４のクランク軸線方向Ｘの略全長に亘って延在している。

これにより、底壁１６のクランク軸線方向Ｘの曲げ剛性が中底部２４のクランク軸線方向Ｘの略全長に亘って向上する。

外湾曲部２８及び内湾曲部３０は、図４に示されているように、クランク軸線方向Ｘに直交する断面で見て、互いに異なる半径Ｒ_１、Ｒ_２を有して互いに外接する円Ａ、Ｂの一部により構成されて円弧状に連続しており、外湾曲部２８の曲率半径よりも内湾曲部３０の曲率半径が大きい。これにより、内湾曲部３０は、クランク軸線方向Ｘに直交する方向の幅Ｗｂが外湾曲部２８の同方向の幅Ｗａよりも大きい。

これにより、内湾曲部３０の幅Ｗｂと外湾曲部２８の幅Ｗａとが同寸である場合に比して、外湾曲部２８がオイルパン１４の外側に向けて膨出する量が低減すると共に、内湾曲部３０によってオイルパン１４内に形成される筋状の窪みの容積が低減する。

このことにより、底壁１６のクランク軸線方向Ｘの曲げ剛性の向上が図られた上で、内燃機関１０の下方のスペースパフォーマンスの悪化が抑制され、且つ、オイルパン１４内における無用なオイル溜まり容積の増大が抑制され、エンジンオイル量を低減することができる。

特に、外湾曲部２８及び内湾曲部３０が、クランク軸線方向Ｘに直交する断面で見て、互いに外接する円Ａ、Ｂの一部により構成されていることにより、外湾曲部２８と内湾曲部３０との間に直線部（平板部）が存在しないので、底壁１６のクランク軸線方向Ｘの曲げ剛性が効果的に向上する。

更に、中底部２４に対応する底壁１６には、外湾曲部２８及び内湾曲部３０のクランク軸線方向Ｘの中間部を、クランク軸線方向Ｘに直交する方向に、外湾曲部２８及び内湾曲部３０を横切って延在する、オイルパン１４の外側に向けて膨出するリブ３２が形成されている。リブ３２は、クランク軸線方向Ｘに直交する方向で見て、側壁１８に形成されている１つのボス部２６に連続している。

これにより、中底部２４に対応する底壁１６のクランク軸線方向Ｘに直交する方向の曲げ剛性が向上する。リブ３２はボス部２６により強固な側壁１８に接続されていることにより、リブ３２による中底部２４に対応する底壁１６のクランク軸線方向Ｘに直交する方向の曲げ剛性が効果的に向上する。

以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、外湾曲部２８及び内湾曲部３０の個数は、図示の実施形態のものに限られることはない。外湾曲部２８及び内湾曲部３０のクランク軸線方向に直交する断面の形状は、円（真円）に限られることはなく、楕円の一部等の湾曲形状であってもよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。

１０：内燃機関
１２：エンジンブロック
１４：オイルパン
１６：底壁
１８：側壁
２０：浅底部
２２：深底部
２２Ａ：窪み部
２４：中底部
２６：ボス部
２８：外湾曲部
３０：内湾曲部
３２：リブ
５０：機関部品

Claims

内燃機関の下端部を構成するオイルパンであって、
当該オイルパンの底部を形成する底壁を有すると共に、前記内燃機関の出力軸端側とチェーンケース端側との間に、浅底部と、深底部と、前記浅底部よりも深く且つ前記深底部より浅い中底部とを順に有し、
前記底壁のクランク軸線方向に直交する断面に於いて、
前記中底部の前記底壁は、
前記クランク軸線方向に沿って延在し、前記オイルパンの外側に向けて膨出する２個以上の外湾曲部と、
２個の前記外湾曲部間にて前記クランク軸線方向に沿って延在し、且つ前記外湾曲部に対して連続的に形成され、前記オイルパンの内側に向けて膨出する内湾曲部とを有し、
前記内湾曲部は、前記クランク軸線方向に直交する方向の幅が、前記外湾曲部の同方向の幅よりも大きいオイルパン。
前記外湾曲部及び前記内湾曲部が、前記中底部の前記クランク軸線方向の略全長に亘って延在している請求項１記載のオイルパン。
前記外湾曲部及び前記内湾曲部の前記クランク軸線方向の中間部を、当該クランク軸線方向に直交する方向に、前記外湾曲部及び前記内湾曲部を横切って延在する、前記オイルパンの外側に向けて膨出するリブを更に有する請求項１又は２に記載のオイルパン。
前記底壁から起立した側壁を有し、前記側壁は機関部品の取り付けのためのボス部を含み、前記リブは前記ボス部に連続している請求項３に記載のオイルパン。
内燃機関の下端部を構成するオイルパンであって、
当該オイルパンの底部を形成する底壁を有し、
前記底壁のクランク軸線方向に直交する断面に於いて、
前記底壁は、
前記クランク軸線方向に沿って延在し、前記オイルパンの外側に向けて膨出する２個以上の外湾曲部と、
２個の前記外湾曲部間にて前記クランク軸線方向に沿って延在し、且つ前記外湾曲部に対して連続的に形成され、前記オイルパンの内側に向けて膨出する内湾曲部とを有し、
前記内湾曲部は、前記クランク軸線方向に直交する方向の幅が、前記外湾曲部の同方向の幅よりも大きく、前記外湾曲部及び前記内湾曲部の前記クランク軸線方向の中間部を、当該クランク軸線方向に直交する方向に、前記外湾曲部及び前記内湾曲部を横切って延在する、前記オイルパンの外側に向けて膨出するリブを更に有するオイルパン。
前記底壁から起立した側壁を有し、前記側壁は機関部品の取り付けのためのボス部を含み、前記リブは前記ボス部に連続している請求項５に記載のオイルパン。
出力軸端側とチェーンケース端側との間に、浅底部と、深底部と、前記浅底部よりも深く且つ前記深底部より浅い中底部とを順に有し、前記中底部に前記外湾曲部及び前記内湾曲部が設けられている請求項５又は６に記載のオイルパン。
前記外湾曲部及び前記内湾曲部が、前記中底部の前記クランク軸線方向の略全長に亘って延在している請求項７に記載のオイルパン。
前記外湾曲部及び前記内湾曲部は前記断面において円弧状に湾曲しており、前記外湾曲部の曲率半径よりも前記内湾曲部の曲率半径が大きい請求項１から８の何れか一項に記載のオイルパン。
前記外湾曲部及び前記内湾曲部は、前記断面で見て、互いに異なる半径を有して互いに外接する円の一部により構成されている請求項９に記載のオイルパン。