JP7038059B2 - 液状またはペースト状物質を注出するためのディスペンサ - Google Patents

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルに係る、特に液状またはペースト状の物質用のディスペンサに関する。

この種のディスペンサは、例えば国際公開第２０１５／１２８０９２号パンフレットのように、当該技術分野において既知である。この文献では、特に２つの物質を注出するためのディスペンサについて記載されており、その際各物質は可撓性容器、特にフォイルバッグに入れられており、両バッグはプラスチック製材料からなる可撓性側壁を有するハウジング内に収容されている。各バッグは注出管を含み、これは漏斗形状の注出口へつながっており、この注出口は、物質を注出するためのアプリケータのような注出ヘッドへつながっている。各物質は、注出ヘッド内ですでに所定の混合比で混合されているか、またはそれぞれ個別に２つのノズル、または注出ヘッドからの対応する注出口またはアプリケータを通して注出され、そこで使用される場所において直接相互に混合されることが可能である。この種のディスペンサは、典型的には材料をコーティングするのに使用される。特に、有利な技術的効果を得るために２つまたは複数の異なる材料が混合される必要がある接着剤、染毛剤、医薬品、化粧品等に使用される。

この種のディスペンサにおいて、２つのフォイルバッグを収容するハウジングは、概ね楕円形の断面を有し、これによりディスペンサは手で簡単に掴むことが可能である。ハウジングを掴む手によって手動で可撓性側壁部へ圧力が加えられることにより、物質が最終的に注出および混合される。その際、可撓性ハウジングを手動で圧力を加えることにより、フォイルバッグに圧力が加わり、物質が注出口を通って注出ヘッドへ送られ、材料が混合されて注出される。

あるいは、物質が収容されているハウジングを有する容器が、例えば加圧流体、特にプロペラントガスにより圧縮されて注出されるディスペンサも既知である。その際、注出はノズル形状の注出口に対応する圧力が加えられることにより実施され、これにより対応するバルブユニットが開放し、ハウジング内部の正圧が、物質の収容されている容器に圧力を加え、これにより物質は注出口を通りアプリケータへ送られる。これは例えば独国実用新案第２０２０１００１８３１９号または国際公開第２０１１／０６７８６８号パンフレットより既知である。

異なる用途における類似のディスペンサは、米国特許出願公開第２０１２００７６９３０号明細書、米国特許第７５３７１３９号明細書または独国実用新案第２０２０１２００４６６号明細書より既知であり、これらもアプリケータにより注出される少なくとも２つの物質用のディスペンサについて説明している。

当該技術は特に、国際公開第２０１５１２８０９２号パンフレットまたは独国実用新案第２０２０１００１８３１９号明細書に示されており、この全体的な構成は本発明によっても用いられているため、これらの文献は参照により含まれている。注出される物質およびその特定の用途によって、物質はディスペンサの構成に応じて所定の混合比で注出される。一般に、２つの物質は５０：５０の混合比で注出されるが、用途によっては、ディスペンサの構成に応じて、異なる混合比が用いられることが可能である。しかし、所望の技術的効果のためには、所定の混合比は実質的に正確に維持されることが求められる。第１材料または第２材料、または両材料の粘度が充填バッチごとに異なることがあり得るため、粘度の変動により最終的に所定の混合比が維持されず、結果が損なわれてしまうという従来技術における問題が、発明者により発見された。例えば、典型的には過酸化水素が第１物質であり、着色剤が第２物質である染毛剤の場合は、粘度のわずかな変動でさえも異なる発色効果につながり、わずかな粘度の変動のみであっても黒く染める場合に望ましくない、青く光る色味が生じてしまう可能性があり、このディスペンサの販売に対して悪影響が生じ得る。

従来技術において、様々な注出ヘッドの実施形態があり、国際公開第２０１４／１１８５５５５号パンフレットに係るアプリケータが有用であり、発明の精神および範囲を限定することなく、本発明に係るアプリケータとしても適切であることが明らかになっている。

したがって、本発明の目的は、液状またはペースト状、特に粘性の物質用のディスペンサを提供し、注出される物質の粘度の変動がある際にも、物質の所定の混合比が正確に維持されて、粘度の変動および粘度の差異にかかわらずディスペンサが動作することを保証することである。

この目的は、請求項１の特徴部分に含まれる特徴によって、本発明により達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に規定される。

本発明に係るディスペンサは、最も関連性の高い従来技術、すなわち国際公開第２０１５１２８０９２号パンフレットまたは例えば独国実用新案第２０２０１００１８３１９号明細書に基づき、本発明の精神および範囲を限定することなく改良を加え、特に可撓性側壁部を有するハウジングに手動で圧力を加えることにより、またはハウジング内部に配置される加圧流体により物質がそれぞれハウジング内の容器の加圧によって注出されることにより、物質の注出を行うことが可能である。本発明に係り、ハウジング内に配置される容器の注出口とこれに続く注出ヘッド、特にアプリケータとの間に定量ポンプが接続され、この定量ポンプにより、所定の混合比に基づいて所望の正確な容量が注出ヘッドへ注出されるようになり、これにより、注出される１つまたは複数の物質の粘度の変動とは無関係に、所望の混合比が維持されることが可能である。この種の定量ポンプを接続することにより、一定の流量が特に所定の混合比に対応して、製造時にバッチ固有で生じ得る粘度の変動とは関係なく、物質の注出が行われる。

したがって、各注出口と注出ヘッド、例えば従来技術において使用されるようなアプリケータとの間に、各物質用の一定の流量のため対応する定量ポンプが設けられる、特にこれらの間に接続されることが有利である。また、定量ポンプは本発明の範囲内にあり、一定の供給量は、対応する調節機構によって適切な方法で調節可能である。

一般的な用途において、ハウジング内に配置される２つの容器から２つの物質を注出する特に有利な方法では、２つの定量ポンプが利用され、これらは相互に結合されており、両定量ポンプは、意図される混合比に基づき物質の所定の流量をそれぞれ提供する。

本発明に係り、複数の容器をディスペンサハウジング内に収容することが有利であり、その際物質の注出は、ディスペンサハウジングを通して、ディスペンサ内に収容される容器の少なくとも１つに手動で圧力を加えることにより、および／またはディスペンサハウジングまたは容器内に配置され、少なくとも１つの容器またはその中にある物質に作用し物質を注出するためのプロペラント流体により行われる。しかし、容器ディスペンサハウジングは必ずしも必要という訳ではなく、プロペラント流体によりそれぞれ圧力が加えられることができる２つの容器が設けられ、これらの容器がフォイルによってのみ相互に接続されていることも可能である。定量ポンプ、２つの容器の場合は２つの定量ポンプの永続的な接続のため、圧力を加えられた物質を１つの定量ポンプへ供給するだけで十分であり、これにより速度連結により他の定量ポンプは物質をその他の容器から、個別に圧力を加えることなく引き込み、物質が注出される。したがって、例えば複数の容器のうち１つのみに圧力が加えられれば十分であり、その他の容器は、物質の加圧注出基準とは関係なく構成されることが可能である。例えば、２つの容器がある場合は、１つの容器からは、例えば可撓性の容器壁部により圧力を加えられて、またはプロペラント流体により、物質が注出される一方、他方の容器は簡単な容器として第１容器に取り付けられることが可能である。これにより、典型的な円筒形の圧力容器が、追加の容器を結合した結果、より見た目の良いデザインとなる断面形状を備え、ディスペンサ全体の外観もより好ましいものとなるオプションが提供される。

さらに、定量ポンプがそれぞれ加圧された容器内で圧力容器内に配置されている、すなわち例えば圧力容器内に収容されている可撓性バッグに可能な限り近いことが有利である。特に定量ポンプは、ポンプ弁の前方に配置されるべきである。

この結合は有利には機械的に行われるが、さらに磁気によって、すなわち特に永久磁石によっても行われ、原理としては電磁結合も可能である。特に、ネオジム磁石は磁気的結合用に適切である。

物質の測定による一定流量用のコンスタントポンプ、すなわち定量ポンプは、一般に既知であり、適切な方法で本発明の関連において使用可能である。

それは、特に回転容積式ポンプまたは容積流量計であり、これらは粘度の変動とは無関係に、計量的に予め設定された流量をそれぞれ提供する。

容積流量計を使用する場合は、容積は一定時間内に取得され、これにより所望の混合比に従って注出されるべき容量は、物質の粘度とは無関係に各タップで計量されることが可能である。したがって、これらの流量計は有利には、混合比に対応して各計量が正確に維持されるよう一定量に較正されている。

特に有利なのは、機械式容積流量測定である。特に簡単であるのは、機械式容積流量測定装置、間接または直接流量計が適している。直接流量計では、所定の容積室が間に接続されており、連続的に物質が充填されて空にされる。特に適しているのは容積流量計であり、特に測定される材料、すなわち物質が適切な測定室壁部により移動される。この種の容積流量計は、特に液体用に適している。

本発明ではしかし、特に回転容積式ポンプを使用することが有利であり、これにより粘度変動とは無関係に、簡単な方法で正確な測定が容易になる。よって、特に既知の回転式ピストンポンプ、回転式ディスクポンプ、ベーンポンプ、またはギヤポンプが本発明に適している。しかし、ディスペンサにおいて、容積式ポンプおよび流量計の両種ポンプが使用されることも本発明の精神および範囲内である。

ポンプは、簡単な方法で小型化されて製造可能であり、特にこの種のポンプがディスペンサに特に適切であるよう、射出成型等によってプラスチック材料から製造される。特に容積式ポンプは簡単な方法で小型のハウジング内に配置されることが可能であり、有利には本発明に係り、２つの物質が注出される場合は、２つのポンプが相互に結合されてハウジング内に配置される。しかし、その流量は、ポンプへ流入し、そこから排出されるまでそれぞれ別々である。ポンプ出口の後から有利には２つの物質の流量が合わさり、注出ヘッド内で混合されるか、２つの物質は相互に個別に注出ヘッドへ送られ、その後、例えば毛髪に塗布されて直接使用される際に、自動的に混合される。

定量ポンプの中間接続におけるその他の長所は、物質の注出のために典型的には１つのみの容器が加圧されればよいという点である。それは、機械式または磁気、特に永久磁石によるポンプの相互結合によって、一方のポンプに容器からの物質が加われば、他方のポンプのロータも共に回転し、他方のポンプも吸引位置にもたらされて物質が特に圧力を加えられることなく他方の容器から引き込まれて注出されるためである。これもまた、本発明に係る長所となっている。

一般に、２つまたはそれ以上の成分を混合する化粧品や接着剤等用の市販のディスペンサはすべて、本発明に係る手段を用いて、本発明の範囲内において後付け可能であり、これにより、粘度変動によって正確な物質の測定を維持することができない場合の問題が解決される。したがって、本発明は特に、最も近い従来技術を改良するのに適切であると共に、上記の文献のその他の種類のディスペンサの改良にも適切である。例えば、加圧による物質注出が行われる容器は１つでよく、その他の容器は任意の適切な方法で構成され、任意の適切な方法で接続されることが可能である。例えば、分割室を有するプラスチック材料からなるディスペンサハウジングがあれば十分であり、圧力により注出可能である物質は、２つの室のうち１つのみに配置されており、可撓性より、またはプロペラント流体により注出可能であり、他方の室はポンプ動作時の吸引効果により純粋な収容容器としてのみ構成されることが可能である。

本発明に係る定量ポンプは、ポンプ容量の正確な測定を容易にするポンプである。測定器、特に容積式流量計の場合、オーバルホイール流量計、回転ピストンガスメータ、ウォブルディスクメータ、リングピストン容積流量計またはギヤメータが適切である。

特に回転式ピストンポンプ、回転ベーンポンプ、ロータリーポンプまたはギヤポンプまたは類似の回転式機械ポンプ、例えばバンケル式のポンプも適切である。

本発明に係り、ディスペンサのハウジングは、２つまたは複数の容器、そしてそれに伴って、注出ヘッドにつながる２つまたはそれ以上の注出口を含むことが可能であり、２つまたはそれ以上の定量ポンプがディスペンサ内で使用され、この定量ポンプは有利には、共通のポンプハウジング内に配置されている。しかし各ポンプは、分割壁により相互に分離して、分割壁により相互に分離される個別のポンプ室内に配置されている。ハウジング内に２つの容器がある場合、ポンプハウジングは有利には２つのポンプ室に分割する中央の分割壁を含んでいる。

よって、有利には各ポンプ室が、対応する容器の注出口と接続しており、「ハウジング」という用語は本発明に係り広く解釈される。すなわち、２つまたは複数の容器を保持する任意の構造、例えばフォイル包装材等が含まれる。有利には各ポンプ室には定量ポンプがそれぞれ配置されており、これは絶対ではないが、有利には同じ構成の定量ポンプである。両ポンプ原理が組み合わされて使用されることも有用であり、特にそれは例えば液状およびペースト状の物質が使用される場合である。

本発明の有利な実施形態では、定量ポンプは、特に１つまたは複数のロータブレードを有するロータにより形成されており、このロータブレードは回転時に吸引室と注出室とをそれぞれ画定する。しかし、特に各ポンプ室が少なくとも１つの、有利には２つの、相互に噛合するロータを含み、各ロータにはロータブレードが設けられている。有利には、必要に応じていくつかのロータブレードが設けられることも可能である。

この種の容積式ポンプでは、特に相互に連通する２つのロータブレードが、一方でロータ回転時にポンプハウジングの内壁部と、また２つのロータブレードも相互に、密着／摺動接続しており、これによりロータの連続的な回転によって物質を引き込み、物質をポンプハウジングの注出口へ最終的に供給する。これにより、一方の物質のみに圧力が加えられてポンプハウジングへ供給されれば十分である。これによってロータが自動的に回転させられるためである。機械的結合によって、各ポンプ室内の少なくとも１つのロータにより他方のポンプ室内のロータも同様に駆動され、これにより対応する注出口を通じて接続している容器を加圧することなく、物質が容器から吸引されて注出ヘッドへ注出され、物質が注出可能である。

いずれの場合にも、本発明において、隣接する室のロータの結合により定量ポンプが駆動されることが有利であり、これによってポンプ用のモータ駆動部等は不要となる。

容器が２つあるディスペンサの有利な実施形態の場合、２つのポンプ室はそれぞれ容器の注出口と連通する管状の入口スパウトを含み、この管状入口スパウトは対応するポンプ室へつながっている。出口側では、両ポンプ室用に１つのみの管状出口を設けることが有利である。この管状スパウトにより、両流量が一緒に排出されることが可能であり、これにより２つの物質の混合はポンプの後方で行われる。しかしながら、出口側の管状スパウトが必要に応じて分割壁により、随意選択的には環状壁部により分割されており、２つの流れが相互に個別に注出ヘッドへ供給されることも有利である。この際、混合は出口内で、または注出ヘッドまたはアプリケータからの排出時に実施可能である。

特に有利には、対応するロータベーンを有する相互に噛合するロータの組が各ポンプ室内に設けられており、ロータベーンは協働し、物質を受けるためのそれぞれの室が形成されて、これにより容器から入口開口部へ供給された物質は、典型的なポンプ原理により密閉されて、出口開口部を通って注出されるため出口側へもたらされる。よって、両ロータがそれぞれ相互に噛合していることが有利であり、これは有利には、ロータに設けられる対応する歯車により行われる。必要に応じて、ベーンはポンプ原理に基づいて歯車形状に設けられることも可能である。

有利には、各ポンプ室内の少なくとも１つのロータは別のロータと結合しており、これは有利には機械的にまたは磁力により、特に電磁的に実施されることが可能である。

さらに、分割壁内で駆動軸が支持されることが有利であり、その際ロータは分割壁を通じて結合されることが可能である。しかし、機械的な駆動軸の代わりに、磁気結合も可能であり、これにより駆動軸は省かれて、対応するロータはそれぞれ、分割壁から対応するポンプ室へそれぞれ突出する軸端部または軸首上に配置されることが可能である。他方のポンプ室のロータと結合していない各ポンプ室のロータも有利には軸端部または軸ピン上に支持されており、これらは特に中空に構成されている。この実施形態に基づき、ポンプは、射出成型されたプラスチック構成要素により非常に簡単に組み立てられることが可能であり、構成要素の相互接続は有利には差込および／またはクリップ接続により行われることが可能である。

ロータが機械結合される場合、ロータはそれぞれ、対応するシャフト上にトルク耐性的に配置されており、第１ロータの回転によって、他方のポンプ室内の第２ロータは共に回転する。有利には上記の原理は、ポンプ室内のそれぞれ２つの噛合するロータ、ならびに２つより多くのポンプ室のロータに適用されることが可能であり、各分割壁はポンプハウジングを対応するポンプ室に分割し、その中に対応する容積式ポンプが配置される。

本発明の有利な実施形態を図面と共に以下に説明する。

ディスペンサの一実施形態の側面図である。 図１の線Ａ－Ａに沿った断面図である。 図１のディスペンサを９０度回転させた側面図である。 図３の線Ｂ－Ｂに沿った断面図である。 ディスペンサにおいて使用可能であるポンプハウジングの有利な実施形態の斜視図である。 図５のポンプハウジングの入口側からの斜視図である。 図５のポンプハウジングの上面図である。 図７のポンプハウジングのカバーを外した状態の側面図である。 図７の線Ａ－Ａに沿った断面図である。 機械式ロータ結合を備える、線Ｃ－Ｃに沿った断面図である。 電磁結合に適した図８のポンプハウジングの線Ｄ－Ｄに沿った、図１０の部分断面図と類似の断面図である。 ポンプハウジングのポンプ室を閉鎖するために使用可能である同一のカバーを示す２つの斜視図である。 上記のポンプにおいて使用されるためのロータの斜視図である。 別の方向から見た図１３のロータの斜視図である。 本発明において使用されるための定量ポンプの実施形態の図である。 本発明において使用されるための定量ポンプの実施形態の図である。 本発明において使用されるための定量ポンプの実施形態の図である。 本発明において使用されるための定量ポンプの実施形態の図である。 本発明において使用されるための定量ポンプの実施形態の図である。 多様な容器の設計の選択肢を示す図である。

国際公開第２０１５／１２８０９２号パンフレットに係るディスペンサに基づいた基本構成のディスペンサの有利な実施形態に基づいて、本発明を以下に説明する。本発明の核となる概念は、定量ポンプを中間接続するということが、別の構成のその他のポンプにおいても同様に使用可能であるということである。

よって、本発明の関連で説明されるこのディスペンサの特徴は、ディスペンサの他の実施形態にも開示されており、特徴はそれ自体以下に説明する文脈において独立的なものであり、当然その他の構成のディスペンサにも使用可能であるため、記載されている特徴に関して独自の特許保護が主張される。すなわち、これらの特徴は一般的な特徴である。

図１および２は、ディスペンサ１０の外観図であり、本発明を例示的実施形態に基づいて説明するため相互に対して９０度回転されて示されている。これは、国際公開第２０１５／１２８０９２号パンフレット（これにより明示的に含まれる）に基づく基本構成を有するディスペンサであるが、本発明はその他の対応するディスペンサにも使用可能であり、それらは本明細書の冒頭で文献を例示的に示している。国際公開第２０１５／１２８０９２号パンフレットの図１から１０の実施形態が構成を特定するため、このディスペンサについて概要を以下に記載する。

ディスペンサ１０はディスペンサハウジング１２を含み、これはディスペンサハウジング１２の外壁部を形成し、容易に変形可能であり、特に人間の手によって簡単に把持および押圧可能であるように構成されている。ハウジング１２内には、２つの物質を注出するための２つ（これに限定されない）の容器１４および１６がこの実施形態では配置されており、これらの容器は圧力をかけられて変形可能であり、特にバッグ状に構成されること
が可能である。容器間には中間スペース１８があり、これはディスペンサの上部分、特に２つの容器１４，１６の上方にある既知の補償弁を通して周囲空気で満たされることが可能である。ディスペンサ１０はしたがって、有利にはクリップ留めされるカバー部材２２を含み、これはフリップカバー２４を有する。しかし、これは例示的な実施形態であり、他の実施形態も使用可能である。クリップカバー２４を有するカバー部材２２は、閉鎖位置において中間スペース１８の換気孔もカバーする。

図２は、注出および混合されるべき粘性の物質が収容されている容器１４および１６とそれぞれ連通する、有利にはスパウト形状の注出口２６および２８を示している。２つのスパウト形状の注出口２６、２８は、注出ヘッド３０へつながっており、これはカバー部材２２により閉鎖され、例示的に説明される先行技術のものと類似の、国際公開第２０１５／１２８０９２号パンフレットに係る先行技術と実質的に同一であることが可能である出口ノズル３２を含む。この出口ノズルは、例えば国際公開第２０１４１８０５５号パンフレットに記載されるようにも構成可能であり、しかしこの場合はアプリケーションボールが備えられている。しかし、この出口ノズルは非常に適切であるため、この出口ノズルの構成はここに含まれる。

図２はさらに、注出口２６、２８につながっており、相互に結合されている２つの管３４を示している。管３４には開口部３６が設けられることが可能であり、この開口部は特に、可撓性容器として、特にバッグとして構成される容器１４、１６の安定化のため使用される。管３４は、物質を注出ヘッド３０へ供給するため注出口２６、２８と連通接続しており、注出ヘッド３０はディスペンサハウジング１２を手によって押圧することによりもたらされることが可能である。これにより物質は容器から、管３４を通って注出口２６、２８へ送られて注出される。

さらに図２は、充填弁３８を概略的に示しており、これは対応するマンドレル形状の突起部により開放位置へ押圧されることが可能であり、これらの突起部はポンプとの関連で以下に説明する。これらの突起部は、符号４０で示され、図２、ならびに例えば図６および図８に見ることができる。

注出口２６、２８と注出ヘッド３０または出口ノズル３２との間に、ポンプハウジング４２が配置されており、これは入口側で２つの管状スパウト４４および４６と、出口側で出口スパウト４８とを含む。これは特に図５および６に見ることができる。図８また図６からは、マンドレル形状の突起部は、対応する管状スパウト４４、４６を超えて突起することが明らかであり、ポンプハウジングが注出口２６、２８に装着されると、充填弁は開放位置へ押圧される。ポンプハウジングの装着された位置では、管状スパウト４４、４６は注出口２６、２８と連通し、これにより物質は容器からポンプハウジングへ送られることが可能である。

特に図１０の断面図、また図１１からも明らかであるように、ポンプハウジング４２は分割壁により２つのポンプ室５２および５４に分割されており、各室にそれぞれ定量ポンプ５８が配置されている（図８および図９）。図示される実施形態では、各定量ポンプ５８は、相互に噛合するロータ６０、６２のロータ対により形成されている（図８および図９）。

図９から明らかであるように、ロータ６０および６２は、ロータベーン６４および６６を含み、これらは図９にあるように、相互に摺動するよう密着接触しており、またポンプ動作を可能にするようポンプハウジング４２の内壁とも常時接触しており、これにより図９において符号７０で示される収容室または吸引室が形成される。その際、流体的に分離されている注出室７２は右側に示されている。両室は相互に流体を流通させるように接続されていない。右の室７２は、図９に示されるロータ対のロータの機能位置において、測定された物質を、管状スパウト４８を通じて注出ヘッドへ移動させる。ロータベーン６４および６６の構成は、図１３および１４から明らかになる。これらの図面には、これにそれぞれ関連付けられて、特にプラスチック射出成型された構成要素として一体的に形成される歯車７４および７６も示されており、歯車はそれぞれ図８にあるように、それぞれのポンプ室内に配置されており、相互に噛合している。

図１０に示されるように、個別のロータは駆動軸上に、特に分割壁５０の中空のジャーナル７８および８０に配置可能である。これによりポンプハウジング４２は有利には、管状スパウトおよび軸ジャーナルを有する分割壁と共に射出成型により一体的に一部品として製造可能である。図１０および１１から明らかであるようにロータを配置した後に、２つのポンプ室は横方向に適切なカバー８２により閉鎖されることが可能である。この種のカバー８２は例示的に図１２に示されている。

本発明において特に有利である実施形態に係り、各ロータ対の分割壁に対して相互に隣接して配置されている各ロータは、同じ速度で回転可能であるように相互に結合される。結合は、図１０に示されるように、機械的に行われることが可能である。このために、下方の軸ジャーナル８０は、シャフト８４が回転可能に支持される孔を含み、このシャフトに対応するロータ６２が分割壁５０の両側で配置されている。すなわち、これらはシャフトと共に回転する。これは、対応する嵌合により簡単な方法で実現可能であるが、その他のトルク耐性的な締め付けによっても達成可能である。よって、２つのロータ６２は、シャフト８４を通じて相互に機械的に結合されており、これらが回転する場合には同一の速度で回転する。上方のロータ６０は、図示される実施形態では対応する軸ジャーナル７８で自由に回転可能に支持されている。よって、カバー８２も対応する軸ジャーナルと共に構成可能であり、これにより各ロータはカバーの両側で自由に回転可能に支持され、これは２つの下方のロータ６２にも有利である。

物質が、容器から管状スパウト４２および４６を通り供給される際、すなわち容器に手動で圧力をかけるか、またはディスペンサハウジング１２の内部におけるプロペラント流体によって、物質はそれぞれ対応する収容室、例えば図９では室７０に進入し、その中に収容されるロータを駆動し、これは噛合する歯車７４、７６の有利な歯車比１：１のため、同じ方向で同じ速度で回転する。つまり、その供給された物質により回転するよう駆動される。その際、正確な容積測定はポンプ依存の構成によって、物質の粘度変動とは無関係に実施される。シャフト８４による隣接する室内に配置されるロータの結合により、隣接するロータの回転は同じ方向に行われ、これにより物質は正確に測定されて入れられ、特に正確に測定されて出されることが可能である。

よって、作動においては、１つのみの容器の加圧によって、２つの室の一方に対応する物質が送られれば十分である。というのも、隣接する両ポンプ室のロータ６２の強制的な結合により他方のポンプ側で吸込み圧力が発生して、圧力をかけることなく物質を他方の容器から引き出すためである。続いて、正確に測定された量が注出口または管状スパウト４８を通って注出ヘッド３０へ、すなわちアプリケータへ供給される。こうして両流量が管状スパウト４８内ですでに合流されて所望の比率で混合されることが可能である。また、流量の注出ヘッドへの個別の出口も、そしてそこに設けられる個別のノズルも考えられ、これにより注出された物質の混合は、物質の使用時に直接行われる。これはそれぞれの用途に応じて必要に応じて実施されることができる。ポンプの出口側での２つの流量の分離は、例えば管状スパウト４８内の適切な分割壁、またはこれに続く流体伝達部品によって実施可能である。

このように物質の流量の正確な測定により、バッチレベルでの不可避の粘度変動とは全く無関係に、定量ポンプの中間接続によって、意図される通りの物質の正確な測定が可能になる。

図１５から図１９は、本発明に係り使用可能である適切な各種定量ポンプを示している。これらは既知のポンプタイプのため、単に例示的に示すのみである。本発明に係り、有利にはインペラポンプまたは回転式ベーンポンプが使用される。

本発明に係る手段によって、計量ディスペンサ内の複数の容器の配置における柔軟性が高められる。これは主に、ポンプの同期化により、物質が一方の容器から圧力を加えられて供給されれば十分であるという事実によるものである。他方のポンプは、ポンプの結合によって、各容器と関連して共に作動され、これによりポンプは各容器から物質を引き出すため、圧力をかけて物質を対応するポンプへ供給するための対策を取る必要がない。

図２０に示される随意選択的な実施形態では、圧力が加えられる容器が符号９０で、他方の基本的に「圧力がかからない」容器が９２で示されており、図２０ではそれぞれ２つの容器９０および９２を有する計量ディスペンサの４つの異なる実施形態が示されている。

図２０ａに示される実施形態では、「圧力がかからない」容器９２は、「圧力がかけられる」容器９０を月のように包みこんでおり、実質的に円筒形の断面の計量ディスペンサが得られる。

図２０ｂの実施形態では、容器９２は容器９０と同じ高さで設けられている。よって、個別のディスペンサハウジングは不要であり、両容器を固定するためにはフォイル包装材で十分である。これは図２０に示されるすべての実施形態に該当する。

図２０ｃは、円筒形の断面を有する２つのピン形状の容器を示しており、２つの容器を計量ディスペンサに固定するためには簡単な包装材で十分である。

図２０ｄの実施形態にもこれは当てはまり、これは円筒形容器９０に同一高さで取り付けられる。

これにより、多様な設計の２つの容器用の全体的に小型な構造の計量ディスペンサが提供される。

Claims (13)

1. 注出可能であり注出のために所定の比率で相互に混合可能である少なくとも２つの液状またはペースト状の物質を注出するための手で把持可能および取扱い可能なディスペンサであって、前記ディスペンサは、可撓性の第１および第２の容器（１４、１６）を有するディスペンサハウジングを備え、前記第１および第２の容器は、前記ディスペンサハウジング内に収容され、そのうちの１つは少なくとも可撓性であり、対応する注出口（２６、２８）を通じて、注出ヘッド（３０）へ注出可能である注出されるべき物質を個別に格納するためのものであり、前記物質は、前記容器の少なくとも１つから圧力をかけられることによって注出可能であり、前記注出は、前記ディスペンサ（１０）に収容される前記第１および第２の容器（１４、１６）の少なくともいずれかに前記ディスペンサハウジングを通じて手動で圧力をかけることにより、および／または前記ディスペンサハウジング（１２）内に配置され、前記物質の注出のため前記第１および第２の容器の少なくともいずれかに圧力をかけるプロペラント流体により行われ、前記ディスペンサは、
   対応する前記注出口を通って供給される各物質用に、前記第１および第２の容器（１４、１６）のそれぞれの前記注出口（２６、２８）と前記注出ヘッド（３０）との間に対応する第１および第２の定量ポンプ（５８）を設けられ、前記第１および第２の定量ポンプ（５８）は、１つまたは複数の物質の粘度変動とは無関係に、所定の混合比にそれぞれ対応して、正確な量の前記物質を前記注出ヘッド（３０）へ注出し、
   １つのロータまたはロータ対（６０、６２）が第１および第２ポンプ室（５２，５４）のそれぞれに設けられており、前記第１ポンプ室（５２）の少なくとも１つのロータ（６２）は機械的および／または磁気的に、前記第２ポンプ室（５４）の少なくとも１つのロータ（６２）と結合している、ディスペンサ。
2. 前記第１および第２の定量ポンプ（５８）はそれぞれ、容積流量を一定にするために前記注出口（２６，２８）のうちの１つと前記注出ヘッド（３０）との間に設けられていることを特徴とする、請求項１に記載のディスペンサ。
3. 回転容積式ポンプおよび／または容積流量計が、前記第１および第２の定量ポンプ（５８）として、前記物質の一定の流量のために使用されることを特徴とする、請求項１または２に記載のディスペンサ。
4. 回転式ピストンポンプ、回転式ベーンポンプ、ロータリーポンプ、ギヤポンプが回転容積式ポンプとして使用されることを特徴とする、請求項３に記載のディスペンサ。
5. オーバルホイール流量計、回転ピストンガスメータ、ウォブルディスクメータ、リングピストンメータまたはギヤメータが容積流量計として使用されることを特徴とする、請求項３に記載のディスペンサ。
6. 第１および第２の定量ポンプ（５８）が共通のポンプハウジング（４２）内に設けられており、前記ポンプハウジングは、前記第１の定量ポンプを含む前記第１ポンプ室と、前記第２の定量ポンプを含む前記第２ポンプ室とを含む、請求項１～５のいずれか一項に記載のディスペンサ。
7. 前記ポンプハウジング（４２）は、分割壁（５０）により分離される前記第１および第２ポンプ室を含み、注出口（２６、２８）は前記第１および第２ポンプ室（５２、５４）のそれぞれに開口し、前記物質は前記注出口を通って前記第１および第２の定量ポンプへ供給可能であることを特徴とする請求項６に記載のディスペンサ。
8. 前記第１および第２の定量ポンプの出口側に、管状スパウト（４８）として構成された出口管が設けられており、前記出口管は前記注出ヘッド（３０）へつながっており、そこで両物質の両流量は混合されるか、または両流量は分割部材により相互に個別に前記注出ヘッド（３０）へ導かれ、物質が注出されることが可能であることを特徴とする、請求項６または７に記載のディスペンサ。
9. 前記ロータまたはロータ対（６０、６２）の各々は、軸（７８、８０）に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項１～８のいずれか一項に記載の、ディスペンサ。
10. 前記結合は永久磁石により行われることを特徴とする、請求項９に記載のディスペンサ。
11. 前記機械的結合は、前記分割壁（５０）内または前記ポンプハウジング内で回転可能に支持されるシャフト（８４）により実施され、前記第１および第２ポンプ室（５２、５４）の各々の対応するロータ（６２）は、前記シャフトとトルク耐性的にその両側に配置されていることを特徴とする、請求項１に記載のディスペンサ。
12. 第１および第２ポンプ室（５２、５４）のそれぞれの追加的な前記ロータまたは追加的な複数の前記ロータは、自由に回転可能に支持されることを特徴とする、請求項１から１１のいずれか一項に記載のディスペンサ。
13. 前記第１および第２ポンプ室（５２、５４）のそれぞれの前記ロータ（６０、６２）は、各前記ロータに配置されている歯車（７４、７６）により、相互に噛合して係合していることを特徴とする、請求項１から１２のいずれか一項に記載のディスペンサ。

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