JP7037267B2 - リチウムイオン電池用負極の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池用負極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属膜、リチウムイオン電池用負極、リチウムイオン電池および金属膜の製造方法に関する。
リチウムイオン電池は、一般的に、携帯電話やノートパソコン等の小型携帯機器の電源として使用されている。また、最近では小型携帯機器以外に、電気自動車や電力貯蔵等の電源としてもリチウムイオン電池は使用され始めている。
リチウムイオン電池用負極材料として、例えば、金属シリコンが知られている。金属シリコンは、高容量のリチウムイオン電池が得られることから、黒鉛等の炭素材料系の負極活物質に代わるものとして研究が進められている(例えば、特許文献1)。
特開2012-33440号公報
ところが、金属シリコンは充放電に伴う体積変化が大きく、サイクル特性が劣っていた。そのため、金属シリコンはリチウムイオン電池用負極材料としてはまだまだ満足するものではなかった。
ここで、本発明者らは、サイクル特性および充放電容量に優れるリチウムイオン電池を実現するために、負極材料としてリチウムイオンを吸蔵・放出することができるインジウムに着目した。インジウムは比重が7.3と高いため、得られるリチウムイオン電池について体積あたりの充放電容量を向上させることができる。また、体積あたりの充放電容量に優れることから、負極の厚みを薄くすることが可能である。そのため全体の厚みが薄いリチウムイオン電池を実現できる。さらに、インジウムは柔らかい金属であるため電解質層や負極集電体に対してアンカー効果が働き、電解質層や負極集電体に対する密着性に優れている。以上の理由から、本発明者らは、リチウムイオン電池の負極材料としてインジウムが好適であると考えた。
しかし、本発明者らの検討によれば、負極としてインジウムを用いたリチウムイオン電池は高い充放電容量が得られるものの、サイクル特性に劣る場合があることが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、サイクル特性および充放電容量のバランスに優れるリチウムイオン電池を実現できる金属膜、およびこれを用いた負極、並びにサイクル特性および充放電容量に優れるリチウムイオン電池を提供するものである。
本発明者らは、サイクル特性および充放電容量のバランスに優れるリチウムイオン電池を提供するため鋭意検討した。その結果、融点が200℃未満の第一金属元素により構成されたマトリクス中に第一金属元素および融点が200℃以上の第二金属元素を含むドメインが複数分散した微分散構造を有する金属膜を負極に用いることにより、リチウムイオン電池のサイクル特性および充放電容量が向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、
融点が200℃未満の第一金属元素と、融点が200℃以上の第二金属元素を含む金属膜を備えるリチウムイオン電池用負極であって、
上記金属膜が、上記第一金属元素により構成されたマトリクス中に上記第一金属元素および上記第二金属元素を含むドメインが複数分散した微分散構造を有し、
上記第一金属元素がインジウムを含むリチウムイオン電池用負極を製造する、リチウムイオン電池用負極の製造方法であって、
融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜と、融点が200℃以上の第二金属元素により構成された第二金属膜とを積層することにより多層金属膜を得る工程と、
得られた上記多層金属膜を加熱することにより、上記第一金属膜中に上記第二金属膜を構成する上記第二金属元素を拡散させ、上記第一金属膜中に上記第一金属元素および上記第二金属元素を含むドメインを生成する工程と、
を含み
上記多層金属膜を得る工程での圧力が0.05MPa以上300MPa以下であるリチウムイオン電池用負極の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記リチウムイオン電池用負極と、電解質層と、正極とを備えるリチウムイオン電池が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記リチウムイオン電池用負極を製造するための製造方法であって、
融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜と、融点が200℃以上の第二金属元素により構成された第二金属膜とを積層することにより多層金属膜を得る工程と、
得られた上記多層金属膜を加熱することにより、上記第一金属膜中に上記第二金属膜を構成する上記第二金属元素を拡散させ、上記第一金属膜中に上記第一金属元素および上記第二金属元素を含むドメインを生成する工程と、
を含むリチウムイオン電池用負極の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記リチウムイオン電池用負極を製造するための製造方法であって、
融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜上に、融点が200℃以上の第二金属元素を蒸着またはスパッタリングすることにより、上記第二金属元素により構成された第二金属膜を形成し、上記第一金属膜と上記第二金属膜とが積層された多層金属膜を得る工程と、
得られた上記多層金属膜を加熱することにより、上記第一金属膜中に上記第二金属膜を構成する上記第二金属元素を拡散させ、上記第一金属膜中に上記第一金属元素および上記第二金属元素を含むドメインを生成する工程と、
を含むリチウムイオン電池用負極の製造方法が提供される。
本発明によれば、サイクル特性および充放電容量のバランスに優れるリチウムイオン電池を実現できる金属膜、およびこれを用いた負極、並びにサイクル特性および充放電容量に優れるリチウムイオン電池を提供することができる。
負極1の断面の拡大図を表す電子顕微鏡写真を示す図である。 本実施形態のリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。なお、数値範囲の「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
[金属膜]
はじめに、本実施形態に係る金属膜について説明する。
本実施形態に係る金属膜は、融点が200℃未満、好ましくは180℃以下の第一金属元素と、融点が200℃以上、好ましくは500℃以上、特に好ましくは800℃以上の第二金属元素を含む。そして、第一金属元素により構成されたマトリクス中に第一金属元素および第二金属元素を含むドメインが複数分散した微分散構造を有する。
本実施形態に係る金属膜は、例えば、リチウムイオン電池の負極に用いられる。中でも、全固体型リチウムイオン電池の負極に好適に用いられる。
本発明者らは発明が解決しようとする課題の欄に記載した事情に鑑み、鋭意検討したところ、融点が200℃未満の第一金属元素により構成されたマトリクス中に第一金属元素および融点が200℃以上の第二金属元素を含むドメインが複数分散した微分散構造を有する金属膜を負極に用いることにより、高い充放電容量を達成しながらサイクル特性が改善できることを見出した。
高い充放電容量を達成しながらサイクル特性が改善する理由は明らかではないが、第一金属元素により構成されたマトリクス中に第一金属元素および第二金属元素を含むドメインを微分散させることにより、充放電によって起こる第一金属元素により構成されたマトリクスの体積変化が抑制されること、第一金属元素により構成されたマトリクスの体積変化が起きても上記ドメインにより金属膜内の電子伝導性を維持できること等が要因として推測される。
以上の理由から、本実施形態に係る金属膜をリチウムイオン電池の負極に用いると、サイクル特性および充放電容量に優れるリチウムイオン電池を実現できると考えられる。
以下、本実施形態に係る金属膜について詳細に説明する。
本実施形態に係る金属膜において、得られるリチウムイオン電池の充放電容量およびサイクル特性をより一層向上させる観点から、第一金属元素および第二金属元素の合計を100質量%としたとき、第一金属元素の含有量が好ましくは50質量%以上99質量%以下、より好ましくは55質量%以上98質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上95質量%以下、特に好ましくは76質量%以上90質量%以下であり、第二金属元素の含有量が好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは2質量%以上45質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上40質量%以下、特に好ましくは10質量%以上24質量%以下である。
ここで、第一金属元素および第二金属元素の質量は、例えば、蛍光X線分析(EDX)等により求めることができるが、通常は仕込みの質量比から算出できる。
本実施形態では、このような金属膜をリチウムイオン電池用の負極として用いることにより、サイクル特性および充放電容量に優れるリチウムイオン電池を実現できる。
本実施形態に係る金属膜において、得られるリチウムイオン電池のサイクル特性をより一層向上させる観点から、直径が0.001μm以上0.5μm以下、好ましくは0.001μm以上0.1μm以下の範囲にある上記ドメインの個数比率が好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。
ここで、上記ドメインの個数比率は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真から測定することができる。
具体的には、走査型電子顕微鏡により、金属膜の表面または断面を撮影する。その写真から、任意のドメインを100個選択し、それらのドメインの最大径をそれぞれ測定する。ここで、ドメインの最大径をドメインの直径とする。次いで、ドメインの直径が上記範囲内の個数比率を算出する。
上記第一金属元素としては、例えば、インジウム、リチウム、ナトリウム、およびガリウム等から選択される一種または二種以上が挙げられる。
これらの中でも、得られるリチウムイオン電池の充放電容量およびサイクル特性の性能バランスをより一層向上させる観点から、インジウムが好ましい。
上記第二金属元素としては、例えば、銅、銀、金、スズ、ニッケルおよびコバルト等から選択される一種または二種以上が挙げられる。
これらの中でも、サイクル特性および充放電容量のバランスにより一層優れる観点から、銅、銀、スズ、ニッケルおよびコバルト等から選択される一種または二種以上が好ましく、銅、銀およびコバルト等から選択される一種または二種以上がより好ましく、低価格で入手が容易である点から、銅が特に好ましい。
本実施形態に係る金属膜において、金属膜の電子伝導性をより一層向上させつつ、得られるリチウムイオン電池のサイクル特性をより一層向上させる観点から、第一金属元素および第二金属元素を含む上記ドメインが、第一金属元素と第二金属元素により構成された金属間化合物を含むことが好ましい。
上記金属間化合物としては、例えば、インジウムと銅からなる金属間化合物、インジウムと銀からなる金属間化合物、インジウムと金からなる金属間化合物、インジウムとスズからなる金属間化合物、インジウムとニッケルからなる金属間化合物およびインジウムとコバルトからなる金属間化合物等から選択される一種または二種以上を含むことが好ましく、CuIn、CuIn、CuIn、Cu16In、CuIn、Cu11In、Cu1.74In0.96、CuIn、Cu0.9In0.1、Cu10In、(Cu16In)0.23、(CuIn)0.2、AgIn、AgIn、AgIn、Ag0.75In0.35、Ag0.81In0.17、Ag0.7In0.3、(Ag33In)0.1、(Ag17In)0.2、AgIn、Ag0.814In0.186、AuIn、AuIn、AuIn、AuIn、AuIn、AuIn、Au10In、Au11In、Au0.9In0.1、(Au23In)0.16、(AuIn)0.4、(Au87In13)0.02、SnIn、Sn0.8In0.2、Sn0.75In0.25、Sn0.8In0.2、Sn0.95In0.05、Sn0.8182In0.1818、Sn0.25In0.75、(SnIn)0.2、(SnIn17)0.1、(SnIn)0.5、Sn19In、NiIn、NiIn、NiIn、Ni10In27、NiIn、NiIn、Ni0.8In0.2、Ni0.96In0.04、Ni1.3In0.7、Ni13In、NiIn6.4、Ni6.742In、(Ni23In)0.16、CoIn、CoInおよびCoIn12等により示される金属間化合物から選択される一種または二種以上を含むことがより好ましい。
また、サイクル特性および充放電容量のバランスにより一層優れる観点から、これらの金属間化合物の中でも、インジウムと銅からなる金属間化合物、インジウムと銀からなる金属間化合物、インジウムとスズからなる金属間化合物、インジウムとニッケルからなる金属間化合物およびインジウムとコバルトからなる金属間化合物から選択される一種または二種以上を含むことがさらに好ましく、インジウムと銅からなる金属間化合物、インジウムと銀からなる金属間化合物およびインジウムとコバルトからなる金属間化合物等から選択される一種または二種以上を含むことがさらにより好ましく、インジウムと銅からなる金属間化合物を含むことが特に好ましい。
本実施形態に係る金属膜の平面形状は、特に限定されず、電解質層や負極集電体の形状に合わせて適宜選択することが可能であるが、例えば、矩形とすることができる。
本実施形態に係る金属膜の厚みは、好ましくは1μm以上500μm以下であり、より好ましくは2μm以上100μm以下である。金属膜の厚みが上記下限値以上であると、得られるリチウムイオン電池のサイクル特性をより一層向上させることができる。また、金属膜の厚みが上記上限値以下であると、得られる負極のインピーダンスをより一層低下させることができる。その結果、得られるリチウムイオン電池の充放電特性をより一層向上できる。
本実施形態に係る金属膜において、当該金属膜の一方の面に第二金属元素により構成された金属層が積層された構成とすることが好ましい。この場合、金属膜にさらに負極集電体を積層させる必要がないため、負極の厚さを薄くすることができ、その結果、得られるリチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させることができる。
[金属膜の製造方法]
つづいて、本実施形態に係る金属膜の製造方法について説明する。
はじめに、融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜と、融点が200℃以上の第二金属元素により構成された第二金属膜とを積層することにより多層金属膜を得る。
ここで、多層金属膜を得る工程での圧力は特に限定されないが、例えば、0.05MPa以上300MPa以下、好ましくは0.1MPa以上80MPa以下である。
多層金属膜を得る工程で加圧する方法は特に限定されず、例えば、ロールプレス、平板プレス等を用いることができる。
また、第一金属膜と第二金属膜とが積層された多層金属膜は、融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜上に、融点が200℃以上の第二金属元素を蒸着またはスパッタリングすることにより、第二金属元素により構成された第二金属膜を形成する方法により得ることもできる。
次いで、得られた上記多層金属膜を加熱することにより、第一金属膜中に第二金属膜を構成する第二金属元素を拡散させ、第一金属膜中に第一金属元素および第二金属元素を含むドメインを生成する。
こうすることにより、本実施形態に係る金属膜を得ることができる。
上記多層金属膜を加熱する際の温度は、上記第一金属元素の融点未満であることが好ましく、第一金属元素がインジウムの場合は、例えば、50℃以上156℃が好ましく、100℃以上140℃以下であることがより好ましい。
また、上記加熱は、真空中、または不活性ガス中で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、水素が好ましい。
また、上記加熱温度や加熱時間を調整することにより、第一金属膜中に拡散させる第二金属膜の量を調整することができる。これにより、第二金属膜の一部を金属膜上に残すことにより、前述した当該金属膜の一方の面に第二金属元素により構成された金属層が積層された構成とすることができる。
[リチウムイオン電池用負極]
つぎに、本実施形態のリチウムイオン電池用負極について説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池用負極は、負極活物質層として、本実施形態に係る金属膜を備えている。
本実施形態に係るリチウムイオン電池用負極は、例えば、本実施形態に係る金属膜と負極集電体とを積層することにより、本実施形態のリチウムイオン電池用負極を得ることができる。
また、本実施形態に係るリチウムイオン電池用負極において、当該金属膜の一方の面に第二金属元素により構成された金属層を積層させ、上記金属層を負極集電体として用いてもよい。この場合、金属膜にさらに負極集電体を積層させる必要がないため、負極の厚さを薄くすることができ、その結果、得られるリチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させることができる。
また、本実施形態に係るリチウムイオン電池用負極は、例えば、本実施形態に係る金属膜と電解質層とを積層することにより、本実施形態のリチウムイオン電池用負極を得ることもできる。
ここで、本実施形態に係る金属膜を積層させた面を加圧することにより、負極集電体または電解質層に対する金属膜の密着力を高めることで、金属膜の脱離を抑制したり、金属膜が積層した面の平滑性を向上させたりしてもよい。また、金属膜を積層させた面を加圧することにより、負極活物質層の厚みや密度を調整してもよい。加圧する方法としては、一般的に公知の方法を用いることができる。
負極活物質層は、負極集電体の片面のみに形成しても両面に形成してもよい。負極活物質層の厚さ、長さや幅は、電池の大きさや用途に応じて、適宜決定することができる。
本実施形態の負極の製造に用いられる負極集電体としては特に限定されず、リチウムイオン電池に使用可能な通常の集電体を使用することができる。
負極集電体としては、銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス鋼箔、炭素シート等が挙げられる。価格や入手容易性、電気化学的安定性等の観点から銅箔が好ましい。
本実施形態に係る負極集電体上には導電性樹脂層が設けられていることが好ましい。これにより、負極集電体に対する金属膜の密着性を高めることができる。
本実施形態に係る導電性樹脂層は特に限定されないが、例えば、粘着性樹脂および導電性微粒子を含み、導電性微粒子が粘着性樹脂中に分散している構造が好ましい。
本実施形態に係る導電性樹脂層の厚みは、導電性微粒子の平均粒径や粘着性樹脂等の特性を考慮して適宜決定されるが、通常は5μm以上60μm以下であり、好ましくは10μm以上40μm以下である。
導電性樹脂層の厚みが上記範囲内であると、金属膜と負極集電体との接着性と、導電性樹脂層の導電性とのバランスが優れる。
本実施形態に係る導電性樹脂層に含まれる導電性微粒子としては導電性を有する微粒子であれば特に限定はされないが、例えば、金、銀、白金、亜鉛、ステンレス、ニッケル、銅、コバルト、モリブデン、アンチモン、鉄、クロム等の金属粒子;アルミニウム・マグネシウム合金、アルミニウム・ニッケル合金等の合金粒子、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物粒子;ニッケル等の金属粒子に金、銀、白金等の貴金属類を被覆した粒子;ガラス、セラミック、プラスチック等の非導電性粒子に金、銀、白金等の貴金属類を被覆した粒子;天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類等のカーボン粒子等が挙げられる。
本実施形態に係る導電性樹脂層に含まれる粘着性樹脂としては導電性微粒子を分散することができ、かつ、粘着性を示す樹脂が好ましい。例えば、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂等が挙げられる。ここで、本実施形態では、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを総称する表現として用いることとする。
本実施形態において、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する熱可塑性樹脂であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な不飽和結合を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。
[リチウムイオン電池]
つぎに、本実施形態のリチウムイオン電池100について説明する。図2は、本実施形態のリチウムイオン電池100の構造の一例を模式的に示した断面図である。
本実施形態のリチウムイオン電池100は、例えば、正極110と、電解質層120と、負極130とを備えている。そして、負極130が、本実施形態のリチウムイオン電池用負極である。
本実施形態のリチウムイオン電池100は、一般的に公知の方法に準じて製造される。例えば、正極110、固体電解質層またはセパレーター、および負極130を重ねたものを、円筒型、コイン型、角型、フィルム型、またはその他任意の形状に形成し、必要に応じて、非水電解液を封入することにより作製される。
(正極)
正極110は特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられているものを使用することができる。正極110は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。例えば、正極活物質を含む正極活物質層をアルミ箔等の集電体の表面に形成することにより得ることができる。
正極活物質層は、集電体の片面のみ形成しても両面に形成してもよい。正極活物質層の厚さ、長さや幅は、電池の大きさや用途に応じて、適宜決定することができる。
本実施形態の正極の製造に用いられる集電体としては特に限定されず、銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス鋼箔、炭素シート等のリチウムイオン電池に使用可能な通常の集電体を使用することができる。
本実施形態の正極は、必要に応じてプレスをおこない、正極の密度を調整してもよい。プレスの方法としては、一般的に公知の方法を用いることができる。
本実施形態の正極活物質としては特に限定されず一般的に公知のものを使用することができるが、リチウムイオンを可逆に放出・吸蔵でき、電子輸送が容易におこなえるように電子伝導度が高い材料が好ましい。例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)、固溶体酸化物(LiMnO-LiMO(M=Co、Ni等))、リチウム-マンガン-ニッケル酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、オリビン型リチウムリン酸化物(LiFePO)等の複合酸化物;ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子;LiS、CuS、Li-Cu-S化合物、TiS、FeS、MoS、Li-Mo-S化合物、Li-Ti-S化合物、Li-V-S化合物等の硫化物系正極活物質;硫黄を含浸したアセチレンブラック、硫黄を含浸した多孔質炭素、硫黄と炭素の混合粉等の硫黄を活物質とした材料;等を用いることができる。これらの正極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、より高い放電容量密度を有し、かつ、サイクル特性により優れる観点から、硫化物系正極活物質が好ましく、Li-Mo-S化合物、LiTiS化合物、LiS化合物から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ここで、Li-Mo-S化合物は構成元素としてLi、Mo、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるモリブデン硫化物および硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
また、Li-Ti-S化合物は構成元素としてLi、Ti、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるチタン硫化物と硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
Li-V-S化合物は構成元素としてLi、V、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるバナジウム硫化物と硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
本実施形態に係る正極活物質の形状としては、例えば微粒子状を挙げることができる。
本実施形態に係る微粒子状の正極活物質は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
正極活物質の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、より一層高密度の正極を作製することができる。
正極は特に限定されないが、本実施形態の正極活物質以外の成分として、例えば、バインダー、増粘剤、導電助剤、固体電解質材料等から選択される一種または二種以上の材料を含んでもよい。
本実施形態のリチウムイオン電池用負極を全固体型リチウムイオン電池用の負極に用いる場合は、正極は固体電解質材料を含んでいることが好ましい。本実施形態の固体電解質材料としては、イオン伝導性および絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、一般的に全固体型リチウムイオン電池に用いられるものを用いることができる。例えば、硫化物系固体電解質材料、酸化物系固体電解質材料、その他のリチウム系無機固体電解質材料等の無機系固体電解質材料;ポリマー電解質等の有機系固体電解質材料を挙げることができる。これらの中でも、硫化物系固体電解質材料が好ましい。これにより、正極活物質との界面抵抗がより一層低下し、得られる全固体型リチウムイオン電池の出力特性をより一層向上させることができる。
上記硫化物系固体電解質材料としては、例えば、LiS-P材料、LiS-SiS材料、LiS-GeS材料、LiS-Al材料、LiS-SiS-LiPO材料、LiS-P-GeS材料、LiS-LiO-P-SiS材料、LiS-GeS-P-SiS材料、LiS-SnS-P-SiS材料等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、リチウムイオン伝導性に優れ、かつ広い電圧範囲で分解等を起こさない安定性を有する点から、LiS-P材料が好ましい。ここで、例えば、LiS-P材料とは、少なくともLiS(硫化リチウム)とPとを含む混合物をメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得られる材料を意味する。
上記酸化物系固体電解質材料としては、例えば、LiTi(PO、LiZr(PO、LiGe(PO等のNASICON型、(La0.5+xLi0.5-3x)TiO等のペロブスカイト型等が挙げられる。
その他のリチウム系無機固体電解質材料としては、例えば、LiPON、LiNbO、LiTaO、LiPO、LiPO4-x(xは0<x≦1)、LiN、LiI、LISICON等が挙げられる。さらに、これらの無機固体電解質材料の結晶を析出させて得られるガラスセラミックスも固体電解質材料として用いることができる。
上記有機系固体電解質材料としては、例えば、ドライポリマー電解質、ゲル電解質等のポリマー電解質を用いることができる。
ポリマー電解質としては、一般的にリチウムイオン電池に用いられるものを用いることができる。
上記固体電解質材料の形状としては、例えば微粒子状を挙げることができる。微粒子状の固体電解質材料は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
上記固体電解質材料の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、リチウムイオン伝導性をより一層向上させることができる。
上記導電助剤としてはリチウムイオン電池に使用可能な通常の導電助剤であれば特に限定されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類;アルミニウム粉等の金属粉末類;酸化亜鉛ウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカー等の導電性ウィスカー類;酸化チタン等の導電性金属酸化物;フェニレン誘導体等の有機導電性材料;等が挙げられる。これらの導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、粒子径が小さく、価格が安いカーボンブラック類が好ましい。
上記バインダーとしては、ポリマー電解質およびそれ以外のバインダーを使用できる。ポリマー電解質の中でも、ドライポリマー電解質が好ましい。また、ポリマー電解質とそれ以外のバインダーとを組み合わせて使用してもよい。
ポリマー電解質以外のバインダーとしては、リチウムイオン電池で一般的に使用されるバインダーであれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリヘキサフルオロプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらのバインダーは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
正極中の各種材料の種類、配合割合は、電池の使用用途等に応じて、適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
本実施形態の正極活物質層の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
(電解質層)
電解質層120は、正極110および負極130の間に形成される層である。電解質層120とは、セパレーターに非水電解液を含浸させたものや、固体電解質材料を含む固体電解質層が挙げられる。
本実施形態のセパレーターとしては正極110と負極130を電気的に絶縁させ、リチウムイオンを透過する機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、多孔性膜を用いることができる。
多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が挙げられる。特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
本実施形態の非水電解液とは、電解質を溶媒に溶解させたものである。
上記電解質としては、公知のリチウム塩がいずれも使用でき、活物質の種類に応じて選択すればよい。例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、CFSOLi、CHSOLi、LiCFSO、LiCSO、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウム等が挙げられる。
上記電解質を溶解する溶媒としては、電解質を溶解させる液体として通常用いられるものであれば特に限定されず、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2-エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の有機酸エステル類;リン酸トリエステルやジグライム類;トリグライム類;スルホラン、メチルスルホラン等のスルホラン類;3-メチル-2-オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類;等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の固体電解質層は、正極110および負極130の間に形成される層であり、固体電解質材料により構成された層である。固体電解質層に含まれる固体電解質材料は、リチウムイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上述した正極に含ませる固体電解質材料と同様のものを用いることができる。固体電解質層は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。
本実施形態の固体電解質層における固体電解質材料の含有量は、所望の絶縁性が得られる割合であれば特に限定されるものではないが、例えば、10体積%以上100体積%以下の範囲内、中でも、50体積%以上100体積%以下の範囲内であることが好ましい。
また、本実施形態の固体電解質層は、バインダーを含有していてもよい。バインダーを含有することにより、可撓性を有する固体電解質層を得ることができる。バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有結着材を挙げることができる。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上1000μm以下の範囲内、中でも、0.1μm以上300μm以下の範囲内であることが好ましい。
ただし、固体電解質層の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
(全固体型リチウムイオン電池)
リチウムイオン電池100は電解質層120として、上述した固体電解質層を用いることによって全固体型リチウムイオン電池とすることができる。
本実施形態の全固体型リチウムイオン電池は、例えば、本実施形態の正極110、負極130、および、正極110と負極130との間に固体電解質材料により構成された固体電解質層を有するものである。
全固体型リチウムイオン電池の負極として、本実施形態のリチウムイオン電池用負極を用いると、充放電容量密度、サイクル特性等の電池特性が良好で、かつ、高い安全性を有するリチウムイオン電池とすることができる。また、電池全体の厚みが薄い薄型の全固体型リチウムイオン電池を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例・比較例では、「mAh/cm」は負極1cmあたりの容量密度を示す。
[1]測定方法
はじめに、以下の実施例、比較例における測定方法を説明する。
(1)粒度分布
レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マルバーン社製、マスターサイザー3000)を用いて、レーザー回折法により、実施例および比較例で用いた材料の粒度分布を測定した。測定結果から、各材料について、重量基準の累積分布における50%累積時の粒径(d50、平均粒子径)をそれぞれ求めた。
(2)充放電試験
実施例および比較例で得られた全固体型リチウムイオン電池について、電流値0.1mA、電流密度0.065mA/cm、測定電位0.4-3.0Vの条件で充放電を100回行った。得られた結果を表1に示す。ここで、1回目の放電容量を100%としたときの100回目の放電容量を放電容量変化率[%]とした。
[2]材料
つぎに、以下の実施例、比較例において使用した材料について説明する。
(1)正極活物質(Li14MoS化合物)の製造
アルゴン雰囲気下で、Al製ポットに、MoS(和光純薬工業社製、745mg、4.7mmol、平均粒子径:10μm)と、LiS(シグマアルドリッチジャパン社製、1497mg、32.5mmol、平均粒子径:5μm)と、を秤量して加え、さらにZrOボールを入れ、Al製ポットを密閉した。
次いで、Al製ポットを、ボールミル回転台に乗せ120rpmで、4日間処理を行い、混合物を得た。
得られたLi-Mo-S化合物は乳鉢により粉砕し、目開き43μmの篩により分級して、平均粒子径d50が2μmのLi-Mo-S化合物を得た。
Moの含有量に対するLiの含有量のモル比(Li/Mo)は14であり、Moの含有量に対するSの含有量のモル比(S/Mo)は9であった。
(2)硫化物系固体電解質材料(Li1112)の製造
硫化物系固体電解質材料であるLi1112を以下の手順で作製した。
原料には、LiS(シグマアルドリッチジャパン製、純度99.9%)、P(関東化学製試薬)を使用した。LiNは、以下の手順で作製した。
まず、窒素雰囲気のグローブボックス中で、Li箔(本城金属社製純度99.8%、厚さ0.5mm)にステンレス製の剣山を使用しφ1mm以下の穴を多数開けた。Li箔は穴の部分から黒紫色に変化し始め、そのまま、常温で24時間放置することでLi箔すべてが黒紫色のLiNに変化した。LiNは、メノウ乳鉢で粉砕後、ステンレス製篩で篩い分けし、75μm以下の粉末を回収し無機固体電解質材料の原料とした。
つづいて、アルゴングローブボックス中で各原料をLiS:P:LiN=67.5:22.5:10.0(モル%)になるように精秤し、これら粉末を20分間メノウ乳鉢で混合した。次いで、混合粉末2gを秤量し、φ10mmのジルコニア製ボール500gとともに、遊星ボールミル(フリッチュ社製、P-7)にて100rpmで1時間混合粉砕した。次いで、400rpmで15時間混合粉砕し、Li1112組成の硫化物系固体電解質材料を得た。
[3]負極の製造
(1)負極1の製造
厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製、融点157℃)と、厚さ2μmの銅箔(ニラコ社製、融点1083℃)を重ねて、0.1MPa以上でプレスした後、真空中で、140℃、10時間加熱した。これにより、インジウム箔中に銅を拡散させ、CuInで示される金属間化合物が微分散した金属膜(負極1)を得た。また、負極1の銅箔側の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。得られた写真を図1に示す。得られた写真から、直径が0.001μm以上0.5μm以下の範囲にあるドメインの個数比率を求めた。
(2)負極2の製造
厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製、融点157℃)と、厚さ2μmの銀箔(高純度化学研究所社製、融点961℃)を重ねて、0.1MPa以上でプレスした後、真空中で、140℃、10時間加熱した。これにより、インジウム箔中にAgInで示される金属間化合物が微分散した金属膜(負極2)を得た。
(3)負極3の製造
厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製、融点157℃)と、厚さ2.5μmの金箔(ニラコ社製、融点1063℃)を重ねて、0.1MPa以上でプレスした後、真空中で、140℃、10時間加熱した。これにより、インジウム箔中にAuInで示される金属間化合物が微分散した金属膜(負極3)を得た。
(4)負極4の製造
厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製、融点157℃)と、厚さ15μmのスズ箔(ニラコ社製、融点232℃)を重ねて、0.1MPa以上でプレスした後、真空中で、140℃、10時間加熱した。これにより、インジウム箔中にSn0.75In0.25およびSn0.25In0.75で示される金属間化合物が微分散した金属膜(負極4)を得た。
(5)負極5の製造
厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製、融点157℃)と、厚さ2.5μmのニッケル箔(ニラコ社製、融点1455℃)を重ねて、0.1MPa以上でプレスした後、真空中で、140℃、10時間加熱した。これにより、インジウム箔中にNi10In27で示される金属間化合物が微分散した金属膜(負極5)を得た。
(6)負極6の製造
厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製、融点157℃)と、厚さ1μmのコバルト箔(ニラコ社製、融点1495℃)を重ねて、0.1MPa以上でプレスした後、真空中で、140℃、10時間加熱した。これにより、インジウム箔中にCoInで示される金属間化合物が微分散した金属膜(負極6)を得た。
(7)負極7の製造
導電性銅箔テープ(寺岡製作所社製8313)の粘着性樹脂層面に厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製)を圧着させたものを負極7とした。なお、表1において、負極の厚さには、導電性銅箔テープの厚さは含めない。
(8)負極8の製造
導電性銅箔テープ(寺岡製作所社製8313)の粘着性樹脂層面に黒鉛質材料(天然黒鉛、日本黒鉛社製、CGC-20、平均粒子径d50:20μm)を付着させ、さらにその上に厚さ20μmのインジウム箔(ニラコ社製)を圧着させたものを負極8とした。ここで、黒鉛質材料により形成された層の厚みは25μmであった。なお、表1において、負極の厚さには、導電性銅箔テープの厚さは含めない。
<実施例1>
負極1、固体電解質層(Li1112、50mg)、正極(Li14MoS:ケッチェンブラック(KB):Li1112=1:0.5:1.2(質量%)、10mg)、導電性銅箔テープ(寺岡製作所社製8313)をこの順で積層させた。ただし、正極側の導電性銅箔テープは、導電性を高めるために銅粉(高純度化学研究所製99%以上、-73μm)7mgを粘着性樹脂層面に付着させた。次いで、得られた積層体を280MPaで加圧して全固体型リチウムイオン電池を作製した。
<実施例2~6、比較例1~2>
負極1を負極2~8に変えた以外は実施例1と同様にして全固体型リチウムイオン電池をそれぞれ作製した。
Figure 0007037267000001
(充放電試験結果)
以上の充放電試験結果を表1に示す。
実施例で得られた全固体型リチウムイオン電池は、比較例で得られた全固体型リチウムイオン電池に比べて、放電容量変化率(サイクル特性)および充放電容量のバランスに優れていた。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
融点が200℃未満の第一金属元素と、融点が200℃以上の第二金属元素を含む金属膜であって、
前記第一金属元素により構成されたマトリクス中に前記第一金属元素および前記第二金属元素を含むドメインが複数分散した微分散構造を有する金属膜。
2.
1.に記載の金属膜において、
前記第一金属元素がインジウム、リチウム、ナトリウム、およびガリウムから選択される一種または二種以上を含む金属膜。
3.
1.または2.に記載の金属膜において、
前記第二金属元素が銅、銀、金、スズ、ニッケルおよびコバルトから選択される一種または二種以上を含む金属膜。
4.
1.乃至3.いずれか一つに記載の金属膜において、
前記ドメインが、前記第一金属元素と前記第二金属元素により構成された金属間化合物を含む金属膜。
5.
4.に記載の金属膜において、
前記金属間化合物が、インジウムと銅からなる金属間化合物、インジウムと銀からなる金属間化合物、インジウムと金からなる金属間化合物、インジウムとスズからなる金属間化合物、インジウムとニッケルからなる金属間化合物およびインジウムとコバルトからなる金属間化合物から選択される一種または二種以上を含む金属膜。
6.
1.乃至5.いずれか一つに記載の金属膜において、
直径が0.001μm以上0.5μm以下の範囲にある前記ドメインの個数比率が90%以上である金属膜。
7.
1.乃至6.いずれか一つに記載の金属膜において、
前記第一金属元素および前記第二金属元素の合計を100質量%としたとき、
前記第一金属元素の含有量が50質量%以上99質量%以下であり、前記第二金属元素の含有量が1質量%以上50質量%以下である金属膜。
8.
1.乃至7.いずれか一つに記載の金属膜において、
厚みが1μm以上500μm以下である金属膜。
9.
1.乃至8.いずれか一つに記載の金属膜において、
当該金属膜の一方の面に前記第二金属元素により構成された金属層が積層された金属膜。
10.
1.乃至9.いずれか一つに記載の金属膜を備えるリチウムイオン電池用負極。
11.
10.に記載の負極と、電解質層と、正極とを備えるリチウムイオン電池。
12.
11.に記載の電池において、
前記正極が硫化物系正極活物質を含むリチウムイオン電池。
13.
11.または12.に記載の電池において、
前記電解質層が固体電解質材料により構成された固体電解質層であるリチウムイオン電池。
14.
13.に記載の電池において、
全固体型リチウムイオン電池であるリチウムイオン電池。
15.
1.乃至9.いずれか一つに記載の金属膜を製造するための製造方法であって、
融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜と、融点が200℃以上の第二金属元素により構成された第二金属膜とを積層することにより多層金属膜を得る工程と、
得られた前記多層金属膜を加熱することにより、前記第一金属膜中に前記第二金属膜を構成する前記第二金属元素を拡散させ、前記第一金属膜中に前記第一金属元素および前記第二金属元素を含むドメインを生成する工程と、
を含む金属膜の製造方法。
16.
15.に記載の金属膜の製造方法において、
前記多層金属膜を得る工程での圧力が0.05MPa以上300MPa以下である金属膜の製造方法。
17.
1.乃至9.いずれか一つに記載の金属膜を製造するための製造方法であって、
融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜上に、融点が200℃以上の第二金属元素を蒸着またはスパッタリングすることにより、前記第二金属元素により構成された第二金属膜を形成し、前記第一金属膜と前記第二金属膜とが積層された多層金属膜を得る工程と、
得られた前記多層金属膜を加熱することにより、前記第一金属膜中に前記第二金属膜を構成する前記第二金属元素を拡散させ、前記第一金属膜中に前記第一金属元素および前記第二金属元素を含むドメインを生成する工程と、
を含む金属膜の製造方法。
18.
15.乃至17.いずれか一つに記載の金属膜の製造方法において、
前記多層金属膜を加熱する際の温度が前記第一金属元素の融点未満である金属膜の製造方法。
100 リチウムイオン電池
110 正極
120 電解質層
130 負極

Claims (9)

  1. 融点が200℃未満の第一金属元素と、融点が200℃以上の第二金属元素を含む金属膜を備えるリチウムイオン電池用負極であって、前記金属膜が、前記第一金属元素により構成されたマトリクス中に前記第一金属元素および前記第二金属元素を含むドメインが複数分散した微分散構造を有し、前記第一金属元素がインジウムを含むリチウムイオン電池用負極を製造する、リチウムイオン電池用負極の製造方法であって、
    融点が200℃未満の第一金属元素により構成された第一金属膜と、融点が200℃以上の第二金属元素により構成された第二金属膜とを積層することにより多層金属膜を得る工程と、
    得られた前記多層金属膜を加熱することにより、前記第一金属膜中に前記第二金属膜を構成する前記第二金属元素を拡散させ、前記第一金属膜中に前記第一金属元素および前記第二金属元素を含むドメインを生成する工程と、
    を含み
    前記多層金属膜を得る工程での圧力が0.05MPa以上300MPa以下であるリチウムイオン電池用負極の製造方法
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    前記第二金属元素が銅、銀、金、スズ、ニッケルおよびコバルトから選択される一種または二種以上を含むリチウムイオン電池用負極の製造方法
  3. 請求項1または2に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    前記ドメインが、前記第一金属元素と前記第二金属元素により構成された金属間化合物を含むリチウムイオン電池用負極の製造方法
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    前記金属間化合物が、インジウムと銅からなる金属間化合物、インジウムと銀からなる金属間化合物、インジウムと金からなる金属間化合物、インジウムとスズからなる金属間化合物、インジウムとニッケルからなる金属間化合物およびインジウムとコバルトからなる金属間化合物から選択される一種または二種以上を含むリチウムイオン電池用負極の製造方法
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    直径が0.001μm以上0.5μm以下の範囲にある前記ドメインの個数比率が90%以上であるリチウムイオン電池用負極の製造方法
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    前記第一金属元素および前記第二金属元素の合計を100質量%としたとき、
    前記第一金属元素の含有量が50質量%以上99質量%以下であり、前記第二金属元素の含有量が1質量%以上50質量%以下であるリチウムイオン電池用負極の製造方法
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    厚みが1μm以上500μm以下であるリチウムイオン電池用負極の製造方法
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    当該金属膜の一方の面に前記第二金属元素により構成された金属層が積層されたリチウムイオン電池用負極の製造方法
  9. 請求項乃至いずれか一項に記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法において、
    前記多層金属膜を加熱する際の温度が前記第一金属元素の融点未満であるリチウムイオン電池用負極の製造方法。
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