<1.情報処理装置及びその動作方法の概要>
(1)実施形態に係る情報処理装置は、ユーザの身体状態に関する判定処理を実行するよう構成されている。身体状態は、ユーザの体に関する状態であればよく、例えば、体調・病状などの健康状態であってもよいし、肌の状態などの美容状態であってもよい。
実施形態に係る情報処理装置は、前記判定処理の結果に基づいて、前記ユーザと人間である対応者との間のコミュニケーションの要否を判定するよう構成されている。対応者は、例えば、医師、エステティシャン、その他の身体状態についてのアドバイザである。対応者との間のコミュニケーションが必要な場合は、例えば、ユーザの健康状態が悪いと判定された場合のように医師などの適切なアドバイザへの相談が必要な場合である。対応者との間のコミュニケーションが不要な場合は、例えば、ユーザの健康状態・美容状態などの身体状態にほとんど問題がない場合である。
実施形態に係る情報処理装置は、前記コミュニケーションが必要であると判定された場合、前記コミュニケーションのための情報処理を実行するよう構成されている。コミュニケーションのための情報処理が実行されることで、ユーザは、対応者と容易にコミュニケーションをとることができる。
(2)前記コミュニケーションのための前記情報処理は、前記コミュニケーションのための通信セッションの確立処理及び前記コミュニケーションの準備処理の少なくともいずれか一つを含むのが好ましい。コミュニケーションのための通信セッションとは、ユーザの通信機器と対応者の通信機器との間で確立される通信セッションである。コミュニケーションの準備処理とは、直ちに対応者とコミュニケーションをとるのではなく、事後的にコミュニケーションをとるために必要な事前準備のための情報処理である。準備処理は、例えば、事後的なコミュニケーションの予約を設定するための予約処理を含んでもよいし、事後的にコミュニケーションのための通信セッションを確立するためのタイマー設定を含んでもよい。
(3)前記準備処理は、前記コミュニケーションの予約処理を含むのが好ましい。この場合、ユーザは、都合の良い時に対応者とのコミュニケーションをとるために、予約をすることができる。
(4)前記コミュニケーションのための前記情報処理は、前記判定処理に用いられた前記ユーザの情報を前記対応者の端末に表示可能にする処理を含むのが好ましい。この場合、対応者は、判定処理を踏まえた対応をすることができる。対応者の端末には、判定処理に用いられたユーザの情報に代えて、又は、加えて、判定結果が表示されてもよい。
(5)前記コミュニケーションのための前記情報処理は前記判定処理の結果に基づいて選択されるのが好ましい。この場合、判定処理の結果に応じて、適切な情報処理が選択される。選択される処理は、例えば、医師とのコミュニケーションのための情報処理、エステティシャンとのコミュニケーションのための情報処理、及びアドバイザとのコミュニケーションのための情報処理のいずれかであるのが好ましい。
(6)前記コミュニケーションのための前記情報処理は、日又は時間に基づいて選択されるのが好ましい。この場合、日又は時間に応じて、適切な情報処理が選択される。情報処理は、例えば、コミュニケーションのための通信セッションの確立処理及び前記コミュニケーションの準備処理を含むことができる。例えば、平日の日中は、コミュニケーションのための通信セッションの確立処理が選択され、夜間又は休日は、コミュニケーションの準備処理が選択されてもよい。
(7)前記対応者は、前記判定処理の結果に基づいて選択されるのが好ましい。この場合、判定処理の結果に応じて、適切な対応者が選択される。
(8)実施形態に係る情報処理装置は、前記判定処理の結果を用いて、前記ユーザが使用するマッサージ装置に行わせる動作を決定する動作決定処理をさらに実行するのが好ましい。この場合、マッサージ装置に行わせる動作として、判定処理結果に応じた適切なマッサージ動作を決定することができる。なお、情報処理装置は、マッサージ装置に内蔵されていてもよいし、マッサージ装置と通信ネットワークを介して接続されるものであってもよい。マッサージ動作の決定は、判定結果に基づくマッサージコースの選択であってもよいし、判定結果に基づくマッサージ部位(例えば、経絡)の選択であってもよいし、判定結果に基づくマッサージコースの自動生成であってもよい。
動作を決定することは、唯一の動作の決定又は実際にマッサージ動作が実行する動作の決定である必要はなく、ユーザに推奨するための複数の動作候補の決定であってもよい。
(9)実施形態に係る情報処理装置は、前記コミュニケーションが必要であると判定された場合、前記動作決定処理を実行することなく、前記コミュニケーションのための前記情報処理を実行することができる。コミュニケーションが必要であると判定された場合でもマッサージが行われてもよいが、コミュニケーションが必要であると判定された場合には、マッサージが行われることが適切でないこともあるため、前記動作決定処理を実行しないことで、マッサージの実行を回避できる。
(10)実施形態に係る情報処理装置の動作方法は、ユーザの身体状態に関する判定処理を実行し、前記判定処理の結果に基づいて、前記ユーザと人間である対応者との間のコミュニケーションの要否を判定し、前記コミュニケーションが必要であると判定された場合、前記コミュニケーションのための情報処理を実行することを含む。
実施形態に係るコンピュータプログラムは、ユーザの身体状態に関する判定処理と、前記判定処理の結果に基づいて、前記ユーザと人間である対応者との間のコミュニケーションの要否を判定する処理と、前記コミュニケーションが必要であると判定された場合、前記コミュニケーションのための情報処理と、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムである。
<2.情報処理装置の例>
図1及び図2は、図3に示すサーバ(情報処理装置)40によって実行される処理を示している。サーバ40は、ユーザ20に対するサービス提供用である。ユーザ20に提供されるサービスは、例えば、ユーザ20によるマッサージ装置10の使用のサポートと、ユーザ20の健康状態及び美容状態などの身体状態の管理及びそれに付随したサービスを含む。サーバ40は、ユーザ20に対するサービス提供者によって運営される。サービス提供者は、例えば、マッサージ装置10の販売会社である。
図3に示すように、サーバ40は、ネットワーク30を介してマッサージ装置10と通信可能である。ネットワーク30は、例えば、インターネットである。マッサージ装置10は、多数の家庭に設置されている。サーバ40は、複数のマッサージ装置10と通信可能である。
サーバ40は、プロセッサ50及び記憶装置60を備えたコンピュータである。プロセッサ50は、サービス提供のための様々な情報処理51,52,53,54,55,56,57,58を実行する。これらの情報処理51,52,53,54,55,56,57,58は、プロセッサ50が、記憶装置60に記憶されたコンピュータプログラム70を実行することにより行われる。これらの情報処理51,52,53,54,55,56,57,58については、後述する。記憶装置60は、情報処理に用いられる各種のデータ61,62,63,64,65,66,67,68を記憶している。これらのデータ61,62,63,64,65,66,67,68についても、後述する。
マッサージ装置10は、マッサージ装置本体10aを備える。マッサージ装置本体10aは、ユーザ20にマッサージを施すマッサージ部(図示省略)を備える。マッサージ装置本体10aは、例えば、椅子型である。椅子型マッサージ装置本体10aは、例えば、ユーザが着座する座部、座部の後側に設けられた背もたれ部、座部の前側に設けられたフットレスト、座部の左右両側に設けられたアームレストを備える。座部、背もたれ部、フットレスト、アームレストには、それぞれ、マッサージ部が設けられており、ユーザ20の全身をマッサージする。
マッサージ装置10は、情報処理装置11を備える。情報処理装置11は、例えば、タブレット型である。情報処理装置11は、プロセッサ12及び記憶装置13を備えたコンピュータである。プロセッサ12は、記憶装置13に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理装置11において行われるべき処理を行う。情報処理装置11は、サーバ40にて行われる処理を実行してもよい。
情報処理装置11は、マッサージ装置10に着座したユーザ20が操作できるように、例えば、アームレスト近傍において、マッサージ装置10に搭載されている。情報処理装置11は、無線又は有線で、マッサージ装置本体10aの本体制御部(図示省略)と接続されている。
情報処理装置11は、マッサージ装置本体10aの操作器として機能するとともに、ネットワーク30等を介した通信をする通信端末としても機能する。ユーザ20は、操作器としての情報処理装置11を操作することで、マッサージコースの選択・実行、マッサージ部の動作の調整、背もたれ部及びフットレストの位置調整などをすることができる。
情報処理装置11は、表示装置15を備える。実施形態の表示装置15は、タッチパネルであり、ユーザ20は、タッチパネル15によって入力操作をすることができる。情報処理装置11は、タッチパネル15が、椅子型マッサージ装置本体10aに着座したユーザ20が操作可能であるように、椅子型マッサージ装置本体10aに配置されている。
情報処理装置11は、カメラ(第1カメラ)14を備える。カメラ14は、椅子型マッサージ装置本体10aに着座したユーザ20の顔付近を撮影できるように配置されている。情報処理装置11は、マイク16及びスピーカ17を備えている。マイク16により、情報処理装置11へ音声入力ができる。スピーカ17により、情報処理装置11から音声を出力することができる。
なお、カメラ14、タッチパネル15、マイク16、スピーカ17は、ユーザインタフェースとして機能する。
情報処理装置11は、通信インタフェース(IF)18を備える。通信IF18は、例えば、近距離無線通信部である。通信IF18は、ユーザ20の通信端末21,22,23と通信する。通信端末21は、例えば、ユーザ20が持つスマートフォン又はタブレットである。通信端末21は、カメラ(第2カメラ)21aを備える。
通信端末22は、例えば、ユーザ20のウェアラブル機器である。ウェアラブル機器22は、例えば、時計型、アクセサリー型、衣服型、眼鏡型、コンタクトレンズ型、身体への貼り付け型、身体への内蔵型である。ウェアラブル機器22は、血圧、体温、脈拍などのバイタルデータ(ライフログ)をユーザから取得する。なお、バイタルデータを取得する装置は、マッサージ装置10に設けられていてもよい。
通信端末23は、例えば、身体の検査機器である。検査機器23は、ウェアラブル機器22で得られるデータよりも詳細な生体データを取得する機器である。通信端末21(カメラ(第2カメラ)21aを含む)及び通信端末22,23は、ユーザインタフェースとして機能する。
情報処理装置11は、通信インタフェース(IF)19を備える。通信IF19は、例えば、無線LAN又は有線LAN通信部である。情報処理装置11は、LANを介して、インターネットなどのネットワーク30に接続する。マッサージ装置10のユーザ20は、情報処理装置11を用いて、サーバ40へアクセスし、サーバ40からのサービス提供を受けることができる。
ユーザ20は、例えば、マッサージ装置10を利用する際に、マッサージ実行に先立って、サーバ40へアクセスする。図1及び図2は、ユーザ20がサーバ40にアクセスして、マッサージ実行がされるまでの間に、サーバ40において行われる処理を示している。なお、図1及び図2に示す処理は、マッサージ実行とは無関係に行われてもよい。
図1及び図2に示すステップS11において、ユーザ20がサーバ40へログインする処理が実行される。ステップS11において、ユーザ20の認証は、例えば、顔認証により行われる。顔認証は、情報処理装置11に搭載されたカメラ14によって撮影されたユーザ顔画像に基づいて行われる。
ユーザ20がサーバ40にログインすると、図1及び図2に示すステップS12において、ユーザの身体状態に関する判定処理51(図3参照)が実行される。実施形態の判定処理51は、一次判定処理(ステップS32)と二次判定処理(ステップS36)とを含む。実施形態の判定処理51は、例えば、人工知能を用いて行われる。
図1に示すステップS31において、一次判定処理に用いられる第1情報の取得処理が実行される。図4に示すように、実施形態において、第1情報は、カメラ14によって撮影された顔画像81(第1画像;第1情報)を含む。顔画像81は、判定処理のために撮影されたものでもよいが、ユーザ認証に用いられた画像を流用するのが好ましい。ユーザ認証に用いられた顔画像を判定処理S12にも用いることで、撮影回数を少なくでき、ユーザ負担が軽減される。
実施形態において、第1情報は、チャットボット51aとユーザとの対話情報を含む。チャットボット51aは、ユーザとの対話において、ユーザの身体状態に関する問診を行い、対話内容から、ユーザの身体状態を示す情報を取得する。身体状態を示す情報は、例えば、対話中の身体状態に関するキーワードである。キーワードは、例えば、「凝っている」「微熱」「食欲」「便秘」「肌あれ」など対話内容から形態素解析により抽出された単語である。身体状態を示す情報は、対話内容を意味解析して得られた情報であってもよい。なお、チャットボット51aは、サーバ40の機能であってもよいし(図3参照)、情報処理装置11の機能であってもよい。
実施形態において、第1情報は、ウェアラブル機器22から取得されたバイタルデータ(ライフログ)を含む。バイタルデータは、スマートフォン21又はマッサージ装置10から取得されてもよい。
実施形態において、第1情報は、個人情報データベース66(図3参照)に保存された個人情報を含む。個人情報データベース66は、ユーザ20の性別・年齢のほか、ユーザ20から過去に取得された情報(第1情報及び後述の第2情報)、ユーザ20についての過去の判定処理51の結果、ユーザ20のマッサージ履歴(マッサージ装置10によるマッサージ動作の内容と日時)、ユーザ20の食事履歴、ユーザ20の運動履歴、ユーザ20の病歴などを含む。
カメラ14、チャットボット51a、及びウェアラブル機器22から取得された第1情報が、現在のユーザ20に関するデータ(新規データ)であるのに対して、個人情報データベース66は、過去のユーザ20に関する保存済みデータ(過去データ)である。過去及び現在のデータを判定に用いることで、過去と現在の差を判定に利用することができる。
ステップS32の一次判定処理では、ユーザ20に関する第1情報を用いて、ユーザ20の身体状態が判定される。身体状態の判定には、例えば、判定用ビッグデータ67(図3参照)を機械学習した人工知能が用いられる。機械学習は、例えば、深層学習である。判定用ビッグデータ67は、例えば、身体状態の判定に用いられた情報と判定結果との組み合わせからなるデータを多数有して構成される。
ステップS31において取得された第1情報を、学習済みの人工知能に与えると、人工知能は、ユーザ20の身体状態を出力する。なお、身体状態の判定は、機械学習済み人工知能で行われる必要はなく、第1情報から身体状態を導くためのルールに基づく処理によって行われてもよい。また、身体状態の判定は、機械学習済み人工知能とルールに基づく処理とを組み合わせてもよい。
ルールに基づいて身体状態を判定するには、例えば、顔画像に基づいて、顔色を識別し、顔色に基づいて所定の身体状態を出力してもよい。また、顔画像に対する画像認識処理により、顔における湿疹の発生などを検出し、湿疹の状況によって所定の身体状態を出力してもよい。また、過去データと新規データとの間に差がある場合には、その差に基づいて所定の身体状態を出力してもよい。また、対話情報に含まれるキーワードに基づいて、所定の身体状態を出力してもよい。
新規データである第1情報及び一次判定処理の結果(身体状態)は、個人情報データベース66に保存され、将来の判定処理51に用いられる。
ステップS32の一次判定処理の後、ステップS33において、追加判定処理である二次判定処理の要否が判定される。実施形態において、二次判定処理は、一次判定処理よりも詳細な判定又は異なる判定を行う。ステップS33では、ユーザ20の身体状態が、そのような追加判定が必要な状態であるか否かが判定される。
二次判定処理の要否は、例えば、図5に示す二次判定要否テーブル61を参照することで判定される。二次判定要否テーブル61は、身体状態と二次判定の要否とが対応付けられている。例えば、「良好」という身体状態には、二次判定要否として「不要」が対応付けられている。また、「顔色が白色」「顔色が黄色」「顔色が赤色」「顔色が青色」「顔色が黒色」などの顔色不良に関する身体状態、「吹き出物、ニキビ」「シミ」「乾燥」などの肌荒れに関する身体状態、「目の下のクマ」「目の充血」などの睡眠不足に関する身体状態には、二次判定要否として「必要」が対応付けられている。
ステップS33の判定では、一次判定処理の結果である身体状態に基づいて、二次判定要否テーブル61を参照することで、二次判定処理の要否を判定する。なお、二次判定処理の要否の判定は、テーブル61の参照ではなく、一次判定処理の結果に基づき機械学習済みの人工知能で行ってもよい。
ステップS33において二次判定処理が必要と判断された場合、ステップS34において、二次判定処理に用いられる第2情報の種類が決定される。第2情報の種類も図5に示すテーブル61を参照することで決定される。テーブル61では、二次判定処理が必要である身体状態には、第2情報の種類も対応付けられている。例えば、「顔色が白色」という身体状態には、第2情報として「鼻の拡大画像、問診」などが対応付けられている。「顔色が黄色」という身体状態には、第2情報として「口の拡大画像、問診」などが対応付けられている。「顔色が赤色」という身体状態には、第2情報として「手の拡大画像、舌の拡大画像」などが対応付けられている。「顔色が青色」という身体状態には、第2情報として「目の拡大画像、問診」などが対応付けられている。「顔色が黒色」という身体状態には、第2情報として「耳の拡大画像、問診」などが対応つけられている。また、「吹き出物、ニキビ」という身体状態には、第2情報として「吹き出物、ニキビが出ている位置の拡大画像」が対応付けられている。「シミ」という身体状態には、第2情報として「舌の拡大画像、問診」などが対応付けられている。「乾燥」という身体状態には、第2情報として「食事データ」などが対応付けられている。さらに、「目の下のクマ」という身体状態には、第2情報として「睡眠データ」が対応付けられている。「目の充血」という身体状態には、第2情報として「舌の拡大画像」が対応付けられている。
第2情報の種類を決定することで、取得すべき第2情報を、一次判定処理の結果に応じて必要とされるものだけに絞ることができる。この結果、ユーザ負担を軽減できる。なお、舌の拡大画像は、二次判定処理のための多くの情報が得られるため、すべての身体状態において取得される第2情報として、舌の拡大画像を含んでもよい。
ステップS35において、第2情報の取得処理が実行される。第2情報は、第1情報とは異なる情報である。例えば、第1情報が、顔の全体画像であれば、第2情報としての画像は、顔の一部の拡大画像である。顔の一部とは、例えば、鼻、目(眼底)、口腔、唇、舌、耳、頬、喉である。第2画82像は、ユーザの顔以外の部位の画像であってもよい。顔以外の部位は、例えば、手、足、その他の部位である。
第2情報としての画像は、スマートフォン21のようにユーザ20が手にもって撮影できるモバイル機器に搭載されたカメラ21aによって撮影されるのが好ましい。マッサージ装置10に着座したユーザ20の顔全体を撮影するように配置されたカメラ14によって、顔の拡大画像又は顔以外の部位の画像を撮影するには、ユーザ20が体を動かす必要があり、ユーザ負担が大きい。これに対して、手にもって撮影できるモバイル機器のカメラ21aを用いると、手を動かすなどの少ない動きで、顔の拡大画像又は顔以外の部位の画像を撮影でき、ユーザ負担が少ない。また、ユーザが、マッサージ装置10に着座したまま、様々な部位を撮影するのも容易である。なお、第2情報としての画像は、マッサージ装置10に搭載されたカメラ14によって撮影された画像を含んでもよい。
図4に、第2情報としての画像を取得するために、情報処理装置11のタッチパネル15又は通信端末21の画面に表示される画面90を示した。画面90では、ステップS34で決定された種類の画像をユーザ20が撮影するためのガイダンスが表示される。
画面90には、ステップS34で決定された種類の画像に対応するサンプル画像92が表示される。例えば、ステップS34において、決定された第2画像82の種類が、舌の拡大画像を含む場合、サンプル画像92として、舌の拡大画像が表示される。サンプル画像92は舌を撮影した画像でもよいし、イラスト画像でもよい。サンプル画像92を表示することで、判定に適切な画像を得やすくなる。
画面90には、ステップS34で決定された種類の画像を撮影することをユーザに促す説明文91が表示される。例えば、ステップS34において、決定された第2画像82の種類が、舌の拡大画像を含む場合、「サンプル画像を参考に舌の画像を撮影してください」との説明文91が表示される。
画面90には、カメラ21aからの画像が表示される領域93を備えている。ユーザ20は、サンプル画像92を参考にして、自ら舌を出し、撮影ボタン94を選択することで、自らの舌の拡大画像を撮影することができる。
第1情報が、対話情報である場合、第2情報としての対話情報は、第1情報としての対話情報を得るための対話ではなされなかった質問を含む対話に基づく対話情報である。第2情報としての対話情報を得るために、より詳細な身体状態(病態など)を特定するための追加的な質問をすることで、より詳細な対話情報を得ることができる。
第2情報は、第1情報には含まれていなかった検査機器23の検査データを含むことができる。検査データを得るには、検査機器23を操作したり、検査のための時間を要したり、ユーザへの負担が比較的大きい。しかし、第2情報は、一次判定処理の結果、必要と判断された場合にだけ取得されるため、一律に検査データを取得する場合に比べて、ユーザ負担を抑えることができる。なお、第1情報に検査データを含んでもよい。
ステップS36の二次判定処理では、ユーザ20に関する第2情報を用いて、ユーザ20の身体状態が判定される。二次判定処理における身体状態の判定にも、例えば、判定用ビッグデータ67(図3参照)を機械学習した人工知能が用いられる。
ステップS35にて取得された第2情報を、学習済みの人工知能に与えると、人工知能は、ユーザ20の身体状態を出力する。二次判定処理では、一次判定処理に用いられた第1情報とは異なる第2情報が用いられるため、追加的な判定を行える。二次判定処理において、第1情報も用いてもよい。二次判定処理においても、個人情報データベース66に保存された過去データを用いることができる。
なお、二次判定処理における身体状態の判定も、機械学習済み人工知能で行われる必要はなく、第2情報から身体状態を導くためのルールに基づく処理によって行われてもよい。また、身体状態の判定は、機械学習済み人工知能とルールに基づく処理とを組み合わせてもよい。
このように、実施形態の判定処理51では、一次判定処理の結果、二次判定処理が必要と判定された場合に、必要な第2情報が取得される。一方、一次判定処理の結果、二次判定処理が不要と判定された場合には、第2情報は取得されない。したがって、サーバ40は、ユーザ20から多くの情報を取得する機能を有していたとしても、ユーザ20から情報を取得するのは必要な場合に限られる。この結果、ユーザ負担が軽減される。一方、サーバ40は、二次判定処理においては、必要な多くの情報を取得できるため、より適切な判定を行うことができる。
新規データである第2情報及び二次判定処理の結果(身体状態)は、個人情報データベース66に保存され、将来の判定処理51に用いられる。
以上の判定処理51(ステップS12)が終了すると、サーバ40は、判定処理の結果に基づいて、ユーザのための様々な処理を実行することができる。実施形態においては、図2に示すステップS13において、対応者との間のコミュニケーションの要否の判定が実行される。ステップS13の判定は、ユーザ対応を、機械(人工知能)であるサーバ40から、人間である対応者に引き継ぐか否かの判定である。
コミュニケーションの要否の判定は、二次判定の結果(身体状態)に基づいて行われる。コミュニケーションの要否は、例えば、図6に示すコミュニケーション要否テーブル62を参照することで判定される。コミュニケーション要否テーブル62は、身体状態とコミュニケーションの要否とが対応付けられている。例えば、「問題なし」及び「睡眠不足」という身体状態には、コミュニケーション要否として「不要」が対応付けられている。また、「判断不能」「健康上の問題が大きい状態」「美容上の改善が可能な状態」という身体状態には、コミュニケーション要否として「必要」が対応付けられている。
ステップS13の判定では、二次判定処理の結果である身体状態に基づいて、コミュニケーション要否テーブル62を参照することで、コミュニケーション要否を判定する。なお、コミュニケーション要否の判定は、テーブル62の参照ではなく、二次判定処理の結果に基づき機械学習済みの人工知能でおこなってもよい。また、コミュニケーション要否の判定は、一次判定処理の結果を用いてもよい。また、ステップS13の判定において、コミュニケーションが不要と判断された場合においても、ユーザがコミュニケーションを望むことを示す信号をサーバ40が受け付けた場合には、ユーザが望む対応者とのコミュニケーションを行うことができる。さらに、ステップS13の判定において、コミュニケーションが必要と判断された場合であっても、ユーザがコミュニケーションを望まないことを示す信号をサーバ40が受け付けた場合には、コミュニケーションが実行されないようにしてもよい。
ステップS13において、コミュニケーションが必要と判断された場合、ステップS14において、対応者の選択処理がなされる。対応者は図6に示すテーブル62を参照することで選択される。テーブル62では、対応者とのコミュニケーションが必要である身体状態には、所定の対応者も対応付けられている。例えば、「判断不能」には、「アドバイザ」が対応者として対応付けられている。「呼吸器系に関する問題の可能性」という身体状態には、「呼吸器科の医師」が対応者として対応つけられている。「消化器系に関する問題の可能性」という身体状態には、「消化器科の医師」が対応者として対応付けられている。「循環器系に関する問題の可能性」という身体状態には、「循環器科の医師」が対応者として対応付けられている。「自律神経系に関する問題の可能性」という身体状態には、「心療内科又は精神科の医師」が対応付けられている。「軽度の肌荒れ」という身体状態には、「エステティシャン」が対応者として対応付けられている。「重度の肌荒れ」という身体状態には、「皮膚科の医師」が対応者として対応付けられている。「軽度の睡眠不足」という身体状態には、「アドバイザ」が対応者として対応付けられている。「重度の睡眠不足」という身体状態には、「心療内科又は精神科の医師」が対応者として対応付けられている。実施形態によれば、ユーザの状況に応じて適切な対応者を選択することができる。なお、対応者は、ユーザによって選択されてもよい。
ステップS16において、選択された対応者が、その時点で対話可能であるか否かが判定される。対話可能であるか否かは、選択された対応者のスケジュールを持つ対応者データベース63,64,65(図7参照)を参照することで判定される。実施形態において、対応者データベースは、医師データベース63、エステティシャンデータベース64及びアドバイザデータベース65を含む。各データベース63,64,65は、複数の対応者毎の対応可能スケジュール情報を有している。スケジュール情報は、対応者が対話可能な日、曜日、時間帯を示す情報を含む。ステップS16では、選択された対応者のスケジュール情報に照らして、現在の日時において、選択された対応者が対話可能であるか否かが判定される。
ステップS16において対話可能と判定された場合、対応者とのコミュニケーションのための通信セッション確立処理が実行される(ステップS18,S21,S24)。実施形態においては、図8に示すように、通信セッションS1,S2,S3は、マッサージ装置10と対応者端末101,102,103との間で、ネットワーク30を介して確立される。通信セッション確立処理は、サーバ40が、強制的に通信セッションS1,S2,S3を確立する処理であってもよいし、ユーザ20又は対応者の操作によって通信セッションS1,S2,S3を確立させるための画面を、マッサージ装置10又は対応者端末101,102,103に表示させる処理であってもよい。
実施形態において、通信セッションS1,S2,S3、ビデオ通話が可能な通信セッションである。対応者は、ユーザ20の顔を見ながら、対応することができる。マッサージ装置10-対応者端末101,102,103間に通信セッションが確立すると、サーバ40は、判定処理51に用いられたユーザ情報(第1情報及び第2情報)及びその他のユーザに関する情報を、対応者端末に送信する処理を実行する(ステップS19,S22,S25)。これにより、対応者は、ユーザの状況を把握するのが容易になる。
ユーザ情報は、サーバ40から直接、対応者端末101,102,103へ送信されてもよいし、ユーザ側装置であるマッサージ装置10経由で対応者端末101,102,103へ送信されてもよい。
対応者とユーザとの対話が完了すると、通信セッションは終了する(ステップS20,S23,S26)。
また、ステップS16において対話不可と判定された場合、ステップS17において、対応者とのコミュニケーションの予約処理が実行される。対話不可と判定されるのは、例えば、スケジュール情報上、その時点で、対話可能な対応者が存在しない場合である。例えば、夜間や休日においては、予約処理が実行される。予約処理では、サーバ40は、予約可能な日時と対応者リストとを、情報処理装置11に表示させる。ユーザ20は、予約日時と対応者を選択することで、予約が完了する。予約処理を行うことで、事後的に対応者とコミュニケーションをとることができる。なお、予約処理は、対応者が対話可能と判定された場合においても実行可能であってもよい。
さて、ステップS13において、対応者とのコミュニケーションが不要と判定された場合であっても、サーバ40は、ステップS15において、ユーザのための他の処理を実行することができる。
ユーザのための他の処理は、例えば、二次判定処理の結果に応じたビデオ画像をユーザ端末に表示させる処理54(図3参照)である。表示されるビデオ画像は、例えば、二次判定処理の結果(身体状態)に基づいて、人工知能により選択される。ビデオ画像を選択する人工知能は、身体状態とビデオ画像との関係を機械学習したものである。ビデオ画像は、例えば、身体状態の改善に関するものが好ましい。
ユーザのための他の処理は、例えば、ユーザ20に病院に行くことを勧める処理55(図3参照)である。この処理55により、ユーザ20の健康状態が、緊急性を要するような状況であるときには、病院に行くことを促すことができる。
ユーザのための他の処理は、二次判定処理の結果に応じた生活習慣改善アドバイスをユーザ端末に出力させる処理56(図3参照)である。表示されるアドバイスは、二次判定結果が、例えば、肥満傾向を示すものである場合、食事の量を制限するアドバイスや運動量を増やすアドバイスを含むことができる。
ユーザのための他の処理は、二次判定処理又は二次判定を含む判定処理全体を再度行うスケジュールを設定する処理57である。サーバ40は、情報処理装置11に、スケジュールを設定させる画面を表示させる。そして、ユーザ入力により、スケジュールが設定される。これにより、ユーザ20が希望するときに、再度の判定処理を実行することが可能となる。
ユーザのための他の処理は、二次判定処理の結果又は一次判定処理の結果に応じた推奨商品をユーザ端末に表示させる処理58である。例えば、判定結果が、栄養不足を示すものである場合、栄養補助食品をユーザに提示することができる。また、判定結果が、運動不足を示すものである場合、運動器具をユーザに提示することができる。
なお、ユーザのための処理54,55,56,57,58は、対応者とのコミュニケーションが行われる場合に実行されてもよい。また、ユーザのための処理54,55,56,57,58は、後述のマッサージ動作決定処理(ステップS27)により決定されたマッサージ動作の実行中に並行して実行されてもよし、マッサージ動作の実行後に実行されてもよい。
ステップS27のマッサージ動作決定処理では、ステップS12の判定処理51の結果に基づいて、マッサージ装置10に行わせるマッサージ動作が決定される。決定されたマッサージ動作は、サーバ40から情報処理装置11へ送信される。情報処理装置11は、受信したマッサージ動作を、マッサージ装置本体10aに実行させる。本実施形態においては、身体状態に応じた適切なマッサージが行われる。さらに、本実施形態では、必要に応じて多くの情報を用いた詳細な身体状態判定が行われるため、身体状態の違いに応じて、きめ細かくマッサージの内容を調整することができる。
マッサージ動作決定処理では、個人情報データベース66に保存された過去データをも用いて、マッサージ動作を決定することができる。過去データとしては、例えば、ユーザ20に対して過去施されたマッサージ動作の内容である。過去のマッサージ動作の内容は、ユーザのマッサージの好みも示している。したがって、ユーザの過去データをも参照してマッサージ動作を決定すると、同じ身体状態であっても、ユーザの好みに応じた異なるマッサージ動作を決定することができる。
マッサージ動作決定処理では、二次判定処理の結果の有無に応じて、マッサージ動作の決定方法を異ならせることができる。多くの場合、一次判定処理は少ない情報に基づいて行われるため、判定の精度が比較的低い。したがって、マッサージ動作の決定も簡易な処理で行うのが好適である。
簡易な処理によるマッサージ動作の決定の仕方は、例えば、既存の複数のマッサージコース候補の中からの選択である。例えば、図9に示すように、身体状態とマッサージコースとが対応付けられたマッサージコーステーブル68を参照することにより、一次判定処理の結果が示す身体状態に応じたマッサージコースを、複数のマッサージコース候補の中から選択することができる。
また、多くの場合、二次判定処理はより多い情報に基づいて行われるため、判定の精度が比較的高い。したがって、マッサージ動作の決定も、既存のマッサージコースの選択ではなく、ユーザ20の状況に応じた新たなマッサージコースを自動生成する処理で行うのが好適である。
マッサージコースの自動生成は、例えば、標準的なマッサージコース201を、二次判定処理の結果が示す身体状態に応じて、適宜改変することによって行える。また、マッサージコースの自動生成は、個人情報データベース66に保存されているユーザ20の好みのマッサージコースを、身体状態に応じて、適宜改変することによって行ってもよい。
さらに、マッサージコースの自動生成は、マッサージ部位(経絡の位置)202、マッサージ動作(揉み、叩きなど)203、マッサージ強さ204、マッサージ時間205など、マッサージコースを規定する要素を組み合わせることで行われてもよい。各要素の組み合わせの際には、二次判定処理の結果が考慮される。各要素の組み合わせの際には、個人情報データベース66に保存された過去データを考慮してもよい。
決定されたマッサージ動作は、個人情報データベース66に新規データとして保存される。
本実施形態において、マッサージ動作決定処理は、判定処理の判定結果にかかわらず常に実行されてもよい。ただし、対応者との間のコミュニケーションが必要と判定された場合には、マッサージ動作決定処理を実行することなく、コミュニケーションのための処理を優先して実行するのが好適である。この場合、直ちに医師に相談することが望まれるような状況等において、マッサージ動作の実行を回避することで、ユーザ20は、医師等の対応者とのコミュニケーションを迅速に行うことができる。
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。