JP7040184B2 - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。
モータに用いられる無方向性電磁鋼板(例えば、分割鉄心等の無方向性電磁鋼板)には、圧延方向の磁気特性を向上させることが従来から求められている。そのために、磁気特性に好ましい<001>方向が圧延方向に平行な集合組織(以下、RD//<001>)を発達させるように、様々な検討がなされてきている。
例えば、特許文献1には、冷延前の粒径を100μm以下にした熱延鋼板を冷延し、続く再結晶焼鈍の再結晶温度以上までを平均昇温速度100℃/sec以上で急速加熱することが開示されている。また、このようにして得られた無方向性電磁鋼板は、圧延方向の磁気特性に優れることが開示されている。
特許文献2には、質量%で、Si量が1.5%~3.5%およびP量が0.06%~0.20%で含有し、{100}<001>方位の集積度を{110}<001>方位の集積度より大きくした無方向性電磁鋼板が開示されている。また、この無方向性電磁鋼板は、L方向およびC方向の磁気特性に優れることが開示されている。さらに、この無方向性電磁鋼板は、冷間圧延において、中間焼鈍を挟む2回冷延を行うことにより得られることが開示されている。
特許文献3には、L方向およびC方向の両方向ともに優れた無方向性電磁鋼板が開示されている。また、この無方向性電磁鋼板は、冷間圧延において、上側ワークロールおよび下側ワークロール間の周速比が10%以上である異周速冷延を行うことにより得られることが開示されている。
特許文献4には、質量%で、Al量が0.02%以下で含有し、L方向およびC方向の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板が開示されている。また、この無方向性電磁鋼板は、冷間圧延の最終パスを除く少なくとも1パスを、100℃~300℃で行うことにより得られることが開示されている。
特許文献5には、熱延で少なくとも1パスを異周速圧延する熱延板の製造方法が開示されている。
特開2012-132070号公報 特開2012-036454号公報 特開2005-186112号公報 特開2002-003944号公報 特開平03-138317号公報
ところで、近年、例えば、分割鉄心用に適用される無方向性電磁鋼板には、幅方向(以下、「C方向」と称する場合がある)の磁気特性向上が求められ、さらに、安価であることが要求されている。そのため、従来の無方向性電磁鋼板は、磁気特性に加えて生産コストの観点でもさらなる改善の余地があった。
例えば、特許文献1に記載の無方向性電磁鋼板は、L方向の磁気特性に優れるが、C方向の磁気特性に改善の余地がある。
特許文献2に記載の無方向性電磁鋼板は、{100}<001>方位が発達しているので、L及びC方向の磁気特性が好ましい。しかし、磁気特性が十分とはいえず、磁気特性改善にさらなる改善の余地がある。さらに、この集合組織を得るためには中間焼鈍を挟む2回の冷延が必要であるため、生産コストの点で不利である。
特許文献3に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法では、冷延時の鋼板とロール間の摩擦係数が従来通りであるため、必ずしも表裏面および板厚中央に付加的せん断ひずみが多く導入されているわけではない。したがって、付加的せん断ひずみ導入による表裏面および板厚中央の集合組織改善に対して改善の余地があり、磁気特性をさらに向上させる見込みがある。
特許文献4に記載の無方向性電磁鋼板では、Al量が0.02%以下に限定されており、低鉄損が要求される高Al量の無方向性電磁鋼板は得られていない。また、製造方法については、最終冷延を除く冷延での温間圧延が前提となるため設備コストの点で不利である。
特許文献5に記載の無方向性電磁鋼板では、熱延での少なくとも1パスを異周速圧延するので、熱延板厚のばらつきが発生する。その結果、冷延率が変化し磁束密度の値がばらつくことが想定される。
本発明の課題は、磁束密度が高く、優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板、及びこの電磁鋼板を低コストで製造する製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1>
質量%で、
C :0.0001%~0.005%、
Si:2.0%~5.0%、
Mn:0.1%~3.0%、
Al:0.1%~3.0%、
P :0.001%~0.20%、
S :0.0001%~0.005%、
N :0.0001%~0.005%、
Sn:0.001%~0.20%、並びに、
残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有し、
鋼板表面から板厚1/10位置、板厚1/2位置、および板厚9/10位置における{410}<001>方位の集積度の和が13.0以上である無方向性電磁鋼板。
<2>
<1>に記載の無方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
質量%で、C :0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P :0.001%~0.20%、S :0.0001%~0.005%、N :0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有する鋼片を、熱間圧延する熱間圧延工程と、
前記熱間圧延後の鋼板に、冷間圧延を行う冷間圧延工程であって、累積された付加的剪断ひずみの平均値(aveΓ)が4.0以上である鋼板とする冷間圧延工程と、
前記冷間圧延後の鋼板に、仕上げ焼鈍する工程と、
を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
<3>
<1>に記載の無方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
質量%で、C :0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P :0.001%~0.20%、S :0.0001%~0.005%、N :0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有する鋼片を、熱間圧延する熱間圧延工程と、
前記熱間圧延後の鋼板に、冷間圧延を行う冷間圧延工程であって、周速の異なる2つのワークロールによる異周速での冷間圧延を、前記ワークロールと、前記ワークロールに接する鋼板の表面との摩擦係数が0.1超~0.3であり、かつ異速率が5%~40%である圧延を1パス以上実施し、前記摩擦係数と前記異速率を満足する異周速での冷延の合計圧下率が20%~50%となる条件で行う冷間圧延工程と、
前記冷間圧延後の鋼板に、仕上げ焼鈍する工程と、
を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、磁束密度が高く、優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板、及びこの電磁鋼板を低コストで製造する製造方法が提供される。
各摩擦係数における異速率が及ぼす板厚方向での付加的せん断ひずみの分布の影響を表すグラフである。 各摩擦係数における異速率が及ぼすaveΓへの影響を表すグラフである。 磁束密度B50に及ぼす累積aveΓの影響を表すグラフである。 各方位における板厚方向の集積度の和に及ぼす累積aveΓの影響を表すグラフである。 摩擦係数0.20の場合における累積aveΓに及ぼす異周速冷延の圧下率および異速率の影響を表すグラフである。 摩擦係数0.20の場合におけるL方向の磁束密度B50に及ぼす異周速冷延の圧下率および異速率の影響を表すグラフである。 摩擦係数0.20の場合におけるC方向の磁束密度B50に及ぼす異周速冷延の圧下率および異速率の影響を表すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例について説明する。
本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、「~」の前後に記載される数値に「超」および「未満」の少なくとも一方が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値または上限値として含まない範囲を意味する。
本明細書中において、成分(元素)の含有量を示す「%」は、「質量%」を意味する。
本明細書中において、C(炭素)の含有量を、「C量」と表記することがある。他の元素の含有量についても同様に表記することがある。
本明細書中において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書中において、方位(例えば、{410}<001>方位)は、圧延面の法線方向(圧延面方向)のミラー指数、および圧延方向と平行な方向(圧延面内方向)のミラー指数について、それぞれ±5°以内の方位であるものを表す。
なお、以下の説明において、板厚1/10位置、板厚1/2位置、および板厚9/10位置は、それぞれ、1/10t、1/2t、および1/9tと称する場合がある。
<無方向性電磁鋼板>
本実施形態の無方向性電磁鋼板は、質量%で、C:0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P:0.001%~0.20%、S:0.0001%~0.005%、N:0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物を含有する化学組成を有する。そして、鋼板表面から板厚1/10位置、板厚1/2位置、および板厚9/10位置における{410}<001>方位の集積度の和が13.0以上である。
本実施形態の無方向性電磁鋼板では、板厚全体に導入される付加的せん断ひずみ量の平均値(板厚平均での付加的せん断ひずみ量)が増加したことで、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{410}<001>方位の集積度の和が13.0以上となっていると考えられる。
{410}<001>方位は、磁気特性に好ましい{100}<001>方位に近い方位であるため、磁気特性の向上に好ましい方位といえる。この磁気特性に好ましい{410}<001>方位の集積度が13.0以上に発達していることで、磁束密度が向上したと考えられる。したがって、本実施形態の無方向性電磁鋼板は優れた磁気特性を有する。
なお、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{410}<001>方位の集積度の和は、言い換えると、鋼板両側の1/10tの2つの位置および1/2tにおける{410}<001>方位の集積度の合計でもある。
結晶方位は次の方法で測定できる。鋼板から切り出した24mm×24mm程度の鋼板サンプルの両面に対し、機械研磨および化学研磨を実施する。このとき、鋼板表面から板厚1/10位置、板厚1/2位置、板厚9/10位置までの板厚方向中央位置が表面となるまで、それぞれの面を減厚し、測定用試験片を作製する。
各測定用試験片について、X線回折装置により、{200}面、{110}面、{211}面の極点図を測定し、各層における結晶方位分布関数ODF(Orientation Determination Function)を作成する。この結晶方位分布関数に基づき、各層における各方位の集積度を得る。{410}<001>方位の集積度はφ2=0°断面のΦ=20°およびφ1=0°における集積度の値を読み取る。そして、板厚1/10位置、板厚1/2位置、板厚9/10位置における値の和をとる。この他、{111}<112>方位の集積度を測定する場合は、φ2=45°断面のΦ=55°およびφ1=30°における集積度の値を読み取る。また、{110}<001>方位の集積度を測定する場合は、φ2=0°断面のΦ=45°およびφ1=0°における集積度の値を読み取る。これらの結晶方位の集積度それぞれについて、板厚1/10位置、板厚1/2位置、板厚9/10位置における値の和をとる。
また、集合組織が、上記条件を満足する無方向性電磁鋼板が得られ、さらにコスト的に有利な製造条件を検討した。板厚平均での付加的せん断ひずみ量を増加させるには、1パス以上を周速の異なる2つのワークロールによる異周速での冷間圧延(以下、「異周速冷延」と称する場合がある。)を施すことが有効である。異周速冷延は、付加的せん断ひずみが板厚表面から板厚中心まで導入されやすい。しかしながら、単に、異周速冷延を行うのみでは、板厚平均での付加的せん断ひずみ量の導入が未だ十分ではないと考えられ、磁束密度が十分に向上しない場合があった。
製造条件をさらに検討したところ、異周速冷延において、適正な異速率下で、ワークロールと、ワークロールに接する鋼板の表面との摩擦係数、および異周速冷延を適用する合計圧下率を特定の範囲としたときに、板厚平均での付加的せん断ひずみ量の導入が著しく増加することが判明した。そして、冷間圧延後の鋼板に仕上げ焼鈍を行うことで、再結晶および再結晶粒成長によって、集合組織が上記条件を満たし、それにより、磁気特性が向上することを確認した。また、冷延工程を1回とし、この異周速冷延を1回の冷延工程において行うことで、低コスト化に寄与することになった。
以下、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板における化学組成の限定理由について述べる。なお、鋼板の成分組成について、「%」は「質量%」である。
本実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、質量%で、C:0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P:0.001%~0.20%、S:0.0001%~0.005%、N:0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有していてもよい。
(C:0.0001%~0.005%)
Cは、含有量が多いと、鉄損が低下する。そのため、C量は0.0001%~0.005%以下とする。C量は0.004%以下であることがよく、0.003%以下であることが好ましい。
(Si:2.0%~5.0%)
Siは、電気抵抗を増加させるために有効な元素である。しかし、Si量が過剰になると、熱延板焼鈍の有無にかかわらず、冷延性が低下する。そのため、Si量は2.0%~5.0%とする。Si量は4.5%以下であることがよく、4.0%以下であることが好ましい。また、Si量は2.5%以上であることがよく、3.0%以上であることが好ましい。
(Mn:0.1%~3.0%)
Mnは電気抵抗を増大させて渦電流損を減少させるとともに、鉄損を低減する作用がある。しかし、Mn量が過剰になると、効果が飽和する。そのため、Mn量は0.1%~3.0%とする。Mn量は2.5%以下であることがよく、2.0%以下であることが好ましい。また、Mn量は0.5%以上であることがよく、0.8%以上であることが好ましい。
(Al:0.1%~3.0%)
AlはSi同様に電気抵抗を増加させるのに有効な元素である。しかし、Al量が過剰になると、鋳造性が低下する。そのため、Al量は0.1%~3.0%とする。Al量は2.5%以下であることがよく、2.0%以下であることが好ましい。また、Al量は0.3%以上であることがよく、0.5%以上であることが好ましい。
(P:0.001%~0.20%)
Pは磁束密度を低下させることなく強度を高める作用がある。しかし、P量が過剰になると、鋼の靱性を損ない、鋼板に破断が生じやすくなる。そのため、P量は0.001%~0.20%とする。P量は0.15%以下であることがよく、0.10%以下であることが好ましい。
(S:0.0001%~0.005%)
Sは、含有量が多いと、硫化物の増加により、鉄損に悪影響を及ぼす。そのため、S量は0.0001%~0.005%とする。S量は0.003%以下であることがよく、0.001%以下であることが好ましい。
(N:0.0001%~0.005%)
Nは、含有量が多いと、窒化物の増加により、鉄損に悪影響を及ぼす。そのため、N量は0.0001%~0.005%とする。N量は0.002%以下であることがよく、0.001%以下であることが好ましい。
(Sn:0.001%~0.20%)
Snは磁束密度を高める作用がある。しかし、Sn量が過剰になると、鋼の靱性を損ない、鋼板に破断が生じやすくなる。そのため、Sn量は0.001~0.20%とする。Sn量は0.10%以下であることがよく、0.05%以下であることが好ましい。
(Feおよび不純物)
鋼板の残部は、Feおよび不純物である。本実施形態の化学組成において、上述した各元素を除いた残部は、Fe及び不純物である。
ここで、不純物とは、原材料に含まれる成分、または、製造の過程で混入する成分であって、意図的に鋼板に含有させたものではない成分を指す。
なお、測定試料となる鋼板が、表面に絶縁皮膜等を有している場合は、これを除去した後に測定する。絶縁皮膜等を除去する方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
まず、絶縁皮膜等を有する無方向性電磁鋼板を、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:10質量%+HO:90質量%)に、80℃で15分間、浸漬する。次いで、硫酸水溶液(HSO:10質量%+HO:90質量%)に、80℃で3分間、浸漬する。その後、硝酸水溶液(HNO:10質量%+HO:90質量%)によって、常温(25℃)で1分間弱、浸漬して洗浄する。最後に、温風のブロアーで1分間弱、乾燥させる。これにより、絶縁皮膜が除去される。
鋼板中の各元素の含有割合は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS法:Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry)により測定することができる。具体的には、まず、測定対象となる無方向性電磁鋼板を準備する。絶縁皮膜等を有する場合は、上記操作により除去しておく。そして、当該電磁鋼板の一部を切子状にして秤量し、これを測定用試料とする。当該測定用試料を酸に溶解させて酸溶解液とし、残渣は濾紙回収して別途アルカリ等に融解し、融解物を酸で抽出して溶液化する。当該溶液と前記酸溶解液とを混合し、必要に応じて希釈することにより、ICP-MS測定用溶液とすることができる。
(無方向性電磁鋼板の製造方法)
次に、本実施形態の無方向性電磁鋼板の好ましい製造方法の一例について説明する。
本実施形態の無方向性電磁鋼板の好適な製造方法の一例としては、前述の化学組成(質量%で、C:0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P:0.001%~0.20%、S:0.0001%~0.005%、N:0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物を含有する)を有する鋼片を、熱間圧延する熱間圧延(熱延)工程と、熱間圧延後の鋼板に冷間圧延する冷間圧延(冷延)工程と、冷間圧延後の鋼板に仕上げ焼鈍する工程と、を有する。
冷延工程では、累積された付加的剪断ひずみの平均値(aveΓ)が4.0以上である鋼板(冷延板)とする。
累積された付加的剪断ひずみの平均値(aveΓ)が4.0以上となる冷延板が得られるのであれば、冷延工程の条件は特に限定されるものではない。このような冷延板を得るための冷延工程としては、例えば、異周速での冷延を施すことが挙げられる。異周速での冷延を施す場合の好ましい条件は特に限定されず、例えば、後述の異周速での冷延条件が挙げられる。
本実施形態の無方向性電磁鋼板の好適な製造方法の他の一例としては、前述の化学組成(質量%で、C:0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P:0.001%~0.20%、S:0.0001%~0.005%、N:0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物を含有する)を有する鋼片を、熱間圧延する熱間圧延(熱延)工程と、熱間圧延後の鋼板に冷間圧延する冷間圧延(冷延)工程と、冷間圧延後の鋼板に仕上げ焼鈍する工程と、を有する。
冷延工程は、周速の異なる2つのワークロールによる異周速での冷間圧延を、ワークロールと、ワークロールに接する鋼板の表面との摩擦係数が0.1超~0.3であり、かつ、異速率が5%~40%である圧延を1パス以上実施し、摩擦係数と異速率を満足する異周速での冷延の合計圧下率が20~50%となる条件で実施する。
ここで、異速率とは、周速の異なる2つのワークロールのうち、高速側のワークロール(以下、高速ワークロールと称する場合がある)の周速と低速側のワークロール(以下、低速ワークロールと称する場合がある)の周速とにより求められる値である。具体的には、高速ワークロールの周速をV、低速ワークロールの周速をVとした場合、下記式(A)で表される。
式(A) 異速率(%)=((V/V)-1)×100
(熱間圧延工程)
上記の化学組成を有する鋼片を加熱した後、熱間圧延する工程である。熱延前の鋼片の加熱温度は特に限定されるものではないが、例えば、コスト等の観点から1000℃~1300℃(好ましくは1100℃~1200℃)が挙げられる。
加熱後の鋼片に対し粗熱延を施した後、仕上げ圧延(以下、「仕上げ熱延」と称する場合がある)を施す。粗熱延を終了した後、仕上げ熱延を施す。仕上げ熱延を施すときの仕上げ温度は特に限定するものではないが、例えば、800℃~1200℃(好ましくは800℃~900℃)が挙げられる。
なお、熱延工程と、次工程の冷延工程との間に、必要に応じて、酸洗工程および熱延板焼鈍工程の少なくとも一方を有していてもよい。例えば、熱延後の鋼板に、酸洗を行う酸洗工程を有してよく、熱延後の鋼板に、焼鈍を行う熱延板焼鈍工程を有していてもよい。また、熱延後の鋼板に、酸洗を行い、酸洗後の鋼板に熱延焼鈍を行ってもよく、熱延後の鋼板に、熱延焼鈍を行い、熱延焼鈍後の鋼板に、酸洗を行ってもよい。さらに、熱延後の鋼板にショットブラストで表面に凹凸を与えると、冷延での摩擦係数が増加するのでより好適である。なお、熱延板焼鈍を行う場合の温度は、特に限定するものではないが、例えば、900℃~1150℃(好ましくは950℃~1050℃)の範囲が挙げられる。
(冷間圧延工程)
次に、熱延後の鋼板に冷延を施す。冷延工程は、生産性の観点から1回の冷間圧延で実施する。ここで、1回の冷間圧延は、仕上げ板厚とするために施される冷延を表す。
冷延工程では、累積された付加的剪断ひずみの平均値(aveΓ)が4.0以上である冷延板とする。aveΓの上限は特に限定されず、例えば、10.0以下であってもよい。以下、冷延板のaveΓが4.0以上となる好ましい冷延工程について説明する。
冷延工程は、1)ワークロールと、ワークロールに接する鋼板の表面との摩擦係数が0.1超~0.3であり、2)異速率が5%~40%である圧延パスを1パス以上行い、1)および2)を満足するパスについて、3)合計圧下率が20%~50%となるように行う。
以下では、上記1)および2)を満たす異周速冷延を「適合異周速冷延」と記述することがある。また、異周速冷延のうち、特に上記1)および2)を満たす圧延であることを区別する必要がない場合は、単に「異周速冷延」と記述することがある。
また、本明細書では、説明の記述を簡略化するため、異速率=0%の圧延、つまり同周速の圧延を、「異速率ゼロの異周速冷延」として記述することがある。
上記1)~3)を満たす異周速冷延を行うことで、板厚全体に導入される付加的せん断ひずみが増加する。付加的せん断ひずみ量が増加した冷延後の鋼板に対して、仕上げ焼鈍を行うことで、再結晶および結晶粒成長によって、{410}<001>方位の集合組織が発達する。{410}<001>方位は、磁気特性に好ましい{100}<001>方位に近いので、無方向性電磁鋼板の磁気特性にとって好ましい方位である。その結果、無方向性電磁鋼板の磁気特性が向上する。
冷延は、タンデム圧延機、リバース圧延機のいずれの圧延機で圧延してもよい。冷延は、単独のパスでもよく、複数のパスでもよい。
また、例えば、冷延が複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機による圧延である場合、異周速冷延を1パス以上行うとは、複数の圧延スタンドのうち、少なくとも一つのスタンドにおいて、高速ワークロールおよび低速ワークロールによって、異周速冷延を行うことを表す。
適合異周速冷延は、少なくとも1パス行うことで、板厚平均での付加的せん断ひずみ量が増加する。適合異周速冷延は、冷延でのいずれのパスでもよいが、板形状確保の観点から、冷延パスのうち、パスの前半で行うことがよい。適合異周速冷延は、1パスでもよく、例えば、パスの前半とは1パス目でもよい。また、適合異周速冷延は、複数パスで行ってもよいが、全パスを異周速冷延すると鋼板が反りやすくなる傾向となる。それにより、鋼板(鋼帯)の巻き取りが困難となる場合が考えられるため、冷延の最終パスは同周速冷延とすることが好ましい。
適合異周速冷延を複数パスで行う場合、奇数パスと、偶数パスとで、低速ワークロールおよび高速ワークロールを入れ替えてもよい。例えば、1パス目は、上側ワークロールを高速ワークロールおよび下側ワークロールを低速ワークロールとし、2パス目は、上側ワークロールを低速ワークロールおよび下側ワークロールを高速ワークロールとしてもよい。これら組み合わせを繰り返してもよい。
なお、上側ワークロールおよび下側ワークロールの周速の組み合わせは、上記に限られない。適合異周速冷延となるのであれば、各パスにおいて、低速ワークロールおよび高速ワークロールの順序は特に限定されるものではない。
冷間圧延の全パス(適合異周速冷延を含む)の温度条件としては、常温(例えば、25℃)以上でもよく、50℃以上でもよく、300℃以上でもよく、350℃以上でもよい。一方、過剰に加熱すると、冷延するときの鋼板が軟化して、板厚全体にわたって、付加的せん断ひずみが導入され難くなる。そのため、上限を600℃以下とすることがよく、500℃以下でもよく、200℃以下としてもよい。したがって、冷延の全パスの温度域は、常温~600℃の温度域とすることがよい。コスト、脆性割れ防止の点から、常温~150℃の温度域とすることがよい。
本実施形態に係る無方向性電磁鋼板の好適な製造方法の一態様では、適合異周速冷延を行う冷延パスにおいて、ワークロール(高速ワークロールおよび低速ワークロールのいずれも)とワークロールに接する鋼板の表面との摩擦係数(以下、単に「摩擦係数」と称する場合がある)が0.1超~0.3であるパスを規定の対象とする。
摩擦係数が0.1超~0.3の範囲であることで、板厚平均での付加的せん断ひずみ量が著しく増加する。摩擦係数が0.1以下でも、付加的せん断ひずみが導入されるが、板厚全体に導入される付加的せん断ひずみ量が少ない。そのため、磁束密度B50の向上効果が十分に得られない。また、摩擦係数が0.3を超える場合は、圧延荷重が増加するので、板厚を低減することが困難になる。その結果、生産性が低下する。摩擦係数の好ましい下限は、0.15以上であり、好ましい上限は、0.25以下である。
また、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板の好適な製造方法の一態様では、適合異周速冷延を行う冷延パスにおいて、異速率が5%~40%であるパスを規定の対象とする。異速率が5%未満であると、前述の摩擦係数及び後述の異周速冷延の合計圧下率が適正な範囲にあっても、板厚平均での付加的せん断ひずみ量の導入が十分とはなり難い。そのため、磁束密度B50の向上効果が十分に得られない。一方、異速率が40%を超えても、摩擦係数及び合計圧下率に関わらず、板厚全体にわたって付加的せん断ひずみが導入されにくくなる。また、生産性が低下する。異速率の好ましい下限は、10%以上であり、好ましい上限は、35%以下である。
なお、上記の摩擦係数および異速率を満足する「異周速冷延」を特に「適合異周速冷延」と呼ぶことがあるのは、前述のとおりである。
さらに、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板の好適な製造方法の一態様では、適合異周速冷延の合計圧下率は20%~50%とする。適合異周速冷延の合計圧下率が20%未満であると、各パスの摩擦係数及び異速率が適正な範囲にあっても、板厚全体にわたって、付加的せん断ひずみが十分に導入され難い。そのため、磁束密度B50の向上効果が十分に得られない。一方、適合異周速冷延の合計圧下率が50%を超えると、板厚全体に付加的せん断ひずみが導入される量は増加するが、鋼板が反るため生産性が低下する。適合異周速冷延の合計圧下率の好ましい下限は、20%以上であり、好ましい上限は、40%以下である。
なお、適合異周速冷延を2パス以上で実施する場合の合計圧下率rは、各パスでの適合異周速冷延を行った冷延率をr、r、・・・、rとしたとき、下記式(B)で求める。
式(B) r(%)={1-(1-r)×(1-r)×・・・×(1-r)}×100
ここで、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板の好適な製造方法の一態様において、適合異周速冷延の「圧下率」については、「合計圧下率」の制御が重要であり、「各パスの圧下率」は合計圧下率が上記の範囲となるように定めればよい。つまり、例えば、適合異周速冷延の圧下率が非常に低いパスであっても、複数回実施して合計圧下率が上記範囲に入れば、磁束密度が高く、優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
ここで、摩擦係数、異速率、及び適合異周速冷延での合計圧下率についての検討の一例を、図を参照しつつ説明する。
まず、摩擦係数と付加的せん断ひずみの板厚方向分布との関係について図1を参照して説明する。図1は、各摩擦係数における異速率が及ぼす板厚方向での付加的せん断ひずみの分布の影響を表すグラフである。図1に示すグラフは、具体的には、熱延板厚を2mmから仕上げ板厚0.25mmまで、合計6パスで冷間圧延を行う工程において、1パス目を摩擦係数μが0.05または0.20の場合について、各摩擦係数における異周速冷延を圧下率30%で行い、2パス目以降(つまり、2パス目から6パス目)は摩擦係数0.05の同周速冷延を行ったときの関係を示している。無次元化板厚位置=0.0はワークロールの高速側表面(Hと表記)、無次元化板厚位置=0.5は板厚中心、無次元化板厚位置=1.0はワークロールの低速側(Lと表記)を表している。図1に示すように、摩擦係数μが0.05では、異速率増加に伴い、板厚中央近傍(1/2t)の付加的せん断ひずみが増加する。
一方、摩擦係数μが0.20では、異速率0%において、鋼板表裏面近傍(0t、1t)の付加的せん断ひずみが著しく増加する。さらに、摩擦係数μが0.20では、異周速冷延を適用した場合に、板厚中央近傍(1/2t)の付加的せん断ひずみが著しく増加することが分かる。
ここで、付加的せん断ひずみの測定法を説明する。鋼板に導入される付加的剪断ひずみは、汎用の汎用圧延解析システムNSCARMを用いて、剛塑性での有限要素解析法によって計算する。まず、引張試験による応力ひずみ曲線、圧延荷重と圧下率の関係などを用いて、材料の変形抵抗式σ0.2=a×(ε+b)を得る。ここでεはひずみ、a、b、nは試験によって得られる材料定数である。次に、解析を行なう。薄板圧延を考慮し、ここでは板幅方向には板が広がらないとして、平面歪拘束条件とし、板厚方向と圧延方向について疑似2次元解析する。考慮する範囲は、ワークロール入側はワークロールの接触弧長から1倍の範囲まで、ワークロール出側は接触弧長の0.5倍とすればよい。この範囲において、考慮する要素数は、板厚方向に60分割、圧延方向にワークロール入側で40分割、ワークロールバイト内で200分割、及びワークロール出側で20分割の合計260分割(=40+200+20)、並びに、板厚方向及び圧延方向の合計で15600要素(=60×260)とすればよい。計算に考慮する圧延条件は、ワークロールの入側板厚及び出側板厚、ワークロール直径、摩擦係数、並びに、低速側及び高速側のワークロール周速である。これによって図1に示すような付加的剪断ひずみの板厚分布が得られる。
次に,板厚方向の付加的剪断ひずみから、平均付加的剪断ひずみ(aveΓ)を求める。これによって図2に示すようなaveΓの異速率依存性が得られる。
次に、付加的せん断ひずみの平均値(aveΓ)と異速率との関係について説明する。図1において付加的剪断ひずみの板厚方向分布を得た後、各々の無次元化板厚位置における付加的剪断ひずみを平均する。この値がaveΓを表す。図2は、各摩擦係数における異速率が及ぼすaveΓへの影響を表すグラフである。図2に示すグラフは、具体的には、熱延板厚を2mmから仕上げ板厚0.25mmまで、合計6パスで冷間圧延を行う工程において、1パス目を摩擦係数μが0.05または0.20の場合について、各摩擦係数における異周速冷延を圧下率30%で行い、2パス目以降(つまり、2から6パス目)は摩擦係数0.05の同周速冷延を行ったときの関係を示している。図2に示すように、摩擦係数μが0.05では、異速率が増加してもaveΓはそれほど増加しない。これに対し、摩擦係数μが0.20では、異速率0%においてaveΓは著しく増加する。このように、摩擦係数の上昇によって、aveΓが上昇することが分かる。さらに付加的せん断ひずみが極大となる異速率が存在することが分かる。
次に、磁束密度B50とaveΓとの関係について、図3を参照して、説明する。図3は、磁束密度B50に及ぼすaveΓの影響を表すグラフである。図3に示すグラフは、熱延板厚を2mmから仕上げ板厚0.25mmまで、合計6パスの冷延のうち、1パス目における摩擦係数(0.05または0.2)と異速率(0~40%)を変化させて30%圧延し、2パス目以降は摩擦係数0.05で同周速冷延を行った結果を示している。
図3に示すように、摩擦係数μが0.05では、異周速冷延を行ってaveΓが増加しても、磁束密度B50の向上は少ない。一方で、1パス目において摩擦係数μが0.20で、異速率が増加すると、摩擦係数μが0.20では、aveΓが増加し、L方向およびC方向のB50が著しく上昇することが分かる。
次に、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{111}<112>方位の集積度の和、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{410}<001>方位の集積度の和、並びに1/10t、1/2t、および9/10tにおける{110}<001>方位の集積度の和と、aveΓとの関係を、図4を参照して説明する。図4は、これら各方位における板厚方向の集積度の和に及ぼすaveΓの影響を表すグラフである。
図4に示すように、摩擦係数μが0.20のとき、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{410}<001>方位の集積度の和は、aveΓの増加とともに、上昇することが分かる。一方で、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{111}<112>方位の集積度の和、並びに1/10t、1/2t、および9/10tにおける{110}<001>方位の集積度の和は、ほとんど変化が見られないことが分かる。{111}<112>方位は、磁気特性の向上にとっては好ましくない方位である。また、{110}<001>方位はL方向の磁気特性にとっては好ましいが、C方向の磁気特性にとっては好ましくないため、磁気特性に異方性を生じさせる。そのため、{111}<112>方位および{110}<001>方位の集積度が発達しないことは、L方向およびC方向の両方向の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板を得る点で有利である。
また、摩擦係数μが0.05のとき、aveΓが増加しても、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{410}<001>方位の集積度の和は、ほとんど変化が見られないことが分かる。さらに、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{111}<112>方位の集積度の和、並びに1/10t、1/2t、および9/10tにおける{110}<001>方位の集積度の和についても、ほとんど変化が見られないことが分かる。
なお、図3および図4において、四角で囲まれている部分は、1/10t、1/2t、および9/10tにおける{410}<001>方位の集積度の和が13以上となる範囲であって、磁束密度が優れる範囲を示している。
次に、摩擦係数μが0.20の場合について、aveΓに及ぼす異周速冷延の合計圧下率および異速率の関係について、図5を参照して説明する。図5は、摩擦係数0.20の場合における累積aveΓに及ぼす異周速冷延の圧下率および異速率の影響を表すグラフである。図5に示すグラフは、具体的には、熱延板厚を2mmから仕上げ板厚0.25mmまで、合計6パスで冷間圧延を行う工程において、1パス目の摩擦係数μが0.20の場合で、異周速冷延の合計圧下率および異速率を変えて異周速冷延し、2パス目以降は摩擦係数0.05の同周速冷延を行ったときのaveΓを示している。図5中の四角で囲まれている数値はaveΓを表す。また、図5中に、aveΓが4.0以上となるライン、6.0以上となるライン、及び8.0以上となるラインを示している。
図5に示すように、異周速冷延の合計圧下率が増加するほどaveΓは増加する。一方で、異周速冷延の圧下率によって、aveΓが極大となる異速率は変化することが分かる。なお、図5~図7において、縦軸の異速率が0%のときの横軸は、異周速冷延を同周速冷延としたときの圧下率を表す。
次に、熱延板厚を2mmから仕上げ板厚0.25mmまで、合計6パスで冷間圧延を行う工程において、1パス目の摩擦係数μが0.20の場合で、L方向の磁束密度B50に及ぼす異周速冷延の合計圧下率および異速率の関係について、図6を参照して説明する。また、C方向の磁束密度B50に及ぼす異周速冷延の合計圧下率および異速率の関係について、図7を参照して説明する。
図6は、摩擦係数μが0.20の場合におけるL方向の磁束密度B50に及ぼす異周速冷延の合計圧下率および異速率の影響を示すグラフである。また、図7は、摩擦係数μが0.20の場合におけるC方向の磁束密度B50に及ぼす異周速冷延の合計圧下率および異速率の影響を示すグラフである。図6中、四角で囲まれている数値は、L方向の磁束密度B50を表し、図7中、四角で囲まれている数値は、C方向の磁束密度B50を表す。また、図6中に、L方向の磁束密度B50が1.71以上となるライン、1.73以上となるライン、及び1.75以上となるラインを示している。さらに、図7中に、C方向の磁束密度B50が1.67以上となるライン、1.69以上となるライン、及び1.71以上となるラインを示している。
図6に示すように、異周速冷延の合計圧下率が増加するほどL方向の磁束密度B50には増加するが、異周速冷延の圧下率によって、L方向のB50が極大となる異速率は変化することが分かる。
また、図7に示すように、異周速冷延の合計圧下率が増加するほどC方向のB50には増加するが、異周速冷延の圧下率によって、C方向の磁束密度B50が極大となる異速率は変化することが分かる。
上記のように、摩擦係数が0.1以下であるとき、異速率を増加させても、板厚全体に導入される付加的せん断ひずみの平均値(aveΓ)の増加が少ないため、L方向およびC方向ともに、磁束密度B50の向上効果が少ない。また、異周速冷延の圧下率を増加させれば、aveΓは増加するが、合計異速率によってaveΓが変化し、それによって、L方向およびC方向ともに磁束密度B50の向上効果が変化することがわかる。
したがって、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板の好適な製造方法の一態様では、異周速での冷延の条件を、1)ワークロールと、ワークロールに接する鋼板の表面との摩擦係数が0.1超~0.3であり、2)異速率が5%~40%であり、3)異周速冷延を行う合計圧下率が20%~50%である条件としている。
そして、上記のように、付加的せん断ひずみの平均値(aveΓ)の導入量は、異周速冷延の合計圧下率と異速率とのバランスによって決定されるものである。そのため、付加的せん断ひずみの平均値(aveΓ)の導入量が増加するように、異速率と異周速冷延での合計圧下率とのバランスを考慮し、各々の条件を決定すればよい。aveΓが4.0%以上になると、鋼板表面から板厚1/10位置、板厚1/2位置、および板厚9/10位置における{410}<001>方位の集積度の和の値が増加する。それによって、本実施形態の無方向性電磁鋼板は、磁気特性が向上する。したがって、aveΓが4.0%以上であるとする。
また、適合異周速は、1パスのみ行ってもよく、複数パスでおこなってもよい。適合異周速冷延を複数パスで行う場合には、各パスでの摩擦係数が0.1超~0.3、各パスでの異速率が5%~40%であり、摩擦係数および異速率がこの範囲にある異周速冷延(適合異周速冷延)の合計圧下率が20%~50%あればよい。適合異周速冷延の各パスの圧下率は合計圧下率が20%~50%となる範囲で任意に定めればよい。
なお、適合異周速冷延を含む冷延全体における全圧下率(全パスでの総圧下率)は、80%~95%とすることがよい。
ここで、冷延全体とは、摩擦係数および異速率に関わらず、異周速での冷延パスおよび異周速以外(つまり同周速)での冷延パスで行った冷延の全体を表す。よって、冷延が全て適合異周速冷延である場合の冷延全体における全圧下率は、前述の適合異周速冷延での合計圧下率と同じ値となる。
(仕上げ焼鈍工程)
次に、冷延後の鋼板に仕上げ焼鈍を施す。仕上げ焼鈍工程における諸条件は、無方向性電磁鋼板にとって望ましい{410}<001>方位の集合組織が発達する条件であれば、特に規定されるものではない。例えば、仕上げ焼鈍温度は800℃~1200℃(好ましくは850℃~1150℃)、仕上げ焼鈍時間は5秒~5時間(好ましくは10秒~3時間)とすることが好ましい。昇温速度は10℃/秒~100℃/秒であることが好ましい。
(その他の工程)
本実施形態に係る無方向性電磁鋼板を得るために、上記の工程以外に、従来の無方向性電磁鋼板の製造工程と同様のその他の工程を設けてもよい。その他の工程の各条件は、従来の無方向性電磁鋼板の製造工程と同様の条件を採用してもよい。仕上げ焼鈍工程後の鋼板(無方向性電磁鋼板)の表面に絶縁皮膜を設ける絶縁皮膜形成工程を有していてもよい。
絶縁皮膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、樹脂または無機物を溶剤に溶解した絶縁皮膜形成用組成物を調製し、当該絶縁皮膜形成用組成物を、鋼板表面に公知の方法で均一に塗布する方法が挙げられる。それにより、有機系皮膜または無機系皮膜の絶縁皮膜を形成することができる。
絶縁皮膜は、具体的には、例えば、有機系皮膜、無機系皮膜のいずれであってもよい。有機系皮膜としては、例えばポリアミン系樹脂;アクリル樹脂;アクリルスチレン樹脂;アルキッド樹脂;ポリエステル樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂;ポリオレフィン樹脂;スチレン樹脂;酢酸ビニル樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ウレタン樹脂;メラミン樹脂等が挙げられる。また、無機系皮膜としては、例えば、リン酸塩系皮膜;リン酸アルミニウム系皮膜等が挙げられる。さらに、前記の樹脂を含む有機-無機複合系皮膜等が挙げられる。
絶縁皮膜の厚みは、特に限定されないが、片面当たりの膜厚として0.05μm~2μmであることが好ましい。
以上の工程によって、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板が得られる。
本実施形態によれば、磁束密度が高く、磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板が得られる。そのため、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、電気機器の各種コア材料、特に、回転機、中小型変圧器、無人航空機(ドローンなど)、電装品等のモータのコア材料として好適に適用できる。
なお、本発明は、上記に限定されるものではない。上記は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を例示して、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
下記の実施例において、無方向性電磁鋼板の評価方法は以下に示すとおりである。
[1/10t、1/2t、及び9/10tにおける各方位の集積度の和]
既述の結晶方位の測定方法にしたがって、1/10t、1/2t、及び9/10tにおける{410}<001>方位の集積度の和を求める。さらに、実施例1では、1/10t、1/2t、及び9/10tにおける{111}<112>方位の集積度の和、並びに、1/10t、1/2t、及び9/10tにおける{110}<001>方位の集積度の和も求める。
[磁束密度]
仕上げ焼鈍後に得られた無方向性電磁鋼板から切り出した55mm×55mmの鋼板サンプルに対して、L方向およびC方向に、それぞれ5000A/mの磁化力を与え、そのときの磁束密度の値B50(T)を測定する。
<実施例1>
質量%で、C:0.003%、Si:3.3%、Mn:1.0%、Al:0.7%、P:0.02%、S:0.001%、N:0.001%、Sn:0.03%、並びに、残部:Fe及び不純物からなる化学組成の鋼片に粗熱延を施す。その後、1150℃に加熱して仕上げ熱延を施し、板厚2.0mmの熱延板を得る。仕上げ熱延後の鋼板に、酸洗を施す。酸洗後の鋼板に、900℃で1分間焼鈍する熱延板焼鈍を施し、平均粒径90μmの冷延前組織とする。さらに、表1に示す条件で、冷延の1パス目において、摩擦係数および異速率を変更し、異周速冷延の圧下率を30%、冷延温度を100℃として異周速冷延を実施する。そして、2パス目以降を同周速冷延とし、板厚が0.25mmとなるように冷延を施す(冷延全体で6パス)。冷延後の鋼板に、昇温速度20℃/secで加熱して、1000℃で30秒間の仕上げ焼鈍を施して、無方向性電磁鋼板を得る。
一方、比較材として、上記と同化学組成の鋼片を、上記と同条件の過程を経て熱延焼鈍板を得る。そして、この熱延焼鈍板を、表1に示す条件で、冷延の1パス目において摩擦係数を変更し、全パス同周速で、温度を100℃として冷間圧延し、板厚0.25mmの冷延板を得る。また、この熱延焼鈍板を、表1に示す条件で、冷延の1パス目において摩擦係数を変更し、さらに、異速率を5%、異周速冷延の圧下率を30%、温度を100℃として異周速冷延を実施する。そして、2パス目以降を同周速冷延とし、板厚0.25mmの冷延板を得る。この冷延鋼板に、昇温速度20℃/secで加熱して、1000℃で30秒間の仕上げ焼鈍を施して、無方向性電磁鋼板を得る。
得られた各無方向性電磁鋼板について、1/10t、1/2t、及び9/10tにおける各方位の集積度の和を求める。さらに、aveΓ及び磁束密度の評価を行う。結果を表1に示す。
Figure 0007040184000001
以上の結果から、No.A11~No.A16は、摩擦係数μが0.20であり、異速率が5%~40%の範囲のとき、異速率と異周速冷延での圧下率のバランスが適正であるため、aveΓが増加する。それによって、{410}<001>方位の集積度が増加し、L方向およびC方向の磁束密度B50が著しく向上する。No.11~No.16では、{110}<001>方位の集積度が低いこと、及び{100}<001>方位により近い{410}<001>方位の集積度が高いことのために、C方向のB50が高かったと考えられる。
一方、No.A1~No.A9は摩擦係数が低いために、aveΓの増加が十分ではなく、{410}<001>方位の集積度の和が増加せず、磁束密度B50が劣位である。
また、No.A10、No.A17、およびNo.A18は、摩擦係数は高い。しかし、異速率と異周速冷延での圧下率のバランスが適正ではないため、aveΓの増加が十分ではなく、{410}<001>方位の集積度の和が増加しない。そのため、磁束密度B50が劣位である。
また、No.A19はaveΓが増加しないうえ、急速加熱により{110}<001>方位の集積度が高くなり、C方向のB50が劣位である。
<実施例2>
実施例1と同様の熱延焼鈍板に、表2に示す条件で、冷延の1パス目において摩擦係数μを0.20、温度を100℃とし、異速率および異周速冷延の圧下率を変更して、異周速冷延を実施する。そして、2パス目以降を同周速冷延とし、板厚が0.25mmとなるように冷延を施す(冷延全体で6パス)。冷延後の鋼板に、昇温速度20℃/secで加熱して、1000℃で30秒間の仕上げ焼鈍を施して、無方向性電磁鋼板を得る。
Figure 0007040184000002
なお、No.B19~No.B27は、実施例1のNo.A10~No.A18と同じ条件である。そのため、表2中、No.B19~No.B27の結果は、表1で示した結果と同じ結果を示している。
また、表1及び表2において、異速率0%のときの異周速冷延(異速率ゼロの異周速冷延)の圧下率欄の数値は、同周速冷延としたときの圧下率を表している。
以上より、磁束密度を向上させるためには、異周速冷延の圧下率と異速率とをバランスよく決定することが好ましいことがわかる。No.B1~No.B10、No.B15~No.B19、No.B26~No.B28、及びNo.B36~No.B37は、異周速冷延の圧下率と異速率とのバランスが適正ではないため、aveΓが十分に増加せず、{410}<001>方位の集積度の和が増加しない。そのため、L方向およびC方向のB50が劣位である。これに対し、No.B11~No.B14、No.B20~No.B25、No.B29~No.B35、及びNo.B38~No.B45は、異周速冷延の圧下率と異速率とのバランスが適正であるため、aveΓが増加し、{410}<001>方位の集積度の和が増加する。そのため、L方向およびC方向のB50が優れている。
<実施例3>
実施例2と同様の熱延焼鈍板に、冷延全体における全パスを6パスとし、表3に示す条件で、冷延を行う。全6パスの冷延のうち、摩擦係数μを0.20、温度を100℃とし、異速率、異周速冷延の合計圧下率、異周速冷延のパス数を変更して、異周速冷延を実施する。なお,異周速冷延を複数パス行うときの異速率は、各パスとも同じである。そして、異周速冷延後の残りのパスを同周速冷延とし、板厚が0.25mmとなるように冷延を施す。冷延後の鋼板に、昇温速度20℃/secで加熱して、1000℃で30秒間の仕上げ焼鈍を施して、無方向性電磁鋼板を得る。
Figure 0007040184000003
異周速冷延の合計パス数が異なっても、異周速冷延の合計圧下率と異速率とをバランスよく決定すれば、磁束密度が向上できることがわかる。No.C11~No.C12は、異速率は適正である。しかし、異周速冷延の合計圧下率が適正ではないため、aveΓが十分に増加せず、{410}<001>方位の集積度の和が増加しない。そのため、L方向およびC方向のB50が劣位である。また、No.C30~No.C34は、異周速冷延の合計圧下率は適正である。しかし、異周速冷延の圧下率と異速率とのバランスが適正ではないため、aveΓが十分に増加せず、{410}<001>方位の集積度の和が増加しない。そのため、L方向およびC方向のB50が劣位である。これに対し、No.C1~No.C10、No.C13~No.C29は、異周速冷延の圧下率と異速率とのバランスが適正であるため、aveΓが増加し、{410}<001>方位の集積度の和が増加する。そのため、L方向およびC方向のB50が優れている。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C :0.0001%~0.005%、
    Si:2.0%~5.0%、
    Mn:0.1%~3.0%、
    Al:0.1%~3.0%、
    P :0.001%~0.20%、
    S :0.0001%~0.005%、
    N :0.0001%~0.005%、
    Sn:0.001%~0.20%、並びに、
    残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有し、
    鋼板表面から板厚1/10位置、板厚1/2位置、および板厚9/10位置における{410}<001>方位の集積度の和が13.0以上である無方向性電磁鋼板。
  2. 請求項1に記載の無方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
    質量%で、C :0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P :0.001%~0.20%、S :0.0001%~0.005%、N :0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有する鋼片を、熱間圧延する熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延後の鋼板に、冷間圧延を行う冷間圧延工程であって、累積された付加的剪断ひずみの平均値(aveΓ)が4.0以上である鋼板とする冷間圧延工程と、
    前記冷間圧延後の鋼板に、仕上げ焼鈍する工程と、
    を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 請求項1に記載の無方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
    質量%で、C :0.0001%~0.005%、Si:2.0%~5.0%、Mn:0.1%~3.0%、Al:0.1%~3.0%、P :0.001%~0.20%、S :0.0001%~0.005%、N :0.0001%~0.005%、Sn:0.001%~0.20%、並びに、残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有する鋼片を、熱間圧延する熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延後の鋼板に、冷間圧延を行う冷間圧延工程であって、周速の異なる2つのワークロールによる異周速での冷間圧延を、前記ワークロールと、前記ワークロールに接する鋼板の表面との摩擦係数が0.1超~0.3であり、かつ異速率が5%~40%である圧延を1パス以上実施し、前記摩擦係数と前記異速率を満足する異周速での冷延の合計圧下率が20%~50%となる条件で行う冷間圧延工程と、
    前記冷間圧延後の鋼板に、仕上げ焼鈍する工程と、
    を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
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